JPH0816134B2 - ブテン−1共重合体 - Google Patents

ブテン−1共重合体

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JPH0816134B2
JPH0816134B2 JP62180383A JP18038387A JPH0816134B2 JP H0816134 B2 JPH0816134 B2 JP H0816134B2 JP 62180383 A JP62180383 A JP 62180383A JP 18038387 A JP18038387 A JP 18038387A JP H0816134 B2 JPH0816134 B2 JP H0816134B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ブテン−1共重合体に関する。さらに詳し
くは、本発明は、引張り強度、耐衝撃性等の機械的特
性、加工性等に優れると共に、成形後の収縮率変化が小
さく、かつ低温においても高い衝撃強度を有するなど低
温衝撃特性に優れ、たとえば、フィルム、電線被覆材、
パイプ等の種々の材料分野に好適に用いることができる
ブテン−1共重合体に関する。
[従来の技術およびその問題点] 従来、ブテン−1二元共重合体として、ブテン−1−
プロピレン共重合体(特開昭60−38414号公報)および
ブテン−1−エチレン共重合体(特開昭61−108615号公
報)が知られている。ところで一般に、ブテン−1共重
合体はI型結晶およびII型結晶と呼ばれる異なった結晶
状態を示すことが知られている。
しかしながら、特開昭60−38414号公報に開示されて
いる共重合体は、II型結晶状態からI型結晶状態への結
晶転移が速く、成形後の収縮率変化は小さいものの、低
温における衝撃強度は、ホモ重合体より劣るので、工業
材料として適さないという欠点を有している。
一方、特開昭61−108615号公報に開示されている共重
合体は、低温衝撃強度は改良されているものの、II型結
晶状態から徐々にI型結晶状態への転移が生じ、成形品
の収縮が生じる等の製品として不都合な面を持ってい
た。
さらに、特開昭56−20006号公報には、ブテン−1−
プロピレン−エチレン三元共重合体が開示されている。
しかしながら、この三元共重合体は、目塗用の非晶質ポ
リマーであって、そのエーテル溶解分は86%程度のもの
である。
[発明の目的] 本発明は、引張強度、衝撃強度等の機械的特性、加工
特性等に優れると共に、特に、低温においても高い衝撃
強度を有するなど低温衝撃特性に優れ、さらに成形後の
収縮率変化が小さいなどの優れた特性を有するブテン−
1共重合体を提供することを目的とする。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためのこの発明の構成は、ブテン
−1単位70〜97.5モル%、エチレン単位2〜20モル%お
よびプロピレン単位0.5〜15モル%からなるブテン−1
共重合体であって、135℃に加熱したデカリン溶液中で
測定した前記ブテン−1共重合体の極限粘度が0.9〜7.2
dl/gの範囲内にあり、密度が0.850〜0.920g/cm3の範囲
内にあり、重量平均分子量/数平均分子量が2〜15の範
囲内にあり、示差走査熱量計で測定した最高融点が50〜
120℃の範囲内にあり、前記ブテン−1共重合体中にお
ける沸騰ジエチルエーテル可溶分量が3〜50重量%の範
囲内にあり、X線回折法により測定した結晶化度が5〜
60%の範囲内にあり、そしてNMRにより測定したエチレ
ン単位とプロピレン単位との隣接結合の数が1000カーボ
ン当り1以下であることを特徴とするブテン−1共重合
体である。
本発明のブテン−1共重合体は、三種のオレフィン繰
返し単位、すなわち、ブテン−1単位(a)とエチレン
単位(b)とプロピレン単位(c)とを含む。
本発明のブテン−1共重合体は、前記オレフィン単位
(a)、(b)および(c)の合計モル量を100モル%
としたときに、(a)を70〜97.5モル%、好ましくは73
〜96.8モル%、(b)を2〜20モル%、好ましくは2.5
〜15モル%、そして(c)を、0.5〜15モル%、好まし
くは0.7〜12モル%含んでいる。
ブテン−1共重合体中のプロピレン単位(c)の含有
率が、0.5モル%未満であると、II型結晶からI型結晶
への転移が速やかに進まないため、成形品がしばしば変
形し、一方、15モル%を超えると、低温衝撃特性の改良
効果が相殺されてしまう。
ブテン−1共重合体中のエチレン単位(b)の含有率
が2モル%未満であると、低温衝撃特性が不十分とな
り、一方、20モル%を越えると、成形品の表面のべとつ
き感が生じ、成形品の表面が汚れ易くなるなどして、商
品価値が低下する。
本発明のブテン−1共重合体の135℃のデカリン溶液
中で測定した極限粘度[η]は、0.9〜7.2dl/g、好まし
くは1.0〜5.0dl/gの範囲内にある。この極限粘度[η]
は、主にブテン−1共重合体の成形性および機械的強度
に影響を与える。
極限粘度[η]が、0.9dl/gより低いと、ブテン−1
共重合体を用いて製造した成形物の機械的強度、特に耐
衝撃性が低下する。また、7.2dl/gより高いと、成形性
が低下する。
本発明のブテン−1共重合体の密度は、0.850〜0.920
g/cm3、好ましくは0.86〜0.91g/cm3の範囲内にある。
この密度が0.850g/cm3未満であると、結晶性の低下が
激しくなり、機械的特性に劣るものとなり、一方、0.92
0g/cm3より大きいと、低温特性、結晶転移の改善効果が
小さくなる。
本発明のブテン−1共重合体における分子量分布、す
なわち共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)は、2〜15の範囲内にある。こ
の分子量分布は、得られる成形体に透明性を付与すると
共に、成形性および機械的強度に対しても影響を及ぼ
す。従来の製造法で得られたブテン−1共重合体は、こ
の分子量分布の幅が狭くなる傾向があり、充分な成形性
を有する成形体を製造しにくく、さらにフィルム状に成
形した場合に、フィルムの透明度が不充分になることが
多かった。
すなわち、分子量分布(Mw/Mn)が2に満たないブテ
ン−1共重合体は、成形時の流動性が低下して成形性が
充分でなく、また、成形品の外観不良が生じることがあ
り、さらに、フィルム状に成形した場合の透明度が不充
分になる。一方、分子量分布(Mw/Mn)が15を超えると
耐衝撃性などの機械的強度が低下する。
特に本発明においては、分子量分布(Mw/Mn)が3〜1
2の範囲内にあるのが好ましい。この範囲内にある共重
合体は、良好な成形性および透明性を有していることは
もとより、特に機械特性が良好である。
本発明のブテン−1共重合体は、示差走査熱量計を用
いて測定した最高融点が50〜120℃の範囲内に、好まし
くは60〜110℃の範囲内である。なお、本発明における
最高融点とは、示差走査熱量計を用いて、乾燥処理した
ブテン−1共重合体を10℃/分の昇温速度で0〜200℃
まで昇温して吸熱ピークを測定した際に最も高温側に表
れるピークに対応する温度である。
この最高融点が50℃より低いと、耐熱性が低下し、ブ
テン−1共重合体のべたつきが常温で発生することがあ
るので、成形体原料として使用することができなくなる
ことがある。
本発明のブテン−1共重合体中における沸騰ジエチル
エーテル可溶分量は、3〜50重量%の範囲内にあること
が必要であり、好ましくは5〜40重量%の範囲内にあ
る。一般に、沸騰ジエチルエーテルに対する溶解性は、
ブテン−1共重合体の重合度が高くなるほど低下する傾
向にあり、また、結晶性が増すと低下する傾向にある。
本発明のブテン−1共重合体は、沸騰ジエチルエーテル
可溶分量を上記範囲にすることにより、ブテン−1共重
合体中における重合度の低い成分および結晶性を制限す
るとの意味を有する。
したがって、沸騰ジエチルエーテル可溶分量は、3重
量%より少ないと、フィルム状成形体の透明度が低下
し、また25重量%より多いと低重合度成分の含有率が高
くなるので、成形品表面でのべたつき感が発生する。
本発明のブテン−1共重合体は、X線回折法により測
定した結晶化度が5〜60%、好ましくは10〜50%の範囲
内にある。この結晶化度が、5%未満であると、成形品
にべとつき感が生じ、一方、60%を超えると、脆化し易
くなり、低温での衝撃強度が低くなる。
なお、上記結晶化度は、ブテン−1共重合体をプレス
成形後、48時間後の厚さ1mmのプレスシートについて測
定した値である。
本発明のブテン−1共重合体は、400MHzのNMR(13C−
NMR)により測定した重合体中におけるエチレン単位と
プロピレン単位との隣接結合の数が1000カーボン当り1
以下、好ましくは0.7以下である。この隣接結合の数が1
000カーボン当り1を超えると、結晶性が低下するた
め、引張破断強度が著しく低下し、工業用材料として適
さない。
本発明のブテン−1共重合体は、たとえば、触媒とし
て一般式 MgR1R2, Mg(OR1)mXn (ただし、式中、R1、R2はアルキル基、mは0≦m≦
2、nは0≦n≦2を満足する。) で示されるマグネシウムを含む特定の固体触媒成分、有
機アルミニウム化合物および特定の電子供与性化合物を
使用して、エチレンとプロピレンとブテン−1とを気相
にて反応させることにより容易に製造することができ
る。
具体的には、特願昭61−144093号、特願昭61−96265
号、特願昭61−196266号、特願昭61−1967222号明細書
に記載された製造技術において、本発明の共重合体の前
記特性を目安として、製造条件を実験的に設定すること
により、製造することができる。
以下、本発明のブテン−1共重合体を製造する方法に
ついて、特願昭61−196266号明細書に記載された方法に
沿って説明するが、本発明のブテン−1共重合体がこの
製造法により拘束をされるものではない。
本発明の共重合体は、以下に記載する固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与
性化合物(C)からなる触媒の存在下に、気相重合条件
下で、ブテン−1とプロピレンとエチレンとを反応させ
ることにより、容易に製造することができる。固体触媒
成分(A)は、 式:MgR1R2 (式中、R1及びR2は、同一または異なって、炭素数1〜
20のアルキル基を表す。)で示される有機マグネシウム
化合物の少なくとも一種を、少なくとも一種の塩素化剤
で塩素化して担体を得、この担体を、電子供与体の存在
下に、−25〜+180℃の範囲内の温度において、四価チ
タンのハロゲン化物と接触させることにより調製され
る。
有機マグネシウム化合物としては、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグ
ネシウム、エチルオクチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、ブチルヘキシルマグネシウム、ブチルオクチ
ルマグネシウムおよびジシクロヘキシルマグネシウムな
どのアルキルマグネシウム化合物などを挙げることがで
きる。
塩素化剤としては、塩素ガスおよび塩化アルキルを挙
げることができ、本発明においては、塩素ガスと塩化ブ
チルとを併用するのが好ましい。
塩素化は、通常は、0〜100℃(好ましくは20〜60
℃、特に好ましくは20〜40℃)で行う。
この塩素化によって、マグネシウム原子に結合してい
るアルキル基の一部が塩素原子で置換される。しかも、
アルキル基の少なくとも一部は残存しているので、この
残存するアルキル基の作用によって正常な結晶格子の生
成が妨げられ、適当な表面積および孔容積を有する非常
に小さい結晶径の非層状物が生成する。
このようにして得られた非層状物は、要すればアルコ
ール処理を行った後、非層状物を電子供与体の存在下に
四価チタンのハロゲン化物で処理する。四価チタンのハ
ロゲン化物による処理は、通常は、−25〜+180℃の範
囲内の温度で行なう。
前記四価チタンのハロゲン化物としては、テトラハロ
ゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジハ
ロゲン化アルコキシチタン、モノハロゲン化トリルアル
コキシチタンなどを挙げることができ、特に四塩化チタ
ンを用いるのが好ましい。
電子供与体としては、酸素、窒素、リンあるいは硫黄
を含有する有機化合物を使用することができる。
この電子供与体の具体例としては、アミン類、アミド
類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスホルア
ミド類、エステル類、エーテル類、チオエーテル類、チ
オエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、酸アミド
類、アルデヒド類、有機酸類およびエステル類を挙げる
ことができる。
このうち好ましいのは、エステル類、エーテル類、ケ
トン類、酸無水物類などであり、具体的な化合物の例と
しては、安息香酸エチル、p−メトキシ安息香酸エチ
ル、p−エトキシ安息香酸エチル、トルイル酸メチル、
ジイソブチルフタレート、ベンゾキノン、無水安息香酸
およびエチレングリコールブチルエーテルなどを挙げる
ことができる。
このようにして調製した固体触媒成分(A)は、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が3〜200(好ましくは4〜10
0)であり、マグネシウム/チタン(モル比)が1〜90
(好ましくは5〜70)であるのが望ましい。
前記有機アルミニウム化合物(B)としては、特に制
限はないが、特にトリアルキルアルミニウムが好適であ
る。
電子供与性化合物(C)としては、次式(2)で表わ
される複素環式化合物を用いることができる。
ただし、式中、R3およびR6は炭化水素基を、好ましく
は炭素数2〜5の置換または非置換の飽和または不飽和
の炭化水素を、また、R4、R5およびR7は水素または炭化
水素基を、好ましくは水素または炭素数1〜5の置換ま
たは非置換の飽和または不飽和の炭化水素基をそれぞれ
表わす。
この複素環式化合物として、たとえば、1,4−シネオ
ール、1,8−シネオール、m−シネオール、ピノール、
ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン(クマラ
ン)、2H−クロメン、4H−クロメン、クロマン、イソク
ロマン、ジベンゾフラン、キサンテンなどが挙げられ
る。これら各種の複素環式化合物は、一種単独で使用し
ても良いし、また二種以上を併用しても良い。
前記各種の複素環式化合物の中でも、特に1,8−シネ
オールが好ましい。
本発明のブテン−1共重合体を製造する際の触媒の組
成は、有機アルミニウム化合物(B)が、固体触媒成分
(A)中の四価チタン化合物中のチタン原子に対して、
通常は、0.1〜1000倍モル(好ましくは1〜500倍モル)
の範囲内になるようにする。また、電子供与性化合物
(C)は、固体触媒成分(A)中の四価チタン化合物に
おけるチタン原子に対して、通常は、0.1〜500倍モル
(好ましくは0.5〜200倍モル)の範囲内で使用する。
気相重合温度は、通常は45〜80℃(好ましくは50〜70
℃)である。
重合圧力は、原料成分の液化が実質的に起こらない範
囲内で適宜に設定することができ、通常の場合は、1〜
15Kg/cm2である。
また、エチレンとプロピレンとブテン−1との導入割
合(モル%)は、得ようとする共重合体におけるそれぞ
れのオレフィン単位の前記%モル分率の範囲内で適宜に
設定することができる。
また、分子量を調節する目的で、水素のような分子量
調節剤を共存させても良い。さらにまた、共重合体の凝
集防止を目的として、ブテン−1より沸点の低い不活性
ガス(例、窒素、メタン、エタン、プロパン)を共存さ
せることもできる。
こうして得られた本発明のブテン−1共重合体は、フ
ィルム、電線被覆材あるいは各種パイプなどに好適な材
料として好適に使用することができる。
[発明の効果] 本発明は、適度の硬度、高い弾性率を有し、II型結晶
からI型結晶への結晶転移が早いので、成形後の収縮率
変化が小さく、かつ、低温においても高い衝撃強度を維
持するなどの低温衝撃特性に優れたブテン−1共重合体
を提供することができる。
さらに、本発明のブテン−1共重合体は、従来のブテ
ン−1共重合体と比較する分子量分布幅が広いために良
好な加工特性を有している。すなわち、成形の際の成形
圧力が良好な範囲内にあり、さらに得られた成形体の外
観が非常に良好であると共に、特にフィルム状の成形体
にした場合に、フィルムの透明度が良好である。
また、フィルム状成形体を用いてヒートシールを行な
う際の温度が良好な範囲内にあり、しかもヒートシール
性も良好である。
本発明のブテン−1共重合体は、良好な機械的特性を
有しており、特に、弾性率が高く、引張り破断強度が高
く、耐衝撃性に優れている。
[実施例] 次に本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1) 固体触媒成分(A)の調製 ブチルオクチルマグネシウム(20%ヘプタン溶液)30
0mlを、機械式攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、ガス
供給弁および温度計を備えた五ツ口フラスコに仕込み、
フラスコ内に窒素を導入して、フラスコ内を不活性雰囲
気に保ち、これに、ブチルクロライド5lを滴下ロートを
用いて室温で加えた。、その後、塩素ガスを5ml/分の速
度で加えて塩素化した。
次に、25〜35℃で、2.5lのシリコンオイルを加え、さ
らにこの混合物中に113lのエタノールを滴下した。エタ
ノールの添加によって生成した塩素化物が沈殿した。こ
の沈殿物を含む混合液を40℃で1時間攪拌した後、温度
を75〜80℃に上げ、溶液をこの温度で一夜放置した。
この高温溶液をジイソブチルフタレート(電子供与
体)と過剰量のTiCl4とを含んで−25℃に冷却した溶液
中にサイフォンで静かに加え、この低温TiCl4中に反応
中間体を沈殿させた。次に、この沈殿物を含む混合溶液
を室温にまで昇温した。
次いで、この沈殿物を含む混合溶液に、電子供与体と
してジイソブチルフタレートをさらに加え、温度を100
〜110℃に上げ、混合溶液をこの温度で1時間保った。
反応生成物を沈降させ、85℃のヘプタンで5〜6回洗浄
し、溶液をサイフォンで他の容器に移した。
さらに、この溶液に過剰量のTiCl4を加え、混合物を1
10℃で1時間攪拌した。生成した沈降物と溶液とをサイ
フォンで分離した後、生成した触媒成分(沈殿物)を数
回ヘプタンで洗浄した(80℃で5〜6回)。
得られた沈殿を集めて弱い減圧下で乾燥した。このよ
うにして、Ti含有量が3.0重量%である固体触媒成分
(A)を得た。
触媒の調製 前記で得られた固体触媒成分(A)を1中のチタ
ン濃度が2ミリモルになるように、触媒調製槽に投入し
た。この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム30
ミリモル/l、および1,8−シネオール12ミリモル/lを投
入した。その後、チタン原子1ミリモル当り50gとなる
割合でプロピレンを投入し、触媒調製槽内を40℃に昇温
し、触媒調製のための反応を行なった。
ブテン−1共重合体の製造 直径300mm、容積100lの流動層重合器を使用し、前記
で得た触媒をTi原子換算で3.6ミリモル/lに再調製し
たTi触媒スラリーを、触媒調製槽から前記重合器に0.15
l/時間の流量で、またトリイソブチルアルミニウム30ミ
リモル/時間の流量で、また1,8−シネオール24ミリモ
ル/時間の流量でそれぞれ前記重合器に供給した。
ブテン−1の分圧を3Kg/cm2に、窒素の分圧を4Kg/c
m2、水素ガスの分圧を生成ポリマーの極限粘度が第1表
の値になるようにそれぞれ調整し、ガス空塔速度が35cm
/秒の速度となるようにブテン−1、エチレン、プロピ
レン、窒素ガスおよび水素ガスを供給し、反応温度60℃
で重合を行なった。
(実施例2〜4ならびに比較例1〜3) 実施例1において、ブテン−1、プロピレンおよびエ
チレンの導入速度を変えた以外は同様にしてブテン−1
共重合体を製造した。
(実施例5) 固体触媒の成分の調製 加熱乾燥した500ml容量のガラス製三つ口フラスコ
(温度計、攪拌機付き)に、75mlの乾燥ヘプタン、75ml
のチタンテトラブトキシドおよび10gの無水塩化マグネ
シウムを完全に溶解させた。次いで、この溶液を40℃に
まで冷却し、メチルハイドロジェンポリシロキサン15ml
を加えることにより、塩化マグネシウム・チタンテトラ
ブトキシド錯体を析出させた。これを精製ヘプタンで洗
浄した後、四塩化ケイ素8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8
mlとを加えて50℃で2時間保持した。この後、さらに精
製ヘプタンで洗浄して固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有率は、3.0重量
%でありフタル酸ジヘプチル含有率は25.0重量%であっ
た。
ブテン−1共重合体の調製 20lの重合器へ1時間当り5kgのブテン−1、プロピレ
ンおよび第1表に示すエチレン単位量となる量のエチレ
ン、10ミリモルのトリエチルアルミニウム、1ミリモル
のビニルトリエトキシシランおよびチタン原子に換算し
て0.05ミリモルの上記で得た固体触媒を連続的に導入
して、気相のブテン−1、エチレン、プロピレンおよび
水素の分圧を調整して生成する共重合体の組成比および
極限粘度が第1表に記載の値になるようにした。なお、
反応温度を70℃に保った。
反応容器の液量が10lになるように重合液を連続的に
抜き取り、抜き取った反応生成物に少量のエタノールを
添加して重合反応を停止させると共に、未反応成分を除
去して、ブテン−1共重合体を得た。
(比較例4〜5) 実施例5において、ブテン−1、エチレンおよびプロ
ピレンの分圧を変えた以外は同様にしてブテン−1共重
合体を製造した。
測定方法 得られたブテン−1共重合体の物性および特性は以下
のようにして測定した。
極限粘度[η] 135℃のデカリン中で測定した。
密度 JIS−K−7112、空間勾配配管法に準拠して測定し
た。
分子量分布(Mw/Mn) ウォーターズ社製GPC装置150CにショーデックスAD80
7、AD80M/Sをそれぞれ二本装着して測定した。なお、測
定温度は135℃である。
示差走査熱分析 得られたブテン−1共重合体を乾燥して試料として用
いた。
この試料を10℃/分の昇温速度で0〜200℃まで昇温
して吸熱ピークを測定した。
沸騰ジエチルエーテル可溶分量 得られたブテン−1共重合体を乾燥後、厚さ1mmのプ
レスシートに成形し、1mm角に栽断した試料を用いて、
ジエチルエーテルで6時間ソックスレー抽出を行ない可
溶分量を求めた。
結晶化度 各サンプルをプレス成形後、48時間後の厚さ1mmのプ
レスシートをX線回折法により測定して求めた。
共重合体中のエチレン単位とプロピレン単位の隣接結合
の数(1000カーボン当り) 400MeHzの13C−NMR測定装置を用いて測定した。第1
表中の数値(n/1000c)は、1000カーボン当りの、エチ
レン単位とプロピレン単位との結合構造の数を表わす。
II型結晶からI型結晶への転移時間 X線回折装置を用い、I型結晶の110面から反射、II
型結晶の200面の反射のそれぞれの積分強度(I(11
0)、II(200))を測定し、I(110)/[I(110)+
II(200)]の値が、0.5となるまでに要する時間(hr)
を採用した。
収縮率変化 各サンプルを射出成形した後、1時間後の成形収縮率
(a1)と11日後の成形収縮率(a2)を測定し、a2/a1
収縮率変化とした。なお、成形品のMD方向のデータを採
用した。
表面のべとつき 各サンプルを射出成形後、10日後に試験片の表面を手
で触わり、指紋のあとが残るかどうかを目視した。
引張破断強度 JIS−K7113に準拠して測定した。
アイゾット衝撃強度 JIS−K−7110に準拠して測定した。
得られた測定結果を第1表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 210:06)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブテン−1単位70〜97.5モル%、エチレン
    単位2〜20モル%およびプロピレン単位0.5〜15モル%
    からなるブテン−1共重合体であって、135℃に加熱し
    たデカリン溶液中で測定した前記ブテン−1共重合体の
    極限粘度が0.9〜7.2dl/gの範囲内にあり、密度が0.850
    〜0.920g/cm3の範囲内にあり、重量平均分子量/数平均
    分子量が2〜15の範囲内にあり、示差走査熱量計で測定
    した最高融点が50〜120℃の範囲内にあり、前記ブテン
    −1共重合体中における沸騰ジエチルエーテル可溶分量
    が3〜50重量%の範囲内にあり、X線回折法により測定
    した結晶化度が5〜60%の範囲内にあり、そしてNMRに
    より測定したエチレン単位とプロピレン単位との隣接結
    合の数が1000カーボン当り1以下であることを特徴とす
    るブテン−1共重合体。
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