JPH0781051B2 - ブテン−1重合体組成物 - Google Patents

ブテン−1重合体組成物

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JPH0781051B2
JPH0781051B2 JP62063550A JP6355087A JPH0781051B2 JP H0781051 B2 JPH0781051 B2 JP H0781051B2 JP 62063550 A JP62063550 A JP 62063550A JP 6355087 A JP6355087 A JP 6355087A JP H0781051 B2 JPH0781051 B2 JP H0781051B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はブテン−1重合体組成物に関し、さらに詳し
く言うと、無機質充填材の均一分散性が高く、優れた成
形品外観を実現するとともに耐衝撃性などの機械的特性
にも優れ、各種射出成形品および押出成形品に好適に利
用することができるブテン−1重合体組成物に関する。
[従来の技術およびその問題点] ブテン−1重合体に無機質充填材を配合してなる組成物
としては、たとえばカーボンブラックを配合してなる導
電性樹脂組成物(特開昭48−32422号公報参照)、金属
酸化物粉末を配合してなる導電性樹脂組成物(特開昭50
−6551号、特開昭60−31550号公報参照)などが知られ
ており、また実用に供されている。
これらの従来の樹脂組成物を製造するにあたっては、通
常の場合、無機質充填材を高濃度で含有するマスターバ
ッチを調製し、これを残余の樹脂に混合する方法が用い
られている。
しかしながら、従来の樹脂組成物においては、使用する
ブテン−1重合体の分子量分布が狭いため、マスターバ
ッチにおける樹脂への分散が悪く、その結果、得られる
成形品の外観が良好とは言い難く、また、導電性繊維な
どの無機質充填材を配合する場合、その配合量に相当す
る導電性の向上を図ることができないという問題を有し
ている。
[発明の目的] この発明の目的は、前記問題を解消し、無機質充填材の
分散性が高く、成形品外観および機械的特性が優れたブ
テン−1重合体組成物を提供することである。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するために、この発明者が鋭意検討を重
ねた結果、特定のブテン−1重合体を用いた場合には、
無機質充填材の均一分散性を高めて成形品外観および機
械的特性に優れたブテン−1重合体組成物が得られるこ
とを見い出してこの発明に到達した。
すなわち、この発明の概要は、ブテン−1重合体100重
量部と、無機質充填材2〜400重量部とを配合してなる
組成物であって、ブテン−1重合体のメルトインデック
スが3〜60g/10分であり、かつ重量平均分子量/数平均
分子量が4〜15の範囲内のものであることを特徴とする
ブテン−1重合体組成物である。
ここでメルトインデックス(MI)はASTM D1238のE条
件で測定したものであり、重量平均分子量/数平均分子
量(Mw/Mn)は、GPC装置で測定した重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比である。
この発明において、前記ブテン−1重合体は、ブテン−
単独重合体またはブテン−1共重合体である。
ブテン−1共重合体は、モノマー単位としてブテン−1
以外のオレフィンを25モル%以下の割合で含有するのが
好ましい。
モノマー単位としての前記オレフィンの含有量が25モル
%を超えると、成形品の表面がべとつき易くなることが
ある。
モノマー単位としてブテン−1共重合体中に組み込まれ
る前記オレフィンとしては、たとえばエチレン、プロピ
レン、ペンテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1、デ
セン−1、ドデセン−1等の直鎖モノオレフィン;4−メ
チル−ペンテン−1等の分岐モノオレフィン;ブタジエ
ン等のジエン類などが挙げられる。
ブテン−1共重合体中のモノマー単位としてのこれらオ
レフィンは、一種単独であっても良いし、また二種以上
であっても良い。
本発明におけるブテン−1共重合体は、たとえば、触媒
として一般式 MgR1R2、 Mg(OR1mXn (ただし、式中、R1、R2はアルキル基、Xはハロゲン、
mは0≦m≦2、nは0≦n≦2を満足する。) で示されるマグネシウム化合物を原料とする特定の固体
触媒成分、有機アルミニウム化合物および特定の電子供
与性化合物を使用して、ブテン−1とブテン−1以外の
オレフィンとを気相にて反応させることにより容易に製
造することができる。
具体的には、特願昭61−144093号、特願昭61−196265
号、特願昭61−196266号、特願昭61−196722号明細書に
記載された製造技術等において、本発明の共重合体の前
記特性を目安として、製造条件を実験的に設定すること
により、製造することができる。
以下、本発明のブテン−1共重合体を製造する方法につ
いて、特願昭61−196265号明細書に記載された方法に沿
って説明するが、本発明のブテン−1共重合体がこの製
造方法により拘束を受けるものではない。
本発明におけるブテン−1共重合体は、特定の固体触媒
成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)および特定
と電子供与性化合物(C)から得られる触媒の存在下
に、気相重合条件下で、ブテン−1またはブテン−1と
ブテン−1以外のオレフィンとを反応させることにより
得ることができる 固体触媒成分(A)は、 式:MgR1R2 (式中、R1及びR2は、炭素数1〜20のアルキル基を表
し、同一であっても異なっていてもよい。) で示される有機マグネシウム化合物の少なくとも一種
を、少なくとも一種の塩素化剤で塩素化して担体を得、
この担体を、電子供与体の存在下に、かつ−25〜+180
℃の範囲内の温度下に、4価チタンのハロゲン化物と接
触させることにより調製することができる。
前記有機マグネシウム化合物としては、ジエチルマグネ
シウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマ
グネシウム、エチルオクチルマグネシウム、ジブチルマ
グネシウム、ブチルヘキシルマグネシウム、ブチルオク
チルマグネシウム、ジシクロヘキシルマグネシウムなど
のアルキルマグネシウムが挙げられる。
前記塩素化剤としては、塩素ガスおよび塩化アルキルを
挙げることができ、特に塩素ガスと塩化ブチルとを併用
するのが好ましい。
前記塩素化は、通常、0〜100℃、好ましくは20〜60
℃、特に好ましくは20〜40℃の温度下に行なう。
この塩素下によって、マグネシウム原子に結合している
アルキル基の一部が塩素原子で置換される。しかも、ア
ルキル基の少なくとも一部は残存しているので、この残
存するアルキル基の作用によって正常な結晶格子の生成
が妨げられ、適当な表面積及び孔容積を有する非常に小
さい結晶サイズの非層状物が生成する。
このようにして得られた非層状物は、要すればアルコー
ル処理を行った後、非層状物を電子供与体の存在下に4
価チタンのハロゲン化物で処理する。4価チタンのハロ
ゲン化物による処理は、通常の場合、−25〜+180℃の
範囲内の温度下に行なう。
前記4価チタンのハロゲン化物としては、テトラハロゲ
ン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジハロ
ゲン化アルコキシチタン、モノハロゲン化トリアルコキ
シチタンなどを挙げることができ、特に四塩化チタンを
用いるのが好ましい。
前記電子供与体としては、酸素、窒素、リンあるいは硫
黄を含有する有機化合物を使用することができ、この電
子供与体の具体例としては、たとえばアミン類、アミド
類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスホルア
ミド類、エステル類、エーテル類、チオエーテル類、チ
オエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、アルデヒド
類、有機酸類およびエステル類などが挙げられる。
これらの中でも、好ましいのは、エステル類、エーテル
類、ケトン類、酸無水物類であり、さらに具体的には、
安息香酸エチル、p−メトキシ安息香酸エチル、p−エ
トキシ安息香酸エチル、トルイル酸メチル、ジイソブチ
ルフタレート、ベンゾキノン、無水安息香酸、エチレン
グリコールブチルエーテルなどを好適に使用することが
できる。
このようにして調製した固体触媒成分(A)は、ハロゲ
ン/チタン(モル比)が、通常、3〜200、好ましくは
4〜100であり、マグネシウム/チタン(モル比)が、
通常、1〜90、好ましくは5〜70である。
前記有機アルミニウム化合物(B)としては、特に制限
はないが、特にトリアルキルアルミニウムが好適であ
る。
前記電子供与性化合物(C)は、次の一般式で表わされ
る複素環式化合物である。
(ただし、式中、R3およびR6は炭化水素基を、好ましく
は炭素数2〜5の置換または非置換の飽和または不飽和
の炭化水素を、また、R4、R5およびR7は水素または炭化
水素基を、好ましくは水素または炭素数1〜5の置換ま
たは非置換の飽和または不飽和の炭化水素基をそれぞれ
表わす。) 前記複素環式化合物としては、たとえば、1,4−シネオ
ール、1,8−シネオール、m−シネオール、ピノール、
ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン(クマラ
ン)、2H−クロメン、4H−クロメン、クロマン、イソク
ロマン、ジベンゾフラン、キサンテンなどが挙げられ
る。
これら各種の複素環式化合物は、一種単独で使用しても
良いし、また二種以上を併用しても良い。
前記各種の複素環式化合物の中でも、1,8−シネオール
が好ましい。
なお、このブテン−1重合体の製造における触媒の組成
として、前記有機アルミニウム化合物(B)の使用量
は、前記固体触媒成分(A)中の4価チタン化合物中の
チタン原子に対して、通常、0.1〜1000倍モル、好まし
くは1〜500倍モルである。
また、前記電子供与性化合物(C)の使用量は、前記固
体触媒成分(A)中の4価チタン化合物におけるチタン
原子に対して、通常、0.1〜500倍モル、好ましくは0.5
〜200倍モルである。
気相重合温度は、通常、45〜80℃、好ましくは50〜70℃
である。
重合圧力は、原料成分の液化が実質的に起こらない範囲
内で適宜に設定することができ、通常の場合は、1〜15
Kg/cm2程度である。
また、分子量を調節する目的で、水素のような分子量調
節剤を共存させても良い。さらにまた、共重合体の凝集
防止を目的として、ブテン−1より沸点の低い不活性ガ
ス(例、窒素、メタン、エタン、プロパン)を共存させ
ることもできる。
この発明においては、上記製造方法により、得られるブ
テン−1重合体のメルトインデックスを3〜60g/10分の
範囲内とするとともに、重量平均分子量/数平均分子量
(Mw/Mn)を4〜15の範囲内とする。
このような特性を有するブテン−1重合体を得るための
製造条件は、実験により容易に設定することができる。
この発明で重要なこととして、このブテン−1重合体の
メルトインデックス[ASTM D1238(E)]が、通常、
3〜60g/10分、好ましくは4〜40g/10分である。
前記メルトインデックスが3g/10分未満の場合には、無
機質充填材の均一分散性が低下して得られる組成物の成
形品外観が悪化する。一方、60g/10分を超える場合に
は、得られる組成物の機械的強度が低下する。
この発明において用いる重合体における分子量分布、す
なわちGPC装置で測定した重合体の重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常、4
〜15、好ましくは4〜10である。
前記重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が4未満
の場合には、成形時の剪断力が増加し、後述する金属繊
維等を配合すると、この金属繊維等が切断されて導電性
の向上が不十分になることがある。一方、15を超える場
合には、成形品の光沢が低下して得られる組成物の成形
品外観が悪化することがある。
この発明に用いるブテン−1重合体につき、示差走査熱
量分析装置を用いて示差熱分析を行なうと、最低融点お
よび最高融点を示す二種類の吸熱カーブが得られる。こ
のうち、最高融点は、通常、70〜130℃の範囲内にあ
る。
そして、この発明に用いるブテン−1重合体において
は、最高融点と最低融点の温度差(融点の最高値と最低
値との差)が、通常、40℃以下、特に0〜35℃の範囲内
にあることが望ましい。
前記温度差が40℃を超える場合には、成形品の表面がべ
たつき易くなる。
前記ブテン−1の示差熱分析に基づく融解熱量は、通
常、4〜25cal/gである。この融解熱量が4cal/g未満の
場合には、成形品の表面がべたつき易くなる。一方、25
cal/gを超える場合には、成形品の透明度が低下するこ
とがある。
前記無機質充填材としては、たとえば炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、クレー、カオリン、ベントナイト、タルク、
シリカ、マイカ、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート
粉、アスベスト、アルミナホワイト、硫酸バリウム、リ
トボン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファ
イト、ガラス繊維、ガラス球、発泡ガラス球、フライア
ッシュ、火山ガラス中空体、合成無機中空体、単結晶チ
タン酸カリ、カーボンブラック、カーボンファイバー、
炭素中空体、無煙炭粉末、人造水晶石、マグネシウムや
カルシウム等の硫酸塩、雲母ひる石、石墨、鉄、アルコ
ール、亜鉛等の金属または金属酸化物、フェライトなど
各種の天然産および人工の繊維状、もしくはフレーク状
のものを挙げることができる。
特に、この発明の組成物を導電性樹脂組成物とする場合
には、金属繊維を配合するのが好ましい。
前記金属繊維としては、長さが3〜10mm、好ましくは4
〜8mmであり、アスペクト比が200〜5000、好ましくは30
0〜1000のものが用いられる。前記長さが3mm未満の場合
には導電効果が十分でないことがある。一方、10mmを超
える場合には、混練が困難になって混練スクリュウーの
摩耗原因になることがある。前記アスペクト比が200未
満の場合には、配合量を増加させないと十分な導電性を
得ることができないことがある。一方、アスペクト比が
5000を超える場合には混練時に金属繊維が破断し易くな
り、また混練が困難になることがある。
前記金属繊維を構成する金属としては、たとえばステン
レス、黄銅、アルミニウム、銅、ニッケル、ケイ素銅、
スズ青銅、リン青銅、フェルニコ、パーマロイ等が挙げ
られる。
これらの中でも、ステンレス繊維が特に好ましい。
前記無機質充填材の配合割合は、前記ブテン−1重合体
100重量部に対して、通常、2〜400重量部、好ましくは
3〜300重量部である。この配合割合が2重量部未満の
場合には、たとえば導電性の向上などの充填効果が十分
に得られないことがある。一方、400重量部を超える場
合には、均一分散性が低下して成形品外観が悪化するこ
とがある。
この発明におけるブテン−1重合体組成物は、前記ブテ
ン−1重合体および無機質充填材の他に、さらに第3成
分として熱可塑性樹脂を含んでいても良い。
前記熱可塑性樹脂としては、たとえばポリエチレン、ポ
リプロピレン、結晶性および非晶性エチレン−プロピレ
ン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポ
リメチルペンテン−1などのポリオレフィンおよびこれ
らの混合物;ポリオレフィンの無水マレイン酸変性物;
無水マレイン酸−アクリル酸グリシジルメタアクリレー
トなどの共重合性ビニルポリマーあるいはビニルシラ
ン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランな
どの不飽和基を有する有機シラン化合物で変性したポリ
オレフィン;ナイロン;ポリエチレンテレフタレート;
ポリブチレンテレフタレート;塩化ビニル;ポリアセタ
ール;ポリカーボネート;ポリスチレン;ABS;ポリフェ
ニレンサルファィドなどが挙げられる。これらの中で
も、好ましいのはポリオレフィン、ポリオレフィンの無
水マレイン酸変性物;ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネートである。
これらの熱可塑性樹脂は、そのメルトインデックスが、
通常、0.5〜30g/10分のものを用いるのが好ましい。
前記熱可塑性樹脂を用いる場合、その配合割合は前記ブ
テン−1重合体100重量部に対して、通常、100重量部以
下である。この配合割合が100重量部を超える場合に
は、得られる成形品の外観が悪化して、この発明の目的
を阻害することがある。
この発明のブテン−1重合体組成物は、たとえば前記ブ
テン−1重合体の一部と前記無機質充填材とを用いて予
めマスターバッチを形成し、このマスターバッチを残余
のブテン−1重合体と混練する方法や、各成分の全量を
ヘンシェルミキサー等を用いてドライブレンドした後、
バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル、1軸また
は2軸押出機等を用いて混練する方法などにより得るこ
とができる。
この際、この発明の効果を阻害しない限り、必要に応じ
て帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、可塑剤、酸化
防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、染顔料等の公知
の添加剤を配合することもできる。
このようにして得られるこの発明のブテン−1重合体組
成物は、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等の成
形手段により所望形状に成形して各種成形品とすること
ができる。また、金属繊維を配合した場合には、少量の
配合量で導電性を高めることができ、電子機器、家電機
器等の軽量電磁波シールド材などに好適に利用すること
ができる。
[発明の効果] この発明によると、 (1) 従来のブテン−1重合体に比較して分子量分布
幅が広いブテン−1重合体を用いているので、金属繊維
などの無機質充填材の均一分散性を高めることができ、 (2) その結果、得られる成形品の外観が良好であ
り、 (3) しかも、機械的特性、特に耐衝撃性に優れる、 等の種々の効果を有するブテン−1重合体組成物を提供
することができる。
[実施例] 次に、この発明の実施例および比較例を示し、この発明
についてさらに詳しく説明する。
(実施例1) 固体触媒成分(A)の調製 ブチルオクチルマグネシウム(20%ヘプタン溶液)300g
を、機械式撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、ガス供給
弁および温度計を備えた5ツ口フラスコに仕込み、フラ
スコ内に窒素を導入して、フラスコ内を不活性雰囲気に
保ち、これに、ブチルクロライド5mlを滴下ロートを用
いて室温で加えた。その後、塩素ガスを120ml/分の速度
で加えて塩素化した。
次に、25〜35℃で、2.5のシリコンオイルを加え、さ
らにこの混合物中に113mlのエタノールを滴下した。エ
タノールの添加によって生成した塩素化物が沈殿した。
この沈殿物を含む混合液を40℃で1時間撹拌した後、温
度を75〜80℃に上げ、溶液をこの温度で一夜放置した。
この高温溶液をジイソブチルフタレート(電子供与体)
と過剰量のTiCl4とを含む−25℃に冷却した溶液中にサ
イフォンで静かに加え、この低温TiCl4中に反応中間体
を沈澱させた。次に、この沈殿物を含む混合溶液を室温
にまで昇温した。
次いで、この沈殿物を含む混合溶液に、電子供与体とし
てジイソブチルフタレートをさらに加え、温度を100〜1
10℃に上げ、混合溶液をこの温度で1時間保った。反応
生成物を沈降させ、85℃のヘプタンで5〜6回洗浄し
た。
さらに、この反応生成物を含む混合溶液に過剰量のTiCl
4を加え、混合物を110℃で1時間撹拌した。生成した沈
降物と溶液とをサイフォンで分離した後、生成した触媒
成分(沈殿物)を数回、ヘプタンで洗浄した(80℃で5
〜6回)。
得られた沈殿を集めて弱い減圧下に乾燥することにより
チタン含有量が3.0重量%である固体触媒成分(A)を
得た。
重合触媒の調製 前記で得られた固体触媒成分(A)を1中のチタン
濃度が2ミリモルになるように、触媒調製槽に投入し
た。この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム30
ミリモル/、および1,8−シネオール12ミリモル/
を投入した。その後、チタン原子1mmol当り50gとなる割
合でプロピレンを投入し、触媒調製槽内を40℃に昇温
し、触媒調製のための反応を行なった。
ブテン−1重合体の製造 直径300mm、容積100の流動層重合器を使用し、前記
で得た触媒をプロパンを溶媒としてTi原子換算で3.6ミ
リモル/に再調製したTi触媒スラリーを、触媒調製槽
から前記重合器に0.15/時間の流量で、またトリイソ
ブチルアルミニウム30ミリモル/時間の流量で、また1,
8−シネオール24ミリモル/時間の流量でそれぞれ前記
重合器に供給した。
ブテン−1の分圧を3Kg/cm2に、窒素の分圧を4Kg/cm
2に、水素の分圧をMIが第1表の値になるようにそれぞ
れ調整し、ガス空塔速度が34cm/秒の速度となるように
ブテン−1、水素ガスおよび窒素ガスを供給し、反応温
度60℃で重合を行なってブテン−1重合体を得た。
組成物の製造 前記で得られた重合体100重量部に対して、ステンレ
ス繊維6重量部をドライブレンドした後、180℃の温度
下に射出成形して試験片を作成し、得られた試験片につ
き、体積固有抵抗、外観およびアイゾット衝撃強さの評
価を行なった。
(実施例2〜10、比較例1および3〜6) 前記実施例1のにおいて、水素量およびオレフィンモ
ノマー量を変えるとともに各成分の配合割合を第1表に
示したように変えた以外は、前記実施例1と同様にして
ブテン−1重合体組成物を製造した。
結果を第1表に示す。
(実施例11) 前記実施例1のにおいて、トリイソブチルアルミニウ
ム30ミリモル/時間に代えて、トリイソブチルアルミニ
ウム27ミリモル/時間およびジエチルアルミニウムモノ
クロライド3ミリモル/時間としたこと以外は、前記実
施例1と同様にしてブテン−1重合体組成物を製造し
た。
結果を第1表に示す。
(比較例2) 固体触媒成分の調製 加熱乾燥した500ml容量のガラス製三ッ口フラスコ(温
度計、撹拌機付き)に、チタンテトラブトキシド75mlお
よび無水塩化マグネシウム10gを完全に溶解させた。
次いで、この溶液を40℃にまで冷却し、メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン15mlを加えることにより、塩化マ
グネシウム・チタンテトラブトキシド錯体を析出させ
た。これを精製ヘプタンで洗浄した後、四塩化ケイ素8.
7mlとフタル酸ジヘプチル1.8mlとを加えて50℃の温度下
に2時間保持した。
その後、さらに精製ヘプタンによる洗浄を行なって固体
触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有率は3.0重量%で
あり、また、フタル酸ジヘプチル含有率は25.0%であっ
た。
重合触媒の調製 前記実施例1のにおいて、固体触媒(A)に代えて上
記で得られた固体触媒を用いたほかは、前記実施例1
のと同様にして重合触媒を調製した。
ブテン−1重合体の調製 20の重合器へ1時間当り5kgのブテン−1、トリエチ
ルアルミニウム10ミリモル、ビニルトリエトキシシラン
1ミリモルおよび上記で得た固体触媒0.05ミリモル
(Ti原子換算)を連続的に導入した。
また気相部の水素分圧を3.0kg/cm2に保ち、生成する重
合体のMIが第1表に記載の値になるようにした。
なお、反応温度は70℃に保った。
次いで、反応容器の液量が10になるように重合液を連
続的に抜き取り、抜き取った反応生成物に少量のエタノ
ールを添加して重合反応を停止させると共に、未反応成
分を除去して、ブテン−1重合体を得た。
組成物の製造 前記で得られた重合体100重量部に対して、ステンレ
ス繊維6重量部をドライブレンドした後、180℃の温度
下に射出成形して試験片を作成し、得られた試験片につ
き、体積固有抵抗、外観およびアイゾット衝撃強さの評
価を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例12) 前記比較例2ので得られた固体触媒成分を用い、かつ
前記実施例1ののトリイソブチルアルミニウム30ミリ
モル/時間の代わりに、トリイソブチルアルミニウム25
ミリモル/時間およびジエチルアルミニウムモノクロラ
イド5ミリモル/時間としたこと以外は、前記実施例1
と同様にしてブテン−1重合体組成物を製造した。
結果を第1表に示す。
(比較例7) 前記実施例1のと同様の方法で、メルトインデックス
(MI)の0.01g/10分のブテン−1単独重合体とMI80g/10
分のブテン−1単独重合体とを製造した。
次いで、これらのブテン−1単独重合体を前者/後者=
40/60(重量比)の割合で用いたこと以外は、前記実施
例1と同様にしてブテン−1重合体組成物を得た。
結果を第1表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブテン−1重合体100重量部と、無機質充
    填材2〜400重量部とを配合してなる組成物であって、
    ブテン−1重合体のメルトインデックスが3〜60g/10分
    であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量が4〜15の
    範囲内のものであることを特徴とするブテン−1重合体
    組成物。
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