JPH0715594B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH0715594B2
JPH0715594B2 JP58089211A JP8921183A JPH0715594B2 JP H0715594 B2 JPH0715594 B2 JP H0715594B2 JP 58089211 A JP58089211 A JP 58089211A JP 8921183 A JP8921183 A JP 8921183A JP H0715594 B2 JPH0715594 B2 JP H0715594B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、電子写真法,静電記録法,或いは静電印刷法
などに用いられるトナーに関し、特に熱ローラー定着法
に適したトナーに関するものである。
〔従来技術とその問題点〕
静電荷像現像用トナーは静電潜像の電荷模様に応じて被
現像面に付着し可視像を形成するが、この可視像はこれ
を上記被現像面にそのままか、或いは一度転写材上に転
写した状態で、それぞれの面に固着せしめ、画像の永久
定着をはかつている。トナー画像の定着方式には種々の
方式や装置が開発されており、(a)トナーを直接的或
いは間接的手段により加熱熔融して、転写材に融着固化
させる方法、(b)トナーのバインダー樹脂を有機溶剤
により軟化或いは溶解し、転写材に定着後、有機溶剤を
除去する方法、(c)トナーに圧力を加えて転写材上に
定着させる方法等がある。
これらの定着方式の中で、定着方式(c)は、トナーの
転写材への定着がトナーの転写材への接着であるとする
観点からみると、接着の素過程である(I)液化,(I
I)流動,(III)ぬれ,(IV)固化の内、(I)の液化
という素過程を踏んでいないために、定着性が不十分で
あるという欠点を有する。
また、定着方式(b)では、定着時に有機溶剤等の蒸気
が発生する等、公害上の問題がある。
これに対して定着方式(a)では、トナーの熱熔融によ
り、接着の素過程を(I)から(IV)まで全てみたすこ
とが出来、優れた定着性を示す。特に熱によりあたため
られた2本のロール間に上記の定着すべきトナー画像を
転写した転写材を通し、転写材上にトナーを熱融着させ
る熱ローラー定着法は定着時の熱効率が著しく高く定着
に要する熱源を節約でき、また定着スピードの向上をは
かれる等、非常に大きな利点を有している。
しかしながら熱ロール定着法においてもいくつかの問題
点が残つている。この内最も大きな問題は定着時にトナ
ーが熱ロール面に接触して熱熔融する際にトナーの一部
がロール表面に付着する、いわゆるオフセツト現象であ
る。この結果定着画像は著しく劣化し、又ロール面はこ
れを清掃化することなく使用すると、付着していたトナ
ーがトナーの付着していない転写材上に付着し汚染す
る。
このオフセツト現象を防止するために、従来種々の方法
が提案されている。これらの提案は、熱ロールの表面を
処理する方法及びトナーそれ自体に非オフセット性を付
与する方法に大別される。熱ロール表面を処理する方法
としては、ロール表面を熱熔融したトナーがぬれにくい
低界面エネルギーの物質(例えばフッ素樹脂)で被覆す
る方法、ロール面にトナーが接触するに先だつてシリコ
ンオイル等を塗布し、低界面エネルギーの面を形成する
方法が用いられるが、これらによつてもトナーのオフセ
ツト防止性は完全ではなく、特に後者ではシリコンオイ
ルの供給、ぬれ、蒸気発散等に特別の配慮を要する。
又、トナーそれ自体に非オフセツト性を付与するための
トナー処方面からの改良に関しても各種の提案がなされ
ている。
例えば、トナー成分中に上記シリコンオイルに相当する
成分(パラフイン,塩素化パラフイン,油脂,可塑剤
等)を添加する方法はオフセツト防止にある程度有効で
ある。しかし、これらのみでオフセツト性を完全に防止
することは困難であり、また、上記添加物はトナーのブ
ロツキング促進、流動性の低下など取扱い上の問題点及
び現像画質の低下を生起するので、その使用に当つては
大幅な制約をうける。また、トナーに用いられる樹脂成
分からいくつからの提案がなされている。
一般に低分子量ポリマーは低温において加熱融着が可能
であるけれども、オフセツト現象を生じやすい。これに
反して高分子量ポリマーはオフセツト現象を緩和するも
のの、定着時の定着下限温度を上昇させる傾向がある。
そこで、定着下限温度を上昇させることなく、オフセツ
ト現象を防止するために、低分子量ポリマーと高分子量
ポリマーとを組合わせて用いる方法が提案されている。
特公昭53-23084号では、分子量数5以上の高分子量ポリ
スチレンと分子量1000以下のオリゴスチレンの混合物を
主成分とするトナーが、また特開昭54-114245号ではポ
リエステル,エポキシ等の低温融解樹脂と分子量50万以
上の巨大分子量ポリマーとの混合物を主成分とするトナ
ーが提案されている。また、特開昭50-134652号では、
重量平均分子量/数平均分子量が3.5〜40という低分子
量から高分子量まで幅広い分子量分布を有するα,β−
不飽和エチレン系単量体を構成単位とした樹脂を主要樹
脂成分とするトナーが提案されている。
これらの提案では、低分子量ポリマーは、定着下限温度
を低下させるために、高分子量ポリマーは耐オフセット
性を付与させるために用いられているが、低分子量ポリ
マーの量が少ないと定着下限温度が十分に下がらず、ま
た多すぎると、高分子量ポリマーの有する耐オフセット
性が損なわれてしまう。さらにこのようなトナーでは、
低分子量量ポリマーと高分子量ポリマーとを定着性及び
耐オフセット性をともに満足するような量比で配合した
としても、全トナー粒子中の低分子量ポリマーと高分子
量ポリマーとの配合比を均一化することはほとんど不可
能である。このため、トナー粒子ごとの配合比のばらつ
きに起因して、低分子量ポリマーの配合比が多くなった
トナー粒子のオフセットが発生するなど、十分に満足の
いく結果が得られていない。
また、オフセツトは低分子量ポリマーをトナーの主要樹
脂として用いた場合に生じやすい。そこで、特公昭51-2
3354号では分子量調節した架橋された樹脂によるトナー
が、また、特開昭50-44836号には、架橋エネルギーが約
8Kcal/mol以上である架橋結合を有する樹脂を用いたト
ナーが提案されている。これらの提案では、確かに架橋
度が高い方がオフセツト現象は生じにくいが、定着下限
温度が高くなり、この結果定着温度範囲(定着下限温度
からオフセツト開始温度までの範囲)の高温へのシフト
をもたらすだけで、定着温度の上限が装置限界によつて
押えられているので実用的に十分なレベルではない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は定着性が良好で、定着下限温度が低く耐
オフセツト性の良好な、定着温度範囲の広い熱ローラ定
着用静電荷現像用トナーを提供するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、少なくとも着色剤と結着成分とからなる静電
荷像現像用トナーにおいて、結着成分として140℃での
複素弾性率(3Hz,ヤング率)の実数部(貯蔵弾性率)が
5×106Pa〜2×105Pa、虚数部(損失弾性率)が2×10
6Pa〜2×105Paの範囲で、かつ220℃での複素弾性率の
実数部(貯蔵弾性率)が3×105Pa〜5×104Pa、虚数部
(損失弾性率)が5×105Pa〜5×104Paの範囲にあり重
量平均分子量50,000以上で重量平均分子量/数平均分子
量が1.5〜10.0の熱可塑性樹脂のみを用いることによつ
て、定着下限温度が低く、耐オフセツト性の良好な、定
着温度範囲の広いトナーに関するものである。
熱ローラー定着用トナーの定着性は、トナーに用いられ
る結着性成分となる熱可塑性樹脂の熔融粘弾性と深い関
連をもつ。従来、熱ローラー定着用トナーの熔融粘弾性
は高化式フローテスター等のオリフイス粘度計により測
定されてきた。熔融体の流動性を示す目安として使われ
るメルトインデツクス、フローテスター等の流出速度
は、一定温度,一定圧力下で定められた標準のオリフイ
スを通過する熔融体のグラム数或いは流出速度で与えら
れる。熔融粘度の大きいもの程メルトインデツクスや流
出速度は小さい。しかし、これらの値は標準オリフイス
や温度・圧力のえらび方によつて数値が異なり、またそ
のデータもばらつきやすいので信頼性は低い。更に、樹
脂の熔融体は典型的な粘弾性体であり、粘性と弾性の双
方の性質を示す材料である。しかるに、フローテスター
等で測定されるのは、熔融体の見掛けの粘度のみであ
る。この粘度もオリフイス径の補正等をして測定せねば
ならず、測定の精度も低く、また、オリフイス径を補正
するためにはオリフイスの径、長さの異なるもので何回
も測定せねばならず、測定も迅速には行えないものであ
つた。従つて、これらのオリフイスを用いた粘度計によ
つて得られた樹脂或いはトナーの熔融状態でのデータ
と、その樹脂を用いて作られたトナーの定着性とのデー
タとの間には、明確な相関が得られなかつた。
本発明者らは、熱ローラー定着用トナー及びその結着性
成分となる熱可塑性樹脂の複素弾性率を、周波数及び温
度を変えて測定し、熔融状態にあるこれらの物質と熱ロ
ーラー定着用トナーの定着性との相関について研究し
た。複素弾性率の測定は、円筒状の試料を円板状の上、
下セルでクランプし、このセル全体を恒温槽中に入れて
行なう。試料の一端を一定周波数え加振し、試料に正弦
的振動を加える。この時加えた振幅及び試料の他端に生
じた応力をそれぞれ変位計及びロードセルで検出し、そ
の信号を増幅して演算回路に入力し、応力を歪と同相成
分と位相がπ/2進んだ成分に分け、複素弾性率E*の実数
部(貯蔵弾性率)E′と虚数部(損失弾性率)E″を求
めるものである。この時の振動は試料の引張方向に加え
るので、この場合の複素弾性率はヤング率(複素引張は
弾性率)となり、この場合の複素弾性率と他の複素弾性
率,複素粘性係数との間には次の様の関係がある。
E*=E′+iE″ E* 複素引張弾性率 G* 複素ズリ弾性率 E*=3(B*−2μ)=2G*(1+μ) B* 複素体積弾性率 η* 複素粘性係数 G*=iwη* μ ポアソン比 従つて、複素弾性率の測定によつて熔融状態の材料の粘
性と弾性双方の性質も測定することが可能である。
複素弾性率の測定は、実際の熱ローラー用トナーの定着
範囲をカバーするために、100℃〜260℃の範囲にて行な
い、測定周波数も1Hz〜300Hzまで変化させて行ない、熱
ローラー定着用トナー及びその結着性成分となる熱可塑
性樹脂の複素弾性率の周波数分散,温度分散の測定を行
なう。この結果、熱ローラー定着用トナーの定着は、い
わゆる弾性率の緩和スペクトルにおいて、ゴム状高原域
及びゴム状流動域で起こつていることを明らかにし、ト
ナーのオフセツト現象はゴム状流動域から流動域(終端
域)に入る時に生ずることが判明し、本発明に到つたも
のである。周波数分散における複素弾性率の変化は時間
温度換算則により、複素弾性率の温度分散でもその変化
は測定できる。
すなわち本発明は、熱ローラー定着用トナーの結着成分
として、140℃での複素弾性率(3Hz,ヤング率)の実数
部(貯蔵弾性率)が5×106Pa〜2×105Pa、虚数部(損
失弾性率)が2×106Pa〜2×105Paの範囲で、かつ220
℃での複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)が3×105Pa
〜5×104Pa、虚数部(損失弾性率)が5×105Pa〜5×
104Paの範囲にあり重量平均分子量50,000以上で重量平
均分子量/数平均分子量が1.5〜10.0である、単独ある
いは複数の熱可塑性樹脂のみを用いることによって、熱
ローラー定着用トナーが定着温度範囲(140℃〜220℃)
で緩和スペクトルにおけるゴム状高原域及びゴム状流動
域に入る様にしたものである。ここでいうゴム状高原域
とは緩和スペクトルでいうところのゴム弾性を示す強度
の低い箱型の部分であり、また、ゴム状流動域とはゴム
弾性を示すがやや粘性がまざつてくる状態のもので、箱
型の終端に近い部分を意味する。また流動域(終端域)
とは、弾性回復能が減少し、粘性が支配的で流動する領
域のことをいう。
たとえば非常に高分子量の樹脂或いは架橋度の高い樹脂
は、緩和スペクトルでいうところの箱型部分のゴム状高
原域(架橋度の高い樹脂の場合は偽平衡域)が長いため
に、これらの樹脂で作られたトナーは定着温度範囲(14
0℃〜220℃)でゴム状高原域に入るのみで、ゴム状流動
域には達しない。この様なトナーは耐オフセツト性は良
好であるが、ゴム状流動性が低いので転写材に密着ある
いは侵透せず、外力が加わつた時に転写材上から剥離し
やすい。また、低分子量の樹脂は、緩和スペクトルでい
う箱型部分が短いか或いは存在しないために、定着温度
範囲(140℃〜220℃)で流動域に入つてしまう。流動域
に入つたトナーは、弾性回復能が小さいために、トナー
と熱ローラーとの接着力によつて生じた外力により、熱
ローラーが回転する時に流動し、外力によつて引き伸ば
されたトナーが破断することによつてロール上に付着
し、オフセツト現象が生ずることとなる。
この様に樹脂の弾性率の緩和スペクトルは、その樹脂の
分子量,分子量分布,架橋度,結晶化度等によつて異な
り、平均分子量が大きくなるにつれて緩和スペクトルの
箱型部分のゴム状高原域は長くなり、また分子量分布が
狭くなるにつれて、緩和スペクトルの流動域(終端部)
が切り立つ、また架橋をすると、架橋度が高い場合には
偽平衡域が生じ箱多部分が下に落ちなくなる。すなわち
樹脂の弾性率は分子量,分子量分布,架橋度等によつ
て、その周波数分散,温度分散が異なるが、本発明の特
許請求の範囲内にある弾性率を有する樹脂により作られ
たトナーは、分子量,分子量分布,架橋度等に無関係に
優れた定着性を示し、その定着温度範囲も広い。従つ
て、本発明の範囲内にある弾性率を有する樹脂であれ
ば、その樹脂がラジカル重合,イオン重合,重縮合,重
付加等によつて合成された樹脂であつても、その樹脂の
種類を問わず、本発明の効果は成立するものである。
緩和スペクトルのゴム状高原域は分子全体の運動にもと
づく緩和の弾性率に相当し、分子の長さが長いとからみ
合いが多いために、ゴム状高原域は長くなる。これに、
低分子の樹脂を加えるとからみ合いは希釈され、ゴム状
高原域は短くなる。従つて、分子量分布の広い樹脂或い
は低分子量の樹脂と高分子量の樹脂を混合したもので
も、定着性のみを考えれば、満足できるのものである。
しかし、熱ローラ定着用トナーにおいては、総合性能と
しての室温でのトナー流動性及び複写機等の中でトナー
が凝集しないことが要求される。このためには、低分子
量の樹脂がトナーの中に含まれていることは好ましくな
い。従つて、本発明の弾性率の請求範囲を満たす熱可塑
性樹脂は、低分子量の樹脂の少ない重量平均分子量が5
0,000以上で重量平均分子量/数平均分子量が1.5〜10.0
の樹脂を用いる必要があり、好ましくは1.5〜4.0の樹脂
が本発明の熱ローラー定着用トナーには好適である。
更に架橋タイプの樹脂においても同様に低分子量の樹脂
が含まれているのは、トナーとしての流動性、保存安定
性等に好ましくない。また、本発明の弾性率の請求範囲
を満たす様な分子量を有する樹脂、或いはそれ以上の分
子量を有する樹脂を架橋することは、弾性率の緩和スペ
クトルにおいて箱型のゴム状高原領域を更に長くする
か、偽平衡域をもたらすことになり、好ましくない。従
つて架橋タイプの樹脂としては、低分子量のものを含ま
ない重量平均分子量20.000〜200,000程度のものを架橋
したものが本発明には特に好適である。
また、本発明に用いられる着色材としては、公知のもの
がすべて使用可能であり、カーボンブラック,アニリン
ブラック等の黒色顔料、黄鉛、カドミウムイエロー等の
黄色顔料、紺青コバルトブルー,フタロシアニンブルー
等の青色顔料、ベンガラ、カドミウムレツト、鉛丹等の
赤色顔料、亜鉛華,酸化チタン等の白色顔料の他に、ニ
グロシン,メチレンブルー,ローズベンガル,キノリン
イエロー等の各種染料、また着色材を兼ねた磁性微粒子
として、四三酸化鉄(Fe3O4),γ−三二酸化鉄(γ−F
e2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4),フエライト粉末,金
属鉄粉末,コバルト粉末,ニツケル粉末等を組合せ使用
することもできる。
〔発明の効果〕
本発明の熱ローラー定着用トナーは、上述した様に定着
性が良好でかつ定着温度範囲(定着開始温度からオフセ
ツト開始温度までの範囲)が広いものである。また、本
発明の熱ローラー定着用トナーは低分子量分の樹脂が少
ないために、保存安定性,流動性が極めて良好である。
このために、本発明のトナーは、信頼性が高く、また現
像剤としての寿命が長く安定したものである。
〔発明の実施例〕
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
実施例1 (熱可塑性樹脂の製造) 水 200重量部 エマールO(花王アトラス) 0.75重量部 シリコーン消泡剤TSA730 (東芝シリコーン) 0.03重量部 スチレン 60重量部 n−ブチルメタクリレート 20重量部 四塩化炭素 5重量部 硫酸第1鉄(FeSO4-7H2O) 0.02重量部 クメンヒドロパーオキサイド 0.05重量部 アスコルビン酸 0.035重量部 上記の処方による物質を、窒素ガス気流下40℃で重合
し、4時間後重合反応を停止し、ラテックス状の内容物
を、同量のメタノール中に投入して乳化を破壊し、凝集
した反応生成物をろ過,洗浄,乾燥して、目的とした樹
脂を得た。
この樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、東洋
曹達工業(HLC-802A)高速GPC装置を用いて分子量測定
を行なつた。得られた樹脂の重量平均分子量Mw=12300
0、数平均分子量Mn=52600、Mw/Mn=2.34であつた。
(トナー製造) 上記樹脂を結着性成分として、下記の処方により、混
合、混練,粉砕,分級を行ない、平均粒径約13μmのト
ナーを得た。このトナーをトナーIとする。
上記樹脂 90重量部 カーボンブラツクMA100(三菱化成(株)) 10重量部 (弾性率測定) 上記樹脂の複素弾性率測定結果を第1〜3図に示す。第
1図は各温度で測定した複素弾性率E*(=E′+iE″)
の大きさ の周波数依存性を示したものである。第2図は第1図に
示したデータを時間−温度換算則を用いて合成し、180
℃での複素弾性率|E*|のマスターカーブを示したもの
である。第2図では周波数1Hzよりも高周波数側では、
ゴム状高原域、低周波数側ではゴム状流動域から流動域
になることが判る。第3図は、同じ樹脂の複素弾性率の
実数部(貯蔵弾性率)と虚数部(損失弾性率)の3Hzで
の温度分散を示す。なお第3図中、1は複素弾性率の実
数部(貯蔵弾性率)、2は虚数部(損失弾性率)の温度
分散である。第3図でも同様に周波数3Hzでは120℃から
220℃までで、ゴム状高原域からゴム状流動域まで変化
することを示している。特に、200℃付近で、虚数部と
実数部が逆転しており、バネとダツシユポツトで示され
るマツクスウエルモデルにおいて、エネルギーの散いつ
頃となるダツシユポツトの影響が大きくなつていること
を示している。従つて、この温度以上では樹脂の粘弾性
的性質の内、粘性の性質が支配的となる。
実施例2 (熱可塑性樹脂の製造) 実施例1の熱可塑性樹脂の製造における処方のうち、四
塩化炭素の量を0部としたほかは実施例1と同様にして
樹脂を合成した。実施例1と同様に分子量測定を行な
い、Mw=159000、Mn=73800、Mw/Mn=2.15であつた。
(トナーの製造) 上記樹脂を結着性成分として用いたほかは、実施例1の
トナーと同様にして平均粒径約18μmのトナーを得た。
これをトナーIIとする。
(弾性率測定) 上記樹脂の複素弾性率測定結果を第4図に示す。同図は
実施例1と同様に測定された実施例2の樹脂の3Hzでの
複素弾性率の温度分散である。実数部と虚数部の逆転は
220℃付近で起こつており、実施例1の樹脂よりも高温
にシフトしている。
比較例1 (熱可塑性樹脂の製造) 実施例1の熱可塑性樹脂の製造におる処方のうち、新た
にジビニルベンゼンを単量体として0.5重量部加えたほ
かは実施例1と同様にして樹脂を合成した。合成した樹
脂の内、溶剤に不溶な樹脂の割合で示されるゲルコンテ
ントは約10%であつた。
(トナーの製造) 上記樹脂を結着性成分として用いたほかは、実施例1の
トナーと同様にして、平均粒径約13μmのトナーを得
た。これをトナーIIIとする。
(弾性率測定) 上記樹脂の複素弾性率測定結果を第5図に示す。第5図
は比較例1の樹脂の3Hzでの複素弾性率の温度分散であ
る。
比較例2 (熱可塑性樹脂の製造) 水 200重量部 完全ケン化ポリビニルアルコール 1.5重量部 部分ケン化ポリビニルアルコール 0.05重量部 スチレン 60重量部 n−ブチルメタクリレート 20重量部 過酸化ベンゾイン 0.6重量部 上記の処方による物質を窒素ガス気流下70℃で重合し、
8時間後重合反応を停止し、内容物をろ別し,乾燥し、
目的とした樹脂を得た。
実施例1と同様に分子量測定を行ない、Mw=346,00、Mn
=33,000、Mw/Mn=10.5であつた。
(トナーの製造) 上記樹脂を結着性成分として用いたほかは、実施例1の
トナーと同様にして平均粒径約13μmのトナーを得た。
これをトナーIVとする。
(弾性率の測定) 上記樹脂の複素弾性率測定結果を第6図に示す。第6図
は比較例2の樹脂の3Hzでの複素弾性率の温度分散であ
る。実数部と虚数部の逆転は160℃付近で起つており、2
00℃以上では完全に虚数部が大きくなつており、粘性が
支配的である。
比較例3 (熱可塑性樹脂) 実施例1の熱可塑性樹脂の製造における処方のうち、四
塩化炭素の量を40重量部としたほかは、実施例1と同様
して樹脂を合成した。実施例1と同様に分子量測定を行
ない、Mw=39,000、Mn=19,800、Mw/Mn=1.97であつ
た。
(トナーの製造) 上記樹脂を結着性成分として用いたほかは、実施例1の
トナーと同様にして平均粒径約13μmのトナーを得た。
これをトナーVとする。
(弾性率測定) 上記樹脂の複素弾性率測定結果を第7図に示す。同図は
比較例3の樹脂の3Hzでの複素弾性率の温度分散であ
る。実数部と虚数部の逆転は150℃付近で起こつてお
り、比較例2の樹脂よりも低温で粘性が支配的となり、
流動域に入つている。
比較例4 (熱可塑性樹脂) 実施例1の熱可塑性樹脂の製造における処方のうち、四
塩化炭素の量を0重量部、ジビニルベンゼンを1重量部
加えたほかは実施例1と同様して樹脂を合成した。合成
した樹脂のゲルコンテントを比較例1と同様に測定した
結果ゲルコンテントは約50%であつた。
(トナーの製造) 上記樹脂を結着性成分としてこれをトナーVIとする。
(弾性率測定) 上記樹脂の複素弾性率測定結果を第8図に示す。同図は
比較例4の樹脂の3Hzでの複素弾性率の温度分散であ
る。実数部が高温でも虚数部よりもはるかに大きく、典
型的なゴム弾性を示している。弾性率は凝平衡域に入つ
ているために高温にしてもほとんど変化せず、ゴム状流
動域には到つていない。
以上の実施例1〜2及び比較例1〜4において、得られ
たトナーについて、それぞれ定着開始温度、オフセツト
開始温度、及び保存安定性について調べた。各トナーを
それぞれ5重量部と鉄粉キヤリア(同和鉄粉DSP)95重
量部とを混合して、それぞれ現像剤を作製した。これら
の現像剤を電子写真複写機レオドライ4511(東京芝浦電
気(株)社製)にセツトし、転写材として用いた東芝指
定紙上にトナー像を形成し、任意の温度に設定した加熱
ローラー定着器により定着し、トナー像の定着性及びオ
フセツトの有無を調べた。定着器はオイル塗布系を有し
ない、表面をテフロンコーテイングした加熱ローラーと
これに圧接するシリコーンゴム製のローラーより成り、
線圧30kg/line、転写材の送り速度150mm/secの条件で定
着を行なつたものである。また、保存安定製は、各トナ
ーを50℃の恒温状態にし、12時間放置後のトナーの凝集
の有無から判定した。定着性は、定着したトナー像を折
り曲げ、折り曲げた部分でトナー層が剥離するか否かで
調べ、トナーが剥離しなくなつた温度を定着開始温度と
した。
以上の結果は次表に示す通りである
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は、本発明実施例1の樹脂の複素弾性
率の測定結果を示す図であり、第1図所定温度で測定し
た複素弾性率の周波数依存性を示す図、第2図は第1図
の結果より得られるマスターカーブを示す図、第3図は
複素弾性率の実数部と虚数部の温度分散を示す図であ
り、また第4図は、本発明実施例2の樹脂の複素弾性率
の温度分散を示す図、第5図は、本発明比較例1の樹脂
の複素弾性率の温度分散を示す図、第6図乃至第8図
は、比較例の樹脂の複素弾性率の温度分散を示す図であ
り、第6図は比較例2の樹脂の特性を示す図、第7図は
同じく比較例3の樹脂の特性を示す図、第8図は同じく
比較例4の樹脂の特性を示す図である。 1……複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)の温度分散、
2……複素弾性率の虚数部(損失弾性率)の温度分散
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 勤 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 東京芝 浦電気株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−129445(JP,A) 特開 昭56−158340(JP,A) 特開 昭56−27156(JP,A) 特開 昭55−81352(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも着色剤と結着成分とからなる静
    電荷像現像用トナーにおいて、結着成分として140℃で
    の複素弾性率(3Hz,ヤング率)の実数部(貯蔵弾性率)
    が5×106Pa〜2×105Pa、虚数部(損失弾性率)が2×
    106Pa〜2×105Paの範囲で、かつ220℃での複素弾性率
    の実数部(貯蔵弾性率)が3×105Pa〜5×104Pa、虚数
    部(損失弾性率)が5×105Pa〜5×104Paの範囲にあり
    重量平均分子量50,000以上で重量平均分子量/数平均分
    子量が1.5〜10.0の熱可塑性樹脂のみを用いることを特
    徴とする静電荷像現像用トナー。
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