JP3320561B2 - 架橋ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

架橋ポリオレフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架橋ポリオレフィンの製
造方法に関する。詳しくは特定の共重合体と特定の触媒
と接触処理して架橋ポリオレフィンを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】機械物性の改良、耐溶剤性の改良、耐熱
性の改良などの目的でポリオレフィンを架橋することは
広く行われている。架橋する方法としても既に種々の方
法が提案されており、2官能の単量体とラジカル発生剤
を混合して加熱溶融する方法、アルコキシシラン等の加
水分解性の基を有する単量体を共重合し成形ののち沸騰
水などで加水分解して架橋する方法(特開昭58-11724
4)、放射線を照射して架橋する方法などがよく知られて
いる。また本発明者らによって提案されたアルケニルシ
ランの共重合体を触媒で処理する方法などもある( 特願
平1-241911) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルケニルシランの共
重合体を触媒と接触する方法は効率が良く優れた方法で
あるが触媒が高価であるという問題があり、安価な触媒
が開発されることが望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して安価な触媒で架橋する方法について鋭意検討し
本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、アルケニルシランとオレフ
ィンの共重合体を触媒と接触して架橋ポリオレフィンを
製造する方法において、触媒として2,3−ジメチル−
2,3−ジフェニルブタンまたはその核置換体を用いる
ことを特徴とする架橋ポリオレフィンの製造方法であ
る。
【0006】本発明においてアルケニルシランとしては
少なくとも一つのSi−H結合を有するものが好ましく
用いられ、例えば下記一般式(化1)で表される化合
物、
【0007】
【化1】H2C=CH-(CH2)n -SiHp R3-p (式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1 〜12の炭
化水素残基。)が例示でき、具体的にはビニルシラン、
アリルシラン、ブテニルシラン、ペンテニルシラン、あ
るいはこれらのモノマーの一部のSi−H結合のHがク
ロルで置換された化合物などが例示できる。
【0008】またオレフィンとしては下記一般式(化
2)で示される化合物、
【0009】
【化2】H2C=CH-R (式中Rは水素または炭素数1 〜12の炭化水素残基。)
が例示でき、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン
-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、2-メチルペンテン、ヘプ
テン-1、オクテン-1などのα−オレフィンの他にスチレ
ンまたはその誘導体も例示される。
【0010】本発明においてアルケニルシランとオレフ
ィンの共重合体は、不活性溶媒を使用する溶媒法の他に
塊状重合法、気相重合法で製造することができる。また
製造するに用いる触媒としては遷移金属化合物と有機金
属化合物からなる触媒を用いるのが一般的であり、遷移
金属化合物としてはハロゲン化チタンが、有機金属化合
物としては有機アルミニウム化合物が好ましく用いられ
る。
【0011】具体的には四塩化チタンを金属アルミニウ
ム、水素或いは有機アルミニウムで還元して得た三塩化
チタンを電子供与性化合物で変性処理したものと有機ア
ルミニウム化合物、さらに必要に応じ含酸素有機化合物
などの電子供与性化合物からなる触媒系、或いはハロゲ
ン化マグネシウム等の担体或いはそれらを電子供与性化
合物で処理したものにハロゲン化チタンを担持して得た
遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、必要に
応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化合物からなる
触媒系、あるいは塩化マグネシウムとアルコールの反応
物を炭化水素溶媒中に溶解し、ついで四塩化チタンなど
の沈澱剤で処理することで炭化水素溶媒に不溶化し、必
要に応じエステル、エーテルなどの電子供与性の化合物
で処理し、ついでハロゲン化チタンで処理する方法など
によって得られる遷移金属化合物触媒と有機アルミニウ
ム化合物、必要に応じ含酸素有機化合物などの電子供与
性化合物からなる触媒系等が例示される(例えば、以下
の文献に種々の例が記載されている。Ziegler-Natta Ca
talysts and Polymerization by John Boor Jr(Academi
c Press),Journal of Macromorecular Science Reviews
in MacromolecularChemistry and Physics,C24(3) 355
-385(1984)、同C25(1) 578-597(1985)) 。
【0012】あるいは炭化水素溶剤に可溶な遷移金属触
媒とアルミノキサンからなる触媒を用いて重合すること
もできる。
【0013】ここで電子供与性化合物としては通常エー
テル、エステル、オルソエステル、アルコキシ硅素化合
物などの含酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアル
コール、アルデヒド、水なども使用可能である。
【0014】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素
が例示される。また上記有機アルミニウムと水または結
晶水とを反応することで得られるオリゴマー〜ポリマー
であるアルミノキサンも利用できる。
【0015】ここでアルケニルシランとオレフィンの重
合割合としては、通常アルケニルシランが 0.001〜30モ
ル%程度、好ましくは0.005 〜10モル%である。また他
のオレフィンの重合体と混合して用いる場合には0.01〜
20モル%である。
【0016】重合体の分子量としては特に制限はない
が、成形物の物性を向上させる意味からは分子量はでき
るだけ高い方が、少ないアルケニルシラン含量でも架橋
度を高めることができる。また成形性という点では分子
量があまり高いと成形性が悪くなることから、好ましく
は 135℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度が0.2 〜
10程度、特に好ましくは 0.5〜5.0 程度である。
【0017】ポリオレフィン(例えば、下記のような混
合して用いるポリオレフィンが使用できる。)にアルケ
ニルシランをグラフト重合して得たグラフト共重合体も
本発明の目的に使用可能であり、その場合、ポリオレフ
ィンにアルケニルシランをグラフトする方法としては特
に制限はなく、通常のグラフト共重合に用いる方法及び
条件が利用でき、通常は用いるポリオレフィンとアルケ
ニルシランをパーオキサイドなどのラジカル開始剤の存
在下にラジカル開始剤の分解温度以上に加熱することで
簡単にグラフト共重合することができる。
【0018】本発明においては必要に応じ上記共重合体
とポリオレフィンを混合して用いることができ、用いる
ポリオレフィンとしては上記一般式(化2)で示される
オレフィン、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン
-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、2-メチルペンテン、ヘプ
テン-1、オクテン-1などのα−オレフィンあるいは、ス
チレンまたはその誘導体の単独重合体、相互のランダム
共重合体、或いは、始めにオレフィン単独、或いは少量
の他のオレフィンと共重合し、ついで2種以上のオレフ
ィンを共重合することによって製造される所謂ブロック
共重合体などが例示される。
【0019】これらのポリオレフィンの製造法について
は既に公知であり種々の銘柄のものが市場で入手可能で
ある。またアルケニルシランを用いない他は上記アルケ
ニルシランとオレフィンの共重合体の製造法と同様に行
うことでも製造可能である。
【0020】本発明においては必要に応じ、無機フィラ
ーを混合して用いることができ、そのような無機フィラ
ーとしては、ポリオレフィンの物性改良に用いられるフ
ィラーであればどのようなものでも利用できるが通常金
属の塩、酸化物、窒化物、炭化物などで針状のもの、鱗
片状のもの、繊維状のものなど補強効果の大きい形状を
したものが好ましく利用される。具体的には、タルク、
カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、
硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、チタン酸バリウム
などが利用できる。
【0021】上記アルケニルシランとオレフィンの共重
合体、必要に応じ混合されるフィラー、ポリオレフィン
の混合方法としては特に制限はなく通常の方法でパウダ
ー状態で混合されそのまま利用されたり、さらに溶融混
練し造粒される。こうして得られた混合物を触媒と加熱
接触して、架橋体とすることができる。ここで混合物中
のアルケニルシラン濃度としては0.001 〜20モル%、好
ましくは0.01〜10モル%になるように混合すると架橋濃
度の高い架橋ポリオレフィンが得られる。また触媒との
接触と同時に成形物とすることも可能であり、その場合
には、アルケニルシランの共重合体を含有する成分と触
媒を含有する成分を作り、両者を混合加熱溶融成形する
ことで成形と架橋を同時に達成することができる。成形
方法としては射出成形、押出成形、プレス成形などが例
示される。
【0022】本発明において、2,3−ジメチル−2,
3−ジフェニルブタンとしては1,2−ジフェニルエタ
ンのエタンの4つの水素がメチルに置換された該2,3
−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンの他にベンゼン
環の水素がアルキル基、ハロゲン原子などの基で置換し
た構造のものが例示できる。
【0023】2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブ
タンのアルケニルシランとオレフィンの共重合体との接
触は溶融混合時に高温で行うのが一般的であり、通常 1
50℃以上、好ましくは 200℃〜 300℃で接触される。使
用量としてはアルケニルシランとオレフィンの共重合体
100に対して0.0001〜1、好ましくは 0.001〜 0.1程度
である。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0025】実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4リットルの粉砕用
ポットを4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに
窒素雰囲気下で塩化マグネシウム 300g、テトラエトキ
シシラン60mlおよびα, α, α−トリクロロトルエン45
mlを入れ、40時間粉砕した。こうして得た共粉砕物 300
gを5リットルのフラスコに入れ、四塩化チタン 1.5リ
ットルおよびトルエン 1.5リットルを加え、 100℃で30
分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた。再び四塩化チ
タン 1.5リットルおよびトルエン1.5 リットルを加え、
100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた。そ
の後固形分をn-ヘキサンで繰り返し洗浄して遷移金属触
媒スラリーを得た。一部をサンプリングしてチタン分を
分析したところチタン分は 1.9wt%であった。
【0026】内容積5リットルのオートクレーブに窒素
雰囲気下トルエン40ml、上記遷移金属触媒 100mg、ジエ
チルアルミニウムクロライド 0.128ml、p-トルイル酸メ
チル0.06mlおよびトリエチルアルミニウム0.20mlを入
れ、プロピレン 1.5kg、ビニルシラン80gを加え、水素
0.5Nリットル圧入した後、75℃で2時間重合した。重合
後未反応のプロピレンをパージし、パウダーを取り出
し、濾過乾燥して 480gのパウダーを得た。
【0027】135 ℃のテトラリン溶液で極限粘度 (以下
ηと略記する) を測定し、示差熱分析装置を用い10℃/
min で昇温或いは降温することで融点及び結晶化温度を
最大ピーク温度として測定したところ、得られたパウダ
ーは、ηが2.35であり、融点156 ℃、結晶化温度 120℃
である結晶性のプロピレン共重合体であった。尚、元素
分析によればビニルシラン単位を 1.3wt%含有してい
た。
【0028】得られた共重合体30g と2,3−ジメチル
−2,3−ジフェニルブタン0.01gを東洋精機製作所
(株)製のラボプラストミルR型で 240℃で5分間加熱
溶融混合した後、 240℃でプレス成形して厚さ1mmの
シートとした。このシートを沸騰キシレンで6時間抽出
した抽出残分の割合は55%であった。このシートの物性
は曲げ弾性率(kg/cm2 ASTM D760(23℃))は 18500 k
g/cm2 、アイゾット衝撃強度( ノッチ付) (Kg・cm/cm
ASTM D256(20℃、−10℃))は 9.0、2.8 であった。
【0029】実施例2 ビニルシランに変えアリルシラン1gを用いた他は実施
例1と同様に重合してアリルシラン含量0.25wt%のプロ
ピレンの共重合体を製造した。共重合体のηは1.85であ
り、融点 158℃、結晶化温度 115℃、沸騰n-ヘプタンで
6時間抽出した時の抽出残分の割合が96.8%であった。
【0030】このパウダー 30gを用い加熱溶融混合及び
プレス成形を 230℃で行った他は実施例1と同様にして
成形物を作った。沸騰キシレンで12時間抽出した抽出残
分の割合は28%であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法を実施することにより簡単
に架橋ポリオレフィンを得ることができ工業的に極めて
価値がある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルケニルシランとオレフィンの共重合体
    を触媒と接触して架橋ポリオレフィンを製造する方法に
    おいて、触媒として2,3−ジメチル−2,3−ジフェ
    ニルブタンまたはその核置換体を用いることを特徴とす
    る架橋ポリオレフィンの製造方法。
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