JP2014040032A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷装置の印刷のモードの違いにかかわらず、高速の印刷を行う
【解決手段】顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、カラーインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドを備える印刷装置を用いる印刷方法であって、媒体に印刷が行われる画像の画像データを取得する取得工程と、画像データに基づいて顔料の黒インクを、媒体へ向けて吐出する吐出工程と、画像データに基づいてカラーインクを、媒体へ向けて吐出する吐出工程と、を有し、顔料インク供給部の供給能力は、カラーインク供給部の供給能力よりも、高い。
【選択図】図14

Description

本発明は、印刷装置および印刷方法に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載されているように、記録モードが単色モードか複数色モードかにより、キャリッジの移動モードが選択される記録装置が知られていた。また、特許文献2には、記録画像データがカラー画像データか黒画像データかにより、色材として染料を有する黒インクを使用して記録するのか、色材として顔料を有する黒インクを使用して記録するのかが選択される記録方法が開示されている。また、特許文献3には、副走査方向についてドット記録領域、空白領域、ドット記録領域が並ぶ画像を印刷する場合に、位置合わせ送りを行うことで副走査の回数を減らすことが開示されている。また、特許文献4には、イエローのノズル列、マゼンタのノズル列およびシアンのノズル列が各1列と、ブラックのノズル列が2列の印刷ヘッドにより、カラーについてもブラックについてもバンド送りの印刷を行うことや、ブラックについてはバンド送りの印刷をカラーについてはインターレース送りの印刷をそれぞれ行うことが開示されている。また、特許文献5には、リフィルの遅延を踏まえ、ラスター領域を複数の主走査に分割して形成する液体噴射装置が開示されている。
特開2011−156715号公報 特開2000−225719号公報 特開2003−118097号公報 特開2001−162841号公報 特開2009−274280号公報
しかしながら、特許文献5に記載の液体噴射装置では、ラスター領域を形成する主走査を複数に分割するほど、印刷に要する時間が長くなってしまうという課題があった。さらに、複数の主走査に分割して形成されたラスター領域と分割せずに形成されたラスター領域とで、ラスター領域の形成に要する時間が異なることに起因するムラが生じてしまうという課題があった。また、特許文献1から特許文献4のいずれにおいても、リフィルの遅延という課題を開示したものではなかった。そのため、印刷媒体の種類が普通紙なのか光沢紙なのか、あるいは、使用するインクの色材が染料を有するのか顔料を有するのかといった、モードの違いにかかわらず、高速の印刷を行うことが望まれていた。そのほか、高品質、使い勝手の向上、低コスト化、省資源化、製造の容易化等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る印刷装置は、顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体と、カラーインクを供給するカラーインク供給体とをそれぞれ装着可能な印刷装置であって、媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得部と、前記顔料インク供給体から前記顔料の黒インクが供給される顔料インク供給部と、前記カラーインク供給体から前記カラーインクが供給されるカラーインク供給部と、前記顔料インク供給部から供給された前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、前記カラーインク供給部から供給された前記カラーインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドと、前記ノズル列の方向に交差する主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う走査部と、前記印刷データに基づいて前記主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記走査部に行わせる制御部と、を備え、前記顔料インク供給部の供給能力は、前記カラーインク供給部の供給能力よりも、高いことを特徴とする。
この適用例の印刷装置によれば、例えばモノクロ印刷を行う場合や、例えばカラー印刷であっても顔料の黒インク(黒インクは、ブラックインクともいう)の吐出の制御とカラーインクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。なお、吐出の制御とは、単位面積当たりにインクの吐出を複数回行う場合に、吐出を行う主走査方向への相対移動の回数、相対移動の速度、吐出1回当たりの吐出量などを特定することを示し、少なくともいずれか1つが異なれば、吐出の制御が異なるとする。
ここで、インク供給部の供給能力とは、単位時間当たりに供給できるインクの体積の最大値を示す(以下でも同様とする)。すなわち、インク供給部の供給能力が高い場合には、低い場合よりも、単位時間当たりに供給できるインクの体積の最大値が大きくなる。また、インク供給部から印刷装置へ供給されるインクの体積は、印刷装置で消費されるインクの体積に依存するものの、インク供給部の供給能力という場合には、印刷装置で消費されるインクの体積に依存しないという意味で、単位時間当たりに供給できるインクの体積の最大値を示すとする。顔料インク供給部の供給能力がカラーインク供給部の供給能力よりも高い場合には、例えば、顔料インク供給部の数がカラーインク供給部の数よりも多い場合が含まれるし、顔料インク供給部の口径がカラーインク供給部の口径よりも大きい場合も含まれる。また、供給部とノズル列との間の流路の径の大小を、供給部の供給能力の高低とみなしてもよいし、供給部とノズル列との間の流路の数の多寡を、供給部の供給能力の高低とみなしてもよい。また、インク供給部の供給能力をいう場合には、このインク供給部に接続されるインク供給体も、インク供給部の供給能力と同等の体積のインクを、単位時間当たりに供給できるとする。
また、カラーインク供給部の供給能力とは、カラーインクのいずれかの色のインクについての、単位時間当たりに供給できるインクの体積の最大値を示す(以下でも同様とする)。すなわち、シアン、マゼンタ、イエロのようにカラーインクが複数色あれば、各色について供給能力を定義することができる。なお、カラーインクについて、異なる色のカラーインク供給体から供給された各色のインクが、インク供給部以降の流路中で混ぜ合わされ一体として吐出される場合には、異なる色のカラーインク供給体からそれぞれのインクが供給される複数のインク供給部の、それぞれの単位時間当たりに供給できるインクの体積の最大値の和を、この混色のインクの供給部の供給能力と定義する。
また、同色のインクについて、インク供給体、インク供給部およびノズル列の組が複数あり、それぞれの組が互いに独立した流路により構成されている場合、主走査方向への相対移動において互いの組が互いを互換するようにインクを吐出できるか否かにより、供給能力を定義する単位を変える。例えば、主走査方向への1回の相対移動において、複数の組が印刷データ中の同じ位置の画素に対応してインクを吐出できるのであれば(互いの組が印刷上の互換性を有するのであれば)、それらの組をあわせた合計により供給能力を定義し、他方で、時分割駆動によりインクを吐出するタイミングが異なったり互いの組のノズルの位置が異なったりして、複数の組が印刷データ中の同じ位置にインクを吐出できないのであれば(互いの組が印刷上の互換性を有さないのであれば)、同じ色であっても組ごとに供給能力を定義する。
また、顔料のインクとは、色材として顔料を含むインクを示す(以下でも同様とする)。なお、後述において染料のインクという場合には、色材として染料を含むインクを示す(以下でも同様とする)。また、カラーインクとは、いわゆるシアン、マゼンタ、イエロなどのインクの少なくともいずれか1つを示し、上述した黒インク以外のインクであればよい(以下でも同様とする)。
また、相対移動とは、媒体に対してヘッドを移動させる場合だけでなく、ヘッドに対して媒体を移動させる場合や両方を移動させる場合も含む(以下でも同様とする)。
[適用例2]適用例1に記載の印刷装置であって、さらに、染料の黒インクを供給する染料インク供給体を装着可能であり、さらに、前記染料インク供給体から前記染料の黒インクが供給される染料インク供給部を備え、前記ヘッドは、さらに、前記染料インク供給部から供給された前記染料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、例えば媒体の種類に応じて、染料の黒インクの吐出を行わずに顔料の黒インクの吐出を行ったり、顔料の黒インクの吐出を行わずに染料の黒インクの吐出を行ったりすることができる。よって、媒体の種類に応じた黒インクにより印刷を行えるので、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例3]適用例2に記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の数は、前記染料インク供給部の数よりも、多いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の数を染料インク供給部の数よりも多くすることで、染料インク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば媒体の種類に応じて、染料の黒インクの吐出を行わずに顔料の黒インクの吐出を行う場合や、両方の黒インクの吐出を行うものの顔料の黒インクの吐出の制御と染料の黒インクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例4]適用例2または適用例3に記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の口径は、前記染料インク供給部の口径よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の口径を染料インク供給部の口径よりも大きくすることで、染料インク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば媒体の種類に応じて、染料の黒インクの吐出を行わずに顔料の黒インクの吐出を行う場合や、両方の黒インクの吐出を行うものの顔料の黒インクの吐出の制御と染料の黒インクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の数は、前記カラーインク供給部の数よりも、多いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の数をカラーインク供給部の数よりも多くすることで、カラーインク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えばモノクロ印刷を行う場合や、例えばカラー印刷であっても顔料の黒インクの吐出の制御とカラーインクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の口径は、前記カラーインク供給部の口径よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の口径をカラーインク供給部の口径よりも大きくすることで、カラーインク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えばモノクロ印刷を行う場合や、例えばカラー印刷であっても顔料の黒インクの吐出の制御とカラーインクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドは、前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列を、複数有し、前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズル列は、1つの前記顔料インク供給体から供給された前記顔料の黒インクを吐出することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、1つの顔料インク供給体により複数のノズル列へ顔料の黒インクを供給することができる。例えば、複数のノズル列のそれぞれに対応した数の顔料インク供給体により、それぞれのノズル列へ顔料の黒インクを供給する場合には、それぞれの顔料インク供給体のインクの残量が均一になるとは限らないものの、この適用例によれば、インクの残量の不均一を解消できので、顔料インク供給体の交換を簡素化することができ、さらに使い勝手の向上が図れる。
[適用例8]適用例2、および、適用例2を引用する適用例3ないし適用例7のいずれかに記載の印刷装置であって、前記顔料の黒インクを吐出するための1つのノズル列と、前記染料の黒インクを吐出するための1つのノズル列とは、前記主走査方向において、前記カラーインクを吐出するためのノズル列を挟むことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、例えばカラーインクと顔料の黒インクとを用いて印刷する場合と、カラーインクと染料の黒インクとを用いて印刷する場合とを切り替える場合に、主走査方向への相対移動の範囲を、それぞれの場合に応じて変更することができる。すなわち、カラーインクを吐出するためのノズル列が主走査方向において両端にあるヘッドであれば、いずれの場合も、カラーインクを吐出するためのノズル列により印刷できるように、ヘッドの端から端までヘッドと媒体とを相対移動させなければならず、それぞれの場合に応じて変更することができない。よって、この適用例によれば、さらに高速に印刷を行うことができる。また、例えばカラーインクが染料のインクである場合に、主走査方向への相対移動において、染料インクを吐出する前に顔料インクを吐出することができる。よって、顔料インクよりも先に吐出された染料インクの成分中に顔料インクが浸透・拡散して、顔料の黒インクの発色性が低下してしまうことを低減することができる。よって、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例9]適用例3、適用例4、および、適用例3または適用例4を引用する適用例5ないし適用例8のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドは、前記カラーインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記カラーインクを吐出し、前記ヘッドは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記染料インク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクを吐出することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、ヘッドが、カラーインク供給部の供給能力に対してカラーインクを過多に吐出したり、顔料インク供給部の供給能力に対して顔料の黒インクを過多に吐出したり過少に吐出したりすることはなく、さらに高速に印刷を行うことができる。なお、ここでは、顔料インク供給部の供給能力が染料インク供給部の供給能力よりも高いので、染料インク供給部の供給能力以下の吐出能力にて顔料の黒インクを吐出することを、過少に吐出するという。また、過多に吐出する場合には、供給能力が吐出能力まで及ばないので、リフィルの遅延により印刷が実際にできなくなるのを防ぐために、ラスター領域を複数の主走査に分割して形成するなどしなければならなくなる。
ここで、吐出能力とは、単位時間当たりに吐出できるインクの体積の最大値を示す(以下でも同様とする)。すなわち、吐出能力が高い場合には、低い場合よりも、単位時間当たりに吐出できるインクの体積の最大値が大きくなる。また、ノズル列から吐出されるインクの体積は、印刷装置により印刷しようとする画像の印刷データに依存するものの、吐出能力という場合には、印刷装置で印刷しようとする画像の印刷データの体積に依存しないという意味で、単位時間当たりに吐出できるインクの体積の最大値を示すとする。吐出能力を定義する単位は、供給能力を定義する単位と同様である。
顔料の黒インクについての吐出能力を特定するには、例えば、C,M,Y,Kのそれぞれが8ビットのCMYKデータであって、C=0、M=0、Y=0、K=255の値を有する画素のみのベタの画像であって、画像のノズル列の方向の大きさがノズル列の長さよりも十分に長く、画像の主走査方向の大きさが210ミリ(A4サイズ紙の短辺の長さに相当)だけある画像のCMYKデータにより印刷した場合に主走査方向への1回の相対移動にて吐出される顔料の黒インクの体積を、この1回の相対移動において顔料の黒インクを吐出し始めてから吐出し終わるまでの時間で割った値とみなしてもよい。この場合に、染料の黒インクやカラーインクなどの、顔料の黒インク以外のインクが吐出されたとしても、顔料の黒インクについての吐出能力には考慮しない。
また、カラーインクについての吐出能力も同様とする。例えば、イエロインクについての吐出能力を、C=0、M=0、Y=255、K=0に代えた同様のCMYKデータにより印刷した場合に主走査方向への1回の相対移動にて吐出されるイエロインクの体積を、この1回の相対移動においてイエロインクを吐出し始めてから吐出し終わるまでの時間で割った値とみなしてもよい。イエロインク以外の色のインクも同様である。なお、カラーインクについての吐出能力は、インク供給部の供給能力と同様に、各色で定義する。
また、C=0、M=0、Y=0、K=255の値を有する画素のみのベタの画像のCMYKデータにより印刷する場合には、C=0、M=0、Y=0、K=0値を有する画素のみのベタの画像のCMYKデータにより印刷する場合よりも、多くの黒インクが吐出されるとする。
[適用例10]適用例3、適用例4、および、適用例3または適用例4を引用する適用例5ないし適用例9のいずれかに記載の印刷装置であって、前記制御部は、前記顔料の黒インクを吐出する第1のモードと前記染料の黒インクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データに基づいて、前記ヘッドに前記媒体へ向けてインクを吐出させ、前記第2のモードは、前記染料インク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記染料の黒インクが吐出されるモードであり、前記第1のモードは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記染料インク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクが吐出されるモードであることでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料の黒インクを吐出する第1のモードと、染料の黒インクを吐出する第2のモードとのいずれのモードであっても、インク供給部の供給能力に対して過多に吐出するモードではないので、いずれのモードにより印刷を行う場合であっても高速に印刷を行うことができる。また、顔料の黒インクを吐出する場合に、過少に吐出しないので高速に印刷を行うことができる。また、顔料の黒インクを吐出する第1のモードと、染料の黒インクを吐出する第2のモードとを選択的に切り替えることができるので、それぞれのインクの種類に応じた印刷を行うことができ、さらに高品質に印刷を行うことができる。
ここで、染料の黒インクについての吐出能力を特定するには、例えば、上述したようなC,M,Y,Kのそれぞれが8ビットのCMYKデータであって、C=0、M=0、Y=0、K=255の値を有する画素のみのベタの画像であって、画像のノズル列の方向の大きさがノズル列の長さよりも十分に長く、画像の主走査方向の大きさが210ミリ(A4サイズ紙の短辺の長さに相当)だけある画像のCMYKデータにより印刷した場合に主走査方向への1回の相対移動にて吐出される染料の黒インクの体積を、この1回の相対移動において染料の黒インクを吐出し始めてから吐出し終わるまでの時間で割った値とみなしてもよい。この場合に、顔料の黒インクやカラーインクなどの、染料の黒インク以外のインクが吐出されたとしても、染料の黒インクについての吐出能力には考慮しない。
[適用例11]適用例10に記載の印刷装置であって、前記第1のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度は、前記第2のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度よりも、速いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、供給能力の高低に基づいて相対移動の速度を変えることで、第1のモードにおいて、さらに高速に印刷を行うことができる。
ここで、主走査方向への相対移動の速度とは、主走査方向への相対移動での印刷中の速度が一定であればこの一定の速度を示し、一定でなければ最高速度を示す(以下でも同様とする)。
[適用例12]適用例10または適用例11に記載の印刷装置であって、さらに、前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う移動部を備え、前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記移動部に行わせ、前記ノズル列の方向において前記ノズル列の長さの2倍の長さの前記画像を前記媒体に印刷するための前記印刷データに基づいて前記ノズル列方向への相対移動が行われたとすると、前記第1のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値は、前記第2のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、ノズル列の方向への相対移動の移動量の最大値は、第1のモードの方が、第2のモードよりも大きく、高速化や高品質化の目的に応じてモードの選択を行えるので、さらに使い勝手を向上させることができる。
ここで、ノズル列の方向において前記ノズル列の長さの2倍の長さの画像の前記印刷データにより印刷する場合には、主走査方向への複数回の相対移動と、ノズル列方向への少なくとも1回の相対移動とが必要になる。この際、ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値が異なれば、主走査方向への1回の相対移動ごとに媒体上に形成されるドットの埋まり方が異なることとなる。例えば、いわゆるバンド送りにより印刷する場合には、いわゆるインターレース送りにより印刷する場合よりも、ここでの送り量の最大値が大きい。そして、いわゆるバンド送りにより印刷する場合の方が、いわゆるインターレース送りにより印刷する場合よりも、一般に高速に印刷できる場合が多く、他方で、いわゆるインターレース送りにより印刷する場合の方が、いわゆるバンド送りにより印刷する場合よりも、一般に高品質に印刷できる場合が多い。よって、ノズル列の方向への相対移動の移動量の最大値が異なれば、高速化や高品質化の目的に応じてモードの選択を行える。
[適用例13]適用例10ないし適用例12のいずれかに記載の印刷装置であって、前記第1のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における一方の側から他方の側への第1の相対移動であって、前記顔料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第1の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第2の相対移動であって、前記顔料の黒インクが吐出されず、前記カラーインクが吐出される前記第2の相対移動と、を含み、前記第2のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における前記一方の側から前記他方の側への第3の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第3の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第4の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第4の相対移動と、を含み、前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列は、前記カラーインクを吐出するためのノズル列よりも、前記主走査方向において前記他方の側にあることでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料の黒インクを吐出するのか染料の黒インクを吐出するのかで、それぞれに適した印刷を行うことができるので、いずれのモードにおいても、さらに高品質に印刷を行うことができる。
また、例えばカラーインクが染料である場合に、第1のモードにおいて、主走査方向への相対移動において、染料インクを吐出する前に顔料インクを吐出することができる。よって、顔料インクよりも先に吐出された染料インクの成分中に顔料インクが浸透・拡散して、顔料インクの発色性が低下してしまうことを低減することができる。よって、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例14]本適用例に係る印刷装置は、顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体と、染料の黒インクを供給する染料インク供給体とをそれぞれ装着可能な印刷装置であって、媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得部と、前記顔料インク供給体から前記顔料の黒インクが供給される顔料インク供給部と、前記染料インク供給体から前記染料の黒インクが供給される染料インク供給部と、前記顔料インク供給部から供給された前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、前記染料インク供給部から供給された前記染料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドと、前記ノズル列の方向に交差する主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う走査部と、前記印刷データに基づいて前記主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記走査部に行わせる制御部と、を備え、前記顔料インク供給部の供給能力は、前記染料インク供給部の供給能力よりも、高いことを特徴とする。
この適用例の印刷装置によれば、例えば媒体の種類に応じて染料の黒インクの吐出を行わずに顔料の黒インクの吐出を行う場合や、両方の黒インクの吐出を行うものの、顔料の黒インクの吐出の制御と染料の黒インクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例15]適用例14に記載の印刷装置であって、前記ヘッドは、前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列を、複数有し、前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズル列は、1つの前記顔料インク供給体から供給された前記顔料の黒インクを吐出することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、1つの顔料インク供給体により複数のノズル列へ顔料の黒インクを供給することができる。例えば、複数のノズル列のそれぞれに対応した数の顔料インク供給体により、それぞれのノズル列へ顔料の黒インクを供給する場合には、それぞれの顔料インク供給体のインクの残量が均一になるとは限らないものの、この適用例によれば、インクの残量の不均一を解消できるので、顔料インク供給体の交換を簡素化することができ、さらに使い勝手の向上が図れる。
[適用例16]適用例14または適用例15に記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の数は、前記染料インク供給部の数よりも、多いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の数を染料インク供給部の数よりも多くすることで、染料インク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば媒体の種類に応じて、染料の黒インクの吐出を行わずに顔料の黒インクの吐出を行う場合や、両方の黒インクの吐出を行うものの顔料の黒インクの吐出の制御と染料の黒インクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例17]適用例14ないし適用例16のいずれかに記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の口径は、前記染料インク供給部の口径よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の口径を染料インク供給部の口径よりも大きくすることで、染料インク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば媒体の種類に応じて、染料の黒インクの吐出を行わずに顔料の黒インクの吐出を行う場合や、両方の黒インクの吐出を行うものの顔料の黒インクの吐出の制御と染料の黒インクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例18]適用例14ないし適用例17のいずれかに記載の印刷装置であって、前記制御部は、前記顔料の黒インクを吐出する第1のモードと前記染料の黒インクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データに基づいて、前記ヘッドに前記媒体へ向けてインクを吐出させ、前記第2のモードは、前記染料インク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記染料の黒インクが吐出されるモードであり、前記第1のモードは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記染料インク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクが吐出されるモードであることでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料の黒インクを吐出する第1のモードと、染料の黒インクを吐出する第2のモードとのいずれのモードであっても、インク供給部の供給能力に対して過多に吐出するモードではないので、いずれのモードにより印刷を行う場合であっても高速に印刷を行うことができる。また、顔料の黒インクを吐出する場合に、過少に吐出しないので高速に印刷を行うことができる。また、顔料の黒インクを吐出する第1のモードと、染料の黒インクを吐出する第2のモードとを選択的に切り替えることができるので、それぞれのインクの種類に応じた印刷を行うことができ、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例19]適用例18に記載の印刷装置であって、前記第1のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度は、前記第2のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度よりも、速いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、供給能力の高低に基づいて相対移動の速度を変えることで、第1のモードにおいて、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例20]適用例18または適用例19に記載の印刷装置であって、さらに、前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う移動部を備え、前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記移動部に行わせ、前記ノズル列の方向において前記ノズル列の長さの2倍の長さの前記画像を前記媒体に印刷するための前記印刷データに基づいて前記ノズル列方向への相対移動が行われたとすると、前記第1のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値は、前記第2のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、ノズル列の方向への相対移動の移動量の最大値は、第1のモードの方が、第2のモードよりも大きく、高速化や高品質化の目的に応じてモードの選択を行えるので、さらに使い勝手を向上させることができる。
[適用例21]適用例14ないし適用例20のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、カラーインクを供給するカラーインク供給体を装着可能であり、さらに、前記カラーインク供給体から前記カラーインクが供給されるカラーインク供給部を備え、前記ヘッドは、さらに、前記カラーインク供給部から供給された前記カラーインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、例えばモノクロ印刷を行ったり、カラー印刷を行ったりすることができる。よって、高品質に印刷を行うことができる。
[適用例22]適用例21に記載の印刷装置であって、前記顔料の黒インクを吐出するための1つのノズル列と、前記染料の黒インクを吐出するための1つのノズル列とは、前記主走査方向において、前記カラーインクを吐出するためのノズル列を挟むことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、例えばカラーインクと顔料の黒インクとを用いて印刷する場合と、カラーインクと染料の黒インクとを用いて印刷する場合とを切り替える場合に、主走査方向への相対移動の範囲を、それぞれの場合に応じて変更することができる。すなわち、カラーインクを吐出するためのノズル列が主走査方向において両端にあるヘッドであれば、いずれの場合も、カラーインクを吐出するためのノズル列により印刷できるように、ヘッドの端から端までヘッドと媒体とを相対移動させなければならず、それぞれの場合に応じて変更することができない。よって、この適用例によれば、さらに高速に印刷することができる。また、例えばカラーインクが染料である場合に、主走査方向への相対移動において、染料インクを吐出する前に顔料インクを吐出することができる。よって、顔料インクよりも先に吐出された染料インクの成分中に顔料インクが浸透・拡散して、顔料インクの発色性が低下してしまうことを低減することができる。よって、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例23]適用例21または適用例22に記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の数は、前記カラーインク供給部の数よりも、多いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の数をカラーインク供給部の数よりも多くすることで、カラーインク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えばモノクロ印刷を行う場合や、例えばカラー印刷であっても顔料の黒インクの吐出の制御とカラーインクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例24]適用例21ないし適用例23のいずれかに記載の印刷装置であって、前記顔料インク供給部の口径は、前記カラーインク供給部の口径よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料インク供給部の口径をカラーインク供給部の口径よりも大きくすることで、カラーインク供給部の供給能力よりも、顔料インク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えばモノクロ印刷を行う場合や、例えばカラー印刷であっても顔料の黒インクの吐出の制御とカラーインクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例25]適用例21ないし適用例24のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドは、前記カラーインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記カラーインクを吐出し、前記ヘッドは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記カラーインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクを吐出することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、ヘッドが、カラーインク供給部の供給能力に対してカラーインクを過多に吐出したり、顔料インク供給部の供給能力に対して顔料の黒インクを過多に吐出したり過少に吐出したりすることはなく、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例26]適用例18を引用する適用例21ないし適用例25のいずれかに記載の印刷装置であって、前記第1のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における一方の側から他方の側への第1の相対移動であって、前記顔料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第1の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第2の相対移動であって、前記顔料の黒インクが吐出されず、前記カラーインクが吐出される前記第2の相対移動と、を含み、前記第2のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における前記一方の側から前記他方の側への第3の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第3の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第4の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第4の相対移動と、を含み、前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列は、前記カラーインクを吐出するためのノズル列よりも、前記主走査方向において前記他方の側にあることでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、顔料の黒インクを吐出するのか染料の黒インクを吐出するのかで、それぞれに適した印刷を行うことができるので、いずれのモードにおいても、さらに高品質に印刷を行うことができる。また、例えば第1のモードにおいて、主走査方向への相対移動において、染料インクを吐出する前に顔料インクを吐出することができる。よって、顔料インクよりも先に吐出された染料インクの成分中に顔料インクが浸透・拡散して、顔料インクの発色性が低下してしまうことを低減することができる。よって、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例27]本適用例に係る印刷装置は、第1のインクを供給する第1のインク供給体と、第2のインクを供給する第2のインク供給体とをそれぞれ装着可能な印刷装置であって、媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得部と、前記第1のインク供給体から前記第1のインクが供給される第1のインク供給部と、前記第2のインク供給体から前記第2のインクが供給される第2のインク供給部と、前記第1のインク供給部から供給された前記第1のインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、前記第2のインク供給部から供給された前記第2のインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドと、前記ノズル列の方向に交差する主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う走査部と、前記主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記走査部に行わせる制御部であって、前記第1のインクを吐出する第1のモードと前記第2のインクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて、前記ヘッドに前記媒体へ向けてインクを吐出させる前記制御部と、を備え、前記第1のインク供給部の供給能力は、前記第2のインク供給部の供給能力よりも、高く、前記第2のモードは、前記第2のインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記第2のインクが吐出されるモードであり、前記第1のモードは、前記第1のインク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記第2のインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記第1のインクが吐出されるモードであることを特徴とする。
この適用例の印刷装置によれば、例えば媒体の種類に応じて吐出を行うインクの種類を変更する場合や、両方の種類のインクの吐出を行うものの、第1のインクの吐出の制御と第2のインクの吐出の制御とが異なる場合に、第1のインク供給部の供給能力が高く、第1のインクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例28]適用例27に記載の印刷装置であって、前記第1のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度は、前記第2のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度よりも、速いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、第1のインク供給部の供給能力が第2のインク供給部の供給能力よりも高いことに基づいて、第1のモードにおいて、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例29]適用例27または適用例28に記載の印刷装置であって、さらに、前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う移動部を備え、前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記移動部に行わせ、前記ノズル列の方向において前記ノズル列の長さの2倍の長さの前記画像を前記媒体に印刷するための前記印刷データに基づいて前記ノズル列方向への相対移動が行われたとすると、前記第1のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値は、前記第2のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、ノズル列の方向への相対移動の移動量の最大値は、第1のモードの方が、第2のモードよりも大きく、高速化や高品質化の目的に応じてモードの選択を行えるので、さらに使い勝手を向上させることができる。
[適用例30]適用例27ないし適用例29のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドは、前記第1のインクを吐出するためのノズル列を、複数有し、複数の前記第1のインクを吐出するための複数のノズル列は、1つの前記第1のインク供給体から供給された前記第1のインクを吐出することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、1つの第1のインク供給体により複数のノズル列へ第1のインクを供給することができる。例えば、複数のノズル列のそれぞれに対応した数の第1のインク供給体により、それぞれのノズル列へ第1のインクを供給する場合には、それぞれの第1のインク供給体のインクの残量が均一になるとは限らないものの、この適用例によれば、インクの残量の不均一を解消できので、第1のインク供給体の交換を簡素化することができ、さらに使い勝手の向上が図れる。
[適用例31]適用例27ないし適用例30のいずれかに記載の印刷装置であって、前記第1のインク供給部の数は、前記第2のインク供給部の数よりも、多いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、第1のインク供給部の数を第2のインク供給部の数よりも多くすることで、第2のインク供給部の供給能力よりも、第1のインク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば媒体の種類に応じて、第2のインクの吐出を行わずに第1のインクの吐出を行う場合や、両方の種類のインクの吐出を行うものの第1のインクの吐出の制御と第2のインクの吐出の制御とが異なる場合に、第1のインク供給部の供給能力が高く、第1のインクの吐出を連続的に行えるので、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例32]適用例27ないし適用例31のいずれかに記載の印刷装置であって、前記第1のインク供給部の口径は、前記第2のインク供給部の口径よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、第1のインク供給部の口径を第2のインク供給部の口径よりも大きくすることで、第2のインク供給部の供給能力よりも、第1のインク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば媒体の種類に応じて、第2のインクの吐出を行わずに第1のインクの吐出を行う場合や、両方の種類のインクの吐出を行うものの第1のインクの吐出の制御と第2のインクの吐出の制御とが異なる場合に、第1のインク供給部の供給能力が高く、第1のインクの吐出を連続的に行えるので、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例33]適用例27ないし適用例32のいずれかに記載の印刷装置であって、前記印刷装置は、さらに、第3のインクを供給する第3のインク供給体を装着可能であり、前記印刷装置は、さらに、前記第3のインク供給体から前記第3のインクが供給される第3のインク供給部を備え、前記ヘッドは、さらに、前記第3のインク供給部から供給された前記第3のインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有し、前記第1のインクを吐出するための1つのノズル列と、前記第2のインクを吐出するための1つのノズル列とは、前記主走査方向において、前記第3のインクを吐出するためのノズル列を挟み、前記制御部は、前記第1のモードにおいて前記第1のインクと前記第3のインクとを吐出させ、前記第2のモードにおいて前記第2のインクと前記第3のインクとを吐出させることでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、例えば第1のインクと第3のインクとを用いて印刷する場合と、第2のインクと第3のインクとを用いて印刷する場合とを切り替える場合に、主走査方向への相対移動の範囲を、それぞれの場合に応じて変更することができる。すなわち、第3のインクを吐出するためのノズル列が主走査方向において両端にあるヘッドであれば、いずれの場合も、第3のインクを吐出するためのノズル列により印刷できるように、ヘッドの端から端までヘッドと媒体とを相対移動させなければならず、それぞれの場合に応じて変更することができない。よって、この適用例によれば、さらに高速に印刷することができる。また、例えば主走査方向への相対移動において、第2のインクを吐出する前に第1のインクを吐出したり、第1のインクを吐出する前に第2のインクを吐出したりすることができる。
[適用例34]適用例33に記載の印刷装置であって、前記第1のインク供給部の数は、前記第3のインク供給部の数よりも、多いことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、第1のインク供給部の数を第3のインク供給部の数よりも多くすることで、第3のインク供給部の供給能力よりも、第1のインク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば第1のインクのみで印刷を行う場合や、例えば両方のインクにより印刷する場合であってもそれぞれのインクの吐出の制御が異なる場合に、第1のインク供給部の供給能力が高く、第1のインクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例35]適用例33または適用例34に記載の印刷装置であって、前記第1のインク供給部の口径は、前記第3のインク供給部の口径よりも、大きいことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、第1のインク供給部の口径を第3のインク供給部の口径よりも大きくすることで、第3のインク供給部の供給能力よりも、第1のインク供給部の供給能力を高くすることができる。よって、例えば第1のインクのみで印刷を行う場合や、例えば両方のインクにより印刷する場合であってもそれぞれのインクの吐出の制御が異なる場合に、第1のインク供給部の供給能力が高く、第1のインクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例36]前記ヘッドは、前記第3のインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記第3のインクを吐出し、前記ヘッドは、前記第1のインク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記第3のインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記第1のインクを吐出することでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、ヘッドが、第3のインク供給部の供給能力に対して第3のインクを過多に吐出したり、第1のインク供給部の供給能力に対して第1のインクを過多に吐出したり過少に吐出したりすることはなく、さらに高速に印刷を行うことができる。
[適用例37]適用例36に記載の印刷装置であって、前記第1のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における一方の側から他方の側への第1の相対移動であって、前記第1のインクと前記第3のインクとがそれぞれ吐出される前記第1の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第2の相対移動であって、前記第1のインクが吐出されず、前記第3のインクが吐出される前記第2の相対移動と、を含み、前記第2のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における前記一方の側から前記他方の側への第3の相対移動であって、前記第2のインクと前記第3のインクとがそれぞれ吐出される前記第3の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第4の相対移動であって、前記第2のインクと前記第3のインクとがそれぞれ吐出される前記第4の相対移動と、を含むことでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、第1のインクを吐出するのか第2のインクを吐出するのかで、それぞれに適した印刷を行うことができるので、いずれのモードにおいても、さらに高品質に印刷を行うことができる。また、例えば第1のモードにおいて、主走査方向への相対移動において、第2のインクを吐出する前に第1のインクを吐出することができる。よって、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例38]適用例37に記載の印刷装置であって、前記第1のインクを吐出するためのノズル列は、前記第3のインクを吐出するためのノズル列よりも、前記主走査方向において前記他方の側にあることでもよい。
この適用例の印刷装置によれば、第1のモードにおいて、第2のインクを吐出する前に第1のインクを吐出することができる。よって、さらに高品質に印刷を行うことができる。
[適用例39]本適用例に係る印刷方法は、顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、カラーインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドを備える印刷装置を用いる印刷方法であって、媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得工程と、前記印刷データに基づいて、前記顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体から、前記印刷装置の顔料インク供給部を介して供給される前記顔料の黒インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、前記印刷データに基づいて、前記カラーインクを供給するカラーインク供給体から、前記印刷装置のカラーインク供給部を介して供給される前記カラーインクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、を有し、前記顔料インク供給部の供給能力は、前記カラーインク供給部の供給能力よりも、高いことを特徴とする。
この適用例の印刷方法によれば、例えばモノクロ印刷を行う場合や、例えばカラー印刷であっても顔料の黒インクの吐出の制御とカラーインクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例40]本適用例に係る印刷方法は、顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、染料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドを備える印刷装置を用いる印刷方法であって、媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得工程と、前記印刷データに基づいて、前記顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体から、前記印刷装置の顔料インク供給部を介して供給される前記顔料の黒インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、前記印刷データに基づいて、前記染料の黒インクを供給する染料インク供給体から、前記印刷装置の染料インク供給部を介して供給される前記染料の黒インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、を有し、前記顔料インク供給部の供給能力は、前記染料インク供給部の供給能力よりも、高いことを特徴とする。
この適用例の印刷方法によれば、例えば媒体の種類に応じて染料の黒インクの吐出を行わずに顔料の黒インクの吐出を行う場合や、両方の黒インクの吐出を行うものの、顔料の黒インクの吐出の制御と染料の黒インクの吐出の制御とが異なる場合に、顔料インク供給部の供給能力が高く、顔料の黒インクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
[適用例41]本適用例に係る印刷方法は、インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有するヘッドを備える印刷装置を用いる印刷方法であって、媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得工程と、前記印刷データに基づいて、前記インクを供給するインク供給体からインク供給部を介して供給される前記インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、を有し、前記吐出工程は、第1のインクを吐出する第1のモードと第2のインクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちの前記第1のモードに基づいて前記インクを吐出する場合に、前記第1のインクを供給する第1のインク供給体から第1のインク供給部を介して供給された前記第1のインクを吐出し、前記第2のモードに基づいて前記インクを吐出する場合に、前記第2のインクを供給する第2のインク供給体から第2のインク供給部を介して供給された前記第2のインクを吐出し、前記第1のインク供給部の供給能力は、前記第2のインク供給部の供給能力よりも、高く、前記第2のモードは、前記第2のインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記第2のインクが吐出されるモードであり、前記第1のモードは、前記第1のインク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記第2のインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記第1のインクが吐出されるモードであることを特徴とする。
この適用例の印刷方法によれば、例えば媒体の種類に応じて吐出を行うインクの種類を変更する場合や、両方の種類のインクの吐出を行うものの、第1のインクの吐出の制御と第2のインクの吐出の制御とが異なる場合に、第1のインク供給部の供給能力が高く、第1のインクの吐出を連続的に行えるので、高速に印刷を行うことができる。
なお、この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての印刷システムの構成を示す説明図。 プリンターの構成を示す説明図。 プリンターにおける制御回路の構成を示す説明図。 印刷ヘッドユニットの斜視図。 印刷ヘッドの下面におけるノズル配列を示す説明図。 モードの選択の手順を示すフローチャート。 各モードの違いを示す表。 第1のモードにおける印刷時の印刷ヘッドの送り方を示す説明図。 第2のモードにおける印刷時の印刷ヘッドの送り方を示す説明図。 第1のモードにおける印刷時の印刷ヘッドの主走査の範囲を示す説明図。 第2のモードにおける印刷時の印刷ヘッドの主走査の範囲を示す説明図。 比較例1における各モードの吐出能力と印刷装置の供給能力を示すグラフ。 比較例2における各モードの吐出能力と印刷装置の供給能力を示すグラフ。 比較例3における各モードの吐出能力と印刷装置の供給能力を示すグラフ。 印刷の実行の手順を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(実施形態)
(発明の実施の形態)
次に、この発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.装置の構成:
B.印刷ヘッドユニットの構成:
C.送りの方法:
D.主走査の範囲:
E.各モードの吐出能力と供給能力:
F.印刷の実行:
G.変形例:
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピューター90と、印刷部としてのプリンター20と、を備えている。なお、プリンター20とコンピューター90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
コンピューター90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバー91やプリンタードライバー96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバーを介して、プリンター20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。アプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバー91を介してCRT21に画像を表示する。
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピューター90のプリンタードライバー96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンター20に供給するための印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタードライバー96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換部としての色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、印刷データ生成モジュール100と、印刷モード選択部101と、複数のルックアップテーブルLUTと、が備えられている。ルックアップテーブルLUTは、印刷モード選択部101で選択可能な複数のインク色印刷モードに対応して、複数準備される。
印刷モード選択部101は、利用可能な印刷用紙Pの種類の情報を保持している。そして、利用可能な印刷用紙Pの中から利用する種類を選択することをユーザーに許容することができる。利用可能な印刷用紙Pの種類の具体例としては、例えば普通紙や光沢紙などが挙げられる。印刷モード選択部101は、印刷用紙Pの種類に対応するモードがそれぞれ必要としているインクに関する情報を保持している。
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95が扱っているカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当たりの画素数)を、プリンタードライバー96が扱うことができる解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3色からなる画像情報である。色変換モジュール98は、複数のルックアップテーブルLUTの中から、選択されたインク色印刷モードに対応したルックアップテーブルLUTを選択して参照しつつ、各画素ごとに、RGB画像データを、プリンター20が利用可能な複数のインク色の多階調データ(例えば、CMYKデータ)に変換する。
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、インクドットを分散して形成することにより、プリンター20でこの階調値を表現するためのハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理された画像データは、印刷データ生成モジュール100によりプリンター20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスターデータと、副走査送り量を示すデータと、キャリッジ30を移動させる速度に関するデータとを含んでいる。
なお、プリンタードライバー96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムとして捉えることもできる。プリンタードライバー96の機能を実現するためのプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピューターの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリー)および外部記憶装置等の、コンピューターが読み取り可能な種々の記録媒体を利用できる。
図2は、プリンター20の概略構成図である。プリンター20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向SSに搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向MS)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクター56を介してコンピューター90に接続されている。
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
特許請求の範囲における取得部、走査部、移動部、制御部は、それぞれコネクター56、キャリッジモータ24、紙送りモータ22、制御回路40に相当する。また、特許請求の範囲におけるノズル列の方向は、副走査方向SSを含む。
図3は、制御回路40を中心としたプリンター20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェイスを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54とを備えている。ヘッド駆動回路52は、データ読み込み部53を備えている。
I/F専用回路50は、パラレルインタフェイス回路を内蔵しており、コネクター56を介してコンピューター90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。プリンター20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスターデータを一時的に格納するためのバッファメモリーとして機能する。
B.印刷ヘッドユニットの構成:
図4は、印刷ヘッドユニット60の斜視図である。印刷ヘッドユニット60は、インクカートリッジ装着部62と印刷ヘッド28とを備えている。インクカートリッジ装着部62には、図3にも示すように、染料のブラックインクPKを収容する染料ブラックインクカートリッジ171PKと、イエロインクYを収容するイエロインクカートリッジ171Yと、マゼンタインクMを収容するマゼンタインクカートリッジ171Mと、シアンインクCを収容するシアンインクカートリッジ171Cと、顔料のブラックインクMKを収容する顔料ブラックインクカートリッジ171MKと、を装着することが可能である。また、顔料ブラックインクカートリッジ171MKは、他のカートリッジの2つ分の大きさの筐体となっている。この実施例では、イエロインクYと、シアンインクCと、マゼンタインクMと、の3つのインクをカラーインクとして用いている。さらに、3つのカラーインク(Y,C,M)と顔料のブラックインクMKとの4つのインクを用いることで、カラー印刷とモノクロ印刷とを行うことができ、また、3つのカラーインク(Y,C,M)と染料のブラックインクPKとの4つのインクを用いることによっても、カラー印刷とモノクロ印刷とを行うことができる。
これらのインクカートリッジには、インク情報のメモリーとしての、メモリー181PK、181Y、181M、181C、181MK1、181MK2、がそれぞれ設けられている。これらのメモリーには、インクカートリッジに収容されているインクの種類を特定するためのインク情報が格納されている。これらのインク情報は、インクカートリッジ装着部62に設けられた6つのメモリー読み込み部82PK、82Y、82M、82C、82MK1、82MK2を介し、データ読み込み部53(図3)によって読み出され、I/F専用回路50とコネクター56とを介してコンピューター90にインク情報信号として送られる。コンピューター90は、インク情報信号に基づいて、インクカートリッジ装着部62にインクカートリッジが装着されているか否かを識別することができる。また、インクカートリッジ装着部62には、インクカートリッジの装着場所を案内するためのラベル64が設けられている。なお、顔料ブラックインクカートリッジ171MKは、他のカートリッジの2つ分の大きさの筐体であるため、メモリーとメモリー読み込み部とがそれぞれ2つずつある。
インクカートリッジ装着部62には、各インクカートリッジに挿入されてインク流路を形成するための6個の導入管72PK、72Y、72M、72C、72MK1、72MK2、が立設されている。これらの導入管は、印刷ヘッドユニット60の下部に装備されている印刷ヘッド28が有する各ノズル群に接続されている。6個の導入官の1個ずつの供給能力は同じものとする。また、顔料ブラックインクカートリッジ171MKに対しては、2つの導入管72MK1,72MK2が立設されており、他のカートリッジに対する導入管と比較すると顔料ブラックインクカートリッジ171MKに対する導入管は供給能力が高い。また、本実施形態では、2つ分のインクカートリッジ171を1つのインクカートリッジ171とした顔料ブラックインクカートリッジ171MKを適用している。これにより、2つの導入管72MK1,72MK2に対して顔料ブラックインクMKを供給するため、2つの顔料ブラックインクカートリッジ171MKにより供給する場合と比べると、インクの残量が不均一にならないので、インクの残量の不均一の問題を解消できる。印刷ヘッド28の詳細については後述する。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンター20は、紙送りモータ22により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して印刷用紙P上に多色多階調の画像を形成する。
図5は、印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、6つのノズル群N11〜N16が設けられている。各ノズル群を構成する複数のノズルNzは副走査方向SSに沿ってそれぞれ整列している。各ノズル群を構成するノズルは、等ピッチで10個設けられており、その10個のノズルは同一色のインク滴を吐出する。図5の例では、1つのノズル群の複数のノズルNzは副走査方向SSに沿って一直線上に配列されているが、千鳥状に配列されていてもよい。
6つのノズル群N11〜N16は、それぞれ導入管72PK、72Y、72M、72C、72MK1、72MK2に接続されており、ノズル群N11からは染料のブラックインクPKが、ノズル群N12からはイエロインクYが、ノズル群N13からはマゼンタインクMが、ノズル群N14からはシアンインクCが、ノズル群N15およびノズル群N16からは顔料のブラックインクMKが吐出される。いずれのノズル群も、副走査方向SSに180npiの等ピッチで並ぶノズルから構成されており、一度の主走査によって、印刷媒体上に副走査方向SSにつき最大180dpiの密度で、それぞれのノズル群によりドットを形成することができる。
なお、ノズル群N11,N13,N15は、ノズル群N12,N14,N16に対して、副走査方向SSに360npiだけずらして構成されている。このため、一度の主走査においてノズル群N15,N16を同時に使用することとすれば、顔料のブラックインクMKについては、印刷媒体上に副走査方向SSにつき360dpiの密度でドットを形成することができる。なお、ノズル群N15,N16との間では、一度の主走査において同じ位置にインクを吐出できず、また、顔料のブラックインクMKについて、導入管72MK1,72MK2とノズル群N15,N16との間では、流路が互いに独立しているものの、前述のように、顔料ブラックインクカートリッジ171MK内で流路がつながっている。他のインクについての流路の構造と共通にすることで、印刷ヘッド28を製造しやすくしている。
各ノズルには、電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子が配置されている。ピエゾ素子は、ノズルまでインクを導くインク通路に接する位置に設置されている。ピエゾ素子は、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気―機械エネルギーの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子の両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、ピエゾ素子が電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路の一側壁を変形させる。この結果、インク通路の体積はピエゾ素子の伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが液滴となってノズルの先端より高速に吐出される。このインク液滴が印刷用紙Pにドットを形成することにより印刷が行われる。
特許請求の範囲におけるヘッド、インク供給部、ノズル列は、それぞれ、印刷ヘッド28、導入管72、ノズル群に相当する。
図6は、プリンタードライバー96における、モードの選択の手順を示すフローチャートであり、図7は、各モードの違いを示す表である。図6のステップS1において、印刷用紙Pの種類が普通紙であるのか光沢紙であるのかが印刷モード選択部101により特定される。印刷用紙Pの種類が普通紙であれば、第1のモードにより印刷を行うための印刷データPDが出力され(ステップS2)、印刷用紙Pの種類が光沢紙であれば、第2のモードにより印刷を行うための印刷データPDが出力される(ステップS3)。
すなわち、色変換モジュール98は、複数準備されたルックアップテーブルLUTの中から、特定された印刷用紙Pの種類に対応したルックアップテーブルLUTを選択し参照しつつ、RGB画像データを、各インクの量に相当する多階調データに変換する。この際、印刷用紙Pの種類が普通紙であれば、顔料のブラックインクMKが吐出されるように多階調データを生成し(第1のモード)、印刷用紙Pの種類が光沢紙であれば、染料のブラックインクPKが吐出されるように多階調データを生成する(第2のモード)。また、第1のモードにより印刷を行う場合には、副走査送り量を示すデータにはバンド送りにより印刷を行うための情報が関連付けられ、第2のモードにより印刷を行う場合には、副走査送り量を示すデータにはインターレース送りにより印刷を行うための情報が関連付けられる。バンド送りとインターレース送りの詳細については後述する。
また、本実施例では、第1のモードにより印刷を行うのか、第2のモードにより印刷を行うのかにより、キャリッジ30を移動させる速度も異ならせている。すなわち、第1のモードにより印刷を行う場合には、キャリッジ30は高速にて移動しながらインクを吐出し、第2のモードにより印刷を行う場合には、キャリッジ30は低速にて移動しながらインクを吐出する。なお、キャリッジ30の移動速度の高低は、第1のモードと第2のモードとを比較したときの相対的な関係を示している。キャリッジ30の移動速度が遅いほど、吐出したインク滴が印刷用紙P上に着弾する位置のずれの可能性を低減できるので、高品質に印刷することができるといえる。よって、第1のモードにより印刷を行なう場合には高速に印刷を行なうことができ、第2のモードにより印刷を行なう場合には高品質に印刷を行なうことができる。
C.送りの方法:
(C−1)第1のモードの送りの方法;「バンド送り」:
図8は、第1のモードにおける印刷時の印刷ヘッド28の送り方を示す説明図である。第1のモードにおいては、主走査の往路においては、カラーインクに対応するノズル群N12,N13,N14と顔料のブラックインクMKに対応するノズル群N15,N16とを使用して印刷を行うが、復路においては、ノズル群N15,N16を使用せず、ノズル群N12,N13,N14のみ使用する。なお、各ノズルは印刷データPDにしたがって、主走査の間、インク滴を吐出したり吐出しなかったりするが、ここでいう「ノズル群を使用しない」とは、印刷媒体P1ページの印刷において一度も(復路において)ノズルを使用しないことをいう。それ以外の場合は「ノズルを使用する」に含まれる。また、カラーインクに対応するノズル群N12,N13,N14について、上述のように、ノズル群N13はノズル群N12,N14に対して副走査方向SSに360npiだけずらして構成されているが、説明の簡素化のため、カラーインクに対応するノズル群N12,N13,N14はいずれも副走査方向SSにずれていないとして説明する。
第1のモードでは、副走査方向SSに360dpiで印刷を行うこととする。すなわち、印刷媒体上のラスターの密度は360dpiである。ここで、「ラスター」とは、印刷媒体上に仮想的に規定した、ドットを形成する位置を示す(主走査方向MSに伸びる)「行」である。また、ラスターの間隔は、ノズルピッチの1/2だけある。
カラーインクに対応するノズル群N12,N13,N14と顔料のブラックインクMKに対応するノズル群N15,N16を使用する往路においては、顔料のブラックについては、360dpiで全てのラスターにドットを形成することができるが、シアン、マゼンタ、イエロについては、180dpiで一つおきのラスターにしかドットを形成することができない。例えば図8の左上に示すように、パス1(往路)では、顔料のブラックについては、1〜20のラスターにドットを形成することができるが、シアン、マゼンタ、イエロについては、1,3,5,,,19の一つおきのラスターにしかドットを形成することができない。なお、ここで、「パス数」は、主走査の最初の往路で1パス目、復路で2パス目、次の往路で3パス目等と数える。また、図8の左側において、マスの中に記入されている番号は、そのラスターを記録するのに使用されるノズルの番号である。なお、各ノズルの番号は、図5に示すように、副走査方向SSの上流から順に#1,#2,,,とする。
主走査の往路を終えると、制御回路40は、ノズルピッチの1/2に相当する1ラスター分だけ印刷ヘッド28を副走査方向SSに送る。そしてその後、主走査の復路(2パス目)を実行する。第1のモードでは、復路においてはノズル群N15,N16を使用せず、ノズル群N12,N13,N14のみ使用する。よって、復路でのドット形成によって、往路で一つおきにラスターを空けて印刷されたシアン、マゼンタ、イエロについて、その空いているラスターにドットが形成されることとなる。例えば図8の右上に示すように、パス2(復路)では、シアン、マゼンタ、イエロについては、2,4,6,,,20の一つおきのラスターにドットが形成される。その結果、シアン、マゼンタ、イエロについて、ラスター1〜20のすべてのラスターにドットを形成することができる。すなわち、シアン、マゼンタ、イエロについては、往路と復路との2パスで1〜20の全ラスターを埋めることができる。一方、顔料のブラックについては、往路のみ(1パス)で1〜20の全ラスターを埋めることができる。このため、往路と復路との2パスで形成する2つのラスターを単位面積とすると、ノズル群N15,N16と、ノズル群N12,N13,N14とでは、主走査の回数が異なるので、吐出の制御が異なるといえる。
主走査の往路と復路を終えると、制御回路40は、1番目のノズル#1により21番目のラスターにドットを形成できるように19ラスター分だけ印刷ヘッド28を副走査方向SSに送る。そしてその後、再び主走査の往路(3パス目)を実行する。最初の主走査の往路と復路においてラスター1〜20までは全て記録されてきており、次の往路と復路においては、ラスター21〜40が記録されることとなる。以下同様にして、主走査の一度の往復によって、ノズル群N15,N16の合計ノズル数に相当する20ずつの連続するラスターが、記録されていく。
図8の右側には、各ラスターが往路によって記録されるのか、復路によって記録されるのか、そして、各ノズル列の何番目のノズルによって記録されるのかが示されている。図8の右側の表において、マスの中に「往」と記載されているラスターは往路で記録され、「復」と記載されているラスターは復路で記録されることを意味している。そして、「往」または「復」の横に記載されている数字は、各ノズル列の何番目のノズルによって記録されるのかを示すものである。図8からわかるように、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロ)については、往路で記録されるラスターと復路で記録されるラスターが交互に繰り返される。一方、顔料のブラックについては、全てのラスターが往路で記録される。このため、顔料のブラックについては、双方向印刷に起因するドット位置ズレが生じることはなく、副走査方向SSに直線を描く場合などにも、まっすぐに描くことができる。
なお、この送り方においては、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロ)についても、顔料のブラックについても、連続するラスター20本を全て記録した後に、その次に位置する連続するラスター20本を記録する。このような「連続するラスターの束を全て記録した後に、印刷ヘッド28をそのラスターの束に含まれる本数の分だけ送り、次のラスターの束を全て記録し、これを繰り返していく方式」を、以下、「バンド送り」と呼ぶ。
これに対して、1度のパスでラスター一つおきにドットを記録するカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロ)については、「連続するラスターの束を全て記録することなく、前に記録されたラスターの隙間のラスターを埋めつつ、新たに記録する領域については、新たに一つ(またはいくつか)おきのラスターにドットを記録していく方式」としての「インターレース送り」が可能である。そして、顔料のブラックインクMKに変わり、染料のブラックインクPKにより印刷を行う第2のモードにおいては、「インターレース送り」により印刷を行う。次に、この「インターレース送り」の送り方法について説明する。
(C−2)第2のモードの送りの方法;「インターレース送り」:
図9は、第2のモードにおける印刷時の印刷ヘッド28の送り方を示す説明図である。この送り方においては、主走査の往路を終えて次の復路を実行する前には、制御回路40は、9ラスター分だけ副走査送りを行い、主走査の復路を終えて次の往路を実行する前には、11ラスター分だけ副走査送りを行う。他の点は、上記第1のモードの送りの方法;「バンド送り」において説明したものと同様である。
図9に示すように、この送り方においては、染料のブラックおよびカラーについて、1パス目(往路)でラスター1,3,5,,,19が記録され、2パス目(復路)において、ラスター10,12,14,,,28が記録される。ラスター10,12,14,16,18,20については、すでに記録されているラスター9,11,13,15,17,19の間を埋めるかたちで記録される。そして、ラスター22,24,26,28については、新たに間に1ラスターをあけて記録される。このラスター22,24,26,28の隙間であるラスター21,23,25,27,29については、3パス目(往路)において記録される。なお、2パス目(復路)で記録されるラスター20、3パス目(往路)で記録されるラスター29などは、記録済みのラスターの端に位置するため、厳密には「隙間のラスター」、「間のラスター」等とはいえないが、説明の簡略化のため、まとめて「隙間のラスター」、「間のラスター」等として取り扱う。以下でもこれら「端に位置するラスター」について特に分けて説明することはしない。
図9の右側には、図8と同様、各ラスターが往路によって記録されるのか、復路によって記録されるのか、そして、各ノズル列の何番目のノズルによって記録されるのかが示されている。図9からわかるように、染料のブラックとカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロ)とのいずれについても、往路で記録されるラスターと復路で記録されるラスターが交互に繰り返される。バンド送りをした場合には、小さな副走査送りを経て連続して印刷されるラスターの束と束の間にすじ目ができてしまうことがあるが、この第2のモードの送りの方法においては、インターレース送りをしているため、そのような問題が生じない。なお、前述のように、2つのラスターを単位面積とすると、ノズル群N11と、ノズル群N15,N16とでは、主走査の回数が異なるので、吐出の制御が異なるといえ、また、ノズル群N11と、ノズル群N12,N13,N14とでは、吐出の制御が同じといえる。
以上に説明したように、このプリンター20によれば、印刷用紙Pの種類に応じて適切な送り方を選択することができる。加えて、普通紙に対する印刷は、ブラックを多用するテキストの印刷が行われることが多いため、滲みの少ない顔料ブラックにより印刷を行う第1のモードを選択する。光沢紙に対する印刷は、色の階調性・つながりを重視する写真の印刷が行われることが多いため、光沢ムラの少ない染料ブラックにより印刷を行う第2のモードを選択する。よって、普通紙および光沢紙の印刷用紙Pの種類にかかわらず高品質に印刷を行うことができる。
さらに、第1のモードによれば、各ラスターについて顔料のブラックインクMKによりドットを形成した後に、カラーインクによりドットを形成することができる。ゆえに、染料のカラーインクによりドットを形成した後に、顔料のブラックインクMKによりドットを形成した場合のように、染料のカラーインクの成分中に顔料インクが浸透・拡散して、顔料の黒インクの発色性が低下してしまうことを低減することができる。よって、高品質に印刷を行うことができる。
D.主走査の範囲:
(D−1)第1のモードの主走査の範囲:
図10は、第1のモードにおける印刷時の印刷ヘッド28の主走査の範囲を示す説明図である。印刷ヘッド28を上面から透視した状態を示している。
図10における点模様で示される範囲Aは、記録データに基づいて記録される範囲である。
第1のモードが選択されている場合、ノズル群N12〜N16のいずれからも、記録データに基づいて記録される範囲Aへインクが吐出されるようにキャリッジ30を主走査させる。具体的には、1パス目(往路)では、主走査方向MSにおける一方の側から他方の側へ向けてキャリッジ30を主走査させるとすると、ノズル群N16が範囲Aよりも主走査方向MSの一方の側にある位置から主走査を開始し、ノズル群N12が範囲Aよりも主走査方向MSの他方の側にある位置までは主走査を行う。次に、2パス目(復路)では、ノズル群N12が範囲Aよりも主走査方向MSの他方の側にある位置から主走査を開始し、ノズル群N16が範囲Aよりも主走査方向MSの一方の側にある位置までは主走査を行う。以降、このように繰り返し主走査を行なう。なお、染料のブラックインクPKが吐出されるノズル群N11がこの際、範囲Aに対してどのような位置にあるかは、キャリッジ30の加減速に要する距離等を考慮して適宜設定可能である。
(D−2)第2のモードの主走査の範囲:
図11は、第2のモードにおける印刷時の印刷ヘッド28の主走査の範囲を示す説明図である。印刷ヘッド28を上面から透視した状態を示している。図11における点模様で示される範囲Aは、図10と同じである。
第2のモードが選択されている場合、第1のモードのノズル群N12〜N16に代えて、ノズル群N11〜N14のいずれからも、記録データに基づいて記録される範囲Aへインクが吐出されるようにキャリッジ30を移動させる。具体的には、ノズル群N14が範囲Aよりも主走査方向MSの一方の側にある位置から主走査を開始し、ノズル群N11が範囲Aよりも主走査方向MSの他方の側にある位置までは主走査を行う。次に、2パス目(復路)では、ノズル群N11が範囲Aよりも主走査方向MSの他方の側にある位置から主走査を開始し、ノズル群N14が範囲Aよりも主走査方向MSの一方の側にある位置までは主走査を行う。以降、このように繰り返し主走査を行なう。なお、顔料のブラックインクMKが吐出されるノズル群N15,N16がこの際、範囲Aに対してどのような位置にあるかも、キャリッジ30の加減速に要する距離等を考慮して適宜設定可能である。
この実施例では、第1のモードにより印刷する場合と、第2のモードにより印刷する場合とで、主走査の範囲を変更することができる。すなわち、第1のモードの場合にはノズル群N12〜N16に基づく主走査の範囲にてキャリッジ30を異動させるのに対して、第2のモードの場合にはノズル群N11〜N14に基づく主走査の範囲にてキャリッジ30を移動させる。よって、いずれの場合も、ノズル群N11〜N16に基づく主走査の範囲にてキャリッジ30を移動させる必要がないので、高速に印刷することができる。
E.各モードの吐出能力と供給能力:
図12、図13、図14は、それぞれ比較例1、比較例2、比較例3における各モードの吐出能力と印刷装置の供給能力を示すグラフである。なお、グラフ中、縦軸の数値は吐出能力と供給能力との相対的な関係を示すものである。
ここで、前述のように、吐出能力は、単位時間当たりに吐出できるインクの体積の最大値をいい、供給能力は、単位時間当たりに供給できるインクの体積の最大値をいう。
吐出能力は、例えばキャリッジ30を主走査させる速度、吐出したインク滴1つ当たりの大きさ、インクを吐出する間隔などの要因のいずれか1つが変わっても変動する。また、ノズルから実際に吐出されるインクの体積は、印刷データPDに含まれるラスターデータに依存するものの、吐出能力という場合には、印刷データPDに含まれるラスターデータに依存せず、これらの要因に依存するものをいう。また、異なるモード間では、これらの要因のうち少なくとも1つが異なるとする。
また、供給能力は、導入管の数や導入管の口径の大きさなどの要因のいずれか1つが変わっても変動する。また、カートリッジから供給されるインクの体積は、印刷により消費されるインクの体積に依存するものの、供給能力という場合には、印刷により消費されるインクの体積に依存せず、これらの要因に依存するものをいう。また、異なるモード間では、これらの要因のうち少なくとも1つが異なるとする。
(E−1)比較例1における吐出能力と供給能力:
図12の説明に戻り、比較例1では、第5のモードと第6のモードのいずれかの選択に基づいて印刷が行なわれるとする。第5のモードでは顔料のブラックインクMKとカラーインクを用いて印刷が行なわれ、第6のモードでは染料のブラックインクPKとカラーインクを用いて印刷が行なわれる。なお、この第5の第6のモードにより印刷を行なう印刷装置の構成は、上述のものに限られない。
図12において、MK−T5,MK−K5,CMY−T5,CMY−K5,PK−T6,PK−K6,CMY−T6,CMY−K6はそれぞれ、第5のモードにおける顔料のブラックインクMKについての吐出能力、第5のモードにおける顔料のブラックインクMKについての供給能力、第5のモードにおけるカラーインクについての吐出能力、第5のモードにおけるカラーインクについての供給能力、第6のモードにおける染料のブラックインクPKについての吐出能力、第6のモードにおける染料のブラックインクPKについての供給能力、第6のモードにおけるカラーインクについての吐出能力、第6のモードにおけるカラーインクについての供給能力を示す。
図12に示すように、第5の第6のモードおよびこれらのモードを利用する印刷装置は以下の特徴を有する。
(1−1)いずれのモードにおいても、各インクについての吐出能力が印刷装置の供給能力を上回る。
(1−2)いずれのモードにおいても、各インクについての供給能力が等しい。
(1−3)いずれのモードにおいても、各インクについての吐出能力が等しい。
特徴(1−1)を有する場合、印刷データPDに含まれる各主走査時のドットの記録状態を示すラスターデータが多くのインクを吐出するものであれば、インクの吐出を連続的に行なった場合に、ノズル群へのインクの供給が間に合わず、キャリッジ30を主走査させてもラスターにドットを形成することができない。このような供給能力に対してインクを過多に吐出する場合、印刷データPDに含まれるラスターデータに応じて主走査の回数を増やす等しなければならない。さらに、特徴(1−3)を有するので、このような状況が、顔料のブラックインクMK、カラーインクのいずれについても発生し得る。
ただし、特徴(1−2)を有するので、導入管や流路の構成を、顔料のブラックインクMKとカラーインクとで共通化し得る。
(E−2)比較例2における吐出能力と供給能力:
図13は、比較例2における各モードの吐出能力と印刷装置の供給能力を示す表である。比較例2では、第3のモードと第4のモードのいずれかの選択に基づいて印刷が行なわれるとする。第3のモードでは顔料のブラックインクMKとカラーインクを用いて印刷が行なわれ、第4のモードでは染料のブラックインクPKとカラーインクを用いて印刷が行なわれる。なお、この第3の第4のモードより印刷を行なう印刷装置の構成は、上述のプリンター20の構成であるとする。
図13において、MK−T3,MK−K3,CMY−T3,CMY−K3,PK−T4,PK−K4,CMY−T4,CMY−K4はそれぞれ、第3のモードにおける顔料のブラックインクMKについての吐出能力、第3のモードにおける顔料のブラックインクMKについての供給能力、第3のモードにおけるカラーインクについての吐出能力、第3のモードにおけるカラーインクについての供給能力、第4のモードにおける染料のブラックインクPKについての吐出能力、第4のモードにおける染料のブラックインクPKについての供給能力、第4のモードにおけるカラーインクについての吐出能力、第4のモードにおけるカラーインクについての供給能力を示す。
図13に示すように、第3の第4のモードおよびこれらのモードを利用する印刷装置は以下の特徴を有する。
(2−1)いずれのモードにおいても、各インクについての印刷装置の供給能力が吐出能力以上である。
(2−2)顔料のブラックインクMKについての吐出能力(第3のモード)が、染料のブラックインクPKについての吐出能力(第4のモード)を上回る。
(2−3)顔料のブラックインクMKについての吐出能力(第3のモード)が、カラーインクについての吐出能力(第3,4のモード)を上回る。
(2−4)顔料のブラックインクMKについての供給能力(第3のモード)が、染料のブラックインクPKについての供給能力(第4のモード)を上回る。
(2−5)顔料のブラックインクMKについての供給能力(第3のモード)が、カラーインクについての供給能力(第3,4のモード)を上回る。
(2−6)顔料のブラックインクMKについての吐出能力(第3のモード)が、染料のブラックインクPKについての供給能力(第4のモード)以下であり、かつ、カラーインクについての供給能力(第3,4のモード)以下である。
特徴(2−1)を有する場合、印刷データPDに含まれる各主走査時のドットの記録状態を示すラスターデータが多くのインクを吐出するか否かにかかわらず、顔料のブラックインクMKの吐出を連続的に行なったとしても、ノズル群へのインクの供給が間に合わないことはない。よって、例えば印刷データPDに含まれるラスターデータに応じて主走査の回数を増やす必要はないので、高速に印刷を行なうことができる。
特徴(2−1)に加え、特徴(2−2)および特徴(2−4)を有する場合、顔料のブラックインクMKの連続的な吐出を、染料のブラックインクPKの連続的な吐出よりも高速に行なうことができる。よって、例えばモノクロ印刷を行なう場合やカラーとブラックとで吐出の制御を異ならせる場合を考えると、第4のモードによる印刷よりも第3のモードによる印刷を高速に行なうことができる。
特徴(2−1)に加え、特徴(2−3)および特徴(2−5)を有する場合、顔料のブラックインクMKの連続的な吐出を、カラーインクの連続的な吐出よりも高速に行なうことができる。よって、上述したバンド送りの送り方法により印刷したり、顔料のブラックインクMKとカラーインクとで吐出の制御を異ならせたりして、比較例1よりも顔料のブラックインクMKによる印刷を高速に行なうことができる。特徴(2−6)については後述する。
(E−3)比較例3における吐出能力と供給能力:
図14は、比較例3における各モードの吐出能力と印刷装置の供給能力を示す表である。比較例3では、上述した第1のモードと第2のモードのいずれかの選択に基づいて印刷が行なわれるとする。上述したように、第1のモードでは顔料のブラックインクMKとカラーインクを用いて印刷が行なわれ、第2のモードでは染料のブラックインクPKとカラーインクを用いて印刷が行なわれる。なお、この第1の第2のモードより印刷を行なう印刷装置の構成は、上述のプリンター20の構成であるとする。特許請求の範囲における第1のモード、第2のモードは、比較例3の第1のモード、第2のモードに相当する。
図14において、MK−T1,MK−K1,CMY−T1,CMY−K1,PK−T2,PK−K2,CMY−T2,CMY−K2はそれぞれ、第1のモードにおける顔料のブラックインクMKについての吐出能力、第1のモードにおける顔料のブラックインクMKについての供給能力、第1のモードにおけるカラーインクについての吐出能力、第1のモードにおけるカラーインクについての供給能力、第2のモードにおける染料のブラックインクPKについての吐出能力、第2のモードにおける染料のブラックインクPKについての供給能力、第2のモードにおけるカラーインクについての吐出能力、第2のモードにおけるカラーインクについての供給能力を示す。
図14に示すように、第3の第4のモードおよびこれらのモードを利用する印刷装置は以下の特徴を有する。
(3−1)いずれのモードにおいても、各インクについての印刷装置の供給能力が吐出能力を上回る。
(3−2)顔料のブラックインクMKについての吐出能力(第1のモード)が、染料のブラックインクPKについての吐出能力(第2のモード)を上回る。
(3−3)顔料のブラックインクMKについての吐出能力(第1のモード)が、カラーインクについての吐出能力(第1,2のモード)を上回る。
(3−4)顔料のブラックインクMKについての供給能力(第1のモード)が、染料のブラックインクPKについての供給能力(第2のモード)を上回る。
(3−5)顔料のブラックインクMKについての供給能力(第1のモード)が、カラーインクについての供給能力(第1,2のモード)を上回る。
(3−6)顔料のブラックインクMKについての吐出能力(第1のモード)が、染料のブラックインクPKについての供給能力(第2のモード)を上回る。
(3−7)顔料のブラックインクMKについての吐出能力(第1のモード)が、カラーインクについての供給能力(第1,2のモード)を上回る。
(3−8)第1のモードにおけるカラーインクについての吐出能力が、第2のモードにおけるカラーインクについての吐出能力を上回り、かつ、第1のモードにおけるカラーインクについての供給能力が、第2のモードにおけるカラーインクについての供給能力と等しい。
(3−9)第1のモードにおけるカラーインクについての吐出能力が、第2のモードにおける染料のブラックインクPKについての吐出能力を上回り、かつ、第1のモードにおけるカラーインクについての供給能力が、第2のモードにおける染料のブラックインクPKについての供給能力と等しい。
特徴(3−1)を有する場合、特徴(2−1)を有する場合と同様に高速に印刷を行なうことができる。
特徴(3−1)に加え、特徴(3−2)および特徴(3−4)を有する場合、特徴(2−1)、特徴(2−2)および特徴(2−4)を有する場合と同様に、第2のモードよりも第1のモードによる印刷を高速に行なうことができる。さらに、特徴(3−6)あるいは特徴(3−7)を有する場合、第1のモードにおいて顔料のブラックインクMKを供給能力に対して過少に吐出することがないので、第1のモードによる印刷をさらに高速に行なうことができる。すなわち、特徴(2−6)を有する場合には、顔料のブラックインクMKについての供給能力に対して過少に吐出するということができるものの、特徴(3−6)あるいは特徴(3−7)を有する場合には、特徴(2−6)を有する場合との比較において、そのようなことがない。
特徴(3−1)に加え、特徴(3−3)および特徴(3−5)を有する場合、特徴(2−1)、特徴(2−3)および特徴(2−5)を有する場合と同様に、顔料のブラックインクMKによる印刷を高速に行なうことができる。さらに、特徴(3−6)あるいは特徴(3−7)を有する場合、第1のモードにおいて顔料のブラックインクMKを供給能力に対して過少に吐出することがないので、第1のモードによる印刷をさらに高速に行なうことができる。前述と同様である。
なお、上述したプリンター20では、導入管72PKの供給能力と、導入管72Y、72M、72Cの供給能力とが等しいとの前提であった。しかし、例えば導入管72PKの供給能力の方が導入管72Y、72M、72Cの供給能力よりも高いのであれば、特徴(3−6)を有する場合のほうが、特徴(3−7)を有する場合よりも、第1のモードにおいて顔料のブラックインクMKを供給能力に対して過少に吐出することがないので、第1のモードによる印刷をさらに高速に行なうことができる。
特徴(3−1)に加え、特徴(3−8)を有する場合、次のことがいえる。カラーインクについての供給能力が第1のモードと第2のモードにおけるカラーインクについての供給能力と第2のモードにおけるカラー染料のブラックインクPKについての供給能力とが等しいので、同様の吐出が行なえるにもかかわらず、第1のモードと第2のモードとで吐出能力を異ならせている。上述のように、吐出能力がモード間で異なる場合、例えばキャリッジ30を主走査させる速度、吐出したインク滴1つ当たりの大きさ、インクを吐出する間隔などの要因の少なくとも1つが異なる。キャリッジ30を主走査させる速度が遅いほど、吐出したインク滴が印刷用紙P上に着弾する位置ずれの可能性を低減できるので、高品質に印刷することができるといえる。また、吐出したインク滴1つ当たりの大きさが小さいほど、細かなドットを印刷用紙P上に形成し粒状性を低減できるので、高品質に印刷することができるといえる。また、インクを吐出する間隔が長いほど、電歪素子に印加する電圧の制御を細かくしインク滴の大きさを制御できるので、高品質に印刷することができるといえる。あるいは、キャリッジ30を主走査させる速度が速いほど、高速な印刷を行いうる。これらのように、同等の供給能力を持ちながら異なる吐出能力となるように各モードを設定することにより、高速な印刷と高品質な印刷とを目的に応じて、モードの設定と選択を適宜行なうことができ、使い勝手を向上させることができる。
特徴(3−1)に加え、特徴(3−9)を有する場合も、特徴(3−1)と特徴(3−8)とを有する場合と同様に、使い勝手を向上させることができる。
F.印刷の実行:
図15は、印刷の実行の手順を示すフローチャートである。図15のステップS11において、プリンター20は、コネクター56を介して印刷データPDの取得を行なう。次に、印刷データPDに基づいて第1のモードにより印刷を行なうのか、第2のモードにより印刷を行なうのかを特定する(ステップS12)。第1のモードにより印刷を行なう場合には、印刷データPDに基づいて顔料のブラックインクMKとカラーインクとを吐出し(ステップS13)、第2のモードにより印刷を行なう場合には、印刷データPDに基づいて染料のブラックインクPKとカラーインクとを用いて印刷を行なう(ステップS14)。この際、それぞれのモードにおける送りの方法、主走査の範囲、および、各モードの吐出能力と供給能力とは、前述したとおりである。
以上のように、本実施例のプリンター20によれば、第1のモードおよび第2のモードのいずれによっても印刷を行なうことができるので、高速・高品質に印刷を行なうことができる。さらに、高速化や高品質化の目的に応じて第1のモードにより印刷を行なうのか第2のモードにより印刷を行なうのかを切り替えられるので、さらに使い勝手も向上させることができる。
G.変形例:
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上述のプリンター20は、第1のモードと第2のモードのいずれかにより印刷を行なったが、例えばこれらに加え、第3〜6のモードの少なくとも1つにより印刷を行なってもよい。この場合、さまざまなモードにより印刷を行なうことができるので、使い勝手をさらに向上させることができる。また、第1〜2のモードは、上述した特徴(3−1)〜(3−9)の全てを有する必要はなく、少なくとも特徴(3−1)さえ有していればよい。
(変形例2)また、第1のモードによる印刷は、印刷用紙Pの種類が普通紙、黒インクの種類が顔料のブラックインクMK、送りの方法がバンド送り、キャリッジの移動速度が高速であって、第2のモードによる印刷は、印刷用紙Pの種類が光沢紙、黒インクの種類が染料のブラックインクPK、送りの方法がインターレース送り、キャリッジの移動速度が低速であるという組み合わせに限られない。印刷用紙Pの種類、黒インクの種類、送りの方法、キャリッジの移動速度の少なくとも1つを、上述した第1のモードと第2のモードとで逆にしてもよく、あるいは第1のモードと第2のモードとで同じにしてもよい。
また、印刷用紙Pの種類に応じて、第1のモードと第2のモードとのいずれかを選択したが、これに限られない。例えば、黒インクの種類、送りの方法、キャリッジの移動速度のいずれか1つをユーザーに選択させることで、他の要素を特定してもよい。また、いわゆる高速モードと高品質モードとをユーザーに選択させることで、前者の場合には第1のモードを、後者の場合には第2のモードを特定してもよい。
(変形例3)上述したインターレース送りでは、各色のラスター1つについて、1つのノズルからの吐出によりドットを形成したが、2つ以上のノズルからの吐出によりドットを形成してもよい。ノズルごとに吐出量や吐出方向のばらつきがある場合には、1つのノズルからの吐出により1つのラスターについてのドットを形成するよりも、2つ以上のノズルからの吐出により1つのラスターについてのドットを形成した方が、こうしたばらつきが拡散され視認されにくくなる結果、高品質に印刷できる場合がある。ただし、高速や高品質の目的に応じて印刷のモードが選択されうるためには、少なくとも2つのモードを備えることが望ましい。そして、高速や高品質の目的に応じるために、2つのモードは、副走査方向SSにおいて40ラスター分の画像(すなわち、ノズル群N11〜N16のそれぞれの2倍の長さ分の画像)を印刷するための印刷データPDの印刷を行なう場合に、それぞれの副走査送りの送り量の最大値が異なるようなモードであればよい。2つのモードがそのような関係にある場合、高速や高品質の目的に応じた印刷を選択的に行なうことができる。
(変形例4)上述したプリンター20では、顔料ブラックインクカートリッジ171MKに対する導入管は、導入管72MK1、72MK2の2つあった。が、顔料ブラックインクカートリッジ171MKに対する導入管の数は2つに限られない。例えば、導入管の数は1つであっても、他のインクカートリッジに対する導入管の口径よりも、顔料ブラックインクカートリッジ171MKの導入管の口径が大きければ、顔料ブラックインクカートリッジ171MKに対する導入管の供給能力は、他のカートリッジに対する導入管の供給能力よりも高いといえる。また、特許請求の範囲におけるインク供給部は、導入管72に限られず、カートリッジの流路とプリンター20の流路とを接合し、カートリッジ内のインクをプリンター20のノズル群へ供給できればよい。
(変形例5)上述したプリンター20では、主走査方向MSの一方の側から他方の側へかけて順に、染料のブラックインクPKを吐出するためのノズル群N11、イエロインクYを吐出するためのノズル群N12、マゼンタインクMを吐出するためのノズル群N13、シアンインクCを吐出するためのノズル群N14、顔料のブラックインクMKを吐出するためのノズル群N15,N16が配列されていた。しかし、各インクを吐出するためのノズル群の数や順番、各ノズル群のノズル数はこれに限らない。例えば、顔料のブラックインクMKを吐出するための1つのノズル群と、染料のブラックインクPKを吐出するための1つのノズル群とが、主走査方向MSにおいてカラーインクを吐出するためのノズル群を挟むように配列されていれば、顔料のブラックインクMKと染料のブラックインクPKとを択一的に用いて印刷する場合に、主走査範囲をそれぞれの場合に変更することができるので、高速に印刷を行なうことができる。また、黒インクについてのみ染料のインクと顔料のインクとを備える必要はなく、カラーインクについても染料のインクと顔料のインクとを備えてもよい。この場合、上述したプリンター20における顔料のブラックインクMKと染料のブラックインクPKとに代えて、顔料のカラーインクと染料のカラーインクとにより、上述した印刷を行なってもよい。
(変形例6)上述の実施形態では、電歪素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
(変形例7)上述の実施形態では、キャリッジ30を主走査させることで、主走査方向MSへの相対移動を行い、印刷用紙Pを副走査送りすることで、副走査方向SSへの相対移動を行なったが、これに限られるものではない。印刷用紙Pを移動させることで、主走査方向MSへの相対移動を行ってもよいし、印刷ヘッド28を移動させることで、副走査方向SSへの相対移動を行なってもよい。
(変形例8)上述の実施形態では、印刷装置としてプリンター20が説明されていたが、これに限られるものではなく流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルター製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。この場合に、インクジェット技術により噴射したり吐出したりする流体は上述のインクに含まれる。
上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
N11〜N16…ノズル群、20…プリンター、21…CRT、22…紙送りモータ、24…キャリッジモータ、26…プラテン、28…印刷ヘッド、30…キャリッジ、32…操作パネル、34…摺動軸、36…駆動ベルト、38…プーリ、39…位置センサ、40…制御回路、41…CPU、43…PROM、44…RAM、45…CG、50…I/F専用回路、52…ヘッド駆動回路、53…データ読み込み部、54…モータ駆動回路、56…コネクター、60…印刷ヘッドユニット、62…インクカートリッジ装着部、64…ラベル、72…導入管、82…メモリー読み込み部、90…コンピューター、91…ビデオドライバー、95…アプリケーションプログラム、96…プリンタードライバー、97…解像度変換モジュール、98…色変換モジュール、99…ハーフトーンモジュール、100…印刷データ生成モジュール、101…印刷モード選択部、171…インクカートリッジ、181…メモリー。

Claims (41)

  1. 顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体と、カラーインクを供給するカラーインク供給体とをそれぞれ装着可能な印刷装置であって、
    媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得部と、
    前記顔料インク供給体から前記顔料の黒インクが供給される顔料インク供給部と、
    前記カラーインク供給体から前記カラーインクが供給されるカラーインク供給部と、
    前記顔料インク供給部から供給された前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、前記カラーインク供給部から供給された前記カラーインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドと、
    前記ノズル列の方向に交差する主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う走査部と、
    前記印刷データに基づいて前記主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記走査部に行わせる制御部と、
    を備え、
    前記顔料インク供給部の供給能力は、前記カラーインク供給部の供給能力よりも、高い、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、さらに、染料の黒インクを供給する染料インク供給体を装着可能であり、
    さらに、前記染料インク供給体から前記染料の黒インクが供給される染料インク供給部を備え、
    前記ヘッドは、さらに、前記染料インク供給部から供給された前記染料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有する、印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の数は、前記染料インク供給部の数よりも、多い、印刷装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の口径は、前記染料インク供給部の口径よりも、大きい、印刷装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の数は、前記カラーインク供給部の数よりも、多い、印刷装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の口径は、前記カラーインク供給部の口径よりも、大きい、印刷装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列を、複数有し、
    前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズル列は、1つの前記顔料インク供給体から供給された前記顔料の黒インクを吐出する、印刷装置。
  8. 請求項2、および請求項2を引用する請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記顔料の黒インクを吐出するための1つのノズル列と、前記染料の黒インクを吐出するための1つのノズル列とは、前記主走査方向において、前記カラーインクを吐出するためのノズル列を挟む、印刷装置。
  9. 請求項3、請求項4、および、請求項3または請求項4を引用する請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、前記カラーインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記カラーインクを吐出し、
    前記ヘッドは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記染料インク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクを吐出する、印刷装置。
  10. 請求項3、請求項4、および、請求項3または請求項4を引用する請求項5ないし請求項9のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記顔料の黒インクを吐出する第1のモードと前記染料の黒インクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データに基づいて、前記ヘッドに前記媒体へ向けてインクを吐出させ、
    前記第2のモードは、前記染料インク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記染料の黒インクが吐出されるモードであり、
    前記第1のモードは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記染料インク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクが吐出されるモードである、印刷装置。
  11. 請求項10に記載の印刷装置であって、
    前記第1のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度は、前記第2のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度よりも、速い、印刷装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の印刷装置であって、さらに、
    前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う移動部を備え、
    前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記移動部に行わせ、
    前記ノズル列の方向において前記ノズル列の長さの2倍の長さの前記画像を前記媒体に印刷するための前記印刷データに基づいて前記ノズル列方向への相対移動が行われたとすると、前記第1のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値は、前記第2のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値よりも、大きい、印刷装置。
  13. 請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における一方の側から他方の側への第1の相対移動であって、前記顔料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第1の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第2の相対移動であって、前記顔料の黒インクが吐出されず、前記カラーインクが吐出される前記第2の相対移動と、を含み、
    前記第2のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における前記一方の側から前記他方の側への第3の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第3の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第4の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第4の相対移動と、を含み、
    前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列は、前記カラーインクを吐出するためのノズル列よりも、前記主走査方向において前記他方の側にある、印刷装置。
  14. 顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体と、染料の黒インクを供給する染料インク供給体とをそれぞれ装着可能な印刷装置であって、
    媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得部と、
    前記顔料インク供給体から前記顔料の黒インクが供給される顔料インク供給部と、
    前記染料インク供給体から前記染料の黒インクが供給される染料インク供給部と、
    前記顔料インク供給部から供給された前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、前記染料インク供給部から供給された前記染料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドと、
    前記ノズル列の方向に交差する主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う走査部と、
    前記印刷データに基づいて前記主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記走査部に行わせる制御部と、
    を備え、
    前記顔料インク供給部の供給能力は、前記染料インク供給部の供給能力よりも、高い、印刷装置。
  15. 請求項14に記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列を、複数有し、
    前記顔料の黒インクを吐出するための複数のノズル列は、1つの前記顔料インク供給体から供給された前記顔料の黒インクを吐出する、印刷装置。
  16. 請求項14または請求項15に記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の数は、前記染料インク供給部の数よりも、多い、印刷装置。
  17. 請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の口径は、前記染料インク供給部の口径よりも、大きい、印刷装置。
  18. 請求項14ないし請求項17のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、前記顔料の黒インクを吐出する第1のモードと前記染料の黒インクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データに基づいて、前記ヘッドに前記媒体へ向けてインクを吐出させ、
    前記第2のモードは、前記染料インク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記染料の黒インクが吐出されるモードであり、
    前記第1のモードは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記染料インク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクが吐出されるモードである、印刷装置。
  19. 請求項18に記載の印刷装置であって、
    前記第1のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度は、前記第2のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度よりも、速い、印刷装置。
  20. 請求項18または請求項19に記載の印刷装置であって、さらに、
    前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う移動部を備え、
    前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記移動部に行わせ、
    前記ノズル列の方向において前記ノズル列の長さの2倍の長さの前記画像を前記媒体に印刷するための前記印刷データに基づいて前記ノズル列方向への相対移動が行われたとすると、前記第1のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値は、前記第2のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値よりも、大きい、印刷装置。
  21. 請求項14ないし請求項20のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、カラーインクを供給するカラーインク供給体を装着可能であり、
    さらに、前記カラーインク供給体から前記カラーインクが供給されるカラーインク供給部を備え、
    前記ヘッドは、さらに、前記カラーインク供給部から供給された前記カラーインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有する、印刷装置。
  22. 請求項21に記載の印刷装置であって、
    前記顔料の黒インクを吐出するための1つのノズル列と、前記染料の黒インクを吐出するための1つのノズル列とは、前記主走査方向において、前記カラーインクを吐出するためのノズル列を挟む、印刷装置。
  23. 請求項21または請求項22に記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の数は、前記カラーインク供給部の数よりも、多い、印刷装置。
  24. 請求項21ないし請求項23のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記顔料インク供給部の口径は、前記カラーインク供給部の口径よりも、大きい、印刷装置。
  25. 請求項21ないし請求項24のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、前記カラーインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記カラーインクを吐出し、
    前記ヘッドは、前記顔料インク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記カラーインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記顔料の黒インクを吐出する、印刷装置。
  26. 請求項18を引用する請求項21ないし請求項25のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における一方の側から他方の側への第1の相対移動であって、前記顔料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第1の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第2の相対移動であって、前記顔料の黒インクが吐出されず、前記カラーインクが吐出される前記第2の相対移動と、を含み、
    前記第2のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における前記一方の側から前記他方の側への第3の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第3の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第4の相対移動であって、前記染料の黒インクと前記カラーインクとがそれぞれ吐出される前記第4の相対移動と、を含み、
    前記顔料の黒インクを吐出するためのノズル列は、前記カラーインクを吐出するためのノズル列よりも、前記主走査方向において前記他方の側にある、印刷装置。
  27. 第1のインクを供給する第1のインク供給体と、第2のインクを供給する第2のインク供給体とをそれぞれ装着可能な印刷装置であって、
    媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得部と、
    前記第1のインク供給体から前記第1のインクが供給される第1のインク供給部と、
    前記第2のインク供給体から前記第2のインクが供給される第2のインク供給部と、
    前記第1のインク供給部から供給された前記第1のインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、前記第2のインク供給部から供給された前記第2のインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドと、
    前記ノズル列の方向に交差する主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う走査部と、
    前記主走査方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記走査部に行わせる制御部であって、前記第1のインクを吐出する第1のモードと前記第2のインクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて、前記ヘッドに前記媒体へ向けてインクを吐出させる前記制御部と、
    を備え、
    前記第1のインク供給部の供給能力は、前記第2のインク供給部の供給能力よりも、高く、
    前記第2のモードは、前記第2のインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記第2のインクが吐出されるモードであり、
    前記第1のモードは、前記第1のインク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記第2のインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記第1のインクが吐出されるモードである、印刷装置。
  28. 請求項27に記載の印刷装置であって、
    前記第1のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度は、前記第2のモードにおける前記主走査方向への相対移動の速度よりも、速い、印刷装置。
  29. 請求項27または請求項28に記載の印刷装置であって、さらに、
    前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を行う移動部を備え、
    前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれかのモードと前記印刷データとに基づいて前記ノズル列の方向へ前記ヘッドと前記媒体との相対移動を前記移動部に行わせ、
    前記ノズル列の方向において前記ノズル列の長さの2倍の長さの前記画像を前記媒体に印刷するための前記印刷データに基づいて前記ノズル列方向への相対移動が行われたとすると、前記第1のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値は、前記第2のモードにおける前記ノズル列方向への相対移動の移動量の最大値よりも、大きい、印刷装置。
  30. 請求項27ないし請求項29のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ヘッドは、前記第1のインクを吐出するためのノズル列を、複数有し、
    複数の前記第1のインクを吐出するための複数のノズル列は、1つの前記第1のインク供給体から供給された前記第1のインクを吐出する、印刷装置。
  31. 請求項27ないし請求項30のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のインク供給部の数は、前記第2のインク供給部の数よりも、多い、印刷装置。
  32. 請求項27ないし請求項31のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のインク供給部の口径は、前記第2のインク供給部の口径よりも、大きい、印刷装置。
  33. 請求項27ないし請求項32のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、さらに、第3のインクを供給する第3のインク供給体を装着可能であり、
    前記印刷装置は、さらに、前記第3のインク供給体から前記第3のインクが供給される第3のインク供給部を備え、
    前記ヘッドは、さらに、前記第3のインク供給部から供給された前記第3のインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有し、
    前記第1のインクを吐出するための1つのノズル列と、前記第2のインクを吐出するための1つのノズル列とは、前記主走査方向において、前記第3のインクを吐出するためのノズル列を挟み、
    前記制御部は、前記第1のモードにおいて前記第1のインクと前記第3のインクとを吐出させ、前記第2のモードにおいて前記第2のインクと前記第3のインクとを吐出させる、印刷装置。
  34. 請求項33に記載の印刷装置であって、
    前記第1のインク供給部の数は、前記第3のインク供給部の数よりも、多い、印刷装置。
  35. 請求項33または請求項34に記載の印刷装置であって、
    前記第1のインク供給部の口径は、前記第3のインク供給部の口径よりも、大きい、印刷装置。
  36. 前記ヘッドは、前記第3のインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記第3のインクを吐出し、
    前記ヘッドは、前記第1のインク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記第3のインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記第1のインクを吐出する、印刷装置。
  37. 請求項36に記載の印刷装置であって、
    前記第1のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における一方の側から他方の側への第1の相対移動であって、前記第1のインクと前記第3のインクとがそれぞれ吐出される前記第1の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第2の相対移動であって、前記第1のインクが吐出されず、前記第3のインクが吐出される前記第2の相対移動と、を含み、
    前記第2のモードにおける相対移動は、前記主走査方向における前記一方の側から前記他方の側への第3の相対移動であって、前記第2のインクと前記第3のインクとがそれぞれ吐出される前記第3の相対移動と、前記主走査方向における前記他方の側から前記一方の側への第4の相対移動であって、前記第2のインクと前記第3のインクとがそれぞれ吐出される前記第4の相対移動と、を含む、印刷装置。
  38. 請求項37に記載の印刷装置であって、
    前記第1のインクを吐出するためのノズル列は、前記第3のインクを吐出するためのノズル列よりも、前記主走査方向において前記他方の側にある、印刷装置。
  39. 顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、カラーインクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドを備える印刷装置を用いる印刷方法であって、
    媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得工程と、
    前記印刷データに基づいて、前記顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体から、前記印刷装置の顔料インク供給部を介して供給される前記顔料の黒インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、
    前記印刷データに基づいて、前記カラーインクを供給するカラーインク供給体から、前記印刷装置のカラーインク供給部を介して供給される前記カラーインクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、
    を有し、
    前記顔料インク供給部の供給能力は、前記カラーインク供給部の供給能力よりも、高い、印刷方法。
  40. 顔料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列と、染料の黒インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列とを有するヘッドを備える印刷装置を用いる印刷方法であって、
    媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得工程と、
    前記印刷データに基づいて、前記顔料の黒インクを供給する顔料インク供給体から、前記印刷装置の顔料インク供給部を介して供給される前記顔料の黒インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、
    前記印刷データに基づいて、前記染料の黒インクを供給する染料インク供給体から、前記印刷装置の染料インク供給部を介して供給される前記染料の黒インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、
    を有し、
    前記顔料インク供給部の供給能力は、前記染料インク供給部の供給能力よりも、高い、印刷方法。
  41. インクを吐出するための複数のノズルが並べられたノズル列を有するヘッドを備える印刷装置を用いる印刷方法であって、
    媒体に印刷が行われる画像の印刷データを取得する取得工程と、
    前記印刷データに基づいて、前記インクを供給するインク供給体からインク供給部を介して供給される前記インクを、前記媒体へ向けて吐出する吐出工程と、
    を有し、
    前記吐出工程は、
    第1のインクを吐出する第1のモードと第2のインクを吐出する第2のモードとを含む複数のモードのうちの前記第1のモードに基づいて前記インクを吐出する場合に、前記第1のインクを供給する第1のインク供給体から第1のインク供給部を介して供給された前記第1のインクを吐出し、
    前記第2のモードに基づいて前記インクを吐出する場合に、前記第2のインクを供給する第2のインク供給体から第2のインク供給部を介して供給された前記第2のインクを吐出し、
    前記第1のインク供給部の供給能力は、前記第2のインク供給部の供給能力よりも、高く、
    前記第2のモードは、前記第2のインク供給部の供給能力以下の吐出能力にて、前記第2のインクが吐出されるモードであり、
    前記第1のモードは、前記第1のインク供給部の供給能力以下の吐出能力であって、前記第2のインク供給部の供給能力を上回る吐出能力にて、前記第1のインクが吐出されるモードである、印刷方法。
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