JP3246185B2 - シートベルト巻取装置 - Google Patents

シートベルト巻取装置

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JP3246185B2
JP3246185B2 JP13033494A JP13033494A JP3246185B2 JP 3246185 B2 JP3246185 B2 JP 3246185B2 JP 13033494 A JP13033494 A JP 13033494A JP 13033494 A JP13033494 A JP 13033494A JP 3246185 B2 JP3246185 B2 JP 3246185B2
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秀幸 尾田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に装備
されるシートベルト巻取装置に関する。詳しくは、シー
トベルトが乗員を過度に強く圧迫することのない構造を
持つシートベルト巻取装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等に装備されるシートベルト巻取
装置では、乗員が着席してベルトを装着し且つその余分
な弛みを吸収し終った際(正常装着時)に、乗員に不必
要な圧迫感を与えないように構成することが望まれる。
【0003】このような期待に応えるシートベルト巻取
装置として、本出願人は、実開昭63−52656号を
提案した。
【0004】これは、ベルトを巻込み方向に付勢するス
プリング手段を予め主スプリングと付加スプリングとに
分けて構成し、通常のベルト巻込み時には、両スプリン
グの合成圧力により充分なベルト巻込み力を作り出すと
共に、シートベルトの正常装着時には、主スプリングの
付勢力のみによってベルトを乗員にソフトにフィット
(Fit)させ得るような構造を持つシートベルト巻取装置
である。
【0005】第7図は、実開昭63−52656号にお
けるスプリングとベルトとの関係を示す模式図であり、
主スプリング121と付加スプリング117とが並列に
設置されている。主スプリング121はベルトBに常に
連結されている。付加スプリング117にはクラッチギ
ヤ111aが連結されており、このクラッチギヤ111
aには爪111bが突設されている。この爪111b
は、ベルトB側のストッパ111cに係合可能である。
クラッチギヤ111aの歯にはピボットレバー126の
先端の揺動爪128が係合可能であり、ピボットレバー
126は電磁ソレノイド123により揺動される。
【0006】第7図(a)の巻取完了状態では、主スプ
リング121と付加スプリング117の双方の付勢力が
ベルトBに加えられている。
【0007】第7図(b)のようにベルトを引き出して
いくと、やがてクラッチギヤ111aが揺動爪128に
係合する。なお、第7図(b)では、ソレノイド123
は励磁されている。
【0008】乗員がタングをバックルに装着するため
に、第7図(b)のようにベルトBを十分に長く引き出
し、タングをバックルに装着し、次いで正面に向き直っ
たとする。そうすると、ベルトBは少し巻き取られる。
第7図(c)は、このようにして乗員が正面を向いた状
態である。
【0009】この第7図(c)では、主スプリング12
1だけがベルトBを引っ張っており、ベルトBは乗員に
ソフトにフィットする。
【0010】即ち、第7図(c)では、クラッチギヤ1
11aが揺動爪128に係合し、後退できない。そのた
め、係合部111cは爪111bから離反している。
【0011】第7図(c)の状態において、ソレノイド
123を消磁すると、揺動爪128がクラッチギヤ11
1aから外れる。そうすると、クラッチギヤ111aは
付加スプリング117によって引き戻され、第7図
(a)の如く爪111bが係合部111cに係合し、付
加スプリング117の巻取力もベルトBに加えられるこ
とになる。従って、ベルトBは力強く巻取装置内に巻き
取られる。
【0012】実開昭63−52656号には、次のよう
な改良課題があった。即ち、第7図(c)の状態にある
ときにソレノイド123を消磁すると、爪128がクラ
ッチギヤ111aから外れた瞬間に該クラッチギヤ11
1aが付加スプリング117に引っ張られて図の左方へ
急速に移動する。そして、爪111bが係合部111c
に勢い良くぶつかることにより、機械音(衝撃音)が発
生する。
【0013】本出願人は、このような衝撃音を防止する
よう改良されたシートベルト巻取装置を、特願昭62−
297467号(特開平01−141147号)にて提
案している。
【0014】かかる特願昭62−297467号のシー
トベルト巻取装置の作用について、第6図を参照して説
明する。
【0015】特願昭62−297467号においても、
主スプリング236と付加スプリング234とが並列設
置されており、主スプリング236はベルトBに常に連
結されている。付加スプリング234の先端はテープ2
51を介してベルトBに連結されている。
【0016】付加スプリング234の先端にはクラッチ
ギヤ241が設けられている。このクラッチギヤ241
の退動を阻止するためにクラッチ爪245が設けられて
おり、このクラッチ爪245はピボットレバー244及
びソレノイド246によって係止解除される。
【0017】特願昭62−297467号においても、
シートベルトBを巻き出すと、第6図(a)、(b)の
順に作動し、クラッチギヤ241がクラッチ爪245で
係止され、退動が阻止される。
【0018】タングをバックルに係合させた乗員が正面
を向いたりすることにより、シートベルトBが少し巻き
戻されると、第6図(c)の如く、シートベルトBは主
スプリング236のみによって付勢された状態となる。
即ち、クラッチギヤ241に対しクラッチ爪245が係
合しており、クラッチギヤ241は付加スプリング23
4で付勢されていても退動できない。
【0019】この第6図(c)の状態(シートベルトに
よる乗員拘束状態)にあっては、従って、シートベルト
Bは主スプリング236のみによって軽度に引っ張られ
ており、シートベルトBは乗員に軽くフィットする。
【0020】第6図(c)の状態において、ソレノイド
246を作動させ、クラッチ爪245によるクラッチギ
ヤ241の係止を解除すると、付加スプリング234の
付勢力によってクラッチギヤ241が急速に移動し、遂
にはテープ251が緊張状態となり、シートベルトBは
主スプリング236及び付加スプリング234の双方に
付勢されて強力に巻き取られるようになる(第6図
(a)の状態)。
【0021】ところで、クラッチギヤ241をクラッチ
爪245で係止している第6図(b)の状態において、
クラッチ爪245の係止が解除されると、クラッチギヤ
241は付加スプリング234に付勢されてかなり速い
速度で動く。そして、遂には、テープ251が緊張状態
となる。特願昭62−297467号では、このテープ
251が緊張した瞬間にあっても、部材同志の衝突がな
いから、衝突音はほとんど発生しない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】特願昭62−2974
67号においては、テープはテープ巻取軸の周囲に巻回
されている。従来のテープは、この巻取軸に巻き取られ
るときに幅方向にズレ易い。そのため、ズレが生じても
テープを十分に巻回できるようにするためにテープを幅
広にしている。
【0023】本発明の目的は、テープの幅を小さくする
ことができるシートベルト巻取装置を提供することにあ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明のシートベルト巻
取装置は、テープを介して付加スプリングの付勢力をリ
ールに伝達させるようにしたシートベルト巻取装置にお
いて、テープは、その表面に20μm以上の凹凸を付し
たものであって、該凹凸は、テープ長手方向の溝によっ
て構成されているものである。
【0025】
【作用】かかる本発明のシートベルト巻取装置による
と、テープを巻取軸に巻き取るときに、テープが幅方向
にずれにくいことが認められた。
【0026】本発明では、テープの表面の凹凸は20μ
m以上であるが、とりわけ35μm前後であることが好
ましい
【0027】
【実施例】以下、図示の一実施例に基いて本発明を詳細
に説明する。第1図は本発明に係るシートベルト巻取装
置の全分解斜視図、第2図は組立状態における本巻取装
置の正面図、第3図はそのIII −III 線に沿う断面図、
第4図はテープの巻取状態を示す模式的な断面図であ
る。
【0028】本発明に係るシートベルト巻取装置は、シ
ートベルトBの巻取り機構部10と、前記ベルトB側の
タング(図示せず)とバックルストーク側のバックル部
材(図示せず)との正常な結合状態を検知する結合状態
検知部20と、2本のスプリングを保有する付勢機構部
30と、前記巻取り機構部10と該付勢機構部30とを
係脱可能に連結するクラッチ装置部40と、テープメモ
リ部50とから構成される。
【0029】前記巻取り機構部10は、一対の側壁11
a、11bを有するコ字形断面のフレーム11と、該フ
レーム11の左側壁11aに形成された開口11cと、
該左側壁11aに取付けられたリテーナ12と、フレー
ム11の右側壁11bに形成された開口に嵌合する軸受
部材13と、該軸受部材13とリテーナ12に形成され
た軸受開口12aとに嵌合して貫通するメインシャフト
14と、該シャフト14の右端に形成された緊急ロック
装置(図示せず)用のラチェットホィール14aと、メ
インシャフト14の左端に形成された角軸14bと、該
角軸14bに嵌合しており、該メインシャフト14と一
体回転する連結シャフト15と、メインシャフト14と
一体的に回転するように組合わされたベルトリール16
とを備えてなる。
【0030】このリール16の軸芯部に形成されたベル
ト保持部16aにベルトBの基端が固定される。
【0031】連結シャフト15は、細径のクラッチギヤ
嵌合部15Aと大径のテープ巻取部15Bとが同軸に設
けられている。該クラッチギヤ嵌合部15Aには、後述
する主スプリング36の内端を係止する内端係止溝15
aが直径方向に設けられている。また、段部を形成して
いるテープ巻取部15Bの左端にも、後述するテープ5
1の内端を係止するテープ保持部15bが設けられてい
る。
【0032】第2図に示すように、結合状態検知部20
は、前記シートベルトB側に取付けられたタング(図示
せず)とバックル21とが正常な結合状態にある時にそ
の状態を検知するものである。この検知部20は、バッ
クル21内に挿入されたタングがバックル21内に設置
されたスイッチ22を押圧した時に結合完了信号が出力
する。
【0033】付勢機構部30は、リテーナ12と共にフ
レーム11の側壁11aに取付けられたカバー31と、
該カバー31に形成された第1収容室32と、第1収容
室32内に設けられた外端係止部33に外端が係止され
た付加スプリング34と、前記第1収容室32を覆うよ
うに設けられ且つ第2収容室35aを備えたハウジング
35と、該第2収容室35a内に設けられた外端係止部
35bにより外端が係止された主スプリング36と、前
記第2収容室35aを覆うようにハウジング35に固定
されたキャップ37とから構成される。
【0034】付加スプリング34の内端は、後述のクラ
ッチギヤ41の係止部41cに係止されている。これに
より、該クラッチギヤ41が付加スプリング34によっ
てベルト巻込み方向に付勢され得るようになっている。
主スプリング36の内端は連結シャフト15の係止溝1
5aに係止されている。これによって、シートベルトB
は主スプリング36によって常時巻込み方向へ付勢され
ている。
【0035】クラッチ装置部40は、クラッチギヤ41
とクラッチ爪機構42とを備えている。クラッチギヤ4
1の外周面の歯部41aは鋸歯状である。この鋸歯部4
1aの歯面は、シートベルトBの引出し方向へ回転する
時には緩やかな斜面が回転方向前面となり、ベルト巻取
り方向へ回転する時には切り立った面が回転方向前面と
なる。
【0036】後述する通り、クラッチ爪45がこの歯部
41aに当接した際には、ベルト引出し方向への回転だ
けを許容し得る。即ち、クラッチ爪45とクラッチギヤ
41とは所謂一方向回転クラッチギヤを構成している。
【0037】クラッチギヤ41のボス部41bの内端係
止部41cには、付加スプリング34の内端が係止され
ている。
【0038】クラッチギヤ41の中心孔41hは、連結
シャフト15のクラッチギヤ嵌合部15Aに回転可能に
嵌合している。
【0039】クラッチ爪機構42は、ピボットレバー4
4と、クラッチ爪45と、ソレノイド46とを備えてい
る。
【0040】ピボットレバー44は、前記リテーナ12
に植設された支持軸43によりその中間部を回動可能に
軸支されている。このピボットレバー44の一方の腕部
にスリット44aが長手方向に形成されている。
【0041】クラッチ爪45は、該ピボットレバー44
の他方の腕部の先端に、ごく小さい角度の範囲だけ回動
可能に設けられている。
【0042】ソレノイド46のプランジャ46aの側面
にピン46bが突設されている。このピン46bがピボ
ットレバー44のスリット44a内に係合している。前
記検知部20からの検知信号に基いてソレノイド46が
作動され、プランジャ46の突出及び後退によりピボッ
トレバー44が揺動される。47は電磁ソレノイド46
の消磁時にプランジャ46aを突出させるためのリター
ンスプリングである。これらの部材43ないし47から
なるクラッチ爪機構42は、第3図に示すように前記カ
バー31のリテーナ12側空間内に収容される。
【0043】このクラッチ爪45とソレノイド46とク
ラッチギヤ41の歯部41aとの三者の連動関係は、次
の通りである。
【0044】 ソレノイド46が消磁状態にある時に
は、リターンスプリングがプランジャ46aを突出さ
せ、第2図においてピボットレバー44の先端側を下降
させる。これにより、クラッチ爪45がクラッチギヤ4
1の歯部41aから離れる。
【0045】 ソレノイド46が励磁状態にある時に
は、プランジャ46aが後退し、第2図においてピボッ
トレバー44の先端側が上昇する。これにより、クラッ
チ爪45が歯部41aに噛合する。
【0046】第4図に示す通り、テープメモリ部50
は、テープ51と連結シャフト15(特にテープ巻取部
15B)よりなるものである。このテープ51の内端に
ループ51aが設けられ、このループ51aが前記連結
シャフト15のテープ保持部15bに掛止されている。
このテープ51は、連結シャフト15のテープ巻取部1
5Bに巻き取られる。
【0047】前記テープ51の外端に設けられたループ
51bは、クラッチギヤ41のリテーナ12側の端面に
形成されたテープ外端保持部53に係合されている。
【0048】テープ51は、引張強度が強く且つ伸び率
の少ない柔軟な合成樹脂よりなる。このテープ51の表
面にはテープの長手方向に深さ35μmの溝が多数設け
られている。
【0049】シートベルトBがベルトリール16から巻
き出されると、第1図において連結シャフト15が時計
方向に回転する。このときの主スプリング36、テープ
51及びクラッチギヤ41の作動は次の通りである。
【0050】(イ) 主スプリング36の内端は内端保
持部15aに直に連結されているので、テープ51はベ
ルト引出し時の連結シャフト15の時計方向への回転に
伴って巻き締められる。
【0051】(ロ) テープ51の内端は、連結シャフ
ト15のテープ内端保持部52に直に連結され、外端は
クラッチギヤ41のテープ外端保持部53に連結されて
いる。従って、テープ51の巻き締めが終わると、クラ
ッチギヤ41が時計方向に回転し始める。そして、付加
スプリング34の内端がクラッチギヤ41のスプリング
内端保持部41cに係合しているので、付加スプリング
34は、クラッチギヤ41の時計方向への回転に伴って
巻き締められる。
【0052】(ハ) なお、クラッチ爪45がクラッチ
ギヤ41の歯部41aに係合している状態では、クラッ
チギヤ41はその時計方向への回転のみが許容され、反
時計方向への回転はクラッチ爪45により阻止される。
【0053】第5図は、これらスプリング34、36、
クラッチギヤ41、ピボットレバー44、クラッチ爪4
5、ソレノイド46及びテープ51等の関係を模式的に
示している。
【0054】次に、このように構成された実施例の作用
について説明する。
【0055】I.ベルトBの全量がリール16に巻き取
られたベルト収納の状態 連結シャフト15には、常に主スプリング36の付勢力
が加えられているので、この主スプリング36の付勢力
により反時計方向へ付勢されている。
【0056】この状態では、タングはバックルから抜か
れており、ソレノイド46は消磁されている。従って、
プランジャ46aはリターンスプリング47の押圧力に
より突出位置に保持されており、この状態では、ピボッ
トレバー44の先端のクラッチ爪45はクラッチギヤ4
1の歯部41aから離反している。
【0057】その結果、クラッチギヤ41は付加スプリ
ング34の付勢力により反時計方向へと回転し、その回
転途中において前述のテープ51の弛みを吸収してい
る。即ち、テープ51は連結シャフト15の外周及び板
バネ54上に密着的に巻かれ、クラッチギヤ41側のテ
ープ外端保持部53との間で緊張された状態となってい
る。そして、付加スプリング34のベルト巻取り方向の
付勢力はテープ51を介して連結シャフト15に付加さ
れている。
【0058】第5図(a)はこの状態に相当する。
【0059】II. 着用のため、ベルトを引出し、タング
をバックルに装着した時の状態 ベルト着用に当り乗員がベルトBを引出すと、これに伴
ってベルトリール16、メインシャフト14、連結シャ
フト15の三者(以下、メインシャフト14等とも称
す。)が引出し方向(第1、2図の時計方向)へと回転
し、連結シャフト15の内端係止溝15aを介して主ス
プリング36を巻き締めていく。これと共に、緊張した
テープ51を介して付加スプリング34も巻き締められ
ていく。
【0060】この巻き締め動作は、第5図(a)の状態
においてベルトBを右方向へ引出す動作に相当する。即
ち、シートベルトBは両方のスプリング34、36の付
勢力に抗して引出されることになる。
【0061】さて、乗員が引出されたシートベルトBの
タングとバックル部材とを結合すると、バックル部材内
のスイッチ22が「ON」して電磁ソレノイド46を励
磁するから、プランジャ46aが吸引されてピボットレ
バー44を第2図の矢印H方向へと回動する。その結
果、クラッチ爪45がクラッチギヤ41の歯部41aに
噛合して、該ギヤ41のベルト巻込み方向への回転をロ
ックし、付加スプリング34の巻込み方向への付勢力を
ベルトBに伝えない状態にする。この状態は第5図
(b)に相当する。
【0062】III. タングとバックル部材との結合後、
バックルから手を離して乗員が自動車前方に向き直った
状態 乗員がシートベルトBのタングとバックル部材とを結合
する場合には、上半身をねじるようにしているから、ベ
ルトBは正規装着状態の時の引出し長さよりも余分に引
出されている。第5図(b)はこの状態である。
【0063】このバックル装着後に乗員が正面を向く
と、付加スプリング34の巻込み方向への付勢力はテー
プBには伝わらない状態になっているところから、シー
トベルトBは、主スプリング36の付勢力のみによって
乗員の身体にフィットするまで巻き戻されることになる
(第5図(c)の状態)。
【0064】第5図(b)の状態では、クラッチギヤ4
1と連結シャフト15との間で緊張状態にあったテープ
51は、この主スプリング36の付勢力だけによる巻き
戻しに際して、メインシャフト14等が反時計方向へ回
転するのに伴って弛み始める。
【0065】従って、該テープ51は第4図の如く、連
結シャフト15に緩く巻き付いた状態となる。このよう
な第5図(c)に示すような状態にあっては、ベルトB
には主スプリング36による付勢力のみが加えられるた
め、ベルトBは乗員にソフトにフィットし、乗員に対す
る圧迫感は著しく軽減される。
【0066】IV.ベルト装着後、乗員が深い前傾姿勢に
移行した時の状態 乗員の姿勢が正常な着座姿勢から深い前傾姿勢に移行す
ると、それにつれてベルトBも引出されるが、ベルトB
は、前述のベルト着用時に巻き戻された余分なベルト量
が引出される時点(第5図(b)の状態)まで、主スプ
リング36だけを巻き締めながら引出される。
【0067】そして、余分なベルト量が引出された時点
に達すると、テープ51がクラッチギヤ41と連結シャ
フト15との間で緊張状態に変り、この緊張したテープ
51を介してクラッチギヤ41が時計方向に回転され
る。
【0068】この時、クラッチギヤ41の歯部41aは
クラッチ爪45に対して順方向となるので、クラッチ爪
45によるクラッチギヤ41への回転阻止作用は働かな
い。(クラッチギヤ41の歯部41aに爪45が係合し
ていても、クラッチギヤ41は第2図の時計方向に回転
可能である。) 余分なベルト量が引出された時点を超えてシートベルト
Bが引出される場合は、ベルトBは付加スプリング34
と主スプリング36とを巻き締めながら、即ち、ベルト
Bには両スプリングの合成された付勢力が付与されてい
る重い状態で引出されることになる。
【0069】V.乗員が深い前傾姿勢の後、正常な着座
姿勢に復帰する時の状態 乗員が深い前傾姿勢をとった後、正常な着座姿勢に復帰
する場合は、シートベルトBは主スプリング36の付勢
力だけによって巻き込まれる。これは、前述のIII.タン
グとバックル部材との結合後、ベルトから手を離した時
の状態の項で説明した場合と同じ理由による。
【0070】即ち、この状態においては、クラッチギヤ
41の歯部41aがクラッチ爪45に対して係合してお
り、クラッチギヤ41の巻込み方向(反時計方向)の回
転がクラッチ爪45により阻止される。このため、シー
トベルトBは主スプリング36によってのみ付勢され
る。
【0071】VI.降車のため、タングとバックル部材と
の結合を解除した時の状態 シートベルトBのタングとバックル部材との結合を解除
すると、バックル部材内のスイッチ22がOFFとな
り、ソレノイド46が消磁される。その結果、プランジ
ャ46aがリターンスプリング47の押圧力により突出
位置へと復帰する。これにより、ピボットレバー44は
第2図の反時計方向(矢印H方向と逆の方向)へ回動し
て、クラッチギヤ41の歯部41aに対するクラッチ爪
45の係合が解除される。そのため、クラッチギヤ41
は付加スプリング34の付勢力によって巻込み方向(反
時計方向)へ急激に回転し、テープ51を緊張状態に導
く。テープ51が緊張した後は、主スプリング36と共
に付加スプリング34もベルトBを巻取方向に付勢す
る。そのため、ベルトBは、速やかにベルトリール16
に巻き取られる。
【0072】以上の通り、本実施例のシートベルト巻取
装置では、バックルからタングを抜くと、クラッチギヤ
41が付加スプリング34に引っ張られて急速に回転す
る。そして、それまで緩み状態にあったテープ51が急
速に巻き締められ、遂には緊張状態となって付加スプリ
ング34の巻取付勢力もシートベルトBに加えられるよ
うになる。このテープ51の巻き締り、巻き緩みに際
し、第4図(a)の通り、テープ51の幅方向へのスラ
イドが殆ど生じないことが見出された。これは、恐ら
く、テープの間から空気が速やかに流出するためであろ
う。
【0073】なお、テープの表面の凹凸を20μmより
も小さくした場合、第4図(b)のように、テープ51
Aが幅方向にスライドすることが見出された。これは、
恐らく、テープの間に空気層が残ってしまい、この空気
層がエアベアリングとして機能し、テープを横方向にス
ライドさせてしまうためであろう。
【0074】
【発明の効果】以上の通り、本発明のシートベルト巻取
装置は、充分なベルト巻込み力を保持し得、且つ、正常
装着時には乗員に不必要な圧迫感を与えることがない。
しかも、テープに横ズレが殆ど生じないため、テープの
幅を小さくできる。また、このためシートベルト巻取装
置を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシートベルト巻取装置の分解斜視
図である。
【図2】部分的に断面とした本巻取装置の左側面図であ
る。
【図3】図2のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】テープの巻取状況を示す模式的な断面図であ
る。
【図5】本発明の装置の作用を原理的に説明するための
模式図である。
【図6】特願昭62−297467号の作用を原理的に
説明するための模式図である。
【図7】実開昭63−52656号の作用を原理的に説
明するための模式図である。
【符号の説明】
10 巻取り機構部 14 メインシャフト 15 連結シャフト 16 ベルトリール 20 結合状態検知部 21 バックル 22 スイッチ 30 付勢機構部 33 外端係止部 34 付加スプリング 35 ハウジング 36 主スプリング 40 クラッチ機構部 41 クラッチギヤ 42 クラッチ爪機構 44 ピボットレバー 45 クラッチ爪 46 ソレノイド 46a プランジャ 50 テープメモリ部 51 テープ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルトを巻き取るためのリール1
    6と、該リールを回転自在に保持するフレーム11と、
    該リール16をシートベルト巻取方向に付勢するスプリ
    ングとを備え、 該スプリングとして、該リール16を巻取方向に常時付
    勢する主スプリング36と、巻取方向の付勢力が断続可
    能に該リール16に与えられる付加スプリング34とを
    設け、該主スプリング36と該付加スプリング34とを
    並列的に配置したシートベルト巻取装置であって、 前記リール16に対し前記付加スプリング34の付勢力
    を伝達する動力伝達経路の途中に設けられており、該付
    加スプリング34の付勢力をリール16に伝達するテー
    プ51と、 該付加スプリング34のリール側の端部に接続されてお
    り、付加スプリング34の該リール側の端部が移動する
    際に該端部と共に動く従動部材41と、 該シートベルトの巻き出しに伴って該付加スプリング3
    4の端部と共に動いた該従動部材41を係止し、前記付
    加スプリングの付勢力による該従動部材41の退動を阻
    止しうる係止部材45と、 該係止部材45による該従動部材41の係止を解除する
    ための係止部材作動装置44,46と、 を備えており、 前記テープ51は、前記リール16と一体に回転するテ
    ープ巻取部材15の外周面に巻き付けられているシート
    ベルト巻取装置において、 該テープは、その表面に20μm以上の凹凸を付した
    のであって、該凹凸は、テープ長手方向の溝によって構
    成されていることを特徴とするシートベルト巻取装置。
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