JPH085879Y2 - テンションリデューサ - Google Patents

テンションリデューサ

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JPH085879Y2
JPH085879Y2 JP1990048438U JP4843890U JPH085879Y2 JP H085879 Y2 JPH085879 Y2 JP H085879Y2 JP 1990048438 U JP1990048438 U JP 1990048438U JP 4843890 U JP4843890 U JP 4843890U JP H085879 Y2 JPH085879 Y2 JP H085879Y2
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spiral
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宏規 佐々木
隆 河原崎
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Tokai Rika Co Ltd
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Tokai Rika Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案はテンシヨンリデユーサに係り、特にウエビン
グ巻取装置に用いられるテンシヨンリデユーサに関す
る。
[従来の技術] この種のテンシヨンリデユーサ(ウエビング巻取装
置)では、強弱(大小)二種類のゼンマイバネを備えて
いる。弱ゼンマイバネの一端は巻取軸に連結されてお
り、他端はギヤスプリングを介して強ゼンマイバネに連
結されている。強ゼンマイバネの他端はケース(カバ
ー)に係止されている。すなわち、巻取軸、弱ゼンマイ
バネ、ギヤスプリング及び強ゼンマイバネは直列に連結
されており、巻取軸はこれらのゼンマイバネによってウ
エビング巻取方向へ付勢されている。また、ギヤスプリ
ングの近傍にはパウルレバーが配置されており、ギヤス
プリングに係合してその回転を阻止できるようになって
いる。このパウルレバーはソレノイドの作動あるいは車
両ドアの開閉に連動して作動する。
乗員がウエビングを装着した後には、前述の作動機構
によってパウルレバーが作動してギヤスプリングの回転
が阻止される。このため、強ゼンマイバネによるウエビ
ング巻取方向への付勢力が巻取軸へ作用しなくなり、ウ
エビングは弱ゼンマイバネによってのみ引張られる。し
たがって、乗員は圧迫感の無いウエビング装着状態とな
る。一方、乗員がウエビングの装着を解除する際には、
パウルレバーによるギヤスプリングの回転阻止が解除さ
れる。このため、強ゼンマイバネによるウエビング巻取
方向への付勢力が巻取軸へ作用し、ウエビングは強ゼン
マイバネによって迅速に巻き取られる。
ところで、このようなテンシヨンリデユーサを備えた
ウエビング巻取装置では、テンシヨンリデユーサを解除
する際に、すなわち、強ゼンマイバネの一端部が連結さ
れたギヤスプリングのパウルレバーによる回転阻止が解
除された際に、強ゼンマイバネが急激に伸長し、このた
め、強ゼンマイバネの大きな付勢力がギヤスプリングを
介して急激に弱ゼンマイバネに作用する。したがって、
弱ゼンマイバネに大きな衝撃荷重が作用し、異音の発生
や耐久性の低下の原因となっていた。
このため、テンシヨンリデユーサ解除時の異音の発生
を防止するために、強ゼンマイバネと弱ゼンマイバネと
を巻取軸に対して並列に連結すると共に、一方のゼンマ
イバネと巻取軸との間に渦巻状の柔軟部材を介在させた
テンシヨンリデユーサ(ウエビング巻取装置)が提案さ
れている(特開平1−141147号公報)。
この種のウエビング巻取装置に設けられたテンシヨン
リデユーサでは、一方のゼンマイバネに連結された柔軟
部材がテンシヨンリデユーサ解除時に緊張することによ
り付勢力の伝達が行なわれる。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、このテンシヨンリデユーサでは、テン
シヨンリデユーサ解除時の異音の発生は低減できるもの
の、全体的な耐久性の向上という点では未だ不充分であ
った。すなわち、強弱二種類のゼンマイバネを巻取軸に
対して単に並列に連結し通常のウエビング巻取り、引出
しの際(すなわちテンシヨンリデユーサ不作動時)には
両方のゼンマイバネの合力によって巻取軸を付勢し、テ
ンシヨンリデユーサ作動時にのみ一方のゼンマイバネに
よって巻取軸を付勢するという従前と同様の構成である
ため、ウエビングの引出し、巻取りの度に強弱二種類の
ゼンマイバネは共に巻締め、弛緩(巻開き)が繰り返さ
れることとなり、さらにその巻締め、巻開きの範囲も各
ゼンマイバネのストローク(巻締め、巻開き可能範囲)
の全域に渡っていた。したがって、依然として耐久性の
低下の原因となっていた。
本考案は上記事実を考慮し、簡単な構造で耐久性を向
上することができるテンシヨンリデユーサを得ることが
目的である。
[課題を解決するための手段] 本考案に係るテンシヨンリデユーサは、ウエビングを
層状に巻き取る巻取軸に連結され巻締められることによ
り巻取軸をウエビング巻取方向へ付勢する強ゼンマイバ
ネと、前記強ゼンマイバネよりも付勢力が小さくかつ前
記強ゼンマイバネと逆向きの渦巻状に構成され一端が巻
取軸に連結され巻締められることにより巻取軸を反ウエ
ビング巻取方向へ付勢する弱ゼンマイバネと、前記弱ゼ
ンマイバネの他端が連結されると共に回転可能に配置さ
れ、乗員のウエビング装着時にウエビングが巻取軸から
引き出された所定の時点でウエビング巻取方向への回転
が停止される連結部材と、前記強ゼンマイバネと同じ向
きの渦巻状に構成されると共に一端が巻取軸に連結され
他端が前記連結部材に連結されて前記弱ゼンマイバネに
並列とされ、巻取軸と前記連結部材の相対回転に伴う前
記弱ゼンマイバネの巻開きを全巻密着状態で制限する渦
巻部材と、を備えている。
[作用] 上記構成のテンシヨンリデユーサでは、テンシヨンリ
デユーサ不作動時には、弱ゼンマイバネの他端が連結さ
れた連結部材は自由に回転可能であり、したがって、巻
取軸には強ゼンマイバネの付勢力のみが作用し、ウエビ
ングの引き出しは強ゼンマイバネの付勢力に抗すること
により可能である。
乗員がウエビングを装着するためにウエビングを引き
出すと、巻取軸の回転に伴って強ゼンマイバネが巻締め
られる。この場合、巻取軸には弱ゼンマイバネの一端が
連結されているが、巻取軸が回転しても巻取軸に連結さ
れた弱ゼンマイバネは単に連結部材と共に自由回転する
のみである。また、巻取軸には弱ゼンマイバネと並列に
渦巻部材が連結されており、この渦巻部材が全巻密着状
態となって弱ゼンマイバネの巻開きを制限している。す
なわち、換言すれば、弱ゼンマイバネは自然状態となる
以前の最大限に拡径した状態で保持され、したがって弱
ゼンマイバネはこのウエビングが引き出された状態にお
いても完全に巻開かれることはない。
乗員がウエビングを装着した後にテンシヨンリデユー
サを作動させると、連結部材のウエビング巻取方向回転
が停止されて弱ゼンマイバネの他端が固定された状態と
なる。このため、その後に強ゼンマイバネの付勢力によ
ってウエビングが巻き取られる際には、巻取軸のウエビ
ング巻取方向回転が弱ゼンマイバネに伝達される。ここ
で、弱ゼンマイバネは強ゼンマイバネと逆向きの渦巻状
に構成されているため、巻取軸の回転に伴って弱ゼンマ
イバネは巻締められ、すなわち、弱ゼンマイバネの付勢
力が巻取軸の反ウエビング巻取方向回転として作用す
る。したがって、実質的に巻取軸に作用するウエビング
巻取方向回転力は、強ゼンマイバネの付勢力から弱ゼン
マイバネの付勢力を差し引いた力となり、ウエビングは
この弱い力によって引っ張られる。したがって、乗員に
圧迫感を与えることが無く、乗員は快適なウエビング装
着状態となる。
一方、乗員がウエビングの装着を解除しこれに伴って
テンシヨンリデユーサが解除されると、連結部材のウエ
ビング巻取方向回転が再び可能となる。このため、巻締
められた弱ゼンマイは連結部材と共に反ウエビング巻取
方向へ巻戻り回転し、渦巻部材が全巻密着状態となった
時点で弱ゼンマイバネの巻開きが停止される。その後に
は、弱ゼンマイは単に連結部材と共に自由回転する状態
となり、弱ゼンマイバネの付勢力が巻取軸に作用しない
状態となる。したがって、巻取軸には再び強ゼンマイバ
ネによるウエビング巻取方向への付勢力のみが作用し、
ウエビングは強ゼンマイバネによって迅速に巻き取られ
る。
このように、弱ゼンマイバネは通常のウエビング引出
し、巻取りの際には自由回転して巻締め、巻開かれるこ
とがなく、テンシヨンリデユーサ作動時においてのみ弱
ゼンマイバネは巻締め、巻開きが行なわれるため、耐久
性を向上することができる。また、弱ゼンマイバネはそ
の巻締め、巻開きの範囲が渦巻部材によって制限され、
バネストローク(巻締め、巻開き可能範囲)の全域に渡
ることがないため、耐久性の低下の原因となることがな
く、さらに、非線形なばね特性を有する弱ゼンマイバネ
をそのトルク(付勢力)が変動しない範囲で用いること
ができる。したがって、巻取軸へ作用する弱ゼンマイバ
ネの付勢力をウエビングの巻取量、引出量に拘わらず一
定にすることができ、テンシヨンリデユーサ作動時のウ
エビングの使い勝手が悪くなることも無い。
[実施例] 第1図には本考案に係るテンシヨンリデユーサ10の分
解斜視図が示されている。また、第2図にはこのテンシ
ヨンリデユーサ10をモデル化した概略構成図が示されて
いる。
テンシヨンリデユーサ10では、スプリングシート12
が、このテンシヨンリデユーサ10が適用されるウエビン
グ巻取装置のフレーム(図示省略)に取り付けられる。
スプリングシート12にはウエビング巻取軸(軸線CL)と
同軸的に透孔14が形成されており、アダプタ16が支持さ
れている。
アダブタ16は略円柱形で、スプリングシート12の透孔
14に挿通されて回転可能に支持されており、ウエビング
巻取軸に連結されている。このため、アダプタ16は常に
ウエビング巻取軸と共に回転するようになっている。
アダプタ16の軸線方向中央部には凹部18が形成されて
おり、後述するテープ52の固定部となっている。またア
ダプタ16のスプリングシート12と反対側の端部には、軸
線に沿って凸部19が形成されており、後述する補助アダ
プタ54の固定部となっている。
また、アダプタ16の凹部18と凸部19との間の外周一部
には、軸線に沿って切込み部20が切り込まれており、さ
らに、この切込み部20には弱ゼンマイバネ22の内側端部
22Aが係止されている。弱ゼンマイバネ22は渦巻状に構
成されており、内側端部22Aが係止されたアダプタ16の
ウエビング巻取方向(第1図矢印B方向)回転によって
巻締められるようになっている。弱ゼンマイバネ22の外
側端部22Bは連結部材としてのギヤスプリング24に係止
されている。
ギヤスプリング24は円盤状に形成されており、外周に
はラチエツト歯32が形成されている。また、ギヤスプリ
ング24のスプリングシート12の側の側壁には、弱ゼンマ
イバネ22に対応する大きさの収納凹部26が形成されてい
る。この収納凹部26には外周壁26Aの近傍に係止突起28
が突出形成されており、弱ゼンマイバネ22が収納凹部26
に収納されると共に外側端部22Bが係止突起28に係止さ
れている。収納凹部26の外周壁26Aには、半径方向内側
へ突出する嵌合突起30が周方向に等間隔に形成されてい
る。
弱ゼンマイバネ22が収納されたギヤスプリング24の収
納凹部26には、プレート44が取り付けられている。プレ
ート44はは円盤状で、中央部にはアダプタ16挿通用の透
孔46が形成されている。また、プレート44の外周端部に
は、ギヤスプリング24の嵌合突起30に対応して凹部48が
形成されている。これらの凹部48が嵌合突起30に嵌まり
込むことによって、プレート44がギヤスプリング24に固
定されると共に、収納凹部26内に弱ゼンマイバネ22を収
納保持する構成である。このため、プレート44は常にギ
ヤスプリング24と共に回転する。
プレート44のギヤスプリング24と反対側の面には係止
突起50が突出形成されており、この係止突起50に渦巻部
材としてのテープ52の外側端部52Bが係止されている。
テープ52は、薄肉の樹脂製とされており、前述の弱ゼ
ンマイバネ22と逆方向の渦巻状に構成されている。テー
プ52の渦巻中心側の内側端部52Aは、前述のアダプタ16
の凹部18に固定されている。すなわち、テープ52は、第
2図にも示す如く、弱ゼンマイバネ22と並列にアダプタ
16とギヤスプリング24に連結されており、このため、テ
ープ52はアダプタ16またはギヤスプリング24の回転に追
従して弱ゼンマイバネ22と同時に巻締め、巻開かれる。
なお、この場合、弱ゼンマイバネ22とテープ52とは渦巻
方向が互いに逆向きに構成されているため、弱ゼンマイ
バネ22が巻締められる際にはテープ52は次第に弛緩され
(巻開かれ)、弱ゼンマイバネ22が巻開かれる際にはテ
ープ52は次第に巻締められる構成である。また、弱ゼン
マイバネ22が全量弛緩され(巻開かれ)自然状態となる
以前に(換言すれば、巻締め量に応じた弱ゼンマイバネ
22の付勢力が変動しない状態で)、テープ52が全巻密着
状態(渦巻状に隣接する内外層が密着しあった状態)と
なるように、全長や渦巻回数が設定されている。
ギヤスプリング24の収納凹部26と反対側にはカバー42
が配置されており、前述の各部品を被覆している。カバ
ー42の中央部にはアダプタ16に対応して透孔43が形成さ
れており、アダプタ16の凸部19が回転可能に挿通されて
いる。カバー42の透孔43を挿通した後の凸部19には、補
助アダプタ54が連結されている。
補助アダプタ54には軸線に沿って凹部56が形成されて
おり、アダプタ16の凸部19が嵌合している。このため、
補助アダプタ54は常にアダプタ16と共に回転する。
補助アダプタ54の外周一部には切込み部58が切り込ま
れており、この切込み部58には強ゼンマイバネ40の内側
端部40Aが係止されている。強ゼンマイバネ40は、前述
の弱ゼンマイバネ22と逆向きの(したがって、テープ52
と同じ向きの)渦巻状に構成されており、外側端部40B
は、補助カバー70の係止突起72に係止されている。
すなわち、第2図にも示す如く、強ゼンマイバネ40
は、アダプタ16とギヤスプリング24との間に並列に連結
された弱ゼンマイバネ22とテープ52に対して、並列とな
ってアダプタ16に連結される構成である。このため、強
ゼンマイバネ40の付勢力は、アダプタ16へ伝達されると
共にアダプタ16を介して弱ゼンマイバネ22にも作用する
ようになっている。
この場合、弱ゼンマイバネ22は強ゼンマイバネ40と逆
向きの渦巻状に構成されているため、強ゼンマイバネ40
の付勢力によってアダプタ16がウエビング巻取方向へ回
転した場合には、この回転に伴って弱ゼンマイバネ22は
巻締められ、すなわち、弱ゼンマイバネ22の付勢力がア
ダプタ16の反ウエビング巻取方向回転として作用する。
したがって、実質的にアダプタ16(巻取軸)に作用する
ウエビング巻取方向回転力は、強ゼンマイバネ40の付勢
力から弱ゼンマイバネ22の付勢力を差し引いた力とな
り、アダプタ16はこの弱い力によって回転力を受けるよ
うになっている。またさらに、アダプタ16の回転に伴っ
て弱ゼンマイバネ22が巻締められる際にはテープ52は次
第に弛緩され(巻開かれ)ることになる。
ギヤスプリング24の下方には、ギヤスプリング24の回
転停止手段を構成するパウルレバー60が揺動回転可能に
配置されている。パウルレバー60には爪部62が形成され
ており、ギヤスプリング24のラチエツト歯32に係合可能
となっている。爪部62がラチエツト歯32に係合した場合
にはギヤスプリング24のウエビング巻取方向(第1図矢
印B方向)の回転が阻止される。
パウルレバー60の近傍にはリターンスプリング64が配
置されており、常にパウルレバー60の爪部62がラチエツ
ト歯32から離間する方向へ付勢している。また、パウル
レバー60の近傍にはソレノイド66が配置されている。ソ
レノイド66のアクチユエータ部68はパウルレバー60に連
結されており、作動時にはリターンスプリング64の付勢
力に抗してパウルレバー60を揺動回転させて爪部62をラ
チエツト歯32に係合させることができるようになってい
る。なお、このソレノイド66は乗員がウエビングを装着
した時点で作動する。
次に本実施例の作用を説明する。
上記構成のテンシヨンリデユーサ10では、乗員がウエ
ビングを装着する以前、すなわち、ウエビングが全量巻
き取られた状態では、第3図(A)に示すごとく、弱ゼ
ンマイバネ22は全量弛緩され(巻開かれ)自然状態とな
る以前の状態となっており、テープ52は全巻密着状態と
なっている。また、弱ゼンマイバネ22の外側端部22Bが
連結されたギヤスプリング24は自由に回転可能であり、
したがって、巻取軸には強ゼンマイバネ40の付勢力のみ
が作用し、ウエビングの引き出しは強ゼンマイバネ40の
付勢力に抗することにより可能である。
乗員がウエビングを装着するためにウエビングを引き
出すと、第3図(B)に示す如く、巻取軸の回転に伴っ
て強ゼンマイバネ40が巻締められる。この場合、巻取軸
にはアダプタ16を介して弱ゼンマイバネ22の内側端部22
Aが連結されているが、アダプタ16(巻取軸)が回転し
てもアダプタ16に連結された弱ゼンマイバネ22は単にギ
ヤスプリング24と共に自由回転するのみである。また、
アダプタ16には弱ゼンマイバネ22と並列にテープ52が連
結されており、このテープ52が全巻密着状態となって弱
ゼンマイバネ22の巻開きを制限しているため、弱ゼンマ
イバネ22は自然状態となる以前の最大限に拡径した状態
で保持され、したがって弱ゼンマイバネ22はこのウエビ
ングが引き出された状態においても完全に巻開かれるこ
とはない。
引き出されたウエビングを乗員が装着すると、ソレノ
イド66が作動する。ソレノイド66が作動されると、アク
チユエータ部68の移動によってパウルレバー60が揺動回
転し、爪部62がギヤスプリング24のラチエツト歯32に係
合してギヤスプリング24のウエビング巻取方向への回転
が阻止される。このため、弱ゼンマイバネ22の外側端部
22Bが固定された状態となる。したがって、その後に強
ゼンマイバネ40によるウエビング巻取方向への付勢力が
アダプタ16及びアダプタ16に連結されたウエビング巻取
軸へ作用してウエビングが巻き取られる際には、アダプ
タ16のウエビング巻取方向回転が弱ゼンマイバネ22に伝
達される。ここで、弱ゼンマイバネ22は強ゼンマイバネ
40と逆向きの渦巻状に構成されているため、アダプタ16
の回転に伴って弱ゼンマイバネ22は巻締められ、すなわ
ち、弱ゼンマイ22の付勢力がアダプタ16の反ウエビング
巻取方向回転として作用する。したがって、実質的にア
ダプタ16に作用するウエビング巻取方向回転力は、強ゼ
ンマイバネ40の付勢力から弱ゼンマイバネ22の付勢力を
差し引いた力となり、アダプタ16はこの弱い力によって
回転力を付与されウエビングはこの弱い力によって引っ
張られる。したがって、乗員に圧迫感を与えることが無
く、乗員は快適なウエビング装着状態となる。
また、テンシヨンリデユーサ作動状態では、ウエビン
グの引出しは、強ゼンマイバネ40の付勢力から弱ゼンマ
イバネ22の付勢力を差し引いた弱い力に抗するのみでよ
く、すなわち第3図(B)に示す状態と第3図(C)に
示す状態との間で推移し、アダプタ16に連結されたウエ
ビング巻取軸も自由に回転可能でウエビングの引出しや
操作性が阻害されることはない。
一方、乗員がウエビングの装着を解除しこれに伴って
テンシヨンリデユーサが解除されると、ソレノイド66が
オフ(解除)される。ソレノイド66が解除されると、リ
ターンスプリング64の付勢力によってパウルレバー60が
揺動回転して爪部62がラチエツト歯32から離間しギヤス
プリング24の回転阻止が解除され、ギヤスプリング24の
ウエビング巻取方向回転が再び可能となる。このため、
巻締められた弱ゼンマイ22はギヤスプリング24と共に反
ウエビング巻取方向へ巻戻り回転し、テープ52が全巻密
着状態となった時点で弱ゼンマイバネ22の巻開きが停止
される。その後には、弱ゼンマイバネ22は単にギヤスプ
リング24と共に自由回転する状態となり、弱ゼンマイ22
の付勢力がアダプタ16に作用しない状態となる。したが
って、アダプタ16には再び強ゼンマイバネ40によるウエ
ビング巻取方向への付勢力のみが作用し、ウエビングは
強ゼンマイバネ40によって迅速に巻き取られる。また強
ゼンマイバネ40は、最大限に拡径した状態に復帰する。
このように、テンシヨンリデユーサ10では、弱ゼンマ
イバネ22は通常のウエビング引出し、巻取りの際には自
由回転して巻締め、巻開かれることがなく、テンシヨン
リデユーサ作動時においてのみ弱ゼンマイバネ22は巻締
め、巻開きが行なわれるため、耐久性を向上することが
できる。また、弱ゼンマイバネ22はその巻締め、巻開き
の範囲がテープ52によって制限され、バネストローク
(巻締め、巻開き可能範囲)の全域に渡ることがないた
め、耐久性の低下の原因となることがなく、さらに、非
線形なばね特性を有する弱ゼンマイバネ22をそのトルク
(付勢力)が変動しない範囲で用いることができる。し
たがって、アダプタ16(巻取軸)へ作用する弱ゼンマイ
バネ22の付勢力をウエビングの巻取量、引出量に拘わら
ず一定にすることができ、テンシヨンリデユーサ作動時
のウエビングの使い勝手が悪くなることも無い。
[考案の効果] 以上説明した如く本考案に係るテンシヨンリデユーサ
は、通常のウエビング巻取り、引出しの際(テンシヨン
リデユーサ不作動時)には一方のゼンマイバネによつて
巻取軸を付勢し、テンシヨンリデユーサ作動時にのみ他
方のゼンマイバネの付勢力も巻取軸へ作用させる構成で
あるため、ウエビングの引出し、巻取りの度に強弱二種
類のゼンマイバネの巻締め、弛緩が繰り返されることが
なく、簡単な構造で耐久性を向上することができるとい
う優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るテンシヨンリデユーサの分解斜視
図、第2図はテンシヨンリデユーサをモデル化した概略
構成図、第3図(A)乃至第3図(C)は強ゼンマイバ
ネ、強ゼンマイバネ及びテープの巻締まり状態を示す概
略正面図である。 10……テンシヨンリデユーサ、16……アダプタ、22……
弱ゼンマイバネ、24……ギヤスプリング(連結部材)、
40……強ゼンマイバネ、44……プレート、52……テープ
(渦巻部材)、60……パウルレバー、66……ソレノイ
ド。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウエビングを層状に巻き取る巻取軸に連結
    され巻締められることにより巻取軸をウエビング巻取方
    向へ付勢する強ゼンマイバネと、 前記強ゼンマイバネよりも付勢力が小さくかつ前記強ゼ
    ンマイバネと逆向きの渦巻状に構成され一端が巻取軸に
    連結され巻締められることにより巻取軸を反ウエビング
    巻取方向へ付勢する弱ゼンマイバネと、 前記弱ゼンマイバネの他端が連結されると共に回転可能
    に配置され、乗員のウエビング装着時にウエビングが巻
    取軸から引き出された所定の時点でウエビング巻取方向
    への回転が停止される連結部材と、 前記強ゼンマイバネと同じ向きの渦巻状に構成されると
    共に一端が巻取軸に連結され他端が前記連結部材に連結
    されて前記弱ゼンマイバネに並列とされ、巻取軸と前記
    連結部材の相対回転に伴う前記弱ゼンマイバネの巻開き
    を全巻密着状態で制限する渦巻部材と、 を備えたテンシヨンリデユーサ。
JP1990048438U 1990-05-09 1990-05-09 テンションリデューサ Expired - Lifetime JPH085879Y2 (ja)

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