JPH0747382B2 - シートベルト巻取装置 - Google Patents

シートベルト巻取装置

Info

Publication number
JPH0747382B2
JPH0747382B2 JP2088884A JP8888490A JPH0747382B2 JP H0747382 B2 JPH0747382 B2 JP H0747382B2 JP 2088884 A JP2088884 A JP 2088884A JP 8888490 A JP8888490 A JP 8888490A JP H0747382 B2 JPH0747382 B2 JP H0747382B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
gear carrier
spring
seat belt
hook
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2088884A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03552A (ja
Inventor
重一郎 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takata Corp filed Critical Takata Corp
Priority to JP2088884A priority Critical patent/JPH0747382B2/ja
Publication of JPH03552A publication Critical patent/JPH03552A/ja
Publication of JPH0747382B2 publication Critical patent/JPH0747382B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車等の車両に装備されるシートベルト巻
取装置の改良、特に、シートベルトが適正引出し状態に
ある時に、乗員を不必要に圧迫することのない新規なシ
ートベルト巻取装置に関するものである。
(従来の技術) 自動車等に装備されるシートベルト(以下ベルトとい
う)は、乗員がそのシートに着席してベルトを装着し、
その余分な弛みを吸収し終った正常装着の際には、乗員
に不必要な圧迫を与えないように構成することが望まれ
る。
この場合、巻込み圧力の生成には、ベルト巻込み用スプ
リングの付勢力が利用される形式になっているため、ス
プリング装置に特別な工夫を凝らさない限り、 (イ)正常装着時における圧迫力を小さくするため、付
勢力の比較的弱いスプリングを使用すると、その分、巻
込み圧力が弱くなってしまう。
(ロ)充分な巻込み圧力を保持するため、付勢力の強い
スプリングを使用すると、正常装着時の圧迫力が大きく
なってしまう。
という二律背反の状態を引き起すことになる。
(発明が解決しようとする問題点) この二律背反を解決するため、従来のこの種の巻取装置
では、ベルトとスプリング装置との間に特別な機構・装
置を介在させていた。
しかし乍ら、機構が複雑になればなる程、製造が困難に
なるばかりではなく、故障発生の原因にもつながる虞れ
があるため、その改善策の出現が強く要望されている。
本発明は、この事情に鑑みてなされたもので、充分なベ
ルト巻込み力を保持し得、且つ、ベルトが正常装着の状
態にある時には、乗員に不必要な圧迫を与えることのな
い新規なシートベルト巻取装置を提供することを目的と
する。
(問題点を解決するための手段) この目的を達成するための本発明の構成は、シートベル
トを巻き取るためのリール3と、該リール3を回転自在
に保持するフレーム1と、該リール3をシートベルト巻
取方向に付勢するスプリングとを備えたシートベルト巻
取装置において、 該スプリングとして、該リール3を巻取方向に常時付勢
する主スプリング21と、巻取方向の付勢力が断続手段に
よって断続可能に該リール3に与えられる付加スプリン
グ17とを設け、 かつ、該主スプリング21と該付加スプリング17とを並列
的に配置したシートベルト巻取装置であって、 前記シートベルトのタングと車体側のバックル部材との
結合状態検知手段を設けてなり、 前記断続手段は、該結合状態検知手段がタングとバック
ル部材との結合状態を検知しているときに付加スプリン
グ17からのリール3への巻取付勢力の伝達を断つもので
あって、 前記断続手段は、前記リール3と一体に回転可能であ
り、インターナル歯部6を有し、前記主スプリング21が
連結されたギヤホィール5と、 該インターナル歯部6と歯合した歯車部13t及び該歯車
部13tと同軸のリング部13r並びに軸孔13hを備えてお
り、該ギヤホィール5の軸心回りに公転可能なアイドラ
ギヤ13と、 外周面に歯部を有した平歯車状の略円盤形のものであっ
て、前記ギヤホィールと同軸に、かつ自転可能に設けら
れ、前記付加スプリングが連結されたギヤキャリア11
と、 該ギヤキャリア11の一方の盤面に該ギヤキャリア11の軸
心に対し同心円状に設けられた円形凹部11hと、 該ギヤキャリア11の円形凹部11hの凹部底面から突設さ
れており、前記アイドラギヤ13の軸孔13hが嵌合される
ことにより該アイドラギヤ13を自転可能に保持している
軸11cと、 先端側が該ギヤキャリア11の歯部に係合して該ギヤキャ
リア11のシートベルト巻取方向への回動を阻止する回動
阻止姿勢と、この係合姿勢から退動して該ギヤキャリア
11の該巻取方向への回動を許容する回動許容姿勢とをと
りうるピボットレバー26と、 前記結合状態検知手段からの信号に基いて該ピボットレ
バー26の姿勢を変換するピボットレバー駆動装置23と、 前記ギヤホィール5にその基端側が枢支されており、作
動端側がギヤホィール5の軸心から離反する方向に進退
可能とされたフック9と、 該フック9の作動端側において該ギヤホィール5の軸心
から離反する方向に突設された係止部9bと、 該フック9の作動端側において該ギヤホィール5の軸心
に向かう方向に突設された突起9aと、 該フック9の作動端側を該ギヤホィール5の軸心に向か
う方向に付勢するバネ10と、 前記ギヤキャリア11の円形凹部11hの周壁から該ギヤキ
ャリア11の中心に向う方向に突設されており、該フック
9の係止部9bが係合可能であり、この係合時にはギヤキ
ャリア11のシートベルト巻取方向の回転力がそれを介し
て前記ギヤホィール5に伝達可能である突起11bと、 前記フック9の突起9aに対して係合可能に該アイドラギ
ヤ13のリング部13rの外周面に突設されており、この係
合時には該フック9の作動端側をギヤホィール5の軸心
から離反する方向に移動させて該作動端側の係止部9bを
前記ギヤキャリア11の突起11bに係止させる突起13aと、 を有してなることを特徴とするものである。
(作 用) この構成に基く本発明の作用は、ベルトに巻込み方向の
付勢力を付与するためのスプリング手段を、並列された
主スプリングと付加スプリングとから構成し、通常のベ
ルト巻込み時においては、双方のスプリングの合成付勢
力により巻込み圧力を作り出して充分な巻込み力を保持
し、タングとバックル部材とが結合されているシートベ
ルト装着時においては、主スプリングの付勢力のみによ
って、シートベルトを乗員の身体にフィット(Fit)さ
せるようになしたことにある。詳細に説明すると次の通
りである。
アイドラギヤ13がギヤホィール5の軸心回りを複数回公
転すると、フック9の突起9aに対しアイドラギヤ13の突
起13aが係合する。該フック9はバネ10によって、その
突起9aがギヤホィール5の軸心方向に向かうように付勢
されているが、前記アイドラギヤ13の突起13aがフック
9の突起9aと係合すると、アイドラギヤ13の突起13aが
バネ10の付勢力に抗してフック9の突起9aを押下げる。
これにより、フック9の先端の係止部9bは、ギヤキャリ
ア11の突起11bと係合される(後述の実施例の第3図の
状態)。この第3図のように係止部9bと突起11bとが係
合した状態にあっては、ギヤキャリア11がベルト巻取方
向(第3図の反時計回り方向)に回転するときにはギヤ
ホィール5も該ギヤキャリア11と一体となってベルト巻
取方向に回転する。従って、ベルトは主スプリング21と
付加スプリング17とによって強く巻き取られる。
アイドラギヤ13の突起13aがフック9の突起9aと係合し
ていないときには、バネ10の付勢力により、フック9の
係止部9bは押圧移動され、ギヤキャリア11の突起11aか
ら離反している。この状態では、ギヤホィール5とギヤ
キャリア11とは相互に独立してそれぞれ自由に回転しう
る。従って、ベルトは主スプリング21のみによって比較
的軽い巻取力にて巻き取られる。
(実施例) 以下、図示の一実施例に基いて本発明を詳述する。第1
図乃至第4図に示すのは、本発明に係るベルト巻取装置
の全分解斜視図・アイドラギヤの拡大斜視図・組立状態
における本巻取装置の正面図及びそのX−X′視の断面
図である。
主として第1図に明示の通り、1は「コの字」形断面を
有するベルト巻取装置のフレームで、一対の側壁1aの一
方には軸受部1bが設けられている。2は該フレーム1及
び後述のリテーナ4の開口を貫通して設けられたメイン
シャフトで、その一端には、それ自体公知の構造をもっ
た緊急ロック装置(図示せず)のラチェットホィール2a
が固着され、他端には、ギヤホィール5と一体回転可能
に嵌合する角軸2bが形成される。
3は前記フレーム1の側壁1aの間においてメインシャフ
ト2と一体的に回転するように組合されたベルトリール
で、その軸心部にベルトBの内端を保持する構造3aを備
える。4はその前記フレームの軸受部1bに適宜手段によ
り固定されたリテーナで、その円形開口部において、前
記メインシャフトの角軸2bに係合するギヤホィール5の
ボス部5aを回転可能に軸支する。
前記角軸2bと係合してメインシャフト2と一体回転する
ギヤホィール5は、その内周面に、アイドラギヤ13と噛
合するインターナル歯部6を備え、中心部は、主スプリ
ング21の内端を保持するためのサブシャフト7として構
成される。そして、第1、3、4図における左端面には
ノッチ8が形成され、このノッチ8内にフック9が収容
されている。
フック9の後端(第1図の右手前側の端部)はこのノッ
チ8内においてギヤホィール5に対して回転可能に軸支
されている。第1図のフック9の後端の小さい孔は、こ
の軸支用のピン孔である。
フック9は、その長さ方向の中間部に、アイドラギヤ13
の突起13a(第2図参照)と係合し得る突起9aを有する
と共に、その先端には、ギヤキャリア11の内周面の突起
11b(第3図参照)と係合するための係止部9bを備えて
いる。該フック9は、前記ギヤホイール5に止着された
板バネ10によって、その後端側を回動中心としてその先
端の係止部9bが該ホィール5の中心に向う方向(第3図
において上向き方向)に付勢されている。
11は前記ギヤホィール5のサブシャフト7に回転可能に
嵌合するギヤキャリアである。該ギヤキャリア11の外周
には、後述するピボットレバー26の爪28と係合可能な歯
部11aが形成されている。ギヤキャリア11のフレーム1
側に向いた面にギヤキャリア11と同心円状に形成された
円形凹部11hの内周面には、前記フックの係止部9bと係
合する前記突起11b(第3図)が設けられ、また、該円
形凹部の端面(凹部底面)には、アイドラギヤ13を支持
する軸11c(第4図参照)が植設される。そして、該円
形凹部と反対側面の中心部にはボス部12が設けられてお
り、該ボス部12には、付加スプリング17の内端を受入保
持するスリットが弦方向に形成されている。
前述の通り、ギヤキャリア11の前記軸11cに軸支された
アイドラギヤ13は、第2図の通り、平歯車状の歯部13t
と、該歯部13tと同軸のリング部13rと、軸孔13hと、該
リング部13rの外周面から突設された突起13aとを有す
る。この軸孔13hに軸11cが挿入されている。歯部13t
は、ホィール5のインターナル歯部6と噛合する。突起
13aはフック9の突起9aと係合可能とされている。
即ち、ギヤホィール5のインターナル歯部6の歯数a
は、アイドラギヤ13の外歯の歯数bの整数倍に対し、さ
らにn(nはbよりも小さい数)を加えた数となってい
る。そして、アイドラギヤ13がギヤホイール5の軸心回
りを複数回公転すると、フック9の突起9aに対しアイド
ラギヤ13の突起13aが係合する。アイドラギヤ13の突起1
3aがフック9の突起9aと係合すると、アイドラギヤ13の
突起13aがフック9の突起9aを押下げる。これにより、
フック9の先端の係止部9bは、下向きに回転され、ギヤ
キャリア11の突起11bと係合される(第3図の状態)。
この第3図のように係止部9bと突起11bとが係合した状
態にあっては、ギヤキャリア11がベルト巻取方向(第3
図の反時計回り方向)に回転するときにはギヤホイール
5も該ギヤキャリア11と一体となってベルト巻取方向に
回転する。
アイドラギヤ13の突起13aがギヤキャリア11の突起11bと
係合していないときには、板バネ10の付勢力により、フ
ック9の係止部9aは、上方に押し上げられ、ギヤキャリ
ア11の突起9aから離反している。この状態では、ギヤホ
ィール5とギヤキャリア11とは相互に独立してそれぞれ
自由に回転しうる。
14は前記リテーナ4と共にフレーム側壁1aに取付けられ
たカバーで、その第1、3、4図の左側部分には、付加
スプリング17と主スプリング用ハウジング18とを収容す
る円形収容室15を有し、反対側の部分には、電磁ソレノ
イド23用の収容部と、ピボットレバー26を回転可能に支
持する軸29とを備える。
前記ハウジング18は、その収容室19内に主スプリング21
を内蔵すると共に、その右側の端面によって前記付加ス
プリング17をカバーする役目を兼ねる。22は前記主スプ
リング21の抜け止め機能を兼ねて、該ハウジングの収容
室19に嵌着・固定されたキャップである。
前記付加スプリング17は、その外端が円形収容室15の内
周面に設けたスプリング保持部16により保持されると共
に、その内端が前記ボス部12により保持されている。こ
れによって、付加スプリング17は、前記ギヤキャリア11
をベルト巻込み方向に付勢するようになっている。
主スプリング21は、その外端が前記収容室19の内周面に
設けた係止部20により保持され、その内端が前記サブシ
ャフト7により保持されることによって、前記ベルトB
を常時巻込み方向へ付勢している。
第3図のCは、前記ベルトBのタングとバックルストー
ク側のバックル部材(共に図示せず)とが、正常な結合
状態にあることを検知するための結合状態検知回路であ
る。この結合状態検知回路Cは、タングとバックル部材
とが正常に結合されている時には、電気的な検知信号を
出力し得るように、適宜の手段によって構成される。例
えば、バックル部材に挿入結合された前記タングが、バ
ックル部材内に予め設置してあるスイッチSを押圧接続
することにより、該回路Cを作動せしめるように構成さ
れる。
電磁ソレノイド23は、第3図の如く、プランジャ24と、
該プランジャ24を突出させるように付勢するバネ25とを
有する。該ソレノイド23は、前記結合状態検知回路Cか
らの検知信号が出力されている間は、励磁されてプラン
ジャ24を引込めた状態に置かれるように構成されてい
る。
カバー14から突設された軸29(第3図)によりその中間
部を回転可能に軸支されたピボットレバー26は、その先
端部に爪28が設けられている。この爪28は、ラチエット
として機能する揺動爪となっており、ギヤキャリア11
は、第3図において反時計回り方向にのみ回動可能であ
り、第3図において時計回り方向への回転が阻止されて
いる。従って、この爪28がギヤキャリア11の外歯11aに
係合している状態、つまりタングとバックル部材とが正
常に結合されて検知信号が出力されている状態にあって
は、ギヤキャリア11は、第3図の時計回り方向(即ちベ
ルト引出し方向)への回転が許容され、且つ第3図の反
時計回り方向(ベルト巻取方向)への回転は阻止されて
いる。
該ピボットレバー26の後端側にはスリット27が設けられ
ており、このスリット27にピン24aが摺動自在に挿入さ
れている。このピン24aはプランジャ24の側面から突設
されており、プランジャ24の前後進に伴って、該ピボッ
トレバー26の先端の爪28が上下動される。
尚、ソレノイド23のON、OFFに伴うピボットレバー26の
揺動爪28とギヤキャリアの歯部11aとの作動関係は、次
の、の通りである。
電磁ソレノイド23が消磁状態にある時には、そのバ
ネ25の押圧作用によりプランジャ24が突出され、ピボッ
トレバー26の爪28側が下降し、該爪28とギヤキャリア11
の歯部11aとは離反して、該ギヤキャリア11はベルト引
出し及びベルト巻取の両方向に回動可能となる。
電磁ソレノイド23が励磁状態にある時には、プラン
ジャ24が後退(第3図の左方向に退動)し、爪28が歯部
11aと噛合して、前記ギヤキャリア11はベルト引出し方
向にのみ回転可能となる。
次に、この構成に基づく実施例の作用について第5図を
も参照して説明する。
[I.降車のため、タングとバックル部材との結合を解除
した時の状態] タングとバックル部材との結合を解除すると、まず主ス
プリング21の付勢力によってギヤホィール5及びリール
3が回転を開始し、若干の後、ギヤキャリア11及びフッ
ク9を介して付加スプリング17の付勢力もリール3に加
えられる。
即ち、タングとバックル部材との結合を解除すると、バ
ックル部材内のスイッチSが「OFF」状態に移行して、
電磁ソレノイド23を消磁状態に変える。そのため、プラ
ンジャ24が、バネ25の押圧力により突出位置へ復帰しつ
つピボットレバー26の先端側を下降させ、爪28とギヤキ
ャリア11の歯部11aとの係合を解除する。その結果、ギ
ヤキャリア11は前記付加スプリング17の付勢力によって
反時計方向(巻込み方向)へと回転し得る状態となる。
ところで、上記タングとバックル部材の結合を解除する
と、まず主スプリング21の付勢力によりギヤホィール5
及びリール3が一体となって回転する。ギヤホィール5
の内周面のインターナル歯部6と噛合しているアイドラ
ギヤ13は、ギヤホィール5の回転に伴なって、その突起
13aがフック9の突起9aと係合するまで自転及び公転す
る。
突起13aが突起9aに当たると、フック9が押し下げら
れ、係止部9aがギヤキャリア11の突起11bとが係合す
る。(なお、突起13aが突起9aに当たると、アイドラギ
ヤ13はそれ以上の自転及び公転が阻止される。) 係止部9bが突起11bと係合すると、ギヤホィール5とギ
ヤキャリア11とが連結状態となる。この連結状態におい
て、リール3はさらに巻取方向に回転しつづける。この
場合、ホィール5とキャリア11とは、主スプリング21及
び付加スプリング17の付勢力により一体となって回転
し、ベルトBをリール3の周囲に完全に巻き取ることに
なる(第5図(a)の状態)。
[II.ベルトの巻取終了後の状態] この状態の時には、ベルトBのタングとバックル部材と
が結合していないので、電磁ソレノイド23は消磁状態に
置かれたままとなっている。従って、プランジャ24は突
出位置にあり、ピボットレバー26は、その揺動爪28がギ
ヤキャリア11の歯部11aから離反している。
付加スプリング17の付勢力は、ギヤキャリア11、フック
9及びギヤキャリア5を介してリール3に伝達されてい
る。主スプリング21の付勢力はギヤホィール5を介して
リール3に伝達されている(第5図(a)のまま)。
なお、この状態ではアイドラギヤ13の突起13aがフック
9の突起9aと係合しており、フック9の先端の係止部9b
がギヤキャリア11の突起11bと係合している。即ち、ギ
ヤキャリア11は、ベルトの全量がリール3に巻取られた
ときの状態のままとなっている。
[III.ベルト装着のため、ベルトを引出す状態] ベルト着用に当り乗員がベルトBを引出すと、これに伴
なってリール3、メインシャフト2等及びギヤホィール
5が引出し方向へと回転する。また、フック9の係止部
9bはギヤキャリア11の突部11bに係合したままとなって
おり、フック9に押されるようにしてギヤキャリア11も
回転する。即ち、ギヤホィール5とギヤキャリア11のい
ずれも、引出し方向(第3図での時計方向)へ回転し
て、主スプリング21と付加スプリング17とが巻締められ
る。
ベルトBが十分に長く引き出された後、乗員がベルトB
のタングとバックル部材とを結合すると、バックル部材
内のスイッチSが「ON」して電磁ソレノイド23を励磁す
るから、プランジャ24が吸引されてピボットレバー26が
第3図の矢印方向へと回動する。その結果、揺動爪28が
ギヤキャリア11の歯部11aに噛合して、該ギヤキャリア1
1のベルト巻込み方向(第3図の反時計回り方向)への
回転が阻止されることになる。
そのため、ギヤキャリア11を介しての付加スプリング17
の巻込み方向への付勢力は、ギヤホィール5(従って、
メインシャフト2)に伝達されなくなり、ベルトBに
は、主スプリング21の付勢力だけが付与されることにな
る。即ち、トングとバックル部材とが連結された後は、
主スプリング21だけによる弱い付勢力がベルトBに付与
される。(第5図(b)参照) [IV.タングとバックル部材との結合後、正規姿勢に戻
る状態] タングとバックル部材との結合に際しては、乗員は状半
身をよじって横を向いた姿勢となっている。この上半身
をよじった姿勢から車両前方に正対した正規姿勢に戻る
と、ベルトBには遊びができる。ベルトBはこの遊びの
分だけ、主スプリング21の付勢力のみによって、リール
3に巻き取られる。即ち、乗員の身体にフィットするま
で巻戻される。(第5図(c)) この状態では、ピボットレバー26の爪28がギヤキャリア
11の巻取方向の回転を阻止したままとなっているから、
ベルトBに対し主スプリング21の付勢力のみが加わるだ
けとなる。従って、乗員に対する圧迫感は、著しく軽減
されることになる。
[V.ベルト装着後、乗員が深い前傾姿勢に移行する時の
状態] 乗員の姿勢が正常な着座姿勢から前傾姿勢に移行する
と、それにつれてベルトBも引出される。この時、リー
ル及びメインシャフト2等は、前述の[IV.タングとバ
ックル部材との結合後、正規姿勢に戻る状態]において
巻き取られた遊び分の長さだけベルトが引出される時点
まで、主スプリング21だけを巻締めながら、ギヤホィー
ル5と共に回転する。(ギヤキャリア11は停止したまま
である。)このギヤホィール5の回転に伴って、ギヤホ
ィール5のインターナル歯部6と噛合したアイドラギヤ
13は、ギヤホィール5の軸心周りを公転することにな
る。
而して、上記の遊び分の長さだけベルトBが引出された
時点に達すると、アイドラギヤ13の突起13aが再びフッ
ク9の突起9aと係合する。そして、その後さらに乗員が
深く前傾すると、ベルトBが前記遊び長さ以上に引き出
される。そうすると、ギヤホィール5の回転に伴ってア
イドラギヤ13の突起13aがフック9を下方へ押下げ、フ
ック9の先端の係止部9bがギヤキャリア11の突起11bと
係合する。このように係止部9bが突起11bに係合する
と、ギヤホィール5の回転力はフック9を介してギヤキ
ャリア11に伝達される。従って、前記遊び分の長さを超
えてベルトBが引出された場合には、ギヤホィール5と
ギヤキャリア11とが共に回転することになり、これ以
後、ベルトBは主スプリング21と付加スプリング17とを
巻締め双方のスプリングの付勢力に抗しながら、引出さ
れることになる。
尚、この状態では、電磁ソレノイド23は励磁されたまま
となっており、前記ピボットレバー26の揺動爪28とギヤ
キャリア11の歯部11aとが係合関係に置かれているが、
揺動爪28自身が、ピボットレバー26上で反時計方向への
み回転可能に軸支されているため、ギヤキャリア11の時
計方向(ベルト引出し方向)への回転が許容される。
[VI.乗員が深い前傾姿勢の後、正常な着座姿勢に復帰
する時の状態] 乗員が上記Vにおいて深い前傾姿勢をとった後、正常な
着座姿勢に復帰する場合は、ベルトBは主スプリング21
のみの付勢力によって巻込まれる。この理由は、前述の
[IV.タングとバックル部材との結合後、ベルトから正
規姿勢に戻る時の状態]の項で説明したものと同じ理由
である。
即ち、この状態においては、ギヤキャリア11の反時計方
向(ベルト巻込み方向)への回転が揺動爪28により阻止
され、付加スプリング17の巻込み力がベルトリール3に
伝達されず、主スプリング21の巻込み力だけがリール3
に伝達されるからである。
従って、深い前傾姿勢から正規姿勢に戻った場合にも、
ベルトBは乗員の身体に軽くフィットする。
以上一実施例について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、その要旨を逸脱せざる範囲内で、
種々に変形実施することが可能であり、図示の構造に限
らず適宜の機構を採用し得ることは云うまでもなく、ま
た、前記タングとバックル部材との結合状態を検知する
手段は、結合状態の成否を乗員に報知するための警告回
路用の検知手段を兼ねるものであってもよい。
[発明の効果] 以上述べた通り本発明によれば、充分な巻込み圧力を保
持し得、且つ、シートベルト適正装着の状態にある時に
は、乗員に軽くフィットし不必要な圧迫を与えることが
なく、しかも、作動の確実なシートベルト巻取装置を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るシートベルト巻取装置の全分解斜
視図、第2図はアイドラギヤの拡大斜視図、第3図は組
立状態における本巻取装置の正面図、第4図はそのX−
X′視の断面図、第5図は本発明の作用を原理的に説明
するための状態図で、(a)はシートベルトがその収納
室内に巻込まれている時の状態図、(b)はベルトを引
出してそのタングとバックル部材とを結合した時の状態
図、(c)はタングとバックル部材とが結合された後で
あって、余分に引出されたベルトが少し巻戻されて乗員
の身体にフィットした時の状態図である。 B……ベルト、C……結合状態検知回路 S……スイッチ、1……フレーム 2……メインシャフト、3……ベルトリール 5……ギヤホィール、6……インターナル歯部 7……サブシャフト、9……フック 9a・11b・13a……突起 9b・20……係止部、11……ギヤキャリア 11a……歯部、13……アイドラギヤ 17……付加スプリング、21……主スプリング 23……電磁ソレノイド、24……プランジャ 26……ピボットレバー、28……揺動爪

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートベルトを巻き取るためのリール3
    と、該リール3を回転自在に保持するフレーム1と、該
    リール3をシートベルト巻取方向に付勢するスプリング
    とを備えたシートベルト巻取装置において、 該スプリングとして、該リール3を巻取方向に常時付勢
    する主スプリング21と、巻取方向の付勢力が断続手段に
    よって断続可能に該リール3に与えられる付加スプリン
    グ17とを設け、 かつ、該主スプリング21と該付加スプリング17とを並列
    的に配置したシートベルト巻取装置であって、 前記シートベルトのタングと車体側のバックル部材との
    結合状態検知手段を設けてなり、 前記断続手段は、該結合状態検知手段がタングとバック
    ル部材との結合状態を検知しているときに付加スプリン
    グ17からのリール3への巻取付勢力の伝達を断つもので
    あって、 前記断続手段は、前記リール3と一体に回転可能であ
    り、インターナル歯部6を有し、前記主スプリング21が
    連結されたギヤホィール5と、 該インターナル歯部6と歯合した歯車部13t及び該歯車
    部13tと同軸のリング部13r並びに軸孔13hを備えてお
    り、該ギヤホィール5の軸心回りに公転可能なアイドラ
    ギヤ13と、 外周面に歯部を有した平歯車状の略円盤形のものであっ
    て、前記ギヤホィールと同軸に、かつ自転可能に設けら
    れ、前記付加スプリングが連結されたギヤキャリア11
    と、 該ギヤキャリア11の一方の盤面に該ギヤキャリア11の軸
    心に対し同心円状に設けられた円形凹部11hと、 該ギヤキャリア11の円形凹部11hの凹部底面から突設さ
    れており、前記アイドラギヤ13の軸孔13hが嵌合される
    ことにより該アイドラギヤ13を自転可能に保持している
    軸11cと、 先端側が該ギヤキャリア11の歯部に係合して該ギヤキャ
    リア11のシートベルト巻取方向への回動を阻止する回動
    阻止姿勢と、この係合姿勢から退動して該ギヤキャリア
    11の該巻取方向への回動を許容する回動許容姿勢とをと
    りうるピボットレバー26と、 前記結合状態検知手段からの信号に基いて該ピボットレ
    バー26の姿勢を変換するピボットレバー駆動装置23と、 前記ギヤホィール5にその基端側が枢支されており、作
    動端側がギヤホィール5の軸心から離反する方向に進退
    可能とされたフック9と、 該フック9の作動端側において該ギヤホィール5の軸心
    から離反する方向に突設された係止部9bと、 該フック9の作動端側において該ギヤホィール5の軸心
    に向かう方向に突設された突起9aと、 該フック9の作動端側を該ギヤホィール5の軸心に向か
    う方向に付勢するバネ10と、 前記ギヤキャリア11の円形凹部11hの周壁から該ギヤキ
    ャリア11の中心に向う方向に突設されており、該フック
    9の係止部9bが係合可能であり、この係合時にはギヤキ
    ャリア11のシートベルト巻取方向の回転力がそれを介し
    て前記ギヤホィール5に伝達可能である突起11bと、 前記フック9の突起9aに対して係合可能に該アイドラギ
    ヤ13のリング部13rの外周面に突設されており、この係
    合時には該フック9の作動端側をギヤホィール5の軸心
    から離反する方向に移動させて該作動端側の係止部9bを
    前記ギヤキャリア11の突起11bに係止させる突起13aと、 を有してなることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  2. 【請求項2】前記ピボットレバー26の先端側には、前記
    ギヤキャリア11の歯部11aに係合する爪28が枢着されて
    おり、この爪28は、ギヤキャリア11のシートベルト引出
    方向への回転を許容すると共にシートベルト巻取方向へ
    の回転を阻止するよう揺動可能である特許請求の範囲第
    1項記載のシートベルト巻取装置。
  3. 【請求項3】前記結合状態検知手段が、タングとバック
    ル部材との結合状態を乗員に報知するための警告回路用
    の検知手段を兼ねるものである特許請求の範囲第1項又
    は第2項に記載のシートベルト巻取装置。
JP2088884A 1990-04-03 1990-04-03 シートベルト巻取装置 Expired - Lifetime JPH0747382B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2088884A JPH0747382B2 (ja) 1990-04-03 1990-04-03 シートベルト巻取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2088884A JPH0747382B2 (ja) 1990-04-03 1990-04-03 シートベルト巻取装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03552A JPH03552A (ja) 1991-01-07
JPH0747382B2 true JPH0747382B2 (ja) 1995-05-24

Family

ID=13955415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2088884A Expired - Lifetime JPH0747382B2 (ja) 1990-04-03 1990-04-03 シートベルト巻取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0747382B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6494395B1 (en) * 1999-11-02 2002-12-17 Takata Corporation Seat belt retractor with clutch mechanism
JP4371365B2 (ja) 2004-05-13 2009-11-25 タカタ株式会社 シートベルト巻き取り装置における巻き取り制御方法、及びシートベルト装置
JP4573225B2 (ja) 2004-09-24 2010-11-04 タカタ株式会社 シートベルトの巻き取り方法
JP5215549B2 (ja) 2006-11-24 2013-06-19 タカタ株式会社 シートベルト巻き取り装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5618116U (ja) * 1979-07-20 1981-02-17
JPS6044855U (ja) * 1983-08-30 1985-03-29 エヌエスケ−・ワ−ナ−株式会社 リトラクタ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03552A (ja) 1991-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4809925A (en) Seat belt retractor
JP3322773B2 (ja) プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター
US4494709A (en) Seat belt retractor with an automatically memorized tensionless position
US4483494A (en) Seat belt retractor
US5297752A (en) Seat belt retractor with an automatic belt tension reducer
US4199172A (en) Seat belt retractor with tension eliminating mechanism
JP2777377B2 (ja) テンションレデュース機構付シートベルト巻取り装置
US4172568A (en) Seat belt retractor with tension eliminator
JPH0429578B2 (ja)
JP2004090672A (ja) ウエビング巻取装置
JP3042048B2 (ja) シートベルト巻取装置
JPH0747382B2 (ja) シートベルト巻取装置
US4228971A (en) Seat belt retractor with tension eliminating mechanism
JPH078639B2 (ja) シートベルト巻取装置
JPH082380A (ja) シートベルト用リトラクター
GB1560604A (en) Dual tension safety belt
JPH09164911A (ja) シートベルト用リトラクター
JP3565596B2 (ja) シートベルト巻取装置
JPH0732294Y2 (ja) シートベルトのリトラクタ
JPH044918Y2 (ja)
JP3214178B2 (ja) シートベルト巻取装置
JP3795637B2 (ja) ウエビング巻取装置
JPH03114945A (ja) シートベルト巻取り装置
JP3246185B2 (ja) シートベルト巻取装置
JPH1178786A (ja) 自動車用シートベルトの巻取り装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term