JPH0797394A - 薬理活性を有するアクチノプラネスsp.由来のリポペプチド、その生産方法およびその使用 - Google Patents
薬理活性を有するアクチノプラネスsp.由来のリポペプチド、その生産方法およびその使用Info
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Abstract
れそして培地中に放出される極めて相同のアミノ酸配列
ではあるが異なる脂肪酸残基(脂質部分)を有するリポ
ペプチド、それらリポペプチドを培地から単離しそして
それらを精製する方法、それらリポペプチドの、特にグ
ラム−陽性細菌に対する、薬理活性物質としての使用、
および前記リポペプチドを生産するためのアクチノプラ
ネスsp. DSM7358に関する。 【構成】 このリポペプチドは次の式 【化1】 (式中、R1はC6〜C22の脂肪酸などを、R2はAsp
又はAsnを意味する)で示される。
Description
es)sp.により発酵中に合成されそして培地中に放出さ
れる、極めて相同のアミノ酸配列ではあるが異なる脂肪
酸残基(脂質部分)を有するリポペプチド、それらリポ
ペプチドを培地から単離しそしてそれらを精製する方
法、それらリポペプチドの、特にグラム−陽性細菌に対
する、薬理活性物質としての使用、および前記リポペプ
チドを生産するためのアクチノプラネスsp. DSM73
58に関する。
にうまく用いられている。二次代謝産物は低分子量化合
物であって、その生産は一次代謝から分岐した「生合成
一方通行道路(biosynthetic one-way streets)」で行
われ、またその特定の生産体に対する機能は明確となっ
ていない。今日までに、各種微生物(特にストレプトマ
イセス(Streptomyces属の細菌および真菌)の培養物か
ら単離された約8000の二次代謝産物が知られてい
る。
染症の治療である。しかしながら、広く使用されている
ことから、耐性がしばしば発生するため、新しい作用機
序を有する新しい抗生物質および活性物質が絶えず必要
とされている(Neu H.C., Science 257, 1992, pp. 106
4-1073)。
は、感染症には包含されない疾病(例えば腫瘍治療、免
疫調整または脂質代謝調節)および収穫物防護(除草剤
および殺虫剤)にも及んでいる。しかしながら、使用さ
れる活性物質は、依然としてしばしば、不十分な効果水
準、過度の毒性および/または望ましくない副作用によ
り特徴付けられる欠点を伴っている。
と、配列上同一であるか、またはアミノ酸組成上同じか
極めて類似しているリポペプチドは文献に記載されてい
る。しかしながら、これらのリポペプチドは脂質部分に
おいて本発明のリポペプチドとは基本的に相違してい
る。
る: −アンホマイシン(Amphomycin)抗生物質。〔J. Antib
iotics, 38, p. 517(1965)〕; −グルママイシン(Glumamycin)〔J. Antibiotics, 3
8, p. 517(1965)〕; −ザオマイシン(Zaomycin)〔J. Antibiot. Ann., p.
194(1960)〕; −アスパルトシン(Aspartocin)〔Antibiot. Ann., 19
4(1960)〕; −ツシマイシン(Tsushimycin)〔J. Antibiotics, 21,
p. 439(1968)〕; −ラスパルトマイシン(Laspartomycin)〔J. Antibiot
ics 21, p. 55(1968)〕。
リポペプチドと呼ばれ、ストレプトマイセス属の微生物
によって合成される。それらはグラム−陽性細菌例えば
連鎖球菌、ブドウ球菌およびエンテロコッカスなどに対
して抗生物活性を示す。近時、とりわけブドウ球菌およ
びエンテロコッカス属がますます問題となる生物である
ことがわかってきた。当業者によれば問題となる生物と
は従来の抗生物質(例えばβ−ラクタム抗生物質または
グリコペプチド抗生物質例えばバンコマイシン(vancom
ycin)またはテイコプラニン(teikoplanin))に対する
耐性のために現在のところ効率的にコントロールできな
い微生物のことと理解されている。
MRSA株と略記されるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌
株が挙げられる。現在、これらMRSA株がしばしばメ
チシリンだけでなく他の抗生物質(例えばバンコマイシ
ン)に対しても耐性を生じることが知られている。
別に、その作用スペクトルおよび記載された物理化学的
性質から、本発明のリポペプチドと構造類似しそして化
学的41.012と称されるアクチノプラネス・ニッポ
ンエンシス(Actinoplanes nipponesis)ATTCC 3
1145由来の化合物が知られている(米国特許第4,
000,397号)。アクチノプラネス・ニッポンエン
シスATTCC 31145を様々な培養条件下で発酵
させても常に比較的低い収量でしか化合物41.012
は得られない。
生物由来天然物質を探索することにある。この目的は、
本発明に従って、アクチノプラネスsp.を炭素源および
窒素源のほか慣用の無機塩を含む栄養溶液中で発酵させ
てリポペプチド、好ましくはリポペプチドA1437、
を培地中に蓄積させ、次いでその培地からリポペプチド
を単離しそして適切な場合には、混合物を個別成分に分
離することにより達成される。それらリポペプチドは薬
理活性、従って治療効能を有し、そしてグラム−陽性細
菌、好ましくはグリコリポペプチド−耐性株、に対して
作用する抗生物質として用いることができる。
ある: 1.アクチノプラネスsp.を培地中で発酵させて式I
はそれとは無関係に分枝状のまたは非分枝状の、6〜2
2個の炭素原子の鎖長を有する脂肪酸またはヒドロキシ
脂肪酸であり、そしてR2はAspまたはAsnであ
る)で示される一種またはそれ以上のリポペプチドを培
地中に蓄積させ、そして適切な場合には式Iで示される
一種またはそれ以上のリポペプチドを培地から精製して
得られるリポペプチド(ただし、式IにおいてR1が
く)。
させて a) iC13-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 b) iC14-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 c) iC13-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 d) iC14-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 e) aiC13-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly
-Dab-Val-Pro、 f) aiC15-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly
-Dab-Val-Pro、 g) aiC15-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly
-Dab-Val-Pro、 h) nC12-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 i) nC13-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 j) nC14-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro なる群の一種またはそれ以上のリポペプチドを培地中に
蓄積させ、そして適切な場合には、これらリポペプチド
の一種またはそれ以上を培地から精製して得られるリポ
ペプチド。
させて一種またはそれ以上のリポペプチドを培地中に蓄
積させ、そして適切な場合には一種またはそれ以上のリ
ポペプチドを培地から精製することより成る、1.に記
載の式Iで示される一種またはそれ以上のリポペプチ
ド、2.に記載の一種またはそれ以上のリポペプチド、
または3.に記載の式IIで示される一種またはそれ以上
のリポペプチドの製造方法。
活性物質としての、特に、グラム−陽性細菌に対する、
特に好ましくはグリコペプチド−耐性細菌に対する抗生
物質としての使用。
プチドの、薬理活性物質としての、特に、グラム−陽性
細菌に対する、特に好ましくはグリコペプチド−耐性細
菌に対する抗生物質としての使用。 7.アクチノプラネスsp. DSM7358。
述する。本発明は更に特許請求の範囲により規定され
る。 用語の定義: −Dabは2,3−ジアミノ酪酸を意味し; −Pipはピペコリン酸(同義語=ホモプロリン)を意
味し; −MeAspはβ−メチルアスパルテートを意味し; −Glyはグリシンを意味し; −Asnはアスパラギンを意味し; −Aspはアスパラギン酸を意味し; −Valはバリンを意味し; −Proはプロリンを意味し; −nはノーマル/非分枝状を意味し、そして −CIDは動的崩壊(collisional induced decay)を
意味する。
また「ai」は「アンテ−イソ(ante-iso)」を意味す
る。これらの定義は脂肪酸に関連して当業者に知られて
いる(Biochemistry, Zubay, Addison Weslay発行、ロ
ンドン、アムステルダム、1983年)。特に断りのな
い限り、すべての百分率データは重量に関するものであ
る。特に断りのない限り、液体の混合比は容量に関する
ものである。本発明による方法は実験室規模(ミリリッ
トル〜リットル範囲)および工業規模(立方メートル規
模)の発酵に用いることができる。
される。土壌からの精製には、土壌を生理学的NaCl
溶液(0.9%)を用いて懸濁し連続希釈液を調製す
る。それら各種希釈液(100〜106)を次いでアクチ
ノマイセス栄養培地上にプレートする。培養物を30℃
で2〜14日間インキュベートして得られるアクチノマ
イセスコロニーはプレートし、そして複数の逐次精製工
程により単離することができる。属は当業者に知られた
形態学的および分類学的基準に基づいて決定される。ア
クチノプラネス属に特に特徴的なのは運動性胞子であ
る。
ネスsp.から、本発明によるリポペプチドの一種または
それ以上の化合物、好ましくはリポペプチドA1437
A、B、C、D、E、F、G、H、K、Lおよび/また
はMを培地に極めて効率的に放出し、そして主生産体と
称されるコロニーを単離することができる。
の一種またはそれ以上の化合物を、同じアクチノプラネ
ススピーシーズの単離物の場合の10〜100倍の量で
生産しあるいは培地中に放出する単離物に付与される名
称である。
を増殖させる。単離物はDeutsche Sammlung von Mikroo
rganismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1
B, 3300 Braunschweig, ドイツに1990年6月18日
にブタペスト条約規則に従って次の番号の下に寄託され
た: アクチノプラネスsp. DSM7358。アクチノプラネ
スsp. DSM7358は橙色菌糸体を有し、また球形胞
子嚢により特徴付けられる。
含む栄養溶液(培地ともいう)中で、アクチノプラネス
sp.、好ましくはDSM7358、は本発明によるリポ
ペプチドの一種またはそれ以上の化合物を生産する。
ペプチドの一種またはそれ以上の化合物を合成するその
突然変異体(mutant)および変種(variant)を使用す
ることもできる。このタイプの突然変異体は自体知られ
た方法で、物理的手段例えば照射例えば紫外またはX線
照射、または化学変異原物質例えばエチルメタンスルホ
ネート(EMS)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン(MOB)またはN−メチル−N′−ニトロ
−N−ニトロソグアニジン(MNNG)により生成され
得る。
上の化合物を合成する突然変異体および変種のスクリー
ニングは次のスキームに従って行われる: −発酵後、菌糸体を除去する; −pH1〜2(4℃)でリポペプチドを沈殿させる; −その沈殿をH2O/MeOH(1:1)にとる; −HPLC、TLCまたは阻止ゾーン試験により分析す
る。 後述する発酵条件はアクチノプラネスsp.、寄託した単
離物DSM7358およびこれらの突然変異体および変
種に適合する。
機塩を含む栄養溶液中で、アクチノプラネスsp.、好ま
しくはDSM7358、は本発明のリポペプチドの一種
またはそれ以上の化合物、好ましくはリポペプチドA1
437A〜HおよびK、LおよびMを生産する。
能な炭水化物および糖アルコール例えばグルコース、ラ
クトースまたはD−マンニトール、および炭水化物含有
天然物例えば麦芽エキスなどである。適当な含窒素栄養
素は次のとおりである:アミノ酸、ペプチドおよびタン
パク質およびそれらの分解物例えばペプトンまたはトリ
プトン、更には肉エキス、例えばコーン、小麦、豆(be
ans)、大豆または綿の木の種子粉砕物、アルコール生
産で得られる蒸留残渣、肉粉または酵母エキス、または
アンモニウム塩および硝酸塩など。栄養溶液が含み得る
無機塩は、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属、鉄、亜鉛、コバルトおよびマンガンの塩化物、炭酸
塩、硫酸塩または燐酸塩である。
0.1〜5%、好ましくは0.3〜2%の肉エキスおよび
0.2〜5%、好ましくは0.5〜2%のスクロースおよ
び0.05〜5g/リットル、好ましくは0.1〜0.5
g/リットルの酵母エキスおよび0.05〜2g/リッ
トル、好ましくは0.1〜1g/リットルの硫酸マグネ
シウムおよび0.05〜10g/リットル、好ましくは
0.1〜1g/リットルの燐酸二水素カリウムまたはナ
トリウムおよび0〜100μM、好ましくは5〜20μ
Mの塩化鉄(III)を含有する栄養溶液中で特に良好に
行われる。百分率データは各々、完全な栄養溶液の重量
に基づく。
p.、好ましくはアクチノプラネスDSM7358、は本
発明のリポペプチドの混合物を生産する。その混合物
は、好ましくは、11種の異なる検出可能なリポペプチ
ドより成る。これらのリポペプチドをA、B、C、D、
E、F、G、H、K、LおよびMと呼ぶ。それらは次の
特徴を有している:
Cと同様、アンホマイシン型リポペプチドではこれまで
に知られていないイソ−C13−脂肪酸を含有している。
A1437Aのアミノ酸配列はアンホマイシンのそれに
対応するが、後者はアンテ−イソ−C13−脂肪酸を含有
している。A1437Cのアミノ酸組成および配列は他
のリポペプチドに知られていない。
ソ−C14型の脂肪酸、従ってツシマイシンに知られた脂
肪酸を含有している。しかしながら、A1437Dはそ
のアミノ酸組成および配列がこれまで従来技術から知ら
れたリポペプチドと異なるのに対し、A1437Bはア
ンホマイシンのアミノ酸配列を含有している。文献によ
れば、アンホマイシン、ザオマイシンおよびツシマイシ
ンはアミノ酸組成が同一である。
ネスDSM7358、由来のA1437Eは、ストレプ
トマイセスに知られるアンホマイシンと同一である。
酸より成り、従ってアンホマイシンに知られるものと同
じ脂肪酸タイプを含有している。そのアミノ酸配列およ
び組成は従来技術に知られていない。
7Hは各々、アスパルトシンと同様、アンテ−イソ−C
15−脂肪酸を有している。A1437Gのアミノ酸配列
はアンホマイシンのアミノ酸配列に相当するのに対し、
A1437Hの配列および組成は従来技術に知られてい
ない。
鎖長を有する非分枝状脂肪酸を有している。それら三種
のリポペプチドのアミノ酸配列はアンホマイシンのアミ
ノ酸配列に相当する。
C−末端プロリンのカルボキシル官能基の、アミノ−末
端に位置するDabのβ−アミノ官能基への連結を有し
ている。この連結は、
プチドの各含量は栄養溶液の組成に依存して変わり得
る。更に、微生物があるリポペプチドを全く生産しない
か、またはそれを検出限界より低い量で生産するよう
に、個々のリポペプチドの合成を培地の組成により調節
することもできる。
7358、を用いて得られる培地は、一重または多重不
飽和の、飽和の、またはそれとは無関係に分枝状のまた
は非分枝状の、6〜22個の炭素原子、好ましくは10
〜20個の炭素原子、特に好ましくは13、14または
15個の炭素原子の鎖長を有する脂肪酸またはヒドロキ
シ脂肪酸を有するリポペプチドを含有する。
Chemie Lexikon、Prof. FalbeおよびProf. Regitz、第
9版、Georg Thieme Verlag Stuttgart、New York、ま
たは、The Encyclopedia of Chemistry, C.A. Hempelお
よびG.G. Hawley, 第3版、Van Nostrand Rheinhold Co
mpany, New Yorkから当業者に知られている。
ものではなく、また何の限定を表わすものではない。本
発明によるリポペプチドの飽和非分枝状脂肪酸の例は、
カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マ
ルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸
およびベヘン酸である。
肪酸の例は、イソ酪酸またはイソ吉草酸、または「アン
テ−イソ」配置の相当する酸である。本発明によるリポ
ペプチドの一重不飽和非分枝状脂肪酸の例はアクリル酸
またはクロトン酸である。本発明によるリポペプチドの
二重不飽和非分枝状脂肪酸の一例はソルビン酸である。
本発明によるリポペプチドの三重不飽和非分枝状脂肪酸
の例は、リノレン酸またはエレオステアリン酸である。
分枝状脂肪酸の一例はアラキドン酸である。本発明によ
るリポペプチドの五重不飽和非分枝状脂肪酸の一例はク
ルパノデン酸である。本発明によるリポペプチドの六重
不飽和非分枝状脂肪酸の一例はドコサヘキサエン酸であ
る。更に、多重不飽和分枝状脂肪酸、例えば2,4,6,
8−テトラメチルデカン酸を有するリポペプチドが培地
中に生じることもあり得る。
肪酸の例は、2および3位および/または炭素鎖末端が
ヒドロキシル化されそして「イソ」または「アンテ−イ
ソ」配置を有する脂肪酸である。
1%、のL−バリンを前記栄養溶液に添加すると、アク
チノプラネスsp.株はリポペプチドA1437Bおよび
Dを優先的に生産する。0.01〜5%、好ましくは0.
1〜0.5%、のL−ロイシンを前記栄養溶液に添加す
ると、アクチノプラネスsp.株はリポペプチドA143
7AおよびCを優先的に生産する。0.01〜5%、好
ましくは0.05〜0.5%、のL−イソロイシンを前記
栄養溶液に添加すると、アクチノプラネスsp.株は特に
リポペプチドA1437E、F、GおよびHを生産す
る。0.01〜5%、好ましくは0.05〜0.5%、の
L−α−アミノ酪酸を前記栄養溶液に添加すると、アク
チノプラネスsp.株はリポペプチドKを優先的に生産す
る。0.01〜5%、好ましくは0.05〜0.5%、の
L−ノルバリンを前記栄養溶液に添加するとアクチノプ
ラネスsp.株はリポペプチドLおよび/またはMを優先
的に生産する。同じことが好ましいDSM7358株に
ついてもいえる。
対応するα−ケト酸(α−ケトイソバレレート、α−ケ
トイソカプロエート、α−ケト−β−メチル−バレレー
ト、α−ケトバレレート)またはそれらの対応する酸
(イソブチレート、イソバレレート、α−メチルブチレ
ート、n−ブチレート、プロピオネート、バレレート)
を適切な濃度で、あるいは脂肪酸生合成に関与し得るそ
の他の物質を用いることもできる。微生物の培養は好気
的に、すなわち例えば振盪フラスコまたは発酵槽中で振
盪または撹拌しながら液中で、適切な場合には空気また
は酸素を導入しながら行われる。それは、約18〜35
℃の温度範囲で、好ましくは約25〜35℃、特に28
〜32℃で行うことができる。pH範囲は6〜8、好まし
くは6.5〜7.5とすべきである。微生物はこれらの条
件下に一般に24〜300時間、好ましくは36〜14
0時間培養する。
わち、一以上の前培養液をまず液体栄養培地中で調製
し、そして次に実際の生産培地、主培養に、例えば1:
10容量比で移す。その前培養液は、例えば菌糸体を栄
養溶液に移し、そしてそれを約36〜120時間、好ま
しくは48〜72時間増殖させることにより得られる。
その菌糸体は、例えばその菌株を約3〜40日間、好ま
しくは4〜10日間、固体または液体栄養培地、例えば
酵母−麦芽寒天または栄養ブロス寒天(例えばDifcoに
より供給される、ペプトン、塩化ナトリウムおよび寒天
を主成分とする微生物用標準培地)で増殖させることに
より得ることができる。
量に基づくほか、クロマトグラフィー的方法、例えば薄
層クロマトグラフィーまたは高圧液体クロマトグラフィ
ーによりまたは生物活性を試験することにより監視する
ことができる。菌糸体および培養濾液はいずれも本発明
の化合物を含有するが、大部分(≧90%)は培養濾液
中にある。
ドの精製に用いられるが、好ましくはリポペプチドA1
437A〜HおよびK、LおよびMの精製に用いられ
る。
離および精製は、天然物質の化学的、物理的および生物
学的性質を考慮しながら既知の方法により行われる。培
地中の、あるいは個々の単離段階での抗生物質濃度は、
薄層クロマトグラフィー、例えばイソプロパノール/2
5%強度NH3を移動層とするシリカゲルでの薄層クロ
マトグラフィー、あるいはHPLCにより試験すること
ができる。薄層クロマトグラフィーによる分画におい
て、検出は発色試薬例えばアニスアルデヒドにより行う
ことができ、その場合、生成物質量は検定溶液と好都合
に比較される。
は、菌糸体をまず培養液から常法により分離し、次いで
培養濾液を、好ましくは4℃で、pH0.5〜pH4のpH、
好ましくは1.5〜pH2.5に調節する。pH調節、従って
リポペプチドA1437の沈殿は、商業的に入手し得る
いずれの酸を用いても行うことができる。その溶液を1
6時間まで、好ましくは4時間までインキュベートした
後、生成沈殿を遠心分離により除去する。
もとの容量の1/20の二回蒸留水に再懸濁しそしてN
aOHでpH6〜7に調節する。その結果沈殿は完全に溶
解し、その溶液を−20℃に冷却しそして凍結乾燥す
る。以下粗製生成物と呼ぶ凍結乾燥物は5〜30%のリ
ポペプチドを含有し、そして以後の単離に用いられる。
プチドの更なる精製は、適当な材料での、例えばシリカ
ゲル、酸化アルミニウム、イオン交換体または吸着剤樹
脂での、格別に好ましくは強または弱塩基性陰イオン交
換体でのクロマトグラフィーにより行われる。アミノ末
端に位置するアミノ酸としてAspまたはAsnを含有
するリポペプチドはこのクロマトグラフィーにより分離
される。リポペプチドのクロマトグラフィーは緩衝水性
溶液、または水性およびアルコール性溶液の混合物を用
いて行われる。
ましくは1〜100mM、の濃度の、水、リン酸緩衝液、
酢酸アンモニウム、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液など
を意味し、また1〜100mMの濃度のリン酸緩衝溶液が
特に好ましく用いられる。
は、10〜80%溶媒、好ましくは40〜60%溶媒の
濃度で、水、好ましくはメタノール、アセトニトリルと
混和し得るすべての有機溶媒を、あるいは有機溶媒と混
和し得るすべての緩衝水性溶液を意味する。使用する緩
衝液は前記と同様である。
は、例えばMCIR(Mitsubishi社(日本)の吸着剤樹
脂)での逆相クロマトグラフィーを用いて行われる。疎
水性材料での逆相クロマトグラフィー、好ましくはRP
−8またはRP−18相クロマトグラフィー、が特に好
ましい。更に、分離は、シリカゲルクロマトグラフィー
を用いて行うことができる。
または酸性化水性溶液、またはアルコールとまたその他
の水と混和し得る有機溶媒との水性溶液の混合物を用い
て行われる。アセトニトリルが有機溶媒として好ましく
用いられる。緩衝または酸性化水性溶液とは、例えば、
0〜0.5Mの濃度の、水、リン酸緩衝液、酢酸アンモ
ニウム、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等を意味するほ
か、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸または当業者に知ら
れたすべての商業的に入手し得る酸(好ましくは0〜1
%の濃度、0.1%が特に好ましい)を意味する。
溶媒100%で終わる勾配を用いて行われ、そして40
〜60%アセトニトリルの直線勾配が好ましく用いられ
る。前述の二種類のクロマトグラフィー(アミノ酸As
pまたはAsnにより、および脂肪酸タイプによりリポ
ペプチドを分離するクロマトグラフィー)の順序は逆に
することができる。第一段階でアミノ酸の相違に従って
リポペプチドを分離し、その後においてはじめてそれら
を脂肪酸タイプにより分離するのが好ましい。
ペプチドを含む場合には、前述のクロマトグラフィー
(脂肪酸の相違に基づくリポペプチドの分離)はリポペ
プチドの脱塩および更なる精製に用いられる。他の選択
肢として、ゲルクロマトグラフィーまたは疎水性相での
クロマトグラフィーを用いることもできる。
アミドまたは混合ポリマーゲル、例えばBiogel-P2R(Bi
orad社より供給)またはFractogel TSK HW 40R(Merck
社(ドイツ)またはToso Haas(米国))などで行われ
る。本発明によるリポペプチドは固体状態、および溶液
状態で4〜8、特に5〜7のpH範囲で安定であり、従っ
て通常の医薬組成物に配合することができる。
れ以上の化合物は、価値ある薬理特性を有することか
ら、医薬として用いるのに適している。本発明による物
質は、特にグラム−陽性細菌、特に好ましくはグリコペ
プチド−耐性株に対する抗生物質としての薬理活性を有
している。
シリン−またはメチシリン−耐性株(MRSA株)に対
する治療的に十分な効果はしばしばグリコペプチド例え
ばバンコマイシンまたはテイコプラニンだけが有してい
る。しかしながらこれらの抗生物質に対してさえも耐性
のある株の出現が増えつつある(FEMS Microbiol. Let
t. 98(1992)109〜116)。本発明によるリポペプチドの
一種またはそれ以上の化合物は、これらの問題生物に対
しても優れた効果を有している。
の一種またはそれ以上の化合物の医薬組成物にも関す
る。本発明によるリポペプチドの一種またはそれ以上の
化合物、好ましくはリポペプチドA1437A〜Hの一
種またはそれ以上の化合物をそれ自体未希釈のまま、投
与することは原則として可能である。適当な補助物質ま
たは担体物質との混合物として用いるのが好ましい。動
物用医薬の場合に用いることのできる担体物質は慣用の
飼料混合物より成り、また人間用医薬の場合は薬理学的
に適合し得る担体物質および/または補助物質より成
る。
経口投与されるが、原則として直腸に使用することもで
きる。適当な固体または液体の医薬製剤の例は、顆粒、
粉末、錠剤、被覆錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、
シロップ、乳濁液、懸濁液、エアロゾル、滴剤、または
アンプル形態の注射溶液のほか活性物質を持続放出する
製品などであり、その生産にあたっては、ビヒクルおよ
び添加剤および/または補助剤例えば崩壊剤、結合剤、
被覆剤、膨潤化剤、滑剤または潤滑剤、香味剤、甘味剤
または可溶化剤を用いるのが通常である。よく用いられ
るビヒクルまたは補助物質の例としては、炭酸マグネシ
ウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトールおよび
その他の糖、タルク、ラクトアルブミン、ゼラチン、ス
ターチ、ビタミン、セルロースおよびその誘導体、動植
物油、ポリエチレングリコールおよび例えば滅菌水、ア
ルコール、グリセロールおよび多価アルコールなどが挙
げられる。
物質を適切なポリマー、ワックスなどで被覆または包埋
することにより、経口投与用量単位をマイクロカプセル
化して放出を遅延させたり放出を長期にわたり延ばすこ
とができる。医薬品は、好ましくは、各単位が有効成分
として特定用量の本発明によるリポペプチドの一種また
はそれ以上の化合物を含む、用量単位で生産され投与さ
れる。
坐剤などの場合には、この用量は1日あたり、約200
mg、好ましくは約0.1〜100mgまでとすることがで
き、またアンプル形態の注射溶液は約200mg、好まし
くは0.5〜100mgとすることができる。
令、性別および状態に依存する。しかしながら場合によ
ってはより高いまたはより低い用量も適切であり得る。
この日用量の投与は単一用量単位の形でまたはより小さ
な用量単位を複数用いて1回投与によって、また分割用
量を特定の間隔をおいて多数回投与することによって行
うことができる。
チドの一種またはそれ以上の化合物を慣用のビヒクルお
よび適切な場合には添加剤および/または補助物質を用
いて適切な投与剤形に変えることにより生産される。
に断らない限り、液体の混合比は容量に関するものであ
る。
ロール培養液の調製 滅菌300ml三角フラスコ中の100mlの栄養溶液(4
g/リットル 酵母エキス、15g/リットル可溶性デ
ンプン、1g/リットル K2HPO4、0.5g/リット
ル MgSO4×7H2Oを水で1000mlにしたもの、
滅菌前pHは7.0)にアクチノプラネスsp. DSM73
58株を接種しそして回転シェーカー上、30℃および
150rpmで7日間インキュベートする。1.5mlのこの
培養液を次いで2.5mlの80%強度グリセロールで希
釈しそして−20℃で貯蔵する。
ラネスsp. DSM7358の培養液または前培養液の調
製 100mlの栄養溶液(30g/リットル スクロース、2
g/リットル KNO3、1g/リットル K2HPO4、
0.5g/リットル MgSO4×7H2O、0.5g/リ
ットル KCl、0.01g/リットル FeSO4×7H
2O、2g/リットル 酵母エキス、5g/リットル ペ
プトン)を含む滅菌300ml三角フラスコに斜面培養管
(同じ栄養溶液であるが2%寒天を含む)で増殖させた
培養物を、あるいは1mlのグリセロール培養液(実施例
1a参照)を接種しそしてシェーカーを用い180rpm
および30℃でインキュベートする。約120時間後
に、本発明によるリポペプチドの一種またはそれ以上の
化合物の生産は最大となる。同じ栄養溶液からの48〜
96時間令液内培養液(接種物約10%)は10〜20
0リットル発酵槽の接種に十分である。
8の特性比較 アクチノプラネスsp. DSM7358株をShirlingおよ
びGottlieb ISP法(Int. J. of Sys. Bacteriol. 16, 3
(1966)313-340)により密接関連株と比較することに
より特性評価する。結果(表1参照)はアクチノプラネ
スsp. DSM7358株は他の株と形態学的に、またそ
の生理学的性質の点で異なっていることを示している。
Dの調製 500リットル発酵槽を次の条件下に稼働する: 栄養培地: 11g/リットル スクロ
ース 6g/リットル 肉エキス 0.3g/リットル 酵母エキス 0.6g/リットル MgSO4 0.1g/リットル KH2PO4 10μM FeCl3×6H2O 0.6g/リットル L−バリン pH 7.3(滅菌前) インキュベーション時間:120時間 インキュベーション 温度: 30℃ スターラー速度: 50rpm 通気: 150 リットル min-1
添加することにより抑えることができる。約96〜12
0時間後に生産は最大となる。アクチノプラネスsp. D
SM7358の発酵完了後、培養液を約2%の濾過助剤
(例えばCeliteR)を用いて濾過し、そして培養濾液を
4℃に冷却しそして1.5のpHに調節する。4時間後、
その混合物を10,000gで遠心分離しそして沈殿を
蒸留水に再懸濁する。懸濁液を中和すると前記物質は溶
液化する。それを凍結しそして凍結乾燥する。収量は約
1.5g/リットル粗製生成物(=750g)である。
粗製生成物(B+Dを含有)の分画 3.2リットルクロマトグラフィーカラム(10cm(内
径)×40cm(高さ))にDEAE−RSepharose Fast
Flowを充填しそして40%メタノール中10mMリン酸カ
リウム緩衝液、pH7.0(緩衝液A)で平衡させる。次
に3.5リットルの水に溶解した25gの(実施例3a
と同様にして得られた)A1437B粗製生成物をカラ
ムにかけ、そして1リットルの水で洗浄し、次に6リッ
トルの緩衝液Aで洗浄した。粗製生成物中の不純物は素
通り分および水性洗浄液中に存在する。次に、40%メ
タノール中10乃至100mMリン酸カリウム(pH7.
0)勾配を適用する。A1437Dペプチドを25〜3
5mMリン酸カリウムで溶出し、そして抗生物質A143
7Bを40〜55mMリン酸カリウムで取得する。メタノ
ールを適切な画分から真空除去する。1リットルの容量
を有するRDianion HP-20カラム(Mitsubishi社(日
本))を脱塩に用いる。ここで9リットルの精製Bペプ
チド含有画分をカラムにかけ、次いで3リットルの脱イ
オン水で洗浄する。勾配法(0〜50%アルコール分)
による溶出に水/イソプロパノールを用いる。精製A1
437Bを15〜25%イソプロパノールで支持体から
洗浄除去する。このカラムからの溶出液を別々に集め、
真空濃縮しそして凍結乾燥する。その結果純度97%の
A1437Bが4.8g得られる。A1437D含有画
分を同様に脱塩して3.1gの抗生物質を得た。純度9
8%。
ンで置換しそして発酵を50リットルバイオリアクター
で行う点を除いて3a)の記載と同様にして調製を行
う。収量は1.3g/リットル粗製ペプチド(=65
g)である。
下記スキームに従って後処理した。
GおよびHの調製 生産培地中のL−バリンを1.5g/リットル L−イソ
ロイシンで置換しそして発酵を50リットルバイオリア
クターで行う点を除いては実施例3a記載と同様にして
調製を行う。収量は1.4g/リットル粗製ペプチド(7
0g)である。
粗製ペプチドの画分 実施例5aと同様にして得られた25gのリポペプチド
粗製生成物を実施例3a記載のカラムで実施例3aと同
様にして分画する。リポペプチドA1437F(収量:
1.8g)は、14〜19mM緩衝液で溶出され;A14
37E(収量:1.3g)は18〜25mM緩衝液で溶出
され;A1437H(収量:2.7g)は35〜50mM
緩衝液で溶出され;そして、A1437G(収量:1.
9g)は64〜82mM緩衝液で溶出される。相当する画
分を合一しそしてメタノールを真空除去する。
相RP−18による精製 500mlの容量を有する分取HPLCカラム(5.1cm
(内径)×25cm(高さ))にRLiChrosorG RP-18(1
0μm)を充填し、そして1.9gの抗生物質A143
7Gを含有する塩含有溶液をかける。10mMリン酸カリ
ウム緩衝液中5%アセトニトリル(pH7.0)乃至10m
Mリン酸カリウム緩衝液中36%アセトニトリル(pH7.
0)を用いた勾配法により溶出する。リポペプチドA1
437Gは24〜26%アセトニトリルにより得られ
る。真空濃縮し、水/50%イソプロパノール系中10
0mlのRDianion HP-20吸着樹脂で脱塩しそして凍結乾燥
すると1.1gのリポペプチドA1437Gが純度99
%で得られる。
1437H溶液を10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.
0)中10〜50%アセトニトリルの溶媒勾配を用いて
同様に精製する。抗生物質は37〜39%の溶媒含量で
溶出される。適切な画分を濃縮し、RDianion HP-20で脱
塩しそして凍結乾燥すると、2.2gのリポペプチドA
1437Hが98%を超える純度で得られる。
ド抗生物質A1437EおよびFのMCIゲルによる精
製 実施例5bと同様にして得られた抗生物質A1437F
を1.8g含有する塩含有溶液を1リットルのMCIゲ
ルCHP 20P(Mitsubishi Kasei Corp.)にかけ
る。カラム寸法は6cm(内径)×35cm(高さ))であ
る。支持体に分離すべき材料をかけた後、それを緩衝液
A(20%アセトニトリルを含有する5mMリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0))で洗浄しそして緩衝液B(70
%アセトニトリルを含有する5mMリン酸カリウム緩衝液
(pH7.0))への勾配を用いた方法により溶出する。
34〜35%の溶媒含量により精製抗生物質が溶出され
る。真空濃縮しそしてRDianion HP-20で脱塩すると1.
4gのリポペプチドA1437Fが98%を越える純度
で得られる。実施例5aで得られたA1437E粗製生
成物に対し同様の手順を施すと1gのリポペプチドA1
437Eが98%を超える純度で得られる。
−アミノ酪酸(または1g/リットルのラセミ体)で置
換しそして発酵を10リットルバイオリアクターで行う
点以外は4aの記載と同様にして調製を行う。収量は
1.1g/リットル粗製ペプチド(=10g)である。
下記スキームに従って後処理する。
ム)への吸着 −下記の勾配による溶出 緩衝液A:50%メタノール中NaH2PO4 1mM、pH
5.9 緩衝液B:50%メタノール中NaH2PO4 100m
M、pH5.3 20分間:緩衝液A→45分後25%緩衝液Bに、更に45分
間25%緩衝液B −A1437K画分の凍結乾燥 Biogel P2(100〜200メッシュ)(7×20cmカ
ラム)による脱塩 700mgのA1437K(純度60%) −Nucleosil C18 7μm(20×250mmカラム)でのR
Pクロマトグラフィー 負荷:50mgの予備精製物 下記の勾配による溶出 緩衝液A:二回蒸留水、0.1%TFA 緩衝液B:アセトニトリル 10分間:緩衝液A/5%緩衝液B→10ml/分の流速で60
分後に70%緩衝液B −A1437K画分の凍結乾燥 5.6mgのA1437K(>95%純度)
ノルバリン(または1g/リットルのラセミ体)で置換
しそして発酵を10リットルバイオリアクターで行う以
外は4aの記載と同様にして調製を行う。収量は1.2
g/リットル粗製ペプチド(=12g)である。
下記スキームに従って後処理する。
ム)への吸着 −下記の勾配による溶出: 緩衝液A:50%メタノール中NaH2PO4 1mM、pH
5.9 緩衝液B:50%メタノール中NaH2PO4 100m
M、pH5.3 20分間:緩衝液A→45分後に25%緩衝液Bに、更に45
分間25%緩衝液B −A1437LおよびM画分の凍結乾燥 −Biogel P2(100〜200メッシュ)(7×20cm
カラム)での脱塩 900mgのA1437LおよびM(純度約60%) −Nucleosil C18 7μm(20×250mmカラム)でのR
Pクロマトグラフィー 負荷:50mgの予備精製物 下記の勾配による溶出 緩衝液A:二回蒸留水、0.1%TFA 緩衝液B:アセトニトリル 10分間:緩衝液A/5%緩衝液B→10ml/分の流速で60分
後に70%緩衝液Bに −A1437LおよびM画分の凍結乾燥 5.8mgのA1437L(>95%純度)、6.7mgのA143
7M(>95%純度)
LCシステム 下記のシステムにより、粗製混合物中および培養濾液中
のリポペプチドを分離しそして定量することができる;
保持時間は11.5分(A1437E)〜約15.9分
(A1437H)である。
スATCC 31145とアクチノプラネススピーシズ
(spec.)DSM7358の比較 それら二つの株の前培養を実施例1bの記載と同様にし
て増殖させ、そして下記の生産培地の接種に用いる。 培地1:実施例3aの記載と同様 培地2:実施例1と同様であるがL−バリンを含有しな
い 培地3:グルコース 30g/リットル;大豆粉 20g
/リットル;Fe2(SO4)3 0.3g/リットル;Mn
Cl2×4H2O 0.3g/リットルおよびCoCl2×
6H2O、pH7.3 各々300ml三角フラスコ中100mlの培地とする。
い30℃で行う。培養濾液中のA1437リポペプチド
濃度を48、96および144時間後にHPLC(実施
例8参照)により測定する。アクチノプラネス・ニッポ
ンエンシスATCC31145株を含む培地2および培
地3中にはいかなるリポペプチドも検出できない。培地
1では144時間後に数種のペプチドを極く少量検出す
ることができる。これら化合物の特異吸光度がA143
7ペプチドのそれに一致すると仮定すると、生産量は培
地1においてアクチノプラネススピーシズDSM735
8株により同時間後に合成されるA1437B濃度より
も少なくとも100倍低い(<1mg/リットル)。
天希釈試験により測定する。使用される寒天であるMuel
ler-Hinton寒天に対し化膿連鎖球菌(S. pyrogenes)お
よびエンテロコッカスの場合には10%馬血を添加す
る。抗生物質含有プレートに多通路接種器を用いて接種
する(特定株静止培養物を5×104cfu/接種部位)。
MIC(最小阻止濃度)を37℃で読みとる。MICと
は24時間インキュベーションした後に視認し得る生物
増殖を検出できない抗生物質濃度として定義される。結
果は表2にまとめられている。コントロールとして用い
たアンホマイシンはBoehringer Mannheim(ドイツ)か
ら取得した。アンホマイシンは同社のファインケミカル
として得ることができる。
活性を有している。
る。 旋光度:+35°(c=0.1;メタノール) HPLC:保持時間:15.1分 アミノ酸:2 アスパラギン酸 1 アスパラギン 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン FAB−MS:m/e=1303.6952〔(M+H)
+〕 分子量:1302.6884(C59H94N14O19) CID−MS:m/z=356、491、517、52
0、741、761、938、982 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、293
0、1660、1530、1450、1400。
る。 旋光度:+27°(c=0.1;メタノール) HPLC:保持時間:12.8分 アミノ酸:3 アスパラギン酸 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン FAB−MS:m/e=〔(M+H)+〕 分子量:1303(C59H93N13O20) CID−MS:m/z=356、407、518、52
1、741、762、938、982 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、292
5、1650、1535、1450、1400。
る。 旋光度:+30°(c=0.1;メタノール) HPLC:保持時間:14.1分 アミノ酸:2 アスパラギン酸 1 アスパラギン 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン 分子量:1288(C58H92N14O19) CID−MS:m/z=356、392、503、74
1、747、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、293
0、1660、1530、1450、1400。
る。 旋光度:+30°(c=0.1;メタノール) HPLC:保持時間:11.8分 アミノ酸:3 アスパラギン酸 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン 分子量:1289(C58H91N13O20) CID−MS:m/z=356、478、504、50
7、741、748、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、292
5、1650、1535、1400。
る。 旋光度:+31°(c=0.1;メタノール) HPLC:保持時間:13.8分 アミノ酸:2 アスパラギン酸 1 アスパラギン 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン 分子量:1288(C58H92N14O19) CID−MS:m/z=356、392、503、50
6、741、747、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、293
0、1660、1530、1450、1400。
る。 HPLC:保持時間:11.5分 アミノ酸:3 アスパラギン酸 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン 分子量:1289(C58H91N13O20) CID−MS:m/z=356、393、504、50
7、741、748、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、292
5、1650、1535、1450、1400。
る。 旋光度:+32°(c=0.1;メタノール) HPLC:保持時間:15.9分 アミノ酸:2 アスパラギン酸 1 アスパラギン 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン 分子量:1316(C60H96N14O19) CID−MS:m/z=356、420、531、53
4、741、775、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、293
0、1660、1530、1450、1400。
る。 旋光度:+34°(c=0.1;メタノール) HPLC:保持時間:13.6分 アミノ酸:3 アスパラギン酸 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン 分子量:1317(C60H95N13O20) CID−MS:m/z=356、421、532、53
5、741、776、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、292
5、1650、1535、1450、1400。
る。 HPLC:保持時間:12.5分 アミノ酸:3 アスパラギン酸 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン FAB−MS:m/e=〔(M+H)+〕 分子量:1299(C58H91N13O20) CID−MS:m/z=393、504、507、74
1、748、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、292
5、1650、1535、1450、1400。
る。 HPLC:保持時間:13.0分 アミノ酸:3 アスパラギン酸 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン FAB−MS:m/e=〔(M+H)+〕 分子量:1289(C59H93N13O20) CID−MS:m/z=407、518、741、76
1、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、292
5、1650、1535、1450、1400。
る。 HPLC:保持時間:9.8分 アミノ酸:3 アスパラギン酸 1 β−メチルアスパルテート 2 グリシン 2 2,3−ジアミノ酪酸 1 プロリン 1 ピペコリン酸 1 バリン FAB−MS:m/e=〔(M+H)+〕 分子量:1275(C57H89N13O20) CID−MS:m/z=379、490、493、72
4、741、938、981 IR(KBr):ν=3420(br)cm-1、292
5、1650、1535、1450、1400。
示す。
NHシグナルのNH化学シフト、またPipおよびPr
oについては相当するスピンシステムのCαHシフトも
示してある。
Claims (15)
- 【請求項1】 アクチノプラネスsp.を培地中で発酵さ
せて式I 【化1】 (式中、 R1は一重または多重不飽和の、飽和の、またはそれと
は無関係に分枝状のまたは非分枝状の、6〜22個の炭
素原子の鎖長を有する脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸で
あり、そしてR2はAspまたはAsnである)で示さ
れる一種またはそれ以上のリポペプチドを培地中に蓄積
させそして適切な場合には式Iで示される一種またはそ
れ以上のリポペプチドを培地から精製して得られるリポ
ペプチド(ただし式IにおいてR1が 【化2】 であり、そしてR2がAspであるリポペプチドを除
く)。 - 【請求項2】 R1が10〜20個の炭素原子の鎖長を
意味する請求項1記載のリポペプチド。 - 【請求項3】 R1が12、13、14または15個の
炭素原子の鎖長を意味する請求項1記載のリポペプチ
ド。 - 【請求項4】 アクチノプラネスsp.を培地中で発酵さ
せて a) iC13-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 b) iC14-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 c) iC13-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 d) iC14-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 e) aiC13-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly
-Dab-Val-Pro、 f) aiC15-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly
-Dab-Val-Pro、 g) aiC15-脂肪酸-Asn-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly
-Dab-Val-Pro、 h) nC12-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 i) nC13-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro、 j) nC14-脂肪酸-Asp-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-
Dab-Val-Pro なる群の一種またはそれ以上のリポペプチドを培地中に
蓄積させ、そして適切な場合にはこれらリポペプチドの
一種またはそれ以上を培地から精製して得られるリポペ
プチド。 - 【請求項5】 式II R1-R2-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-Dab-Val-Pro II (式中、 【化3】 【化4】 で示されるリポペプチド。
- 【請求項6】 アクチノプラネスsp. DSM7358を
発酵させる請求項1または4記載のリポペプチド。 - 【請求項7】 アクチノプラネスsp.を培地中で発酵さ
せて一種またはそれ以上のリポペプチドを培地中に蓄積
させ、そして適切な場合には一種またはそれ以上のリポ
ペプチドを培地から精製することより成る、請求項1〜
3のいずれかに記載の式Iで示される一種またはそれ以
上のリポペプチド、請求項4に記載の一種またはそれ以
上のリポペプチドまたは請求項5記載の式IIで示される
一種またはそれ以上のリポペプチドの製造方法。 - 【請求項8】 アクチノプラネスsp.を培地中で発酵さ
せて式III R1-R2-Dab-Pip-MeAsp-Asp-Gly-Asp-Gly-Dab-Val-Pro III (式中R1は 【化5】 であり、そしてR2はAspである)で示されるリポペ
プチドを培地中に蓄積させ、そして適切な場合には式II
Iで示されるリポペプチドを培地から精製することより
成るリポペプチドの製造方法。 - 【請求項9】 精製が、リポペプチドを培地から酸を用
いてpH0.5〜pH4で沈殿された後、適切な場合にはそ
の沈殿物より得られたリポペプチドを陰イオン交換体で
のクロマトグラフィーまたは疎水性マトリックスでのク
ロマトグラフィーにより精製する(それら二つのクロマ
トグラフィーは選択肢としてまたは任意所望の順序で逐
次的に行うことができる)ことによって行われる請求項
7または8記載の方法。 - 【請求項10】 アクチノプラネスsp. DSM7358
を発酵させる請求項7または8記載の方法。 - 【請求項11】 請求項1記載の式Iで示される一種ま
たはそれ以上のリポペプチドおよび適切な場合には薬学
的ビヒクルを含有する医薬。 - 【請求項12】 請求項8記載の式IIIで示されるリポ
ペプチドおよび適切な場合には薬学的ビヒクルを含有す
る医薬。 - 【請求項13】 請求項1記載の式Iで示されるリポペ
プチドの、薬理活性物質としての、特に、グラム−陽性
細菌に対する、特に好ましくはグリコペプチド−耐性細
菌に対する抗生物質としての使用。 - 【請求項14】 請求項8記載の式IIIで示されるリポ
ペプチドの薬理活性物質としての、特に、グラム−陽性
細菌に対する、特に好ましくはグリコペプチド−耐性細
菌に対する抗生物質としての使用。 - 【請求項15】 アクチノプラネスsp. DSM735
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