JP3169452B2 - ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン樹脂組成
物の製造方法に関する。詳しくは特定の共重合体と特定
の処理を行ったフィラーを混合することからなるポリオ
レフィン樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンの機械物性の改良、耐熱
性の改良などの目的でフィラーを混合することは広く行
われている。またフィラーの添加効果を改良するため表
面を処理したフィラーを用いるとか、極性基を含有する
ポリオレフィンを用いることが行われており、アルケニ
ルシランとオレフィンの共重合体を併用することで物性
を向上させることも知られている(特開平3-72540 )。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルケニルシランとオ
レフィンの共重合体を用いる方法は優れているがポリオ
レフィンの用途はさらに厳しい環境下での使用が検討さ
れており、さらに物性を改良することが望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決してより優れたフィラー入りのポリオレフィン組成
物について鋭意検討し特定の処理を施したフィラーを用
いることで物性がより改良できることを見出し本発明を
完成した。
【0005】即ち本発明は、下記一般式(化3)
【化3】 (式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12の炭
化水素残基。)で表されるアルケニルシランとオレフィ
ンの共重合体とロジウムの塩及び下記一般式(化4)
【化4】 (式中R 1 、R 2 は、同じか異なる炭素数1〜12の炭化
水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウムから選ばれた金属。)で表される周期律
表 IVB族金属のアルコキシ化合物から選ばれた触媒を含
浸せしめたフィラーを溶融混合することを特徴とするポ
リオレフィン樹脂組成物の製造方法である。
【0006】本発明において用いられるアルケニルシラ
ンは記一般式(化)で表される化合物である。
【0007】具体的にはビニルシラン、アリルシラン、
ブテニルシラン、ペンテニルシランなどが例示できる。
【0008】またオレフィンとしては下記一般式(化
)で示される化合物、
【0009】
【化5】 (式中Rは水素または炭素数1〜12の炭化水素残基。)
が例示でき、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン
-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、2-メチルペンテン、ヘプ
テン-1、オクテン-1などのα−オレフィンの他にスチレ
ンまたはその誘導体も例示される。
【0010】本発明においてアルケニルシランとオレフ
ィンの共重合体は、不活性溶媒を使用する溶媒法の他に
塊状重合法、気相重合法で製造することができる。また
製造するに用いる触媒としては遷移金属化合物と有機金
属化合物からなる触媒を用いるのが一般的であり、遷移
金属化合物としてはハロゲン化チタンが、有機金属化合
物としては有機アルミニウム化合物が好ましく用いられ
る。
【0011】具体的には四塩化チタンを金属アルミニウ
ム、水素或いは有機アルミニウムで還元して得た三塩化
チタンを電子供与性化合物で変性処理したものと有機ア
ルミニウム化合物、さらに必要に応じ含酸素有機化合物
などの電子供与性化合物からなる触媒系、或いはハロゲ
ン化マグネシウム等の担体或いはそれらを電子供与性化
合物で処理したものにハロゲン化チタンを担持して得た
遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、必要に
応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化合物からなる
触媒系、あるいは塩化マグネシウムとアルコールの反応
物を炭化水素溶媒中に溶解し、ついで四塩化チタンなど
の沈澱剤で処理することで炭化水素溶媒に不溶化し、必
要に応じエステル、エーテルなどの電子供与性の化合物
で処理し、ついでハロゲン化チタンで処理する方法など
によって得られる遷移金属化合物触媒と有機アルミニウ
ム化合物、必要に応じ含酸素有機化合物などの電子供与
性化合物からなる触媒系等が例示される(例えば、以下
の文献に種々の例が記載されている。Ziegler-Natta Ca
talysts and Polymerization by John Boor Jr(Academi
c Press),Journal of Macromorecular Science Reviews
in MacromolecularChemistry and Physics,C24(3) 355
-385(1984)、同C25(1) 578-597(1985)) 。
【0012】あるいは炭化水素溶剤に可溶な遷移金属触
媒とアルミノキサンからなる触媒を用いて重合すること
もできる。
【0013】ここで電子供与性化合物としては通常エー
テル、エステル、オルソエステル、アルコキシ硅素化合
物などの含酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアル
コール、アルデヒド、水なども使用可能である。
【0014】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素
が例示される。また上記有機アルミニウムと水または結
晶水とを反応することで得られるオリゴマー〜ポリマー
であるアルミノキサンも利用できる。
【0015】ここでアルケニルシランとオレフィンの重
合割合としては特に制限は無いが、ポリオレフィンと混
合して用いる場合には、通常アルケニルシランが 0.001
〜30モル%程度、好ましくは0.1 〜10モル%である。ま
た単独で用いる場合には0.0001〜1 モル%程度である。
【0016】重合体の分子量としては特に制限はない
が、ポリオレフィンと混合して用いる場合にはポリオレ
フィンの分子量と同程度あるいはそれ以下とするのが好
ましい。好ましい分子量としては 135℃のテトラリン溶
液で測定した極限粘度が0.1 〜10dl/g程度である。
【0017】ポリオレフィン(例えば、下記のような混
合して用いるポリオレフィンが使用できる。)にアルケ
ニルシランをグラフト重合して得たグラフト共重合体も
本発明の目的に使用可能であり、その場合、ポリオレフ
ィンにアルケニルシランをグラフトする方法としては特
に制限はなく、通常のグラフト共重合に用いる方法及び
条件が利用でき、通常は用いるポリオレフィンとアルケ
ニルシランをパーオキサイドなどのラジカル開始剤の存
在下にラジカル開始剤の分解温度以上に加熱することで
簡単にグラフト共重合することができる。
【0018】本発明において必要に応じ上記共重合体と
混合して用いるポリオレフィンとしては上記一般式(化
2)で示されるオレフィン、具体的にはエチレン、プロ
ピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、2-メチル
ペンテン、ヘプテン-1、オクテン-1などのα−オレフィ
ンあるいは、スチレンまたはその誘導体の単独重合体、
相互のランダム共重合体、或いは、始めにオレフィン単
独、或いは少量の他のオレフィンと共重合し、ついで2
種以上のオレフィンを共重合することによって製造され
る所謂ブロック共重合体などが例示される。
【0019】これらのポリオレフィンの製造法について
は既に公知であり種々の銘柄のものが市場で入手可能で
ある。またアルケニルシランを用いない他は上記アルケ
ニルシランとオレフィンの共重合体の製造法と同様に行
うことでも製造可能である。
【0020】本発明においてより物性を向上させるため
アルケニルシランとオレフィンの共重合体と触媒を含浸
せしめたフィラーを溶融混合する際に併用する少なくと
も2つの不飽和結合を含有する化合物としては、反応性
の不飽和結合を含有する化合物としてジビニルベンゼ
ン、ジイソプロペニルベンゼン、ジアリルベンゼンなど
の芳香族ビニル化合物、エチレングリコールジメタクリ
レート、エチレングリコールジアクリレートなどの不飽
和エステル、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの重
合体などが例示でき、反応性の不飽和結合を少なくとも
2つ有する化合物であればどの様なものも利用できる。
【0021】この少なくとも2つの不飽和結合を有する
化合物のアルケニルシランとオレフィンの共重合体に対
する使用割合としては、通常アルケニルシランとオレフ
ィンの共重合体 100重量部に対し0〜10重量部、好まし
くは0〜5重量部である。これより少ないと改良効果が
小さく、多いと未反応の不飽和化合物が多くなり好まし
くない。
【0022】本発明においてより物性を向上させるため
アルケニルシランとオレフィンの共重合体と触媒を含浸
せしめたフィラーを溶融混合する際に併用するSi−H
基を含有するポリシリコーンとしては、ポリマー鎖中に
Si−H基を有するものであればどのようなものであれ
利用でき、通常は下記一般式(化)で表される化合物
を水と反応することで合成することができ、その時、式
中の水素を炭化水素残基で置換した化合物を併用するこ
とでポリマー鎖中のSi−H基濃度を所望の濃度とする
ことが可能である。
【0023】
【化6】 (式中Rは炭素数1 〜12の炭化水素残基。) 。
【0024】ポリシリコーンの分子量としては特に制限
はないが通常1000〜1000000 程度の数平均分子量のもの
を使用するのが一般的である。
【0025】このポリシリコーンのアルケニルシランと
オレフィンの共重合体に対する使用割合としては、通常
アルケニルシランとオレフィンの共重合体 100重量部に
対し0〜60重量部、好ましくは0〜40重量部である。こ
れより少ないと改良効果が小さく、多いと剛性が不良と
なり好ましくない。
【0026】フィラーに含浸せしめて用いられる触媒と
しては、塩化ロジウムのトリフェニルフォスフィン錯体
などのロジウムの塩、あるいはチタン酸エステルなどの
以下の一般式(化)で示す周期律表 IVB族金属のアル
コキシ化合物である。
【0027】
【化7】 (式中R1 、R2 は、同じか異なる炭素数1〜12の炭化
水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウムから選ばれた金属。) 。
【0028】上記触媒をフィラーに含浸する方法として
は、触媒を後述の溶媒に溶解してその溶液にフィラーを
混合しついで濾過するか、あるいは濾過することなく溶
剤を蒸発除去することで含浸することができる。含浸さ
せる触媒の量としては、ポリオレフィンに対し1〜1000
00ppm 好ましくは10〜10000ppmである。利用される溶媒
としては、触媒を変質させない溶媒であれば良いが、炭
素数1〜20の炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合
物、アルコールなどが利用できる。具体的にはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、パークロロエタン、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールなどが例示される。
【0029】本発明においてフィラーとしては、ポリオ
レフィンの物性改良に用いられるフィラーであればどの
ようなものでも利用できるが通常金属の塩、酸化物、窒
化物、炭化物などで針状のもの、鱗片状のもの、繊維状
のものなど補強効果の大きい形状をしたものが好ましく
利用される。具体的には、タルク、カオリン、マイカ、
炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜
硫酸カルシウム、チタン酸バリウムなどが利用できる。
【0030】本発明においては次いで上記触媒を含浸し
たフィラーとアルケニルシランとオレフィンの共重合
体、さらに必要に応じ少なくとも2つの不飽和結合を有
する化合物、Si−H基を含有するポリシリコーン、ポ
リオレフィンを混合して組成物とされるが触媒を含浸し
たフィラーとアルケニルシランとオレフィンの共重合
体、ポリオレフィンの割合は、全組成物中のフィラーの
含量は1〜60wt%、アルケニルシランとオレフィンの共
重合体は 0.1〜99wt%,ポリオレフィンの含量は0〜9
8.9wt%であるように混合され、通常ヘンシェルミキサ
ーなどで混合後、押出機で溶融混合し造粒して組成物と
される。溶融混合に際しての温度としては特に制限はな
く、ポリオレフィンの融点〜融点+ 200℃程度で行うの
が一般的である。ここで混合物中のアルケニルシラン濃
度としては0.01〜20モル%であるのが一般的であり、
0.1〜10モル%になるように混合すると架橋点濃度の高
い架橋ポリオレフィン成形体が得られる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0032】実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4リットルの粉砕用
ポットを4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに
窒素雰囲気下で塩化マグネシウム 300g、テトラエトキ
シシラン60mlおよびα, α, α−トリクロロトルエン45
mlを入れ、40時間粉砕した。こうして得た共粉砕物 300
gを5リットルのフラスコに入れ、四塩化チタン 1.5リ
ットルおよびトルエン 1.5リットルを加え、 100℃で30
分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた。再び四塩化チ
タン 1.5リットルおよびトルエン1.5 リットルを加え、
100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた。そ
の後固形分をn-ヘキサンで繰り返し洗浄して遷移金属触
媒スラリーを得た。一部をサンプリングしてチタン分を
分析したところチタン分は 1.9wt%であった。
【0033】内容積5リットルのオートクレーブに窒素
雰囲気下トルエン40ml、上記遷移金属触媒 100mg、ジエ
チルアルミニウムクロライド 0.128ml、p-トルイル酸メ
チル0.06mlおよびトリエチルアルミニウム0.20mlを入
れ、プロピレン 1.5kg、ビニルシラン40gを加え、水素
1Nリットル圧入した後、75℃で2時間重合した。重合後
未反応のプロピレンをパージし、パウダーを取り出し、
濾過乾燥して 480gのパウダーを得た。
【0034】135 ℃のテトラリン溶液で測定した極限粘
度 (以下、ηと略記する。) 、示差熱分析装置を用い10
℃/min で昇温或いは降温することで融点及び結晶化温
度を最大ピーク温度として測定したところ、得られたパ
ウダーは、ηが1.72であり、融点153 ℃、結晶化温度 1
18℃である結晶性のプロピレン共重合体であった。尚、
元素分析によればビニルシラン単位を 1.2wt%含有して
いた。
【0035】得られた共重合体 50gに、プロピレンの単
独重合体( 上記方法でビニルシランを加えること無く重
合して製造、ηが2.25、6時間沸騰n-ヘキサンで抽出し
た時の抽出残分の割合が97.3%であるもの。)100g 、タ
ルク(浅田製粉(株)製CT−8をn−ブチルチタネー
トを100g/リットルでトルエン中に溶解したものに分散
した後、濾過乾燥して約800ppmのn−ブチルチタネート
を含浸させたもの。)40g 、フェノール系の酸化防止剤
0.1gを加え良く混合したものを20mmφの押出機で 250℃
で造粒した。
【0036】次いで射出成形して厚さ1mmの成形物とし
て以下の物性を測定した。 曲げ剛性率:kg/cm2 ASTM D747(23℃) 引張降伏強さ:kg/cm2 ASTM D638(23℃) アイゾット( ノッチ付) 衝撃強度: kg・cm/cm2 ASTM D256(20℃、−10℃) 曲げ剛性率は20500kg/cm2 、引張降伏強さは410kg/c
m2 、アイゾット衝撃強度はそれぞれ8、2kg・cm/cm2
であった。
【0037】実施例2 ビニルシランに変えアリルシラン1gを用いた他は実施
例1と同様に重合してアリルシラン含量0.25wt%のプロ
ピレンの共重合体を製造した。共重合体のηは1.85であ
り、融点 158℃、結晶化温度 115℃、沸騰n-ヘプタンで
6時間抽出した時の抽出残分の割合が96.8%であった。
このパウダー 1000gと実施例1と同様にして塩化ロジウ
ムのトリフェニルフォスフィン錯体を約500ppm含浸せし
めたタルクを用いた他は実施例1と同様に処理したとこ
ろ、成形物の物性は以下の通りであった。曲げ剛性率は
19500kg/cm2 、引張降伏強さは395kg/cm2 、アイゾット
衝撃強度はそれぞれ10、2kg・cm/cm2であった。
【0038】実施例3 ビニルシランの使用量を80gとし、水素0.5Nリットルを
用いた他は実施例1と同様にして 280gのパウダーを得
た。
【0039】得られたパウダーは、135 ℃のテトラリン
溶液で測定した極限粘度(以下ηと略記する)が2.35で
あり、また示差熱分析装置を用い10℃/min で昇温或い
は降温することで融点及び結晶化温度を最大ピーク温度
として測定したところ融点 156℃、結晶化温度 120℃で
ある結晶性のプロピレン共重合体であった。尚、元素分
析によればビニルシラン単位を 1.8wt%含有していた。
【0040】一方タルク(浅田製粉(株)製CT−8)
50g とn-ブチルチタネート0.5gを粉砕機で5時間共粉砕
して触媒を含浸したフィラーを得た。
【0041】得られた共重合体100gにジビニルベンゼン
5g と上記触媒を含浸したタルク30g を良く混合しプレ
ス成形して厚さ1mm の成形物を得た。この成形物をさら
に140 ℃で1時間加熱して架橋成形物とした。この成形
物は、200 ℃でも全く変形せず、沸騰キシレンで12時間
抽出した抽出残分の割合は99%であり抽出後の成形物の
重量増加は10%に過ぎなかった。また成形物の物性は以
下の通りであった。曲げ剛性率は21600kg/cm2 、引張降
伏強さは430kg/cm2 、アイゾット衝撃強度はそれぞれ1
0、3kg・cm/cm2であった。
【0042】実施例4 ジビニルベンゼンを用いることなく実施例3と同様に成
形し架橋させたものを同様に評価したところ、成形物は
200℃でも変形しなかったが、沸騰キシレンで12時間抽
出した抽出残分の割合は94%であり抽出後の成形物の重
量増加は96%であった。また成形物の物性は曲げ剛性率
が20500kg/cm2 、引張降伏強さは410kg/cm2 、アイゾッ
ト衝撃強度はそれぞれ8、2kg・cm/cm2であった。
【0043】実施例5 実施例2で得られたパウダー 100g を用い、触媒として
塩化ロジウムのトリフェニルフォスフィン錯体を用いた
他は実施例3と同様に処理したところ、成形物の物性は
以下の通りであった。曲げ剛性率は20400kg/cm2 、引張
降伏強さは400kg/cm2 、アイゾット衝撃強度はそれぞれ
12、3 kg・cm/cm2であった。また成形物は、200 ℃でも
全く変形せず、沸騰キシレンで12時間抽出した抽出残分
の割合は98%であり抽出後の成形物の重量増加は12%に
過ぎなかった。 実施例6 ジビニルベンゼンにかえフェニルジクロロシランと水を
反応することで合成したポリフェニルシリコーン( 重合
度約1800)5g を用いた他は実施例3と同様にしたところ
成形物は200 ℃でも全く変形せず、沸騰キシレンで12時
間抽出した抽出残分の割合は97%であり抽出後の成形物
の重量増加は8%に過ぎなかった。また成形物の物性は
以下の通りであった。曲げ剛性率は19800kg/cm2 、引張
降伏強さは410kg/cm2 、アイゾット衝撃強度はそれぞれ
12、4kg・cm/cm2であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法を実施することにより簡単
に物性に優れたポリオレフィン樹脂組成物を得ることが
でき工業的に極めて価値がある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(化1) 【化1】 (式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12の炭
    化水素残基。)で表されるアルケニルシランとオレフィ
    ンの共重合体とロジウムの塩及び下記一般式(化2) 【化2】 (式中R 1 、R 2 は、同じか異なる炭素数1〜12の炭化
    水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニウ
    ム、ハフニウムから選ばれた金属。) で表される周期律
    表 IVB族金属のアルコキシ化合物から選ばれた触媒を含
    浸せしめたフィラーを溶融混合することを特徴とするポ
    リオレフィン樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも2つの不飽和結合を有する化合
    物を併用する請求項1 に記載の方法。
  3. 【請求項3】Si−H基を含有するポリシリコーンを併
    用する請求項1に記載の方法。
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