JPH0826099B2 - ブテン−1共重合体 - Google Patents

ブテン−1共重合体

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JPH0826099B2
JPH0826099B2 JP18038487A JP18038487A JPH0826099B2 JP H0826099 B2 JPH0826099 B2 JP H0826099B2 JP 18038487 A JP18038487 A JP 18038487A JP 18038487 A JP18038487 A JP 18038487A JP H0826099 B2 JPH0826099 B2 JP H0826099B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はブテン−1共重合体に関する。さらに詳しく
は、本発明は、引張破断強度等の機械的特性、加工性等
に優れると共に、適当な柔軟性を有し、成形後の収縮率
が小さく、かつ低温での衝撃強度に優れ、たとえば、フ
ィルム、電線被覆材等などの種々の材料分野に好適に用
いることができるブテン−1共重合体に関する。
〔発明の背景〕
従来、ブテン−1共重合体として、ブテン−1単位と
C5以上のα−オレフィン単位からなる二元共重合体(特
開昭61−108614号公報)、ブテン−1単位とエチレン単
位からなる二元共重合体(特開昭61−108615号公報)な
どが知られている。ところで、一般にブテン−1共重合
体は、X線回析分析により、I型結晶およびII型結晶と
呼ばれる異なった結晶状態を示すことが知られている。
しかしながら、特開昭61−108614号公報に記載されて
いる共重合体は、II型結晶状態が安定化していて、I型
結晶状態への転移が生じにくい等の特徴を有している
が、低温衝撃特性が充分でないという新たな欠点を有し
ている。
一方、特開昭61−108615号公報に開示されている共重
合体は、低温衝撃強度が改良されているものの、II型結
晶状態からI型結晶状態への転移が生じて、成形品の収
縮が生じ易い等の欠点を有しており、製品としてその利
用範囲が限られる等の問題点を有していた。
[発明の目的] 本発明は、引張強度、衝撃強度等の機械的特性、加工
特性等に優れると共に、適当な柔軟性を有し、特に、低
温でも高い衝撃強度を有するなど低温衝撃特性に優れ、
さらに成形後の収縮率変化が小さいなどの優れた特性を
有するブテン−1共重合体を提供することを目的とす
る。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するための本発明の構成は、ブテン−
1単位60〜98.5モル%、エチレン単位0.5〜20モル%お
よび炭素数5以上のα−オレフィン単位1〜20モル%か
らなるブテン−1共重合体であって、前記ブテン−1共
重合体の135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度が
0.9〜7.2dl/gの範囲内にあり、密度が0.840〜0.920g/cm
3の範囲内にあり、重量平均分子量/数平均分子量が2
〜15の範囲内にあり、示差走査熱量計で測定した最高融
点が60〜120℃の範囲内にあり、そして、13C−NMRによ
り測定した前記エチレン単位と前記炭素数5以上のα−
オレフィン単位との隣接結合の数が炭素原子1000個当り
1以下であることを特徴とするブテン−1共重合体であ
る。
モノマー単位としてブテン−1共重合体中に組み込ま
れる前記炭素数5以上のα−オレフィンとしては、炭素
数12までのα−オレフィンが好適である。
具体的には、たとえば、ペンテン−1、ヘキセン−
1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン
−1、ドデセン−1などの直鎖状α−モノオレフィン、
4−メチルペンテン−1;ネオヘキセン、イソオクテン等
の分枝状α−モノオレフィン;ビニルシクロヘキサン、
ビニルシクロヘキセン等の脂環式α−モノオレフィン、
スチレン等の芳香族α−モノオレフィン;ペンタジエ
ン、5−ヘキサジエン等のα−ジエン類;などを挙げる
ことができる。
これらの中でも、ペンテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1等の炭
素数が5〜12程度である脂肪族α−モノオレフィンが好
ましく、特に、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチ
ルペンテン−1等が好ましい。
ブテン−1共重合体中のモノマー単位としてのこれら
のα−オレフィンは、一種単独であっても良いし、二種
以上であってもよい。
本発明のブテン−1共重合体は、ブテン−1単位
(a)と、エチレン単位(b)と、少なくとも1種の前
記例示の如き炭素数5以上のα−オレフィン単位(c)
とを含む。
本発明のブテン−1共重合体は、ブテン−1単位
(a)とエチレン単位(b)と少なくとも1種の前記例
示の如き炭素数5以上のα−オレフィン単位(c)との
合計モル量を100モル%としたときに、ブテン−1単位
(a)を60〜98.5モル%、好ましくは70〜97.3モル%、
エチレン単位(b)を0.5〜20モル%、好ましくは0.7〜
15モル%、そしてα−オレフィン単位(c)を1〜20モ
ル%、好ましくは2〜15モル%の割合で含んでいる(た
だし、前記炭素数5以上のα−オレフィン単位を2種類
以上含有する場合には、上記α−オレフィン単位(c)
の含有割合は、それらの合計モル数から計算されるもの
とする。)。
ブテン−1共重合体中のα−オレフィン単位(c)の
含有率が、1モル%未満であると、II型結晶からI型結
晶への転移が生じ、形成後の収縮率の計時変化の抑制効
果が不十分となり、形成品がしばしば変形することがあ
る。一方、(c)の含有率が、20モル%を越えると、ブ
テン−1共重合体が不均質になったり、成形品の表面に
べとつきが生じ、形成品の表面が汚れ易くなるなどの悪
影響が表れ商品価値が低下する。
前記エチレン単位(b)の含有率が0.5モル%未満で
あると、低温衝撃強度が不十分なものとなり、一方20モ
ル%を越えると、ブテン−1共重合体が不均質になった
り、成形品の表面にべとつき感が生じ、汚れ易いなど、
商品価値が低下する。
本発明のブテン−1共重合体は、135℃に加熱したデ
カリン溶液中で測定したその極限粘度[η]が、0.9〜
7.2dl/gの範囲内に、好ましくは1.0〜5l/gの範囲内にあ
る。この極限粘度[η]は、主に共重合体の成形性およ
び機械的強度に影響を与える。
極限粘度[η]が、0.9dl/gより低いと、ブテン−1
共重合体を用いて製造した成形物の機械的強度、特に耐
衝撃性が低下する。また、極限粘度[η]が7.2dl/gよ
り高いと、成形性が低下する。特に本発明においては、
極限粘度[η]を、1.0〜5dl/gの範囲内にすることによ
り、成形体の機械的強度およびブテン−1共重合体の成
形性が非常に良好になる。
本発明のブテン−1共重合体における分子量分布、す
なわち共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)は、2〜15の範囲内にある。こ
の分子量分布(Mw/Mn)は、得られる成形体に透明性を
付与すると共に、成形性および機械的強度に対しても影
響を及ぼす。従来の製造法で得られたブテン−1共重合
体は、この分子量分布の幅が狭くなる傾向があり、充分
な成形性を有する成形体を製造しにくく、さらにフィル
ム状に成形した場合に、フィルムの透明度が不充分にな
ることが多かった。
すなわち、分子量分布(Mw/Mn)が2に満たないブテ
ン−1共重合体は、成形時の流動性が十分でなくて成形
性が低下し、さらに、フィルム状に成形した場合の透明
度も不充分になることがあり、またメルトフラクチャー
等により、製品の外観不良を生じ、一方、分子量分布
(Mw/Mn)が15を超えると耐衝撃性などの機械的強度が
低下する。
特に本発明においては、分子量分布が2〜12の範囲内
にあるのが好ましい。この範囲内にあるブテン−1共重
合体は、良好な成形性および透明性を有していると共
に、特に機械性が良好である。
本発明のブテン−1共重合体は、示差走査熱量計を用
いて測定した最高融点が、60〜120℃の範囲内に、好ま
しくは70〜110℃の範囲内にある。なお、本発明におい
て、最高融点とは、乾燥処理した本発明のブテン−1共
重合体を10℃/分の昇温速度で0〜200℃まで昇温して
吸熱ピークを測定した際に最も高温側に表れるピークに
対応する温度である。
最高融点が60℃より低いと、常温でブテン−1共重合
体にべたつきが発生することがあり、通常は成形体原料
として使用することができない。また、最高融点が120
℃より高い場合には、ヒートシール温度が高くなるの
で、良好なヒートシールを行なうことができにくくな
る。
本発明のブテン−1共重合体は、13C−NMRの測定によ
るエチレン単位と炭素数5以上のα−オレフィン単位の
隣接結合の数が、炭素原子数1,000当り1以下、好まし
くは0.7以下である。この隣接結合の数が、炭素原子数
1,000当り1を超えると、ブテン−1共重合体の結晶性
が低下し、工業材料として適さない。
本発明のブテン−1共重合体は、その密度が0.840〜
0.920g/cm3、好ましくは0.85〜0.91g/cm3である。この
密度が0.840g/cm3未満であると、結晶性の低下が激しく
なり、機械的特性に劣るものとなり、一方、0.920g/cm3
を超えると、低温特性、結晶転移の抑制効果が小さくな
る。
本発明のブテン−1共重合体は、たとえば、触媒とし
て一般式 MgR1R2, Mg(OR1)mXn (ただし、式中、R1,R2はアルキル基,mは0≦m≦
2、nは0≦n≦2を満足する。) で示されるマグネシウムを含む特定の固体触媒成分、有
機アルミニウム化合物および特定の電子供与性化合物を
使用して、ブテン−1とエチレンと炭素数が5以上であ
る少なくとも1種のα−オレフィンとを気相にて反応さ
せることにより容易に製造することができる。
具体的には、特願昭61−144093号、特願昭61−196265
号、特願昭61−196266号および特願昭61−1967222号等
の明細書に記載された製造技術において、本発明の共重
合体の前記特性を目安として、製造条件を実験的に設定
することにより、製造することができる。
以下、本発明のブテン−1共重合体を製造する方法に
ついて、特願昭61−196266号明細書に記載された方法に
沿って説明するが、本発明のブテン−1共重合体がこの
製造法により拘束をされるものではない。
本発明の共重合体は、以下に記載する固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与
性化合物(C)からなる触媒の存在下に、気相重合条件
下で、ブテン−1とエチレンと炭素数が5以上である少
なくとも1種のα−オレフィンとを反応させることによ
り、容易に製造することができる。
固体触媒成分(A)は、 式:MgR1R2 (式中、R1及びR2は、炭素数1〜20のアルキル基を表
し、互いに同一であっても相違していても良い。)で示
される有機マグネシウム化合物の少なくとも一種を、少
なくとも一種の塩素化剤で塩素化して担体を得、この担
体を、電子供与体の存在下に、−25〜+180℃の範囲内
の温度において、四価チタンのハロゲン化物と接触させ
ることにより調製することができる。
有機マグネシウム化合物としては、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグ
ネシウム、エチルオクチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、ブチルヘキシルマグネシウム、ブチルオクチ
ルマグネシウム、ジシクロヘキシルマグネシウムなどの
アルキルマグネシウム化合物などを挙げることができ
る。
塩素化剤としては、塩素ガスおよび塩化アルキルを挙
げることができ、本発明においては、塩素ガスと塩化ブ
チルとを併用するのが好ましい。
塩素化は、通常は、0〜100℃(好ましくは20〜60
℃、特に好ましくは20〜40℃)で行う。
この塩素化によって、マグネシウム原子に結合してい
るアルキル基の一部が塩素原子で置換される。しかも、
アルキル基の少なくとも一部は残存しているので、この
残存するアルキル基の作用によって正常な結晶格子の生
成が妨げられ、適当な表面積および孔容積を有する非常
に小さい結晶径の非層状物が生成する。
このようにして得られた非層状物は、要すればアルコ
ール処理を行った後、非層状物を電子供与体の存在下に
四価チタンのハロゲン化物で処理する。四価チタンのハ
ロゲン化物による処理は、通常は、−25〜+180℃の範
囲内の温度で行なう。
前記四価チタンのハロゲン化物としては、テトラハロ
ゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチタン、ジハ
ロゲン化アルコキシチタン、モノハロゲン化トリアルコ
キシチタンなどを挙げることができ、本発明においては
特に四塩化チタンを用いるのが好ましい。
電子供与体としては、酸素、窒素、リンあるいは硫黄
を含有する有機化合物を使用することができる。
この電子供与体の具体例としては、アミン類、アミド
類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスホルア
ミド類、エステル類、エーテル類、チオエーテル類、チ
オエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、酸アミド
類、アルデヒド類、有機酸類、エステル類などを挙げる
ことができる。
これらの中でも好ましいのは、エステル類、エーテル
類、ケトン類、酸無水物類などであり、具体的な化合物
の例としては、安息香酸エチル、p−メトキシ安息香酸
エチル、p−エトキシ安息香酸エチル、トルイル酸メチ
ル、ジイソブチルフタレート、ベンゾキノン、無水安息
香酸、エチレングリコールブチルエーテルなどを挙げる
ことができる。
このようにして調製した固体触媒成分(A)は、ハロ
ゲン/チタン(モル比)が3〜200(好ましくは4〜10
0)であり、マグネシウム/チタン(モル比)が1〜90
(好ましくは5〜70)であるのが望ましい。
前記有機アルミニウム化合物(B)としては、特に制
限はないが、特にトリアルキルアルミニウムが好適であ
る。
電子供与性化合物(C)としては、次式(2)で表わ
される複素環式化合物を用いることができる。
(ただし、式中、R3およびR6は炭化水素基を、好まし
くは炭素数2〜5の置換または非置換の飽和または不飽
和の炭化水素を、また、R4、R5およびR7は水素または炭
化水素基を、好ましくは水素または炭素数1〜5の置換
または非置換の飽和または不飽和の炭化水素基をそれぞ
れ表わす。) この複素環式化合物として、たとえば、1,4−シネオ
ール、1,8−シネオール、m−シネオール、ピノール、
ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン(クマラ
ン)、2H−クロメン、4H−クロメン、クロマン、イソク
ロマン、ジベンゾフラン、キサンテンなどが挙げられ
る。これら各種の複素環式化合物は、一種単独で使用し
ても良いし、また二種以上を併用しても良い。
前記各種の複素環式化合物の中でも、特に1,8−シネ
オールが好ましい。
本発明のブテン−1共重合体を製造する際の触媒の組
成は、有機アルミニウム化合物(B)が、固体触媒成分
(A)中の四価チタン化合物中のチタン原子に対して、
通常は、0.1〜1000倍モル(好ましくは1〜500倍モル)
の範囲内になるようにする。また、電子供与性化合物
(C)は、固体触媒成分(A)中の四価チタン化合物に
おけるチタン原子に対して、通常は、0.1〜500倍モル
(好ましくは0.5〜200倍モル)の範囲内で使用する。
気相重合温度は、通常は45〜80℃(好ましくは50〜70
℃)である。
重合圧力は、原料成分の液化が実質的に起こらない範
囲内で適宜に設定することができ、通常の場合は、1〜
15Kg/cm2である。
また、ブテン−1とエチレンと炭素数が5以上の少な
くとも1種のα−オレフィンとの導入割合(%モル分
率)は、得ようとする共重合体におけるそれぞれのモノ
マー単位の前記%モル分率の範囲内で適宜に設定するこ
とができる。
また、分子量を調節する目的で、水素のような分子量
調節剤を共存させても良い。さらにまた、共重合体の凝
集防止を目的として、ブテン−1より沸点の低い不活性
ガス(例、窒素、メタン、エタンおよびプロパン)を共
存させることもできる。
こうして得られた本発明のブテン−1共重合体は、フ
ィルム状の成型体、電線被覆材あるいは各種パイプなど
に好適な材料として好適に使用することができる。
[発明の効果] 本発明は、適度の柔軟性を有し、II型結晶状態が安定
化しており、成形後の収縮率変化が小さく、かつ低温に
おいても高い衝撃強度を維持するなど低温衝撃性に優れ
たブテン−1共重合体を提供することができる。
本発明のブテン−1共重合体は、従来のブテン−1共
重合体と比較すると分子量分布幅が広いために良好な加
工特性を有している。すなわち、成形の際の成形圧力が
良好な範囲内にあり、さらに得られた成形体の外観が非
常に良好であると共に、成形品の表面のベト付きが生じ
なく、さらにフィルム状の成形体にした場合に、フィル
ムの透明度が良好である。
また、フィルム状成形体を用いてヒートシールを行な
う際の温度が良好な範囲内にあり、しかもヒートシール
性も良好である。
さらに、本発明のブテン−1共重合体は、良好な機械
的特性を有しており、特に引張り衝撃強度が大きく、耐
衝撃性にも優れている。
[実施例] 次に本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1) 固体触媒成分(A)の調製 ブチルオクチルマグネシウム(20%ヘプタン溶液)30
0mlを、機械式攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、ガス
供給弁および温度計を備えた五ツ口フラスコに仕込み、
フラスコ内に窒素を導入して、フラスコ内を不活性雰囲
気に保ち、これに、ブチルクロライド5mlを滴下ロート
を用いて室温で加えた。その後、塩素ガスを5ml/分の速
度で加えて塩素化した。
次に、25〜35℃で、2.5mlのシリコンオイルを加え、
さらにこの混合物中に113mlのエタノールを滴下した。
エタノールの添加によって生成した塩素化物が沈殿し
た。この沈殿物を含む混合液を40℃で1時間攪拌した
後、温度を75〜80℃に上げ、溶液をこの温度で一夜放置
した。
この温度溶液をジイソブチルフタレート(電子供与
体)と過剰量のTiCl4とを含む−25℃に冷却した溶液中
にサイフォンで静かに加え、この低温TiCl4中に反応中
間体を沈澱させた。次に、この沈殿物を含む混合溶液を
室温にまで昇温した。
次いで、この沈殿物を含む混合溶液に、電子供与体と
してジイソブチルフタレートをさらに加え、温度を100
〜110℃に上げ、混合溶液をこの温度で1時間保った。
反応生成物を沈澱させ、85℃のヘプタンで5〜6回洗浄
し、溶液をサイフォンで他の容器に移した。
さらに、この溶液に過剰量のTiCl4を加え、混合物を1
10℃で1時間攪拌した。生成した沈降物と溶液とをサイ
フォンで分離した後、生成した触媒成分(沈殿物)を数
回ヘプタンで洗浄した(80℃で5〜6回)。
得られた沈殿を集めて弱い減圧下で乾燥した。このよ
うにして、Ti含有量が3.0重量%である固体触媒成分
(A)を得た。
触媒の調製 前記で得られた固体触媒成分(A)を1中のチタ
ン濃度が2ミリモルになるように、触媒調製槽に投入し
た。この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム30
ミリモル/l、および1,8−シネオール12ミリモル/lを投
入した。その後、チタン原子1ミルモル当り50gとなる
割合でプロピレンを投入し、触媒調製槽内を40℃に昇温
し、触媒調製のための反応を行なった。
ブテン−1共重合体の製造 直径300mm、容積100lの流動層重合器を使用し、前記
で得た触媒をTi原子換算で3.6ミリモル/lに再調製し
たTi触媒スラリーを、触媒調製槽から前記重合器に0.15
l/時間の流量で、またトリイソブチルアルミニウム30ミ
リモル/時間の流量で、また1,8−シネオール24ミリモ
ル/時間の流量でそれぞれ前記重合器に供給した。
ブテン−1の分圧を3Kg/cm2に、窒素の分圧を4Kg/cm2
に、水素ガスの分圧を生成ポリマーの極限粘度が第1表
の値になるようにそれぞれ調整し、ガス空塔速度が35cm
/秒の速度となるようにブテン−1、エチレン、ヘキセ
ン−1、水素ガスおよび窒素ガスを供給し、反応温度60
℃で重合を行なった。
(実施例2〜6ならびに比較例1および2) ブテン−1および第1表に示すコモノマーを表示の含
有量に対応する供給速度とした他は、実施例1と同様に
してブテン−1共重合体を製造した。
(比較例3〜5) 固体触媒の成分の調製 加熱乾燥した500ml容量のガラス製三つ口フラスコ
(温度計、攪拌機付き)に、75mlの乾燥ヘプタン、75ml
のチタンテトラブトキシおよび10gの無水塩化マグネシ
ウムを完全に溶解させた。次いで、この溶液を40℃にま
で冷却し、メチルハイドロジェンポリシロキサン15mlを
加えることにより、塩化マグネシウム・チタンテトラブ
トキシド錯体を析出させた。これを精製ヘプタンで洗浄
した後、四塩化ケイ素8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8ml
とを加えて50℃で2時間保持した。この後、さらに精製
ヘプタンで洗浄して固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有率は、3.0重量
%でありフタル酸ジヘプチル含有率は25.0重量%であっ
た。
ブテン−1共重合体の調製 20lの重合器へ1時間当り5kgのブテン−1および第1
表に示すプロピレン単位量となる量のプロピレン、10ミ
リモルのトリエチルアルミニウム、1ミリモルのビニル
トリエトキシシランおよびチタン原子に換算して0.05ミ
リモルの上記で得た固体触媒を連続的に導入して、気
相のブテン−1、エチレン、ヘキセン−1および水素の
分圧を調整して生成するブテン−1共重合体の組成比お
よび極限粘度が第1表に記載の値になるようにした。な
お、反応温度を70℃に保った。
反応容器の液量が10lになるように重合液を連続的に
抜き取り、抜き取った反応生成物に少量のエタノールを
添加して重合反応を停止させると共に、未反応成分を除
去して、ブテン−1共重合体を得た。
測定方法 得られたブテン−1共重合体の物性および特性は以下
のようにして測定した。
極限粘度[η] 135℃のデカリン中で測定した。
密度 JIS−K7112により密度勾配管法に準拠して測定した。
分子量分布(Mw/Mn) ウォーターズ社製GPC装置150CにショーデックスAD80
7、AD80M/Sをそれぞれ二本装着して測定した。なお、測
定温度は135℃である。
示差走査熱分析 得られたブテン−1共重合体を乾燥して試料として用
いた。
この試料を10℃/分の昇温速度で0〜200℃まで昇温
して吸熱ピークを測定した。
共重合体中の炭素数5以上のα−オレフィン単位とエチ
レン単位との隣接結合の数(炭素原子1,000当り) 400MHzの13C−NMR測定装置を用いて測定した。第1表
中の数値(n/1,000C)は炭素数1,000当りの数を示す。
II型結晶からI型結晶への転移時間 X線回折装置を用い、I型結晶の110面からの反射、I
I型結晶の200面からの反射のそれぞれの積分強度[I
(110)、I(200)]を測定し、 I(110)/{I(110)+I(200)}の値が0.5とな
るまでに要する時間(時間)を採用した。
収縮率変化 各サンプルを射出成形した後、1時間後の成形収縮率
(a1)と11日後の成形収縮率(a2)とを測定し、a2/a1
を収縮率変化とした。なお、成形品のMD方向のデータを
使用した。
表面のベト付き 各サンプルを射出成形後、10日後に試験片の表面を手
で触り、指紋の後が残るかどうかを目視にて観察した。
引張り試験法 JIS−K7113に準拠して測定した。
アイゾット衝撃強さ JIS−K−7110に準拠して測定した。
得られた測定結果を第1表に記載する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 210:14) (56)参考文献 特開 昭55−73712(JP,A) 特開 昭58−8711(JP,A) 特開 昭58−40307(JP,A) 特表 昭61−502061(JP,A) 特表 昭60−501609(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブテン−1単位60〜98.5モル%、エチレン
    単位0.5〜20モル%および炭素数5以上のα−オレフィ
    ン単位1〜20モル%からなるブテン−1共重合体であっ
    て、前記ブテン−1共重合体の135℃のデカリン溶液中
    で測定した極限粘度が0.9〜7.2dl/gの範囲内にあり、密
    度が0.840〜0.920g/cm3の範囲内にあり、重量平均分子
    量/数平均分子量が2〜15の範囲内にあり、示差走査熱
    量計で測定した最高融点が60〜120℃の範囲内にあり、
    そして、13C−NMRにより測定した前記エチレン単位と前
    記炭素数5以上のα−オレフィン単位との隣接結合の数
    が炭素原子1000個当り1以下であることを特徴とするブ
    テン−1共重合体。
  2. 【請求項2】前記炭素数5以上のα−オレフィンが、ヘ
    キセン−1、オクテン−1、または4−メチル−ペンテ
    ン−1である前記特許請求の範囲第1項に記載のブテン
    −1共重合体。
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