JPH078639B2 - シートベルト巻取装置 - Google Patents

シートベルト巻取装置

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JPH078639B2
JPH078639B2 JP62297467A JP29746787A JPH078639B2 JP H078639 B2 JPH078639 B2 JP H078639B2 JP 62297467 A JP62297467 A JP 62297467A JP 29746787 A JP29746787 A JP 29746787A JP H078639 B2 JPH078639 B2 JP H078639B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/44Belt retractors, e.g. reels with means for reducing belt tension during use under normal conditions

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、自動車等の車両に装備されるシートベルト巻
取装置、特に、シートベルトが適正引出し状態にある時
に乗員を不必要に圧迫することのない構造を持つシート
ベルト巻取装置の改良に関するものである。
(従来の技術) 自動車等に装備されるシートベルト巻取装置では、乗員
が着席してベルトを装着し且つその余分な弛みを吸収し
終った際(正常装着時)に、乗員に不必要な圧迫感を与
えないように構成することが望まれる。
而して、シートベルトの巻取装置は、ベルト巻込み圧力
の生成にスプリングの付勢力が利用される構造になって
いるため、このスプリング装置に特別な工夫を凝らさな
い限り、 (イ)正常装着時における圧迫力を小さくするために付
勢力の比較的弱いスプリングを使用すると、その弱めた
分だけ巻込み圧力が弱くなってしまう。
(ロ)充分な巻込み圧力を保持するために付勢力の強い
スプリングを使用すると、正常装着時における圧迫力が
大きくなってしまう。
という二律背反の状態を惹き起すことになる。
そのため、従来のこの種巻取装置では、この二律背反性
を解決する一方法として、ベルトとスプリング装置との
間に特別な機構・装置を介在させる構造を採用している
が、この場合には、機構が全体的に複雑となって製造面
での不利を招き、しかも、この複雑さに起因して無用な
故障を生じさせる虞れもあるため、決して有利な解決法
とは云えなかった。
これを改善するため、本出願人は、昭和61年9月26日付
出願に係る実願昭61−146473号をもって新しいシートベ
ルト巻取装置を提案した。
これは、ベルトを巻込み方向に付勢するスプリング手段
を予め主スプリングと付加スプリングとに分けて構成
し、通常のベルト巻込み時には、両スプリングの合成圧
力により充分なベルト巻込み力を作り出すと共に、シー
トベルトの正常装着時には、主スプリングの付勢力のみ
によってベルトを乗員にフィット(Fit)させ得るよう
な構造を持つシートベルト巻取装置である。
第6図は、この先願におけるスプリングとベルトとの関
係を示すものであり、主スプリング121と付加スプリン
グ117とが並列に設置されている。主スプリング121はベ
ルトBに常に連結されている。付加スプリング117には
クラッチギア111aが連結されており、このクラッチギア
111aには爪111bが突設されている。この爪111bは、ベル
トB側のストッパ111cに係合可能である。クラッチギア
111aの歯にはピボットレバー126の先端の揺動爪128が係
合可能であり、ピボットレバー126は電磁ソレノイド123
により揺動される。
第6図(a)の巻取完了状態では、主スプリング121と
付加スプリング117の双方の付勢力がベルトBに加えら
れている。
第6図(b)のようにベルトを引き出していくと、やが
てクラッチギア111aが揺動爪128に係合する。なお、第
6図(b)では、ソレノイド123は消磁されている。
乗員がタングをバックルに装着するために、第6図
(b)のようにベルトBを十分に長く引き出し、タング
をバックルに装着し、正面に向き直ったとする。そうす
ると、ベルトBは少し巻き取られる。第6図(c)は、
このようにして乗員が正面を向いた状態である。
この第6図(c)では、主スプリング121だけがベルト
Bを引っ張っており、ベルトBは乗員にソフトにフィッ
トする。
即ち、第6図(c)では、クラッチギア111aが揺動爪12
8に係合し、後退できない。そのため、係合部111cは爪1
11bから離反している。
第6図(c)の状態において、ソレノイド123を励磁す
ると、揺動爪128がクラッチギア111aから外れる。そう
すると、クラッチギア111aは付加スプリング117によっ
て引き戻され、第6図(a)の如く爪111bが係合部111c
に係合し、付加スプリング117の巻取力もベルトBに加
えられることになる。従って、ベルトBは力強く巻取装
置内に巻き取られる。
(発明が解決しようとする問題点) この先願において、第6図(c)の状態にあるときにソ
レノイド123を励磁すると、爪128がクラッチギア111aが
外れた瞬間に該クラッチギア111aが付加スプリング117
に引っ張られて図の左方へ急速に移動する。そして、爪
111bが係合部111cに勢い良くぶつかることにより、機械
音(衝撃音)が発生する。
本発明の目的は、ベルトを全量巻き取るときにはベルト
を強力に巻き取り、乗員が身体保護のためにベルトを装
着しているときには乗員身体にベルトがソフトにフィッ
トするシートベルト巻取装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、タングをバックルから外してベ
ルトの全量を巻取装置に巻き取らせるときに衝撃音が発
生せず、快適に操作できるシートベルト巻取装置を提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明のシートベルト巻取装置は、シートベルトを巻き
取るためのリールと、該リールを回転自在に保持するフ
レームと、該リールをシートベルト巻取方向に付勢する
スプリングとを備え、該スプリングとして、該リールを
巻取方向に常時付勢する主スプリングと、巻取方向の付
勢力が断続可能に該リールに与えられる付加スプリング
とを設け、該主スプリングと該付加スプリングとを並列
的に配置したシートベルト巻取装置であって、前記リー
ルに対し前記付加スプリングの付勢力を伝達する動力伝
達経路の途中に設けられており、該付加スプリングの付
勢力をリールに伝達するテープと、該付加スプリングの
リール側の端部に接続されており、付加スプリングの該
リール側の端部が移動する際に該端部と共に動く従動部
材と、該シートベルトの巻き出しに伴って該付加スプリ
ングの端部と共に動いた該従動部材を係止し、前記付加
スプリングの付勢力による該従動部材の退動を阻止しう
る係止部材と、該係止部材による該従動部材の係止を解
除するための係止部材作動装置と、を備えたことを特徴
とするものである。
(作用) かかる本発明のシートベルト巻取装置の作用について、
第5図を参照して説明する。
本発明においても、主スプリング36と付加スプリング34
とが並列設置されており、主スプリング36はベルトBに
常に連結されている。付加スプリング34の先端はテープ
51を介してベルトBに連結されている。
付加スプリング34の先端には従動部材41(後述の実施例
ではクラッチギア41)が設けられている。この従動部材
41の退動を阻止するために係止部材45(同実施例ではク
ラッチ爪45)が設けられており、この係止部材45は作動
装置44、46(同実施例ではピボットレバー44及びソレノ
イド46)によって係止解除される。
本発明においても、シートベルトBを巻き出すと、第5
図(a)、(b)の順に作動し、従動部材41が係止部材
45で係止され、退動が阻止される。
タングをバックルに係合させた乗員が正面を向いたりす
ることにより、シートベルトBが少し巻き戻されると、
第5図(c)の如く、シートベルトBは主スプリング36
のみによって付勢された状態となる。即ち、従動部材41
に対し係止部材45が係合しており、従動部材41は付加ス
プリング34で付勢されていても退動できない。
この第5図(c)の状態(シートベルトによる乗員拘束
状態)にあっては、従って、シートベルトBは主スプリ
ング36のみによって軽度に引っ張られており、シートベ
ルトBは乗員に軽くフィットする。
第5図(c)の状態において、作動装置44、46を作動さ
せ、係止部材45による従動部材41の係止を解除すると、
付加スプリング34の付勢力によって従動部材41が急速に
移動し、遂にはテープ51が緊張状態となり、シートベル
トBは主スプリング36及び付加スプリング34の双方に付
勢されて強力に巻き取られるようになる(第5図(a)
の状態)。
ところで、従動部材41を係止部材45で係止している第5
図(b)の状態において、係止部材45の係止が解除され
ると、従動部材41は付加スプリング34に付勢されてかな
り速い速度で動く。そして、遂には、テープ51が緊張状
態となる。本発明では、このテープ51が緊張した瞬間に
あっても、部材同志の衝突がないから、衝撃音は全く発
生しない。
(実施例) 以下、図示の一実施例に基いて本発明を詳細に説明す
る。第1図は本発明に係るシートベルト巻取装置の全分
解斜視図、第2図は組立状態における本巻取装置の正面
図、第3図はそのX−X′視の断面図である。
図中、本発明に係るシートベルト巻取装置は、シートベ
ルトBの巻取り機構部10と、前記ベルトB側のタング
(図示せず)とバックルストーク側のバックル部材(図
示せず)との正常な結合状態を検知する結合状態検知部
20と、2本のスプリングを保有する付勢機構部30と、前
記巻取り機構部10と該付勢機構部30とを係脱可能に連結
するクラッチ装置部40と、本発明の特徴部分であるテー
プメモリ部50とから構成される。
この中で、前記巻取り機構部10は、一対の側壁11a・11b
を有する「コの字形」断面のフレーム11と、該フレーム
11の左側壁11aに形成された開口11cを結合基準個所とし
て該左側壁11aに取付けられたリテーナ12と、フレーム1
1の右側壁11bに形成された開口に嵌合する軸受部材13
と、該軸受部材13とリテーナ12に形成された軸受開口12
aとに嵌合して貫通するメインシャフト14と、該シャフ
ト14の右端に形成された緊急ロック装置(図示せず)用
のラチェットホィール14aと、メインシャフト14の左端
に形成された角軸14bと一体回転可能に結合する連結シ
ャフト15と、前記フレーム11の側壁11a・11b間において
メインシャフト14と一体的に回転するように組合された
ベルトリール16と、該リール16の軸芯部に形成されたベ
ルト保持部16aによってその内端を固定されたベルトB
とから構成される。尚、前記連結シャフト15の左端に
は、後述する主スプリング36の内端を係止する内端係止
溝15aが設けられる。
第2図にその概略を図示した前記結合状態検知部20は、
前記シートベルトB側に取付けられたタング(図示せ
ず)と、バックルストーク側のバックル部材(共に図示
せず)と、該バックル部材とタングとが正常な結合状態
にある時にその状態を検知する適宜の検知回路21とから
構成される。例えば、バックル部材側の連結開口に挿入
された前記タングがバックル部材内に予め設置されたス
イッチ22を押圧した時に、両者の正常な結合状態が実現
し且つその時に前記検知回路21から電気的な結合完了信
号が出力されるように、予め構成して置くものとする。
さて、前記付勢機構部30は、前記リテーナ12と一緒にフ
レーム11の側壁11aに取付けられたカバー31と、該カバ
ー31の左側部分に形成された第1収容室32と、外端を第
1収容室32内に設けられた外端係止部33により係止され
た付加スプリング34と、前記第1収容室32を覆うように
設けられ且つ左側部分に第2収容室35aを備えたハウジ
ング35と、外端を該第2収容室35a内に設けられた外端
係止部35bにより係止された主スプリング36と、前記第
2収容室35aを覆うような形でハウジング35に固定され
たキャップ37とから構成される。
この場合、前記付加スプリング34はその内端を後述のク
ラッチギア41の係止部41cに係止され、これにより該ク
ラッチギア41をベルト巻込み方向に付勢し得るように構
成され、主スプリング36はその内端を前記連結シャフト
15の係止溝15aに係止されることによって、シートベル
トBを常時巻込み方向へ付勢し得るように構成される。
而して、前記クラッチ装置部40は、クラッチギア41とク
ラッチ爪機構42とに大別されて構成される。この場合、
クラッチギア41は、シートベルトBの引出し方向へ回転
する時には緩やかな斜面の連続となり、逆方向(ベルト
巻取り方向)へ回転する時には切り立った面の連続とな
るような構造の歯部41aを、その外周面に備えたギアと
して構成される。即ち、後述するクラッチ爪45がこの歯
部41aに圧接した際には、ベルト引出し方向への回転だ
けを許容し得る構造の所謂一方向回転クラッチギアとし
て構成される。そして、該ギア41の左側ボス部41bには
付加スプリング34の内端を係止する内端係止部41cが設
けられ、更に、前記連結シャフト15の外周に相対回転可
能に嵌合するように構成される。
また、クラッチ爪機構42は、前記リテーナ12に植設され
た支持軸43によりその中間部を回動可能に軸支され且つ
その一方の腕部にスリット44aを形成したピボットレバ
ー44と、該レバー44の他方の腕部の先端において第2図
中反時計方向へのみ回動可能に設けられたクラッチ爪45
と、プランジャ式の電磁ソレノイド46とから成る。この
場合、電磁ソレノイド46は、そのプランジャ46aに植立
された連動ピン46bをピボットレバー44のスリット44a内
に係合させることにより、前記検知回路21から信号が発
せられた際に、自身の励磁・消磁作用に基いてピボット
レバー44を揺動させ得るように構成される。47は電磁ソ
レノイド46の消磁時にプランジャ46aを引出し方向へ変
位させるための復帰バネである。そして、これらの部材
43乃至47から成るクラッチ爪機構42は、第3図に示すよ
うに前記カバー31のリテーナ12側空間内に収容される。
ここで、前記クラッチ爪45と電磁ソレノイド46とクラッ
チギア41の歯部41aとの三者の作動関係について説明す
ると、この三者の作動関係は、 (ハ)電磁ソレノイド46が消磁状態にある時には復帰バ
ネ47がプランジャ46aを引出して、ピボットレバー44の
姿勢を、クラッチ爪45とクラッチギア41の歯部41aとが
噛合しない姿勢に保持する。
(ニ)電磁ソレノイド46が励磁状態にある時にはその吸
引力によりプランジャ46aを引付けて、ピボットレバー4
4をクラッチ爪45と歯部41aとが噛合い得る位置に揺動す
る。
というように予め設定される。
さて、テープメモリ部50は、内端を前記連結シャフト15
のテープ保持部15bに強固に保持されて渦巻状に巻かれ
た引出し調整テープ51と、該調整テープ51の袋状内端51
aを前記連結シャフト15の外周に強固に固着するため、
該シャフト15の中間段部の端面に形成されたテープ内端
保持部52と、前記テープ51の袋状外端51bをクラッチギ
ア41に強固に固着するため、該ギア41のリテーナ12側の
端面に形成されたテープ外端保持部53とから構成され
る。この場合、引出し調整テープ51は、引張り方向の強
度が強く且つ伸び率の少ない柔軟な材料、例えばジュラ
コン材(商品名)または紐状材で作るものとする。
ここで、第4図(a)乃至(c)を用いて、図上矢印方
向へ引出されシートベルトBの引出し方向との関係から
見たそれぞれの部材の関係配置を説明する。即ち、各部
材は、 主スプリング36は、ベルト引出し時の連結シャフト
15の時計方向への回転に伴って巻締められるような関係
に配置される。
付加スプリング34は、クラッチギア41の時計方向へ
の回転に伴って巻締められるような関係に配置される。
引出し調整テープ51は、連結シャフト15とクラッチ
ギア41との間に互いに逆方向への相対回転が生じた時に
のみ、巻かれるような関係に配置される。例えば、クラ
ッチギア41が停止し且つ連結シャフト15のみが時計方向
へ回転する時などである。
クラッチ爪45がクラッチギア41の歯部41aに圧接し
ている状態では、クラッチギア41はその時計方向への回
転が許容され、反時計方向への回転が阻止される。
ような関係配置を持つように構成される。
次に、このように構成された図示実施例の作用について
説明する。
[ベルト収納時の状態] 常に主スプリング36の付勢力が加えられている連結シャ
フト15は、この主スプリング36の付勢力により反時計方
向へ回転し、メインシャフト14を介してベルトリール16
を同方向へと回転させるので、バックル部材との結合が
解かれているシートベルトBは該ベルトリール16内に巻
取られる状態となる。この時、一端を連結シャフト15の
テープ内端保持部52に固着されている引出し調整テープ
51は、連結シャフト15の反時計方向への回転につれてそ
の巻きを弛めて行く状態となる。
しかし乍ら、ベルトBとバックル部材との結合が解かれ
ている時には、電磁ソレノイド46が消磁状態となってプ
ランジャ46aを復帰バネ47の押圧力により突出位置に保
つから、この状態では、ピボットレバー44はそのクラッ
チ爪45がクラッチギア41の歯部41aと噛合しない位置に
保持される。その結果、クラッチギア41は付加スプリン
グ34の付勢力により反時計方向へと回転し、その回転途
中において前述の引出し調整テープ51の弛みを吸収して
行くことになる。従って、引出し調整テープ51は連結シ
ャフト15の外周に密着的に巻かれて行き、その最終状態
ではクラッチギア41側のテープ外端保持部53との間で緊
張された状態となり、付加スプリング34のベルト巻取り
方向の付勢力が引出し調整テープ51を介して連結シャフ
ト15に付加される。即ち、概念的には第5図(a)の状
態となる。
[着用のため、ベルトを引出した時の状態] ベルト着用に当り乗員がベルトBを引出すと、これに伴
なってベルトリール16・メインシャフト14・連結シャフ
ト15の3者(以下、メインシャフト14等とも称す)が引
出し方向(時計方向)へと回転し、連結シャフト15の内
端係止溝15aを介して主スプリング36を巻締めて行くと
共に、前述の引出し調整テープ51の緊張状態を介して付
加スプリング34を巻締めて行く。この巻締め動作を概念
的に説明すると、第5図(a)の状態においてベルトB
を右方向へ引出す動作に相当する。即ち、シートベルト
Bは両方のスプリング34・36の付勢力に抗して引出され
ることになる。
さて、乗員が引出されたシートベルトBのタングとバッ
クル部材とを結合すると、バックル部材内のスイッチ22
が「ON」して電磁ソレノイド46を励磁するから、プラン
ジャ46aが吸引されてピボットレバー44を第2図の矢印
H方向へと回動する。その結果、クラッチ爪45がクラッ
チギア41の歯部41aに噛合して該ギア41のベルト巻込み
方向への回転をロックし、付加スプリング34の巻込み方
向への付勢力を不作動の状態に保つ。即ち、概念的には
第5図(b)の状態となる。
[タングとバックル部材との結合後、ベルトから手を離
した時の状態] 而して、乗員がシートベルトBのタングとバックル部材
とを結合する場合には、当然のことながら、ベルトBを
正規装着状態の時の引出し長さよりも余分に引出した状
態で操作を行うことになるため、結合操作の後に乗員が
シートベルトBから手を離すと、付加スプリング34の巻
込み方向への付勢力が不作動の状態になっている関係
で、シートベルトBは、主スプリング36の付勢力のみに
よって乗員の身体にフィットするまで巻戻されることに
なる。
この場合、ベルトBの引出し状態ではクラッチギア41と
連結シャフト15との間で緊張状態にあった引出し調整テ
ープ51は、この主スプリング36の付勢力だけによる巻戻
しに際してメインシャフト14等が反時計方向へ回転する
のに伴って弛み始めることになる。即ち、概念的には第
5図(c)に示すような状態となり、乗員の身体には主
スプリング36による付勢力のみが加えられる状態とな
る。その結果、乗員に対する圧迫感は著しく軽減される
ことになる。
[ベルト装着後、乗員が前傾姿勢に移行した時の状態] 乗員の姿勢が正常な着座姿勢から前傾姿勢に移行すると
それにつれてベルトBも引出されるが、ベルトBは、前
述のベルト着用時に巻戻された余分なベルト量が引出さ
れる時点まで、主スプリング36だけを巻締めながら引出
される。
そして、余分なベルト量が引出された時点に達すると、
引出し調整テープ51がクラッチギア41と連結シャフト15
との間で緊張状態に変り、この緊張作用でクラッチギア
41を時計方向に回転させることになる。この時、クラッ
チギア41の歯部41aがクラッチ爪45に対して順方向とな
るので、クラッチ爪45によるクラッチギア41への回転阻
止作用は働かない。その結果、余分なベルト量が引出さ
れた時点を超えてシートベルトBが引出される場合は、
ベルトBは付加スプリング34と主スプリング36とを巻締
めながら引出されることになる。
[乗員が前傾姿勢の後、正常な着座姿勢に復帰する時の
状態] 乗員が前傾姿勢をとった後、正常な着座姿勢に復帰する
場合は、シートベルトBは主スプリング36の付勢だけに
よって巻込まれる。これは、前述の[タングとバックル
部材との結合後、ベルトから手を離した時の状態]の項
で説明した場合と同じ理由による。即ち、この状態にお
いては、クラッチギア41の歯部41aがクラッチ爪45に対
して逆方向になるため、クラッチギア41の巻込み方向
(反時計方向)の回転がクラッチ爪45により阻止される
ためである。
[降車のため、タングとバックル部材との結合を解除し
た時の状態] シートベルトBのタングとバックル部材との結合を解除
すると、バックル部材内のスイッチ22が「OFF」状態に
移行して電磁ソレノイド46を消磁状態に変える。その結
果、プランジャ46aが復帰バネ47の押圧力により突出位
置へと復帰しつつピボットレバー44を反時計方向(矢印
H方向と逆の方向)へ回動して、クラッチギア41の歯部
41aに対するクラッチ爪45の係合を解除する。そのた
め、クラッチギア41は付加スプリング34の付勢力によっ
て巻込み方向(反時計方向)へ急激に回転し、テープ51
を緊張状態に導く。従来技術によるシートベルト巻取装
置はこの時に不快な機械音を発した。
また一方、メインシャフト14等には、常に主スプリング
36の付勢力が加えられているので、ベルトBは、前述し
た[ベルト収納時の状態]に記したような経過を辿って
ベルトリール16内に巻取られることになる。
以上の通り、本実施例のシートベルト巻取装置では、バ
ックルからタングを抜くと、クラッチギア41が付加スプ
リング34に引っ張られて急速に回転する。そして、それ
まで緩み状態にあったテープ51が急速に巻き締められ、
遂には緊張状態となって付加スプリング34の巻取付勢力
もシートベルトBに加えられるようになる。このテープ
51が緊張した瞬間においても、部材同志の衝突は全く生
じないので、機械的な衝撃音の発生が確実に防止され
る。
以上一実施例について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、その要旨を逸脱せざる範囲内で、
種々に変形実施することが可能である。例えば、クラッ
チ機構部には、図示の構造に限らず適宜の機構を採用し
得ることは云うまでもなく、また、断続手段は、手段操
作としてもよいし、ドアの開閉により作動する機構を設
けても良い。更に、前記タングとバックル部材との結合
状態を検知する手段は、結合状態の成否を乗員に報知す
るための警告回路用の検知手段を兼ねるものであっても
よい。
[発明の効果] 以上述べた通り本発明を用いる時は、充分なベルト巻込
み力を保持し得、且つ、正常装着時には乗員に不必要な
圧迫感を与えることのない、しかも、両スプリングの結
合・分離時に機械音を発生することのない作動確実なシ
ートベルト巻取装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るシートベルト巻取装置の全分解斜
視図、第2図は組立状態における本巻取装置の正面図、
第3図はそのX−X′視の断面図、第4図(a)乃至
(c)はシートベルトの引出し及び巻取り方向との関係
から見た各部材の関係配置図で、図(a)は連結シャフ
トと主スプリングとの関係配置を、図(b)はクラッチ
ギアと付加スプリングとの関係配置を、図(c)はクラ
ッチギアの歯部とクラッチ爪と引出し調整テープとの関
係配置を示す。第5図(a)乃至(c)は本発明の作用
を原理的に説明するための概念図で、図(a)はシート
ベルトがベルトリール内に巻込まれている時の状態を、
図(b)はシートベルトを引出してそのタングとバツク
ル部材とを結合した時の状態を、図(c)はタングとバ
ツクル部材とが結合された後であって、余分に引出され
たベルトが少し巻戻されて乗員の身体にフィットした時
の状態を示す。第6図は先願の構成及び作動を説明する
模式図である。 10……巻取り機構部、14……メインシャフト 15……連結シャフト、15a……内端係止溝 15b……テープ保持部、16……ベルトリール B……シートベルト、20……結合状態検知部 21……検知回路、22……スイッチ 30……付勢機構部、31……カバー 32……第1収容室、33……外端係止部 34……付加スプリング、35……ハウジング 35a……第2収容室、35b……外端係止部 36……主スプリング、40……クラッチ機構部 41……クラッチギア、41a……歯部 41c……内端係止部、42……クラッチ爪機構 44……ピボットレバー、45……クラッチ爪 46……電磁ソレノイド、46a……プランジャ 47……復帰バネ、50……テープメモリ部 51……引出し調整テープ、52……テープ内端保持部 53……テープ外端保持部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートベルトを巻き取るためのリール16
    と、該リールを回転自在に保持するフレーム11と、該リ
    ール16をシートベルト巻取方向に付勢するスプリングと
    を備え、 該スプリングとして、該リールを巻取方向に常時付勢す
    る主スプリング36と、巻取方向の付勢力が断続可能に該
    リールに与えられる付加スプリング34とを設け、該主ス
    プリング36と該付加スプリング34とを並列的に配置した
    シートベルト巻取装置であって、 前記リール16に対し前記付加スプリング34の付勢力を伝
    達する動力伝達経路の途中に設けられており、該付加ス
    プリングの付勢力をリールに伝達するテープ51と、 該付加スプリング34のリール16側の端部に接続されてお
    り、付加スプリング34の該リール16側の端部が移動する
    際に該端部と共に動く従動部材41と、 該シートベルトの巻き出しに伴って該付加スプリング34
    の端部と共に動いた該従動部材41を係止し、前記付加ス
    プリング34の付勢力による該従動部材41の退動を阻止し
    うる係止部材45と、 該係止部材45による該従動部材41の係止を解除するため
    の係止部材作動装置44、46と、 を備えたことを特徴とするシートベルト巻取装置。
  2. 【請求項2】前記シートベルトのタングと車体側のバッ
    クル部材との結合状態検知手段を設けてなり、 前記係止部材45は、該結合状態検知手段がタングとバッ
    クルとの結合状態を検知しているときに前記従動部材41
    を係止して該従動部材41の退動を阻止するものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のシートベル
    ト巻取装置。
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