JPH07116288B2 - 新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体及びその製造方法

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JPH07116288B2
JPH07116288B2 JP26983588A JP26983588A JPH07116288B2 JP H07116288 B2 JPH07116288 B2 JP H07116288B2 JP 26983588 A JP26983588 A JP 26983588A JP 26983588 A JP26983588 A JP 26983588A JP H07116288 B2 JPH07116288 B2 JP H07116288B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性及び成形性に優れた新規芳香族ポリエ
ーテルスルホン共重合体及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来より耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチック
スとして、下記繰り返し構造単位を有するポリエーテル
スルホンが知られている。
該ポリエーテルスルホンは、ガラス転移温度(Tg)が22
0〜226℃であり、比較的高温における機械的物性に優
れ、しかも電気的特性、耐薬品性、難燃性も良好である
ため、既に多くの分野で実用に供されている。しかし、
近年はさらに硬度の耐熱性が要求される用途分野が多く
なり、より耐熱性の大きな重合体が各方面から望まれて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ポリエーテルスルホンは、上述のように機械的特性や電
気的特性に優れているが、最近の要求に対する耐熱性が
十分でないためにその用途が限られていた。ポリエーテ
ルスルホンの製法としては、脱ハロゲン化剤の存在下、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと4,4′−ジク
ロロジフェニルスルホンとを重縮合させる方法がある
が、該ポリエーテルスルホンの耐熱性を改良するため
に、例えば上記4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ンの代わりに3,3′,5,5′−テトラアルキル−4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルを用いる方法(特開昭52−27500
号公報)が提案された。この方法によればTgが270〜275
℃にまで改良されるものの、得られた重合体は成形時に
分解ガスを発生したり、焦げを生ずるという欠点があっ
た。即ち、成形時に熱分解が起こり、ポリエーテルスル
ホン本来の特徴を失うという問題点を有していた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の問題点に鑑み、ポリエーテルスルホ
ンの有する機械的特性、電気的特性、成形時の熱安定性
等の優れた特性を損なうことなく耐熱性の向上を図り、
耐熱性と成形性とをバランスさせた重合体を得るため鋭
意研究を行い、ついに本発明の目的に適合する重合体の
構造を見出し、その良好な工業的製法を追求した結果、
本発明を完成するに到った。
即ち本発明は、一般式(I) (式中R1,R2は互いに同一でも異なっていてもよい水素
原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基、
或いはハロゲン原子を表す。a,bはそれぞれ1〜4の整
数であり、互いに同一でも異なっていてもよい。) で示される繰り返し単位のモル分率が1〜99モル%で、
一般式(II) (式中R1,R2,a,bは上記と同じ意味を表し、またR3〜R6
もR1ないしR2と同じ意味を表し、R3〜R6の中の少なくと
も一つは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基
である。) で示される繰り返し単位のモル分率が99〜1モル%であ
り、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)とが互い
に無秩序に或いは秩序をもって配列してエーテル結合に
より連結してなる共重合体であり、かつ濃度が0.5g/dl
のN−メチル−2−ピロリドン溶液で25℃において測定
した該共重合体の還元粘度が0.1dl/g以上であることを
特徴とする新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体
と、その製造方法として、第一に一般式(III) (式中R1,R2,a,bは上記と同じ意味を表し、Xはハロゲ
ン原子を表す。) で示されるジハロジフェニルスルホン化合物と、1〜99
モル%が一般式(IV) で示されるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物であ
り、残部99〜1モル%が一般式(V) (式中R3〜R6は上記と同じ意味を表す。) で示されるジヒドロキシジフェニル化合物からなる二価
フェノール混合物とを、アルカリ金属炭酸塩の存在下、
非プロトン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする
上記の新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体の製造
方法を、第二に一般式(III) (式中R1,R2,a,bは上記と同じ意味を表し、Xはハロゲ
ン原子を表す。) で示されるジハロジフェニルスルホン化合物と、1〜99
モル%が一般式(IV) で示されるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物であ
り、残部99〜1モル%が一般式(V) (式中R3〜R6は上記と同じ意味を表す。) で示されるジヒドロキシジフェニル化合物からなる二価
フェノール混合物にアルカリ金属塩形成剤を反応させて
得られる二価フェノールアルカリ金属二塩とを、非プロ
トン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする上記の
新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体の製造方法、
を提供するものである。
本発明による新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体
(以下、共重合体と略称する)は、前記の特開昭52−27
500号公報に記載されている重合体に比べて、成形時の
熱安定性及び成形性の顕著に向上させたものである。さ
らに前記従来のポリエーテルスルホンよりも耐熱性を向
上させたものであり、上記二価フェノール成分の比率を
調整することにより、約60℃までの任意の範囲内でガラ
ス転移温度を上昇させることが可能である。従って、本
発明よる共重合体は、その機械的物性、電気的物性がポ
リエーテルスルホンと比べてより高温まで維持され、し
かも成形時の熱安定性が良好であり、耐熱性と成形性と
のバランスに優れ、従来使用が困難であった多くの用途
分野に用いることが可能となった。
本発明による共重合体は、一般式(I)で示される繰り
返し単位の1個又は複数個がエーテル結合により直鎖状
に連結してなる連結鎖と、一般式(II)で示される繰り
返し単位の1個又は複数個がエーテル結合により直鎖状
に連結してなる連結鎖とが、互いに無秩序に又は秩序を
もって配列してエーテル結合により直鎖状に結合して構
成されている。
また、繰り返し単位(I)のモル分率は1〜99モル%で
あり、好ましくは5〜85モル%である。該モル分率が1
モル%未満では成形性及び成形時の熱安定性改良効果が
十分でない。
本発明による共重合体の分子量は、N−メチル−2−ピ
ロリドン中、25℃において0.5g/dlの濃度で測定した還
元粘度で表すことができ、0.1dl/g以上であることが必
要である。還元粘度が0.1dl/g未満では機械的物性が低
下し、実用的でない。
本発明において用いられる一般式(III)で示されるジ
ハロジフェニルスルホン化合物中のXで示されるハロゲ
ン原子としては、フッ素、塩素、ヨウ素を挙げることが
でき、特にフッ素及び塩素が好ましい。また、R1,R2
水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素
基又はハロゲン原子である。ハロゲン原子としては塩素
及び臭素が好ましい。炭化水素基の具体的な例として
は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−アミル、イソ
アミル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オク
チル、イソオクチルなどを挙げることができる。好まし
い化合物としては、下記の式で示されるものを例示する
ことができる。
本発明に用いられる一般式(IV)で示されるジヒドロキ
シジフェニルスルホン化合物として好ましい化合物は、
下記の式で示されるものが挙げられる。
本発明に用いられる一般式(V)で示されるジヒドロキ
シジフェノール化合物中のR3〜R6は、水素原子、炭素数
1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基及びハロゲン原
子であり、R3〜R6の中の少なくとも一つは炭素数1〜8
の直鎖状又は分岐状の炭化水素基であるが、ハロゲン原
子としては塩素及び臭素が好ましく、また、炭化水素基
の具体例としては、R1,R2について例示したものが全て
含まれる。好ましい化合物としては、下記の式で示され
るものを例示することができる。
本発明において用いられるアルカリ金属炭酸塩として
は、好ましくはフェノールと反応してフェノールのアル
カリ金属塩を形成しうるもので、具体的には炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウムで
ある。特に好ましくは、炭酸カリウムもしくは炭酸ナト
リウムである。所望なら水和炭酸塩も使用できるが、ア
ルカリ金属炭酸塩は無水のものが好ましい。また、重炭
酸カリウムもしくは重炭酸ナトリウムも下式に示す熱分
解反応により炭酸塩を生成するため用いることができ
る。
アルカリ金属炭酸塩は二価フェノール1モルに対して少
なくとも2モルのアルカリ金属炭酸塩を使用しなければ
ならない。特に高分子量ポリマーを得るために、及び重
合反応速度を高めるためには、0.5〜200モル%過剰の炭
酸塩を用いることが好ましい。アルカリ金属炭酸塩の使
用量が少ない場合にはフェノールのアルカリ金属塩の生
成反応が完了せず、フリーなフェノール基のために低分
子量の生成物しか得られないので好ましくない。
本発明において用いられる二価フェノールアルカリ金属
二塩形成剤としては、二価フェノールと反応して二価フ
ェノールアルカリ金属二塩を形成するものであれば特に
制限はないが、そのようなものの例として、アルカリ金
属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、ア
ルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属
硫化水素化物、アルカリ金属アルコキシドなどを挙げる
ことができる。この中でも安価で、しかも反応性の高い
アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムを用いるのが好ましい。
本発明において用いられる二価フェノールのアルカリ金
属二塩形成剤の使用量は、二価フェノールの水酸基1つ
に対して、反応するアルカリ金属原子が実質上1つ存在
する量で用いるのが好ましい。具体的には、二価フェノ
ールの水酸化1モルに対して二価フェノールのアルカリ
金属二塩形成剤は0.95モル〜1.05モルの範囲内で用いら
れる。この範囲より少ない場合には高分子量のポリマー
が得られにくく、一方、この範囲より多い場合には、重
合中に副反応が生じて生成ポリマーの物性の低下や着色
度が大きくなって好ましくない。
本発明において用いられる非プロトン性極性溶媒として
は、重合温度においてアルカリの存在下において安定
で、しかも二価フェノール、ジハロジフェニルスルホン
化合物及び生成重合体に対する溶解性が高いものであれ
ば特に制限はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン
などを挙げることができる。
本発明の共重合体は、以下に述べる実施態様のいずれの
方法においても製造することができるが、これらに限定
されるものではない。
イ)非プロトン性極性溶媒中に、二価フェノール、ジハ
ロジフェニルスルホン化合物及びアルカリ金属炭酸塩を
仕込み、所定温度に昇温し、生成水を留去させながら重
合させる方法。
ロ)非プロトン性極性溶媒中に、二価フェノール、ジハ
ロジフェニルスルホン化合物及びアルカリ金属炭酸塩を
仕込み、これに共沸脱水溶剤を加えて所定温度にて共沸
脱水させながら重合させる方法。
ハ)非プロトン性極性溶媒中で、二価フェノールにアル
カリ金属塩形成剤を、そのままもしくは水溶液の状態で
反応させ、系中の水分を加熱留去もしくは共沸脱水溶剤
を添加して共沸により除去した後、ジハロジフェニルス
ルホン化合物を添加して、所定温度にて重合させる方
法。
ニ)非プロトン性極性溶媒中で、二価フェノールにアル
カリ金属塩形成剤を、そのままもしくは水溶液の状態で
反応させ、これに共沸脱水溶剤及びジハロジフェニルス
ルホン化合物を添加して、所定温度にて共沸脱水させな
がら重合させる方法。
ホ)非プロトン性極性溶媒中に、別途合成した二価フェ
ノールのアルカリ金属二塩とジハロジフェニルスルホン
化合物を仕込み、所定温度にて重合させる方法。
ヘ)非プロトン性極性溶媒中に、ジハロジフェニルスル
ホン化合物、アルカリ金属炭酸塩及び一方の二価フェノ
ール(ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物又はジヒ
ドロキシジフェニル化合物)を仕込み、所定温度に昇温
して、生成水を留去させながら、あるいは共沸脱水溶剤
を加えて所定温度にて共沸脱水させながら重合させ、一
方のポリマーブロックを合成した後、他方の二価フェノ
ール(ジヒドロキシジフェニル化合物又はジヒドロキシ
ジフェニルスルホン化合物)を仕込み、さらに重合させ
てブロック共重合体を得る方法。
本発明において用いられる共沸脱水溶剤としては、水と
共沸して共沸混合物を形成するもので、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、モノクロロ
エタン、ジクロロエタン、トリクロロエチル、テトラク
ロロエタン、モノクロロエチレン、ジクロロエチレン、
トリクロロエチレンなどを挙げることができる。
本発明において用いられるジハロジフェニルスルホン化
合物の使用量は、二価フェノールに対して90〜110モル
%の範囲内で使用するのが好ましい。より高分子量のポ
リマーを得るためには、95〜105モル%の範囲内で使用
するのが好ましい。
本発明において重合反応温度は、反応原料成分の種類、
重合反応の形式等により変化するが、通常80〜400℃の
範囲であり、好ましくは100〜350℃の範囲で実施され
る。上記の温度範囲より反応温度が低い場合は、目的と
する重合反応は殆ど実用に耐える速度で進行せず、必要
とする分子量の重合体を得ることは困難である。一方、
上記の範囲より反応温度が高い場合は、目的とする重合
反応以外の副反応が無視できなくなり、得られる重合体
の着色も著しくなる。また、反応は一定の温度で実施し
てもよいし、温度を徐々に変化させるか、又は温度を段
階的に変化させてもよい。
本発明の方法において、重合反応に要する時間は反応原
料成分の種類、重合反応の形式、反応温度などにより大
幅に変化するが、通常は10分〜100時間の範囲であり、
好ましくは30分〜24時間の範囲で実施される。
本発明の方法において反応を実施する際の反応雰囲気と
しては、酸素が存在しないことが好ましく、窒素もしく
はその他の不活性ガス中で行うと良い結果が得られる。
二価フェノールのアルカリ金属塩は、酸素の存在下で加
熱すると酸化されやすく、目的とする重合反応が妨げら
れ、高分子量化が困難になる他、生成重合体の着色の原
因ともなる。
本発明の方法において、重合反応を停止させるには通常
反応物を冷却すればよい。しかしながら、重合体の末端
に存在する可能性のあるフェノキサイド基を安定化させ
るために、脂肪族ハロゲン化物、芳香族ハロゲン化物等
を添加反応させることも必要に応じ実施される。上記ハ
ロゲン化物の具体的な代表例としては、メチルクロライ
ド、エチルクロライド、メチルブロマイド、4−クロロ
ジフェニルスルホン、4−クロロベンゾフェノン、4,
4′−ジクロロジフェニルスルホン、4−クロロニトロ
ベンゼン等を挙げることができる。
重合反応終了後の重合体の分離及び精製においては公知
の方法を適用できる。例えば、反応溶媒中に析出した塩
(アルカリハライド)及び過剰のアルカリ金属炭酸塩を
濾過した後、濾液である重合体溶液を通常は重合体の非
溶媒に滴下するか、逆に重合体の非溶媒を重合体溶液中
に加えることにより、目的とする重合体を析出させるこ
とができる。重合体の非溶媒として通常用いられるもの
の代表例としては、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、水等を挙げ
ることができるが、これらは単独でも、また二種以上の
混合物として使用してもよい。
〔発明の効果〕
本発明による共重合体は、従来のポリエーテルスルホン
のもつ長所を保持し、耐熱性の向上を達成したものであ
り、耐熱性と成形性とが極めて良くバランスしており、
その優れた機械的特性、電気的特性、熱安定性、成形性
等により電気絶縁用途、耐熱部品、調理用具、コーティ
ング材料、精密部品等の広範な用途に使用することがで
き、工業的価値が大である。
〔実 施 例〕
本発明を以下の実施例及び比較例にて詳細に説明する
が、これをもって本発明を制限するものではない。
実施例 1 攪拌機、ガス導入管、温度計及び先端に受器を付した凝
縮器を備えた1SUS316フラスコ内に、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン45.05g(0.180モル)、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニル4.80(0.0198モル)、4,4′−ジクロロジフェニル
スルホン59.15g(0.206モル)、無水炭酸ナトリウム24.
38g(0.230モル)及びスルホラン235gを仕込み窒素置換
を行った。次に窒素雰囲気下、攪拌及び昇温を開始し、
約1時間かけて系内温度を235℃まで昇温し、この温度
で約6時間反応を行った。この間に水が約3.6g受器に補
獲された。反応終了後、反応液を150℃まで冷却し、こ
の温度でメチルクロライドガスを300ml/分で30分吹き込
んだ。さらに反応液中に析出した塩化ナトリウム及び過
剰の炭酸ナトリウム等を濾別除去し、濾液を室温まで冷
却した。次に、この濾液を多重のメタノール中に注いで
ポリマーを析出させた。ポリマーを濾別し、水洗を数回
行った後、減圧下にて150℃で加熱乾燥した。得られた
ポリマーの還元粘度は0.52dl/g(25℃,N−メチル−2−
ピロリドン中0.5g/dl)であった。前記式(I)及び(I
I)の組成比(モル分率)はプロトン核磁気共鳴スペク
トル(1H−NMR)の測定より50/50であることが分かっ
た。
物性測定結果を表1に示した。
実施例2〜6及び比較例1 4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び3,3′,5,
5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルの
量を表1に示した量に代えた以外は、実施例1と同様に
行った。
得られたポリマーの物性測定結果を表1に示した。
比較例 2 3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル48.46g(0.200モル)、4,4′−ジクロロジフェニ
ルスルホン59.15g(0.206モル)、無水炭酸ナトリウム2
4.38g(0.230モル)及び1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン300gを用いる以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られたポリマーの還元粘度は0.56dl/g(25℃,N−
メチル−2−ピロリドン中0.5g/dl)であった。
物性測定結果を表1に示した。
表1に示したように、本発明により得られたポリマーは
高いTgを有し、しかも成形性が優れていることがわか
る。
実施例 7 攪拌機、ガス導入管、温度計及び先端に受器を付した凝
縮器を備えた1SUS316フラスコ内に、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン35.04g(0.140モル)、4,4′
−ジクロロジフェニルスルホン59.15g(0.206モル)、
無水炭酸ナトリウム24.38g(0.230モル)及びスルホラ
ン150gを仕込み窒素置換を行った。次に235℃まで昇温
し、この温度で4時間反応させた後、3,3′,5,5′−テ
トラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニル14.54g
(0.0600モル)とスルホラン85gに溶解させた溶液を添
加し、更に4時間反応させた。これまでの間に約3.5gの
水が受器に補獲された。その後、反応液を150℃まで冷
却し、メチルクロライドガスを300ml/分で30分間吹き込
んだ。更に反応液中に析出した塩化ナトリウム及び過剰
の炭酸ナトリウム等を濾別除去し、濾液を室温まで冷却
した。次に、この濾液を多量のメタノール中に注いでポ
リマーを析出させた。ポリマーを濾別し、水洗を数回行
った後、減圧下にて150℃で加熱乾燥した。得られたポ
リマーの還元粘度は0.53dl/g(25℃,N−メチル−2−ピ
ロリドン中0.5g/dl)であった。前記式(I)及び(I
I)の組成比(モル分率)は、1H−NMR測定より70/30で
あることが分かった。
実施例 8 攪拌機、ガス導入管、温度計及び先端に受器を付した凝
縮器を備えた1SUS316フラスコ内に、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン35.04g(0.140モル)、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニル14.54g(0.0600モル)、48.55重量%水酸化カリウ
ム水溶液47.06g(0.407モル)、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン(DMI)372.0g及び水23gを仕込み、室温
で均一になるまで攪拌した。次に200℃まで昇温し、20
分間攪拌した。この間に約90%の水分が留出した。その
後、DMIの沸点まで昇温し、DMI90mlを留出させた。これ
により、98%以上の水分が留出され、実質上無水状態と
なった。次に4,4′−ジクロロジフェニルスルホン57.42
g(0.200モル)をDMI100mlに溶解させたものを添加し、
226℃で6時間重合させた。その後、反応液を150℃まで
冷却し、メチルクロライドガスを30分間吹き込んで重合
を停止させた。反応液を室温まで冷却し、反応液中に析
出した塩化カリウムを濾別して除去し、濾液を大量のメ
タノール中に注いでポリマーを沈殿させた。析出したポ
リマーを濾別し、水洗を数回行った後、減圧下にて加熱
乾燥を行った。生成ポリマーの収率は95%で、得られた
ポリマーの還元粘度は0.43dl/g(25℃,N−メチル−2−
ピロリドン中0.5g/dl)であった。前記式(I)及び(I
I)の組成比(モル分率)は、1H−NMR測定より70/30で
あることが分かった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) で示される繰り返し単位のモル分率が1〜99モル%で、
    一般式(II) で示される繰り返し単位のモル分率が99〜1モル%であ
    り、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)とが互い
    に無秩序に或いは秩序をもって配列してエーテル結合に
    より連結してなる共重合体であり、かつ濃度が0.5g/dl
    のN−メチル−2−ピロリドン溶液で25℃において測定
    した該共重合体の還元粘度が0.1dl/g以上であることを
    特徴とする新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体。 (但し、上記式中R1〜R6は互いに同一でも異なっていて
    もよい水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分枝状の炭
    化水素基、或いはハロゲン原子を表し、R3〜R6の中の少
    なくとも一つは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化
    水素基である。a,bはそれぞれ1〜4の整数であり、互
    いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】一般式(III) (式中Xはハロゲン原子、R1,R2は互いに同一でも異な
    っていてもよい水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分
    岐状の炭化水素基、或いはハロゲン原子を表し、a,bは
    それぞれ1〜4の整数である。) で示されるジハロジフェニルスルホン化合物と、1〜99
    モル%が一般式(IV) で示されるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物であ
    り、残部99〜1モル%が一般式(V) (式中R3〜R6は互いに同一でも異なっていてもよい水素
    原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基、
    或いはハロゲン原子を表し、R3〜R6の中の少なくとも一
    つは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基であ
    る。) で示されるジヒドロキシジフェニル化合物からなる二価
    フェノール混合物とを、アルカリ金属炭酸塩の存在下、
    非プロトン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする
    請求項1記載の新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(III) (式中Xはハロゲン原子、R1,R2は互いに同一でも異な
    っていてもよい水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分
    岐状の炭化水素基、或いはハロゲン原子を表し、a,bは
    それぞれ1〜4の整数である。) で示されるジハロジフェニルスルホン化合物と、1〜99
    モル%が一般式(IV) で示されるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物であ
    り、残部99〜1モル%が一般式(V) (式中R3〜R6は互いに同一でも異なっていてもよい水素
    原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基、
    或いはハロゲン原子を表し、R3〜R6の中の少なくとも一
    つは炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状の炭化水素基であ
    る。) で示されるジヒドロキシジフェニル化合物からなる二価
    フェノール混合物にアルカリ金属塩形成剤を反応させて
    得られる二価フェノールアルカリ金属二塩とを、非プロ
    トン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする請求項
    1記載の新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体の製
    造方法。
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