JPH08112904A - インクジェット・プリントヘッドの清掃方法およびインクジェット・プリント機構 - Google Patents

インクジェット・プリントヘッドの清掃方法およびインクジェット・プリント機構

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JPH08112904A JP26651595A JP26651595A JPH08112904A JP H08112904 A JPH08112904 A JP H08112904A JP 26651595 A JP26651595 A JP 26651595A JP 26651595 A JP26651595 A JP 26651595A JP H08112904 A JPH08112904 A JP H08112904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット・プリントヘッドを周期的に
清掃し、それによってプリント機構のスループットを強
化すると同時に高プリント品質を維持することができ
る、プリントヘッドの清掃方法およびプリント機構を提
供する。 【解決手段】 インクジェット・プリント機構(20)
で用いるインクジェット・プリントヘッド(34、3
6)を清掃する方法であって、プリントヘッド(34、
36)の選択されたノズルを噴出させてプリント媒体ペ
ージ(78)上にインク液滴を付着させ、選択された画
像(80)を印刷するステップと、噴出させた清掃イン
ク液滴をページ(78)上に付着させることによって、
選択されたノズルを清掃するステップと、を含むインク
ジェット・プリントヘッドの清掃方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット・
プリントヘッドの清掃方法およびインクジェット・プリ
ント機構に関し、具体的にはインクジェット・プリント
ヘッドを周期的に清掃し、それによってたとえば毎分出
力ページ数などのプリント機構のスループットを強化す
ると同時に高プリント品質を維持する前記方法および機
構に関する。
【0002】
【技術背景】インクジェット・プリント機構は、ペンを
用いて、本明細書では「インク」と総称する少量の液体
着色剤を噴射する。各ペンは、きわめて小さいノズルで
形成されたプリントヘッドを有し、それを通してインク
滴が噴射される。画像をプリントするために、プリント
ヘッドはページを横切って前後に移動し、移動しながら
インク滴を噴射する。一般に、プリンタ・シャーシ内に
整備ステーションが装着されており、プリントヘッドを
清掃し、保護する。収納または非プリント期間中のため
に、整備ステーションには通常、キャッピング・システ
ムが組み込まれており、プリントヘッド・ノズルを汚染
物質および乾燥から防ぐため給湿密封している。キャッ
プによっては、プリントヘッドに真空を引き込むポンプ
装置にキャップを接続するなどして、給湿を促進させる
ように設計されているものもある。
【0003】動作時には、「スピッティング」と呼ばれ
る過程で、各ノズルを通して数滴のインクを噴射するこ
とにより、プリントヘッド内の詰まりが周期的に清掃さ
れる。以前は、整備ステーションの通例「スピトゥー
ン」と呼ばれる貯留部に廃インクを集めていた。ほとん
どの整備ステーションは弾性のあるワイパを有し、スピ
ッティング後、キャップ除去後、または場合によっては
プリント中に、プリントヘッド表面をぬぐってインク残
留物およびプリントヘッド上に集積した紙粉塵またはそ
の他の異物を除去する。
【0004】プリント画像の鮮明度とコントラストを向
上させるため、最近の研究はインク自体の改良に焦点を
当てている。黒をより黒く、色をより鮮やかにしてより
高速で耐水性の高いプリントを提供するため、顔料ベー
スのインクが開発されている。このような顔料ベースの
インクは、以前の染料ベースのインクよりも固形物含有
量が多い。どちらのタイプのインクも速乾性であるた
め、インクジェット・プリント機構は普通紙を使用する
ことができる。残念ながら、小型ノズルと速乾性ノズル
を組み合わせると、乾燥したインクや微小な粉塵粒子ま
たは紙繊維だけでなく、新しいインク自体内に含まれる
固形物によってもプリントヘッドが詰まりやすい。
【0005】ノズルが部分的または完全に塞がれると、
プリント媒体上のインク滴の欠落または噴出方向の狂い
が生ずることがあり、どちらの場合もプリント品質を低
下させる。したがって、高い固形物含有量が以前の染料
ベースのインクよりも詰まりの問題を引き起こすため、
顔料ベースのインクを使用する場合には、ノズルを清掃
するためのスピッティングが一層重要になる。残念なが
ら、以前の染料ベースのインクにはスピトゥーンが適し
ていたが、新たに開発された顔料ベースのインクととも
に使用すると様々な欠点がある。
【0006】たとえば、スピッティング中にインクジェ
ット・ペンをスピトゥーンの上方に配置することによっ
て貴重なプリント時間が消費される。スピッティングの
時間だけでなくプリントヘッドをスピトゥーンの上方に
配置し、それからプリントヘッドをプリントのためにペ
ージに戻す時間がかかる。この時間の消費によって、通
例は毎分のページ数で測定される定格特性であるプリン
ト機構のスループットが低下する。消費者は、より高速
なプリント機構を望んでおり、スループット定格の低い
プリント機構は望ましくないとみなされる。設計上の妥
協策として、ページ・スループットの損失を最小限にす
るため、スピッティングに当てる時間を少なくすること
ができる。残念ながら、この妥協策では、ノズルの詰ま
りによるプリントドットの欠落のため、プリント画像の
品質が悪くなることが多い。したがって、以前はスルー
プットとプリント品質との間で不満足なトレードオフが
行われていた。
【0007】したがって、上記の限界および欠点を克服
することを指向した、その影響を受けない改良型インク
ジェット・プリントヘッド整備システムが希求されてい
る。
【0008】
【発明の目的】本発明の全体の目的は、整備のために用
いられる停止時間を短くしてスループットを向上させる
と同時に高品質のハードコピー出力を提供するインクジ
ェット・プリント機構を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、プリント機構に装着
されたインクジェット・ペンを、従来のスピトゥーンを
使用せずに清掃する方法を提供することである。
【0010】
【発明の概要】本発明の1つの態様に従うと、インクジ
ェット・プリント機構で使用されるインクジェット・プ
リントヘッドを清掃する方法が提供される。この方法に
は、プリントヘッドの選択されたノズルを噴射させ、プ
リント媒体ページ上に画像インク液滴を付着させて選択
された画像をプリントするステップが含まれる。清掃ス
テップでは、選択されたノズルを噴射させてページ上に
清掃インク液滴を付着させることによって清掃する。例
示する実施例では、ページ上で、または背景領域に黒色
インク清掃ドットがランダムにまき散らされる。カラー
・インクスピッティングの場合、ノズルを黒色プリント
帯域上で黒色プリント帯域の内部に向かって噴出させ、
黒色画像の鮮明な輪郭を維持することが好ましい。
【0011】本発明の他の態様に従うと、シャーシと、
プリント帯域を往復移動するようにシャーシに装着され
たプリントヘッドを備えたインクジェット・プリント機
構が提供される。プリントヘッドは複数のノズルを有
し、制御信号に応答してプリント媒体ページ上に画像イ
ンク液滴を選択的に付着させて選択された画像をプリン
トするために、選択的に噴射される。制御装置が制御信
号を発生させ、各ノズルから噴出される画像液滴の数を
監視する。制御装置は、監視された噴射画像液的数に応
じて、制御信号を調整し、選択されたノズルから清掃イ
ンク液滴を噴出させて、ページ上に清掃インク液滴を付
着させる。
【0012】
【実施例】図1に、インクジェット・プリント機構の実
施例を示す。この図では、本発明に従って構成され、工
場、事務所、家庭、またはその他の環境で、業務報告
書、通信文書、デスクトップ・パブリッシング、および
同様のもののプリントのために用いることができるイン
クジェット・プリンタ20として示されている。様々な
インクジェット・プリント機構が市販されている。たと
えば、本発明を実施することができるプリント機構の例
を2、3挙げると、プロッタ、携帯用プリンタ、複写
機、カメラ、ビデオ・プリンタ、ファクシミリ機などが
ある。便宜上、本発明の概念をインクジェット・プリン
タ20の実施例で示す。
【0013】プリンタの構成要素は型式によって異なる
ことは明かであるが、典型的なインクジェット・プリン
タ20はシャーシ22およびプリント媒体用紙をプリン
タ20に供給するためのプリント媒体処理システム24
を備えている。プリント媒体は、紙、カード紙、透明フ
ィルム、マイラー、ホイル、および同様品など、適合す
るどのようなタイプのシート素材でもよいが、便宜上、
例示する実施例についてはプリント媒体として紙を用い
て説明する。プリント媒体処理システム24は、たとえ
ば従来の一連のモータ駆動ローラ(図示せず)を用いて
プリント媒体を給紙トレー26からプリント帯域25内
に移動させ、排紙トレー28に移動させる。
【0014】プリント帯域25では、媒体シートは黒色
インク・カートリッジ30やカラー・インク・カートリ
ッジ32などのインクジェット・カートリッジからのイ
ンクを受ける。カートリッジ30、32は、当業者によ
って「ペン」とも呼ばれる(以下、カートリッジを「ペ
ン」とも称す)。図のカラー・ペン32は3色ペンであ
るが、実施例によっては1群の個別モノクローム・ペン
または単一のモノクローム・ペン(黒色インク・カート
リッジ)30を使用することもできる。カラー・ペン3
2には顔料ベースのインクを入れることができるが、例
示のために、ペン32は、シアン、黄、マゼンタなど、
3色の染料ベースのインクが入っているものとして説明
する。黒色インク・ペン30は、ここでは顔料ベースの
インクが入っているものとして示す。ペン30、32で
は、パラフィン・ベースのインクおよび、染料と顔料の
両方の特性を有する混合または合成インクなど、他のタ
イプのインクも使用することができることは明かであ
る。
【0015】図のカートリッジまたはペン30、32は
それぞれ、供給インクを貯蔵するためのインク溜めを備
えているが、シャーシに沿って装着されたインク溜めを
有するものなど他の供給インク貯蔵配置方法も用いるこ
とができる。カートリッジ30、32はそれぞれプリン
トヘッド34、36を有する。各プリントヘッド34、
36は、当業者に周知の方式で、貫通する複数のノズル
が形成されたオリフィス・プレートを備えた基底面を有
する。図のプリントヘッド34、36は、サーマル・イ
ンクジェット・プリントヘッドであるが、圧電プリント
ヘッドなど他のタイプのプリントヘッドを使用してもよ
い。プリントヘッド34、36は、通常、ノズルに付随
する複数の抵抗器を備えている。選択された抵抗器に電
圧を加えると、気体の泡が形成され、ノズルからプリン
ト帯域25内のノズルの下方の用紙上にインクの液滴を
噴出させる。
【0016】カートリッジまたはペン30、32は、従
来の駆動ベルト/プーリとモータの配列(図示せず)に
よってガイド・ロッド40に沿って駆動させることがで
きるキャリッジ38によって運ばれる。ペン30、32
は、マイクロプロセッサなどのプリンタ制御装置から導
線ストリップ42を介して受け取った命令に従って、1
滴または数滴のインク液滴をプリント媒体ページ上に選
択的に付着させる。プリンタ制御装置は、シャーシ22
内の矢印43で概略位置を示した部分に配置することが
できる。制御装置(以下、符号43を付する)は、ホス
ト装置から導線44を介して送られる命令信号を受け取
ることができる。ホスト装置は通常、図1で略示されて
いるパーソナル・コンピュータ45などのコンピュータ
である。プリントヘッド・キャリッジ・モータおよび用
紙処理システム駆動モータは、当業者に周知の方式で動
作するプリンタ制御装置43に応答して動作する。プリ
ンタ制御装置43は、シャーシ外部の矢印46で概略位
置を示した領域内に配置することができ、キー・パッド
を介して提供されたユーザ入力に応答して動作すること
もできる。コンピュータ45に結合されたモニタを使用
して、プリンタの状況やコンピュータ45上で実行され
ている特定のプログラムなどの可視情報をオペレータに
表示することができる。パーソナル・コンピュータ、キ
ーボードやマウス装置などパーソナル・コンピュータの
入力装置、およびモニタはすべて、当業者には周知であ
る。
【0017】プリンタ・シャーシ22では、キャリッジ
38の動程経路の一端に、整備ステーション50を受け
入れるように構成されたチャンバ48の位置が定められ
ている。整備ステーション50は、初期組立てと現場で
の保守および修理を容易にするために、一体的にプリン
タ20に挿入することができるモジュラ装置として構成
されていることが好ましい。図の整備ステーション50
は、シャーシのチャンバ48内にスライドさせて受け入
れることができる枠52を有している。しかし、整備ス
テーション50は、ステーション枠52をシャーシ22
内に一体的に形成して構成することもできることは明か
である。
【0018】整備ステーション50の枠52にはタンブ
ラ部54が取り付けられており、駆動ギヤ60とかみ合
う任意選択のギヤまたはベルト部(図示せず)を介して
モータで駆動されると回転するようになっている。タン
ブラ部54は、黒色インク・キャップ64およびカラー
・インク・キャップ65を支持することができる本体6
2を備えている。本体62は、それぞれ黒色プリントヘ
ッド34およびカラープリントヘッド36をぬぐうため
の黒色インク・ワイパ66およびカラー・インク・ワイ
パ68も支持することができる。ワイパ66、68は、
たとえばニトリルゴム、エチレン・ポリプロピレン・ジ
エン・モノマー(EPDM)エラストマー、または当業
者に周知のその他のタイプのゴム様素材などの弾性素材
製とすることができる。ワイピング動作は、通常、プリ
ントヘッド34、36をワイパ66、68に沿って移動
させることによって実現される。本体62には、当業者
に周知のプライマーなど、その他の機能も設けることが
できる。
【0019】整備ステーション50には、インク集積チ
ャンバすなわち「スピトゥーン」部70も設けることが
できる。スピトゥーン部は、1つまたは複数のスピトゥ
ーン・チャンバを備えることができる。例示の実施例で
は、スピトゥーン部70は、黒色スピトゥーン・チャン
バ72およびカラー・スピトゥーン・チャンバ74を有
し、それぞれ黒色ペン30およびカラー・ペン32がス
ピトゥーン70上に配置されたときにそれらから選択的
に噴出または「スピッティング」される、それぞれのイ
ンクを受ける。スピトゥーン70の下部付近に「ダイヤ
パー」76と呼ばれる吸収裏当て素材を置いて、スピッ
ティングされたインクが乾く間、保持することができ
る。典型的な液体吸収素材は、フェルト、プレスボー
ド、スポンジ、または当業者に周知のその他の同等素材
である。実際には、ダイヤパー76は整備ステーション
50のその他の構成要素の下に延在させて、インク漏れ
があった場合にそれを吸収し、スピトゥーン70からの
液を伝わせてから蒸発させる大きめの毛細管を提供する
ことができる。スピトゥーン70は、壁部材によって駆
動ギヤ60から分離されている。壁部材はカラー・スピ
トゥーン・チャンバ74の側壁としての役割も果たすこ
とができる。
【0020】タンブラ本体62以外の配置を用いてペン
のキャッピング、ワイピングなどの機能を示すこともで
きることは明かである。たとえば、整備ステーション装
置(ギャップ64、65およびワイパー66、68)を
それぞれのプリントヘッド34、36とかみ合わせるた
めに、当業者に周知のギヤまたはリンク機構(図示せ
ず)を用いることができる。たとえば、適合する並進ま
たは浮動そりタイプの整備ステーション動作機構が、米
国特許第4853717号および第5155497号で
示されており、両方とも本出願人ヒューレット・パッカ
ード・カンパニーの出願に係るものである。
【0021】例示のプリンタ20は、図1に示すよう
に、画像80がプリントされたプリント媒体ページ78
としてハードコピー出力を生成する。画像80は、テキ
スト、グラフィックス、写真画像、またはその他のデザ
インなど様々な形態をとることができることは明らかで
あるが、例示のために、画像80はこれらの構成要素の
いくつかを有しているものとする。まず、画像80に
は、表題部82、本文部84、85、写真画像86、お
よびここでは多色円グラフとして示されているグラフ8
8が含まれている。カラー・ペン32には、シアン、
黄、およびマゼンタ(「CYM」)の各色が入ってお
り、これらを組み合わせて、図1の紫、青、灰、および
緑の各色を示す様々なクロス・ハッチを有する円グラフ
88のように、画像80上にあらゆる色を提供すること
ができる。画像80には、ページ78の周縁に引かれた
縁取り90が含まれている。ほとんどのハードコピー出
力の場合と同様に、画像80にも符号92で示すように
テキスト、タイトル、グラフ、縁取りまたはその他の画
像がプリントされていない空白領域がある。
【0022】ペン30、32をスピッティングのために
スピトゥーン72、74に常に戻すのではなく、本発明
に従って実施された例示の、「ページ上スピッティング
・システム」の実施例はいくつかの形態をとることがで
きる。1つの実施例では黒色ペン30を用い、他の実施
例ではカラー・ペン32を用いる。黒色ペンとカラー・
ペンの両方とともに使用することができる方法もいくつ
かある。これらの方法は2つの要因に係わっている。第
1には清掃が必要な時期を決定することであり、第2に
は清掃を行う場所を選択することである。
【0023】〔ノズルの清掃時期の決定方法〕この時期
と場所の決定は、キャリッジ30、32、またはプリン
タ20あるいはその両方のファームウェア、ソフトウェ
ア、ハードウェアによって単独でまたは組み合わせて
(本明細書ではまとめて「制御システム」または制御装
置46と呼ぶ)行うことができる。あるいは、コンピュ
ータ45などのホスト装置が、スピッティングの必要な
時期を決定し、ノズルのスピッティング用噴出方法を選
択してスピッティングを行う場所を決定することができ
る。したがって、制御装置46、ホスト・コンピュータ
45、またはこの2つの組合せが制御信号を発生させ、
それが導線ストリップ42を介してプリントヘッド3
4、36に送達され、清掃インク液滴を噴出する時と場
所を決定する。まず、いつ清掃を行うかという問題を扱
ういくつかの実施例について述べる。
【0024】1つの実施例では、プリンタ制御装置46
またはホスト・コンピュータ45が様々なプリントヘッ
ド特性を監視してノズルの清掃が必要な時期を監視す
る。たとえば、プリントヘッド温度を監視し、温度の上
昇があればノズルの妨害または閉塞の可能性を示してお
り、スピッティングによって清掃する必要がある。他の
例としては、一定期間にわたってプリント34、36の
エネルギー効率または変動を監視し、効率が落ちた場合
にはノズルの清掃の必要を示している。温度、エネルギ
ー効率、または変動は、当業者に周知のさまざまな監視
装置を用いて測定することができる。たとえば、電圧が
かかると各ノズルのインクを熱して噴出させる抵抗器を
監視して、この温度を判定することができ、この抵抗器
に送られるエネルギーも測定することができる。清掃の
必要を誘発する温度または効率の正確なしきい値は、使
用しているインクのタイプ、ペンの設計、選択されたプ
リント品質(たとえばドラフト、ノーマル、プレゼンテ
ーション品質)、および当業者に周知のその他の要因に
よって異なることが明らかである。
【0025】他の実施例では、例示の制御装置46また
はホスト・コンピュータ45が、プリント帯域25の上
方をキャリッジ38が通過するたびに各ノズルの噴出回
数を監視し、カウントすることができる。プリント帯域
25を走査するプリントヘッド34、36の各通過のタ
イミングも監視することができる。この監視は、画像用
液滴を噴出する前に画像データを分析することによっ
て、予測的に行うことができる。これによって、所望の
場合には、同一の通過時に、画像用液滴と清掃用液滴が
落とされるようにすることができる。制御装置46また
はホスト装置45は、各ノズルに指定された画像インク
液滴数を監視して、導線42を介してプリントヘッド3
4、36に送られる制御信号を発生させることができ
る。
【0026】画像80をプリントするための画像噴射率
が、各ノズルの監視された噴射回数と各通過のタイミン
グに基づいて決定される。次にノズルごとにこの画像噴
射率を、ペンの良好な状態を維持するのに必要な目標噴
出率と比較する。たとえば、各ノズルが「M」秒ごとに
目標回数「N」回噴出されているように、目標噴出率を
設定することができる。顔料ベースのインクの場合は、
ペンの良好な状態を維持するために各ノズルのスピッテ
ィングは5秒(M=5)ごとに1ノズル当たり10滴
(N=10)の率で行われることが好ましいが、染料ベ
ースのインクの場合は、10秒(M=10)ごとに1ノ
ズル当たり10滴(N=10)の清掃率を必要とする可
能性がある。画像噴出率が目標率を下回る場合、目標率
と画像噴出率の差を埋め合わせる率で清掃インク液滴を
噴出させるように決定がなされる。
【0027】本発明の他の実施例として、プリントヘッ
ド特性を監視せずに、選択された時間間隔などの定期的
な方法ですべてのノズルまたはノズルのグループを噴出
させることによって、ノズルをページ78上で清掃する
ことができる。しかし、清掃が必要なノズルのみを識別
してから、それらの識別されたノズルのみをスピッティ
ングさせることが、インクの節約のためには好ましい。
各ノズルに必要な個々のタイマーのためのハードウェア
は、各ノズルの噴出の個々の制御を管理するのにシリコ
ンなどの半導体の広い領域と、より広いプロセッサ帯域
幅を必要とする可能性がある。しかし、集積回路技術の
進歩により、このようなタイマーの製造コストは下がり
続けている。
【0028】以上で、清掃の時期を扱ういくつかの実施
例について述べたが、制御システム46またはコンピュ
ータ45あるいはその両方によって決定しなければなら
ない次の問題は、清掃を行う場所である。実際には、各
ノズルを清掃する場所の決定は、それぞれ本発明に従っ
た様々なページ上スピッティング・ルーチン、またはス
ピトゥーンのみのスピッティング・システム、あるいは
ページ上/スピトゥーン清掃システムの組合せを選択す
るために適用することができる。以下では、ページ78
上のスピッティング場所の選択に関して、スピッティン
グ・パターンが画像80に重なるいくつかのページ上清
掃ルーチンについて説明する。
【0029】「背景内隠ぺい」 〔ページ上スピッティング・システム〕本発明の実施例
に従うと、画像80をプリントしている間、黒色ペン3
0はページ78上でスピッティングを行って、清掃液滴
を見えないように隠す。最近の製品改良の間に、ペン整
備の必要は、数年前に使用されていた染料ベースのイン
クの場合の15秒ごとに1ノズル当たり8滴から、現在
の顔料ベースの黒色インクの場合の5秒ごとに約10滴
になっている。顔料ベースのインクは、プリントページ
上により黒くより鮮明な画像を提供するが、その性質
上、より頻繁な清掃を必要とする。たとえば、例示のプ
リンタ20は、ペンの良好な状態を維持するために、合
計ページプリント時間の約5ないし10パーセントを、
スピトゥーン72でスピッティングを行うために費やす
と予想される。これは、以前のプリンタで実現されてい
たスループット以上に、プリンタ20のスループットが
大幅に低下することを意味する。
【0030】たとえば直径約0.05mm(0.002
インチ)のドットなど、小さいドットは、ページ上にラ
ンダムに配置された場合にきわめて見えにくいというこ
とが発見された。液滴の大きさが小さくなればそれだ
け、このようなページ上にランダムに散らばった液滴を
隠すことができることは明らかである。したがって、プ
リント技術の発達により解像度が高くなるに従って、ペ
ージ上の清掃用液滴を隠すための例示の方法は実際には
さらに好結果になる。
【0031】スピッティングのためにプリントヘッドを
スピトゥーン72上に移動させることによってスループ
ットを妨げるのではなく、ページ78上に保守液滴をラ
ンダムに吹き付けることにより、プリンタ20のスルー
プットを大幅に向上させることができる。また、プレゼ
ンテーション品質のプリントの場合、スピトゥーンのみ
のスピッティング・ルーチンに戻すことが好ましいこと
も明らかである。スピトゥーン・スピッティングは、ペ
ンの初期設定時のプライミングの後やプリンタを一定期
間使用していなかった後などに、ペン30またはペン3
2から一掃される大量のインクを処理する場合には有用
なことがある。
【0032】1つの好ましい実施例では、ランダムに噴
出させた保守液滴は、可能であれば画像80を形成する
ための「真の」ドットから少なくとも3ドット離れた場
所にスピッティングされることが好ましい。清掃インク
液滴を背景92内に隠すために、可能な場合は清掃イン
ク液滴の間は互いに少なくとも3ドットの間隔をあける
ことが好ましい。保守液滴を画像80から離してランダ
ムに配置するこの方法によって、清掃液滴が確実に空白
領域92の背景部分に混じり込み、プリントテキスト8
4、85、グラフィクス88など画像80を形成する境
界線に沿ったこぶとして現れることがなくなる。
【0033】液滴を隠す効果を、ページ上にドットのラ
ンダムなパターンを吹き付け、次に吹き付けた試験用紙
の最上部の上方からテキストをプリントすることによっ
て試験した。清掃ドットは裸眼では気がつかないという
ことが判明した。しかし、1つの好ましい実施例は、各
ノズルの特性を監視して、ペン30の保守に用いるイン
クの量を最小限にすることが好ましい。この背景内隠ぺ
い清掃方式は、600ドット/インチ(dpi)以上の
プリントヘッド解像度の場合に好ましい。黒色インク・
スピッティングに関して例示したが、このランダム背景
内スピッティング・システムは、カラー・ペン32の場
合にも使用できることは明らかである。
【0034】「黒色内隠ぺい」 〔ページ上スピッティング・システム〕本発明に従う
と、画像80をプリントしている間、カラー・ペン32
はページ78上の画像80の黒色領域にスピッティング
を行い、清掃液滴を見えないように隠ぺいする。たとえ
ば、例示の3色ペン32は10秒ごとに約10滴の範囲
でスピッティングを必要とする染料ベースのインクを用
いる。従来のスピッティング・システムを使用すると、
この整備率では、文書を印刷している間にスピトゥーン
74までの時間のかかる移動を何度も必要とする。プリ
ントヘッド32をスピトゥーン74まで絶えず移動させ
るのではなく、画像80の表題82、本文84、85、
または縁取り90などの黒色インク領域に噴出させた少
量のカラー・インク液滴は、肉眼には見えないことが発
見された。カラー・スピッティングを隠ぺいするこの方
法は、ハードコピー出力のプリント品質に影響を与えず
にプリンタ20のスループットを向上させる。
【0035】プリントヘッド36からのカラー清掃液滴
は、すべてのカラー液滴が画像80の黒色領域の縁に沿
った部分ではなく黒色領域内に確実に着地するような、
十分な広さを持つ黒色プリント領域に収まることが好ま
しい。たとえば、プリンタの設計においては、通常、カ
ラー・ペンと黒色ペンの間に最大3ドット幅程度の周知
の位置ずれがある。その場合、カラー清掃液滴を少なく
ともこの位置ずれ距離に置き、清掃液滴が見えないよう
に隠す。ここでは、この距離は黒色境界線液滴から3滴
の幅である。この黒色内隠ぺい清掃方式は、どのような
解像度の場合にも有用である。カラー・スピッティング
に関して例示したが、ペン30の黒色ノズルもこの黒色
上スピッティング・システムを用いて清掃することがで
きることは明らかである。
【0036】この黒色内隠ぺいスピッティング・ルーチ
ンは、様々な方法で実施することができる。1つの好ま
しい方法は、シングリング印刷ルーチン時に清掃を行
う。印刷列をシングリングするという概念は当技術分野
では周知であり、仕上り画像中の縞や乾いていないイン
クのプリント媒体への浸潤の防止など、いくつかの印刷
上の問題を軽減するために用いられる。一般にシングリ
ングは、まず、プリント帯域25を横切るキャリッジ3
8の最初の通過時に1つの印刷列に必要なドットの一部
だけを印刷することによって、家の板葺き屋根のように
印刷列を部分的に重なり合わせる。次に、プリント媒体
78を全列幅分前進させるのではなく、4分の1または
2分の1ステップなどの漸進的な前進のみを行う。次の
プリントヘッドの通過によって、最初の付着ドット・セ
ットの上から追加のドットを付着させるとともに、次の
列内のドットの一部を付着させる。たとえば、2分の1
ステップすなわち50%のシングリング・ルーチンで
は、プリントヘッド・キャリッジ38の通過ごとに、1
つの列を完成させ、次の列を開始する。
【0037】この実施例では、シングリング・ルーチン
の任意の通過時に清掃液滴を黒色画像領域に付着させる
ことができる。カラー・ペン32の清掃の場合は、すで
にプリントされている黒色ドットの上に清掃液滴を噴出
させることが好ましい。シングリングを用いて、本明細
書に記載のどのようなパターンでも清掃液滴を付着させ
ることができることは明らかである。実際に、本明細書
に記載のプリント方法は、ページ幅アレイプリント機構
を含む他のプリント機構にも同様に適用可能である。ま
た、常に黒色プリントパターン内に隠すことができるの
と同様に隠すことができるわけではないが、黒色ドット
およびカラー・ドットをカラー・パターン内にも隠すこ
とができることは明らかである。
【0038】「明示隠ぺい」 〔ページ上スピッティング・システム〕本発明に従う
と、清掃液滴は78ページ上で明示して隠すことができ
る。清掃液滴は78ページ上に外観的にきれいなパター
ンで付着させることが好ましい。たとえば、制御装置4
6またはホスト・コンピュータ45が、清掃液滴を画像
ドットの境界線に沿って付着させることにより、プリン
ト画像をわずかに広くすることができる。たとえば、テ
キストをプリントするとき、この画像を広げるシステム
は、太くプリントされた文字として現れるという好まし
い効果を出すことができる。
【0039】他の実施例では、従来のドラフト、ノーマ
ル、およびプレゼンテーションプリント品質モードに加
えて、スピードプリントモードを利用することができる
ようになる。このスピードプリントモードは、ページ7
8上の特定の場所でノズルを清掃することができる。1
つの好ましいパターンは、プリント帯域25の両端に沿
って配置された2本のスピード・バー94および96で
ある。各プリント列の終りで、ページ上を横切って戻る
前に、ノズルをスピード・バー94、96のところで清
掃することができる。スピード・バー94、96は、一
重線または二重線、あるいは絡み合った線、菱形、つる
などの他のパターンであってもよい。
【0040】他の実施例では、ノズルをページ78上の
中央部にボンド紙の透かしに似たパターンで付着するよ
うに清掃することができる。あるいは、消費者が個人小
切手用に選択することができる背景の絵のように、清掃
画像を用紙全体に配置することもできる。この好ましい
パターンは、星形や菱形などの幾何学図形、鷲、鹿、熊
などの動物画像、または本出願人であるヒューレット・
パッカード・カンパニーが所有する「hp」という商標
パターン98のような個人のイニシャル、ロゴ、または
商標など、一般的なものの形をとることができる。
【0041】あるいは、パターンをページ78上の中央
部に限定せずに、ページ全体に清掃液滴の反復パターン
を配置することができる。パターン集をプリンタ20に
付属させて提供することができる。または、パターンは
ユーザが定義することができ、たとえばホスト・コンピ
ュータから入力することができる。これらのパターン
は、中央部に配置する場合でも、またはより好ましくは
ページ全体に分散させる場合でも、画像80を印刷する
ために使用された特別に印刷された証書という印象を与
える。
【0042】この明示隠ぺい清掃方式は、背景内隠ぺい
または黒色内隠ぺい方式を用いて見えないように隠すこ
とが容易ではない300dpi程度のプリントヘッド解
像度の場合に特に有用である。しかし、この明示隠ぺい
方式は、600dpi以上など、より高い解像度にも適
用可能である。
【0043】上述したことから明らかなように、本発明
は、以下に要約される。インクジェット・プリントヘッ
ドのページ上スピッティング・システムが、プリントペ
ージ(78、80)を横切ってプリントヘッド(34、
36)のノズルを清掃し、時には整備ステーションのス
ピトゥーン(70)内に噴出させて清掃する。画像形成
液滴に加えて、清掃液滴を噴出させてペンの良好な状態
を維持する。各ノズルの噴出時期を決定するため、画像
(80)を印刷するための各ノズルの噴出回数をカウン
トまたは予測を行うか、またはプリントヘッド特性を監
視する。清掃ドットはページ(78)上またはスピトゥ
ーン(70)内あるいはその両方に入れられる。ページ
(78)上では、清掃ドットは見えないように背景(9
2)内または画像ドット(82、84、85、86、9
0)上に隠すか、あるいは画像ドットに隣接したはっき
りと見えるところ、スピード・バー(94、96)、透
かしタイプの図案(98)、または反復パターンに隠す
ことができる。このページ上スピッティング・システム
を用いると、肉眼で見えるプリント品質の外観を犠牲に
する必要なしに、インクを節約し、プリント機構(2
0)のスループットが向上する。
【0044】以上述べたように、本発明のインクジェッ
ト・プリントヘッドの清掃方法は、 〔1〕インクジェット・プリント機構(20)で用いる
インクジェット・プリントヘッド(34、36)を清掃
する方法であり、プリントヘッド(34、36)の選択
されたノズルを噴出させてプリント媒体ページ(78)
上にインク液滴を付着させ、選択された画像(80)を
印刷するステップと、噴出させた清掃インク液滴をペー
ジ(78)上に付着させることによって、選択されたノ
ズルを清掃するステップと、を含むことを特徴とし、
〔2〕〜
〔9〕のような種々の実施態様を含む。
【0045】〔2〕印刷された画像(80)が少なくと
も1つの黒色プリント領域(82、84、85、90)
またはカラープリント領域(86、88)を含み、清掃
ステップが、画像(80)の黒色またはカラープリント
領域(82、84、85、90、86、88)のうちの
少なくとも1つの中に、清掃インク液滴を配置すること
を含むことを特徴とする〔1〕に記載のインクジェット
・プリントヘッドの清掃方法。
【0046】〔3〕清掃ステップが、画像(80)の黒
色領域(82、84、85、90)内にカラー・インク
液滴を配置するステップを含むことを特徴とする〔2〕
に記載のインクジェット・プリントヘッドの清掃方法。
【0047】〔4〕清掃ステップが、ページ上にパター
ン(98)の形で清掃インク液滴を配置することを含
む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のインクジェット
・プリントヘッドの清掃方法。
【0048】〔5〕ページの背景部分(92)に清掃イ
ンク液滴を混じり込ませることをさらに含む、〔1〕〜
〔4〕のいずれかに記載のインクジェット・プリントヘ
ッドの清掃方法。
【0049】〔6〕噴出ステップと清掃ステップを並行
して行うことをさらに含む〔1〕〜〔5〕のいずれかに
記載のインクジェット・プリントヘッドの清掃方法。
【0050】〔7〕各ノズルの特性を監視するステップ
と、監視した特性から、清掃ステップで噴出させるため
に選択するノズルを決定するステップとをさらに含む
〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のインクジェット・プ
リントヘッドの清掃方法。
【0051】〔8〕インクジェット・プリント機構(2
0)が、複数通過シングリングプリントモードでプリン
ト帯域(25)を複数回通過して画像(80)を印刷す
るインクジェット・プリントヘッド(34、36)を含
み、清掃ステップが、複数通過シングリングプリントモ
ードで画像インク液滴の下方または上に清掃インク液滴
を付着させるステップを含むことを特徴とする〔1〕〜
〔7〕のいずれかに記載のインクジェット・プリントヘ
ッドの清掃方法。
【0052】
〔9〕プリント機構(20)がスピトゥー
ン部(70)を含み、前記方法が少なくとも2つの異な
るプリント品質モードの選択対象を提供するステップを
さらに含み、清掃ステップが、第一のプリント品質モー
ドの場合はページ(78)上に清掃インク液滴を付着さ
せ、第二のプリント品質モードの場合はスピトゥーン
(70)内に清掃インク液滴を入れるステップを含むこ
とを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のイン
クジェット・プリントヘッドの清掃方法。
【0053】また、本発明のインクジェット・プリント
機構(20)は、 〔10〕シャーシ(22)と、制御信号に応答して選択
された画像(80)を印刷するために選択的に噴出させ
てプリント媒体ページ(78)上に画像インク液滴を付
着させる複数のノズルを有し、印刷するプリント帯域
(25)を横切ってシャーシ(22)へ移動するプリン
トヘッド(34、36)と、〔1〕〜
〔9〕までのいず
れかの方法に従って、選択されたノズルから清掃インク
液滴を噴出させてページ(78)上に清掃インク液滴を
付着させるための制御信号を発生する制御装置(43)
と、を含むことを特徴とする。
【0054】
【発明の効果】このように、上記の黒色およびカラーの
ページ上スピッティング・システムを用いると、ノーマ
ルおよびドラフトプリントモードなど、ほとんどのプリ
ントモードでプリンタのスループットが向上する。プリ
ンタ20からきわめて品質の高いプレゼンテーション品
質のハードコピー出力を生成するには、スピトゥーン部
70へのスピッティングに限定することが好ましい場合
がある。通常の日常使用でのこのスループット率の向上
は、プリント速度を基にして購入を決定する消費者にと
っては一層魅力的である。このようにして、プリント画
像80の品質を犠牲にすることなく、より高速のスルー
プットが実現される。
【0055】例示の清掃方法の利点は、実施態様によっ
ては、インクの消費量が少なくなることである。従来の
スピトゥーンのみのスピッティング・システムは、個々
のノズルがスピッティングを必要としているかどうかに
かかわらず、一般にすべてのノズルを同時に清掃する。
この従来のスピッティング・システムはインクを浪費す
る。噴出されたドットをカウントするかプリントされた
文字を監視してすべてのノズルの使用率を追跡し、画像
80を印刷するための使用頻度が少なかったノズルのみ
を清掃すれば、スピッティングのための総インク消費量
が減少する。この方法は、インクを節約し、各キャリッ
ジ30、32の有効利用度を向上させる。スピッティン
グをページ上で行うか、スピトゥーンのみで行うか、あ
るいはその両方の場所で行うかにかかわらず、スピッテ
ィングを必要とするノズルのみを噴出させることにより
インクが節約される。
【0056】本明細書で示すページ上スピッティング・
システムの他の重要な利点は、スピトゥーン72、74
内に蓄積される残留インクが少ないことである。たとえ
ば、ペン30、32のプライミング後などには、依然と
して何らかのスピトゥーン・スピッティングを必要とす
る可能性があるが、全体としては、スピトゥーン70内
に蓄積するインクは少なくなる。他の利点として、ダイ
ヤパー76が交換を必要とするまでの耐用期間が長くな
る。たとえば、前述のページ上スピッティング・システ
ムを用いる例示のプリンタ20では、スピトゥーン7
2、74に蓄積するインクは、スピトゥーンのみのスピ
ッティング・ルーチンを用いた場合の3分の1である。
【図面の簡単な説明】
【図1】動作時のインクジェット・プリント機構の一態
様の一部を図解した透視図であり、本発明のページ上ス
ピッティング・システムの一態様を用いてハードコピー
出力を生成するインクジェット印刷装置として示してあ
る。
【符号の説明】
20 インクジェット・プリンタ 22 シャーシ 24 プリント媒体処理システム 25 プリント帯域 26 プリント媒体を給紙トレー 28 排紙トレー 30 黒色インク・カートリッジ 32 カラー・インク・カートリッジ 34、36 プリントヘッド 38 キャリッジ 40 ガイド・ロッド 44 導線 45 パーソナル・コンピュータ 43 プリンタ制御装置 48 チャンバ 50 整備ステーション 52 ステーション枠 54 タンブラ部 60 駆動ギヤ 62 本体 64 黒色インク・キャップ 65 カラー・インク・キャップ 66 黒色インク・ワイパ 68 カラー・インク・ワイパ 70 スピトゥーン部 72 黒色スピトゥーン・チャンバ 74 カラー・スピトゥーン・チャンバ 76 ダイヤパー 78 プリント媒体ページ 80 画像 82 表題部 84、85 本文部 86 写真画像 88 グラフ 90 縁取り

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット・プリント機構(20)
    で用いるインクジェット・プリントヘッド(34、3
    6)を清掃する方法であって、 プリントヘッド(34、36)の選択されたノズルを噴
    出させてプリント媒体ページ(78)上にインク液滴を
    付着させ、選択された画像(80)を印刷するステップ
    と、 噴出させた清掃インク液滴をページ(78)上に付着さ
    せることによって、選択されたノズルを清掃するステッ
    プと、を含むインクジェット・プリントヘッドの清掃方
    法。
  2. 【請求項2】 シャーシ(22)と、制御信号に応答し
    て選択された画像(80)を印刷するために選択的に噴
    出させてプリント媒体ページ(78)上に画像インク液
    滴を付着させる複数のノズルを有し、印刷するプリント
    帯域(25)を横切ってシャーシ(22)へ移動するプ
    リントヘッド(34、36)と、 所定の選択されたノズルから清掃インク液滴を噴出させ
    てページ(78)上に清掃インク液滴を付着させるため
    の制御信号を発生する制御装置(43)と、を含むイン
    クジェット・プリント機構(20)。
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