JP2812942B2 - 芳香族ポリエーテルおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエーテルおよびその製造方法

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JP2812942B2 JP62227774A JP22777487A JP2812942B2 JP 2812942 B2 JP2812942 B2 JP 2812942B2 JP 62227774 A JP62227774 A JP 62227774A JP 22777487 A JP22777487 A JP 22777487A JP 2812942 B2 JP2812942 B2 JP 2812942B2
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清 興津
許志 石倉
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ダイセル化学工業 株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は着色の少ない熱安定性に優れた芳香族ポリエ
ーテルおよびその製造方法に関するものである。 〔従来の技術とその問題点〕 熱可塑性の芳香族ポリエーテル、とりわけポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンは、耐
熱性、機械性能及び耐薬品性に優れており、商業的に実
用性の高いものである。 芳香族ポリエーテルの製造方法に関しては、種々の方
法が提案されている。代表的な方法としては特公昭42−
7799号や特公昭45−21318号に、二価フェノールとアル
カリ金属水酸化物とから生成する二価フェノールのジア
ルカリ金属塩とジハロゲノベンゼノイド化合物とを高沸
点のスルホキシド、又はスルホン溶媒(例えばジメチス
ルホキシド、スルホラン)中で反応させる方法が開示さ
れている。 又、特公昭46−21458号および特公昭55−23574号に
は、二価フェノール及びジハロゲノベンゼノイド化合物
又はハロフェノールとアルカリ金属炭酸塩とを高沸点の
スルホキシド、又はスルホン溶媒(例えば、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン)中で反
応させることによる芳香族ポリエーテルの製造方法が開
示されている。 このようにして得られた芳香族ポリエーテルは一般に
高軟化点を有する熱可塑性物質である。この高軟化点ゆ
えにそして高温における溶媒粘度が高いゆえに射出成形
等の成形加工時に高温(350℃位)が必要である。 しかしながら、上記公報等に記載の方法で製造した芳
香族ポリエーテルは350℃以上では熱安定性に問題があ
り、成形中に溶融粘度が増加したり、色が淡黄色から褐
色に変化したりするという問題がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らはかかる問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、驚くべきことに有機ハロゲン化合物を反応させる
ことによって得られる末端フェノール性水酸基およびフ
ェノレート基の含有率が総末端基に対して0.5%以下で
ある芳香族ポリエーテルは、上記問題点が解決され、着
色の少ない熱安定性に優れた芳香族ポリエーテルである
こと並びに斯かる芳香族ポリエーテルの製造方法を見出
し、本発明を完成するに至った。 即ち本発明は 1 一般式(I) (Yは直接結合又は1〜5個の炭素原子を有するアルキ
レン又はアルキリデン基、又は5〜15個の炭素原子を有
するシクロアルキレン又はシクロアルキリデン基、ある
いは−O−,−CO−,−SO2−,−S−のいずれかの基
を表わす。Zは−SO2−又は−CO−である。R1,R2,R3,R4
は−CH3,−C2H5,−CH(CH32,−OCH3,−OC2H5の基の中
から選ばれ、R1〜R4は同一でも異なっていても良い。
n1,n2,n3,n4は0〜4の整数を表わす。) で示される繰り返し単位を有し、末端基のほとんど全て
がハロゲン原子、アルキルエーテル、アリールエーテル
又はアラルキルエーテルであり、フェノール性水酸基末
端およびフェノレート末端のトータル含有率が総末端基
に対して0.5%以下であることを特徴とする着色の少な
い熱安定性に優れた芳香族ポリエーテル および 2 一般式(II) (Yは直接結合又は1〜5個の炭素原子を有するアルキ
レン又はアルキリデン基、又は5〜15個の炭素原子を有
するシクロアルキレン又はシクロアルキリデン基、ある
いは−O−,−CO−,−SO2−,−S−のいずれかの基
を表わす。R1,R2は−CH3,−C2H5,−CH(CH32,−OCH3,
−OC2H5の基の中から選ばれ、R1とR2が同一でも異なっ
ていてもよい。n1,n2は0〜4の整数を表わす。) で表わされる少なくとも一種の二価フェノール及び 一般式(III) (X,X′はハロゲン原子で同一でも異なっていてもよ
く、Zに対してオルト位又はパラ位にある。Zは−SO2
−又は−CO−である。R3,R4は−CH3,−C2H5,−CH(C
H32,−OCH3,−OC2H5の基の中から選ばれ、R3とR4が同
一でも異なっていてもよい。n3,n4は0〜4の整数を表
わす。) で表わされる少なくとも一種のジハロゲノベンゼノイド
化合物の実質的な等モル混合物、 又は一般式(IV) (X″はハロゲン原子であり、Aに対してオルト位又は
パラ位にある。Aは直接結合又は1〜5個の炭素原子を
有するアルキレン又はアルキリデン基、又は5〜15個の
炭素原子を有するシクロアルキレン又はシクロアルキリ
デン基、あるいは−O−,−CO−,−SO2−,−S−の
いずれかの基を表わす。R5,R6は−CH3,−C2H5,−CH(CH
32,−OCH3,−OC2H5の基の中から選ばれ、R5とR6が同
一でも異なっていてもよい。n5,n6は0〜4の整数を表
わす。) で表わされる少なくとも一種のハロフェノールと、存在
するフェノール基1個に対し1.00〜1.25個のアルカリ金
属原子が存在するような量のアルカリ金属塩形成剤、お
よび少なくとも1種の有機ハロゲン化合物を有機高極性
不活性溶媒中で反応させることを特徴とする、前記一般
式(I)で示される繰り返し単位を有し、末端基のほと
んど全てがハロゲン原子、アルキルエーテル、アリール
エーテル又はアラルキルエーテルであり、フェノール性
水酸基末端およびフェノレート末端のトータル含有率が
総末端基に対して0.5%以下である。 着色の少ない熱安定性に優れた芳香族ポリエーテルの
製造法に関するものである。 本発明において用いられる二価フェノールとしては、
前記一般式(II)で表わされる化合物なら特に制限はな
いが、生成重合体に耐熱性を付与する目的では、 4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、 4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、 4,4′−ジヒドロキシビフェニル、 2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、 ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン 及び上記二価フェノールのオルト位のメチル基置換体な
どが好ましい。中でも、 (Yは上記一般式(II)に同じ) で表わされる化合物が特に好ましい。 本発明において用いられるジハロゲノベンゼノイド化
合物としては、一般式(III)で表わされる化合物なら
特に制限はないが、ハロゲン原子の反応性及び生成重合
体の耐熱性の付与の目的からは、 4,4′−ジクロロジフェニルスルホン、 4,4′−ジフルオロジフェニルスルホン、 4,4′−ジクロロベンゾフェノン、 4,4′−ジフルオロベンゾフュノン、 及び上記ジハロゲノベンゼノイド化合物のオルト位のメ
チル基置換体などが好ましい。中でも、 (X,X′,Zは上記一般式(III)に同じ) で表わされる化合物が特に好ましい。 本発明において用いられるジハロゲノベンゼノイド化
合物の使用量は、二価フェノールに対して実質的に等モ
ルとなる量であり、具体的には90〜110モル%の範囲内
で使用するのが好ましい。より高分子量のポリマーを得
るためには、98〜105モル%の範囲内で使用するのが好
ましい。 本発明において用いられるハロフェノールとしては一
般式(IV)で表わされる化合物なら特に制限はないが、
ハロゲン原子の反応性及び生成重合体の耐熱性の付与の
目的からは、 4−(4−クロロフェニスルホニル)フェノール、 4−(4−フルオロフェニルスルホニル)フェノール、 4−(4−クロロベンゾイル)フェノール、 4−ヒドロキシ−4′−(4−クロロフェニルスルホニ
ル)ビフェニル、 4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)−4′−
(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニルなどが好
ましい。 本発明において用いられる有機高極性不活性溶媒とし
ては、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリ
ドン、スルホラン(1,1−ジオキソチオラン)、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−
イミダゾリジノン、ジエチルスルホン、ジイソプロピル
スルホン、ジフェニルスルホン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが好ましい。 本発明において用いられるアルカリ金属塩形成剤と
は、フェノールと反応してフェノールのアルカリ金属塩
を形成するもので、例えばアルカリ金属、アルカリ金属
水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸
塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属硫化物、ア
ルカリ金属硫化水素物、アルカリ金属アルコキシドなど
を挙げることができる。具体的には、ナトリウム、カリ
ウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫化ナト
リウム、硫化カリウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素
カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドなどで
あり、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどを挙げることができるが、生成芳
香族ポリエーテルの熱安定性の点からは炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムが特に好ましく用いられる。 本発明において用いられるフェノールのアルカリ金属
塩形成剤の使用量は、存在するフェノール基1個に対
し、1.00〜1.20個のアルカリ金属原子が存在するような
量である。アルカリ金属塩形成剤の使用量がこれより少
ない場合には、高分子量の芳香族ポリエーテルが得られ
にくく、かつ重合反応終了後に行う有機ハロゲン化合物
による末端処理反応が充分に進行しないため好ましくな
い。一方、アルカリ金属塩形成剤の使用量がこれより多
い場合には生成芳香族ポリエーテルの開裂もしくは分解
を生じさせるため好ましくない。 本発明における重合反応は、有機高極性不活性溶媒の
存在下、二価フェノール及びジハロゲノベンゼノイド化
合物又はハロフェノールとアルカリ金属塩形成剤とを一
括に仕込み重合反応を行う方法(一段法)でも良いし、
最初に二価フェノールとアルカリ金属塩形成剤との中和
反応を行い、次いでジハロゲノベンゼノイド化合物とを
反応させる法(二段法)でも良い。 本発明において重合反応温度は反応原料成分の種類、
重合反応の形式などにより変化するが、通常80〜400℃
の範囲であり、好ましくは100〜350℃の範囲で実施され
る。上記の温度範囲より、反応温度が低い場合は、目的
とする重合反応は殆ど実用に耐える速度で進行せず、必
要とする分子量の重合体を得ることは困難である。一
方、上記の範囲より反応温度が高い場合は、目的とする
重合反応以外の副反応が無視できなくなり、得られる重
合体の着色も著しくなる。また、反応は一定の温度で実
施してもよいし、温度を徐々に変化させるか、または温
度を段階的に変化させてもよい。 本発明において重合反応に要する時間は、反応原料成
分の種類、重合反応の形式、反応温度などにより大幅に
変化するが、通常は10分〜100時間の範囲であり、好ま
しくは30分〜24時間の範囲で実施される。 本発明において重合反応中は系内を実質上無水の状態
(これは反応物に約1重量%以下、好ましくは0.5重量
%以下の水が含まれることを意味する)に保つことが必
要であり、そのためには共沸脱水法または不活性ガス気
流下で重合反応を行う等、系内の水を除去しながら反応
を行うことが必要である。重合反応中、実質上無水条件
を維持しなければならないのは、もし系内に水が存在す
ると未反応ジハロゲノベンゼノイド化合物が加水分解さ
れて、フェノール性物質および望ましくない低分子量生
成物の形成をもたらすからである。 本発明において反応を実施する際の反応雰囲気として
は、酸素が存在しないことが好ましく、窒素ガス、アル
ゴンガス等の不活性ガス気流下で反応を行うことが必要
である。 本発明における不活性ガスの流量には特に制限はな
く、系内の酸素濃度をほぼゼロに保てる量であれば良
い。 酸素の存在下では二価フェノールのアルカリ金属塩は
加熱により酸化を受けやすく、その結果、目的とする重
合反応が妨げられ、高分子量化が困難になる他、生成ポ
リマーの着色原因ともなる。 本発明において用いられる有機ハロゲン化合物として
は脂肪族ハロゲン化合物、芳香族ハロゲン化合物、具体
的にはメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブ
ロマイド、メチルアイオダイド、4−クロルジフェニル
スルホン、4−クロルベンゾフェノン、4,4′−ジクロ
ロジフェニルスルホン、p−クロルニトロベンゼン、ベ
ンジルクロライドなどを挙げることができる。この有機
ハロゲン化合物は生成芳香族ポリエーテルの末端に存在
するフェノレートと反応して芳香族ポリエーテルの末端
フェノレートをアルキルエーテル、アリールエーテル又
はアラルキルエーテルにかえ、芳香族ポリエーテルを安
定化させる。この有機ハロゲン化合物とフェノレートと
の反応は重合反応と同様に実質上無水条件下で行うこと
が必要であり、また有機ハロゲン化合物の使用量は系内
に存在する全フェノレートと反応するに足りる量以上で
あれば特に制限されるものではない。 重合反応終了後の重合体の分離および精製においては
公知の方法を適用できる。例えば、反応溶媒中に析出し
た塩(アルカリハライド)を濾別したのち、濾液である
重合体溶液を通常は重合体の非溶媒に滴下するか、逆に
重合体の非溶媒を重合体溶液中に加えることにより、目
的とする重合体を析出させることができる。重合体の非
溶媒として通常用いられるものの代表例としては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メ
チルエチルケトン、水などを挙げることができるが、こ
れらは単独でも、二種以上の混合物として使用してもよ
い。 斯くして得られる本発明の芳香族ポリエーテル、即
ち、一般式(I) (式中、Y,Z,R1〜R4,n1〜n4は前述の通り) で示される繰り返し単位を有し、末端基のほとんど全て
がハロゲン原子、アルキルエーテル、アリールエーテル
又はアラルキルエーテルであり、フェノール性水酸基末
端およびフェノレート末端のトータル含有率が総末端基
に対して0.5%以下である芳香族ポリエーテルは、その
優れた耐熱性、機械性能および耐薬品性等により、電気
絶縁用途、耐熱部品、調理用具、コーティング材料、精
密部品等に使うことができる。 〔実施例〕 本発明を以下の実施例および比較例にて詳細に説明す
るが、これをもって本発明を制限するものではない。 比較例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および先端に受器を付し
た凝縮器とを備えた1SUS 316フラスコ内に4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン50.3386g、無水炭酸カリ
ウム29.1973g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン59.
1771gおよびスルホラン380.3gを仕込み、窒素置換{減
圧(フルバキューム)と加圧(2kg/cm2・G)との3回
サイクル}を行った。 次に系内の窒素ガスを放出し系内を常圧に戻した後、
系内に150ml/minの窒素ガスの流通を開始した。なお窒
素ガスは反応ガスが終了するまでこの流量で流し続け
た。撹拌および昇温を開始し、約1時間かけて系内温度
を225℃にした。なおこの間、系内温度が120℃前後で水
の発生が認められた。 その後、225℃で6時間反応を続けた。この間に水が
約3.6g受器に捕獲された。 反応終了後、反応液を150℃まで冷却し、反応液中に
析出した塩化カリウム等を濾別除去し、濾液を室温まで
冷却した。次にこの濾液を多量のメタノール中に注いで
ポリマーを沈殿させた。析出したポリマーを濾別し水洗
を数回行った後、減圧下にて150℃で加熱乾燥を行い粉
末状のポリマーを得た。このポリマーはNMR,IRよりポリ
エーテルスルホンと確認された。 得られたポリマーのN,N−ジメチルホルムアミド中(2
5℃,100ml中、1.0gのポリマー)で測定した還元粘度は
0.48であり、ポリマーの1%N,N−ジメチルホルムアミ
ド溶液の黄色度注)は5.1であった。 得られた粉末状ポリマーを3cm×3cm×0.3cmの平板に
プレス成形(300℃×30min)し、これを400℃の電気炉
中に1時間放置した。次にこの成形板をN,N−ジメチル
ホルムアミド200mlに溶解させ、一晩放置して不溶解分
を濾別した。この不溶解分を160℃で乾燥し、この不溶
解分の割合(これを400℃×1時間のゲル化率と称す
る)を求めたところ7%であった。 注) 黄色度を測定法;JIS K 7103スガ試験機(株)製A
UD−CH−2型 得られたポリマーをジメチルスルホキサイド(DMSO)
に溶解させ、大過剰の炭酸カリウムを添加して150℃で
2時間反応させ、−Cl末端以外のポリマー末端を全て−
OK末端に変えた。続いてメチルクロライドを反応させて
−OK末端を全て−OCH3末端に変えた後、NMR分析でポリ
マー末端の−Cl/−OCH3の比を求めたところ、97.3/2.7
であった。 この分析値から比較例1で得られたポリマーにはフェ
ノール性水酸基末端およびフェノレート末端がトータル
として2.7%含有されていることがわかる。 実施例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および先端に受器を付し
た凝縮器とを備えた1SUS 316フラスコ内に4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン50.3386g、無水炭酸カリ
ウム29.1973g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン59.
1771gおよびスルホラン380.3gを仕込み、窒素置換{減
圧(フルバキューム)と加圧(2kg/cm2・G)との3回
サイクル}を行った。 次に系内の窒素ガスを放出し系内を常圧に戻した後、
系内に150ml/minの窒素ガスの流通を開始した。なお窒
素ガスは反応ガスが終了するまでこの流量で流し続け
た。撹拌および昇温を開始し、約1時間かけて系内温度
を225℃にした。なおこの間、系内温度が120℃前後で水
の発生が認められた。 その後、225℃で6時間反応を続けた。この間に水が
約3.6g受器に捕獲された。 重合反応終了後、反応液を150℃まで冷却し、この温
度で30分間メチルクロライド・ガスを300ml/minで吹き
込み末端処理を行った。次に反応液中に析出した塩化カ
リウム等を濾別除去し、濾液を室温まで冷却した。次に
この濾液を多量のメタノール中に注いでポリマーを沈殿
させた。析出したポリマーを濾別し水洗を数回行った
後、減圧下にて150℃で加熱乾燥を行い粉末状のポリマ
ーを得た。このポリマーはNMR,IRよりポリエーテルスル
ホンと確認された。 得られたポリマーの還元粘度は0.48、黄色度は3.5、4
00℃×1時間のゲル化率は2%であった。 次にこのポリマーをそのままNMR分析した結果と、比
較例1と同様な処理を行った後でNMR分析した結果とを
比較した結果、両者のポリマー末端の−Cl/−COH3の比
が同じであることから、この実施例1で得られたポリマ
ーにはフェノール性水酸基末端およびフェノレート末端
はほとんど含有されていないことがわかる。 比較例2 実施例1において、メチルクロライドガスの吹き込み
時間を5分間とした以外は実施例1と同様にしてポリエ
ーテルスルホンを得た。 得られたポリマーについて実施例1と同様の評価を行
なったところ、還元粘度は0.48、黄変度は4.0、NMR分析
によるフェノール性水酸基末端及びフェノレート末端の
トータル含有率は、総末端基に対して1.5%で、400℃×
1時間のゲル化率は3.5%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 65/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一般式(I) (Yは直接結合又は1〜5個の炭素原子を有するアルキ
    レン又はアルキリデン基、又は5〜15個の炭素原子を有
    するシクロアルキレン又はシクロアルキリデン基、ある
    いは−O−,−CO−,−SO2−,−S−のいずれかの基
    を表わす。Zは−SO2−又は−CO−である。R1,R2,R3,R4
    は−CH3,−C2H5,−CH(CH32,−OCH3,−OC2H5の基の中
    から選ばれ、R1〜R4は同一でも異なっていても良い。
    n1,n2,n3,n4は0〜4の整数を表わす。) で示される繰り返し単位を有し、末端基のほとんど全て
    がハロゲン原子、アルキルエーテル、アリールエーテル
    又はアラルキルエーテルであり、フェノール性水酸基末
    端およびフェノレート末端のトータル含有率が総末端基
    に対して0.5%以下であることを特徴とする着色の少な
    い熱安定性に優れた芳香族ポリエーテル。 2.一般式(II)(Yは直接結合又は1〜5個の炭素原子を有するアルキ
    レン又はアルキリデン基、又は5〜15個の炭素原子を有
    するシクロアルキレン又はシクロアルキリデン基、ある
    いは−O−,−CO−,−SO2−,−S−のいずれかの基
    を表わす。R1,R2は−CH3,−C2H5,−CH(CH32,−OCH3,
    −OC2H5の基の中から選ばれ、R1とR2が同一でも異なっ
    ていても良い。n1,n2は0〜4の整数を表わす。) で表わされる少なくとも一種の二価フェノール及び 一般式(III) (X,X′はハロゲン原子で同一でも異なっていてもよ
    く、Zに対してオルト位又はパラ位にある。Zは−SO2
    −又は−CO−である。R3,R4は−CH3,−C2H5,−CH(C
    H32,−OCH3,−OC2H5の基の中から選ばれ、R3とR4が同
    一でも異なっていてもよい。n3,n4は0〜4の整数を表
    わす。) で表わされる少なくとも一種のジハロゲノベンゼノイド
    化合物の実質的な等モル混合物、 又は一般式(IV) (X″はハロゲン原子であり、Aに対してオルト位又は
    パラ位にある。Aは直接結合又は1〜5個の炭素原子を
    有するアルキレン又はアルキリデン基、又は5〜15個の
    炭素原子を有するシクロアルキレン又はシクロアルキリ
    デン基、あるいは−O−,−CO−,−SO2−,−S−の
    いずれかの基を表わす。R5,R6は−CH3,−C2H5,−CH(CH
    32,−OCH3,−OC2H5の基の中から選ばれ、R5とR6が同
    一でも異なっていてもよい。n5,n6は0〜4の整数を表
    わす。) で表わされる少なくとも一種のハロフェノールと、存在
    するフェノール基1個に対し、1.00〜1.25個のアルカリ
    金属原子が存在するような量のアルカリ金属塩形成剤、
    および少なくとも1種の有機ハロゲン化合物を有機高極
    性不活性溶媒中で反応させることを特徴とする、一般式
    (I) (Yは直接結合又は1〜5個の炭素原子を有するアルキ
    レン又はアルキリデン基、又は5〜15個の炭素原子を有
    するシクロアルキレン又はシクロアルキリデン基、ある
    いは−O−,−CO−,−SO2−,−S−のいずれかの基
    を表わす。Zは−SO2−又は−CO−である。R1,R2,R3,R4
    は−CH3,−C2H5,−CH(CH32,−OCH3,−OC2H5の基の中
    から選ばれ、R1〜R4は同一でも異なっていても良い。
    n1,n2,n3,n4は0〜4の整数を表わす。) で示される繰り返し単位を有し、末端基のほとんど全て
    がハロゲン原子、アルキルエーテル、アリールエーテル
    又はアラルキルエーテルであり、フェノール性水酸基末
    端およびフェノレート末端のトータル含有率が総末端基
    に対して0.5%以下である着色の少ない熱安定性に優れ
    た芳香族ポリエーテルの製造法。
JP62227774A 1987-09-11 1987-09-11 芳香族ポリエーテルおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP2812942B2 (ja)

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