JPH05313412A - トナー及びトナー用樹脂組成物 - Google Patents

トナー及びトナー用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH05313412A
JPH05313412A JP4115995A JP11599592A JPH05313412A JP H05313412 A JPH05313412 A JP H05313412A JP 4115995 A JP4115995 A JP 4115995A JP 11599592 A JP11599592 A JP 11599592A JP H05313412 A JPH05313412 A JP H05313412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
weight
peroxide
image
vinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4115995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2763230B2 (ja
Inventor
Takuo Suzuki
卓夫 鈴木
Tsunehiro Masaoka
恒博 正岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP4115995A priority Critical patent/JP2763230B2/ja
Publication of JPH05313412A publication Critical patent/JPH05313412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2763230B2 publication Critical patent/JP2763230B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間複写機を使用した場合や過酷な環境下
でも、安定した画像の得られるトナー及びトナー用樹脂
組成物を得る。 【構成】 過酸化物系開始剤により重合したビニル系共
重合体を主成分とするトナー用樹脂組成物及び着色剤を
含むトナーに対し、0.0001〜3重量%のテトラメ
チルサクシノニトリルを含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真等に使用する
トナー及びトナー用樹脂組成物に関するものであり、詳
細には静電画像を現像する方式のうちのいわゆる乾式現
像方式に使用するトナー及びトナー用樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦帯電性を制御するため、現像剤用ト
ナーに、染料、顔料等の荷電制御性物質を添加すること
が行なわれている。この荷電制御物質は、トナーに正荷
電や負荷電を付与するものであり、例えば、特公昭41
−20153号、特公昭44−6397号、特開昭53
─127726号、特開昭57−141452号などに
このような荷電制御物質が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような公報に開示
された化合物は、トナーの荷電制御剤としての性能に関
しては十分であるが、高画質化、高耐久化、及び環境変
動による安定性に関しては、必ずしも満足できるもので
はなかった。近年、複写分野においては、パーソナル化
が進み、特に高耐久化に対する要求が高まってきてい
る。帯電制御剤は、短期間における帯電制御能力や環境
安定性に関しては優れているが、長期間複写機を使用し
た場合や、過酷な環境下においては必ずしも十分に帯電
量を安定させるものではなかった。したがって、このよ
うな条件下では帯電制御剤を用いても、帯電量の変化を
生じ、画像が不安定になるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、長期間複写機を使用した場合や過酷な環境下
においても、安定した画像を得ることができるトナー及
びトナー用樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるトナーは、
過酸化物系開始剤により重合したビニル系共重合体を主
成分とするトナー用樹脂組成物及び着色剤を含み、トナ
ーに対し0.0001〜3重量%のテトラメチルサクシ
ノニトリルを含有することを特徴としている。テトラメ
チルサクシノニトリルの含有量が0.0001重量%よ
りも少なくなると、長期間あるいは過酷な環境下でも安
定した画像を得ることができるという本発明の効果がほ
とんど得られなくなる。また含有量が3重量%を超える
と、トナーとしての基本性能が低下したり、定着時に臭
いが発生したりすることがある。更に好ましい含有量
は、0.001〜0.8重量%である。
【0006】テトラメチルサクシノニトリルは、トナー
に均一に分散され含有されていることが好ましい。ま
た、更に好ましくは、トナー用樹脂組成物にテトラメチ
ルサクシノニトリルが含有される。この場合、トナー用
樹脂組成物と着色剤を混練してトナーとしたときに、ト
ナーに対し0.0001〜3重量%となるようにテトラ
メチルサクシノニトリルをトナー用樹脂組成物に含有さ
せる。本発明において用いるトナー用樹脂組成物は、ビ
ニル系共重合体を主成分としている。ビニル系共重合体
としては、構成単位として、スチレン系単量体及び/ま
たは(メタ)アクリル酸エステル単量体を含むものが好
ましい。また、これらの単量体以外にもその他のビニル
系単量体を構成単位として含んでいてもよい。
【0007】スチレン系単量体の具体例としては、スチ
レンの他にo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α─メチルスチレン、p─エチル
スチレン、2,4─ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−ter−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4ジクロルスチレ
ンなどを挙げることができる。
【0008】(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体
例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリル酸ステ
アリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリルなどのアクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルの他、アク
リル酸2─クロルエチル、アクリル酸フェニル、α─ク
ロルアクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル、メタクリル酸2─ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸グリシジル、ビスグリシジルメタクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート、メタクリロ
キシエチルホスフェートなどを挙げることができ、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどが特に好まし
く用いられる。
【0009】その他のビニル系単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、α─エチルアクリル酸、クロトン
酸などのアクリル酸及びそのα─あるいはβ─アルキル
誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘
導体及びジエステル誘導体、コハク酸モノアクリロイル
オキシエチルエステル、コハク酸モノメタクリロイルオ
キシエチルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミドなどを挙げることができる。
【0010】本発明におけるビニル系共重合体は、トナ
ー用樹脂として通常に使用されるものであれば限定され
るものではないが、低分子量の重合体成分と高分子量の
重合体成分またはゲル分を含むことが好ましい。また低
分子量の重合体成分の分子量分布の極大値は1×103
〜8×104 であることが好ましく、高分子量の重合体
成分の分子量分布の極大値は2×105 〜2×106
あることが好ましい。これらの分子量分布の極大値は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よって測定することができる。
【0011】また、本発明におけるビニル系共重合体
は、凝集性の点から、ガラス転移点が50℃以上である
ことが好ましい。本発明におけるトナー用樹脂組成物の
主成分となるビニル系共重合体は、過酸化物系開始剤に
より重合したビニル系共重合体であり、このようなビニ
ル系共重合体に対しテトラメチルサクシノニトリルの含
有が特に効果を発揮する。
【0012】ビニル系共重合体を重合するための過酸化
物系開始剤としては、ケトンパーオキサイド類である:
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイ
ド、アセチルアセトンパーオキサイド等。パーオキシケ
タール類である:1,1─ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5─トリメチルシクロヘキサン、n−ブチ
ル4,4,─ビス(t−ブチルパーオキシ)バレラート
等。ハイドロパーオキサイド類である:t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、P─
メタンハイドロパーオキサイド等。ジアルキルパーオキ
サイド類である:ジーt─ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド
等。ジアシルパーオキサイド類である:アセチルパーオ
キサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4─ジ
クロロベンゾイルパーオキサイド等。パーオキシジカー
ボネート類である:ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネイト、ジーn─プロピルパーオキシジカーボネイト、
ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネイト、ジ
アリルパーオキシジカーボネイト等。パーオキシエステ
ル類である:t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパ
ーオキシピバレイト、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、クミルパーオキシオクトエート等。その他過酸化物
系開始剤としては、アセチルシクロヘキシルスルホニル
パーオキサイド、ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒド
ロテレフタレート等がある。
【0013】これらの過酸化物系開始剤を用いたビニル
系共重合体の重合は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、
及び塊状重合等より行なうことができる。本発明のトナ
ー及びトナー用樹脂組成物に対しては、本発明の目的及
び効果を達成し得る範囲内で、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、及びエチレン等をビニル系共重合体に共重合させる
ことができる。また、これらのモノマーの重合体やその
他の重合体をビニル系共重合体にブレンドしてもよい。
また、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂が混合されても
よい。更に、脂肪族アミド、ビス脂肪族アミド、金属石
鹸及びパラフィン等が混合されてもよい。
【0014】更に、本発明の目的及び効果を達成し得る
範囲内であれば、帯電制御剤としてニグロシン、スピロ
ンブラック(保土ヶ谷化学社製)等の染料や、その他の
フタロシニアン系の顔料を添加することができる。ま
た、着色剤としては、カーボンブラック、クロームイエ
ロー及びアニリンブルー等を用いることができる。ま
た、離型剤として低分子ポリエチレン、ポリプロピレン
ワックス等を添加したり、流動性を上げるために疎水性
シリカ等を添加してもよい。更に、磁性トナーとして用
いるために磁性微粒子10〜80重量%を含有させても
よい。
【0015】
【作用】本発明は、過酸化物系開始剤により重合したビ
ニル系共重合体を主成分とするトナー用樹脂組成物並び
にこのトナー用樹組成物と着色剤とを含むトナーを対象
としている。このような過酸化物系以外の開始剤も種々
使用されることがあるが、トナーに対し十分な帯電性能
を与えることができない等の理由から、一般には過酸化
物系開始剤を用いたビニル系共重合体をトナー用の樹脂
として用いている。このようにビニル系共重合体の重合
開始剤としては、過酸化物系開始剤が頻繁に使用されて
いるが、過酸化物系開始剤により重合したビニル系共重
合体を用いると、長期間複写機を使用した場合や過酷な
環境下において、画像が不安定になるという問題があっ
た。本発明者らは、この原因について種々検討した結
果、その主な要因が過酸化物系開始剤の残査であること
を見出した。なかでも、ベンゾイルパーオキサイドの分
解生成物である安息香酸の影響が大きいことを見出し
た。
【0016】本発明者らは、これら過酸化物系開始剤の
残査を取り除く検討を種々検討した結果、必ずしもビニ
ル系共重合体からこれらの残査を完全に取り除かなくと
もよく、テトラメチルサクシノニトリルを微量添加する
ことにより長期間複写機を使用した場合や過酷な環境下
においても、画像を安定にすることができることを見出
した。このように、テトラメチルサクシノチトリルが過
酸化物系開始剤の残査に対し有効であるのは、テトラメ
チルサクシノトリルが過酸化物系開始剤の残査をトラッ
プし、過酸化物系開始剤の残査が画像の安定性に対し悪
影響を与えるのを抑制する働きがあるためと考えられ
る。
【0017】
【実施例の説明】実施例1 5リットルのセパラブルフラスコにトルエン2リットル
を入れ、気相を窒素ガスにて置換した後、この系をトル
エンの沸点まで加温した。トルエンの還流が起きた状態
で、攪拌しながら、スチレン800g、アクリル酸n−
ブチル200g及び重合開始剤としてのt−ブチルパー
オキシ2─エチルヘキサノエート30gを溶解した混合
物を、2.5時間かけて滴下しながら、溶液重合をおこ
なった。滴下終了後、更にトルエンの沸騰する温度で攪
拌しながら、6時間熟成し、分子量分布の極大値が2万
である樹脂を得た。
【0018】スチレン60重量部とメタクリル酸n−ブ
チルエステル40重量部を重合して得た分子量分布の極
大値が60万である樹脂400gとテトラメチルサクシ
ノニトリル0.2gを、極大値が2万の樹脂が入ったセ
パラブルフラスコに投入し、トルエンの還流が起きた状
態で3時間攪拌しながら混合した。その後、系の温度を
180℃まで徐々に上げながら、減圧下にトルエンを脱
溶剤してガラス転移点63℃の樹脂Aを得た。
【0019】樹脂A100重量部と、カーボンブラック
(三菱化成社製、商品名:MA−100)5重量部と、
スピロンブラックTRH1重量部と、PPワックス(三
洋化成社製:ビスコール660P)3重量部をメルトブ
レンドし、冷却後粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉
砕して約12〜15ミクロンの平均粒度を有するトナー
粉末を作製した。この粉末に、疎水性シリカ粉末(日本
アエロジル社製、商品名:R−972)0.3重量部を
添加してトナーを作製した。このトナーにおいてテトラ
メチルサクシノニトリルは、0.013重量%含有され
ている。このトナー10gを100mlのサンプルビン
に取り、50℃の恒温槽中に16時間放置した後、パウ
ダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集度を測定
したところ、凝集性は認められなかった。
【0020】このトナー4重量部を約50〜80ミクロ
ンの平均粒径を有する鉄粉キャリアー96重量部と混合
して現像剤を作り、この現像剤を用いて複写物を得た。
得られた画像にオフセットは見られず、画像は指で擦っ
ても十分定着していた。なおこの複写に使用した電子写
真複写機は三田社製のDC−5055を改造したもので
ある。また、25℃、湿度50%の部屋で、ランニング
テストを行なったところ、20万枚画像を出しても画像
は均一で十分濃度も保たれていた。さらに、40℃、湿
度85%の部屋で、同様のテストを10万枚行なったと
ころ、画像は均一で十分な濃度が保たれていた。
【0021】実施例2 5リットルのセパラブルフラスコにキシレン2リットル
を入れ、気相を窒素ガスにて置換した後、この系をキシ
レンの沸点まで加温した。トルエンの還流が起きた状態
で、攪拌しながら、スチレン830g、アクリル酸2─
エチルヘキシル170g、ジビニルベンゼン10g、ベ
ンゾイルパーオキサイド30gを溶解した混合物を4時
間かけて滴下しながら、溶液重合を行なった。滴下終了
後、さらにキシレンの沸騰する温度にて攪拌しながら6
時間熟成し、その後テトラメチルサクシノニトル5gを
投入し、キシレンの還流が起きた状態で3時間攪拌しな
がら混合した。その後、系の温度を180℃まで徐々に
上げながら、減圧下にキシレンを脱溶剤してガラス転移
点65℃、分子量分布の極大値が2万であり、ゲル分が
20%の樹脂Bを得た。
【0022】以上のようにして得られた樹脂B100重
量部と、カーボンブラック(三菱化成社製、商品名;M
A−100)5重量部と、スピロンブラックTRH1重
量部と、PPワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコ
ール660P)3重量部をメルトブレンドし、冷却後粗
粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕して約12〜15
ミクロンの平均粒度を有するトナー粉末を作製した。こ
のトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(日本アエロジル社
製、商品名:R−972)0.3重量部を添加してトナ
ーを作製した。このトナーにおいて、テトラメチルサク
シノニトリルは0.45重量%含有されている。
【0023】このトナー10gを100mlのサンプル
ビンに取り、50℃の恒温槽中に16時間放置した後、
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集度を
測定したところ、凝集性は認められなかった。また、実
施例1と同様にして現像剤を作製し、複写機で試験した
ところ、得られた画像にオフセットは見られず、画像は
指で擦っても十分定着していた。また、20℃、湿度5
0%のランニングテストでも、40℃、湿度85%のラ
ンニングテストでも、画像は均一で十分に濃度も保たれ
ていた。
【0024】実施例3 5リットルのセパラブルフラスコにポリビニルアルコー
ルの部分けん化物0.8gを入れ、蒸留水1200ml
に溶かし、その中にスチレン300g、アクリル酸n−
ブチル80g、及びベンゾイルパーオキサイド0.4g
を懸濁分散させ、気相を窒素ガスにて置換した後、この
系を80℃に昇温し24時間80℃に保ち重合した。そ
の後40℃まで冷却し、その中にスチレン700g、ア
クリル酸n−ブチル180g及びベンゾイルパーオキサ
イド30gの混合物を分散させ、3時間40℃で攪拌
し、その系の温度を80℃まで徐々に上げた。さらに8
時間80℃を保ち重合した後、系の温度を95℃まで上
げ、3時間保ち重合を完結させた。その後冷却、脱水、
洗浄、乾燥して、分子量分布の極大値が2万と30万の
樹脂Cを得た。この樹脂Cのガラス転移点は55℃であ
った。
【0025】以上のようにして得られた樹脂C100重
量部と、カーボンブラック(三菱化成社製、商品名:M
A−100)5重量部と、スピロンブラックTRH1重
量部と、PPワックス(三洋化成社製、商品名:ビスコ
ール660P)3重量部と、テトラメチルサクシノニト
ル0.05重量部とをメルトブレンドし、冷却後粗粉砕
し、さらにジェットミルで微粉砕して約12〜15ミク
ロンの平均粒度を有するトナー粉末を作製した。このト
ナー粉末に、疎水性シリカ粉末(日本アエロジル社製、
商品名:R−972)0.3重量部を添加してトナーを
作製した。このトナーにおいて、テトラメチルサクシノ
ニトリルは0.045重量%含有されている。
【0026】このトナー10gを100mlのサンプル
ビンに取り、50℃の恒温槽中に16時間放置した後、
バウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝集度を
測定したところ、凝集性は認められなかった。また、実
施例1と同様にして現像剤を作製し、複写試験したとこ
ろ、得られた画像にオフセットは認められず、画像は指
で擦っても十分定着していた。また25度、湿度50%
のランニングテストでも、40℃、湿度85%のランニ
ングテストでも、画像は均一で十分濃度も保たれてい
た。
【0027】比較例1 実施例1においてテトラメチルサクシノニトリルを用い
ないことを除き、実施例1と同様して現像剤を作製し、
試験をおこなった。この結果、凝集性及びオフセットは
認められず、画像は指で擦っても十分定着していた。し
かしながら、25℃、湿度50%の部屋でのランニング
テストを行なったところ5万枚で画像が不均一になり1
0万枚で画像濃度が薄くなった。さらに、40℃、湿度
85%の部屋で同様のテストを行なったところ、4万枚
で画像が不均一になった。
【0028】比較例2 実施例2においてテトラメチルサクシノニトリルを用い
ないことを除き、実施例2と同様にして現像剤を作製し
試験をおこなった。この結果、凝集性及びオフセットは
認められず、画像は指で擦っても十分定着していた。し
かしながら、25℃、湿度50%の部屋でのランニング
テストを行なったところ、7万枚で画像濃度が薄くなっ
た。さらに、40℃、湿度85%の部屋で同様のテスト
を行なったところ、5万枚で画像濃度が薄くなった。
【0029】比較例3 実施例2においてテトラメチルサクノシニトリルを用い
ずに作製した樹脂100重量部をトルエン400重量部
に溶かし、1N塩酸水溶液400重量部とよく混合した
後分液し、水溶液を取り除いた。同様に1N水酸化ナト
リウム水溶液とよく混合した後分液し、水溶液を取り除
いた。さらに、蒸留水400重量部で3回洗浄し開始剤
残査を取り除いた。その後さらにトルエンを取り除き、
樹脂を得た。この樹脂を用いて、実施例2と同様にして
現像剤を作製し試験を行なった。この結果、凝集性及び
オフセットは認められず、画像は指で擦っても十分定着
していた。しかしながら、25℃、湿度50%の部屋で
のランニングテストを行なったところ、10万枚で画像
濃度が薄くなった。さらに40℃、湿度85%の部屋で
同様のテストを行なったところ、8万枚で画像濃度が薄
くなった。
【0030】比較例4 実施例3においてテトラメチルサクシノニトリルを用い
ないことを除き、実施例3と同様にして現像剤を作製し
試験をおこなった。この結果、凝集性及びオフセットは
認められず、画像は指で擦っても十分定着していた。し
かしながら、25℃、湿度50%の部屋でのランニング
テストを行なったところ、6万枚で画像濃度が薄くなっ
た。さらに40℃、湿度85%の部屋で同様のテストを
行なったところ、4万枚で画像濃度が薄くなった。
【0031】比較例5 実施例3においてテトラメチルサクシノニトリル0.0
5重量部の代わりに5重量部を用いることを除き、実施
例3と同様にして現像剤を作製し試験をおこなった。こ
の結果、オフセットは認められず、画像は指で擦っても
十分定着していた。しかしながら、凝集性が認められ、
25℃、湿度50%の部屋でランニングテストを行なっ
たところ、初期から画像が不均一であった。さらに40
℃、湿度85%の部屋で同様のテストを行なったとこ
ろ、やはり初期から画像が不均一であった。
【0032】
【発明の効果】本発明に従えば、トナーに対し0.00
01〜3重量%となるようにテトラメチクサクシノニト
リルが含有される。このテトラメチルサクシノニトリル
の含有により、過酸化物系開始剤の残査の悪影響が緩和
され、長期間複写機を使用した場合や過酷な環境下でも
安定な画像を得ることができるようになる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化物系開始剤により重合したビニル
    系共重合体を主成分とするトナー用樹脂組成物及び着色
    剤を含むトナーであって、 トナーに対し0.0001〜3重量%のテトラメチルサ
    クシノニトリルを含有させたことを特徴とする、トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 過酸化物系開始剤により重合したビニル
    系共重合体を主成分とするトナー用樹脂組成物であっ
    て、 着色剤と混練してトナーとしたときにトナーに対し0.
    0001〜3重量%となるようにテトラメチルサクシノ
    ニトリルを含有させたことを特徴とする、トナー用樹脂
    組成物。
JP4115995A 1992-05-08 1992-05-08 トナー及びトナー用樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2763230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4115995A JP2763230B2 (ja) 1992-05-08 1992-05-08 トナー及びトナー用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4115995A JP2763230B2 (ja) 1992-05-08 1992-05-08 トナー及びトナー用樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05313412A true JPH05313412A (ja) 1993-11-26
JP2763230B2 JP2763230B2 (ja) 1998-06-11

Family

ID=14676252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4115995A Expired - Lifetime JP2763230B2 (ja) 1992-05-08 1992-05-08 トナー及びトナー用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2763230B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150044604A1 (en) * 2012-03-28 2015-02-12 Zeon Corporation Toner for developing electrostatic images
KR102574266B1 (ko) * 2023-08-07 2023-09-01 설현민 우수한 방수성능을 갖는 고기능성 개질 아스팔트계방수재 조성물 및 이를 이용한 아스팔트 교면방수 시공방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150044604A1 (en) * 2012-03-28 2015-02-12 Zeon Corporation Toner for developing electrostatic images
KR102574266B1 (ko) * 2023-08-07 2023-09-01 설현민 우수한 방수성능을 갖는 고기능성 개질 아스팔트계방수재 조성물 및 이를 이용한 아스팔트 교면방수 시공방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2763230B2 (ja) 1998-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3233753B2 (ja) トナーおよびその製造方法
JP2763230B2 (ja) トナー及びトナー用樹脂組成物
JP3436981B2 (ja) トナーの製造方法
JPH05313413A (ja) トナー用樹脂組成物およびトナー
US5718999A (en) Toner copolymer binder
JPH0147789B2 (ja)
JPH1048886A (ja) カラートナー及びその製造方法
JP3420812B2 (ja) 電子写真トナー用樹脂組成物の製造方法
JPH10228132A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JP2559497B2 (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JP3025043B2 (ja) トナー用樹脂組成物
JPH11184149A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH09166887A (ja) トナー用バインダー樹脂およびトナー
JPS632077A (ja) 静電荷像現像用キヤリア
JPH08123080A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JP3973320B2 (ja) トナーバインダー樹脂及びその製造方法
JPH07140701A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JP3372063B2 (ja) トナー用バインダー樹脂
JP2005221571A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH02203355A (ja) トナー用樹脂組成物
JP2000029244A (ja) トナー
JP2001100461A (ja) トナー用樹脂、トナー及びトナーの製造方法
JP2001209213A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH10123750A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH08184994A (ja) トナー用バインダー樹脂

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080327

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080327

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090327

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100327

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110327

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 15