JPH0796615B2 - ポリエーテルスルホンの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルスルホンの製造方法

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JPH0796615B2
JPH0796615B2 JP62227772A JP22777287A JPH0796615B2 JP H0796615 B2 JPH0796615 B2 JP H0796615B2 JP 62227772 A JP62227772 A JP 62227772A JP 22777287 A JP22777287 A JP 22777287A JP H0796615 B2 JPH0796615 B2 JP H0796615B2
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JP
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sulfone
polymer
polyether sulfone
reaction
hour
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清 興津
和仁 坂東
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成形時の高温熱安定性に優れたポリエーテルス
ルホンを製造する方法に関するものである。
〔従来の技術とその問題点〕
ポリエーテルスルホンは耐熱性、機械性能及び耐薬品性
に優れており、商業的に実用性の高いものである。
ポリエーテルスルホンは高軟化点を有する熱可塑性物質
であり、この高軟化点ゆえにさらに高温における溶融粘
度が高いゆえに射出成形等の成形加工時に350℃前後の
高温が必要である。
しかしながら特公昭42-7799号、特公昭45-21318号、特
公昭46-21468号および特公昭55-23574号公報等に開示さ
れている方法で製造したポリエーテルスルホンは、350
℃以上では熱安定性に問題があり、成形中に溶融粘度が
増加したり、色が淡黄色から褐色に変化したりするとい
う問題がある。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、驚くべきことに、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
スルホンとジクロロジフェニルスルホンとを、特定量の
炭酸カリウムの存在下、反応温度215〜245℃にて反応さ
せた後、更に150〜160℃でメチルクロライド処理するこ
とにより得られた400℃×1時間のゲル化率が7%以下
であるポリエーテルスルホンを用いると、成形中に溶融
粘度が増加したり、色が淡黄色から褐色に変化したりす
ることがないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
即ち本発明は4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン
と、ジクロロジフェニルスルホンとを、前記4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホンのフェノール基1つに対
し5〜20モル%過剰のカリウム原子が存在するような量
の炭酸カリウムの存在下、極性溶媒中で反応温度215〜2
45℃にて反応させた後、更に極性溶媒中で150〜160℃で
メチルクロライド処理することにより、400℃×1時間
のゲル化率が7%以下である下記一般式(I)で示され
る繰り返し単位を有し、成形中に溶融粘度が増加したり
色が淡黄色から褐色に変化したりすることがないポリエ
ーテルスルホンを製造する方法を提供するものである。
本発明において、400℃×1時間のゲル化率とは、下記
方法により測定した値を意味する。
ゲル化率の測定方法 ポリエーテルスルホンのパウダーを3cm×3cm×0.3cmに
プレス成形(300℃×30分)し、ポリエーテルスルホン
の試験片を作製する。この試験片を400℃の電気炉中に
1時間放置した後、N、N−ジメチルホルムアミド200m
lに溶解させ、一晩放置する。次に不溶解分を2号ガラ
スフィルターで濾別し、160℃で乾燥してその不溶解分
の重量を測定し、次式に従ってゲル化率を求める。
又、本発明により得られたポリエーテルスルホンは、上
記ゲル化率を有するものであれば特に分子量を問うもの
ではないが、成形加工等の関係から、通常、分子量は2,
000〜120,000の範囲から選ばれる。
又、ポリマーの還元粘度は0.2以上であることが好まし
い。
本発明でいう400℃×1時間のゲル化率が7%以下であ
るポリエーテルスルホンは下記に述べる方法で得ること
ができる。
400℃×1時間のゲル化率が7%以下であるポリエーテ
ルスルホンの製造 4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノ
ールS)と、フェノール基1つに対し、5〜20モル%過
剰のカリウム原子が存在するような量の炭酸カリウム
と、ジクロロジフェニルスルホンとを、生成ポリエーテ
ルスルホン分が30%になるような極性溶媒、例えばスル
ホラン(1,1−ジオキソチオラン)溶媒中で反応温度215
〜245℃で反応させた後、更に極性溶媒、例えばスルホ
ラン溶媒中で150〜160℃でメチルクロライド処理してポ
リエーテルスルホンを得る。なお、(A)4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)と、
(B)ジクロロジフェニルスルホンの仕込み割合は、等
量ないし一方のモノマーを過剰或いは過少に用いること
ができるが、(B)を(A)に対して過少に用いた場合
でも本発明所期のポリエーテルスルホンが得られる。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法により得られた特定のポリエーテルス
ルホンは、その優れた耐熱性、機械性能及び耐薬品性に
より、電気絶縁用途、耐熱部品、調理用具、コーティン
グ材料、精密部品等に好適に使用することができる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例および比較例にて更に詳細に説明
するが、これをもって本発明を制限するものではない。
実施例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および先端に受器を付した
凝縮器とを備えた40l SUS 316反応缶内に4,4′−ジヒド
ロキシフェニルスルホン2516.9g、無水炭酸カリウム145
9.9g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン2858.9gおよ
びスルホラン19015gを仕込み、窒素置換{減圧(フルバ
キューム)と加圧(2kg/cm2・G)との3回サイクル}
を行った。
次に系内の窒素ガスを放出し系内を常圧に戻した後、系
内に6l/minの窒素ガスの流通を開始した。なお窒素ガス
は反応が終了するまでこの流量で流し続けた。攪拌およ
び昇温を開始し、約1時間かけて系内温度を225℃にし
た。なおこの間、系内温度が120℃前後で水の発生が認
められた。
その後、225℃で6時間反応を続けた。この間に水が約1
80g受器に捕獲された。
反応終了後、反応液を150℃まで冷却し、この温度でメ
チルクロライドガスを12l/minで30分間吹き込み末端処
理を行った。次に反応液中に析出した塩化カリウム等を
濾別除去し、濾液を室温まで冷却した。次にこの濾液を
多量のメタノール中に注いでポリマーを沈殿させた。析
出したポリマーを濾別し水洗を数回行った後、減圧下に
て150℃で過熱乾燥を行い粉末状のポリマーを得た。こ
のポリマーはNMR,IRよりポリエーテルスルホンと確認さ
れた。
得られたポリマーの還元粘度は0.48、黄色度(注)は3.
7、400℃×1時間のゲル化率は3%であった。
次に得られたポリマーを350℃で射出成形したが、成形
中、何ら異常は認められなかった。
(注)黄色度の測定法;JIS K 7103スガ試験機(株)製A
UD-CH-2型 比較例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および先端に受器を付した
凝縮器とを備えた40l SUS 316反応缶内に4,4′−ジヒド
ロキシフェニルスルホン2516.9g、無水炭酸カリウム145
9.9g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン2857.9gおよ
びスルホラン19015gを仕込み、窒素置換{減圧(フルバ
キューム)と加圧(2kg/cm2・G)との3回サイクル}
を行った。
次に系内の窒素ガスを放出し系内を常圧に戻した後、系
内に6l/minの窒素ガスの流通を開始した。なお窒素ガス
は反応が終了するまでこの流量で流し続けた。撹拌およ
び昇温を開始し、約1時間かけて系内温度を225℃にし
た。なおこの間、系内温度が120℃前後で水の発生が認
められた。
その後、225℃で6時間反応を続けた。この間に水が約1
80g受器に捕獲された。
反応終了後、反応液を150℃まで冷却し、反応液中に析
出した塩化カリウム等を濾別除去し、濾液を室温まで冷
却した。次にこの濾液を多量のメタノール中に注いでポ
リマーを沈殿させた。析出したポリマーを濾別し水洗を
数回行った後、減圧下にて150℃で過熱乾燥を行い粉末
状のポリマーを得た。このポリマーはNMR,IRよりポリエ
ーテルスルホンと確認された。
得られたポリマーの還元粘度は0.50、黄色度は8.5、400
℃×1時間のゲル化率は25%であった。
次に得られたポリマーを350℃で射出成形しようとした
が、射出成形機内でポリマーのゲル化が起こり、射出成
形不能であった。
即ち、比較例1の場合は、実施例1に比較して、生成ポ
リマーの末端基がクロル基である割合が小さく、目的と
する物性を有するポリマーを得ることができなかった。
実施例2 撹拌機、窒素導入管、温度計および先端に受器を付した
凝縮器とを備えた40l SUS 316反応缶内に4,4′−ジヒド
ロキシフェニルスルホン2516.9g、無水炭酸カリウム145
9.9g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン2516.9gおよ
びスルホラン19015gを仕込み、窒素置換{減圧(フルバ
キューム)と加圧(2kg/cm2・G)との3回サイクル}
を行った。
次に系内の窒素ガスを放出し系内を常圧に戻した後、系
内に6l/minの窒素ガスの流通を開始した。なお窒素ガス
は反応が終了するまでこの流量で流し続けた。撹拌およ
び昇温を開始し、約1時間かけて系内温度を225℃にし
た。なおこの間、系内温度が120℃前後で水の発生が認
められた。
その後、225℃で6時間反応を続けた。この間に水が約1
80g受器に捕獲された。
反応終了後、反応液を150℃まで冷却し、この温度でメ
チルクロライドガスを12l/minで30分間吹き込み末端処
理を行った。次に反応液中に析出した塩化カリウム等を
濾別除去し、濾液を室温まで冷却した。次にこの濾液を
多量のメタノール中に注いでポリマーを沈殿させた。析
出したポリマーを濾別し水洗を数回行った後、減圧下に
て150℃で過熱乾燥を行い粉末状のポリマーを得た。こ
のポリマーはNMR,IRよりポリエーテルスルホンと確認さ
れた。
得られたポリマーの還元粘度は0.47、黄色度は5.2、400
℃×1時間のゲル化率は7%であった。
次に得られたポリマーを350℃で射出成形したが、成形
中、何ら異常は認められなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン
    と、ジクロロジフェニルスルホンとを、前記4,4′−ジ
    ヒドロキシジフェニルスルホンのフェノール基1つに対
    し5〜20モル%過剰のカリウム原子が存在するような量
    の炭酸カリウムの存在下、極性溶媒中で反応温度215〜2
    45℃にて反応させた後、更に極性溶媒中で150〜160℃で
    メチルクロライド処理することにより、400℃×1時間
    のゲル化率が7%以下である下記一般式(I)で示され
    る繰り返し単位を有するポリエーテルスルホンを製造す
    る方法。
JP62227772A 1987-09-11 1987-09-11 ポリエーテルスルホンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0796615B2 (ja)

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