JPH08106175A - 結着樹脂及び静電荷像現像用トナー - Google Patents

結着樹脂及び静電荷像現像用トナー

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JPH08106175A
JPH08106175A JP6266213A JP26621394A JPH08106175A JP H08106175 A JPH08106175 A JP H08106175A JP 6266213 A JP6266213 A JP 6266213A JP 26621394 A JP26621394 A JP 26621394A JP H08106175 A JPH08106175 A JP H08106175A
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resin
toner
binder
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acid
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JP6266213A
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English (en)
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Atsushi Shimizu
淳 清水
Masayuki Maruta
将幸 丸田
Katsutoshi Aoki
克敏 青木
Kuniyasu Kawabe
邦康 河辺
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂
の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれとも
反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容器中
で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことにより
得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂
(2)、及び縮重合系樹脂である樹脂(3)よりなるト
ナー製造用結着樹脂であって、樹脂(1)の付加重合系
樹脂部分と樹脂(2)が相溶し、樹脂(1)の縮重合系
樹脂部分と樹脂(3)が相溶していることを特徴とする
結着樹脂、並びに該結着樹脂を含有してなる静電荷像現
像用トナー。 【効果】本発明の結着樹脂を用いれば、ヒートローラー
定着方式において、高速で定着を行う場合でもオフセッ
ト防止液を使用しないで、低い温度で定着可能な静電荷
像現像用トナーを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温定着性および耐オ
フセット性に優れるトナーを製造するための結着樹脂、
並びに該結着樹脂を含有してなる静電荷像現像用トナー
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザープリンター、乾式静電複写機等
の画像形成装置に用いられる電子写真法としては、米国
特許第2221776 号、同第2297691 号、同第2357809 号明
細書等に記載されている如く、光導電性絶縁層を一様に
帯電させ(帯電工程)、次いでその層を露光せしめ(露
光工程)、その露光された部分の電荷を消散させる事に
より電気的な潜像を形成し、更に該潜像にトナーと呼ば
れる着色された電荷をもった微粉末を付着させることに
よって可視像化させ(現像工程)、得られた可視像を転
写紙等の転写材に転写させた後(転写工程)、加熱、圧
力あるいはその他適当な定着法により永久定着させる
(定着工程)工程からなる。そして、上記トナー像を転
写した後、感光体表面を清掃するために(クリーニング
工程)感光体上の残留トナーを拭き取っている。
【0003】これらのうち、定着工程には、熱ローラー
定着等の接触加熱定着方式やオーブン定着等の非接触加
熱方式などが用いられている。接触方式は熱効率がよい
ことが特徴で、非接触方式に比べて、定着機に必要な温
度を下げることができ、省エネルギー化や複写機の小型
化に有効である。しかしながら、この接触式加熱定着法
においては、定着時に溶融したトナーの一部が熱ローラ
ーに移り、後続の転写紙等に転写されるオフセット現像
という問題が生じやすい。
【0004】この現象を防止するため、従来より、熱ロ
ーラーの表面をフッ素系樹脂等の離型性の優れた材料で
加工したり、熱ローラーの表面にシリコーンオイル等の
離型剤を塗布したりしている。しかし、シリコーンオイ
ル等を用いる方法は、定着装置が大きく複雑になるの
で、コスト高となったりトラブルの原因となることが考
えられ好ましくない。
【0005】従来より、この種のトナーにはスチレンア
クリル共重合体に代表されるビニル系樹脂が用いられて
いる。ビニル系の樹脂の場合、耐オフセット性を向上さ
せようとすると樹脂の軟化点や架橋密度を上げざるを得
なくなり、低温定着が犠牲となる。逆に低温定着を重視
すると耐オフセット性や耐ブロッキング性に支障をきた
す。
【0006】また、特開昭49−65232号公報、特
開昭50−28840号公報、特開昭50−81342
号公報に記載の如く、パラフィンワックス、低分子量ポ
リオレフィン等をオフセット防止剤として添加する方法
が知られているが、添加量が少ないと効果がなく、多す
ぎると現像剤の劣化が早い等の問題があった。
【0007】一方、トナー用の結着樹脂としては、特に
低温定着性に優れたものとしてポリエステル樹脂が用い
られている。ポリエステル樹脂は本質的に定着性がよ
く、米国特許第3590000号明細書に記載の如く、
非接触定着方式においても充分に定着されるが、オフセ
ット現象が発生し易いためヒートローラー定着方式には
使用が困難であった。また、特開昭50−44836号
公報、特開昭57−37353号公報、特開昭57−1
09875号公報には、多価カルボン酸を使用して耐オ
フセット性を改良したポリエステル樹脂が記載されてい
るが、これらも依然として使用するに充分な耐オフセッ
ト性を有していないか、又は有しているものはポリエス
テル樹脂が本来有している低温定着性を犠牲にしている
ばかりでなく、樹脂やトナーの粉砕性が極めて悪いとい
う問題があった。
【0008】そこで、定着性に優れたポリエステル樹脂
と、スチレンアクリル樹脂を混合して用いる、次のよう
な試みがなされている。
【0009】ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹
脂を混合する方法(特開昭49−6931号、特開昭5
4−114245号、特開昭57−70523号、特開
平2−161464号公報); ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂を化学的に
結合する方法(特開昭56−116043号公報); 不飽和ポリエステルにビニル系モノマーを共重合せし
める方法(特開昭57−60339号、特開昭63−2
79265号、特開平1−156759号、特開平2−
5073号公報); (メタ)アクリロイル基を有するポリエステル樹脂に
ビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特開昭59−
45453号公報); ポリエステル樹脂存在下で、反応性ポリエステルとビ
ニルモノマーを共重合させる方法(特開平2−2966
4号公報);及び ポリエステル樹脂とビニル系樹脂をエステル結合でブ
ロック化させる方法(特開平2−881号公報)。
【0010】しかしながら、ポリエステル樹脂とスチレ
ンアクリル樹脂は、本来相溶性が悪いため、単に機械的
に混合を行う場合、混合比率によっては、トナー化を行
う際に樹脂及びカーボンブラック等の内添剤の分散が悪
くなり、帯電性が不均一となるため、画像評価において
地汚れ等の弊害が生じる。また、二種類の樹脂の分子量
が異なる場合には、双方の溶融粘度に差異を生じる事が
あり、この為、分散相の樹脂の分散粒径を細かくする事
が困難となり、トナー化を行うとカーボンブラック等内
添剤の分散が非常に悪く、画像安定性に大きく欠けると
いう問題が生じる。更に、反応性ポリエステルにビニル
モノマーを重合させる場合、ゲル化を防ぐため組成が制
限されるという問題もあった。
【0011】そこで、本発明者らは、低温定着性と耐オ
フセット性を兼ね備えた現像剤として、同一反応容器中
で各々独立している反応経路で重合反応が行われる二つ
の重合系の原料モノマー混合物を予めブレンドして、該
二つの重合反応を並行して行わせることを特徴とする結
着樹脂を用いた現像剤組成物を開発した(特開平4−1
42301号公報)。しかしながら、この方法をポリエ
ステル樹脂とスチレン系樹脂の組み合わせに適用して樹
脂を製造した場合、耐オフセット性を維持したまま定着
温度を下げることはできるものの、最近の複写機の高速
化、小型化、省エネルギー化に鑑みれば、更なる低温定
着性、耐オフセット性を得る点で改善の余地があると考
えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題点を解決するものであり、特に低温定着性および
耐オフセット性に優れたトナーを得るための結着樹脂、
並びに該結着樹脂を含有してなる静電荷像現像用トナー
を提供する事にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究した結果、縮重合系樹脂の原料
モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及びそれら
原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を含む混合
物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応
を並行して行うことにより得られる樹脂に、高分子量の
付加重合系樹脂および低分子量の縮合系樹脂を混合分散
させたものを結着樹脂として用いて、静電荷像現像用ト
ナーを製造することにより、特に低温定着性および耐オ
フセット性に優れたトナーが得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明の要旨は、(1) 縮重合系
樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、
及びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物
を含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付
加重合反応を並行して行うことにより得られる樹脂
(1)、付加重合系樹脂である樹脂(2)、及び縮重合
系樹脂である樹脂(3)よりなるトナー製造用結着樹脂
であって、樹脂(1)の付加重合系樹脂部分と樹脂
(2)が相溶し、樹脂(1)の縮重合系樹脂部分と樹脂
(3)が相溶していることを特徴とする結着樹脂、
(2) 樹脂(2)の重量平均分子量が10万以上であ
る前記(1)記載の結着樹脂、(3) 樹脂(3)の重
量平均分子量が3万以下である前記(1)又は(2)記
載の結着樹脂、(4) 結着樹脂の断面観察において、
平均直径が2μm以下の分散相が存在する前記(1)〜
(3)いずれか記載の結着樹脂、(5) 樹脂(1)の
含有量が、全結着樹脂中1〜50重量%である前記
(1)〜(4)いずれか記載の結着樹脂、(6) 樹脂
(1)及び樹脂(3)における縮重合系樹脂の原料モノ
マーが、3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、
低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコー
ルを含むことを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか
記載の結着樹脂、(7) 樹脂(1)及び樹脂(3)に
おける縮重合系樹脂が、ポリエステル、ポリエステル・
ポリアミド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1
種以上である前記(1)〜(6)いずれか記載の結着樹
脂、並びに(8) 少なくとも結着樹脂、着色剤を含有
してなる静電荷像現像用トナーにおいて、該結着樹脂が
前記(1)〜(7)いずれか記載の結着樹脂であること
を特徴とする静電荷像現像用トナー、に関する。
【0015】本発明の結着樹脂は、樹脂(1)〜樹脂
(3)よりなるトナー製造用結着樹脂であって、樹脂
(1)の付加重合系樹脂部分と樹脂(2)が相溶し、樹
脂(1)の縮重合系樹脂部分と樹脂(3)が相溶してい
ることを特徴とするものである。まず、各樹脂につい
て、以下、順に説明する。
【0016】本発明における樹脂(1)は、縮重合系樹
脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、及
びそれら原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物を
含む混合物を用い、同一反応容器中で縮重合反応と付加
重合反応を並行して行うことにより得られるものであ
る。
【0017】本発明において、縮重合系樹脂とは、例え
ばポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミ
ドからなる群より選ばれる1種以上が用いられる。従っ
て、縮重合系樹脂の原料モノマーとしては、縮重合によ
り、これらの樹脂が得られるものであれば、特に限定さ
れることはない。
【0018】ポリエステルの原料モノマーとしては、2
価もしくは3価以上のアルコールと、2価もしくは3価
以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級アルキル
エステルが用いられる。ここで、特にトナーの耐オフセ
ット性が要望される場合は、結着樹脂の分子内において
部分架橋することが有効であり、3価以上の多官能化合
物を使用することにより、それが達せられる。従って、
本発明では耐オフセット性の点から、原料モノマーとし
て、3価以上のカルボン酸もしくはその酸無水物、低級
アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを
含むことが好ましい。この点は後述の樹脂(3)におい
ても同様である。
【0019】2価アルコール成分としては、例えばポリ
オキシプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシ
フェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3) −2,
2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオ
キシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェ
ニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0) −ポリオ
キシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェ
ニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(6) −2,2 −ビ
ス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノ
ールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレングリコ
ール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4 −ブテンジオール、1,5 −ペンタンジオール、
1,6 −ヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタ
ノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノー
ルA等が挙げられる。
【0020】これらのうち、好ましくはビスフェノール
Aのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールが用いられる。
【0021】3価以上のアルコール成分としては、例え
ばソルビトール、1,2,3,6 −ヘキサンテトロール、1,4
−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4 −ブタン
トリオール、1,2,5 −ペンタントリオール、グリセロー
ル、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,
4 −ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、1,3,5 −トリヒドロキシメチルベン
ゼン等が挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセ
ロール、トリメチロールプロパンが用いられる。
【0022】本発明においては、これらの2価のアルコ
ール及び3価以上のアルコールから単独であるいは複数
を併用して用いることができる。
【0023】また、2価のカルボン酸成分としては、例
えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン
酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、もしくは
n−ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、n−
ドデシルコハク酸等のアルキルコハク酸、又はこれらの
酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げら
れる。これらのうち、好ましくは、マレイン酸、フマル
酸、テレフタル酸、アジピン酸、アルケニルコハク酸が
用いられる。
【0024】3価以上のカルボン酸成分としては、例え
ば1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレ
ントリカルボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4 −ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサン
トリカルボン酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−
2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキ
サントリカルボン酸、テトラ (メチレンカルボキシル)
メタン、1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメ
リット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、
低級アルキルエステル等が挙げられる。これらのうち、
特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメ
リット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であ
るため、好ましく用いられる。
【0025】本発明においては、これらの2価のカルボ
ン酸等及び3価以上のカルボン酸等から、単独であるい
は複数を併用して用いることができる。
【0026】ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドの
原料モノマーとしては、上記の原料モノマー以外に、ア
ミド成分を形成するための原料モノマーが必要であり、
かかる原料モノマーとしては、例えばエチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミ
ン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリエ
チレンテトラミン等のポリアミン、6−アミノカプロン
酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン酸類、プロ
パノールアミン等のアミノアルコールなどが挙げられ
る。これらのうち、好ましくはヘキサメチレンジアミ
ン、ε−カプロラクタムが用いられる。
【0027】ポリエステル・ポリアミド、ポリアミドの
原料モノマーを用いる場合にも、結着樹脂の分子内にお
いて部分架橋するためには、ポリエステルの場合と同様
に、3価以上の多官能化合物を使用することができる。
その場合、主に3価以上のカルボン酸もしくはその酸無
水物、低級アルキルエステルが用いられる。
【0028】本発明における付加重合系樹脂の原料モノ
マーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−エチルスチレン、2,4 −ジメチルス
チレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のス
チレン若しくはスチレン誘導体;例えばエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和
モノオレフィン類;例えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗
化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル等のビニルエステル類;例えばア
クリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t
ert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオ
クチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸グリシジル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−ク
ロルアクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−
ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオ
クチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステア
リル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチル等のエチレン性モノカ
ルボン酸及びそのエステル;例えばアクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド等のようなエチレ
ン性モノカルボン酸置換体;マレイン酸ジメチル等のエ
チレン性ジカルボン酸及びその置換体;例えばビニルメ
チルケトン等のビニルケトン類;例えばビニルメチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、例えばビニリデンクロリ
ド等のビニリデンハロゲン化物;例えばN−ビニルピロ
ール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類が
挙げられる。
【0029】これらのうち、好ましくはスチレン、α−
メチルスチレン、プロピレン、アクリル酸メチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが用いられ
る。
【0030】付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させ
る際には、必要に応じて架橋剤を用いることができる。
かかる付加重合系モノマーの架橋剤としては、例えば、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3 −ブチレングリコールジメタクリレート、1,6
−ヘキシレングリコールジメタクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコー
ルジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタ
クリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシ
ジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、フタル酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要
に応じて2種以上組み合わせて)用いることができる。
これらのうち好ましくは、ジビニルベンゼン、ポリエチ
レングリコールジメタクリレートが用いられる。
【0031】これらの架橋剤の使用量は、付加重合系樹
脂の原料モノマーを基準にして0.01〜15重量%、好まし
くは0.1 〜10重量%で使用するのが良い。これらの架橋
剤の使用量が多いとトナーが熱で溶融しにくくなり、熱
定着又は熱圧力定着時の定着性が劣ることになる。ま
た、使用量が少ないとヒートローラー表面に付着し、次
の紙に転写するというオフセット現象を防ぎにくくな
る。
【0032】また、付加重合系樹脂の原料モノマーを重
合させる際には重合開始剤が用いられ、かかる重合開始
剤としては、例えば2,2'−アゾビス(2,4 −ジメチルバ
レロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4 −ジメチル
バレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開始
剤、又はベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネー
ト、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4 −ジクロロ
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤
が挙げられる。
【0033】これらは、重合体の分子量及び分子量分布
を調節する目的で等で、二種類又はそれ以上の重合開始
剤を混合して使用することもできる。重合開始剤の使用
量は、付加重合系樹脂の原料モノマー100 重量部に対し
て0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0034】本発明においては、縮重合系樹脂と付加重
合系樹脂が化学的に結合された樹脂を得るため、両樹脂
のモノマーのいずれとも反応しうる化合物(以下「両反
応性化合物」という)を用いて重合を行う。このような
両反応性化合物としては、前記の縮重合系樹脂のモノマ
ー及び付加重合系樹脂のモノマー中の、フマル酸、アク
リル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、及
びフマル酸ジメチル等の化合物が挙げられる。これらの
うち、フマル酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が好ま
しく用いられる。両反応性化合物の使用量は、全原料モ
ノマー中0.1 〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重量%で
ある。
【0035】以上のような原料を用いた樹脂(1)の製
造方法は、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応
を並行して行うものであるが、ここにおける「並行」と
は、二つの重合反応の進行及び完結が時間的に同時であ
る必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及
び反応時間を適当に選択して順次反応を進行、完結させ
ることができることを意味する。
【0036】例えば、樹脂(1)の代表的な製造工程と
しては、ポリエステル樹脂の原料モノマー、両反応性化
合物等の混合物中に、スチレン、もしくはスチレン/ア
クリル共重合体の原料モノマー及び重合開始剤からなる
混合物を滴下して予め混合し、先ずラジカル重合反応に
より、スチレンもしくはスチレン/アクリル系樹脂を得
る重合反応を完結させ、次に反応温度を上昇させ、縮重
合により、ポリエステル樹脂を得る重合反応を重合完結
させる方法がある。このように反応容器中で独立した2
つの反応を並行して進行させる方法により2種類の樹脂
が混合分散した結着樹脂を得ることができる。
【0037】本発明において、樹脂(1)は軟化点が9
5〜170℃、ガラス転移温度が50〜80℃となるよ
うにするのが好ましい。かかる結着樹脂の軟化点及びガ
ラス転移温度の調整は原料モノマー混合物中の重合開始
剤或いは触媒の量の調整或いは反応条件の選択等により
容易に行うことができる。上記の方法で得られる樹脂
(1)は、その樹脂自身が通常、縮重合系樹脂部分より
なる連続相と、付加重合系樹脂部分よりなる分散相を有
しており、各樹脂部分の存在により、樹脂(2)と樹脂
(3)を相溶しやすい構造となっている。
【0038】次に、樹脂(2)について説明する。樹脂
(2)は付加重合系樹脂であり、付加重合系モノマーを
付加重合させて得られるホモポリマー、コポリマーが挙
げられる。かかる付加重合系モノマーとしては、前記の
樹脂(1)の説明で例示した付加重合系樹脂の原料モノ
マーと同様のものが用いられる。また、重合開始剤、架
橋剤等も同様のものが用いられる。
【0039】本発明においては、樹脂(2)の重量平均
分子量は10万以上が好ましく、30万以上がより好ま
しい。樹脂(2)の分子量がこの範囲より低い場合、充
分な耐オフセット性を確保できなくなる傾向があり、好
ましくない。
【0040】また、前記の樹脂(1)の付加重合系樹脂
部分と樹脂(2)が相溶し易いように、樹脂(1)の付
加重合系樹脂部分と同一もしくは類似の化学構造を有す
る付加重合系樹脂が好適に用いられる。樹脂(2)は、
通常公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状
重合法、分散重合法等により製造することができる。
【0041】次に、樹脂(3)について説明する。樹脂
(3)は縮重合系樹脂であり、例えば、ポリエステル、
ポリエステル・ポリアミド、及びポリアミドからなる群
より選ばれる1種以上が好適に用いられ、縮重合系モノ
マーを縮重合させて得られるホモポリマー、コポリマー
のいずれでもよい。かかる縮重合系モノマーとしては、
前記の樹脂(1)の説明で例示した、アルコール、カル
ボン酸、アミン化合物等と同様のものが用いられる。
【0042】本発明においては、樹脂(3)の重量平均
分子量は3万以下が好ましく、2万以下がより好まし
い。樹脂(3)の分子量がこの範囲より高い場合、十分
な低温定着性が確保できなくなる傾向があり、好ましく
ない。また、前記の樹脂(1)の縮重合系樹脂部分と樹
脂(3)が相溶し易いように、樹脂(1)の縮重合系樹
脂部分と同一もしくは類似の化学構造を有する縮重合系
樹脂が好適に用いられる。樹脂(3)は、通常公知の塊
状重合法等により製造することができる。
【0043】本発明の結着樹脂は、樹脂(1)の付加重
合系樹脂部分と樹脂(2)が相溶し、樹脂(1)の縮重
合系樹脂部分と樹脂(3)が相溶していることを特徴と
するものである。即ち、樹脂(1)〜樹脂(3)の溶融
混合で得られる混合物において、またトナー製造後のト
ナー中の結着樹脂においても、樹脂(1)の縮合系樹脂
部分と樹脂(3)の縮合系樹脂が相溶して連続相を形成
し、樹脂(1)の付加重合系樹脂部分と樹脂(2)の付
加重合系樹脂が相溶して分散相を形成している。また、
両相が均一に混合して均一相を形成する場合もある。
【0044】このとき、結着樹脂の断面観察において、
分散相の平均直径が2μm以下であることが好ましく、
より好ましくは1.0μm以下である。分散相がこの範
囲より大きくなると、トナーの機械的強度が弱くなり過
ぎて印字を続けると結着樹脂が割れて微粉が増えてしま
い経時安定性が悪くなる。尚、分散相の直径は、トナー
をミクロトームでカットし、得られた薄片を透過型走査
電子顕微鏡にて観測することで測定される。
【0045】本発明においては、トナー中の縮合系樹脂
成分を連続相とする為、結着樹脂中の縮合系樹脂成分と
付加重合系樹脂成分の比率は30/70〜95/5、特
に70/30〜90/10の範囲であることが好まし
い。付加重合系樹脂の比率がこの範囲を越えると定着性
が不良となる傾向があり、この範囲未満では画像の環境
に対する安定性が不良となる傾向がある為、好ましくな
い。なお、樹脂(2)や樹脂(3)の含有量は、この比
率となる量であれば、特に限定されることなく、適宜選
択される。
【0046】また、樹脂(1)の含有量が、全結着樹脂
中1〜50重量%であることが好ましく、より好ましく
は20〜50重量%である。この範囲より少ないと樹脂
(2)と(3)の相溶性が低下し、分散不良が生じる傾
向があり、この範囲より多いと十分な低温定着性、耐オ
フセット性が発揮できなくなる傾向がある。本発明の結
着樹脂の製造は、樹脂(1)〜樹脂(3)を用いて、2
軸押出機等により溶融、混練することにより行われる。
【0047】本発明の静電荷像現像用トナーは、少なく
とも結着樹脂及び着色剤よりなる静電荷像現像用トナー
において、以上のような結着樹脂を用いることを特徴と
するものである。本発明のトナーは、上記のようにして
得られた本発明の結着樹脂、又は混合前の樹脂(1)〜
樹脂(3)に着色剤を均一混合した後、公知の方法によ
り溶融混練、冷却、粉砕、分級すること等により製造さ
れる。また、このとき必要に応じて荷電制御剤、磁性体
等を配合することができる。
【0048】用いられる着色剤としては、従来公知のカ
ーボンブラック、鉄黒等の無機顔料や有彩色の染料及び
有機顔料が使用できる。通常、結着樹脂 100重量部に対
して1〜15重量部程度が使用するのか好ましい。
【0049】また、必要に応じて用いられる荷電制御剤
としては正、負いずれの荷電制御剤も用いることができ
る。正の荷電制御剤としては、特に限定されることな
く、例えばニグロシン染料として「ニグロシンベースE
X」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックS
O」、「ボントロンN−01」、「ボントロンN−1
1」(以上、オリエント化学社製);3級アミンを側鎖
として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモ
ニウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリ
エント化学社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロ
ミド等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリ
エント化学社製)等を挙げることができる。
【0050】また、負の荷電制御剤の具体例としては、
特に限定されることなく、例えば含金属アゾ染料である
「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS
−31」、「ボントロンS−32」、「ボントロンS−
34」、「ボントロンS−36」(以上、オリエント化
学社製)、「アイゼンスピロンブラックT−77」(保
土ヶ谷化学社製)等;銅フタロシアニン染料、サリチル
酸のアルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE
−82」、「ボントロンE−84」、「ボントロンE−
85」(以上、オリエント化学社製)等を挙げることが
できる。好ましくは、アイゼンスピロンブラックT−7
7を用いることができる。また、正帯電性の荷電制御剤
との併用も可能であり、正帯電性の荷電制御剤の使用量
を負帯電性の荷電制御剤の使用量の1/2以下とすれば
5万枚以上連続してコピーを行っても、濃度の低下もな
く、良好な可視画像を得ることができる。
【0051】以上の荷電制御剤は結着樹脂に対して0.1
〜8.0 重量%、好ましくは0.2 〜5.0 重量%使用するこ
とができる。
【0052】トナーを製造する際、オフセット防止剤と
してポリオレフィン等のワックス等の特性改良剤が添加
されるが、本発明に係わる樹脂を結着樹脂として用いた
場合、特性改良剤を加えなくても良く、また、添加する
場合でも添加量は少なくて済む。
【0053】また、本発明のトナーを磁性トナーとして
用いるために、磁性粉を含有せしめてもよい。このよう
な磁性粉としては、磁場の中に置かれて磁化される物質
が用いられ、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属
の粉末もしくはマグネタイトヘマタイト、フェライト等
の合金や化合物が挙げられる。この磁性粉の含有量は、
トナー重量に対して15〜70重量%程度である。さら
に本発明のトナーは必要に応じて、鉄粉、ガラスビー
ズ、ニッケル粉、フェライト粉等のキャリア粒子と混合
されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。
【0054】更に、トナーを製造する際には、疎水性シ
リカ等の流動性向上剤などの特性改良剤を添加すること
もできる。
【0055】本発明のトナーは種々の現像方法に適用さ
れうる。例えば、磁気ブラシ現像方法、カスケード現像
方法、導電性磁性トナーを用いる方法、高抵抗磁性トナ
ーを用いる方法、ファーブラシ現像方法、パウダークラ
ウド法、インプレッション現像方法等が挙げられる。
【0056】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例および試験例
により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らの実施例等によりなんら限定されるものではない。な
お、得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と略
す)による分子量、分散相の平均直径の測定は、つぎの
条件に従って行った。
【0057】ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(DSC 200型、セイコー電子工業
社製)を用いて100℃まで昇温し、その温度で3分間
放置した後、降温速度10℃/min.で室温まで冷却した
サンプルを、昇温速度10℃/min.で測定した際に、ガ
ラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立
ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を
示す接線との交点の温度を、ガラス転移温度(Tg)と
した。
【0058】GPCによる分子量測定 40℃の恒温槽中でカラムを安定させ、溶離液としてク
ロロホルムを毎分1mlの流速で流し、試料濃度0.05
〜0.5重量%に調整した試料のクロロホルム溶液を1
00μl注入して測定を行った。試料の分子量は、あら
かじめ作成した検量線に基づき、リテンションタイムか
ら決定したその分子量分布より算出した。このときの検
量線は、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として
作成したものである。 分析カラム:GMHLX+G3000HXL (東ソ
ー(株)社製)
【0059】分散相の平均直径 直径0.2mmの樹脂をミクロトームで150nmの厚
さにカットし、得られた薄片を透過型走査電子顕微鏡
(JEOL(日本電子(株))製、「JEM−200
0」)で観測を行うことにより測定した。
【0060】樹脂製造例1 付加重合系樹脂の単量体として、スチレン410g、2
−エチルヘキシルアクリレート90g及び重合開始剤と
してアゾビスイソブチロニトリル20gを滴下ロートに
入れる。ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン780g、フマル酸2
4g、イソドデセニル無水コハク酸76g、テレフタル
酸250g及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製5
リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製
攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付
け、マントルヒーター中で窒素雰囲気下、135℃の温
度で攪拌しつつ、先の滴下ロートより付加重合系樹脂の
単量体及び重合開始剤を1時間かけて滴下した。135
℃に保持したまま2時間熟成し、220℃に昇温して反
応させた。重合度は、ASTM E28−67に準拠し
た軟化点より追跡を行い、軟化点が105℃に達したと
きに反応を終了した。得られた樹脂は、淡黄色の固体で
あり、ガラス転移温度(Tg)はピーク1本で60℃で
あった。当該樹脂を樹脂Aとする。
【0061】樹脂製造例2 付加重合系樹脂の単量体として、スチレン400g、2
−エチルヘキシルアクリレート180g、連鎖移動剤と
してα−メチルスチレンの2量体15g、および重合開
始剤としてジクミルパーオキサイド25gを滴下ロート
に入れる。ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン800g、アクリ
ル酸9.3g、 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸60
g、イソフタル酸250g、及びジブチル錫オキシド2
gを、ガラス製5リットルの4口フラスコに入れ、温度
計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素
導入管を取り付けた。以下の操作及び重合条件は、樹脂
製造例1と同様である。
【0062】得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価
したところ、そのガラス転移温度はピーク1本で58℃
であった。当該樹脂を樹脂Bとする。
【0063】樹脂製造例3 温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び
窒素導入管を取り付けた5リットルのガラス製4口フラ
スコにキシレン550gを入れ、窒素置換後135℃に
昇温した。スチレン800g、n−ブチルアクリレート
300g、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド3
0gを滴下ロートに入れ、1時間かけて滴下を行い、1
35℃のままで2時間熟成した。その後、200℃まで
昇温し、減圧下でキシレンを留去してバットに抜き出
し、冷却後粉砕した。
【0064】得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価
したところ、そのASTM E28−67に準拠した軟
化点は130℃、ガラス転移温度は65℃であった。ま
た、GPCによる樹脂の数平均分子量は80,000で
あった。当該樹脂を樹脂Cとする。
【0065】樹脂製造例4 温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び
窒素吹き込み管を備えた5リットルのガラス製4口フラ
スコにイオン交換水1400g、ジオクチルスルホサク
シナートナトリウム塩50%水溶液7gを加え、80℃
まで昇温したところで、イオン交換水50gに過硫酸カ
リウム7gを溶かして投入し、投入後スチレン760
g、n−ブチルアクリレート240gの混合液を滴下ロ
ートに入れ、1時間かけて滴下した。滴下後1.5時間
70℃で熟成した後、塩析、洗浄、乾燥して樹脂を得
た。得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価したとこ
ろ、その軟化点が145℃、ガラス転移温度が68℃で
あった。また、GPCによる樹脂の重量平均分子量は2
50,000であった。当該樹脂を樹脂Dとする。
【0066】樹脂製造例5 ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン
(2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン663g、イソフタル酸518g、イソオクテニルコ
ハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80g
及びジブチル錫オキシド3gを、ガラス製5リットルの
4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流
下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントル
ヒーターの中で、窒素気流下、210℃にて攪拌しつつ
反応せしめ、軟化点が100℃に達した時、反応を終了
した。得られた樹脂は、淡黄色の固体であり、を樹脂製
造例1と同様に評価したところ、そのガラス転移温度は
61℃であった。また、GPCによる樹脂の重量平均分
子量は12000であった。当該樹脂を樹脂Eとする。
【0067】実施例1〜3、比較例1〜3 下記組成の材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株)製)で予備混合後、2軸押し出し機で溶融混練
し、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルによって粉砕
し、さらに風力分級機を用いて分級し、平均粒径10μ
mの未処理トナーを得た。
【0068】組 成 実施例1 樹脂A 20重量部 樹脂D 20重量部 樹脂E 60重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部 (保土ヶ谷化学社製) 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0069】実施例2 樹脂B 20重量部 樹脂D 20重量部 樹脂E 60重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部 (保土ヶ谷化学社製) 低分子量ポリプロピレン「ビスコール550P」 2重量部 (三洋化成社製)
【0070】実施例3 樹脂A 20重量部 樹脂C 20重量部 樹脂E 60重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部 (保土ヶ谷化学社製) 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0071】比較例1 樹脂D 100重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部 (保土ヶ谷化学社製) 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0072】比較例2 樹脂E 100重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部 (保土ヶ谷化学社製) 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0073】比較例3 樹脂D 25重量部 樹脂E 75重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 2重量部 (保土ヶ谷化学社製) 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0074】以上の実施例1〜3、及び比較例1〜3で
得られた未処理トナーをそれぞれ100重量部に対し、
疎水性シリカ「AEROSIL R−972」(日本ア
エロジル社製)0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサ
ーを用いて混合付着させ、トナー1〜3および比較トナ
ー1〜3とした。以上のトナー各々66重量部と、シリ
コーン樹脂被覆されたフェライト粉(平均粒径100μ
m)2134重量部とを混合して現像剤を調製した。
【0075】試験例 この現像剤について市販の2成分乾式複写機(シャープ
(株)製,SF9800を改造したもの(感光体はアモ
ルファスセレン、定着ローラーの回転速度は450mm
/secに設定し、定着装置中のヒートローラー温度を
可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)を使用し、
下記方法により定着性等を評価した。
【0076】(1)最低定着温度 底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムに500gの
荷重を載せ、定着機を通して定着された画像の上を5往
復こすり、こする前後でマクベス社の反射濃度計にて光
学反射密度を測定し、以下の定義による定着率が70%
を越える際の定着ローラーの温度を最低定着温度とし
た。
【0077】定着率(%)=〔(こすった後の像濃度)
/(こする前の像濃度)〕×100
【0078】定着ローラーの温度を120〜240℃の
間でコントロールし、定着性の評価を行った。
【0079】(2)オフセット発生温度 前記定着ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で、
繰り返し定着を行い、低温側で最初にトナー汚れが消滅
した温度を低温オフセット消滅温度とし、さらに温度を
上昇させ、トナー汚れが生じた最低の温度を高温オフセ
ット発生温度とした。
【0080】以上の結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】以上の結果から明らかなように、本発明の
トナー1〜3は、トナー中の分散相の平均直径が小さ
く、いずれも優れた耐オフセット性、優れた低温定着性
を有していた。これに対して、比較トナー1は、付加重
合系樹脂のみを結着樹脂として用いているため、低温定
着性が劣り、比較トナー2は、縮重合系樹脂のみを結着
樹脂として用いているため、特に耐オフセット性が劣
り、比較トナー3は、単に付加重合系樹脂と縮重合系樹
脂を混合して用いているため、耐オフセット性が劣って
いた。
【0083】なお、本発明の態様をさらに挙げると次の
ようになる。縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系
樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいずれ
とも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応容
器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うことに
より得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂
(2)、及び縮重合系樹脂である樹脂(3)よりなるト
ナー製造用結着樹脂であって、樹脂(1)の付加重合系
樹脂部分と樹脂(2)が相溶して分散相を形成し、樹脂
(1)の縮重合系樹脂部分と樹脂(3)が相溶して連続
相を形成していることを特徴とする結着樹脂。
【0084】
【発明の効果】本発明の結着樹脂を用いれば、ヒートロ
ーラー定着方式において、高速で定着を行う場合でもオ
フセット防止液を使用しないで、低い温度で定着可能な
静電荷像現像用トナーを得ることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合
    系樹脂の原料モノマー、及びそれら原料モノマーのいず
    れとも反応し得る化合物を含む混合物を用い、同一反応
    容器中で縮重合反応と付加重合反応を並行して行うこと
    により得られる樹脂(1)、付加重合系樹脂である樹脂
    (2)、及び縮重合系樹脂である樹脂(3)よりなるト
    ナー製造用結着樹脂であって、樹脂(1)の付加重合系
    樹脂部分と樹脂(2)が相溶し、樹脂(1)の縮重合系
    樹脂部分と樹脂(3)が相溶していることを特徴とする
    結着樹脂。
  2. 【請求項2】 樹脂(2)の重量平均分子量が10万以
    上である請求項1記載の結着樹脂。
  3. 【請求項3】 樹脂(3)の重量平均分子量が3万以下
    である請求項1又は2記載の結着樹脂。
  4. 【請求項4】 結着樹脂の断面観察において、平均直径
    が2μm以下の分散相が存在する請求項1〜3いずれか
    記載の結着樹脂。
  5. 【請求項5】 樹脂(1)の含有量が、全結着樹脂中1
    〜50重量%である請求項1〜4いずれか記載の結着樹
    脂。
  6. 【請求項6】 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重
    合系樹脂の原料モノマーが、3価以上のカルボン酸もし
    くはその酸無水物、低級アルキルエステル、及び/又は
    3価以上のアルコールを含むことを特徴とする請求項1
    〜5いずれか記載の結着樹脂。
  7. 【請求項7】 樹脂(1)及び樹脂(3)における縮重
    合系樹脂が、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミ
    ド、及びポリアミドからなる群より選ばれる1種以上で
    ある請求項1〜6いずれか記載の結着樹脂。
  8. 【請求項8】 少なくとも結着樹脂、着色剤を含有して
    なる静電荷像現像用トナーにおいて、該結着樹脂が請求
    項1〜7いずれか記載の結着樹脂であることを特徴とす
    る静電荷像現像用トナー。
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