以下、液体吐出装置の一実施形態について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙等の媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真等の画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12を備える。液体吐出装置11は、複数のノズル13から媒体99に液体を吐出することで印刷する液体吐出部14と、媒体99を支持する支持台15とを備える。液体吐出装置11は、液体を収容する第1液体収容体16を装着可能な第1装着部17と、液体を収容する第2液体収容体18を装着可能な第2装着部19とを備える。液体吐出装置11は、第1装着部17に装着された第1液体収容体16に収容される液体の残量を検出する検出部21と、装置全体を統括して制御する制御部22とを備える。制御部22は、例えば液体吐出部14と検出部21とを制御する。制御部22は、CPU、メモリーなどにより構成される。
液体吐出部14は、複数のノズル13を有するヘッド24と、ヘッド24を搭載するキャリッジ25と、キャリッジ25を支持するガイド軸26とを有する。キャリッジ25は、ガイド軸26に沿って移動可能とされる。ヘッド24は、支持台15に支持される媒体99に対してキャリッジ25とともに走査しながら液体を吐出することにより、媒体99に画像を印刷する。そのため、ガイド軸26は、液体吐出装置11において、ヘッド24が走査する方向である主走査方向Xに延びる。本実施形態では、図1において主走査方向Xの右端となる位置がキャリッジ25のホームポジションとされる。キャリッジ25は、媒体99に印刷しない待機状態となる場合に、ホームポジションで待機する。支持台15に支持される媒体99は、支持台15上において、主走査方向X及び鉛直方向Zと異なる方向である副走査方向Yに搬送される。
液体吐出部14は、第1装着部17に装着される第1液体収容体16及び第2装着部19に装着される第2液体収容体18から液体を供給される。第1液体収容体16及び第2液体収容体18は、それぞれ異なる種類の液体を収容する。第1液体収容体16及び第2液体収容体18は、例えばインクカートリッジである。第1液体収容体16及び第2液体収容体18は、例えば染料インクを収容する。
本実施形態の第1装着部17及び第2装着部19は、液体吐出部14に設けられる。具体的には、第1装着部17及び第2装着部19は、キャリッジ25に設けられる。そのため、液体を収容する第1液体収容体16及び第2液体収容体18は、第1装着部17及び第2装着部19に装着されることにより、キャリッジ25に搭載される。
本実施形態の液体吐出装置11は、第1液体収容体16及び第2液体収容体18をキャリッジ25に搭載する所謂オンキャリッジタイプである。液体吐出装置11は、第1液体収容体16及び第2液体収容体18をキャリッジ25に搭載しないオフキャリッジタイプでもよい。すなわち、第1装着部17及び第2装着部19は、キャリッジ25に設けられなくともよい。この場合、第1装着部17に装着される第1液体収容体16及び第2装着部19に装着される第2液体収容体18は、例えばチューブを介してヘッド24と接続される。
第1液体収容体16及び第2液体収容体18は、収容する液体に関する情報を記憶する記憶部27を有する。第1液体収容体16が有する記憶部27は、第1液体収容体16が収容する液体の量を表す目安値を記憶する。第2液体収容体18が有する記憶部27は、第2液体収容体18が収容する液体の量を表す目安値を記憶する。第1液体収容体16及び第2液体収容体18の出荷時において、記憶部27は、その液体収容体に収容される液体の初期の残量を表す目安値を記憶している。
第1液体収容体16の記憶部27は、第1液体収容体16が第1装着部17に装着されることにより、制御部22と電気的に接続される。第2液体収容体18の記憶部27は、第2液体収容体18が第2装着部19に装着されることにより、制御部22と電気的に接続される。制御部22は、記憶部27から情報を読み出したり、記憶部27に情報を書き込んだりする。
第2装着部19は、第1液体収容体16が収容可能な液体の収容量より、収容可能な液体の収容量が少ない第2液体収容体18を装着可能とされる。すなわち、第1装着部17は、第2装着部19と比較して、大容量の液体収容体を装着可能とされる。そのため、第1液体収容体16が収容する液体の初期の残量は、第2液体収容体18が収容する液体の初期の残量より多い。
第2装着部19は、複数の第2液体収容体18を装着可能とされる。第2装着部19は、複数の第2液体収容体18が一体で形成された一体型第2液体収容体28を装着可能に構成されることが好ましい。こうすると、それぞれ独立した複数の第2液体収容体18を装着可能な構成と比較して、第2装着部19の構成を簡易にできる。さらに、複数の第2液体収容体18を一体型第2液体収容体28としてまとめて交換できる。第2装着部19は複数設けられてもよい。この場合、複数の第2装着部19のそれぞれに第2液体収容体18が装着されるため、第2液体収容体18をそれぞれ個別に交換できる。
検出部21は、主走査方向Xにおいて支持台15と隣り合うように位置する。本実施形態の検出部21は、主走査方向Xにおいて、ホームポジションが位置する側とは反対側となる左端寄りに位置する。検出部21は、主走査方向Xに移動するキャリッジ25が検出部21の直上に位置する際に、第1液体収容体16に収容される液体の残量を検出する。検出部21は、支持台15に設けられてもよい。
本実施形態において、第1装着部17及び第2装着部19は、主走査方向Xに並ぶように位置する。第1装着部17は、主走査方向Xにおいて、ホームポジションが位置する側とは反対側に位置する。すなわち、第2装着部19は、主走査方向Xにおいて、ホームポジション寄りとなる位置に位置する。第1装着部17は、主走査方向Xにおいて、検出部21寄りとなる位置に位置する。こうすると、主走査方向Xにおいて第1装着部17に装着される第1液体収容体16と検出部21との距離が短くなるため、第1液体収容体16に収容される液体の残量を検出部21により素早く検出できる。
図2に示すように、ヘッド24は、複数のノズル13によって構成されるノズル列31を複数有する。本実施形態のノズル列31は、副走査方向Yにおいて複数のノズル13が1列に並ぶことによって構成される。複数のノズル列31は、ヘッド24において主走査方向Xに並ぶように位置する。複数のノズル列31は、第1装着部17及び第2装着部19に装着される第1液体収容体16及び第2液体収容体18にそれぞれ対応する。すなわち、第1液体収容体16及び第2液体収容体18に収容される液体は、予め定められた特定のノズル列31から吐出される。
1つの第2液体収容体18に対応するノズル13の数は、第1液体収容体16に対応するノズル13の数より少ないことが好ましい。こうすると、液体吐出部14が吐出する第1液体収容体16に収容される液体の吐出量より、液体吐出部14が吐出する第2液体収容体18に収容される液体の吐出量を少なくできる。すなわち、収容量が相対的に少ない第2液体収容体18に収容される液体の消費を抑制できる。これにより、長期にわたって印刷できる。
本実施形態のヘッド24は、5列のノズル列31を有する。ノズル列31を構成するノズル13の数はそれぞれ同一である。主走査方向Xに並ぶ5列のノズル列31のうち、第1装着部17寄りに位置する2列のノズル列31が第1液体収容体16と対応する。他の3列のノズル列31が3つの第2液体収容体18とそれぞれ対応する。第2液体収容体18は、例えばカラーのインクを収容する。3個の第2液体収容体18は、それぞれシアン、マゼンタ、イエローのインクを収容する。第1液体収容体16は、例えばブラックのインクを収容する。
キャリッジ25は、第1装着部17に装着される第1液体収容体16の一部を露出させる孔32を有する。孔32は、キャリッジ25の下面から第1装着部17に通じるように開口する。検出部21が第1液体収容体16に収容される液体の残量を検出する際、キャリッジ25は、孔32が検出部21と対向する位置に位置する。検出部21は、孔32を介して第1液体収容体16に収容される液体の残量を検出する。
図3に示すように、第1液体収容体16は、液体を収容する収容室33を有する。第2液体収容体18は、液体を収容する収容室34を有する。第1液体収容体16の収容室33の容積は、第2液体収容体18の収容室34の容積より大きい。第1液体収容体16は、収容室33に収容される液体の残量を検出部21により検出するためのプリズム35を有する。プリズム35は、第1液体収容体16が第1装着部17に装着された場合に、鉛直方向Zにおいて孔32と重なるように位置する。
プリズム35は、例えば三角プリズムである。プリズム35は、第1液体収容体16の下面の一部を構成する第1面36と、収容室33の内面の一部を構成する第2面37及び第3面38とを有する。第1面36は、主走査方向X及び副走査方向Yに広がりを有する面である。本実施形態の第1面36は水平に沿う面である。第2面37及び第3面38は、第1面36に対して傾斜する斜面とされる。収容室33に液体が十分に収容されている場合、第2面37及び第3面38は液体に接触する。
検出部21は、発光する発光部41と、受光する受光部42とを有する。発光部41及び受光部42は、主走査方向Xに並ぶように位置する。検出部21が液体の残量を検出する際、発光部41は、プリズム35に向けて発光する。発光部41が発した光は、孔32を通じてプリズム35に当たる。プリズム35に当たった光は、第1面36を通じてプリズム35内に入射する。プリズム35内に入射した光は、第2面37に当たる。このとき、収容室33に収容される液体の量によって、第2面37に当たった光の進行方向が異なる。
第2面37において光が当たる部分が液体と触れている場合、第2面37に当たる光は、図3において実線で示すように、第2面37において屈折し、収容室33内を進行する。収容室33に収容される液体の残量が十分である場合、第2面37に当たる光は、プリズム35の屈折率と収容室33内の液体の屈折率との差が小さいため、第2面37において屈折し、収容室33内を進行する。この結果、液体の残量が十分にある場合、発光部41が発する光の大部分は、プリズム35を透過する。そのため、液体の残量が十分である場合、受光部42が受光する受光量は小さい。
第2面37において光が当たる部分が液体と触れていない場合、第2面37に当たる光は、図3において2点鎖線で示すように、第2面37において反射し、プリズム35内を進行する。収容室33に収容される液体の残量が僅少である場合、第2面37に当たる光は、プリズム35の屈折率と収容室33内の空気の屈折率との差が大きいため、第2面37において反射し、プリズム35内を進行する。
第2面37において反射した光は、第3面38に当たる。第3面38に当たった光は、第3面38において光が当たる部分が液体と触れていないため、第3面38において反射して、プリズム35内を進行する。第3面38において反射した光は、受光部42によって受けられる。すなわち、収容室33に収容される液体の残量が僅少である場合、発光部41が発する光の大部分は、プリズム35に反射される。そのため、液体の残量が僅少である場合、受光部42が受光する受光量は大きい。このように、本実施形態の検出部21は、反射型の光学センサーである。検出部21は、透過型の光学センサーでもよい。
検出部21は、受光部42が受光する受光量を制御部22に出力する。制御部22は、受光部42が受光する受光量に基づき、第1液体収容体16に収容される液体の残量が閾値以上であるか否かを判定する。すなわち、第1液体収容体16は、検出部21により液体の残量を検出されるセンサータイプの液体収容体である。
制御部22は、受光部42が受光する受光量が所定値以下であるか否かを判定する。この所定値は、制御部22に記憶されていてもよいし、第1液体収容体16の記憶部27に記憶されていてもよい。制御部22は、受光量が所定値以下である場合、第1液体収容体16に収容される液体の残量が十分にあると判定する。すなわち、制御部22は、第1液体収容体16に収容される液体の残量が閾値以上であると判定する。
制御部22は、受光部42が受光する受光量が所定値を上回る場合、第1液体収容体16に収容される液体の残量が僅少であると判定する。すなわち、制御部22は、第1液体収容体16に収容される液体の残量が閾値を下回ると判定する。このようにして、本実施形態の検出部21は、受光部42が受光する受光量に基づき、第1液体収容体16が収容する液体の残量を間接的に検出する。閾値とは、継続して印刷するにあたって必要と見込まれる液体の量を指す。
制御部22は、第1液体収容体16に収容される液体の残量が閾値を下回る場合、その液体の残量が僅少であることを報知してもよい。この場合、制御部22は、例えば、液体吐出装置11が有する液晶画面、液体吐出装置11と電気的に接続されるコンピューターなどを介して報知する。
受光部42が受光する受光量と所定値との比較を検出部21が実行してもよい。例えば、検出部21は、受光量が所定値を下回る場合にハイレベルの信号を制御部22に出力し、受光量が所定値以上である場合にローレベルの信号を制御部22に出力するように構成されてもよい。
検出部21は、直接的に液体の残量を検出する構成でもよい。例えば、検出部21は、第1液体収容体16の重量に基づいて液体の残量を検出してもよい。検出部21は、電極を用いた静電容量方式のセンサーでもよいし、超音波式のセンサーでもよい。
制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の量を表す目安値と、液体吐出部14から吐出される液体の吐出量を表す目安値とに基づき、第2液体収容体18に収容される液体の残量を算出する。本明細書中において、第2液体収容体18に収容される液体の量を表す目安値を第1目安値、液体吐出部14から吐出される液体の吐出量を表す目安値を第2目安値と称する。
第1目安値は、第2液体収容体18の記憶部27に記憶されている。第1目安値は、第2液体収容体18が現在収容している液体の残量を表す。第2目安値は、制御部22により算出される。制御部22は、液体吐出部14の1回当たりの吐出量と吐出回数とを掛け合わせることによって、液体吐出部14から吐出される液体の吐出量を表す第2目安値を算出する。すなわち、第2目安値は、液体吐出部14が液体を吐出することによる液体の消費量を表す。液体吐出部14の1回当たりの吐出量は、制御部22に記憶されている。
制御部22は、液体吐出部14が液体を吐出する際、液体吐出部14の吐出回数をカウントする。制御部22は、カウントした吐出回数から第2目安値を算出する。制御部22は、第2液体収容体18の記憶部27から第1目安値を読み出す。制御部22は、第1目安値から第2目安値を減算し、第2液体収容体18に収容される液体の残量を算出する。制御部22は、算出した液体の残量を第1目安値として、第2液体収容体18の記憶部27に書き込む。本実施形態の制御部22は、液体吐出部14が液体を吐出する前に第2液体収容体18に収容されていた液体の残量から消費量を減算することによって、液体吐出部14が液体を吐出した後に第2液体収容体18に収容される液体の残量を算出する。制御部22は、液体吐出部14が液体を吐出するたびにこの動作を繰り返す。すなわち、第2液体収容体18は、制御部22により液体の残量を算出されるカウントタイプの液体収容体である。
制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量を算出した際に、その液体の残量が閾値以上であるか否かを判定する。この閾値は、第1液体収容体16の閾値と同じ値でもよいし異なる値でもよい。制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量が閾値を下回る場合に、その液体の残量が僅少であることを報知してもよい。
制御部22は、液体吐出部14が液体を吐出するたびに液体の消費量を積算することにより、第2液体収容体18に収容される液体の残量を算出してもよい。この場合、制御部22は、液体吐出部14が液体を吐出する際に、液体吐出部14の吐出回数を積算する。制御部22は、1回当たりの吐出量と積算した吐出回数とから第2目安値を算出する。制御部22は、第1目安値から第2目安値を減算することにより、第2液体収容体18に収容される液体の残量を算出する。
一般的に、液体吐出部14が実際に液体を吐出する際における1回当たりの吐出量には、ばらつきが生じる。そのため、制御部22が記憶する液体吐出部14の1回当たりの吐出量と、液体吐出部14が実際に吐出する1回当たりの吐出量との間にずれが生じる。これにより、制御部22が算出した液体の残量と、実際の液体の残量との間でずれが生じ易い。すなわち、カウントタイプの液体収容体においては、算出した液体の残量に誤差が生じ易い。算出した液体の残量の誤差は、その液体を吐出する液体吐出部14の吐出回数が多いほど大きくなる。センサータイプの液体収容体においては、検出部21により液体の残量を精度よく把握できる反面、液体の残量を把握するために要する構成が複雑になる。
液体収容体において収容可能な液体の収容量が多いほど、液体吐出部14がその液体を継続して吐出可能な吐出回数が多くなる。すなわち、収容可能な液体の収容量が少ない液体収容体をカウントタイプとすると、算出される液体の残量の誤差が小さくなる。そのため、第1装着部17は、収容可能な液体の収容量が相対的に多いセンサータイプの液体収容体である第1液体収容体16が装着可能に構成される。第2装着部19は、収容可能な液体の収容量が相対的に少ないカウントタイプの液体収容体である第2液体収容体18が装着可能に構成される。こうすると、第1液体収容体16及び第2液体収容体18の両者がセンサータイプである場合よりも、簡易な構成で液体の残量を把握できる。第1液体収容体16及び第2液体収容体18の両者がカウントタイプである場合よりも、液体の残量を精度よく把握できる。すなわち、簡易な構成で液体の残量の誤差を抑制できる。
制御部22は、複数の第2液体収容体18にそれぞれ収容されるすべての液体が閾値を下回るまで液体吐出部14による印刷を継続可能とすることが好ましい。複数の第2液体収容体18が一体型第2液体収容体28として構成される場合、それぞれ個別に交換することができない。例えばシアンのインクが十分に残っているにもかかわらずマゼンタのインクが僅少となったために一体型第2液体収容体28を交換すると、十分に残っているシアンのインクを廃棄することになる。そのため、第2液体収容体18を交換する際に液体の無駄が生じ易い。この点、複数の第2液体収容体18にそれぞれ収容されるすべての液体が閾値を下回るまで液体吐出部14による印刷を継続可能とすることにより、第2液体収容体18を交換する際の液体の無駄を低減できる。
制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量が閾値を下回る場合に、第2液体収容体18に対応するノズル13からの液体の吐出の代わりに第1液体収容体16に対応するノズル13から液体を吐出する単色モードを実行可能な状態にすることが好ましい。すなわち、単色モードとは、カラーのインクの代わりにブラックのインクを吐出することによって画像を印刷するモードである。この場合、印刷される画像はモノクロとなる。こうすると、第2液体収容体18を交換することなく長期にわたって印刷できる。本実施形態の液体吐出装置11は、単色モードと通常モードとを有する。通常モードとは、フルカラーで印刷可能なモードである。
制御部22は、第1液体収容体16に収容された液体の量を表す目安値と、液体吐出部14から吐出される液体の吐出量を表す目安値とに基づき、第1液体収容体16に収容された液体の残量を算出可能であることが好ましい。すなわち、制御部22は、第2液体収容体18と同様に、第1液体収容体16が収容する液体の残量を算出してもよい。
制御部22は、算出した第1液体収容体16に収容される液体の残量と、検出部21によって検出された第1液体収容体16に収容された液体の残量とを比較し、その比較に基づいて第2液体収容体18に収容された液体の残量の算出結果を補正することが好ましい。検出部21によって検出した液体の残量と、制御部22によって算出した液体の残量とを比較すると、2つの値にずれが生じることがある。その理由は、液体吐出部14が実際に吐出する1回当たりの吐出量には、ばらつきがあるためである。
液体吐出部14が吐出する1回当たりの吐出量は、ヘッド24の個体差によってもばらつく。そのため、第1液体収容体16が収容する液体を吐出するノズル13の1回当たりの吐出量のばらつきと、第2液体収容体18が収容する液体を吐出するノズル13の1回当たりの吐出量のばらつきとの間には、相関がある。
制御部22によって算出した第1液体収容体16に収容される液体の残量と、検出部21によって検出された第1液体収容体16に収容された液体の残量とを比較すると、その比較結果として、制御部22が記憶する液体吐出部14の1回当たりの吐出量と、実際の液体吐出部14の1回当たりの吐出量とのずれを算出できる。制御部22によって算出された算出結果である第2液体収容体18が収容する液体の残量を、比較結果である吐出量のずれに基づいて補正することにより、第2液体収容体18が収容する液体の残量の誤差を低減できる。
第1液体収容体16及び第2液体収容体18は、ヘッド24内を負圧にするための負圧発生機構を有する。負圧発生機構によりヘッド24内を負圧にすることによって、ノズル13における気液界面にメニスカスを形成できる。メニスカスが形成されることによって、ノズル13から液体を好適に吐出できる。
第1液体収容体16は、負圧発生機構として差圧弁44を有する。差圧弁44は、第1液体収容体16において、収容室33からヘッド24に向けて延びる流路の途中に位置する。差圧弁44は、差圧弁44より上流側の流路の圧力と、差圧弁44より下流側の流路の圧力との差に基づいて開閉する。差圧弁44より上流側の流路は、収容室33に繋がる。差圧弁44より下流側の流路は、ヘッド24に繋がる。差圧弁44より上流側の流路の圧力は、差圧弁44より下流側の圧力より大きい。差圧弁44が開くと、収容室33に収容される液体がヘッド24に供給される。
差圧弁44は、ヘッド24内が所定の負圧となる状態で閉じるように構成されている。差圧弁44は、ヘッド24内の負圧が所定以上に大きくなった場合に開く。ヘッド24がノズル13から液体を吐出すると、ヘッド24内の負圧が大きくなる。すなわち、差圧弁44より下流側の流路の負圧が大きくなる。これにより、差圧弁44が開く。差圧弁44が開くことによりヘッド24内に液体が供給されると、ヘッド24内の負圧が小さくなる。ヘッド24内の負圧が小さくなると、差圧弁44が閉じる。このように、差圧弁44は、ヘッド24内の圧力を調整しながら、収容室33からヘッド24に向けて液体を供給する。
差圧弁44は、例えば大気圧と差圧弁44より下流側の流路の圧力との差に基づいて開閉するように構成されてもよい。第1液体収容体16の負圧発生機構として、収容室33内が所定の負圧となる状態で閉じるように構成される弁を採用してもよい。この場合、収容室33が所定の負圧となることによって、収容室33と繋がるヘッド24内も所定の負圧となる。この弁は、ヘッド24内の負圧が大きくなると、収容室33に空気を流入させる。これにより、ヘッド24内の圧力が調整される。
第2液体収容体18は、負圧発生機構として多孔部材45を有する。多孔部材45は、細孔が複数設けられた部材のことである。本実施形態の多孔部材45は、例えば不織布である。多孔部材45は、収容室34に位置する。多孔部材45は、収容室34において液体を吸収する。多孔部材45の吸収力により、収容室34が所定の負圧となる。収容室34が所定の負圧となることによって、収容室34と繋がるヘッド24内も所定の負圧となる。すなわち、第2装着部19は、液体を収容する収容室34に多孔部材45を有する第2液体収容体18を装着可能に構成される。
多孔部材45は、液体を保持できる機能を有していればよく、不織布以外に例えばウレタンフォームのような発泡部材でもよい。多孔部材45は、ポリプロピレン、ポリエチレンのような合成樹脂及びパルプなどを繊維状にし、それを束にした繊維部材でもよい。負圧発生機構として多孔部材45を採用する場合、差圧弁44を設けるよりも液体収容体の構成を簡易にできる。負圧発生機構として差圧弁44を採用する場合、多孔部材45を有しないため、顔料インクを収容できる。多孔部材45を有する液体収容体においては、顔料インクの顔料成分が多孔部材45内に沈降するため、顔料インクを収容することは好ましくない。
多孔部材45を有する第2液体収容体18においては、ヘッド24内の負圧が所定以上となると、多孔部材45に保持された液体がヘッド24に向けて吸引される。第2液体収容体18において、液体吐出部14が多量の液体を吐出することによりヘッド24内の負圧が急激に大きくなると、多孔部材45からヘッド24に向けて液体が勢いよく吸引される。この場合、液体は、多孔部材45において吸引され易い領域から流れ出るため、多孔部材45から均一に吸引されない。そのため、収容室34内の液体の残量が少ないと、液体とともに収容室34内の空気がヘッド24に供給されることがある。
制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量が少なくなるにしたがい、液体吐出部14が単位時間当たりに吐出する液体の吐出量を少なくすることが好ましい。こうすると、ヘッド24内の急激な負圧の増大を抑制でき、第2液体収容体18から液体が勢いよく吸引されるおそれが低減される。そのため、収容室34からヘッド24に空気が供給されることを抑制できる。液体吐出部14が単位時間当たりに吐出する液体の吐出量は、例えば、印刷時に媒体99に対するキャリッジ25の走査回数を増やしたり、キャリッジ25の移動速度を遅くしたりすることによって少なくできる。
第1液体収容体16及び第2液体収容体18は、負圧発生機構を有しなくともよい。この場合、収容室33内の液面の高さ及び収容室34内の液面の高さが、ヘッド24においてノズル13が形成される面の高さより低い位置となるように第1液体収容体16及び第2液体収容体18を配置する。こうすると、水頭差によって、ヘッド24内が所定の負圧となる。
次に、液体吐出装置11の動作について説明する。
液体吐出装置11は、例えば、画像の印刷中、印刷の終了後、電源を投入された直後などのタイミングで、第2液体収容体18に収容される液体の残量の多寡を判定する残量判定処理を実行する。この残量判定処理を実行する際、第1液体収容体16に収容される液体の残量の多寡を判定してもよい。
図4に示すように、残量判定処理を実行する制御部22は、ステップS11において、検出部21により、第1液体収容体16に収容される液体の残量を検出する。制御部22は、ステップS12において、目安値に基づいて、第1液体収容体16に収容される液体の残量を算出する。制御部22は、ステップS13において、ステップS11において検出した検出結果である液体の残量と、ステップS12において算出した算出結果である液体の残量とを比較する。検出結果と算出結果とのずれに基づき、液体吐出部14の1回当たりの吐出量のずれを算出できる。
制御部22は、ステップS14において、目安値に基づいて第2液体収容体18に収容される液体の残量を算出する。制御部22は、ステップS15において、ステップS14において算出した第2液体収容体18が収容する液体の残量を、ステップS13において比較した比較結果に基づいて補正する。このとき、制御部22は、液体吐出部14の1回当たりの吐出量を補正する。制御部22は、ステップS16において、補正した第2液体収容体18が収容する液体の残量に基づいて、液体吐出部14が単位時間あたりに吐出する液体の吐出量を変更する。すなわち、補正した液体の残量が少ない場合は、液体吐出部14が単位時間あたりに吐出する液体の吐出量を少なくする。
制御部22は、ステップS17において、第2液体収容体18に収容される液体の残量は閾値を下回るか否かを判定する。このとき、制御部22は、ステップS15において補正した液体の残量と、閾値とを比較する。制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量が閾値を下回る場合、ステップS18に処理を移行する。制御部22は、ステップS17において、複数の第2液体収容体18にそれぞれ収容されるすべての液体のうち、残量が閾値を下回る液体が1種類でもあると、ステップS18に処理を移行する。制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量が閾値以上である場合、残量判定処理を終了する。
制御部22は、ステップS18において、複数の第2液体収容体18にそれぞれ収容されるすべての液体の残量が閾値を下回るか否かを判定する。制御部22は、第2液体収容体18に収容されるすべての液体の残量が閾値を下回る場合に、ステップS19に処理を移行する。制御部22は、複数の第2液体収容体18にそれぞれ収容されるすべての液体のうち、残量が閾値以上となる液体が1種類でもある場合に、ステップS21に処理を移行する。
制御部22は、ステップS19において、液体の残量が閾値を下回る第2液体収容体18が交換されるまで待機する。このとき、制御部22は、第2液体収容体18の交換をユーザーに報知する。制御部22は、第2液体収容体18が交換されると、残量判定処理を終了する。
制御部22は、ステップS21において、液体吐出装置11の状態を単色モードに変更するか否かをユーザーに選択させる。このとき、制御部22は、単色モードが選択可能であることを報知する。制御部22は、単色モードが選択された場合、液体吐出装置11の状態を単色モードに切り替えた後、残量判定処理を終了する。制御部22は、単色モードが選択されない場合、液体吐出装置11の状態を通常モードにしたまま、残量判定処理を終了する。
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)液体収容体に収容される液体の量を表す目安値と、液体吐出部14から吐出される液体の吐出量を表す目安値とに基づき、その液体収容体に収容される液体の残量を算出する場合、液体収容体が収容可能な液体の収容量が多いほど、算出した液体の残量と実際の液体の残量との誤差が大きくなる。上記実施形態によれば、収容可能な液体の収容量が相対的に多い第1液体収容体16に収容される液体の残量を、検出部21が検出する。第1液体収容体16においては、検出部21により液体の残量を精度よく把握できる。上記実施形態によれば、収容可能な液体の収容量が相対的に少ない第2液体収容体18に収容される液体の残量を、第2液体収容体18に収容される液体の量を表す目安値と液体吐出部14から吐出される液体の吐出量を表す目安値とに基づき、制御部22が算出する。第2液体収容体18においては、収容可能な液体の収容量が相対的に少ないため、算出した液体の残量と実際の液体の残量とのずれが小さい。第2液体収容体18の液体の残量を制御部22が算出する場合、第2液体収容体18が収容する液体の残量を検出部21が検出する場合と比較して、構成を簡易にできる。したがって、簡易な構成で液体の残量の誤差を低減できる。
(2)第2装着部19は、複数の第2液体収容体18が一体で形成された一体型第2液体収容体28を装着可能に構成される。この場合、第2液体収容体18が装着される第2装着部19の構成を簡易にできる。
(3)制御部22は、複数の第2液体収容体18にそれぞれ収容されるすべての液体の残量が閾値を下回るまで液体吐出部14による印刷を継続可能とする。本実施形態において、第2装着部19に装着される第2液体収容体18は、複数の第2液体収容体18が一体で形成された一体型第2液体収容体28とされている。そのため、第2液体収容体18を交換する際には、それぞれまとめて交換される。このとき、複数の第2液体収容体18において、一の第2液体収容体18が収容する液体の残量が少なく、他の第2液体収容体18が収容する液体の残量が多い場合など、液体の残量に偏りがあると、第2液体収容体18を交換する際に液体の無駄が生じ易い。
上記実施形態によれば、複数の前記第2液体収容体18にそれぞれ収容されるすべての液体の残量が閾値を下回るまで液体吐出部14による印刷を継続可能であるため、第2液体収容体18を交換する際の液体の無駄を低減できる。
(4)第2装着部19が複数設けられる場合、複数の第2装着部19にそれぞれ装着される複数の第2液体収容体18を個別に交換できる。
(5)第2装着部19は、液体を収容する収容室34に多孔部材45を有する第2液体収容体18を装着可能に構成される。上記実施形態によれば、多孔部材45が液体を吸収するため、収容室34内に液体を保持できる。
(6)制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量が少なくなるにしたがい、液体吐出部14が単位時間当たりに吐出する液体の吐出量を少なくする。液体吐出装置11において、液体吐出部14が単位時間当たりに吐出する液体の吐出量が多い場合、多孔部材45を有する第2液体収容体18の収容室34から勢いよく液体が吸引される。このとき、第2液体収容体18が収容する液体の残量が少ないと、第2液体収容体18から空気が液体吐出部14に供給されることがある。この点、上記実施形態によれば、第2液体収容体18に収容される液体の残量が少なくなるにしたがい、液体吐出部14が単位時間当たりに吐出する液体の吐出量を少なくするため、液体吐出部14に空気が供給されるおそれを低減できる。
(7)1つの第2液体収容体18に対応するノズル13の数は、第1液体収容体16に対応するノズル13の数より少ない。これにより、収容量が相対的に少ない第2液体収容体18に収容される液体の吐出量を低減できるため、長期にわたって印刷できる。
(8)制御部22は、第2液体収容体18に収容される液体の残量が閾値を下回る場合に、第2液体収容体18に対応するノズル13からの液体の吐出の代わりに第1液体収容体16に対応するノズル13から液体を吐出する単色モードを実行可能な状態にする。これにより、第2液体収容体18が収容する残量の少なくなった液体に代えて、第1液体収容体16が収容する液体を代用するため、長期にわたって印刷できる。
(9)制御部22は、算出した第1液体収容体16に収容される液体の残量と、検出部21により検出した第1液体収容体16に収容された液体の残量とを比較し、その比較に基づいて第2液体収容体18に収容された液体の残量の算出結果を補正する。これにより、第2液体収容体18に収容される液体の残量の誤差を低減できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・液体吐出装置11における第1装着部17及び第2装着部19の配置は、変更してもよい。
図5に示すように、第1装着部17及び第2装着部19は、キャリッジ25において副走査方向Yに並ぶように位置してもよい。この変更例において、第1装着部17に装着される第1液体収容体16及び第2装着部19に装着される第2液体収容体18は、副走査方向Yに並ぶように位置する。第1装着部17に装着される第1液体収容体16は、キャリッジ25において、検出部21により液体の残量を検出可能となる位置に位置する。
図6に示すように、第1装着部17及び第2装着部19は、キャリッジ25において主走査方向Xに並ぶように位置してもよい。この変更例において、第1装着部17は、主走査方向Xにおいて第2装着部19よりも検出部21寄りに位置する。第2装着部19に装着される3つの第2液体収容体18は、キャリッジ25において、そのうち2つが主走査方向Xに並ぶように位置し、主走査方向Xに並ぶ2つと残る1つとが副走査方向Yに並ぶように位置する。第1装着部17に装着される第1液体収容体16は、キャリッジ25において、検出部21により液体の残量を検出可能となる位置に位置する。
・第1装着部17には、負圧発生機構としての多孔部材45を有する第1液体収容体16が装着されてもよい。
・第2装着部19には、負圧発生機構としての差圧弁44を有する第2液体収容体18が装着されてもよい。
・制御部22が液体の残量を算出する際、印刷に伴う液体の吐出量だけでなく、ヘッド24のクリーニングに伴う液体の吐出量、ノズル13の詰まりを抑制するためのフラッシングに伴う液体の吐出量などを加味してもよい。クリーニングとは、例えばヘッド24内を加圧又はヘッド24内を吸引することによって、ヘッド24から強制的に液体を吐出させる動作のことである。これにより、増粘又は固化した液体をヘッド24から排出できる。フラッシングとは、ノズル13における液体の増粘及び固化を抑制するために、印刷と関係のない液体を吐出する動作のことである。
・液体吐出部14は、ヘッド24が主走査方向Xに移動可能なシリアルタイプに限らず、ヘッド24が主走査方向Xに長尺となるラインタイプでもよい。
・ヘッド24が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、ヘッド24が液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材または色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射してもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
[思想1]
複数のノズルから媒体に液体を吐出することで印刷する液体吐出部と、
前記液体を収容する第1液体収容体を装着可能な第1装着部と、
前記第1液体収容体が収容可能な前記液体の収容量より、収容可能な前記液体の収容量が少ない第2液体収容体を装着可能な第2装着部と、
前記第1装着部に装着された前記第1液体収容体に収容される前記液体の残量を検出する検出部と、
前記第2液体収容体に収容される前記液体の量を表す目安値と、前記液体吐出部から吐出される前記液体の吐出量を表す目安値とに基づき、前記第2液体収容体に収容される前記液体の残量を算出する制御部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
液体収容体に収容される液体の量を表す目安値と、液体吐出部から吐出される液体の吐出量を表す目安値とに基づき、その液体収容体に収容される液体の残量を算出する場合、液体収容体が収容可能な液体の収容量が多いほど、算出した液体の残量と実際の液体の残量との誤差が大きくなる。
上記構成によれば、収容可能な液体の収容量が相対的に多い第1液体収容体に収容される液体の残量を、検出部が検出する。第1液体収容体においては、検出部により液体の残量を精度よく把握できる。上記構成によれば、収容可能な液体の収容量が相対的に少ない第2液体収容体に収容される液体の残量を、第2液体収容体に収容される液体の量を表す目安値と液体吐出部から吐出される液体の吐出量を表す目安値とに基づき、制御部が算出する。第2液体収容体においては、収容可能な液体の収容量が相対的に少ないため、算出した液体の残量と実際の液体の残量とのずれが小さい。第2液体収容体の液体の残量を制御部が算出する場合、第2液体収容体が収容する液体の残量を検出部が検出する場合と比較して、構成を簡易にできる。したがって、簡易な構成で液体の残量の誤差を低減できる。
[思想2]
前記第2装着部は、複数の前記第2液体収容体が一体で形成された一体型第2液体収容体を装着可能に構成されることを特徴とする[思想1]に記載の液体吐出装置。
この構成によれば、第2液体収容体が装着される第2装着部の構成を簡易にできる。
[思想3]
前記制御部は、複数の前記第2液体収容体にそれぞれ収容される前記液体の残量が閾値を下回るまで前記液体吐出部による印刷を継続可能とすることを特徴とする[思想2]に記載の液体吐出装置。
第2装着部に装着される第2液体収容体は、複数の第2液体収容体が一体で形成された一体型第2液体収容体とされている。そのため、第2液体収容体を交換する際には、それぞれまとめて交換される。このとき、複数の第2液体収容体において、一の第2液体収容体が収容する液体の残量が少なく、他の第2液体収容体が収容する液体の残量多い場合など、液体の残量に偏りがあると、第2液体収容体を交換する際に液体の無駄が生じ易い。
上記構成によれば、複数の前記第2液体収容体にそれぞれ収容されるすべての前記液体の残量が閾値を下回るまで前記液体吐出部による印刷を継続可能であるため、第2液体収容体を交換する際の液体の無駄を低減できる。
[思想4]
前記第2装着部は複数設けられることを特徴とする[思想1]に記載の液体吐出装置。
この構成によれば、複数の第2装着部にそれぞれ装着される複数の第2液体収容体を個別に交換できる。
[思想5]
前記第2装着部は、前記液体を収容する収容室に多孔部材を有する前記第2液体収容体を装着可能に構成されることを特徴とする[思想4]に記載の液体吐出装置。
この構成によれば、多孔部材が液体を吸収するため、収容室内に液体を保持できる。
[思想6]
前記制御部は、前記第2液体収容体に収容される前記液体の残量が少なくなるにしたがい、前記液体吐出部が単位時間当たりに吐出する前記液体の吐出量を少なくすることを特徴とする[思想5]に記載の液体吐出装置。
液体吐出部の吐出量が多い場合、多孔部材を有する第2液体収容体の収容室から勢いよく液体が吸引される。このとき、第2液体収容体が収容する液体の残量が少ないと、第2液体収容体から空気が液体吐出部に供給されることがある。この点、上記構成によれば、第2液体収容体に収容される液体の残量が少なくなるにしたがい、液体吐出部の吐出量を少なくするため、液体吐出部に空気が供給されるおそれを低減できる。
[思想7]
1つの前記第2液体収容体に対応する前記ノズルの数は、前記第1液体収容体に対応する前記ノズルの数より少ないことを特徴とする[思想1]から[思想6]の何れか1つに記載の液体吐出装置。
この構成によれば、収容量が相対的に少ない第2液体収容体に収容される液体の吐出量を低減できるため、長期にわたって印刷できる。
[思想8]
前記制御部は、前記第2液体収容体に収容される前記液体の残量が閾値を下回る場合に、前記第2液体収容体に対応する前記ノズルからの前記液体の吐出の代わりに前記第1液体収容体に対応する前記ノズルから前記液体を吐出する単色モードを実行可能な状態にすることを特徴とする[思想1]から[思想7]の何れか1つに記載の液体吐出装置。
この構成によれば、第2液体収容体が収容する残量の少なくなった液体に代えて第1液体収容体が収容する液体を代用するため、第2液体収容体を交換することなく長期にわたって印刷できる。
[思想9]
前記制御部は、前記第1液体収容体に収容された前記液体の量を表す目安値と、前記液体吐出部から吐出される前記液体の吐出量を表す目安値とに基づき、前記第1液体収容体に収容された前記液体の残量を算出可能であり、
算出した前記第1液体収容体に収容される前記液体の残量と、前記検出部により検出した前記第1液体収容体に収容された前記液体の残量とを比較し、その比較に基づいて前記第2液体収容体に収容された前記液体の残量の算出結果を補正することを特徴とする[思想1]から[思想8]の何れか1つに記載の液体吐出装置。
この構成によれば、第2液体収容体に収容される液体の残量の誤差を低減できる。