JPH0789267A - 記憶媒体及びその表示部記録処理方法 - Google Patents

記憶媒体及びその表示部記録処理方法

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JPH0789267A
JPH0789267A JP5236691A JP23669193A JPH0789267A JP H0789267 A JPH0789267 A JP H0789267A JP 5236691 A JP5236691 A JP 5236691A JP 23669193 A JP23669193 A JP 23669193A JP H0789267 A JPH0789267 A JP H0789267A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用履歴情報を表示可能な、高いセキュリテ
ィ性を備えた記憶媒体及びその処理方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 記憶部と表示部とを有する記憶媒体であっ
て、記憶媒体の使用履歴情報を表示する記録特性の異な
る複数の表示部を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記憶媒体及び記憶媒体
への記録処理方法に係り、特に、表示部の安全性が改善
された記憶媒体及び記憶媒体への記録処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報記憶部を有する磁気カード、ICカ
ード等は、テレフォンカード、プリペイドカード、ID
カード等の分野で広範に使用されている。しかしなが
ら、これらカードの普及に伴って、カードの偽造、変造
又は不正使用などの問題が起こってきた。これらの記憶
媒体では、使用状況に関する処理が、記憶情報をもとに
処理装置で非可視的に処理される。従って、記憶媒体の
使用行為に対して疑義が生じた場合、処理装置によって
表示装置に情報を表示しなければならず、疑義に対し
て、必ずしも使用者の十分な納得が得られるものでなか
った。
【0003】これに対して、記憶媒体使用者が、処理装
置を介さずに使用状態に関する情報を確認できるよう
に、記憶媒体に表示部を設け、記憶部情報の一部を表示
する事が行なわれている。この記憶媒体及びシステムで
は、使用者が使用状況を直接確認でき、かつ、記憶情報
と表示情報を照合して情報の確認ができるため、使用者
のより高い信頼を得ることが可能である。このようなシ
ステムに関して、種々の提案がなされている(実開平1
−17471号公報、特開平3−212790号公報な
ど)。しかし、記憶媒体は、一般に繰り返し、複数回使
われるものであるため、表示部に十分な情報を必要な回
数分記録表示することができない場合が生じる。
【0004】このような問題に対して、可逆記録性記録
材料を記録部に用いる工夫がある(特開平3−1165
94、3−218898など)。これらは画像を繰り返
し記録、消去できる点で優れているが画像そのものは容
易に書き換え、変造ができるのでセキュリティの面から
は問題がある。
【0005】一方、基材の一面に、不可逆性感熱記録層
を下層に、可逆性感熱記録層を上層に積層した磁気記録
媒体が提案されている(特開平5−139079号公
報)。この記録媒体によると、書換可能な情報と保存し
たい情報とを選択して記録することができる。しかし、
記録層が積層されているため、一方の記録層への記録処
理の際、他方の記録層に干渉し、他方の記録層に不要の
記録がなされてしまう危険性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
技術では、高いセキュリティ性を備えた記憶媒体、特に
書換え可能な表示部を備えた記憶媒体及び処理方法は実
現されていない。本発明の目的は、使用履歴情報を表示
可能な、高いセキュリティ性を備えた記憶媒体及びその
処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)は、
記憶部と表示部とを有する記憶媒体であって、記憶媒体
の使用履歴情報を表示する記録特性の異なる複数の表示
部を設けたことを特徴とする記憶媒体を提供する。
【0008】また、本発明(請求項2)は、異なる記録
特性を有する複数の可変表示部を有する記憶媒体であっ
て、第1の記録特性の記録条件と第2の記録特性の消去
条件が少なくとも一部重複することを特徴とする記憶媒
体を提供する。
【0009】本発明の記憶媒体において、表示部の記録
条件が記憶部に記憶されていることが好ましい。更に、
本発明(請求項4)は、記録時において、予め記憶部に
記憶された記録条件情報を記憶部から読み取る工程、及
び読み取られた記録条件情報に従って設定された記録条
件の下で、表示部に記録を行なう工程を具備する表示部
記録処理方法を提供する。
【0010】更にまた本発明は(請求項5)は、記憶部
と表示部とを有し、記憶媒体の使用履歴情報を表示する
印字堅牢性の異なる複数の表示部を設けた記憶媒体の表
示部記録処理方法であって、予め設定された所定の履歴
情報を、より印字堅牢性の高い表示部に記録することを
特徴とする表示部記録処理方法を提供する。
【0011】
【作用】本発明の記憶媒体(請求項1)は、記録条件の
異なる表示部を有しているため、単一の条件ではすべて
の表示部を記録することができない。また、本発明の記
憶媒体(請求項2)では、第1の表示部の記録条件が第
2の表示部の消去条件と重複している。そのため、1つ
の表示部の表示が変造可能となっても、同じ条件で他の
表示部の表示をすることが出来ず、高いセキュリティ性
を備えた記憶媒体とすることが出来る。
【0012】また、本発明の処理方法では、記憶媒体に
記憶されている記録条件を読みだし、その条件にしたが
って、記憶媒体表示部の記録を行なう。予め設定された
所定の履歴情報を印字堅牢性の高い表示部に記録するも
のである。そのため、表示部の記録特性に応じて表示項
目の選択をすることにより、安定した表示部の記録処理
が可能である。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を示し、本発明をよ
り具体的に説明する。図1は、本発明の第1の実施例に
係る、2つの表示部を有する記憶媒体の構成を概略的に
示す断面図である。図1において、白色塩化ビニル、ポ
リエステル等からなる約10μm〜数mmの厚さの基材
1の一方の面には、記憶部である磁気記録層2が設けら
れ、この磁気記録層2の上に、金属錫の薄層3及び熱可
塑性樹脂の保護層4が順次設けられている。金属錫層3
と保護層4は、第1の表示部(以下、B表示部とする)
である金属破壊感熱記録層5を構成している。
【0014】基材1の他方の面には、第2の表示部(以
下、A表示部とする)である、アルミ薄層からなる反射
層7、可変記録層8が順次設けられている。可変記録層
8は、後述するような特性を有する、温度により白濁と
透明の状態を可逆的に示す材料を用いている。可変記録
層8上には、透過性を有する保護層9、固定情報を印刷
されたプレ印刷層10が順次設けられている。
【0015】磁気記録層2には、記憶媒体の用途を特定
する固定情報、例えばプリペイドカード用途では使用可
能金額などや、使用履歴に関する可変情報、例えば残
額、使用期日などが記憶される。本発明の記憶媒体で
は、さらに表示部の記録条件が記憶される。
【0016】A,B表示部には、使用履歴に関する情報
が表示される。しかし、後述するように、両表示部が異
なる記録特性を有するのがこの記録媒体の特徴である。
B表示部は記憶媒体の一方の面の全面を占める。B表示
部の記録は、感熱記録手段により、印字情報に従って金
属錫層3を選択的に溶融破壊し、破壊された部分の磁気
記録層2を露出させる。この露出の有無のコントラスト
によって画像を記録する。この記録層を構成する錫の融
点は232℃と高いので、他の感熱記録材料と比較し
て、極めて印字堅牢性の高い永久画像を記録できる。
【0017】A表示部は、記憶媒体の他面の一部に設け
られている。A表示部では、印字の記録、消去を繰り返
し行なうことが可能である。可変記録層8を構成する材
料は、材料に与えられる温度により透明と白濁の両状態
を可逆的に変換できる材料(特開昭55−154198
号公報等に開示)である。
【0018】この材料は、たとえば、透明状態におい
て、その温度を常温から白濁化温度以上に上昇させたと
き、透明状態から白濁状態となり、その温度が常温に戻
ってもそのまま白濁状態を保持する。そして、材料の温
度を常温から透明化温度域に上昇させ、再び常温に戻す
と白濁状態から透明状態となり、そのまま透明状態を保
持する。この変化は繰り返し再現可能である。可変層の
厚さは、視認可能な白濁/透明のコントラストが得られ
る範囲で設定が可能であり、数μm〜100μm程度の
厚さが適当である。
【0019】この実施例で用いられている可変層材料
は、限られた範囲の温度域でのみ透明化が可能である。
この変化を示す温度および温度幅は、材料によって調整
することができる。ここでは、60℃〜100℃で透明
化し、120℃〜150℃で白濁化するものを用いた。
【0020】また、可変記録層材料としては、フォトク
ロミック材料、高分子液晶材料など、可逆的に発色特性
の変わる材料であれば種々のものを使用することができ
る。次に、図1に示す記録媒体のA表示部、B表示部の
記録特性について、図2を参照して説明する。図2に示
した記録特性は、8ドット(発熱素子)/mmの解像度
のサーマルヘッド記録手段による記録特性を示してい
る。横軸はサーマルヘッドの印加エネルギを、縦軸は印
字濃度を示している。A表示部では白濁状態を記録、透
明状態を消去、B表示部では錫薄層の溶融破壊部分を記
録とするので、図2の縦軸の表示はこれに準じている。
【0021】A表示部の可変記録層の適正な記録エネル
ギは約0.4mJ/ドットで、B表示部では約0.8m
J/ドットである。A表示部にB表示部の記録エネルギ
である約0.8mJ/ドットのエネルギが印加される
と、可変記録層の状態変化機構が破壊され、透明化状態
となり、かつ白濁−透明の状態変化を示さなくなる。B
表示部にA表示部の記録エネルギである約0.4mJ/
ドットが印加されても記録は全くできない。
【0022】また、A表示部に記録された画像は、約
0.2mJ/ドットで消去することができる。このよう
に、この記憶媒体では、記録特性の異なる表示部を有す
るのが特徴である。A表示部の記録条件である記録(白
濁化)エネルギと消去(透明化)エネルギ、及びB表示
部の記録条件である記録エネルギは、A、B表示部の形
成面情報とともに、記憶媒体の磁気記録層に予め記憶さ
れる。
【0023】この記憶媒体では、2つの表示部の記録エ
ネルギが異なっているため、どちらか一方の表示部の記
録条件が見いだされ、その面の表示が変造可能となって
も、同じ条件で他面を記録しようとしても、上述したよ
うに、その表示機能が破壊されるか、記録ができないか
いずれかであり、表示部の表示記録の変造をより困難と
している。
【0024】更に、上述の実施例の記憶媒体の表示部の
一方、即ちB表示部は、追記型の記録材料で構成され、
他方、即ちA表示部は、可逆的に記録消去が可能な記録
材料から構成されている。本発明の記憶媒体でいう記録
特性とは、単に記録エネルギだけではなく、このような
機能をも含んでいる。このように、追記型記録の表示部
と可逆性記録の表示部の組合せは、特に好ましい組合せ
である。この組合せによると、繰り返し使用される記憶
媒体の履歴情報の代表である一時的保存情報の表示を可
逆性記録の表示部に、永久保存情報の表示を追記型記録
の表示部に効果的に行なうことができる。また、表示部
が追記型記録と、可逆性記録の表示部からなるときは、
図1に示すように、可逆性記録の表示部面積より追記型
記録の表示部面積の方を広くする構成が望ましい。
【0025】可逆性記録よりも印字堅牢な追記型記録の
表示部を構成する材料としては、上述の実施例で示した
金属破壊感熱記録材料だけでなく、ジアゾあるいはロイ
コ感熱記録材料、熱転写記録材料、トナー像形成材料な
どを用いることのできる。
【0026】次に、本発明の第2の実施例に係る、可逆
的に記録消去が可能な2つの表示部を有する記憶媒体に
ついて、図3を参照して説明する。図3に示す記憶媒体
は、白色塩化ビニル、ポリエステル等からなる約10μ
m〜数mmの厚さの基材1の一方の面に記憶部である磁
気記録層2を形成した磁気媒体に、第1の可変記録表示
部20(以下、表示部Aとする)と第2の可変記録表示
部30(以下、表示部Bとする)を接着したものであ
る。
【0027】表示部20は、接着層21、アルミ薄層か
らなる反射層22、可変記録層23、及び保護層24に
より構成される。表示部30は、可変記録層31が後述
するように可変記録層23と異なる記録特性を持つ可変
記録層である以外は、他の構成は表示部20と同様であ
る。
【0028】可変記録層23,31は、先に説明した図
1に示す記憶媒体の可変記録層8と同様な特性を有す
る、温度により白濁と透明の状態を可逆的に示す材料を
用いている。基本的な状態変化動作は、図1に示す記憶
媒体の説明と同様なので、説明を省略する。
【0029】磁気記録層2には、記憶媒体の用途を特定
する固定情報、例えばプリペイドカード用途では使用可
能金額などや、使用履歴に関する可変情報、例えば残
額、使用期日などが記憶される。本発明の記憶媒体で
は、さらに表示部の記録条件が記憶される。
【0030】表示部A,Bには使用履歴に関する情報が
表示される。この記憶媒体では、表示部A,Bが基材1
の同じ面にあり、かつ後述するように両表示部が異なる
記録特性を有するのが、この記録媒体の特徴である。
【0031】この記録媒体の表示部A、表示部Bの記録
特性を、図4を用いて説明する。図4に示した記録特性
は、8ドット(発熱素子)/mmの解像度のサーマルヘ
ッド記録手段による記録特性を示している。横軸はサー
マルヘッドの印加エネルギを、縦軸は印字濃度を示して
いる。また、可変記録部の白濁状態を発色(記録)、透
明状態を消色(消去)として示してある。
【0032】表示部Aの適正な記録エネルギは約0.4
mJ/ドット、消去エネルギは0.2mJ/ドットで、
表示部Aの適正な記録エネルギは約0.6mJ/ドッ
ト、消去エネルギは0.4mJ/ドットである。表示部
Bに表示部Aの記録エネルギである約0.4mJ/ドッ
トで記録しようとすると表示部Bに記録表示されていた
画像は消去される。また、表示部Aに表示部Bの記録エ
ネルギである約0.6mJ/ドットで記録しようとする
と表示部Aの可変記録層の状態変化機構が破壊され、透
明化状態となり、かつ白濁−透明の状態変化を示さなく
なる。
【0033】一方、表示部Bの消去エネルギである約
0.4mJ/ドットで表示部Aの記録画像を消去しよう
とすると、逆に記録される結果となる。このように、こ
の記憶媒体では、表示部Aの記録条件と表示部Bの消去
条件がほぼ同一であるため、表示部の画像の変造が特に
困難となる。このように、印字堅牢性に乏しい可逆性記
録の表示部の記録画像においても、記録特性を異ならせ
ることにより、表示部画像のセキュリティを保つことが
可能となった。
【0034】表示部A及びBの記録条件である記録(白
濁化)エネルギと消去(透明化)エネルギは、A,B表
示部の形成面情報とともに記憶媒体の磁気記録層に予め
記憶される。
【0035】図5は、図3に示した記憶媒体をプリペイ
ドカードとして用いた時の表示部を模式的に示したもの
で、上段は表示部Aを、下段は表示部Bを示している。
表示部は使用年月日、使用店名、使用額、使用可能残高
が記録表示されている。図5(a)は、XYZ洋服店で
の支払い前の表示部の状態を示している。下段の表示部
Bの表示の方が古い履歴情報である。
【0036】XYZ洋服店でプリペイドカードを使用し
た時の表示部の書換え動作を例に、本発明になる第1の
表示部記録処理方法について、図6、図7を用いて詳細
に説明する。第1の表示部記録処理方法は、上記の記憶
媒体を用い、記録時には記憶媒体の記憶部に予め記憶さ
れた記録条件情報を記憶部から読み取って、印字手段の
記録条件を設定することを特徴とする。図6は、表示部
の情報を記録処理する装置の機能構成をブロック図で示
したものであり、図7は、記録処理の流れを示したもの
である。
【0037】まず図6について説明すると、参照符号4
0は、装置全体を制御するCPU、41は磁気記録層2
の磁気コード情報を読み取る読み取り磁気ヘッド、42
は読み取り磁気ヘッドの駆動回路、43は磁気記録層2
に磁気コード情報を書き込む書き込み磁気ヘッド、44
は書き込み磁気ヘッドの駆動回路、45は表示部に印字
記録するサーマルヘッド、46はその駆動回路、47は
符号化された情報を復号化、あるいは磁気記録層に再記
憶する情報を符号化するデコーダ/エンコーダ、48は
文字のコード情報からビットマップ情報を生成するキャ
ラクタジェネレータをそれぞれ示す。
【0038】また、50はプリペイドカードの使用履歴
情報を制御、生成する使用履歴情報制御部であり、使用
料金演算部51、残高演算部52、タイマー53により
構成される。60は記録する表示部の選択、記録手段の
選択、記録条件の設定を行なう表示記録制御部であり、
表示部判定・選択部61、記録条件記憶部62から構成
される。65はプリペイドカードの搬送系の駆動源であ
るモータであり、カード搬送制御部66により駆動制御
される。
【0039】各部の信号は、バス67を介して各部に入
・出力され、それらの信号はCPUによって制御され
る。次に、表示部記録処理方法について、図7に示した
流れに沿って説明する。清算時にカードは処理装置に投
入され、まず、読み取り磁気ヘッド41および磁気ヘッ
ド駆動回路42により、カードの磁気記録層2から個人
認証情報、使用可能限度額情報などの固定情報や、現在
残高などの使用履歴情報とともに、表示部位置情報、記
録条件情報、最後に記録した表示部の情報がコードデー
タとして読み取られる。
【0040】使用履歴に関する情報は、デコーダ/エン
コーダ47で復号化され、使用履歴情報生成部50に入
力される。ここでは買物に使用した金額が、使用料金演
算部51で計算される。この例では、「8700円」で
ある。次に、残高演算部52でカードから読み取った現
在残高情報と使用金額から残高「3800円」が計算さ
れ、同時に支払い可能か否かが判定される。また、タイ
マー53から時間情報「平成5年8月12日」が生成さ
れる。そのほかに店名情報「XYZ洋服店」が生成され
る。これらの情報は、読み取った情報に追加され、使用
履歴情報が更新される。
【0041】一方、表示部位置情報、記録条件情報、最
後に記録した表示部の情報は、デコーダ/エンコーダ4
7で復号化され、表示記録制御部60に入力される。記
録条件は記録条件記憶部62に格納される。ここで、ま
ず最後に記録した表示部の情報、表示部指示データによ
り最後に記録した表示部が表示部AかBの判定が、表示
部判定・選択部61で行なわれる。表示部指示データよ
り最後に記録されたのは表示部A(図5(a)参照)で
あることが判定され、記録する表示部Bと選択される。
【0042】この決定に従って表示部Bの記録条件であ
る記録エネルギ0.6mJ/ドット、消去エネルギ0.
4mJ/ドットが、記録条件記憶部62から読み出され
る。使用履歴情報生成部50で生成された表示部記録情
報である「平成5年8月12日、XYZ洋服店、清算:
8700円、残高:3800円」情報は、キャラクタジ
ェネレータ48によりビットマップ情報に変換される。
【0043】次に、カードの表示部Bに記録が行なわれ
る。表示部位置情報に基づき、CPU40の制御により
ビットマップ情報に変換された上記の表示部記録情報
が、サーマルヘッド駆動回路46に与えられた表示部B
の記録条件で、熱記録手段であるサーマルヘッド45に
より、表示部Bに書換え記録された。書換え記録は、記
録部に対応する発熱体には記録エネルギを、消去部に対
応する発熱体には消去エネルギを各々選択的に与えて記
録、消去を同時に行なうオーバーライト記録方式によっ
て行なった。この記録方式の詳細は特開平4−1976
47に述べられている。この書換えにより表示部Bは、
図5(a)から(b)のように書換えられ、表示され
る。
【0044】次に、更新された使用履歴情報及び更新さ
れた表示部指示情報が、デコーダ/エンコーダ47でエ
ンコードされて、カードの磁気記録層2に、書き込み磁
気ヘッド43及び駆動回路44により書き込まれる。
【0045】このように、記憶部に予め記憶された表示
部の記録条件を読み取って、それにしたがって表示部の
記録を行なうので、記憶媒体の表示部の記録特性が異な
っていても安定した記録を行なうことができる。
【0046】次に、本発明の第2の表示部記録処理方法
である、印字堅牢性の異なる表示部を設けた記憶媒体を
用い、予め設定された所定の履歴情報をより印字堅牢性
の高い画像表示部に記録する表示部記録処理方法につい
て説明する。
【0047】図8は、図1に示した記憶媒体のプリペイ
ドカードを使用したときの表示部の表示状態を示したも
のである。図8(a)は、この発明の第2の処理方法で
表示部に記録する前の表示状態、図8(b)は処理後の
表示状態を示したものである。左側は可変記録層のA表
示部、右側はA表示部より印字堅牢性に優れた金属破壊
感熱記録層の表示部Bの表示状態を模式的に示したもの
である。A表示部には、最新の使用年月日と現在残高が
記録表示されている。B表示部には、予め設定された所
定の履歴情報である、使用金額(図には清算:として示
している)が5000円を越えた場合の履歴が、使用年
月日、店名、使用金額の形で記録されている。
【0048】次に、処理動作を図9、図10を用いて説
明する。図9は、記録処理する装置の機能構成をブロッ
ク図で示したもの、図10は、記録処理の流れを示した
ものである。
【0049】まず、図9について説明すると、参照符号
70は装置全体を制御するCPU、71は磁気記録層2
の磁気コード情報を読み取る読み取り磁気ヘッド、72
は読み取り磁気ヘッドの駆動回路、73は磁気記録層2
に磁気コード情報を書き込む書き込み磁気ヘッド、74
は書き込み磁気ヘッドの駆動回路、75はA表示部に印
字記録するサーマルヘッド、76はその駆動回路、77
はB表示部に印字記録するサーマルヘッド、78はその
駆動回路をそれぞれ示す。
【0050】80はプリペイドカードの使用履歴情報を
制御、生成する使用履歴情報生成部であり、使用料金演
算部81、残高演算部82、設定金額判定部83、タイ
マー84から構成される。90は記録する表示部の選
択、記録手段の選択、記録条件の設定を行なう表示記録
制御部で、表示判定・選定部91、記録条件記憶部9
2、記録手段設定部93からなる。100は符号化され
た情報を復号化、あるいは磁気記録層に再記憶する情報
を符号化するデコーダ/エンコーダ、101は文字のコ
ード情報からビットマップ情報を生成するキャラクタジ
ェネレータ、102はプリペイドカードの搬送系の駆動
源であるモータであり、カード搬送制御部103により
駆動制御される。
【0051】各部の信号は、バス104を介して各部に
入・出力され、それらの信号はCPUによって制御され
る。次に、表示部記録処理方法について、図10に示し
た流れに沿って説明する。清算時にカードは処理装置に
投入され、まず、読み取り磁気ヘッド71および磁気ヘ
ッド駆動回路72によりカードの磁気記録層2から個人
認証情報、使用可能限度額情報などの固定情報や、現在
残高などの使用履歴情報とともに、予め定めた所定履歴
情報である「使用料金(清算金)5000以上」(設定
金額情報)と、表示部位置情報、記録条件情報がコード
データとして読み取られる。
【0052】これらの情報はデコーダ/エンコーダ10
0で復号化される。使用履歴情報、設定金額情報は使用
履歴情報生成部80に、表示部位置情報、記録条件情報
は表示記録制御部90にそれぞれ入力される。使用履歴
情報生成部80では、使用した金額が使用料金演算部8
1で計算される。この例では「8000円」である。こ
の計算結果とカードの磁気記録層2から読み出した残高
情報から、新残高を残高演算部82で計算する。この例
では「6700円」である。同時に支払い可能か否かが
判定される。
【0053】また、タイマー53から時間情報「平成5
年9月20日」が生成される。そのほかに店名情報「イ
ロハ飯店」が生成される。これらの情報は読み取った情
報に追加され、使用履歴情報が更新される。更新された
使用履歴情報がデコーダ/エンコーダ100でエンコー
ドされて、書き込み磁気ヘッド73及び駆動回路74に
より、カードの磁気記録層2に書き込まれる。
【0054】使用料金は設定金額判定部83にも入力さ
れ、カードから読み取った設定条件「使用料金5000
以上」に対して判定される。判定部の判定信号は表示記
録制御部90に入力される。この信号に基づいて、表示
部判定・選択部91では、設定条件を満たしている場合
はより印字堅牢性に優れた記録層の表示部(この例では
B表示部)と他の表示部(A表示部)との両方を、満た
していない場合は他の表示部(この例ではA表示部部)
を選択する。
【0055】この選択信号に従って、記録手段設定部9
3は、駆動すべきサーマルヘッド記録手段及び表示項目
を設定する。より印字堅牢性に優れた記録層の表示部に
は「使用年月日、店名、使用金額」を表示し、他の表示
部には「最新使用年月日、残高」を設定する。また、記
録手段設定部93の信号にしたがって、カードの磁気記
録層から読み出され、記録条件記憶部92に記憶された
記録条件が読み出される。次にカードの表示部に記録が
行なわれる。
【0056】この例では使用料金が「8000円」で、
設定条件を満足しているので、A,B両表示部に記録す
る。印字堅牢性に優れた金属破壊感熱記録層のB表示部
の記録に対しては、B表示部の記録条件である記録エネ
ルギ0.8mJ/ドットが記録条件記憶部92から読み
出される。使用履歴情報生成部80で生成され、記録手
段設定部93で設定されたB表示部の記録情報である
「平成5年9月20日、イロハ飯店、清算:8000
円」情報はキャラクタジェネレータ101によりビット
マップ情報に変換される。
【0057】次にカードのB表示部に記録が行なわれ
る。表示部位置情報に基づきCPU70の制御により、
ビットマップ情報に変換された上記の表示部記録情報
が、サーマルヘッド駆動回路78に与えられたB表示部
の記録条件で、熱記録手段であるサーマルヘッド77に
よりB表示部に追記された。
【0058】可逆性感熱記録層のA表示部の記録に対し
ては、A表示部の記録条件である記録エネルギ0.4m
J/ドット、消去エネルギ0.2mJ/ドットが記録条
件記憶部92から読み出される。使用履歴情報生成部8
0で生成され、記録手段設定部93で設定されたA表示
部の記録情報である「平成5年9月20日、残高:67
00円」情報は、キャラクタジェネレータ101により
ビットマップ情報に変換される。
【0059】次にカードのA表示部に記録が行なわれ
る。表示部位置情報に基づきCPU70の制御により、
ビットマップ情報に変換された上記の表示部記録情報
が、サーマルヘッド駆動回路76に与えられたA表示部
の記録条件で、熱記録手段であるサーマルヘッド75に
よりB表示部に書換え記録された。書換え記録は上述し
たオーバーライト記録方式によった。
【0060】これらの表示部記録処理によりA及びB表
示部は図8(a)から(b)のように書換えられ表示さ
れる。このように、本発明の表示部記録処理方法では、
保存しておきたい項目の情報を所定情報として指定し、
記憶媒体の記憶部に予め記憶させ、その条件を読み取っ
て、それにしたがって表示部の記録を行なうことができ
るので、表示部の記録特性に応じて表示項目を割り当
て、表示することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明の記憶媒体では、2つの表示部の
記録エネルギが異なっているため、どちらか一方の表示
部の記録条件が見いだされ、その面の表示が変造可能と
なっても、同じ条件で他面を記録しようとした場合、そ
の表示機能が破壊されるか、記録ができないかいずれか
であり、表示部の表示記録の変造をより困難としてい
る。
【0062】また、追記型記録の表示部と可逆性記録の
表示部の組合せは、特に好ましい組合せである。この組
合せとしては、組り返し使用される記憶媒体の履歴情報
の代表である一時的保存情報の表示を可逆性記録の表示
部に、永久保存情報の表示を追記型記録の表示部に効果
的に行なうことができる。
【0063】更に、複数の表示部が全て可逆性記録の表
示部であっても、ある表示部の記録条件と他の表示部の
消去条件の少なくとも一部を共通にすることにより、画
像の変造が特に困難となる。このように、印字堅牢性に
乏しい可逆性記録の表示部の記録画像においても、記録
特性を異ならせることにより、表示部画像のセキュリテ
ィを保つことが可能となった。
【0064】本発明の表示部記録処理方法では、記憶部
に予め記憶された表示部の記録条件を読み取って、それ
にしたがって表示部の記録を行なうので、記憶媒体の表
示部の記録特性が異なっていても、安定した記録を行な
うことができる。
【0065】さらに、保存しておきたい情報を所定情報
として指定し、記憶媒体の記憶部に予め記憶させ、その
条件を読み取って、それにしたがって表示部の記録を行
なうことができるので、表示部の記録特性に応じて表示
項目を割り当て、表示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る記憶媒体を模式的
に示す断面図。
【図2】図1に示す記憶媒体の表示部の記録特性を示す
特性図。
【図3】本発明の第2の実施例に係る記憶媒体を模式的
に示す断面図。
【図4】図3に示す記憶媒体の表示部の記録特性を示す
特性図。
【図5】図3に示す記憶媒体の表示部の表示内容を示す
図。
【図6】本発明の第1の表示部記録処理方法に用いられ
る処理装置の要部構成を示すブロック図
【図7】図6に示す処理装置による処理の流れを示すフ
ロ−シ−ト図。
【図8】図1に示す記憶媒体の表示部の表示内容を示す
図。
【図9】本発明の第2の表示部記録処理方法に用いられ
る処理装置の要部構成を示すブロック図
【図10】図9に示す処理装置による処理の流れを示す
フロ−シ−ト図。
【符号の説明】
1…基材 2…磁気記録層 5…金属破壊感熱記録表示部 6、20、30…可逆性記録表示部 41、71…読み取り磁気ヘッド 43、73…書き込み磁気ヘッド 45、75、77…サーマルヘッド 50、80…使用履歴情報生成部 51、81…使用料金演算部 52、82…残高演算部 60、90…表示記録制御部 61、91…表示部判定選択部 62、92…記録条件記憶部 83…設定金額判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 久年 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝イン テリジェントテクノロジ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記憶部と表示部とを有する記憶媒体であっ
    て、記憶媒体の使用履歴情報を表示する記録特性の異な
    る複数の表示部を設けたことを特徴とする記憶媒体。
  2. 【請求項2】異なる記録特性を有する複数の可変表示部
    を有する記憶媒体であって、第1の記録特性の記録条件
    と第2の記録特性の消去条件が少なくとも一部重複する
    ことを特徴とする記憶媒体。
  3. 【請求項3】前記表示部の記録条件が前記記憶部に記憶
    されている請求項1又は2に記載の記憶媒体。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の記憶媒体の表示部記録処
    理方法であって、記録時において、予め記憶部に記憶さ
    れた記録条件情報を記憶部から読み取る工程、及び読み
    取られた記録条件情報に従って設定された記録条件の下
    で、表示部に記録を行なう工程を具備する表示部記録処
    理方法。
  5. 【請求項5】記憶部と表示部とを有し、記憶媒体の使用
    履歴情報を表示する印字堅牢性の異なる複数の表示部を
    設けた記憶媒体の表示部記録処理方法であって、予め設
    定された所定の履歴情報を、より印字堅牢性の高い表示
    部に記録することを特徴とする表示部記録処理方法。
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