JPH1143564A - フィルム及び積層体 - Google Patents

フィルム及び積層体

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JPH1143564A
JPH1143564A JP7812598A JP7812598A JPH1143564A JP H1143564 A JPH1143564 A JP H1143564A JP 7812598 A JP7812598 A JP 7812598A JP 7812598 A JP7812598 A JP 7812598A JP H1143564 A JPH1143564 A JP H1143564A
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JP
Japan
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copolymer
butene
olefin
film
weight
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Application number
JP7812598A
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Inventor
Takashi Yamawaki
隆 山脇
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Neste Oyj
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Neste Oyj
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2323/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers
    • C08J2323/02Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers not modified by chemical after treatment
    • C08J2323/10Homopolymers or copolymers of propene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2323/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers
    • C08J2323/02Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers not modified by chemical after treatment
    • C08J2323/18Homopolymers or copolymers of hydrocarbons having four or more carbon atoms
    • C08J2323/20Homopolymers or copolymers of hydrocarbons having four or more carbon atoms having four to nine carbon atoms

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒ−トシ−ル性、透明性、耐ブロッキング
性、表面光沢等に優れ、べたつきのないフィルム、積層
体の提供。 【解決手段】 (A)プロピレン共重合体25〜97重
量%と(B)特定の炭素数2〜8のα−オレフィン単位
含有量、特定の極限粘度、特定の重量平均分子量/数平
均分子量値、融点の最高値と最低値の温度差が特定範囲
内であり、特定のα−オレフィンブロック性を有するブ
テン−1共重合体75〜3重量%を含有するオレフィン
共重合体組成物よりなるフィルム及び積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なフィルム及び
積層体に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、優れ
たヒ−トシ−ル性を有し、かつ透明性、耐ブロッキング
性、表面光沢などに優れ、べたつきのないフィルム、及
び積層体等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン樹脂は、剛性、耐
衝撃性などの機械的特性や透明性などの光学特性に優れ
ていることから、フイルム分野などにおいて幅広く用い
られている。しかしながら、このポリプロピレン樹脂
は、単独ではフイルムに成形した場合に、ヒ−トシ−ル
温度が高いという欠点を有している。
【0003】そこで、ポリプロピレンフイルムのヒ−ト
シ−ル性を改善するために、ポリプロピレン樹脂にブテ
ン−1共重合体を配合した組成物が提案されている(特
開昭61−108646号公報、特開昭61−1086
47号公報)。しかしながら、この組成物においては、
使用するブテン−1共重合体が、塩化マグネシウム担持
型触媒を用いて溶液重合法により得られたものであっ
て、分子量分布が狭く、加工特性が不十分であるため、
該組成物をフイルム成形した場合に透明性が低下すると
いう欠点がある。
【0004】また、触媒として三塩化チタンを用いて得
られたブテン−1共重合体は、ランダム性が低く、透明
性が悪いため、このものを配合した組成物から得られた
ポリプロピレン系フィルムも透明性が不十分になるのを
免れなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ヒ−トシ−ル性に優れる上に、透明性、
耐ブロッキング性、表面光沢などにも優れ、しかもべた
つきのないフィルム及び積層体を提供することを目的と
してなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するオレフィン共重合体組成物を開発す
るために鋭意研究を重ねた結果、プロピレン共重合体と
特定のブテン−1共重合体とを、それぞれ所定の割合で
含有してなる組成物が、その目的に適合しうることを見
い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、(A)メルトインデ
ックスが0.1〜25g/10分であるプロピレン共重
合体25〜97重量%、および(B)炭素数2〜8のα
−オレフィン単位含有量が1〜35モル%、極限粘度が
0.9〜7.2dl/g、重量平均分子量/数平均分子
量値が4〜15、示差走査熱量分析による融点の最高値
と最低値の温度差が2〜40℃であり、かつ核磁気共鳴
スペクトル分析により測定したα−オレフィンブロック
性が0.015以下であり、沸騰ジエチルエーテル可溶
成分の含量が1〜45重量%であるブテン−1共重合体
75〜3重量%を含有してなるオレフィン共重合体組成
物を製膜してなることを特徴とするフィルムであり、ま
た、本発明は、前記オレフィン共重合体組成物で形成さ
れた層を少なくとも有してなることを特徴とする積層体
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明におけるオレフィン共重合体組成物
において、(A)成分として用いられるプロピレン共重
合体としては、プロピレンを主成分とし、これと他のα
−オレフィンとを共重合させてなる、結晶性のランダム
共重合体を好ましく挙げることができる。
【0010】このプロピレン共重合体におけるプロピレ
ン単位と他のα−オレフィン単位の含有量は、通常それ
ぞれ90〜99.5重量%および10〜0.5重量%の
範囲、好ましくはそれぞれ92〜99重量%および8〜
1重量%の範囲で選ばれる。プロピレンと共重合させる
他のα−オレフィンとしては、たとえばエチレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペン
テン−1などが挙げられる。これらのα−オレフィンは
それぞれ単独でプロピレンと共重合させてもよいし、2
種以上を組み合わせて共重合させてもよい。
【0011】このプロピレン共重合体は、メルトインデ
ックスが通常0.1〜25g/10分、好ましくは0.
5〜20g/10分の範囲にある。
【0012】本発明におけるオレフィン共重合体組成物
においては、(B)成分としてブテン−1共重合体が用
いられる。
【0013】このブテン−1共重合体は、ブテン−1単
位と炭素数2〜8のα−オレフィン単位とを含有し、か
つ該α−オレフィン単位の含有量が1〜35モル%の範
囲にあることが必要である。このα−オレフィン単位の
含有量が1モル%未満では、該オレフィン共重合体組成
物から得られるフイルムのヒ−トシ−ル温度の低下が不
十分であり、35モル%を超えると得られるフイルムの
表面がべとついたりして、フイルムの表面特性が悪化す
る傾向がある。該α−オレフィン単位の好ましい含有量
は3〜30モル%の範囲で選ばれる。
【0014】前記の炭素数2〜8のα−オレフィン単位
を構成する単量体としては、たとえばエチレン、プロピ
レン、ヘキセン−1などを好ましく挙げることができ
る。これらのα−オレフィン単量体は、それぞれ単独で
ブテン−1と共重合させてもよいし、2種以上を組み合
わせて共重合させてもよい。
【0015】また、該ブテン−1共重合体は、温度13
5℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が0.
9〜7.2dl/gの範囲にあることが必要である。こ
の極限粘度[η]は主にオレフィン共重合体組成物の成
形性および機械的強度に影響を与え、この値が0.9d
l/g未満のものでは、該オレフィン共重合体組成物か
ら得られるフイルム及び積層体の機械的特性、特に耐衝
撃性が劣るし、また7.2dl/gを超えると該オレフ
ィン共重合体組成物の成形性が低下する傾向にある。特
にブテン−1共重合体の極限粘度[η]を1.0〜4.
0g/dlの範囲に調整することにより、本発明におけ
るオレフィン共重合体組成物よりなるフィルムの機械的
特性が極めて良好になり、成形性も向上する。
【0016】前記ブテン−1共重合体の分子量分布、す
なわち数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量
(Mw)の比(Mw/Mn)は4〜15の範囲にあるこ
とが必要である。この分子量分布は、得られる成形体の
透明性および機械的強度に影響を及ぼす上に、該オレフ
ィン共重合体組成物の成形性にも影響を与える。前記M
w/Mnが4未満では、該オレフィン共重合体組成物の
成形性が十分ではない上に、成形して得られるフイルム
及び積層体の透明度が不十分であるし、また15を超え
ると得られるフイルム及び積層体の透明性が低下する傾
向にある。
【0017】従来の製造法で得られたブテン−1共重合
体は、この分子量分布の幅が狭くなる傾向があって、成
形性が十分ではなく、また得られるフイルム及び積層体
の透明度が不十分であるものが多かった。
【0018】本発明においては、該ブテン−1共重合体
は、Mw/Mnが4〜10の範囲にあるものが好まし
く、このブテン−1共重合体を用いた本発明におけるオ
レフィン共重合体組成物は良好な成形性を有すると共
に、機械的特性や透明性が特に優れるフイルム及び積層
体を与えることができる。
【0019】前記(B)成分のブテン−1共重合体を示
差走査熱量分析装置を用いて分析を行うと、最低融点お
よび最高融点を示す二種類の吸熱カ−ブが得られる。こ
のうち、最高融点は、通常、70〜110℃の範囲内に
ある。なお、本発明において、乾燥処理した該ブテン−
1共重合体を10℃/分の昇温速度で0℃から200℃
まで昇温して吸熱ピ−クを測定した際に最も高温側に表
れるピ−クが最高融点であり、最も低温側のピ−クまた
はショルダ−が最低融点である。
【0020】本発明におけるオレフィン共重合体組成物
においては、該ブテン−1共重合体はこの示差走査熱量
分析装置を用いて測定した最高融点と最低融点(融点の
最高値と最低値との温度差)との差が2〜40℃、好ま
しくは5〜30℃の範囲内にあることが必要である。こ
の温度差は、加工特性及びフイルム状成形体を重ねて加
熱圧着する際の温度(ヒ−トシ−ル温度)に特に影響を
与える。
【0021】すなわち、上記の温度差が2℃より小さい
と、ヒ−トシ−ル温度が高くなり、フイルム及び積層体
に成形した場合のヒ−トシ−ル性が悪くなり、一方、温
度差が40℃を超えると、ブテン−1共重合体が粘着性
を帯びるようになり、オレフィン共重合体組成物の成形
性能が低下する。殊に、最高融点が70℃より低いと、
常温でブテン−1重合体にべたつきが発生することがあ
り、常温では成形体の素材として使用することができな
い。また、高温融点が110℃以上の場合には、ヒ−ト
シ−ル温度が高くて、良好なヒ−トシ−ルを行うことが
できない。
【0022】また、上記の示差走査熱分析により測定し
た該ブテン−1共重合体の融点熱量(示差走査熱分析に
より現れるピ−クまたはショルダ−のベ−スラインを結
ぶ直線により決定する)は、2〜25cal/gの範囲
内にあるのが好ましい。融解熱量が2cal/gより低
いとブテン−1共重合体がべとつき易くなることがあ
り、他方、25cal/gより高いとフイルム状成形体
の透明度が低下することがある。
【0023】さらに、前記ブテン−1共重合体は、該磁
気共鳴スペクトル分析により測定したα−オレフィンの
ブロック性が0.015以下であることが必要である。
このブロック性は得られるフイルムのヒ−トシ−ル温度
に影響を与え、その値が低いほどヒ−トシ−ル温度を低
下させる効果が大きい。該ブロック性の値が0.015
を超えると、本発明におけるオレフィン共重合体組成物
から得られるフイルム及び積層体のヒ−トシ−ル温度を
低下させる効果が十分に発揮されない。このブロック性
の好ましい値は、ブテン−1と共重合させるα−オレフ
ィンの種類によって、適宜選ばれる。
【0024】該ブテン−1共重合体におけるα−オレフ
ィンのブロック性(X)は、該ブテン−1共重合体の13
C−NMRを測定し、その測定結果を『マクロモレキュ
−ルズ(Macromolecules)』第15巻、
第353ペ−ジ(1982年)に記載の方法を利用して
各トライアッドの同定を行うことにより、次式[1]に
よりブテン−1共重合体の主鎖におけるα−オレフィン
のブロック性(X)を測定することができる。
【0025】X=I/O・・・・[1] ここで、式[1]中、Iは、ブテン−1共重合体中にお
けるα−オレフィン連鎖のブロック重合割合であり、通
常は次式で表わされる。
【0026】α−オレフィン単位がプロピレン単位であ
る場合、Iは次式で表わされる。
【0027】I=Ipp/IPB・・・[2] また、前記式[1]中、Oは、ブテン−1共重合体にお
けるα−オレフィン単位含有率である。α−オレフィン
単位がプロピレン単位である場合、Oはプロピレン単位
含有率Pである。プロピレン単位含有率Pは、通常、次
式で表わされる。
【0028】 P(モル%)=[{IPP+(IPB/2)}/(IPP+IPB+IBB)]×100 ・・・[3] ただし、上記式において、IPPは、IPPPP+IPPPB+I
BPPBのプロピレン単位連鎖のシ−クエンスのピ−ク強度
を示し、IPBは、IBPBP+IBPBB+IPPBB+IPPBPのプ
ロピレン−ブテン−1連鎖のシ−クエンスのピ−ク強度
を示し、そして、IBBは、IBBBB+IPBBB+IPBBPのブ
テン−1連鎖のシ−クエンスのピ−ク強度を示す。
【0029】本発明におけるブテン−1共重合体がブテ
ン−1とプロピレンとの共重合体である場合、ブテン−
1共重合体中のプロピレンのブロック性(X)は0.0
1以下であることが好ましい。
【0030】また、ブテン−1共重合体がエチレンとブ
テン−1との共重合体である場合、前記式[1]中のI
はブテン−1共重合体中におけるエチレン単位連鎖のブ
ロック重合割合である。このエチレン単位連鎖のブロッ
ク重合割合は、通常、次式で表わされる。
【0031】 I=IEEE /(IBBE +IEBE +IBEB )・・・[4] また、α−オレフィンのブロック性(X)を規定するO
は、α−オレフィン単位がエチレン単位である場合、ブ
テン−1共重合体内のエチレン単位含有率Eである。こ
のエチレン単位含有率Eは、通常、次式で表わされる。
【0032】 E(モル%)=[{(IEEE /2)+IEEE +IEEB }/{IBBB +IBBE + IBEB +(IEEE /2)+IEBE +IEEB }]×100・・・[5] ただし、上記式において、たとえば、IEEE は、ブテン
−1共重合体内における、エチレン−エチレン−エチレ
ンの存在モル数を表わし、以下同様にIBBE 、IEBE
よびIBEB などについても、ブテン−1共重合体内の3
個の繰り返し単位に注目してこれを1ユニットとした場
合のそのユニットの種類を示す。
【0033】該ブテン−1共重合体がエチレンとブテン
−1との共重合体である場合、該共重合体内のエチレン
のブロック性(X)は0.015以下であることが好ま
しい。
【0034】さらに、該ブテン−1共重合体が、ヘキセ
ン−1とブテン−1との共重合体である場合、前記式
[I]中のIはブテン−1共重合体内におけるヘキセン
−1単位連鎖のブロック重合割合である。このヘキセン
−1単位連鎖のブロック重合割合は、通常、次式で表わ
される。
【0035】I=ICH2(HH) /ICH2(BH) ・・・[6] そして、上記式においてICH2(HH) は、別に調製したポ
リヘキセン−1の核磁気共鳴スペクトルから測定した主
鎖に帰属する−CH2 −の強度を示し、ICH2(BH) は、
ブテン−ヘキセン連鎖またはヘキセン−ブテン−連鎖の
主鎖に帰属する−CH2 −の強度を示す。
【0036】また、α−オレフィンのブロック性(X)
を規定するOは、α−オレフィン単位がヘキセン−1単
位である場合、ブテン−1共重合体内のヘキセン−1単
位含有率Hである。このヘキセン−1単位含有率Hは、
通常次式で表わされる。
【0037】 H(モル%)=[IBr(H) /{IBr(B) +IBr(H) }]×100・・・[7] ただし、上記式において、IBr(H) は、ヘキセン−1単
位を中心としたすべてのシ−クエンスを含むものの強度
を示す。たとえば、ヘキセン−1単位を「H」で示し、
ブテン−1単位を「B」で示すと、−H−H−H−、−
B−H−H−および−B−H−Bなどの強度である。
【0038】また、IBr(B) は、ブテン−1単位を中心
としたすべてのシ−クエンスを含むものの強度を示す。
例えば、−B−B−B−、−B−B−H−および−H−
B−H−などの強度である。
【0039】該ブテン−1共重合体がヘキセン−1とブ
テン−1との共重合体である場合、該ブテン−1共重合
体内のヘキセン−1のブロック性は0.005以下であ
ることが好ましい。
【0040】また、該ブテン−1共重合体は、沸騰ジエ
チルエ−テル可溶成分の含有量が1〜45重量%の範囲
にある。一般に、沸騰ジエチルエ−テルに対する溶解性
は、共重合体の重合度が高くなるほど、あるいは結晶性
が増すほど低下する傾向にある。この可溶成分の含有量
が1重量%未満のものでは、該組成物から得られるフイ
ルムの透明度が低いことがあり、一方45重量%を超え
るとフイルムにべたつきが発生するおそれがあり、好ま
しくない。
【0041】本発明におけるオレフィン共重合体組成物
における(B)成分のブテン−1共重合体としては、前
記したような組成や物性を有するものが使用されるが、
ブテン−1と共重合させるα−オレフィンの種類によっ
て、該共重合体の組成や物性は前記範囲内において適宜
選ばれる。
【0042】該ブテン−1共重合体としては、たとえば
エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−
1共重合体、ヘキセン−1−ブテン−1共重合体などを
挙げることができる。前記のエチレン−ブテン−1共重
合体としては、たとえばエチレン単位の含有量が1〜1
5モル%、極限粘度が0.9〜7.0dl/g、重量平
均分子量/数平均分子量の値が4〜15、示差走査熱量
分析で測定した融点の最高値と最低値との温度差が2〜
40℃、前記のようにして測定したエチレンブロック性
が0.015以下で、かつ沸騰ジエチルエ−テル可溶成
分の含有量が3〜25重量%の範囲にあるものが好まし
く用いられる。
【0043】また、プロピレン−ブテン−1共重合体と
しては、たとえばプロピレン単位の含有量が1〜35モ
ル%、極限粘度が0.9〜7.2dl/g、重量平均分
子量/数平均分子量値が4〜15、示差走査熱量分析で
測定した融点の最高値と最低値との温度差が2〜40
℃、前記のようにして測定したプロピレンブロック性が
0.01以下で、かつ沸騰ジエチルエ−テル可溶成分の
含有量が1〜45重量%の範囲にあるものが好ましく用
いられる。
【0044】さらに、ヘキセン−1とブテン−1との共
重合体としては、たとえばヘキセン−1単位の含有量が
1〜20モル%、極限粘度が0.9〜7.2dl/g、
重量平均分子量/数平均分子量値が4〜15、示差走査
熱量分析で測定した融点の最高値と最低値との温度差が
2〜40℃、前記のようにして測定したヘキセン−1ブ
ロック性が0.005以下で、かつ沸騰ジエチルエ−テ
ル可溶成分の含有量が3〜30重量%の範囲にあるもの
が好ましく用いられる。
【0045】本発明におけるオレフィン共重合体組成物
において、(B)成分として用いるブテン−1共重合体
は、たとえば触媒として、一般式 MgR12 又は Mg(OR1mn (式中のR1 およびR2 は炭素数1〜20のアルキル
基、Xはハロゲン原子、mおよびnはそれぞれ0〜2の
数である)で示されるマグネシウムを含む特定の固定触
媒成分、有機アルミニウム化合物および特定の電子供与
性化合物を使用して、α−オレフィンとブテン−1とを
気相にて反応させることにより、容易に製造することが
できる。
【0046】具体的には、特願昭61−144093
号、特願昭61−196265号、特願昭61−196
266号および特願昭61−196722号などの明細
書に記載された製造技術において、該共重合体の前記特
性を目安として、製造条件を実験的に設定することによ
り、製造することができる。
【0047】以下、(B)成分のブテン−1共重合体を
製造する方法について、特願昭61−196266号明
細書に記載された方法に従って説明するが、本発明のブ
テン−1共重合体がこの製造法によりなんら限定される
ものではない。
【0048】(B)成分の共重合体は、以下に記載する
固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)お
よび電子供与性化合物(C)からなる触媒の存在下に、
気相重合条件下で、ブテン−1とα−オレフィンとを反
応させることにより、容易に製造することができる。
【0049】固体触媒成分(A)は、 MgR12 (式中、R1 及びR2 は、同一であってもよいし、異な
っていてもよく、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基
である)で示される有機マグネシウム化合物の少なくと
も一種を、少なくとも一種の塩素化剤で塩素化して担体
を得、この担体を、電子供与体の存在下に、−25〜+
180℃の範囲内の温度において、四価チタンのハロゲ
ン化物と接触させることにより調製される。
【0050】有機マグネシウム化合物としては、ジエチ
ルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘ
キシルマグネシウム、エチルオクチルマグネシウム、ジ
ブチルマグネシウム、ブチルヘキシルマグネシウム、ブ
チルオクチルマグネシウムおよびジシクロヘキシルマグ
ネシウムなどのアルキルマグネシウム化合物を挙げるこ
とができる。
【0051】塩素化剤としては、塩素ガスおよび塩化ア
ルキルを挙げることができ、本発明においては、塩素ガ
スと塩化ブチルとを併用することが好ましい。
【0052】塩素化は、通常0〜100℃、好ましくは
20〜60℃、より好ましくは20〜40℃の範囲の温
度において行われる。
【0053】この塩素化によって、マグネシウム原子に
結合しているアルキル基の一部が塩素原子で置換され
る。しかも、アルキル基の少なくとも一部は残存してい
るので、この残存するアルキル基の作用によって正常な
結晶格子の生成が妨げられ、適当な表面積および孔容積
を有する非常に小さい結晶径の非層状物が生成する。
【0054】このようにして得られた非層状物は、要す
ればアルコール処理を行った後、非層状物を電子供与体
の存在下に四価チタンのハロゲン化物で処理する。四価
チタンのハロゲン化物による処理は、通常は、−25〜
+180℃の範囲内の温度で行われる。
【0055】前記四価チタンのハロゲン化物としては、
テトラハロゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキシチ
タン、ジハロゲン化アルコキシチタンおよびモノハロゲ
ン化トリアルコキシチタンなどを挙げることができ、本
発明においては特に四塩化チタンを用いるのが好まし
い。
【0056】電子供与体としては、酸素、窒素、リンあ
るいは硫黄を含有する有機化合物を使用することができ
る。
【0057】この電子供与体の具体例としてはアミン
類、アミド類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、
ホスホルアミド類、エステル類、エーテル類、チオエー
テル類、チオエステル類、酸無水物類、酸ハライド類、
酸アミド類、アルデヒド類、有機酸類およびエステル類
を挙げることができる。
【0058】このうち好ましいのは、エステル類、エー
テル類、ケトン類、酸無水物類などであり、具体的な例
としては、安息香酸エチル、p−メトキシ安息香酸エチ
ル、p−エトキシ安息香酸エチル、トルイル酸メチル。
ジイソブチルフタレート、ベンゾキノン、無水安息香酸
およびエチレングリコールブチルエーテルなどを挙げる
ことができる。
【0059】このようにして調製した固体触媒成分
(A)につき、好ましいハロゲン/チタン(モル比)は
3〜200、特に好ましくは4〜100の範囲であり、
またマグネシウム/チタン(モル比)は1〜90、特に
好ましくは5〜70の範囲である。
【0060】前記有機アルミニウム化合物(B)として
は、特に制限はないが、トリアルキルアルミニウムが好
適である。
【0061】電子供与性化合物(C)としては、一般式
【0062】
【化1】
【0063】(式中のR3 よびR6 は炭化水素基、好ま
しくは炭素数2〜5の置換または無置換の飽和または不
飽和の炭化水素を、R4 、R5 よびR7 は水素原子また
は炭化水素基、好ましくは水素原子または炭素数1〜5
の置換または無置換の飽和または不飽和の炭化水素基を
それぞれ示す)で表される複素環式化合物を用いること
が望ましい。
【0064】この複素環式化合物として、たとえば、
1,4−シネオール、1,8−シネオール、m−シネオ
ール、ピノール、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベン
ゾフラン(クマラン)、2H−クロメン、4H−クロメ
ン、クロマン、イソクロマン、ジベンゾフランおよびキ
サンテンなどが挙げられる。これら各種の複素環式化合
物は、1種単独で使用しても良いし、また2種以上を併
用しても良い。
【0065】前記各種の複素環式化合物の中でも、特に
1,8−シネオールが好ましい。
【0066】(B)成分のブテン−1共重合体を製造す
る際の触媒は、有機アルミニウム化合物(B)が固体触
媒成分(A)中の四価チタン化合物中のチタン原子に対
して、通常は、0.1〜1000倍モル好ましくは1〜
500倍モルの範囲内になるような組成に調製すること
が望ましい。また、電子供与性化合物(C)は、固体触
媒成分(A)中の四価チタン化合物におけるチタン原子
に対して、通常0.1〜500倍モル、好ましくは0.
5〜200倍モルの範囲で使用される。
【0067】気相重合温度は、通常45〜80℃、好ま
しくは50〜70℃の範囲で選ばれる。また重合圧力
は、原料成分の液化が実質的に起こらない範囲内で適宜
設定することができ、通常は1〜15kg/cm2 の範
囲で選ばれる。
【0068】さらに、α−オレフィンとブテン−1との
導入モル比は、得られる共重合体中のα−オレフィン単
位の含有量が1〜35モル%の範囲になるように適宜選
ばれる。
【0069】また、分子量を調節する目的で、水素のよ
うな分子量調節剤を共存させてもよいし、さらにブテン
−1共重合体の凝集防止を目的として、ブテン−1より
沸点の低い不活性ガス、たとえば窒素、メタン、エタ
ン、プロパンなどを共存させることもできる。
【0070】本発明におけるオレフィン共重合体組成物
においては、(A)成分のプロピレン共重合体と(B)
成分のブテン−1共重合体とを、それぞれ25〜97重
量%と75〜3重量%、好ましくは30〜90重量%と
70〜10重量%の割合で含有させることが必要であ
る。
【0071】プロピレン共重合体の含有量が25重量%
未満では、得られる成形品の剛性、耐衝撃性などの機械
的特性や透明性が十分でなく、一方97重量%を超える
と、得られるフィルムのヒートシール温度の低下が不十
分で、本発明の目的が達成されない。
【0072】本発明におけるオレフィン共重合体組成物
は、プロピレン共重合体とブテン−1共重合体とを、ド
ライブレンド法など、通常の配合方法によって配合する
ことができ、各種の混合機、混練機、押出し機などを使
用することができる。
【0073】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0074】なお、ブテン−1共重合体の特性やフィル
ムの特性は次のようにして求めた。 (1)極限粘度[η] 135℃のデカリン中で測定した。
【0075】(2)分子量分布(Mw/Mn) ウォーターズ社製GPC装置150Cにショーデックス
AD807、AD80M/Sをそれぞれ二本装着して測
定した。なお、測定温度は135℃である。
【0076】(3)示差走査熱分析 得られたブテン−1共重合体を乾燥して試料として用い
た。この試料を10℃/分の昇温速度で0〜200℃ま
で昇温して吸熱ピークを測定した。
【0077】(4)コモノマーのブロック性 得られたブテン−1共重合体の12C核磁気共鳴スペクト
ルを測定し、その測定結果を前記のマクロモレキュラー
ズに記載の方法を利用して各トライアッドの同定を行
い、前記の式X=I/Oにより算定した。
【0078】(5)沸騰ジエチルエーテル可溶分量 得られたブテン−1共重合体を乾燥後、厚さ1mmのプ
レスシートに成形し、1mm角に裁断した試料を用い
て、ジエチルエーテルで6時間ソックスレー抽出を行い
可溶分量を求めた。
【0079】(6)樹脂圧力 直径20mmのスクリュウを有するTダイキャスト成形
機を用いて、引取速度7m/分で厚さ20μmのフィル
ムを得る条件における樹脂圧力を測定した。
【0080】(7)ヒートシール強度 共重合体組成物層が設けられた面同士を重ね合わせ、各
温度において、1.25kg/cm2 の圧力で2秒間1
5×10mmのシールバーでヒートシールしたのち、放
冷した。この試料から15mm巾の試験片を切りとり、
クロスヘッドスピード200mm/分でヒートシール部
を剥離した際の強度を示した。また該共重合体組成物か
らなる複合フィルムを、50℃の空気雰囲気下に1週間
放置したのちに、前記方法により測定した値を、熱処理
後のヒートシール強度とした。
【0081】(8)耐ブロッキング性 ASTM D 1893に準じて評価した。すなわち、
2層フィルムを幅10cm、長さ15cmに切り出し、
共重合体組成物が積層されている面同士を重ね合わせ、
これを2枚のガラス板ではさみ、10kgの荷重をの
せ、50℃の恒温槽中に放置する。1日後および7日後
にサンプルを取り出し、剥離強度を万能試験機で測定
し、1cm当りの剥離強度をブロッキング値とした。
【0082】(9)曇り度 JIS K 7105に準じて、2層フィルムを、50
℃恒温槽中で7日間エージングしたのち、曇り度を測定
した。
【0083】(10)静摩擦係数 ASTM D 1894に準じて、2層フィルムを50
℃恒温槽中において7日間エージングしたのち、静摩擦
係数を測定した。
【0084】(製造例1〜6) ブテン−1共重合体の製造 1.固体触媒成分(A)の調製 ブチルオクチルマグネシウム(20%ヘプタン溶液)3
00mlを、機械式撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、
ガス供給弁および温度計を備えた五ツ口フラスコに仕込
み、フラスコ内に窒素を導入して、フラスコ内を不活性
雰囲気に保ち、これに、ブチルクロライド5mlを滴下
ロートを用いて室温で加えた。その後、塩素ガスを5m
l/分の速度で加えて塩素化した。
【0085】次に、25〜35℃で、2.5lのシリコ
ンオイルを加え、さらにこの混合物中に113mlのエ
タノールを滴下した。エタノールの添加によって生成し
た塩素化物が沈殿した。この沈殿物を含む混合液を40
℃で1時間撹拌したのち、温度を75〜80℃に上げ、
溶液をこの温度で一夜放置した。
【0086】この高温溶液をジイソブチルフタレート
(電子供与体)と過剰量のTiCl4とを含む−25℃
に冷却した溶液中にサイフォンで静かに加え、この低温
TiCl4 中に反応中間体を沈殿させた。次に、この沈
殿物を含む混合溶液を室温にまで昇温した。
【0087】次いで、この沈殿物を含む混合溶液に、電
子供与体としてジイソブチルフタレートをさらに加え、
温度を100〜110℃に上げ、混合溶液をこの温度で
1時間保った。反応生成物を沈降させ、85℃のヘプタ
ンで5〜6回洗浄し、溶液をサイフォンで他の容器に移
した。
【0088】さらに、この溶液に過剰量のTiCl4
加え、混合物を110℃で1時間撹拌した。生成した沈
降物と溶液とをサイフォンで分離したのち、生成した触
媒成分(沈殿物)を数回ヘプタンで洗浄した(80℃で
5〜6回)。
【0089】得られた沈殿を集めて弱い減圧下で乾燥し
た。このようにして、Ti含有量が3.0重量%である
固体触媒成分(A)を得た。
【0090】2.触媒の調製 前記1.で得られた固体触媒成分(A)を1l中のチタン
濃度が2ミリモルになるように、触媒調製槽に投入し
た。この触媒調製槽に、トリイソブチルアルミニウム3
0ミリモル/l、および1,8−シネオール12ミリモ
ル/lを投入した。その後、チタン原子1ミリモル当り
50gとなる割合でα−オレフィンを投入し、触媒調製
槽内を40℃に昇温し、触媒調製のための反応を行っ
た。
【0091】3.ブテン−1共重合体の製造 直径300mm、容積100lの流動層重合器を使用
し、前記2.で得た触媒をTi原子換算で3.6ミリモル
/lに再調製したTi触媒スラリーを、触媒調製槽から
前記重合器に0.15l/時間の流量で、またトリイソ
ブチルアルミニウム40ミリモル/時間の流量で、また
1,8−シネオール24ミリモル/時間の流量でそれぞ
れ前記重合器に供給した。
【0092】ブテン−1の分圧を3kg/cm2 に、窒
素の分圧を4kg/cm2 に、水素ガスの分圧を生成ポ
リマーの極限粘度が第1表の値になるようにそれぞれ調
整し、ガス空塔速度が35cm/秒の速度となるように
ブテン−1、他のα−オレフィン、水素ガスおよび窒素
ガスを供給し、反応温度60℃で重合を行った。
【0093】得られた共重合体の各物性を第1表に示
す。
【0094】(製造例7〜9) 1.固体触媒の成分の調製 加熱乾燥した500ml容量のガラス製三つ口フラスコ
(温度計、撹拌機付き)に、75mlの乾燥ヘプタン、
75mlのチタンテトラブトキシドおよび10gの無水
塩化マグネシウムを完全に溶解させた。次いで、この溶
液を40℃にまで冷却し、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン15mlを加えることにより、塩化マグネシウ
ム、チタンテトラブトキシド錯体を析出させた、これを
精製ヘプタンで洗浄した後、四塩化ケイ素8.7mlと
フタル酸ジヘプチル1.8mlとを加えて50℃で2時
間保持した。この後、さらに精製ヘプタンで洗浄して固
体触媒成分を得た。
【0095】得られた固体触媒成分中のチタン含有率は
3.0重量%でありフタル酸ジヘプチル含有率は25.
0重量%であった。
【0096】2.ブテン−1共重合体の調製 20lの重合器へ1時間当り5kgのブテン−1および
第1表に示すα−オレフィン単位量となる量のα−オレ
フィン、10ミリモルのトリエチルアルミニウム、1ミ
リモルのビニルトリエトキシシランおよびチタン原子に
換算して0.05ミリモルの上記1.で得た固体触媒を連
続的に導入して、気相のブテン−1および他のα−オレ
フィン分圧を調整して生成する共重合体の極限粘度が第
1表に記載の値になるようにした。なお、反応温度を7
0℃に保った。
【0097】反応容器の液量が10lになるように重合
液を連続的に抜き取り、抜き取った反応生成物に少量の
エタノールを添加して重合反応を停止させると共に、未
反応成分を除去して、ブテン−1共重合体を得た。
【0098】得られた共重合体の各物性を表1に示す。
【0099】(製造例10、11)20lの重合器へ1
時間当り5kgのブテン−1および第1表に示すα−オ
レフィン単位量となる量のα−オレフィン、20ミリモ
ルのジエチルアルミニウム、10ミリモルの三塩化チタ
ン(東邦チタニウム(株)製)をこの割合で連続的に投
入して水素の気相分圧を2.7kg/cm2 に保ち、気
相のブテン−1およびα−オレフィン分圧を調整して生
成する共重合体の極限粘度が第1表に記載の値になるよ
うにした。なお、反応温度を70℃に保った。
【0100】反応容器の液量が10lになるように重合
液を連続的に抜き取り、抜き取った反応生成物に1時間
あたり1リットルのメタノールを添加して重合反応を停
止させ、次いで水洗して未反応成分を除去して、ブテン
−1共重合体を得た。
【0101】得られた共重合体の各物性を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】(実施例1〜11、比較例1〜10)製造
例で得たブテン−1共重合体ペレットとプロピレン共重
合体またはプロピレン単独重合体ペレットの所定量をV
型ブレンダーにて10分間混合したのち、第1ホッパー
に投入した。第2ホッパーには基材用プロピレン重合体
を投入した。
【0104】上記第1、第2ホッパーを備えたスクリュ
ー径20mmの2層Tダイキャスト成形機を用いて、樹
脂温度220℃、引取速度7m/分の条件で、基材層
(厚さ40μm)と共重合体組成物層(厚さ10μm)
からなる2層フィルムを製造した。このフィルムの物性
を測定した結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】なお、プロピレン共重合体またはプロピレ
ン単独重合体として、表3に示すものを用いた。
【0107】
【表3】
【0108】
【発明の効果】本発明におけるオレフィン共重合体組成
物は、プロピレン共重合体と、特定のブテン−1共重合
体とを所定の割合で含有するので、本発明に係るフィル
ム及び積層体は、ヒートシール性に優れる上、透明性、
耐ブロッキング性、機械的特性、表面光沢などが良好で
あり、べたつきがない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)メルトインデックスが0.1〜2
    5g/10分であるプロピレン共重合体25〜97重量
    %、および(B)炭素数2〜8のα−オレフィン単位含
    有量が1〜35モル%、極限粘度が0.9〜7.2dl
    /g、重量平均分子量/数平均分子量値が4〜15、示
    差走査熱量分析による融点の最高値と最低値の温度差が
    2〜40℃であり、かつ核磁気共鳴スペクトル分析によ
    り測定したα−オレフィンブロック性が0.015以下
    であり、沸騰ジエチルエーテル可溶成分の含量が1〜4
    5重量%であるブテン−1共重合体75〜3重量%を含
    有してなるオレフィン共重合体組成物を製膜してなるこ
    とを特徴とするフィルム。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のオレフィン共重合
    体組成物で形成された層を少なくとも有してなることを
    特徴とする積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003027179A1 (fr) * 2001-09-19 2003-04-03 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Film d'emballage et film retractable comprenant un polymere de butene
CN104844939A (zh) * 2015-06-05 2015-08-19 苏州艾兴无纺布制品有限公司 非粘性高摩擦系数高分子材料、无纺布复合材料及其应用

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