JP2011005701A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多数のノズルを高密度に配置した記録ヘッドの吐出性能を、予備吐出によって良好な状態に維持することができると共に、予備吐出による画像の劣化を軽減することが可能なインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】画像の記録に寄与しないインクを、記録ヘッド21−1のノズル103A,103Bから吐出させる予備吐出を行なうための予備吐出データを生成する予備吐出データ生成手段を設ける。予備吐出データ生成手段は、複数種のノズルのうち、他のノズル103Aより吐出量の少ないノズル103Bによって記録媒体にインクを予備吐出させる予備吐出データを生成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、インク吐出量の異なるノズルを有する記録ヘッドからインクを記録媒体上にインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
一般にインクジェット記録装置の記録ヘッドに配列されたノズルでは、長時間インクを吐出しない状態で放置されると、吐出口付近に溜まっているインクが増粘することがある。この場合、ノズル内に設けた吐出エネルギ発生素子を駆動しても、インクが吐出されない不吐出状態が発生し、画像に抜けを生じさせることがある。また、記録ヘッドのノズルが不吐出状態とならないまでも、ノズル内のインクが増粘することによりインクの吐出方向がずれたり、適切な量のインクが吐出されないといった異常吐出状態が発生し、画像品質を低下させることがある。なお、以下の説明において、ノズルに不吐出あるいは異常吐出などの吐出不良が発生しない最長の休止時間を適正休止時間と称す。
適正休止時間が経過した後に記録動作を開始する場合、ノズル内で増粘したインクを排出して吐出動作に適したインクをノズル内に満たし、そのノズルの吐出性能を回復させる回復処理が従来より行われている。この回復処理としては、記録ヘッドのノズル内に負圧または正圧をかけてノズルから強制的にインクを吸引あるいは押出す強制排出方式や、通常の記録動作と同様にノズル内のヒータを駆動してインクを吐出させる予備吐出などが知られている。記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と交差する方向へと移動させるシリアル型の記録装置では、走査経路内の端部に配置したキャップやインク受け部へと記録ヘッドを移動させた後、上記の強制回復方式の回復処理や予備吐出を行なう。なかでも予備吐出処理は、ノズルの使用/不使用、記録量の多少に関係なく、一定周期毎あるいは一定走査回数毎に、記録ヘッドがインク受け部へと移動して予備吐出を行っている。このため予備吐出を行なう場合には、記録媒体への記録を行なう走査領域(記録走査領域)からインク受け部材への移動及びインク受け部から記録領域への移動が必要となり、予備吐出を行わない場合に比べて記録時間が大幅に増大する。
一方、画質向上が進む現在のインクジェット記録装置では、白地の記録媒体上に1ドットのみを打ち込んでも、その打ち込まれた1ドットは、もはや肉眼では見分けることが不可能なレベルにまで微細化されている。従って、記録媒体上の記録可能領域で画像を形成するためのドット以外に数ドット吐出したとしても、形成される画像の画質が低下することは殆どない。但し、微細なドットを形成するためには、ノズルの吐出口が小径化すると共に1回の吐出量も微小なものとなるため、インクの増粘がインクの吐出性能に大きく影響を及ぼすこととなる。従って、吐出口の小径化に応じて、より頻繁に予備吐出を行なうことが必要になり、スループットの低下を来たす。
このような課題を解消するものとして特許文献1には、記録媒体上に画像を記録するための吐出データと、記録媒体上に予備吐出を行うための吐出データとを合成し、画像記録パターンと予備吐出パターンを記録媒体上に混在させて記録することが行なわれている。これによれば、記録走査が所定回数行なわれる度に、記録ヘッドをインク受け部まで移動させる必要がなくなり、記録のスループットを向上させることができる。しかも、予備吐出で形成されるドット数は、数ドットであるため記録される画像の品質に大きな低下が生じることもない。さらに記録を行っているノズルに対しては予備吐出を行わず、過剰休止時間を超えるような予備吐出が必要となるノズルに対してのみ予備吐出を行うことができる。このため、ノズルの使用/不使用に関係なく行っていた予備吐出に比べて、インクの無駄な消費がなくなり、インク消費量を抑えることができ、高速かつ高画質な記録を実現できるという利点を有している。
また、近年の記録ヘッドは、上記のような吐出口の小径化に加え、ノズルの高密度化、ノズル数の増大化も進む傾向にある。こうした傾向の中で、記録画像の高画質・高階調化を実現するために、異なるインク量の小液滴を吐出する複数種の吐出口を有している記録ヘッドを用い、記録動作をさらに高速化することも要求されつつある。
特開2004−098298号公報
上述のようにインク量の異なる小液滴を吐出する複数種のノズルを高密度かつ多数配置した記録ヘッドにおいて、全てのノズルに対して予備吐出パターンを画像記録パターンに合成すると、画質に影響が生じる場合がある。つまり、高速化を図るために記録媒体上へ予備吐出を行なうことは有効であるが、多数のノズルが高密度で配置されている記録ヘッドでは、記録媒体への予備吐出数が増大し、予備吐出で形成されたドットによる画像への影響が避けられない状態となっている。
これに対し、一回の記録走査に必要な予備吐出数を減少させれば、画像内に許容できない濃度変化が発生することを回避することは可能になる。しかし、小吐出量のノズルからの水分の蒸発は急速であるため、一回の記録走査における予備吐出数を減少させた場合には、ノズル内のインクの増粘による不吐出の発生を回避することはできない。また、蒸発し難い溶剤を含んだインクを用いることも考えられるが、この場合には、記録媒体への定着速度が遅くなるなどの新たな課題が生じる。
本発明は、多数のノズルを高密度に配置した記録ヘッドの吐出性能を、予備吐出によって良好な状態に維持することができると共に、予備吐出による画像の劣化を軽減することが可能なインクジェット記録装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の形態は、吐出量の異なる複数種のノズルを備える記録ヘッドを用い、画像記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出することにより大きさの異なるドットを記録媒体上に形成するインクジェット記録装置において、画像の記録に寄与しないインクを前記ノズルから吐出させる予備吐出を行なうための予備吐出データを生成する予備吐出データ生成手段を備え、前記予備吐出データ生成手段は、複数のノズルのうち、他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体にインクを予備吐出させる予備吐出データを生成することを特徴とする。
本発明の第2の形態は、吐出量の異なる複数種のノズルを備える記録ヘッドを用い、画像記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出することにより大きさの異なるドットを記録媒体上に形成するインクジェット記録装置において、画像の記録に寄与しないインクを前記ノズルから吐出させる予備吐出を行なうための予備吐出データを生成する予備吐出データ生成手段を備え、前記予備吐出データ生成手段は、複数のノズルのうち、他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体に所定のタイミングでインクを予備吐出させると共に、前記他のノズルから記録媒体上へと前記所定のタイミングとは異なるタイミングでインクを予備吐出させる予備吐出データを生成することを特徴とする。
本発明の第3の形態は、吐出量の異なる複数種のノズルを備える記録ヘッドを用い、画像記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出することにより大きさの異なるドットを記録媒体上に形成するインクジェット記録方法であって、画像の記録に寄与しないインクを前記ノズルから吐出させる予備吐出を行なうための予備吐出データを生成する予備吐出データ生成工程を備え、前記予備吐出データ生成工程は、複数のノズルのうち、他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体にインクを予備吐出させる予備吐出データを生成することを特徴とする。
本発明によれば、多数のノズルを高密度に配置した記録ヘッドの吐出性能を、予備吐出によって良好な状態に維持することができると共に、予備吐出による画像の劣化を軽減することが可能になる。
本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す平面図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に用いるヘッドユニットを模式的に示す図であり、(b)は同図(a)に示す記録ヘッド21−1を模式的に示す拡大図である。 本実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態において行なわれる予備吐出データと画像記録データとを合成させる処理手順の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における基本的な記録走査を説明するための模式図である。 第1の実施形態における予備吐出動作を説明するための模式図である。 ノズルによって形成されるドットの径と、適正休止時間との関係を示す図である。 2滴の予備吐出を白地の記録媒体に行った際の粒状性の発生の程度を、ブラックのインクドットの大きさ毎にプロットした結果を示す図である。 第2の実施形態における予備吐出動作を説明するための模式図である。 予備吐出により形成されるドットがライン状に並んだ状態を示す模式図である。 第3の実施形態における予備吐出動作を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る予備吐出パターンの合成を説明する概略図である。 小ノズルの予備吐出のみを白地の記録媒体に行った場合及び大、小ノズル双方の予備吐出を白地の記録媒体に行った場合それぞれの記録媒体の着色の程度と、パス数との関係を色差で示した図である。 小ノズルによる記録媒体への予備吐出を1パス記録モードから8パス記録モードのそれぞれにおいて行なうことにより形成されるドットのパターンを示す図である。 本発明の実施例6における予備吐出動作を示す模式図である。 本発明の実施例7において使用される記録ヘッドの模式図である。 本発明の実施例7において使用される記録ヘッドの模式図である。 本発明の実施例8において行なわれる予備吐出のドットパターンを示すも式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態例を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1の概略構成を示す平面図である。本実施形態におけるインクジェット記録装置1には、ガイドシャフト27により主走査方向(X方向)に移動可能に案内支持されたキャリッジ20が設けられている。キャリッジ20上には、ヘッドユニット21が搭載されており、このヘッドユニット21には、インクを吐出可能な複数のインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドと称す)21−1ないし21−6が設けられている。ここで、21−1ないし21−6はそれぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のインクを吐出するための記録ヘッドである。各記録ヘッド21−1ないし21−6にはインクを吐出するためのノズルの先端に形成された開口部である吐出口P1,P2が複数配列されている。各記録ヘッド21−1ないし21−6には、4個のインクカートリッジ22−1ないし22−4内に貯留されたインクが供給される。なお、本実施形態におけるヘッドユニット21には、シアンインクを吐出可能な記録ヘッド(シアンヘッド)とマゼンタインクを吐出する記録ヘッド(マゼンタヘッド)とが、主走査方向(X方向)における2箇所に離間して配置してある。このため、単一構成をなすシアンのインクカートリッジ21−1、マゼンタのインクカートリッジ21−4から不図示のインク供給路を介して各記録ヘッド21−1,21−6それぞれにインクが供給されるように構成されている。
記録ヘッド21への制御信号などはフレキシブルケーブル23を介して送られる。普通紙や高品位専用紙、OHPシート、光沢紙、光沢フィルム、ハガキ等の記録媒体24は不図示の搬送ローラを経て排紙ローラ25に挟持され、搬送モータ26の駆動に伴い矢印Y方向(副走査方向)に送られる。キャリッジ20には、キャリッジモータ30の駆動により移動する駆動ベルト29と共にガイドシャフト27に沿って主走査方向(X方向)における往路方向X1方向及び復路方向X2方向へと移動する。このキャリッジ20の移動位置は、主走査方向に沿って配置されたリニアエンコーダ28によって検出される。
また、記録ヘッド21には、インクを吐出する吐出口とこれに連通する液路とを含むノズルが設けられている。液路内にはインク吐出用の熱エネルギーを発生する発熱素子(電気熱変換素子)が設けられている。各ノズルに設けられた発熱素子は、リニアエンコーダ28の読み取りタイミングに伴い、記録信号に基づいて駆動される。駆動された発熱素子は発熱してノズル内のインクに気泡を発生させ、その気泡発生時に生じる圧力によって吐出口からインク滴が吐出される。このインク滴が記録媒体に付着することで画像が記録される。
キャリッジ20が移動可能な走査領域のうち、記録媒体が通過する領域(記録走査領域)外に設定されたホームポジションにはキャップ部31を持つ回復ユニット32が設置されている。非記録時には、キャリッジ20をホームポジションへ移動させてキャップ部31の各キャップ31−1ないし31−4により対応する各記録ヘッド21のインク吐出口面を密封する。これにより、溶剤の蒸発に起因するインクの増粘や固着、あるいは塵埃などの異物の付着によるインクの吐出不良の発生を防止することができる。また、上記キャップ部31は、使用頻度の低いノズルの吐出不良や目詰まりを解消するために行われる回復動作において、ノズル内から排出されたインクを受けるインク受け部としての役割も果たす。すなわち、キャップ部31は、記録動作開始時、終了時あるいは記録動作中に行われる予備吐出において、ノズルから吐出されたインクを受けるインク受け部としての役割も果たす。さらに、キャップ部31は、記録ヘッド21の吐出口面を密封した状態でキャップ部31に連通する不図示のポンプを作動させ、各ノズルの吐出口から増粘などが生じた吐出に適さないインクを吸引・排出させる、吸引回復動作にも利用される。
また、記録媒体が通過する記録走査領域外には、記録走査領域を挟んで一対の予備吐出用のインク受け部33a,33bが設けられている。記録ヘッド21−1ないし21−4は、インク受け部33a,33bの上部を通過する時、両インク受け部33a,33bに向けて画像の記録に寄与しない予備吐出を行なうことができる。またキャップ部隣接位置に不図示のブレードなどの払拭部材を配置することにより、記録ヘッド21のインク吐出口形成面をクリーニングすることが可能である。
図2(a)は前記ヘッドユニット21における各記録ヘッド21−1ないし21−6のノズルの配置例を模式的に示す図である。各記録ヘッドには、異なる種類のインクを吐出可能とするノズル群102が複数配置されている。各ノズル群102には、インク供給口105を挟んで2本のノズル列が配置されている。各ノズル群を構成する2本のノズル列は、それぞれ同一のピッチを介して配列され、かつ一方のノズル列を構成するノズルが他方のノズル列を構成するノズルに対してX方向において1/2ピッチだけずれた位置に配置されている。
またヘッドユニット21において、図2(a)の左側に位置するシアンインク吐出用の記録ヘッド21−1及びマゼンタインク吐出用の記録ヘッド21−2の各ノズル群102は、図2(b)に示すように第1、第2のノズル列L1、L2を有している。第1のノズル列L1には、所定吐出量のインクを吐出する第1のノズル103Aがインク供給口105の長手方向に沿って複数配列されている。第2のノズル列L2には、第1のノズル103Aより少ない吐出量のインクを吐出する第2のノズル103Bが複数配列されている。なお、ここで言う吐出量とは、ノズルに配置された電気熱変換素子を1回駆動することによってノズルから吐出されるインクの吐出量を意味する。また、以下の説明においては、第1のノズルを大ノズル、第2のノズルを小ノズルとも言う。また、図2(b)の右側に位置するシアンインク吐出用の記録ヘッド21−6及びマゼンタインク吐出用の記録ヘッド21−5も同様に、第1のノズル列L1と、第2のノズル列L2とを有している。但し、これら2つの記録ヘッド21−6、21−5における第1、第2のノズル列L1、L2と、前述の記録ヘッド21−1、21−2の第1、第2のノズル列L1、L2とは、X方向において1/2ピッチだけずれた位置に配置されている。このように、大ノズル103A,小ノズル103Bをシアンインク用記録ヘッド、マゼンタインク用の記録ヘッドに配置することにより、大、小異なる大きさのシアン及びマゼンタのドットを記録媒体上に記録することが可能である。また、本実施形態では、ブラックインク吐出用の記録ヘッド21−1、シアンインク吐出用の記録ヘッド21−2については、各々のノズル群102を構成する2つのノズル列がいずれも第1のノズル103Aを配列したノズル列L1となっている。但し、これらの記録ヘッド21−3、21−4においても、同一ノズル群内における2本のノズル列は、各々を構成するノズルがX方向において互いに1/2ピッチだけずれて配置されている。
本実施形態において、大ノズル103Aは平均2.5ngのインク液滴を吐出し、小ノズル103Bは平均1.2ngのインク液滴を吐出するノズルとなっている。また、各ノズル群102は、いずれも2つのノズル列を合わせることにより、X方向に1200dpiのノズル密度でノズルが配置されたものとなっている。なお、各ノズルへのインクの供給は、インク供給口105から各ノズル103に対応して設けられたインク流路104を介して行われる。
図3は本発明のインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。図3において、301は画像データ入力部、302は操作部、303はCPUである。また、304は各種データを記憶する記憶媒体であり、記録モードに関する情報、インクに関する情報、記録時の温度や湿度などの情報を格納する画像記録情報格納304a、各種制御プログラム群304bなどが格納される。さらに、305は各種データを一時的に格納するRAM、306は後述の画像データ及び予備吐出データなどの生成及び合成などを行なう画像データを処理部、307は画像出力を行う画像記録部、308は各種データを転送するバス部である。
記各部についてさらに詳述すると、画像データ入力部301はスキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データやパーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている多値画像データを入力するものである。操作部302は各種パラメータの設定及び記録開始を指示する各種キーを備えている。CPU303は記憶媒体中の各種プログラムに従って演算、判断、制御などの処理を行い、本記録装置全体を制御する。記憶媒体304には、制御プログラムやエラー処理プログラムに従って本記録装置を動作させるためのプログラムなどが格納される。本実施形態における動作は全てこのプログラムに従って行われる。プログラムを格納する記憶媒体304としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いることができる。RAM305は記憶媒体304中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画像処理時のワークエリアとして用いる。また、RAM305は、記憶媒体304の中の各種テーブルをコピーした後、そのテーブルの内容を変更することが可能であり、CPU303は、変更したテーブルを参照しながら画像処理を進めることも可能である。
画像記録部307は画像処理部306で作成された吐出データに基づいてインクを吐出し、記録媒体上にドット画像を形成する前述の記録ヘッド及び記録ヘッドの各ノズル内に配置された電気熱変換素子を駆動する駆動回路を含む。バスライン308は本装置内のアドレス信号、データ、制御信号などの伝送を行なう。
ここで、記録ヘッドからインクを吐出させるための記録データの作成について説明する。
画像処理部306は入力された各画素の多値の画像データを、使用する各インク色に対応するよう色分解する。次いで、色分解された各色の多値の画像データを、低階調数(N値)の画像データに量子化し、さらにその量子化された各画素が示す階調値に対応した2値の画像データに変換する。入力画像データのN値化処理には、例えば多値誤差拡散法を用いることができる。但し、N値化処理する方法はこれには限定されるものではなく、平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を用いることも可能である。また、前述のN値化処理の後、それぞれの階調に対応する画素パターンに対応して2値の画像データが生成され、ビットマップ展開される。このビットマップ展開された2値の画像データは、同一の走査領域に対して実施される走査数に対応して分配される。これにより、各記録走査において記録ヘッドの各ノズルからインクを吐出させるか否かを表す2値の画像記録パターンを記録するための記録データ(以下、画像記録データともいう)が生成される。
また、本実施形態における画像処理部306は、上述のデータ処理によって生成される画像記録データと予備吐出パターンを記録するためのデータ(第1の予備吐出データ)とを合成させる。画像処理部306は、画像記録データと第1の予備吐出データとを合成したデータをRAM305内のプリントバッファへ送り、記録ヘッドが吐出を行うための吐出データへと並び替え(HV変換)を行う。なお、本実施形態では、後述するようにドットカウント値から休止ノズルを判定して第1の予備吐出データを生成するため、合成データをプリントバッファに送る前に画像記録データのみをプリントバッファへ送るようにしている。まず、プリントバッファへ送られる画像記録データをカウントしたカウント値と、記録の際のシーケンス制御に基づくキャリッジリターン時間間隔(1走査あたりの時間)とから、各ノズルの休止時間を計算する。この結果から、休止時間が所定時間以上のノズルは休止ノズルと判定して、この休止ノズル判定に基づき第1の予備吐出データをノズルごとに生成している。すなわち、本実施形態は、一度プリントバッファ上で画像記録データからダミーの吐出データに展開することでドットカウントを行い、ドットカウント後に必要な予備吐出データを生成し、これを画像記録データと合成してそれを実際の記録動作のための吐出データに展開する。なお、この画像処理部306によって予備吐出データ生成する予備吐出データ生成工程を実施する予備吐出データ生成手段が構成されている。
図4は、予備吐出データと画像記録データとを合成させる処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS401では、記録ヘッドの大ノズル103Aと小ノズル103Bの双方で予備吐出を行なう記録モードAと、小ノズル103Bのみで予備吐出を行なう記録モードBのいずれが指定されたかを判断する。本実施形態では、記録モードBは所定領域の画像記録を完成させるマルチパス記録における走査回数(パス数)が記録モードAよりも多く設定されたモードで、高品位の画像記録のための記録モードとなっている。このような高品位記録のための記録モードBにおいて大ノズルAにより紙面上に予備吐出を行うと記録画像に影響を及ぼす場合があるため、当該モードでは紙面上の予備吐出を実施しないようにしている。ステップS401で記録モードAが指定されたと判断された場合には、続くステップS402に移行する。ステップS402では、記録走査において大ノズル103A、小ノズル103Bそれぞれによって記録すべきドット(小ドット、大ドット)の数、すなわち、各ノズルの吐出数をカウントする。これは、大、小の各ノズルに対応した2値の画像記録データに基づいて行なう。そのドットのカウント値から、記録走査中に使用されない小ノズル(以下、休止小ノズル103A)が存在するか否かを判断する(ステップS403)。ここで、休止小ノズルが存在する場合には、小ノズル103Aに予備吐出パターンを合成する必要があるとみなし、次のステップS404において画像記録データと小ノズルに必要とされる予備吐出データとを合成する。
また、ステップ406では大ノズル103Aについても記録走査中に使用されない大ノズル(以下、休止大ノズルと称す)103Aが存在するか否かを判断する(ステップS406)。休止大ノズルが存在しないと判断された場合には、ステップS407において大ノズルに必要とされる予備吐出データ(第2の予備吐出データ)と画像データとを合成する。以上の処理により、各記録走査において大ノズルと小ノズルに休止ノズルが存在すれば、休止ノズルを含んだノズルに対応する予備吐出データが画像記録データに合成される。従って、大小両ノズルに休止ノズルが存在する場合には、大ノズルと小ノズルそれぞれに対応した予備吐出データが画像データに合成されることとなる。
一方、ステップS408で指定された記録モードが記録モードBと判断された場合には、記録走査において小ノズル103Bによって記録すべきドットの数をカウントする(ステップS408)。このドットのカウント値から、記録走査において休止小ノズル103Aが存在するか否かを判断し(ステップS409)、休止小ノズルが存在する場合には画像記録データと小ノズルに対応する予備吐出データとを合成する(ステップS410)。以上の処理により予備吐出パターンと画像記録パターンとが合成された場合、本実施形態では、後述のように、大ノズル103Aはインク受け部32aへと予備吐出を行い、小ノズル103Bは記録媒体24への予備吐出を行う。
次に、上記構成を有するインクジェット記録装置によって実施される基本的な記録走査について図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、記録装置の底部側から観た状態を模式的に示す図である。
ヘッドユニット21を搭載したキャリッジ20は、ホームポジションS1から往方向(X1方向)へと加速されつつ移動し、各記録ヘッドは、記録媒体の側端部が存在する記録開始位置S3からインクの吐出動作(画像記録動作)を開始する。そして、一回の記録走査における記録終了位置S4まで、各記録ヘッドは記録媒体24に対してインクの吐出を行ない、画像を記録する。その後、キャリッジ20は必要な減速を行ないつつ記録領域の終端S5まで移動し、予備吐出インク受け33bを通過する際に予備吐出を行う。このとき、記録モードによるが所定量の紙送りが行われる。予備吐出が終了すると、キャリッジ20は移動の方向を反転させて復方向(X2方向)へと移動を開始し、その移動速度を加速させて行く。復方向の移動のより記録開始位置S4に達した記録ヘッドは吐出動作を再開し、復方向走査の記録終了位置S3に至るまで画像を記録する。その後減速しつつ、予備吐出インク受け部33bまで移動して予備吐出を行う。再び記録媒体が所定量だけ搬送されると、再び往方向へ移動を開始し画像を記録する。以上の動作を繰り返すことにより、画像記録が完成する。
なお、以上の説明した記録動作は、記録ヘッドが往方向及び復方向へと移動する間に、記録ヘッドからインクを吐出する、いわゆる双方向記録となっている。これに対し、往方向と復方向のいずれか一方への移動のみで記録が行なわれる、いわゆる片方向記録を行なう場合もあり、この場合には記録を行なわない走査(空走査)におけるキャリッジ20の移動はより高速に行なわれる。従って、空走査開始前において記録媒体は搬送されない。従って、記録ヘッドの往復動作に要する時間は、片方向記録を行なう場合の方が双方向記録を行う場合よりも短縮される。
また、ホームポジションには記録ヘッドの各ノズル内のインクを吸引する際に使用されるキャップ部31及び記録ヘッドの吐出口面に対する不図示の払拭部材が設けられている。このため、特に必要な場合にはホームポジションまで移動し、時間をかけて記録ヘッドの吸引回復処理及び吐出口面の払拭処理を実施しても良い。しかし通常の一頁分の記録動作では、予備吐出インク受け部33aと33bとの間を繰り返し往復走査して画像を記録するといった走査形態をとる。このような走査形態を実施する場合、各記録ヘッドにより記録動作を行なう際に行なわれる走査における走査領域は、図5に示すように分けることができる。すなわち、各記録ヘッドによる記録動作中の走査領域は、インク受け部33a,33b上での移動領域10A1,10A5、記録ヘッドの移動速度を加減速する領域10A2、空走査領域10A4、記録媒体上に画像記録を実施する領域10A3に分けることができる。また、走査の方向を反転させる必要から、記録ヘッドの加減速にかかる領域10A2及び10A4も設定されている。
次に本実施形態における予備吐出動作を図6に基づき説明する。なお、ここでは説明を簡略化するためにシアンインクを吐出する一つのノズル群101のみを示している。
本実施形態では、主走査方向(X方向)における記録幅が大きい記録媒体(例えばA4の記録媒体)が使用され、インク受け部32bと空走査領域との間に短い領域が形成されている場合を示している。また、図6において、黒で示すドットは実際に予備吐出を行うことによって形成されるドットを表している。また、白抜きのドットは、予備吐出を行っていないノズルを示すために、表示したものであり、この白抜きのドットは本実施形態における予備吐出では形成されない。また、ここに示す例では、記録ヘッド21−1の往復走査において、記録ヘッド21−1が一定の方向(X1方向)へと走査するときにのみインクを吐出して記録を行なう、いわゆる片方向記録を実施する場合を示している。
本実施形態では、大小2種類のドットを形成できる2種類のノズル(大ノズル103A、小ノズル103B)を配列した記録ヘッド21−1を用いる。この記録ヘッド21−1に配列された2種類のノズルのうち、小ドットを形成するための小ノズル103Bからは1plの吐出量のインク滴が吐出され、大ドットを形成するための大ノズル103Aからは2plの吐出量のインク滴が吐出される。
図7は、低温や低湿度といったある環境下において、ノズルによって形成されるドットの大きさ(ドット径)と、そのドットを形成するノズルにおいて吐出不良が発生しない最大の休止時間(以下、適正休止時間と称す)との関係を示す図である。環境温度や湿度、及びインクや記録ヘッドの特性及び駆動条件等にもよるが、概してより大きい径のドットを形成するノズル、すなわち、より大きな吐出量のノズルは適正休止時間が長くなり、より小さな吐出量のノズルは適正休止時間が短くなる傾向がある。図7に示される実線は、一回の記録走査にかかる時間(記録走査時間)を示しており、記録走査時間より短い適正休止時間に対応するドット径を形成するノズルは、一回の記録走査中に記録媒体への予備吐出を余儀なくされることとなる。
本実施形態では、記録装置が低温、低湿の環境下で使用される場合、記録ヘッドの小ノズルに吐出不良が発生しない休止時間(以下、適正休止時間と称す)は0.3sec程度となっている。また、A4サイズの記録媒体に対しシリアル型の記録装置で記録動作を行なう場合、後述するように、一回の記録走査では一つの小ノズル103Bから2滴の予備吐出を行なうことが望ましい。また、同様に低温、低湿の環境下において使用される場合、大ノズル103Aでは適正休止時間は2.0sec程度であり、2回度の記録走査に対し1滴の予備吐出を行なっている。
ここで、上述の記録走査に伴って実施される本実施形態の予備吐出動作を説明する。
まず、記録ヘッド21−1がX1方向へと移動してインク受け部32bの上に達したとき、第1、第2のノズル列L1,L2がそれぞれインク受け部32bに対して予備吐出を行なう。さらに、記録ヘッド210−1は空走領域10A2を通過し、記録媒体24上に達したところで、各ノズルから画像記録データに基づくインクの吐出と、第2のノズル列L2の各小ノズルからの2回目の予備吐出が記録媒体24に対して行なわれる。この後、記録媒体24の記録領域を超えた記録ヘッドは一旦停止し、移動方向をX2方向へと反転させ、インク受け部32a上に復帰する。なお、X2方向への移動においてインクの吐出は行なわれない。
X2方向への走査において、第2のノズル列L2は、全てのノズルが同時にインクを吐出するのではなく、配列順序において奇数番目に位置するノズル(奇数ノズル)と偶数番目に位置するノズル(偶数ノズル)とが異なるタイミングでインクを吐出する。その結果、記録媒体24上に形成されドットのパターンは、奇数ノズルによって記録されるドットd1と偶数ノズルによって記録されるドットd2とが同一ライン上に集中せず、図7に示すように、ドットd1,d2が分散した状態で記録される。このため、予備吐出によって形成されるドットによる画像への影響をより軽減することができる。
また、奇数ノズルと偶数ノズルのいずれにあっても、インク受け部32bへの予備吐出を行なってから適正休止時間内においてまず1回目の予備吐出を行う。この後、2回目の予備吐出は、1回目の予備吐出から適正休止時間T(0.3sec)が経過するまでに行なう。これにより、小ノズル103Bのインクは、吐出に適した状態に保たれる。また、大ノズル103Aにおいては、インク受け部32bに対して予備吐出を行なってから2回の往復走査が終了した後に、インク受け部32bに対して再び予備吐出が行なわれる。インク受け部32bに予備吐出を行なってから、2回目の記録走査(インク吐出を伴う走査)が終了するまでの時間は、約1.8secであるため、この間に大ノズル103Aに吐出不良が発生するようなインクの増粘が生じることはない。
従って、大ノズル103Aについても、常に適正な吐出性能を維持することができる。しかも、大ノズル103Aの予備吐出は記録媒体24には行なわれないため、大ノズル103Aの予備吐出が画像に影響を及ぼすことはない。従って、本実施形態によれば、吐出不良の発生し易い小ノズル103Bにおいても画像の記録動作が終了するまで、常に適正な吐出性能が維持されるため高品位の画像を形成することができる。しかも予備吐出のためにインク受け部へと記録ヘッドを移動させる頻度を大幅に削減できるため、高速記録を実現することができる。
なお、上記実施形態では、インク受け部32aに対して予備吐出を行なう場合を示したが、予備吐出されたインクをキャップ部31で受けるようにすることも可能である。
図8は、1回の記録走査あたり一つのノズルから2滴の予備吐出を白地の記録媒体に行った際の粒状性の発生の程度を、ブラックのインクドットの大きさ毎にプロットした結果を示す図である。図中、実線は予備吐出で形成されたドットパターンにより粒状感が生じ、それ以上は予備吐出によって記録媒体上にドットを形成できない程度を示している。
図8は、小ノズル103Aから吐出されるインク滴にて形成される小ドットの径が約30μmを下回っている場合、1回の記録走査において一つのノズルから2滴のインク滴を分散して記録媒体上に吐出しても白地における粒状感は発生しないことを示している。この結果からも明らかなように一つの小ドットの径が30μm程度であり、1回の記録走査で走査領域内の画像を完成させる1パス記録を実施する場合には、本実施形態のように各記録走査において一つのノズルにつき2滴程度の予備吐出を行い得ることが判る。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図9を参照しつつ説明する。なお、この第2の実施形態においても、図1ないし図3に示す構成を備え、図9中、上記第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
この第2の実施形態では、双方向記録を行なう場合に、予備吐出されるインクを受けるインク受け部32bと記録媒体とが、主走査方向(X方向)において大きく離間している状況において、図9に示すような予備吐出行なう。図9に示すように、インク受け部32aと記録媒体24とが大きく離間する状況は、例えば記録媒体24の主走査方向における幅が狭い場合に生じる。すなわち、記録媒体の幅が狭い場合には、記録媒体の端部よりアウェイポジションS5側に位置するインク受け部32aと記録媒体24との間には、大きな間隔が形成される。
このような状況において、ホームポジション側のインク受け部32bに対しほぼ同時に予備吐出を行なった後、加速及び空送を行いつつ記録媒体へと記録ヘッドを移動させたとしても、ノズル列の全てのノズルはほぼ同時に適正休止時間を越えることとなる。このため、図10に示すように、記録媒体24上でライン状に予備吐出をすることが必要となり、予備吐出によって記録媒体に形成されたドットがアーティファクトとして視認される可能性がある。
そこで、この第2の実施形態では、図9の加減速領域10A4にあたる空走領域でも予備吐出データ(第3の予備吐出データ)に基いて小液滴による予備吐出を行う。この場合、第2のノズル列L2の中の奇数ノズルと偶数ノズルとで、異なるタイミングで空走領域に予備吐出を行なう。これにより、奇数ノズルと偶数ノズルとが記録媒体上において適正給紙時間を迎えるタイミングを異ならせることができ、奇数ノズルと偶数ノズルを記録媒体上において異なるタイミングで予備吐出することができる。奇数ノズルと偶数ノズルとをそれぞれ異なるタイミングで記録媒体上に吐出することにより、記録媒体上に形成されるドットは図9に示すように分散され、視認されにくい状態となる。このため、この第2の実施形態によれば、画像品位の低下を軽減することができる。また液滴サイズが非常に小さく、空走領域に予備吐出を行っても記録装置本体への汚損の影響は非常に少なく、問題を生じることはない。
空走領域へのインクの吐出駆動は、画像記録時に行なうインクの吐出駆動と同様に行なうことが可能であるが、電気熱変換素子に供給する電力量を制御するなど、予備吐出専用の吐出駆動を行っても良い。また、大ノズルについては2度の記録走査(一往復走査)あたり一度の予備吐出をインク受け部上で行なう。これによれば、記録に際し、大ノズル103A内のインクを常に吐出に適した状態に保つことができ、しかも大ノズル103Aから予備吐出されたインク滴は画像に影響することはない。なお、大ノズル103Aの予備吐出をインク受け部に対して行なうとき、必要に応じてより小ノズルの一部または全部から予備吐出を行っても良い。また、上記のような記録媒体上に予備吐出を実現するための予備吐出データ(第1の予備吐出データ)は、上記第1の実施形態と同様に、予備吐出データと画像データとを合成させることによって実現できる。
以上のように、この第2の実施形態によれば、全てのノズルに対して適正休止時間内に呼び吐出を行なうことができ、より小さいノズルからもそれより大きいノズルからも安定して吐出がされて、良質な画像記録を実現することができる。
なお、上記の第2の実施形態では、空走領域および記録媒体上に同時に予備吐出を行なうノズルの組み合わせを奇数ノズルと偶数ノズルに分けた場合を示した。しかし、予備吐出によって記録媒体上に形成されるドットが視認されない程度に分散される組み合わせであれば、同時に駆動するノズルを他の組み合わせに定めることも可能である。また、1つのノズル列を3以上の組に分け、異なる組に属するノズルのインク吐出タイミングを互いに異ならせることも可能である。
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態を図11に基いて説明する。なお、この第3の実施形態においても、図1ないし図3に示す構成を備え、図11中、上記第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
上記第2の実施形態では、大ノズル103Aからの予備吐出はインク受け部1002上にのみ行うものとした。しかし、大ノズル103Aからのインク滴も非常に小液滴であり、そのインク滴によって記録媒体上に形成されるドットは微小である。従って、大ノズル103Aから吐出されたインク滴により形成される大ドットも、少数が分散された状態で記録媒体上に形成されるという条件の下であれば、画像に大きな影響を及ぼすことはない。そこで、この第3の実施形態では、上記の条件を考慮しつつ大ノズル103Aの予備吐出も、小ノズル103Bの予備吐出と共に、記録媒体上で行う。図11は、この第3の実施形態において、1回の記録走査において実施される予備吐出の状態を模式的に示す図である。ここでは説明を簡略化するために記録ヘッドとしてシアンインクを吐出する記録ヘッド21−1のみを示している。
図11に示すように、大ノズル103Aの記録媒体24への予備吐出は、大ノズル103Aにおける適正休止時間を考慮すると、2度の記録走査において1ノズルあたり1回の予備吐出を行なえば良い。つまり、各記録走査中に行なうのは0.5滴で十分である。この場合、記録媒体24上には小ノズル103Bの予備吐出によって記録媒体24上に記録された小ドットdと、大ノズル103Aの予備吐出によって記録媒体24上に記録された大ドットDとを一定の比率に従い混在させることになる。図11に例示する予備吐出によるドットパターンは、大、小両ドットを混在させたパターンとなっている。このドットパターンにおける各ドット(大ドットD及び小ドットd)は、互いに分散して配置され、かつ大ドットDは、小ドットdより少数となっている。従って、予備吐出によって形成されるドットが画像記録のために形成されたドットに挿入されたとしても、画像の品位が低下することはない。しかも、大、小いずれのノズルにおいても、適正休止時間内に予備吐出を実施することで、画像の記録に際し、ノズル内のインクを吐出に適した状態に保つことができ、各ノズルの吐出不良の発生を大幅に軽減することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
大ノズルの予備吐出を記録媒体上に行う上記第3の実施形態は、各走査領域内の画像を少数の記録走査(例えば1または2回の記録走査)によって完成させる記録モードにおいては有効である。しかし、高画質の画像を形成する記録モードでは、各走査領域内の画像を多数回の記録走査(以下、パスともいう)で完成させることが行われており、このような高画質記録モードにおいて第3の実施形態で示した予備吐出は適さない場合もある。
例えば、4回以上のパスで1つの走査領域の画像を完成させるマルチパス記録モードにおいて、第3の実施形態における予備吐出を採用した場合、同一の走査領域に対して各記録走査毎に予備吐出が行われるため、図12に示すように多数の大ドットが形成されることとなる。この場合、予備吐出によって記録されるドットパターンが、白地に対して視認され得る程度の濃度差を発生させたり、形成される記録画像に粒状感を生じさせたりすることがある。
従って、この第4の実施形態では、同一走査領域内の画像を多数のパスで形成する高画質記録モードにおいて、小ノズルにおける予備吐出を記録媒体上で行い、大ノズルの予備吐出をインク受け部32bに対して行うようにしている。このような予備吐出は、小ノズル103Bの予備吐出データのみを画像記録データに合成させ、大ノズル103Aの予備吐出データは画像記録データに合成させないようにすることで実現できる。こうした予備吐出を行う場合、大ノズル103Aの予備吐出は、図9に示すように、記録走査2回に一回の割合で記録ヘッドをインク受け部32aに移動させることとなる。このため、厳密には、大、小のノズルにおける予備吐出を全て記録媒体に対して行う第3の実施形態に比べ、予備吐出インク受け部4へとインク受け部32aへと移動させる分、記録に要する時間は増加する。しかし、4パス記録モードや8パス記録モードは、もともと1パスモードや2パスモードに比較して記録に要する時間は長く、スループットは低いため、インク受け部32aへの移動によって生じる程度の時間増大が、スループットに及ぼす影響は少ない。従ってこの第4の実施形態によれば、多数のパスで同一走査領域内の画像を完成させる記録モードにおいても、大、小両ノズル内のインクを吐出に適した状態に保つことができる。また、予備吐出による画像への影響を軽減することができるため、高品位な画像記録が可能になる。
図13は、小ノズルの予備吐出のみを白地の記録媒体に行ったときの記録媒体の着色の程度(◆)及び大、小ノズル双方の予備吐出を白地の記録媒体に行ったときの記録媒体の着色程度(■)と、記録走査数(パス数)との関係を色差ΔEで示した図である。図中の実線は、予備吐出で形成されたドットパターンにより記録媒体の地色との色差が許容できなくなり、それ以上は予備吐出によって記録媒体上にドットを形成できない程度を示している。
図示のように、小ノズルのみによる予備吐出であれば、記録走査数(パス数)の増加に基づき着色程度が増大するものの8パス記録を行っても許容以下である。しかし、小ノズルと大ノズルの双方のノズルによって必要な予備吐出を行ってしまうと、4パスや8パス記録において、許容できない濃度変化が生じてしまうことが判る。
具体的には、2パス記録モードまでは、1記録走査において小ドットを2ドット、大ドットを0.5ドットまで、記録媒体上に予備吐出パターンを挿入できる。しかし、4パスモードや8パスモードでは、同様に大小のドットを記録媒体に予備吐出すると、白地部分との濃度差が視認されてしまうことが判る。これは、予備吐出により記録媒体にドットを記録する数には限度があることを示している。
図14は、小ノズルによる記録媒体への予備吐出を1パス記録モードから8パス記録モードのそれぞれにおいて行なうことにより形成されるドットのパターンを示す図である。図中、パターン1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408は、それぞれ1パス、2パス、4パス、5パス、6パス、7パス、8パスによってそれぞれ形成される記録モードを示している。ここで、1パス記録モードによって形成されるドットのパターンと、2パス記録モードによって形成されるドットのパターンとを比較した場合、2パス記録モードによって記録されたドット数は、1パス記録モードによって記録されたドット数の2倍になっている。以下、記録モードのパス数が増加するに従って、予備吐出によって形勢されるドット数は増大して行く。従って、1パスまたは2パスの記録モードにおいて予備吐出で記録されるドットパターンはドット数が少ないため粒状感も低く、濃度差や色差が発生することも少ない。しかし、3パス以上の記録モードによって記録された予備吐出のドットパターンは、ドット数の増加によって粒状感が高まり、白地との濃度差や色差も発生し易くなる。
また、1403、1405、1406、1407のドットパターンに見られるように一部にドットを欠くようなパターン、すなわち、ドットが均等間隔に配列されていないパターンは、粒状感が視認され易い。従って、予備吐出により記録媒体上にある一定数のドットからなるドットパターンを形成する場合には、ドットが均一に配置されるようなパターンを選択することが望ましい。例えば1から4パスの記録モードを実行可能な記録装置において、3パス記録モードを実行する場合には、図14の1403で示されるパターンより、図18の1803で示すドットパターンを形成した方が粒状感の発生を抑えることができる。なお、図18の1081、1082、1083、1084は、それぞれ1パス、2パス、3パス、4パスのそれぞれの記録モードにおいて、予備吐出により記録媒体上に形成すべきドットパターンの他の例を示している。このように、複数種類の記録モードを有する記録装置にあっては、予備吐出により記録媒体上に形成するドットを各記録モードに適したパターンで形成することが望ましい。これは、複数種の記録モードそれぞれに適した複数種の予備吐出データを用意しておき、記録モードの指定に応じて予備吐出データを選択し、その選択した予備吐出データと画像記録データとを合成させるようにすることで実現できる。
また、同一の走査領域を複数回走査するマルチパス記録方式では、記録媒体の先端部および後端部に画像を記録する場合、記録ヘッドの全ノズルを使用するわけでなく、ノズル列の一部、すなわち先端の一部のノズルで画像を形成する。この際、他のノズルは使用されない。そこで、このような先端部の記録においては、記録画像データに予備吐出データを合成させず、実際に記録に用いる記録走査の直前においてインク受け部上に予備吐出を行うようにしても良い。すなわち、先端部及び後端部を記録する際にはインク受け部に移動して予備吐出をする記録走査と、それ以外ではインク受け部に移動せずインク受け部の無い領域への予備吐出をしつつ記録媒体上に予備吐出を行う記録走査とを混在させることも可能である。
(他の実施形態)
また、本発明にあっては、それぞれの色毎に複数の濃淡インクを使用するものにも適用可能である。また、インクの種類によって、大ノズル、小ノズルのインク吐出量の組み合わせが異なるものであっても、本発明は適用可能である。さらに、本発明は大、小の2種類のノズルを用いる場合を例にとり説明したが、3種類以上の吐出量を有するノズルにも本発明は適用可能である。
従って本発明は、使用する記録ヘッドの数、インク色の種類、記録媒体、記録速度、記録するインク吐出量に応じて、画像記録データに必要とされる予備吐出データを適宜合成して記録を行なうようにすれば良く、本発明は特に上記の実施形態に限定されない。
また、本発明は、シリアル型のインクジェット記録装置に限らず、記録媒体の画像記録幅全体に亘ってノズルが配列されたフルライン型の記録ヘッドを用いて1回の記録走査で画像を完成させるインクジェット記録装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、ノズル内に設けた電気熱変換素子のエネルギーによってノズルからインクを吐出させる形態の記録ヘッドを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ノズル内に発生させた静電力によってインクを吐出させる方式、あるいはノズル内に配置したピエゾによってインクを吐出させる方式など、電気熱変換素子以外のものを用いてインクを吐出させる記録ヘッドを用いる記録装置にも本発明は適用可能である。
さらに、本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙等、さらには金属などの記録媒体を用いる機器すべてに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることができる。
以下、上記実施形態を用いて実際に記録動作を行った結果を説明する。
(実施例1)
記録ヘッドユニットとして、図2(a)に示すようにものを用いた。シアンインク、マゼンタインクを吐出する記録ヘッドは、大、小ノズルをそれぞれ128個ずつ1200dpiの密度で配列されたものを使用した。大ノズルは、平均2.4ngの吐出量を有するものとし、小ノズルは、平均1.2ngの吐出量を有するものとした。また、ブラックインク、イエローインクを吐出する記録ヘッドは、平均2.4ngを吐出する256個の大ノズルを1200dpiで配置されたものを使用した。
インクジェット記録装置としては、図1に示す構成のものを使用した。記録時のインク吐出周波数は、30kHzとした。インクとしては、市販のiP4100(キヤノン株式会社製)用のインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を用いた。色の並び順はCMYKMCとした。記録媒体としてはインクジェット専用フォト光沢紙A4サイズ(プロフォトペーパー、PR101:キヤノン株式会社製)を用いた。
図14の1402に示したような予備吐出パターンを白地部分に挿入し、図10に示したように往方向及び復方向の記録を2パス記録モードで行った。小ノズルの予備吐出によって記録媒体上に形成されたドットパターンによる目視上の画像弊害は認められず、良好な品質の記録を行うことができた。
(実施例2)
実施例1と同様の記録ヘッド及びインクジェット記録装置を用いると共に、記録媒体としてはインクジェット専用フォト光沢紙2Lサイズ(プロフォトペーパー、PR101 2L:キヤノン株式会社製)を用いた。
この場合、図9に示したように、復方向記録においてインク受け部32aが記録媒体から大きく離れた位置にある。このため、復方向記録においては図9に示したように専用のインク受け部以外にも予備吐出を実施し、インク受け部32aまで記録ヘッドを移動させることなく記録走査方向を反転させて記録を行った。
これにより、移動時間に相当する記録時間が削減されて、記録にかかる時間が短縮され、かつ、予備吐出パターンが視認されない良好な画像が記録された。
(実施例3)
実施例2と同様に2Lサイズの記録媒体を使用した。また、図11に示すように、大、小両ノズルにおいて記録媒体への予備吐出を行いつつ2パス記録モードで記録を行った。 その結果、インク受け部までの移動時間が削減されて記録にかかる時間が短縮され、かつ予備吐出パターンが視認されない良好な画像が記録された。
(実施例4)
実施例2と同様のインクジェット記録装置を用い、図9に示す場合と同様に、小ノズルの予備吐出データのみを記録画像データに合成させ、8パス記録モードで双方向記録を行った。その結果、移動時間に相当する記録時間が削減されて記録にかかる時間が短縮され、かつ、予備吐出パターンが視認されない良好な画像が記録された。
(比較例1)
上記実施例4と同様のインクジェット記録装置を用い、図11に示すように、大小ノズル双方の予備吐出データを画像データに合成させ、8パス記録モードで記録を行なった。その結果、予備吐出パターンが視認され品位の低い画像が記録された。
(実施例5)
図15に示すように、全ノズルが小ノズルである記録ヘッドを用い、双方向記録を行なった。この際、専用のインク受け部と記録媒体以外にも、図15に示すように予備吐出を実施しつつ、2パス記録モードで画像を記録した。移動時間に相当する記録時間が削減されて記録にかかる時間が短縮され、かつ、予備吐出パターンが視認されない良好な画像を記録された。
(実施例6)
記録ヘッドとして図16に示すものを用意した。図中、1601は記録ヘッド、1602は特大な吐出量の液滴を吐出するノズル群である。このノズル群1601における各ノズルは30plの液滴を吐出可能となっており、600dpiの密度で配置されている。また101は図2に示したヘッドユニット21と同様の構成を有する記録ヘッド群を示しており、この記録ヘッド群と記録ヘッド1601とによりヘッドユニットを構成している。なお、1602はブラックインクを吐出するものである。
ノズル群1602から吐出される液滴により形成するドットは、およそ80μmである。このノズル群1602によって記録媒体上に予備吐出パターンを記録すると、粒状性の劣化や色差、濃度差が発生してしまう。このため、ノズル群1602による予備吐出データは記録画像データに合成させず、記録ヘッド群101における小ノズルの予備吐出データのみ画像記録パターンと合成させ、記録動作を行なった。これにより、予備吐出によって形成されたドットパターンは視認されず、高品質な画像を高速に記録することができた。
(実施例7)
記録ヘッドとして図17に示すものを用意した。図17において1702は吐出量1plのノズルを1200dpiの密度で256個配したノズル群を有する記録ヘッドを示し、1701はこの記録ヘッドを6個配置した記録ヘッド群を示している。6個の記録ヘッドは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、マゼンタ、シアンのインクをそれぞれ吐出するものとなっている。また、図中、1602は上記実施例6に示した記録ヘッドと同様の構成を有する記録ヘッドとなっており、この記録ヘッド1602と記録ヘッド群1702とにより、ヘッドユニット1601が構成されている。このように構成されたヘッドニット1601を用い、実施例6と同様に記録ヘッド群1702における小ノズルの吐出データのみを画像記録データに合成させ、画像の記録を行なった。その結果、予備吐出パターンは視認されずに高品質な画像を高速に記録することができた。
(実施例8)
実施例1と同様の記録ヘッド及びインクジェット記録装置を用い、画像記録データに合成する予備吐出データとして、図18に.示すパターンを形成するためのデータを用意した。図中、1801は1パス記録モードで記録する場合に用いられるパターンで、一度の記録走査で小液滴の各ノズルからは常に2発の予備吐出が行われるようなパターンとなっている。また1802は2パス記録モード、1803は3パス記録モード、1804は4パスでの記録モードに対応した予備吐出用のドットパターンである。これらのパターンは、4パス記録モードで最も分散されるように設定したパターンとなっている。通常、3パス以下のパス数による記録モードに使用する予備吐出用のドットパターンを4パス記録モードで使用するドットパターンから間引いて定めている。しかし、このようなパターンの設定方法を使用すると、割り切れないパス数の記録モード(この場合は3パス記録モード)の場合には、パターンの分散性が低下してしまう。前述のように予備吐出パターンの分散性が低いと粒状感が生じ、画像品位を低下させるおそれがある。そこで、この実施例8では、1803に示すように分散性の良好な予備吐出用のドットパターンを形成するための予備吐出データを用意し、これを予備吐出パターンと合成することによって画像記録を行なうようにした。その結果、予備吐出パターンは視認されずに高品質な画像を高速に記録することができた。
1 インクジェット記録装置
21 ヘッドユニット
21−1〜21−6 記録ヘッド
102 ノズル群
L1,L2 ノズル列
103A 大ノズル
103B 小ノズル
24 記録媒体
303 CPU
306 画像処理部、
33a,33b インク受け部
X 主走査方向

Claims (12)

  1. 吐出量の異なる複数種のノズルを備える記録ヘッドを用い、画像記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出することにより大きさの異なるドットを記録媒体上に形成するインクジェット記録装置において、
    画像の記録に寄与しないインクを前記ノズルから吐出させる予備吐出を行なうための予備吐出データを生成する予備吐出データ生成手段を備え、
    前記予備吐出データ生成手段は、複数のノズルのうち、他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体にインクを予備吐出させる予備吐出データを生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記予備吐出データ生成手段は、複数のノズルのうち、他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体にインクを予備吐出させる第1の予備吐出データと、前記他のノズルから前記記録媒体以外の位置にインクを予備吐出させる第2の予備吐出データとを生成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記予備吐出データ生成手段は、前記他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体にインクを吐出させる第1の予備吐出データと、前記記録媒体とは異なる位置に配置されているインク受け部へとインクを吐出させる第2の予備吐出データと、前記インク受け部及び前記記録媒体とは異なる位置にインクを吐出させる第3の予備吐出データと、を生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 前記第1の予備吐出データは、前記画像データに合成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記予備吐出データ生成手段は、異なる記録モードに応じて異なる前記第1の予備吐出データを生成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 吐出量の異なる複数種のノズルを備える記録ヘッドを用い、画像記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出することにより大きさの異なるドットを記録媒体上に形成するインクジェット記録装置において、
    画像の記録に寄与しないインクを前記ノズルから吐出させる予備吐出を行なうための予備吐出データを生成する予備吐出データ生成手段を備え、
    前記予備吐出データ生成手段は、複数のノズルのうち、他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体に所定のタイミングでインクを予備吐出させると共に、前記他のノズルから記録媒体上へと前記所定のタイミングとは異なるタイミングでインクを予備吐出させる予備吐出データを生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記予備吐出データ生成手段は、ノズルに吐出不良が発生しない最大の休止時間である適正休止時間内に、インクを吐出させる予備吐出データを生成することをと特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記記録ヘッドは、異なる種類のノズルをそれぞれ所定の方向に沿って配列してなり、
    前記予備吐出データ生成手段は、前記記録ヘッドに配列された同一の種類の複数のノズルのうち、互いに隣接する位置に配置されたノズルから異なるタイミングでインクを予備吐出させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録ヘッドは、所定の吐出量のインクを吐出する第1のノズルと、前記第1のノズルより少ない吐出量のインクを吐出する第2のノズルと、を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記記録ヘッドは、異なる吐出量のインクを吐出する3種類以上のノズルからなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記記録ヘッドを前記記録媒体の同一の走査領域に対して複数回の走査させつつ、前記記録ヘッドからインクを吐出させることによって前記同一の走査領域内に記録すべき画像を完成させることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 吐出量の異なる複数種のノズルを備える記録ヘッドを用い、画像記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出することにより大きさの異なるドットを記録媒体上に形成するインクジェット記録方法であって、
    画像の記録に寄与しないインクを前記ノズルから吐出させる予備吐出を行なうための予備吐出データを生成する予備吐出データ生成工程を備え、
    前記予備吐出データ生成工程は、複数のノズルのうち、他のノズルより吐出量の少ないノズルによって前記記録媒体にインクを予備吐出させる予備吐出データを生成することを特徴とするインクジェット記録方法。
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