JPH0816132B2 - ブテン−1共重合体 - Google Patents
ブテン−1共重合体Info
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- JPH0816132B2 JPH0816132B2 JP62066649A JP6664987A JPH0816132B2 JP H0816132 B2 JPH0816132 B2 JP H0816132B2 JP 62066649 A JP62066649 A JP 62066649A JP 6664987 A JP6664987 A JP 6664987A JP H0816132 B2 JPH0816132 B2 JP H0816132B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copolymer
- butene
- range
- measured
- propylene
- Prior art date
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F210/00—Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
- C08F210/04—Monomers containing three or four carbon atoms
- C08F210/08—Butenes
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はブテン‐1共重合体に関する。さらに詳しく
は、本発明は、加工特性および機械的特性が特に優れた
プロピレン単位を含むブテン‐1共重合体に関する。
は、本発明は、加工特性および機械的特性が特に優れた
プロピレン単位を含むブテン‐1共重合体に関する。
[発明の背景] 近年、軟質もしくは半硬質樹脂としてブテン‐1共重
合体が注目されている。従来、このブテン‐1共重合体
は、触媒として三塩化チタンを用いて溶液重合やスラリ
ー重合を行なう方法で製造されることが多かったが、こ
の方法で製造したブテン‐1共重合体は、ランダム性が
低く、たとえば、これを用いて製造した成形フィルム
は、透明度が低くなるなどの問題があった。
合体が注目されている。従来、このブテン‐1共重合体
は、触媒として三塩化チタンを用いて溶液重合やスラリ
ー重合を行なう方法で製造されることが多かったが、こ
の方法で製造したブテン‐1共重合体は、ランダム性が
低く、たとえば、これを用いて製造した成形フィルム
は、透明度が低くなるなどの問題があった。
また、触媒として塩化マグネシウム担持型触媒を用
い、溶液重合法によりブテン‐1共重合体を製造する方
法も既に知られている(特開昭61-108615号公報参
照)。
い、溶液重合法によりブテン‐1共重合体を製造する方
法も既に知られている(特開昭61-108615号公報参
照)。
しかしながら、この方法で得られる共重合体は、分子
量分布幅が狭いなどの特性を有している。ブテン‐1共
重合体の分子量分布幅は、共重合体の成形性などの加工
性に影響を与えることが知られており、上述の方法で得
られたブテン‐1共重合体は、分子量分布幅が狭いため
に、押し出し成形加工などの際の加工特性が充分でない
という問題があった。
量分布幅が狭いなどの特性を有している。ブテン‐1共
重合体の分子量分布幅は、共重合体の成形性などの加工
性に影響を与えることが知られており、上述の方法で得
られたブテン‐1共重合体は、分子量分布幅が狭いため
に、押し出し成形加工などの際の加工特性が充分でない
という問題があった。
他方、従来から用いられていた三塩化チタン系触媒
(特開昭60-192716号公報参照)を用いて気相重合を行
なう方法も既に知られているが、得られるブテン‐1共
重合体のランダム性が低く、したがって、上述のよう
に、これを用いて成形したフィルムの透明度が低くなる
などの問題があった。
(特開昭60-192716号公報参照)を用いて気相重合を行
なう方法も既に知られているが、得られるブテン‐1共
重合体のランダム性が低く、したがって、上述のよう
に、これを用いて成形したフィルムの透明度が低くなる
などの問題があった。
[発明の目的] 本発明は、加工特性と機械的特性とが共に良好なブテ
ン‐1共重合体を提供することを目的とする。さらに詳
しくは、本発明は、成形性、透明性および成形体の外観
などの加工特性が優れていると共に、耐衝撃性などの機
械的特性が優れたブテン‐1共重合体を提供することを
目的とする。
ン‐1共重合体を提供することを目的とする。さらに詳
しくは、本発明は、成形性、透明性および成形体の外観
などの加工特性が優れていると共に、耐衝撃性などの機
械的特性が優れたブテン‐1共重合体を提供することを
目的とする。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するための本発明の構成は、プロピレ
ン単位とブテン‐1単位とを1:99〜35:65の範囲内のモ
ル比で含むブテン‐1共重合体であって、該共重合体の
極限粘度が、0.9〜7.2dl/gの範囲内にあり、重量平均分
子量/数平均分子量が4〜15の範囲内にあり、示差走査
熱量分析で測定した該共重合体の融点の最高値と最低値
との温度差が2〜40℃範囲内にあり、核磁気共鳴スペク
トル分析により測定した該共重合体のプロピレンブロッ
ク性が0.01以下であり、そして、該共重合体中における
沸騰ジエチルエーテル可溶成分の含有率が1〜45重量%
の範囲内にあることを特徴とするブテン‐1共重合体で
ある。
ン単位とブテン‐1単位とを1:99〜35:65の範囲内のモ
ル比で含むブテン‐1共重合体であって、該共重合体の
極限粘度が、0.9〜7.2dl/gの範囲内にあり、重量平均分
子量/数平均分子量が4〜15の範囲内にあり、示差走査
熱量分析で測定した該共重合体の融点の最高値と最低値
との温度差が2〜40℃範囲内にあり、核磁気共鳴スペク
トル分析により測定した該共重合体のプロピレンブロッ
ク性が0.01以下であり、そして、該共重合体中における
沸騰ジエチルエーテル可溶成分の含有率が1〜45重量%
の範囲内にあることを特徴とするブテン‐1共重合体で
ある。
本発明のブテン‐1共重合体は、プロピレン単位とブ
テン‐1単位とを含む。プロピレン単位を含有すること
により主に、共重合体の結晶性が改善される。本発明の
共重合体は、このプロピレン単位とブテン‐1単位と
を、1:99〜35:65の範囲内のモル比で含んでいる。共重
合体中におけるプロピレン単位の含有モル比が上記範囲
より低いと、共重合体の結晶化度が低下しないので、成
形フィルムの透明度が低くなる。また、プロピレン単位
のモル比が上記範囲より高いと、共重合体が不均質にな
ったり、べとつき易くなる。
テン‐1単位とを含む。プロピレン単位を含有すること
により主に、共重合体の結晶性が改善される。本発明の
共重合体は、このプロピレン単位とブテン‐1単位と
を、1:99〜35:65の範囲内のモル比で含んでいる。共重
合体中におけるプロピレン単位の含有モル比が上記範囲
より低いと、共重合体の結晶化度が低下しないので、成
形フィルムの透明度が低くなる。また、プロピレン単位
のモル比が上記範囲より高いと、共重合体が不均質にな
ったり、べとつき易くなる。
特に本発明においては、上記モル比を1:99〜30:70の
範囲内に設定するのが好ましい。この範囲内とすること
により、さらに均質で、かつ透明度の高い成形フィルム
を製造可能な共重合体にすることができる。
範囲内に設定するのが好ましい。この範囲内とすること
により、さらに均質で、かつ透明度の高い成形フィルム
を製造可能な共重合体にすることができる。
本発明のブテン‐1共重合体の135℃のデカリン溶液
中で測定した極限粘度[η]は、0.9〜7.2dl/gの範囲内
にある。この極限粘度[η]は、主に共重合体の成形性
および機械的強度に影響を与える。
中で測定した極限粘度[η]は、0.9〜7.2dl/gの範囲内
にある。この極限粘度[η]は、主に共重合体の成形性
および機械的強度に影響を与える。
極限粘度[η]が、0.9dl/gより低いと、共重合体を
用いて製造した形成物の機械的強度、特に耐衝撃性が低
下する。また、7.2dl/gより高いと、成形性が低下す
る。特に本発明においては、極限粘度[η]を、1.0〜
4.0dl/gの範囲内にすることにより、成形体の機械的強
度および共重合体の成形性が非常に良好になる。
用いて製造した形成物の機械的強度、特に耐衝撃性が低
下する。また、7.2dl/gより高いと、成形性が低下す
る。特に本発明においては、極限粘度[η]を、1.0〜
4.0dl/gの範囲内にすることにより、成形体の機械的強
度および共重合体の成形性が非常に良好になる。
本発明の共重合体における分子量分布、すなわち共重
合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)は、4〜15の範囲内にある。この分子量分
布は、得られる成形体に透明性を付与すると共に、成形
体の成形性および機械的強度に対しても影響を及ぼす。
従来の製造法で得られたブテン‐1共重合体は、この分
子量分布の幅が狭くなる傾向があり、充分な成形性を有
する成形体を製造しにくく、さらにフィルム状に成形し
た場合に、フィルムの透明度が不充分になることが多か
った。
合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)は、4〜15の範囲内にある。この分子量分
布は、得られる成形体に透明性を付与すると共に、成形
体の成形性および機械的強度に対しても影響を及ぼす。
従来の製造法で得られたブテン‐1共重合体は、この分
子量分布の幅が狭くなる傾向があり、充分な成形性を有
する成形体を製造しにくく、さらにフィルム状に成形し
た場合に、フィルムの透明度が不充分になることが多か
った。
すなわち、分子量分布が4に満たない共重合体は、成
形性が充分でなく、さらに、フィルム状に成形した場合
の透明度が不充分になる。また、分子量分布が15より広
いと耐衝撃性などの機械的強度が低下する。
形性が充分でなく、さらに、フィルム状に成形した場合
の透明度が不充分になる。また、分子量分布が15より広
いと耐衝撃性などの機械的強度が低下する。
特に本発明においては、分子量分布が4〜10の範囲内
にあるのが好ましい。この範囲内にある共重合体は、良
好な成形性および透明性を有していると共に、特に機械
特性が良好である。
にあるのが好ましい。この範囲内にある共重合体は、良
好な成形性および透明性を有していると共に、特に機械
特性が良好である。
本発明のブテン‐1共重合体を示差走査熱量分析装置
を用いて分析を行なうと、最低融点および最高融点を示
す二種類の吸熱曲線が得られる。このうち、最高融点
は、通常、70〜115℃の範囲内にある。なお、本発明に
おいて、乾燥処理した本発明の共重合体を10℃/分の昇
温速度で0〜200℃まで昇温して吸熱ピークを測定した
際に最も高温側に表れるピークが最高融点であり、最も
低温側のピークまたはショルダーが最低融点である。
を用いて分析を行なうと、最低融点および最高融点を示
す二種類の吸熱曲線が得られる。このうち、最高融点
は、通常、70〜115℃の範囲内にある。なお、本発明に
おいて、乾燥処理した本発明の共重合体を10℃/分の昇
温速度で0〜200℃まで昇温して吸熱ピークを測定した
際に最も高温側に表れるピークが最高融点であり、最も
低温側のピークまたはショルダーが最低融点である。
そして、本発明の共重合体においては、この示差走査
熱量分析装置を用いて測定した最高融点と最低融点(融
点の最高値と最低値との温度差)との差が2〜40℃の範
囲内にある。この温度差は、加工特性およびフィルム状
成形体を重ねて加熱圧差する際の温度(ヒートシール温
度)に特に影響を与える。
熱量分析装置を用いて測定した最高融点と最低融点(融
点の最高値と最低値との温度差)との差が2〜40℃の範
囲内にある。この温度差は、加工特性およびフィルム状
成形体を重ねて加熱圧差する際の温度(ヒートシール温
度)に特に影響を与える。
すなわち、上記の温度差が2℃より小さい(温度差が
ない場合を含む。)ヒートシール温度が高くなり、フィ
ルムに成形した場合のヒートシール性が悪くなり、他
方、温度差が40℃より大きいと、共重合体が粘稠性を帯
びるようになり、成形性能が低下する。なお、最高融点
が80℃より低いと、常温で共重合体にべたつきが発生す
ることがあり、通常は成形体原料として使用することが
できない。また、最高融点が120℃より高い場合には、
ヒートシール温度が高くなるので、良好なヒートシール
を行なうことができにくくなる。
ない場合を含む。)ヒートシール温度が高くなり、フィ
ルムに成形した場合のヒートシール性が悪くなり、他
方、温度差が40℃より大きいと、共重合体が粘稠性を帯
びるようになり、成形性能が低下する。なお、最高融点
が80℃より低いと、常温で共重合体にべたつきが発生す
ることがあり、通常は成形体原料として使用することが
できない。また、最高融点が120℃より高い場合には、
ヒートシール温度が高くなるので、良好なヒートシール
を行なうことができにくくなる。
また、上記の示差走査熱分析により測定した本発明の
共重合体の融解熱量(示差走査熱分析により表れるピー
クまたはショルダーのベースラインを結ぶ直線により決
定する。)は、2〜25cal/gの範囲内にあるのが好まし
い。融解熱量が2cal/gより低いと共重合体がべとつき易
くなることがあり、他方25cal/gより高いとフィルム状
成形体の透明度が低下することがある。
共重合体の融解熱量(示差走査熱分析により表れるピー
クまたはショルダーのベースラインを結ぶ直線により決
定する。)は、2〜25cal/gの範囲内にあるのが好まし
い。融解熱量が2cal/gより低いと共重合体がべとつき易
くなることがあり、他方25cal/gより高いとフィルム状
成形体の透明度が低下することがある。
特に融解熱量が、4〜15cal/gの範囲内にあるブテン
‐1共重合体は、共重合体にべとつきが発生することが
なく、かつ成形体の透明度が良好な共重合体とすること
ができる。
‐1共重合体は、共重合体にべとつきが発生することが
なく、かつ成形体の透明度が良好な共重合体とすること
ができる。
本発明のブテン‐1共重合体の13C−NMRを測定し
て、その測定結果をマクロモレキュールズ(Macromolec
ules),15,353,(1982)に記載の方法を利用して各ト
ライアッドの同定を行なうことにより、次式によりブテ
ン‐1共重合体の主鎖におけるプロピレンのブロック性
(X)を測定することができる。
て、その測定結果をマクロモレキュールズ(Macromolec
ules),15,353,(1982)に記載の方法を利用して各ト
ライアッドの同定を行なうことにより、次式によりブテ
ン‐1共重合体の主鎖におけるプロピレンのブロック性
(X)を測定することができる。
X=I/P ここで、Iは、共重合体中におけるプロピレン連鎖の
ブロック重合割合であり、通常は次式で表わされる。
ブロック重合割合であり、通常は次式で表わされる。
また、Pは、共重合体におけるプロピレン含有率であ
り、通常は、次式で表わされる ただし、上記式において、IPPは、IPPPP+IPPPB+I
BPPBのプロピレン連鎖のシークエンスのピーク強度を示
し、IPBは、IBPBP+IBPBB+IPPBB+IPPBPのプロピレン
−ブテン−1連鎖のシークエンスのピーク強度を示し、
そして、IBBは、IBBBB+IPBBB+IPBBPのブテン−1連鎖
のシークエンスのピーク強度を示す。
り、通常は、次式で表わされる ただし、上記式において、IPPは、IPPPP+IPPPB+I
BPPBのプロピレン連鎖のシークエンスのピーク強度を示
し、IPBは、IBPBP+IBPBB+IPPBB+IPPBPのプロピレン
−ブテン−1連鎖のシークエンスのピーク強度を示し、
そして、IBBは、IBBBB+IPBBB+IPBBPのブテン−1連鎖
のシークエンスのピーク強度を示す。
なお、同定は、J.Polym.Sci.Phys.Fd.21,573(1983)
の文献を利用して13C−NMRの測定で得られた48〜39ppm
の領域に出現するメチレンピークの強度を測定して行な
った。
の文献を利用して13C−NMRの測定で得られた48〜39ppm
の領域に出現するメチレンピークの強度を測定して行な
った。
本発明のブテン‐1共重合体におけるプロピレンのブ
ロック性(x)は、0.01以下である。プロピレンのブロ
ック性(x)が0.01より高いと、結晶性が高くなり、た
とえばフィルム状の成形体の透明度が低下する。特に本
発明においては、プロピレンブロック性(x)が0〜0.
0085の範囲内にある共重合体は、特に良好な透明性を有
する。
ロック性(x)は、0.01以下である。プロピレンのブロ
ック性(x)が0.01より高いと、結晶性が高くなり、た
とえばフィルム状の成形体の透明度が低下する。特に本
発明においては、プロピレンブロック性(x)が0〜0.
0085の範囲内にある共重合体は、特に良好な透明性を有
する。
本発明のブテン‐1共重合体中における沸騰ジエチル
エーテル可溶分量は、2〜25重量%の範囲内にある。一
般に、沸騰ジエチルエーテルに対する溶解性は、共重合
体の重合度が高くなるほど低下する傾向にあり、また、
結晶性が増すと低下する傾向にある。本発明の共重合体
は、沸騰ジエチルエーテル可溶分量を上記範囲にするこ
とにより、共重合体中における重合度の低い成分および
結晶性を制限するとの意味を有する。
エーテル可溶分量は、2〜25重量%の範囲内にある。一
般に、沸騰ジエチルエーテルに対する溶解性は、共重合
体の重合度が高くなるほど低下する傾向にあり、また、
結晶性が増すと低下する傾向にある。本発明の共重合体
は、沸騰ジエチルエーテル可溶分量を上記範囲にするこ
とにより、共重合体中における重合度の低い成分および
結晶性を制限するとの意味を有する。
したがって、沸騰ジエチルエーテル可溶分量は、2重
量%より少ないと、フィルム状成形体の透明度が低下
し、また25重量%より多いと低重合度成分の含有率が高
くなるのでべたつきが発生する。特に沸騰ジエチルエー
テル可溶分量が、4〜15重量%の範囲内にすることによ
り、成形体の透明度が増すと共に、共重合体がべたつき
などが発生することがなく、好ましい。
量%より少ないと、フィルム状成形体の透明度が低下
し、また25重量%より多いと低重合度成分の含有率が高
くなるのでべたつきが発生する。特に沸騰ジエチルエー
テル可溶分量が、4〜15重量%の範囲内にすることによ
り、成形体の透明度が増すと共に、共重合体がべたつき
などが発生することがなく、好ましい。
本発明のブテン‐1共重合体は、たとえば、触媒とし
て一般式 MgR1R2, Mg(OR1)mXn (ただし、式中、R1、R2はアルキル基、Xはハロゲン
原子、mは0≦m≦2、nは0≦n≦2を満足する。)
で示されるマグネシウム化合物を原料とする特定の固体
触媒成分、有機アルミニウム化合物および特定の電子供
与性化合物を使用して、プロピレンとブテン‐1とを気
相にて反応させることにより容易に製造することができ
る。
て一般式 MgR1R2, Mg(OR1)mXn (ただし、式中、R1、R2はアルキル基、Xはハロゲン
原子、mは0≦m≦2、nは0≦n≦2を満足する。)
で示されるマグネシウム化合物を原料とする特定の固体
触媒成分、有機アルミニウム化合物および特定の電子供
与性化合物を使用して、プロピレンとブテン‐1とを気
相にて反応させることにより容易に製造することができ
る。
具体的には、特願昭61-144093号、特願昭61-196265
号、特願昭61-196266号および特願昭61-1967222号等の
明細書に記載された製造技術等において、本発明の共重
合体の前記特性を目安として、製造条件を実験的に設定
することにより、製造することができる。
号、特願昭61-196266号および特願昭61-1967222号等の
明細書に記載された製造技術等において、本発明の共重
合体の前記特性を目安として、製造条件を実験的に設定
することにより、製造することができる。
以下、本発明のブテン‐1共重合体を製造する方法に
ついて、特願昭61-196266号明細書に記載された方法に
沿って説明するが、本発明のブテン‐1共重合体がこの
製造法により拘束をされるものではない。
ついて、特願昭61-196266号明細書に記載された方法に
沿って説明するが、本発明のブテン‐1共重合体がこの
製造法により拘束をされるものではない。
本発明の共重合体は、以下に記載する固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与
性化合物(C)からなる触媒の存在下に、気相重合条件
下で、ブテン‐1とプロピレンとを反応させることによ
り、容易に製造することができる。
(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与
性化合物(C)からなる触媒の存在下に、気相重合条件
下で、ブテン‐1とプロピレンとを反応させることによ
り、容易に製造することができる。
固体触媒成分(A)は、 式:MgR1R2 (式中、R1及びR2は、同一または異なって、炭素数1
〜20のアルキル基を表す。)で示される有機マグネシウ
ム化合物の少なくとも一種を、少なくとも一種の塩素化
剤で塩素化して担体を得、この担体を、電子供与体の存
在下に、−25〜+180℃の範囲内の温度において、四価
チタンのハロゲン化物と接触させることにより調製され
る。
〜20のアルキル基を表す。)で示される有機マグネシウ
ム化合物の少なくとも一種を、少なくとも一種の塩素化
剤で塩素化して担体を得、この担体を、電子供与体の存
在下に、−25〜+180℃の範囲内の温度において、四価
チタンのハロゲン化物と接触させることにより調製され
る。
有機マグネシウム化合物としては、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグ
ネシウム、エチルオクチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、ブチルヘキシルマグネシウム、ブチルオクチ
ルマグネシウムおよびジシクロヘキシルマグネシウムな
どのアルキルマグネシウム化合物を挙げることができ
る。
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグ
ネシウム、エチルオクチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、ブチルヘキシルマグネシウム、ブチルオクチ
ルマグネシウムおよびジシクロヘキシルマグネシウムな
どのアルキルマグネシウム化合物を挙げることができ
る。
塩素化剤としては、塩素ガスおよび塩化アルキルを挙
げることができ、本発明においては、塩素ガスと塩化ブ
チルとを併用するのが好ましい。
げることができ、本発明においては、塩素ガスと塩化ブ
チルとを併用するのが好ましい。
塩素化は、通常は、0〜100℃(好ましくは20〜60
℃、特に好ましくは20〜40℃)で行う。
℃、特に好ましくは20〜40℃)で行う。
この塩素化によって、マグネシウム原子に結合してい
るアルキル基の一部が塩素原子で置換される。しかも、
アルキル基の少なくとも一部が残存しているので、この
残存するアルキル基の作用によって正常な結晶格子の生
成が妨げられ、適当な表面積および孔容積を有する非常
に小さい結晶径の非層状物が生成する。
るアルキル基の一部が塩素原子で置換される。しかも、
アルキル基の少なくとも一部が残存しているので、この
残存するアルキル基の作用によって正常な結晶格子の生
成が妨げられ、適当な表面積および孔容積を有する非常
に小さい結晶径の非層状物が生成する。
このようにして得られた非層状物は、要すればアルコ
ール処理を行った後、非層状物を電子供与体の存在下に
四価チタンのハロゲン化物で処理する。四価チタンのハ
ロゲン化物による処理は、通常は、−25〜+180℃の範
囲内の温度で行なう。
ール処理を行った後、非層状物を電子供与体の存在下に
四価チタンのハロゲン化物で処理する。四価チタンのハ
ロゲン化物による処理は、通常は、−25〜+180℃の範
囲内の温度で行なう。
前記四価チタンのハロゲン化物としては、テトラハロ
ゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジハ
ロゲン化アルコキシチタンおよびモノハロゲン化トリア
ルコキシチタンを挙げることができ、本発明においては
特に四塩化チタンを用いるのが好ましい。
ゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジハ
ロゲン化アルコキシチタンおよびモノハロゲン化トリア
ルコキシチタンを挙げることができ、本発明においては
特に四塩化チタンを用いるのが好ましい。
電子供与体としては、酸素、窒素、リンあるいは硫黄
を含有する有機化合物を使用することができる。
を含有する有機化合物を使用することができる。
この電子供与体の具体例としては、アミン類、アミド
類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスホルア
ミド類、エステル類、エーテル類、チオエーテル類、チ
オエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、酸アミド
類、アルデヒド類、有機酸類およびエステル類を挙げる
ことができる。
類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスホルア
ミド類、エステル類、エーテル類、チオエーテル類、チ
オエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、酸アミド
類、アルデヒド類、有機酸類およびエステル類を挙げる
ことができる。
このうち好ましいのは、エステル類、エーテル類、ケ
トン類、酸無水物類などであり、具体的な化合物の例と
しては、安息香酸エチル、p-メトキシ安息香酸エチル、
p-エトキシ安息香酸エチル、トルイル酸メチル、ジイソ
ブチルフタレート、ベンゾキノンおよび無水安息香酸、
エチレングリコールブチルエーテルなどを挙げることが
できる。
トン類、酸無水物類などであり、具体的な化合物の例と
しては、安息香酸エチル、p-メトキシ安息香酸エチル、
p-エトキシ安息香酸エチル、トルイル酸メチル、ジイソ
ブチルフタレート、ベンゾキノンおよび無水安息香酸、
エチレングリコールブチルエーテルなどを挙げることが
できる。
このようにして調製した固体触媒成分(A)は、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が3〜200(好ましくは4〜10
0)であり、マグネシウム/チタン(モル比)が1〜90
(好ましくは5〜70)であるのが望ましい。
ゲン/チタン(モル比)が3〜200(好ましくは4〜10
0)であり、マグネシウム/チタン(モル比)が1〜90
(好ましくは5〜70)であるのが望ましい。
前記有機アルミニウム化合物(B)としては、特に制
限はないが、特にトリアルキルアルミニウムが好適であ
る。
限はないが、特にトリアルキルアルミニウムが好適であ
る。
電子供与性化合物(C)としては、次式(2)で表わ
される複素環式化合物を用いることができる。
される複素環式化合物を用いることができる。
ただし、式中、R3およびR6は炭化水素基を、好ましく
は炭素数2〜5の置換または非置換の飽和または不飽和
の炭化水素を、また、R4、R5およびR7は水素または炭化
水素基を、好ましくは水素または炭素数1〜5の置換ま
たは非置換の飽和または不飽和の炭化水素基をそれぞれ
表わす。
は炭素数2〜5の置換または非置換の飽和または不飽和
の炭化水素を、また、R4、R5およびR7は水素または炭化
水素基を、好ましくは水素または炭素数1〜5の置換ま
たは非置換の飽和または不飽和の炭化水素基をそれぞれ
表わす。
この複素環式化合物として、たとえば、1,4-シネオー
ル、1,8-シネオール、m-シネオール、ピノール、ベンゾ
フラン、2,3-ジヒドロベンゾフラン(クマラン)、2H-
クロメン、4H-クロメン、クロマン、イソクロマン、ジ
ベンゾフランおよびキサンテンなどが挙げられる。これ
ら各種の複素環式化合物は、一種単独で使用しても良い
し、また二種以上を併用しても良い。
ル、1,8-シネオール、m-シネオール、ピノール、ベンゾ
フラン、2,3-ジヒドロベンゾフラン(クマラン)、2H-
クロメン、4H-クロメン、クロマン、イソクロマン、ジ
ベンゾフランおよびキサンテンなどが挙げられる。これ
ら各種の複素環式化合物は、一種単独で使用しても良い
し、また二種以上を併用しても良い。
前記各種の複素環式化合物の中でも、特に1,8-シネオ
ールが好ましい。
ールが好ましい。
本発明のブテン‐1共重合体を製造する際の触媒の組
成は、有機アルミニウム化合物(B)が、固体触媒成分
(A)中の四価チタン化合物中のチタン原子に対して、
通常は0.1〜1000倍モル(好ましくは1〜500倍モル)の
範囲内になるようにする。また、電子供与性化合物
(C)は、固体触媒成分(A)中の四価チタン化合物に
おけるチタン原子に対して、通常は、0.1〜500倍モル
(好ましくは0.5〜200倍モル)の範囲内で使用する。
成は、有機アルミニウム化合物(B)が、固体触媒成分
(A)中の四価チタン化合物中のチタン原子に対して、
通常は0.1〜1000倍モル(好ましくは1〜500倍モル)の
範囲内になるようにする。また、電子供与性化合物
(C)は、固体触媒成分(A)中の四価チタン化合物に
おけるチタン原子に対して、通常は、0.1〜500倍モル
(好ましくは0.5〜200倍モル)の範囲内で使用する。
気相重合温度は、通常は45〜80℃(好ましくは50〜70
℃)である。
℃)である。
重合圧力は、原料成分の液化が実質的に起こらない範
囲内で適宜に設定することができ、通常の場合は、1〜
15Kg/cm2である。
囲内で適宜に設定することができ、通常の場合は、1〜
15Kg/cm2である。
また、プロピレンとブテン‐1との導入モル比は、得
ようとする共重合体における両者のモル比の範囲内で
(すなわち、1:99〜35:65の範囲内、好ましくは1:99〜3
0:70の範囲内)で適宜に設定することができる。
ようとする共重合体における両者のモル比の範囲内で
(すなわち、1:99〜35:65の範囲内、好ましくは1:99〜3
0:70の範囲内)で適宜に設定することができる。
また、分子量を調節する目的で、水素のような分子量
調節剤を共存させても良い。さらにまた、共重合体の凝
集防止を目的として、ブテン‐1より沸点の低い不活性
ガス(例、窒素、メタン、エタンおよびプロパン)を共
存させることもできる。
調節剤を共存させても良い。さらにまた、共重合体の凝
集防止を目的として、ブテン‐1より沸点の低い不活性
ガス(例、窒素、メタン、エタンおよびプロパン)を共
存させることもできる。
こうして得られた本発明のブテン‐1共重合体は、フ
ィルム状の成型体あるいは各種パイプなどに好適な材料
として好適に使用することができる。
ィルム状の成型体あるいは各種パイプなどに好適な材料
として好適に使用することができる。
[発明の効果] 本発明のブテン‐1共重合体は、従来のブテン‐1共
重合体と比較すると分子量分布幅が広いために良好な加
工特性を有している。すなわち、成形の際の成形圧力が
良好な範囲内にあり、さらに得られた成形体の外観が非
常に良好であると共に、特にフィルム状の成形体にした
場合に、フィルムの透明度が良好である。
重合体と比較すると分子量分布幅が広いために良好な加
工特性を有している。すなわち、成形の際の成形圧力が
良好な範囲内にあり、さらに得られた成形体の外観が非
常に良好であると共に、特にフィルム状の成形体にした
場合に、フィルムの透明度が良好である。
また、フィルム状成形体を用いてヒートシールを行な
う際の温度が良好な範囲内にあり、しかもヒートシール
性も良好である。
う際の温度が良好な範囲内にあり、しかもヒートシール
性も良好である。
さらに、本発明のブテン‐1共重合体は、良好な機械
的特性を有しており、特に耐衝撃性に優れている。
的特性を有しており、特に耐衝撃性に優れている。
[実施例] 次に本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1) 固体触媒成分(A)の調製 ブチルオクチルマグネシウム(20%ヘプタン溶液)30
0mlを、機械式攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、ガス
供給弁および温度計を備えた五ツ口フラスコに仕込み、
フラスコ内に窒素を導入して、フラスコ内を不活性雰囲
気に保ち、これに、ブチルクロライド5lを滴下ロートを
用いて室温で加えた。その後、塩素ガスを120ml/分の速
度で加えて塩素化した。
0mlを、機械式攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、ガス
供給弁および温度計を備えた五ツ口フラスコに仕込み、
フラスコ内に窒素を導入して、フラスコ内を不活性雰囲
気に保ち、これに、ブチルクロライド5lを滴下ロートを
用いて室温で加えた。その後、塩素ガスを120ml/分の速
度で加えて塩素化した。
次に、25〜35℃で、2.5lのシリコンオイルを加え、さ
らにこの混合物中に113mlのエタノールを滴下した。エ
タノールの添加によって生成した塩素化物が沈殿した。
この沈殿物を含む混合液を40℃で1時間攪拌した後、温
度を75〜80℃に上げ、溶液をこの温度で一夜放置した。
らにこの混合物中に113mlのエタノールを滴下した。エ
タノールの添加によって生成した塩素化物が沈殿した。
この沈殿物を含む混合液を40℃で1時間攪拌した後、温
度を75〜80℃に上げ、溶液をこの温度で一夜放置した。
この高温溶液をジイソブチルフタレート(電子供与
体)と過剰量のTiCl4とを含む−25℃に冷却した溶液中
にサイフォンで静かに加え、この低温TiCl4中に反応中
間体を沈澱させた。次に、この沈殿物を含む混合溶液を
室温にまで昇温した。
体)と過剰量のTiCl4とを含む−25℃に冷却した溶液中
にサイフォンで静かに加え、この低温TiCl4中に反応中
間体を沈澱させた。次に、この沈殿物を含む混合溶液を
室温にまで昇温した。
次いで、この沈殿物を含む混合溶液に、電子供与体と
してジイソブチルフタレートをさらに加え、温度を100
〜110℃に上げ、混合溶液をこの温度で1時間保った。
反応生成物を沈降させ、85℃のヘプタンで5〜6回洗浄
した。
してジイソブチルフタレートをさらに加え、温度を100
〜110℃に上げ、混合溶液をこの温度で1時間保った。
反応生成物を沈降させ、85℃のヘプタンで5〜6回洗浄
した。
さらに、この反応生成物を含む混合溶液に過剰量のTi
Cl4を加え、混合物を110℃で1時間攪拌した。生成した
沈降物と溶液とをサイフォンで分離した後、生成した触
媒成分(沈殿物)を数回ヘプタンで洗浄した(80℃で5
〜6回)。
Cl4を加え、混合物を110℃で1時間攪拌した。生成した
沈降物と溶液とをサイフォンで分離した後、生成した触
媒成分(沈殿物)を数回ヘプタンで洗浄した(80℃で5
〜6回)。
得られた沈殿を集めて弱い減圧下で乾燥した。このよ
うにして、Ti含有量が3.0重量%である固体触媒成分
(A)を得た。
うにして、Ti含有量が3.0重量%である固体触媒成分
(A)を得た。
触媒の調製 前記で得られた固体触媒成分(A)を1中のチタ
ン濃度が2ミリモルになるように、触媒調製槽に投入し
た。この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム30
ミリモル/l、および1,8-シネオール12ミリモル/lを投入
した。その後、チタン原子1ミリモル当り50gとなる割
合でプロピレンを投入し、触媒調製槽内を40℃に昇温
し、触媒調製のための反応を行なった。
ン濃度が2ミリモルになるように、触媒調製槽に投入し
た。この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム30
ミリモル/l、および1,8-シネオール12ミリモル/lを投入
した。その後、チタン原子1ミリモル当り50gとなる割
合でプロピレンを投入し、触媒調製槽内を40℃に昇温
し、触媒調製のための反応を行なった。
ブテン‐1共重合体の製造 直径300mm、容積100lの流動層重合器を使用し、前記
で得た触媒をプロパンを溶媒としてTi原子換算で3.6
ミリモル/lに再調製したTi触媒スラリーを、触媒調製槽
から前記重合器に0.15l/時間の流量で、またトリイソブ
チルアルミニウム30ミリモル/時間の流量で、また1,8-
シネオール24ミリモル/時間の流量でそれぞれ前記重合
器に供給した。
で得た触媒をプロパンを溶媒としてTi原子換算で3.6
ミリモル/lに再調製したTi触媒スラリーを、触媒調製槽
から前記重合器に0.15l/時間の流量で、またトリイソブ
チルアルミニウム30ミリモル/時間の流量で、また1,8-
シネオール24ミリモル/時間の流量でそれぞれ前記重合
器に供給した。
ブテン‐1の分圧を3Kg/cm2に、窒素の分圧を4Kg/cm2
に、水素ガスの分圧を生成ポリマーの極限粘度が第1表
の値になるようにそれぞれ調整し、ガス空塔速度が35cm
/秒の速度となるようにブテン‐1、プロピレン、水
素、水素ガスおよび窒素ガスを供給し、反応温度60℃で
重合を行なった。
に、水素ガスの分圧を生成ポリマーの極限粘度が第1表
の値になるようにそれぞれ調整し、ガス空塔速度が35cm
/秒の速度となるようにブテン‐1、プロピレン、水
素、水素ガスおよび窒素ガスを供給し、反応温度60℃で
重合を行なった。
(実施例2〜5ならびに比較例1および6) 実施例1において、ブテン‐1およびプロピレンの導
入速度を変えた以外は同様にしてブテン‐1共重合体を
製造した。
入速度を変えた以外は同様にしてブテン‐1共重合体を
製造した。
(比較例2〜3) 固体触媒の成分の調製 加熱乾燥した500ml容量のガラス製三つ口フラスコ
(温度計、攪拌機付き)に、75mlの乾燥ヘプタン、75ml
のチタンテトラブトキシドおよび10gの無水塩化マグネ
シウムを完全に溶解させた。次いで、この溶液を40℃に
まで冷却し、メチルハイドロジェンポリシロキサン15ml
を加えることにより、塩化マグネシウム・チタンテトラ
ブトキシド錯体を析出させた。これを精製ヘプタンで清
浄した後、四塩化ケイ素8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8
mlとを加えて50℃で2時間保持した。この後、さらに精
製ヘプタンで洗浄して固体触媒成分を得た。
(温度計、攪拌機付き)に、75mlの乾燥ヘプタン、75ml
のチタンテトラブトキシドおよび10gの無水塩化マグネ
シウムを完全に溶解させた。次いで、この溶液を40℃に
まで冷却し、メチルハイドロジェンポリシロキサン15ml
を加えることにより、塩化マグネシウム・チタンテトラ
ブトキシド錯体を析出させた。これを精製ヘプタンで清
浄した後、四塩化ケイ素8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8
mlとを加えて50℃で2時間保持した。この後、さらに精
製ヘプタンで洗浄して固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有率は3.0重量%
でありフタル酸ジヘプチル含有率は25.0重量%であっ
た。
でありフタル酸ジヘプチル含有率は25.0重量%であっ
た。
ブテン‐1共重合体の調製 20lの重合器へ1時間当り5kgのブテン‐1および第1
表に示すプロピレン単位量となる量のプロピレン、10ミ
リモルのトリエチルアルミニウム、1ミリモルのビニル
トリエトキシシランおよびチタン原子に換算して0.05ミ
リモルの上記で得た固体触媒を連続的に導入して、気
相の水素分圧を調整して生成する共重合体の極限粘度が
第1表に記載の値になるようにした。なお、反応温度を
70℃に保った。
表に示すプロピレン単位量となる量のプロピレン、10ミ
リモルのトリエチルアルミニウム、1ミリモルのビニル
トリエトキシシランおよびチタン原子に換算して0.05ミ
リモルの上記で得た固体触媒を連続的に導入して、気
相の水素分圧を調整して生成する共重合体の極限粘度が
第1表に記載の値になるようにした。なお、反応温度を
70℃に保った。
反応容器の液量が10lになるように重合液を連続的に
抜き取り、抜き取った反応生成物に少量のエタノールを
添加して重合反応を停止させると共に、未反応成分を除
去して、ブテン‐1共重合体を得た。
抜き取り、抜き取った反応生成物に少量のエタノールを
添加して重合反応を停止させると共に、未反応成分を除
去して、ブテン‐1共重合体を得た。
(比較例4〜5) 20lの重合器へ1時間当り5kgのブテン‐1および第1
表に示すプロピレン単位量となる量のプロピレン、20ミ
リモルのジエチルアルミニウムモノクロライド、10ミリ
モルの三塩化チタン(東邦チタニウム(株)製)をこの
割合で連続的に投入して気相部の水素2.7kg/cm2に保
ち、生成する共重合体の極限粘度が第1表に記載の値に
なるようにした。なお、反応温度を70℃に保った。
表に示すプロピレン単位量となる量のプロピレン、20ミ
リモルのジエチルアルミニウムモノクロライド、10ミリ
モルの三塩化チタン(東邦チタニウム(株)製)をこの
割合で連続的に投入して気相部の水素2.7kg/cm2に保
ち、生成する共重合体の極限粘度が第1表に記載の値に
なるようにした。なお、反応温度を70℃に保った。
反応容器の液量が10lになるように重合液を連続的に
抜き取り、抜き取った反応生成物に1時間あたり1の
メタノールを添加して重合反応を停止させ、次いで水洗
して未反応成分を除去して、ブテン‐1共重合体を得
た。
抜き取り、抜き取った反応生成物に1時間あたり1の
メタノールを添加して重合反応を停止させ、次いで水洗
して未反応成分を除去して、ブテン‐1共重合体を得
た。
測定方法 得られたブテン‐1共重合体の物性および特性は以下
のようにして測定した。
のようにして測定した。
極限粘度[η] 135℃のデカリン中で測定した。
分子量分布(Mw/Mn) ウォーターズ社製GPC装置150CにショーデックスAD80
7、AD80M/Sをそれぞれ二本装着して測定した。なお、測
定温度は135℃である。
7、AD80M/Sをそれぞれ二本装着して測定した。なお、測
定温度は135℃である。
示差走査熱分析 得られたブテン‐1共重合体を乾燥して試料として用
いた。
いた。
この試料を10℃/分の昇温速度で0〜200℃まで昇温
して吸熱ピークを測定した。
して吸熱ピークを測定した。
プロピレンのブロック性 得られたブテン‐1共重合体の13C核磁気共鳴スペク
トルを測定し、その測定結果を前述のマクロモレキュラ
ーズに記載の方法を利用して各トライアッドの同定を行
ない、前述の次式により測定した。
トルを測定し、その測定結果を前述のマクロモレキュラ
ーズに記載の方法を利用して各トライアッドの同定を行
ない、前述の次式により測定した。
X=I/P 沸騰ジエチルエーテル可溶分量 得られたブテン‐1共重合体を乾燥後、厚さ1mmのプ
レスシートに成形し、1mm角に裁断した試料を用いて、
ジエチルエーテルで6時間ソックスレー抽出を行ない可
溶分量を求めた。
レスシートに成形し、1mm角に裁断した試料を用いて、
ジエチルエーテルで6時間ソックスレー抽出を行ない可
溶分量を求めた。
樹脂圧力 直径20mmのスクリュウを有するTダイキャスト成形機
を用いて、引取速度7m/分で厚さ20μmのフィルムを得
る条件における樹脂圧力を測定した。
を用いて、引取速度7m/分で厚さ20μmのフィルムを得
る条件における樹脂圧力を測定した。
ヘイズ ASTM-D-1003に準拠して測定した。
ヒートシール温度 得られた共重合体ペレットをスクリュー直径20mmのT
ダイキャスト成形機を用いて、引取速度7m/分で厚さ20
μmのフィルムを製造した。
ダイキャスト成形機を用いて、引取速度7m/分で厚さ20
μmのフィルムを製造した。
ヒートシーラーにより、このフィルム同士を所定の温
度で2kg/cm2の荷重をかけ、1秒間圧着して得た幅15mm
の試料を剥離速度20mm/分、剥離角度180°で剥離を行な
ったときの剥離抵抗力が300gのときの温度をヒートシー
ル温度とした。
度で2kg/cm2の荷重をかけ、1秒間圧着して得た幅15mm
の試料を剥離速度20mm/分、剥離角度180°で剥離を行な
ったときの剥離抵抗力が300gのときの温度をヒートシー
ル温度とした。
アイゾット衝撃強さ JIS-K-7110に準拠して測定した。なお、測定温度は0
℃である。
℃である。
得られた測定結果を第1表に記載する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−86586(JP,A) 特開 昭54−86587(JP,A) 特開 昭63−57611(JP,A) 特開 昭63−302(JP,A) 英国特許2074175(GB,A)
Claims (6)
- 【請求項1】プロピレン単位とブテン‐1単位とを1:99
〜35:65の範囲内のモル比で含むブテン系共重合体であ
って、該共重合体の極限粘度が、0.9〜7.2dl/gの範囲内
にあり、重量平均分子量/数平均分子量が4〜15の範囲
内にあり、示差走査熱量分析で測定した該共重合体の融
点の最高値と最低値との温度差が2〜40℃の範囲内にあ
り、核磁気共鳴スペクトル分析により測定した該共重合
体のプロピレンブロック性が0.01以下であり、そして、
該共重合体中における沸騰ジエチルエーテル可溶成分の
含有率が1〜45重量%の範囲内にあることを特徴とする
ブテン‐1共重合体。 - 【請求項2】示差走査熱量分析で測定したブテン‐1共
重合体の融点の最高値が、70〜115℃の範囲内にある前
記特許請求の範囲第1項に記載のブテン‐1共重合体。 - 【請求項3】示差走査熱量分析で測定したブテン‐1共
重合体の融点の最高値と最低値との温度差が5〜30℃の
範囲内にある前記特許請求の範囲第1項もしくは第2項
に記載のブテン‐1共重合体。 - 【請求項4】示差走査熱量分析で測定したブテン‐1共
重合体の融解熱量が2〜25cal/gの範囲内にある前記特
許請求の範囲第1項もしくは第2項に記載のブテン‐1
共重合体。 - 【請求項5】プロピレン単位とブテン‐1単位とを1:99
〜30:99の範囲内のモル比で含む前記特許請求の範囲第
1項に記載のブテン‐1共重合体。 - 【請求項6】核磁気共鳴スペクトル分析により測定した
ブテン‐1共重合体のプロピレンブロック性が、0〜0.
0085の範囲内にある前記特許請求の範囲第1項に記載の
ブテン‐1共重合体。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62066649A JPH0816132B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | ブテン−1共重合体 |
EP88112457A EP0353319A1 (en) | 1987-03-19 | 1988-08-01 | Butene-1 copolymer |
CN 88104786 CN1040037A (zh) | 1987-03-19 | 1988-08-02 | 丁烯-1共聚物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62066649A JPH0816132B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | ブテン−1共重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63230716A JPS63230716A (ja) | 1988-09-27 |
JPH0816132B2 true JPH0816132B2 (ja) | 1996-02-21 |
Family
ID=13321958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62066649A Expired - Lifetime JPH0816132B2 (ja) | 1987-03-19 | 1987-03-19 | ブテン−1共重合体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0353319A1 (ja) |
JP (1) | JPH0816132B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03126706A (ja) * | 1989-10-11 | 1991-05-29 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | パイプ用ブテン‐1‐プロピレンランダム共重合体および樹脂パイプ |
JP2509767B2 (ja) * | 1991-06-28 | 1996-06-26 | 出光石油化学株式会社 | オレフィン重合体の製造法 |
US5556820A (en) * | 1989-12-28 | 1996-09-17 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Catalyst component for olefin polymerization and process for producing polyolefins |
KR100598444B1 (ko) * | 1998-03-05 | 2006-07-10 | 바셀 테크놀로지 캄파니 비이브이 | 폴리부텐-1 (공)중합체 및 그것의 제조방법 |
JP4864274B2 (ja) * | 2000-07-03 | 2012-02-01 | 三井化学株式会社 | ブテン系共重合体、その樹脂組成物およびそれらの成形体並びにそれを製造する固体状チタン触媒およびその製造方法 |
KR101077463B1 (ko) | 2002-11-28 | 2011-10-27 | 바셀 폴리올레핀 이탈리아 에스.알.엘 | 부텐-1 공중합체 및 그들의 제조 방법 |
KR100472771B1 (ko) * | 2003-08-30 | 2005-03-14 | 주식회사 일렘테크놀러지홀딩스 | 고입체규칙성 폴리부텐-1 중합체 및 이의 고활성 제조방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2074175A (en) | 1980-04-21 | 1981-10-28 | Atlantic Richfield Co | Alpha-olefin copolymers and method of reducing hydrocarbon fluid friction loss in conduits |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6038414A (ja) * | 1983-08-12 | 1985-02-28 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 熱可塑性樹脂共重合体 |
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-
1988
- 1988-08-01 EP EP88112457A patent/EP0353319A1/en not_active Withdrawn
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS63230716A (ja) | 1988-09-27 |
EP0353319A1 (en) | 1990-02-07 |
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