JPH0816132B2 - ブテン−1共重合体 - Google Patents

ブテン−1共重合体

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JPH0816132B2
JPH0816132B2 JP62066649A JP6664987A JPH0816132B2 JP H0816132 B2 JPH0816132 B2 JP H0816132B2 JP 62066649 A JP62066649 A JP 62066649A JP 6664987 A JP6664987 A JP 6664987A JP H0816132 B2 JPH0816132 B2 JP H0816132B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/04Monomers containing three or four carbon atoms
    • C08F210/08Butenes

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はブテン‐1共重合体に関する。さらに詳しく
は、本発明は、加工特性および機械的特性が特に優れた
プロピレン単位を含むブテン‐1共重合体に関する。
[発明の背景] 近年、軟質もしくは半硬質樹脂としてブテン‐1共重
合体が注目されている。従来、このブテン‐1共重合体
は、触媒として三塩化チタンを用いて溶液重合やスラリ
ー重合を行なう方法で製造されることが多かったが、こ
の方法で製造したブテン‐1共重合体は、ランダム性が
低く、たとえば、これを用いて製造した成形フィルム
は、透明度が低くなるなどの問題があった。
また、触媒として塩化マグネシウム担持型触媒を用
い、溶液重合法によりブテン‐1共重合体を製造する方
法も既に知られている(特開昭61-108615号公報参
照)。
しかしながら、この方法で得られる共重合体は、分子
量分布幅が狭いなどの特性を有している。ブテン‐1共
重合体の分子量分布幅は、共重合体の成形性などの加工
性に影響を与えることが知られており、上述の方法で得
られたブテン‐1共重合体は、分子量分布幅が狭いため
に、押し出し成形加工などの際の加工特性が充分でない
という問題があった。
他方、従来から用いられていた三塩化チタン系触媒
(特開昭60-192716号公報参照)を用いて気相重合を行
なう方法も既に知られているが、得られるブテン‐1共
重合体のランダム性が低く、したがって、上述のよう
に、これを用いて成形したフィルムの透明度が低くなる
などの問題があった。
[発明の目的] 本発明は、加工特性と機械的特性とが共に良好なブテ
ン‐1共重合体を提供することを目的とする。さらに詳
しくは、本発明は、成形性、透明性および成形体の外観
などの加工特性が優れていると共に、耐衝撃性などの機
械的特性が優れたブテン‐1共重合体を提供することを
目的とする。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するための本発明の構成は、プロピレ
ン単位とブテン‐1単位とを1:99〜35:65の範囲内のモ
ル比で含むブテン‐1共重合体であって、該共重合体の
極限粘度が、0.9〜7.2dl/gの範囲内にあり、重量平均分
子量/数平均分子量が4〜15の範囲内にあり、示差走査
熱量分析で測定した該共重合体の融点の最高値と最低値
との温度差が2〜40℃範囲内にあり、核磁気共鳴スペク
トル分析により測定した該共重合体のプロピレンブロッ
ク性が0.01以下であり、そして、該共重合体中における
沸騰ジエチルエーテル可溶成分の含有率が1〜45重量%
の範囲内にあることを特徴とするブテン‐1共重合体で
ある。
本発明のブテン‐1共重合体は、プロピレン単位とブ
テン‐1単位とを含む。プロピレン単位を含有すること
により主に、共重合体の結晶性が改善される。本発明の
共重合体は、このプロピレン単位とブテン‐1単位と
を、1:99〜35:65の範囲内のモル比で含んでいる。共重
合体中におけるプロピレン単位の含有モル比が上記範囲
より低いと、共重合体の結晶化度が低下しないので、成
形フィルムの透明度が低くなる。また、プロピレン単位
のモル比が上記範囲より高いと、共重合体が不均質にな
ったり、べとつき易くなる。
特に本発明においては、上記モル比を1:99〜30:70の
範囲内に設定するのが好ましい。この範囲内とすること
により、さらに均質で、かつ透明度の高い成形フィルム
を製造可能な共重合体にすることができる。
本発明のブテン‐1共重合体の135℃のデカリン溶液
中で測定した極限粘度[η]は、0.9〜7.2dl/gの範囲内
にある。この極限粘度[η]は、主に共重合体の成形性
および機械的強度に影響を与える。
極限粘度[η]が、0.9dl/gより低いと、共重合体を
用いて製造した形成物の機械的強度、特に耐衝撃性が低
下する。また、7.2dl/gより高いと、成形性が低下す
る。特に本発明においては、極限粘度[η]を、1.0〜
4.0dl/gの範囲内にすることにより、成形体の機械的強
度および共重合体の成形性が非常に良好になる。
本発明の共重合体における分子量分布、すなわち共重
合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)は、4〜15の範囲内にある。この分子量分
布は、得られる成形体に透明性を付与すると共に、成形
体の成形性および機械的強度に対しても影響を及ぼす。
従来の製造法で得られたブテン‐1共重合体は、この分
子量分布の幅が狭くなる傾向があり、充分な成形性を有
する成形体を製造しにくく、さらにフィルム状に成形し
た場合に、フィルムの透明度が不充分になることが多か
った。
すなわち、分子量分布が4に満たない共重合体は、成
形性が充分でなく、さらに、フィルム状に成形した場合
の透明度が不充分になる。また、分子量分布が15より広
いと耐衝撃性などの機械的強度が低下する。
特に本発明においては、分子量分布が4〜10の範囲内
にあるのが好ましい。この範囲内にある共重合体は、良
好な成形性および透明性を有していると共に、特に機械
特性が良好である。
本発明のブテン‐1共重合体を示差走査熱量分析装置
を用いて分析を行なうと、最低融点および最高融点を示
す二種類の吸熱曲線が得られる。このうち、最高融点
は、通常、70〜115℃の範囲内にある。なお、本発明に
おいて、乾燥処理した本発明の共重合体を10℃/分の昇
温速度で0〜200℃まで昇温して吸熱ピークを測定した
際に最も高温側に表れるピークが最高融点であり、最も
低温側のピークまたはショルダーが最低融点である。
そして、本発明の共重合体においては、この示差走査
熱量分析装置を用いて測定した最高融点と最低融点(融
点の最高値と最低値との温度差)との差が2〜40℃の範
囲内にある。この温度差は、加工特性およびフィルム状
成形体を重ねて加熱圧差する際の温度(ヒートシール温
度)に特に影響を与える。
すなわち、上記の温度差が2℃より小さい(温度差が
ない場合を含む。)ヒートシール温度が高くなり、フィ
ルムに成形した場合のヒートシール性が悪くなり、他
方、温度差が40℃より大きいと、共重合体が粘稠性を帯
びるようになり、成形性能が低下する。なお、最高融点
が80℃より低いと、常温で共重合体にべたつきが発生す
ることがあり、通常は成形体原料として使用することが
できない。また、最高融点が120℃より高い場合には、
ヒートシール温度が高くなるので、良好なヒートシール
を行なうことができにくくなる。
また、上記の示差走査熱分析により測定した本発明の
共重合体の融解熱量(示差走査熱分析により表れるピー
クまたはショルダーのベースラインを結ぶ直線により決
定する。)は、2〜25cal/gの範囲内にあるのが好まし
い。融解熱量が2cal/gより低いと共重合体がべとつき易
くなることがあり、他方25cal/gより高いとフィルム状
成形体の透明度が低下することがある。
特に融解熱量が、4〜15cal/gの範囲内にあるブテン
‐1共重合体は、共重合体にべとつきが発生することが
なく、かつ成形体の透明度が良好な共重合体とすること
ができる。
本発明のブテン‐1共重合体の13C−NMRを測定し
て、その測定結果をマクロモレキュールズ(Macromolec
ules),15,353,(1982)に記載の方法を利用して各ト
ライアッドの同定を行なうことにより、次式によりブテ
ン‐1共重合体の主鎖におけるプロピレンのブロック性
(X)を測定することができる。
X=I/P ここで、Iは、共重合体中におけるプロピレン連鎖の
ブロック重合割合であり、通常は次式で表わされる。
また、Pは、共重合体におけるプロピレン含有率であ
り、通常は、次式で表わされる ただし、上記式において、IPPは、IPPPP+IPPPB+I
BPPBのプロピレン連鎖のシークエンスのピーク強度を示
し、IPBは、IBPBP+IBPBB+IPPBB+IPPBPのプロピレン
−ブテン−1連鎖のシークエンスのピーク強度を示し、
そして、IBBは、IBBBB+IPBBB+IPBBPのブテン−1連鎖
のシークエンスのピーク強度を示す。
なお、同定は、J.Polym.Sci.Phys.Fd.21,573(1983)
の文献を利用して13C−NMRの測定で得られた48〜39ppm
の領域に出現するメチレンピークの強度を測定して行な
った。
本発明のブテン‐1共重合体におけるプロピレンのブ
ロック性(x)は、0.01以下である。プロピレンのブロ
ック性(x)が0.01より高いと、結晶性が高くなり、た
とえばフィルム状の成形体の透明度が低下する。特に本
発明においては、プロピレンブロック性(x)が0〜0.
0085の範囲内にある共重合体は、特に良好な透明性を有
する。
本発明のブテン‐1共重合体中における沸騰ジエチル
エーテル可溶分量は、2〜25重量%の範囲内にある。一
般に、沸騰ジエチルエーテルに対する溶解性は、共重合
体の重合度が高くなるほど低下する傾向にあり、また、
結晶性が増すと低下する傾向にある。本発明の共重合体
は、沸騰ジエチルエーテル可溶分量を上記範囲にするこ
とにより、共重合体中における重合度の低い成分および
結晶性を制限するとの意味を有する。
したがって、沸騰ジエチルエーテル可溶分量は、2重
量%より少ないと、フィルム状成形体の透明度が低下
し、また25重量%より多いと低重合度成分の含有率が高
くなるのでべたつきが発生する。特に沸騰ジエチルエー
テル可溶分量が、4〜15重量%の範囲内にすることによ
り、成形体の透明度が増すと共に、共重合体がべたつき
などが発生することがなく、好ましい。
本発明のブテン‐1共重合体は、たとえば、触媒とし
て一般式 MgR1R2, Mg(OR1)mXn (ただし、式中、R1、R2はアルキル基、Xはハロゲン
原子、mは0≦m≦2、nは0≦n≦2を満足する。)
で示されるマグネシウム化合物を原料とする特定の固体
触媒成分、有機アルミニウム化合物および特定の電子供
与性化合物を使用して、プロピレンとブテン‐1とを気
相にて反応させることにより容易に製造することができ
る。
具体的には、特願昭61-144093号、特願昭61-196265
号、特願昭61-196266号および特願昭61-1967222号等の
明細書に記載された製造技術等において、本発明の共重
合体の前記特性を目安として、製造条件を実験的に設定
することにより、製造することができる。
以下、本発明のブテン‐1共重合体を製造する方法に
ついて、特願昭61-196266号明細書に記載された方法に
沿って説明するが、本発明のブテン‐1共重合体がこの
製造法により拘束をされるものではない。
本発明の共重合体は、以下に記載する固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与
性化合物(C)からなる触媒の存在下に、気相重合条件
下で、ブテン‐1とプロピレンとを反応させることによ
り、容易に製造することができる。
固体触媒成分(A)は、 式:MgR1R2 (式中、R1及びR2は、同一または異なって、炭素数1
〜20のアルキル基を表す。)で示される有機マグネシウ
ム化合物の少なくとも一種を、少なくとも一種の塩素化
剤で塩素化して担体を得、この担体を、電子供与体の存
在下に、−25〜+180℃の範囲内の温度において、四価
チタンのハロゲン化物と接触させることにより調製され
る。
有機マグネシウム化合物としては、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグ
ネシウム、エチルオクチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、ブチルヘキシルマグネシウム、ブチルオクチ
ルマグネシウムおよびジシクロヘキシルマグネシウムな
どのアルキルマグネシウム化合物を挙げることができ
る。
塩素化剤としては、塩素ガスおよび塩化アルキルを挙
げることができ、本発明においては、塩素ガスと塩化ブ
チルとを併用するのが好ましい。
塩素化は、通常は、0〜100℃(好ましくは20〜60
℃、特に好ましくは20〜40℃)で行う。
この塩素化によって、マグネシウム原子に結合してい
るアルキル基の一部が塩素原子で置換される。しかも、
アルキル基の少なくとも一部が残存しているので、この
残存するアルキル基の作用によって正常な結晶格子の生
成が妨げられ、適当な表面積および孔容積を有する非常
に小さい結晶径の非層状物が生成する。
このようにして得られた非層状物は、要すればアルコ
ール処理を行った後、非層状物を電子供与体の存在下に
四価チタンのハロゲン化物で処理する。四価チタンのハ
ロゲン化物による処理は、通常は、−25〜+180℃の範
囲内の温度で行なう。
前記四価チタンのハロゲン化物としては、テトラハロ
ゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジハ
ロゲン化アルコキシチタンおよびモノハロゲン化トリア
ルコキシチタンを挙げることができ、本発明においては
特に四塩化チタンを用いるのが好ましい。
電子供与体としては、酸素、窒素、リンあるいは硫黄
を含有する有機化合物を使用することができる。
この電子供与体の具体例としては、アミン類、アミド
類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスホルア
ミド類、エステル類、エーテル類、チオエーテル類、チ
オエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、酸アミド
類、アルデヒド類、有機酸類およびエステル類を挙げる
ことができる。
このうち好ましいのは、エステル類、エーテル類、ケ
トン類、酸無水物類などであり、具体的な化合物の例と
しては、安息香酸エチル、p-メトキシ安息香酸エチル、
p-エトキシ安息香酸エチル、トルイル酸メチル、ジイソ
ブチルフタレート、ベンゾキノンおよび無水安息香酸、
エチレングリコールブチルエーテルなどを挙げることが
できる。
このようにして調製した固体触媒成分(A)は、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が3〜200(好ましくは4〜10
0)であり、マグネシウム/チタン(モル比)が1〜90
(好ましくは5〜70)であるのが望ましい。
前記有機アルミニウム化合物(B)としては、特に制
限はないが、特にトリアルキルアルミニウムが好適であ
る。
電子供与性化合物(C)としては、次式(2)で表わ
される複素環式化合物を用いることができる。
ただし、式中、R3およびR6は炭化水素基を、好ましく
は炭素数2〜5の置換または非置換の飽和または不飽和
の炭化水素を、また、R4、R5およびR7は水素または炭化
水素基を、好ましくは水素または炭素数1〜5の置換ま
たは非置換の飽和または不飽和の炭化水素基をそれぞれ
表わす。
この複素環式化合物として、たとえば、1,4-シネオー
ル、1,8-シネオール、m-シネオール、ピノール、ベンゾ
フラン、2,3-ジヒドロベンゾフラン(クマラン)、2H-
クロメン、4H-クロメン、クロマン、イソクロマン、ジ
ベンゾフランおよびキサンテンなどが挙げられる。これ
ら各種の複素環式化合物は、一種単独で使用しても良い
し、また二種以上を併用しても良い。
前記各種の複素環式化合物の中でも、特に1,8-シネオ
ールが好ましい。
本発明のブテン‐1共重合体を製造する際の触媒の組
成は、有機アルミニウム化合物(B)が、固体触媒成分
(A)中の四価チタン化合物中のチタン原子に対して、
通常は0.1〜1000倍モル(好ましくは1〜500倍モル)の
範囲内になるようにする。また、電子供与性化合物
(C)は、固体触媒成分(A)中の四価チタン化合物に
おけるチタン原子に対して、通常は、0.1〜500倍モル
(好ましくは0.5〜200倍モル)の範囲内で使用する。
気相重合温度は、通常は45〜80℃(好ましくは50〜70
℃)である。
重合圧力は、原料成分の液化が実質的に起こらない範
囲内で適宜に設定することができ、通常の場合は、1〜
15Kg/cm2である。
また、プロピレンとブテン‐1との導入モル比は、得
ようとする共重合体における両者のモル比の範囲内で
(すなわち、1:99〜35:65の範囲内、好ましくは1:99〜3
0:70の範囲内)で適宜に設定することができる。
また、分子量を調節する目的で、水素のような分子量
調節剤を共存させても良い。さらにまた、共重合体の凝
集防止を目的として、ブテン‐1より沸点の低い不活性
ガス(例、窒素、メタン、エタンおよびプロパン)を共
存させることもできる。
こうして得られた本発明のブテン‐1共重合体は、フ
ィルム状の成型体あるいは各種パイプなどに好適な材料
として好適に使用することができる。
[発明の効果] 本発明のブテン‐1共重合体は、従来のブテン‐1共
重合体と比較すると分子量分布幅が広いために良好な加
工特性を有している。すなわち、成形の際の成形圧力が
良好な範囲内にあり、さらに得られた成形体の外観が非
常に良好であると共に、特にフィルム状の成形体にした
場合に、フィルムの透明度が良好である。
また、フィルム状成形体を用いてヒートシールを行な
う際の温度が良好な範囲内にあり、しかもヒートシール
性も良好である。
さらに、本発明のブテン‐1共重合体は、良好な機械
的特性を有しており、特に耐衝撃性に優れている。
[実施例] 次に本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1) 固体触媒成分(A)の調製 ブチルオクチルマグネシウム(20%ヘプタン溶液)30
0mlを、機械式攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、ガス
供給弁および温度計を備えた五ツ口フラスコに仕込み、
フラスコ内に窒素を導入して、フラスコ内を不活性雰囲
気に保ち、これに、ブチルクロライド5lを滴下ロートを
用いて室温で加えた。その後、塩素ガスを120ml/分の速
度で加えて塩素化した。
次に、25〜35℃で、2.5lのシリコンオイルを加え、さ
らにこの混合物中に113mlのエタノールを滴下した。エ
タノールの添加によって生成した塩素化物が沈殿した。
この沈殿物を含む混合液を40℃で1時間攪拌した後、温
度を75〜80℃に上げ、溶液をこの温度で一夜放置した。
この高温溶液をジイソブチルフタレート(電子供与
体)と過剰量のTiCl4とを含む−25℃に冷却した溶液中
にサイフォンで静かに加え、この低温TiCl4中に反応中
間体を沈澱させた。次に、この沈殿物を含む混合溶液を
室温にまで昇温した。
次いで、この沈殿物を含む混合溶液に、電子供与体と
してジイソブチルフタレートをさらに加え、温度を100
〜110℃に上げ、混合溶液をこの温度で1時間保った。
反応生成物を沈降させ、85℃のヘプタンで5〜6回洗浄
した。
さらに、この反応生成物を含む混合溶液に過剰量のTi
Cl4を加え、混合物を110℃で1時間攪拌した。生成した
沈降物と溶液とをサイフォンで分離した後、生成した触
媒成分(沈殿物)を数回ヘプタンで洗浄した(80℃で5
〜6回)。
得られた沈殿を集めて弱い減圧下で乾燥した。このよ
うにして、Ti含有量が3.0重量%である固体触媒成分
(A)を得た。
触媒の調製 前記で得られた固体触媒成分(A)を1中のチタ
ン濃度が2ミリモルになるように、触媒調製槽に投入し
た。この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム30
ミリモル/l、および1,8-シネオール12ミリモル/lを投入
した。その後、チタン原子1ミリモル当り50gとなる割
合でプロピレンを投入し、触媒調製槽内を40℃に昇温
し、触媒調製のための反応を行なった。
ブテン‐1共重合体の製造 直径300mm、容積100lの流動層重合器を使用し、前記
で得た触媒をプロパンを溶媒としてTi原子換算で3.6
ミリモル/lに再調製したTi触媒スラリーを、触媒調製槽
から前記重合器に0.15l/時間の流量で、またトリイソブ
チルアルミニウム30ミリモル/時間の流量で、また1,8-
シネオール24ミリモル/時間の流量でそれぞれ前記重合
器に供給した。
ブテン‐1の分圧を3Kg/cm2に、窒素の分圧を4Kg/cm2
に、水素ガスの分圧を生成ポリマーの極限粘度が第1表
の値になるようにそれぞれ調整し、ガス空塔速度が35cm
/秒の速度となるようにブテン‐1、プロピレン、水
素、水素ガスおよび窒素ガスを供給し、反応温度60℃で
重合を行なった。
(実施例2〜5ならびに比較例1および6) 実施例1において、ブテン‐1およびプロピレンの導
入速度を変えた以外は同様にしてブテン‐1共重合体を
製造した。
(比較例2〜3) 固体触媒の成分の調製 加熱乾燥した500ml容量のガラス製三つ口フラスコ
(温度計、攪拌機付き)に、75mlの乾燥ヘプタン、75ml
のチタンテトラブトキシドおよび10gの無水塩化マグネ
シウムを完全に溶解させた。次いで、この溶液を40℃に
まで冷却し、メチルハイドロジェンポリシロキサン15ml
を加えることにより、塩化マグネシウム・チタンテトラ
ブトキシド錯体を析出させた。これを精製ヘプタンで清
浄した後、四塩化ケイ素8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8
mlとを加えて50℃で2時間保持した。この後、さらに精
製ヘプタンで洗浄して固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有率は3.0重量%
でありフタル酸ジヘプチル含有率は25.0重量%であっ
た。
ブテン‐1共重合体の調製 20lの重合器へ1時間当り5kgのブテン‐1および第1
表に示すプロピレン単位量となる量のプロピレン、10ミ
リモルのトリエチルアルミニウム、1ミリモルのビニル
トリエトキシシランおよびチタン原子に換算して0.05ミ
リモルの上記で得た固体触媒を連続的に導入して、気
相の水素分圧を調整して生成する共重合体の極限粘度が
第1表に記載の値になるようにした。なお、反応温度を
70℃に保った。
反応容器の液量が10lになるように重合液を連続的に
抜き取り、抜き取った反応生成物に少量のエタノールを
添加して重合反応を停止させると共に、未反応成分を除
去して、ブテン‐1共重合体を得た。
(比較例4〜5) 20lの重合器へ1時間当り5kgのブテン‐1および第1
表に示すプロピレン単位量となる量のプロピレン、20ミ
リモルのジエチルアルミニウムモノクロライド、10ミリ
モルの三塩化チタン(東邦チタニウム(株)製)をこの
割合で連続的に投入して気相部の水素2.7kg/cm2に保
ち、生成する共重合体の極限粘度が第1表に記載の値に
なるようにした。なお、反応温度を70℃に保った。
反応容器の液量が10lになるように重合液を連続的に
抜き取り、抜き取った反応生成物に1時間あたり1の
メタノールを添加して重合反応を停止させ、次いで水洗
して未反応成分を除去して、ブテン‐1共重合体を得
た。
測定方法 得られたブテン‐1共重合体の物性および特性は以下
のようにして測定した。
極限粘度[η] 135℃のデカリン中で測定した。
分子量分布(Mw/Mn) ウォーターズ社製GPC装置150CにショーデックスAD80
7、AD80M/Sをそれぞれ二本装着して測定した。なお、測
定温度は135℃である。
示差走査熱分析 得られたブテン‐1共重合体を乾燥して試料として用
いた。
この試料を10℃/分の昇温速度で0〜200℃まで昇温
して吸熱ピークを測定した。
プロピレンのブロック性 得られたブテン‐1共重合体の13C核磁気共鳴スペク
トルを測定し、その測定結果を前述のマクロモレキュラ
ーズに記載の方法を利用して各トライアッドの同定を行
ない、前述の次式により測定した。
X=I/P 沸騰ジエチルエーテル可溶分量 得られたブテン‐1共重合体を乾燥後、厚さ1mmのプ
レスシートに成形し、1mm角に裁断した試料を用いて、
ジエチルエーテルで6時間ソックスレー抽出を行ない可
溶分量を求めた。
樹脂圧力 直径20mmのスクリュウを有するTダイキャスト成形機
を用いて、引取速度7m/分で厚さ20μmのフィルムを得
る条件における樹脂圧力を測定した。
ヘイズ ASTM-D-1003に準拠して測定した。
ヒートシール温度 得られた共重合体ペレットをスクリュー直径20mmのT
ダイキャスト成形機を用いて、引取速度7m/分で厚さ20
μmのフィルムを製造した。
ヒートシーラーにより、このフィルム同士を所定の温
度で2kg/cm2の荷重をかけ、1秒間圧着して得た幅15mm
の試料を剥離速度20mm/分、剥離角度180°で剥離を行な
ったときの剥離抵抗力が300gのときの温度をヒートシー
ル温度とした。
アイゾット衝撃強さ JIS-K-7110に準拠して測定した。なお、測定温度は0
℃である。
得られた測定結果を第1表に記載する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−86586(JP,A) 特開 昭54−86587(JP,A) 特開 昭63−57611(JP,A) 特開 昭63−302(JP,A) 英国特許2074175(GB,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン単位とブテン‐1単位とを1:99
    〜35:65の範囲内のモル比で含むブテン系共重合体であ
    って、該共重合体の極限粘度が、0.9〜7.2dl/gの範囲内
    にあり、重量平均分子量/数平均分子量が4〜15の範囲
    内にあり、示差走査熱量分析で測定した該共重合体の融
    点の最高値と最低値との温度差が2〜40℃の範囲内にあ
    り、核磁気共鳴スペクトル分析により測定した該共重合
    体のプロピレンブロック性が0.01以下であり、そして、
    該共重合体中における沸騰ジエチルエーテル可溶成分の
    含有率が1〜45重量%の範囲内にあることを特徴とする
    ブテン‐1共重合体。
  2. 【請求項2】示差走査熱量分析で測定したブテン‐1共
    重合体の融点の最高値が、70〜115℃の範囲内にある前
    記特許請求の範囲第1項に記載のブテン‐1共重合体。
  3. 【請求項3】示差走査熱量分析で測定したブテン‐1共
    重合体の融点の最高値と最低値との温度差が5〜30℃の
    範囲内にある前記特許請求の範囲第1項もしくは第2項
    に記載のブテン‐1共重合体。
  4. 【請求項4】示差走査熱量分析で測定したブテン‐1共
    重合体の融解熱量が2〜25cal/gの範囲内にある前記特
    許請求の範囲第1項もしくは第2項に記載のブテン‐1
    共重合体。
  5. 【請求項5】プロピレン単位とブテン‐1単位とを1:99
    〜30:99の範囲内のモル比で含む前記特許請求の範囲第
    1項に記載のブテン‐1共重合体。
  6. 【請求項6】核磁気共鳴スペクトル分析により測定した
    ブテン‐1共重合体のプロピレンブロック性が、0〜0.
    0085の範囲内にある前記特許請求の範囲第1項に記載の
    ブテン‐1共重合体。
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