JPH0768370B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0768370B2 JP3512189A JP3512189A JPH0768370B2 JP H0768370 B2 JPH0768370 B2 JP H0768370B2 JP 3512189 A JP3512189 A JP 3512189A JP 3512189 A JP3512189 A JP 3512189A JP H0768370 B2 JPH0768370 B2 JP H0768370B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関し、とく
に磁気テープ用ベースフィルム、包装用、各種産業資材
用フィルムとして好適な、耐スクラッチ性や耐摩耗性に
優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
[従来の技術] 先に本出願人により、包装用、コンデンサ用あるいは磁
気テープ用ベースフィルムとして、平均粒径0.05〜2.0
μm、モース硬度7以上の粒子を含有させた二軸配向ポ
リエステルフィルムが提案されている(特開昭63−2307
41号公報)。このフィルムにおいては、硬い粒子を含有
させることにより、フィルム表面の耐摩耗性を向上しつ
つ、該粒子の粒径を比較的大きなものとすることによ
り、フィルム加工時や製品としたときの良好な滑り性、
走行性を確保するようにしている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、ポリエステルフィルム、とくに磁気テープ用
ベースフィルムや高い機械的特性が要求される包装用フ
ィルムとして使用される二軸配向ポリエステルフィルム
には、さらに高い耐摩耗性、さらに優れた耐スクラッチ
性が要求されてきており、上記特開昭63−230741号公報
提案のフィルムでは、未だ十分とはいえなくなってき
た。
たとえば、各種工程等の速度増大に伴い、工程中にある
各種高速ロールと接触してもフィルム表面に傷が付かな
いだけの高い耐スクラッチ性が要求されつつあるが、上
記提案フィルムの如く単に比較的粒径の大きな一種類の
硬い粒子を含有させるだけでは、該粒子によいフィルム
表面上に突起状に突出する部分については硬度が高めら
れ耐摩耗性は向上されるものの、フィルムの地肌(上記
突出部以外の表面部)自身については補強されないた
め、この地肌部分にかき傷が入るおそれがある。
また、地肌部分が補強されない結果、フィルム表面部に
ある、耐摩耗性向上のための粒子の保持力が十分とはい
えず、接触するロール等から受ける外力によって粒子部
がフィルム粉として削られるおそれがあり、該削れが生
じると、それがロール表面等に付着し該付着物によって
さらにフィルム表面が傷付けられるとともに、脱落フィ
ルム粉が異物となって、各種加工工程の外乱となった
り、製品自身の性能を低下させたりするおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目し、二軸配向ポリ
エステルフィルムの表面の耐スクラッチ性および削れ等
に対する耐摩耗性をさらに向上することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この目的に沿う本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、2種の粒子A、Bを含有し、粒子Aは、ルチル型二
酸化チタン粒子からなり、平均粒径が10〜400nm、含有
量が0.2〜2重量%であり、粒子Bは、アルミナ又は有
機高分子粒子からなり、平均粒径が400〜1500nm、含有
量が0.01〜0.2重量%であるものから成る。
本発明におけるポリエステルは、エチレンテレフタレー
ト、エチレンα・β−ビス(2−クロルフェノキシ)エ
タン−4−、4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6
−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造
単位を主要構成成分とする。ただし、本発明を阻害しな
い範囲内、好ましくは15モル%以内であれば他成分が共
重合されていてもよい。
また、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポ
リエステルの場合に耐スクラッチ性がより良好となるの
で特に望ましい。
本発明のフィルムには、二種の粒子A、Bが含有され
る。
粒子Aは、比較的平均粒径の小さな粒子であり、主とし
てフィルムの地肌部分を補強するが、この地肌補強効果
を高めるために、適切な硬度を有するルチル型二酸化チ
タン粒子とされる。
また、粒子Aは、平均粒径d1が10〜400nmの比較的小さ
な粒子である。平均粒径がこの範囲よりも小さいと、フ
ィルム地肌部の補強効果が薄れ、耐スクラッチ性が不良
となるので好ましくない。また、平均粒径が上記範囲よ
りも大きいと、粒子の分布が粗くなりすぎ、フィルム地
肌補強効果が薄れ、粒子Bあるいは粒子Bにより形成さ
れたフィルム表面突起を保持する強度が低下し、粒子B
あるいはそれによるフィルム表面突起が削られやすくな
る。また、粒子Aによるフィルム表面突起自身について
も削られる機会が増大するので好ましくない。上記平均
粒径d1のより好ましい範囲は、20〜350nmである。
また粒子Aの含有量は0.2〜2.0重量%の範囲に調製され
る。この範囲よりも少ないと、粒子A含有によるフィル
ム地肌補強効果が薄れ、望ましい耐スクラッチ性が得ら
れない。この範囲よりも多いと、含有物が多きなりすぎ
るので構造的に脆くなるおそれがあり、フィルム自身が
削り取られやすくなったり、含有粒子が脱落しやすくな
ったりするので好ましくない。より好ましい含有量は、
0.3〜1.0重量%である。
粒子Bは、粒子Aよりも平均粒径の大きな粒子であり、
粒子Bによって形成されたフィルム表面突起によりフィ
ルム表面の粗さを増し、表面の摩擦係数を下げることに
より、耐スクラッチ性を向上しつつ、加工時等にロール
等の他の面に接触する際の抵抗を減らし、フィルム表面
が削りとられにくいようにすることを狙ったものであ
る。これらを達成可能な粒子Bの材質として、アルミナ
および有機高分子が挙げられ、有機高分子粒子について
はたとえば架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、4フ
ッ化エチレン粒子が挙げられる。
本発明における有機高分子粒子は、加熱減量曲線におけ
る10%重量減量時温度が360℃、好ましくは380℃、さら
に好ましくは400℃以上である場合に耐スクラッチ性、
耐ダビング性がより一層良好なるので特に望ましい。
また、粒子Bは、平均粒径d2が400〜1500nmの比較的大
きな粒子であり、粒子Aの平均粒径d1よりも大きく設定
される。この粒子Bは、比較的大きな粒子であるため、
該粒子よって形成されるフィルム表面突起の高さを、粒
子Aによるものよりは高くでき、その部分の表面粗さを
粗くできる。粗くなると、摩擦係数を低減できるので、
結果的にフィルム表面の耐スクラッチ性が良くなるが、
平均粒径d2が上記範囲よりも小さいと、フィルム表面を
粗くする効果が小さくなり、その分耐スクラッチ性が悪
くなるので、好ましくない。逆に上記範囲よりも大きい
と、粒子B自身あるいは粒子Bにより形成された表面突
起部分が削りとられやすくなるので、耐スクラッチ性、
削れ性ともに不良となり好ましくない。
粒子Bの含有量は0.01〜0.2重量%の範囲に調製され
る。この範囲よりも少ないと、粒子B含有による摩擦係
数低減効果が薄れるので、望ましい耐スクラッチ性が得
られない。逆に上記範囲よりも多いと、粒子Bあるいは
粒子Bによるフィルム表面突起部分が多くなりすぎ、削
りとられやすくなるので、好ましくない。より好ましい
含有量は、0.01〜0.1重量%である。
本発明のフィルムにおいては、表面突起の高さ分布の標
準偏差σが250nmより小さいことが望ましい。高さの高
い表面突起は、平均粒径の大きな粒子Bによって形成さ
れるが、高い突起が多いとそれだけ削りとられやすくな
る。σの測定法については後述するが、現実の測定にお
いては突起が粒子A、Bのいずれによって形成されたも
のかは判定しにくいので、ある表面部分について全ての
突起について測定された分布の標準偏差で規定すること
が有効であり、σ<250nmとすることによって望ましい
耐摩耗性が得られる。
本発明のフィルムにおいては、粒子Aの結晶化促進係数
が8℃、好ましくは5℃よりも小さいことが望ましい。
この測定法については後述するが、結晶化促進係数が小
さいと粒子のフィルムに対する親和性を向上することが
可能である。含有量の多い粒子Aについて親和性を上げ
ておくことにより、耐削れ性、耐スクラッチ性ともに一
層向上される。
本発明は上記組成物を主成分とするが、本発明の目的を
阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンドしても良い
し、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤紫外線吸収剤など
の無機または有機添加剤が通常添加される程度添加され
ていてもよい。
本発明フィルムは上記組成物を二軸配向せしめたフィル
ムである。未延伸フィルム、一軸配向フィルムでは、耐
スクラッチ性が不良となり、粒子あるいは粒子により形
成されたフィルム表面突起が脱落しやすくなるので好ま
しくない。
また、その二軸配向の程度を表わす面配向指数は特に限
定されないが、0.935〜0.975、特に0.940〜0.970の範囲
である場合に耐スクラッチ性、耐摩耗性がより一層良好
となるので望ましい。また、本発明フィルムの密度指数
は、0.02〜0.05の範囲である場合に耐スクラッチ性、耐
摩耗性がより一層良好となるので特に望ましい。
また、本発明フィルムは、幅方向の表面平均粗さRaが0.
005〜0.030μm、特に0.007〜0.025μmの範囲にある場
合に耐スクラッチ性がより一層良好となるので特に望ま
しい。
本発明におけるフィルムの摩擦係数μKが0.20〜0.35の
範囲にある場合に、耐スクラッチ性がより一層良好とな
るので特に望ましい。
また本発明フィルムの表面固有抵抗が1×1015Ω・cmよ
りも小さい場合に耐スクラッチ性、耐摩耗性が一層良好
となるので特に望ましい。この値以上になると、仮にフ
ィルム粉が削りとられた場合、該フィルム粉が静電気等
により塊状になりやすくなり、塊状になったフィルム粉
がフィルム面を傷付けやすくなるので、好ましくない。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、所定のポリエステルに粒子A、Bを含有せしめる
方法としては、重合前、重合中、重合後のいずれに添加
してもよいが、ポリエステルのジオール成分であるエチ
エングリコールに、スラリーの形で混合、分散せしめて
添加する方法が有効である。また、粒子の含有量を調節
する方法としては、高濃度のマスターペレットを製膜時
に稀釈する方法が有効である。粒子A、Bを用いて、高
濃度、好ましくは1〜5重量%のマスターペレットの溶
融粘度、共重合成分を調整して、ガラス転移点Tgと冷結
晶化温度Tccとの差(Tcc−Tg)を、65〜110℃、とくに7
5〜100℃にしておくことが、きわめて有効である。
また、粒子A、Bは、エチレングリコールに分散させた
スラリーを重合反応前、または重合反応中に添加するの
が本発明範囲の平均粒径を得るのに有効である。
なお、本発明においては、粒子A、Bをそれぞれ別に含
有する高濃度マスターのポリエステルを製造してもよい
が、重合時あるいはマスターペレット製造時に予め所定
の混合比で粒子A、Bを高濃度で入れておき、作成され
たマスターペレットをフィルム製造段階で他のチップ、
ペレットにより稀釈して所定の濃度にする方法が最も好
ましい。
かくして、所定量の粒子A、Bを含有するポリエステル
ペレットを十分乾燥させた後、公知の溶融押出機に供給
し、270℃〜330℃でスリット状のダイからシート状に押
出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延
伸フィルムを作る。この未延伸フィルムを作る場合、キ
ャスト時のドラフト比(口金のスリット幅/未延伸フィ
ルムの厚み)は、16倍以上の高い値であることが好まし
い。高ドラフトキャストを行なうと粒子が表層部へ集中
するという特異な現象が起こり、粒子A、Bにそれぞれ
ねらった機能を発揮させやすくなるため、このような高
ドラフトキャストを行なうことが本発明において特に有
効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し二軸配向せしめ
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法、または同時二
軸延伸法を用いることができる。逐次二軸延伸法の場合
は長手方向、幅方向の順に延伸するのが一般的である
が、この順を逆にして延伸してもよい。二軸延伸の条件
は延伸方法、ポリマの種類などによって必ずしも一定で
はないが、通常長手方向、幅方向ともに80〜160℃、好
ましくは90〜150℃の範囲で、延伸倍率はそれぞれ3.0〜
5.0倍、好ましくは3.2〜4.5倍の範囲が、また延伸速度
は1000〜70,000%/分の範囲が好適である。
次にこの延伸フィルムを熱処理する。熱処理条件は定長
下、および幅方向に1〜15%、好ましくは2〜10%の弛
緩下で、また、幅方向に1.01〜1.2倍、好ましくは1.05
〜1.15倍微延伸下で、150〜230℃、好ましくは170〜220
℃の範囲で0.5〜60秒間が好適である。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)粒子の含有量(重量%) ポリエステル1gをプラズマ装置で灰化させ、原子吸光分
析装置(たとえば島津製作所製AA−680型)を用いてポ
リエステル中の各元素の量を定量し、その元素からなる
粒子の量を粒子の分子量から換算して、重量%として求
める。尚、粒子の化学組成はX線回折などの方法で知る
ことができる。
また、必要に応じて、螢光X線分析法や、熱分解がスク
ロマトグラフィー、赤外線吸収、ラマン散乱などを用い
て定量することもできる。
(2)粒子の平均粒径(nm) 粒子を含したフィルムを、フィルム平面に垂直に厚さ10
00Åの超薄切片とし、透過型電子顕微鏡(例えば日本電
子製JEM−1200EXなど)を用いて粒子を観察し、100視野
について平均した値を平均粒径とした。但し、ここで、
平均粒径とは一次粒子の平均粒径であり、粒子が凝集状
態にある場合でも個々の一次粒子の実効径から求めたも
のをいう。
(3)表面突起の高さ分布の標準偏差 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリオ
ニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオニ
クス(株)製]においてフィルム表面の平坦面の高さを
0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処理装
置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、画像
処理装置上にフィルム表面突起画像を再構築する。次
に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得られた
個々の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の
平均径とする。また、この2値化された個々の突起部分
の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の
突起について求める。この測定を場所をかえて500回繰
返し、測定された突起についてその高さ分布を正規分布
(高さ0の点を中心とする正規分布)とみなして最小2
乗法で近似して高さ分布の標準偏差を求めた。また走査
型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間を選択する。
(4)面配向指数 ナトリウムD線(波長589nm)を光源としてアッベ屈折
率計を用いて、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率
(Aとする)および溶融プレス後10℃の水中へ急冷して
作った無配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の屈
折率(Bとする)を測定し、A/Bをもって面配向指数と
した。マウント液にはヨウ化メチレンを用い、25℃、65
%RHにて測定した。
(5)ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tcc パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型を
用いて測定した。DSCの条件は次の通りである。すなわ
ち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分
間溶融した後、液体窒素中で冷却する。この急冷試料を
10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。さらに
昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピーク温度を
もって冷結晶化温度Tccとした。ここで、TccとTgの差
(Tcc−Tg)をΔTcgと定義する。
(6)結晶化促進係数 上記方法で、1重量%の不活性粒子を含有するポリエス
テルのΔTcg(A)、およびこれと同粘度の不活性粒子
を含有しないポリエステルのΔTcg(B)を測定し、ΔT
cg(B)とΔTcg(A)との差[ΔTcg(B)−ΔTcg
(A)]をもって、その不活性粒子の結晶化促進係数と
した。
(7)密度指数 n−ヘプタン/四塩化炭素からなる密度勾配管を用いて
測定したフィルムの密度をρ(g/cm3)とし、このフ
ィルムを溶融プレス後、10℃の水中へ急冷して作った無
配向(アモルファス)フィルムの密度ρとの差(ρ
−ρ)をもって密度指数とした。
(8)摩擦係数μk テープ走行性試験機TBT−300型[株式会社横浜システム
研究所製]を使用し、20℃、60%RH雰囲気で走行させ、
初期のμk(摩擦係数)を下記の式より求めた。
μk=0.733log(T1/T0) ここで、T0は入側張力、T1は出側張力である。ガイド径
は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2S)、
巻き付け角は180゜、走行速度は3.3cm/秒である。
(9)表面固有抵抗 超絶縁計[川口電機製作所株式会社製]VE−40型を使用
して測定した。
(10)10%加熱減量時温度 島津製作所製の熱重量分析装置TG30M型を用いて、窒素
中、昇温速度10℃/分で測定した。
なお、試料重量は5mgとした。
(11)耐スクラッチ性 テープ走行試験機TBT300D/H型[株式会社横浜システム
研究所]を使用し、フィルムを幅1/2インチのテープ状
にスリットし、張力30g、走行速度250m/分で、ビデオカ
セットのテープガイドピン(表面粗さがRtで2500nm程度
の表面を持ったステンレス製ガイドピン)上を巻付角60
゜で60m走行させ、その時につく傷の量を次の基準にい
たがい目視で判定した。
まったく傷のないもの………5点 浅い傷のあるもの……………3点 深い傷のあるもの……………1点 また、5点と3点の中間を4点、3点と1点の中間を2
点とした。この時、3点以上を耐スクラッチ性良好、3
点未満を耐スクラッチ性不良とした。
この時の判定で3点未満のフィルムは、フィルムの加工
時や製品としたときの走行時にフィルム表面が摩耗して
深い傷が発生するため、製品の品質が著しく悪くなる。
(12)耐削れ性 フィルムを幅1/2インチにテープ状にスリットしたもの
に片刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ状態
で20cm走行させる(走行張力:500g、走行速度:6.7cm/
秒)。この時片刃の先に付着したフィルム表面の削れ物
の高さを顕微鏡で読みとり、削れ量とした(単位はμ
m)この削れ量の両面の平均値が5μm以下の場合は耐
削れ性:非常に良好、5〜7μmの場合は耐削れ性:良
好、7μmを越える場合は耐削れ性:不良と判定した。
この7μmという値は、印刷工程やカレンダー工程など
の加工工程で、フィルム表面が削れることによって、工
程上、製品性能上のトラブルがおこるか否かを厳しく判
定するための臨界点である。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜10 粒子Aとして、平均粒径d1がそれぞれ異なるが本発明範
囲内である、ルチル型二酸化チタン粒子を選び、粒子B
として、平均粒径d2がそれぞれ異なるが本発明範囲内で
ある、アルミナ、有機高分子粒子を選び、それぞれ、エ
チレングリコール中に均一に分散させ、195℃で2時間
熱処理したのち、テレフタル酸ジメチルとエステル交換
反応後重縮合し、各粒子を本発明で規定した範囲よりは
相当高い濃度で含有するポリエステルを作成し、それを
マスターペレットにした。
各マスターペレットと、粒子を含有していないポリエス
テルペレットとを、粒子Aおよび粒子Bが本発明の含有
率の範囲となるように混合し、混合したペレットを180
℃で3時間減圧乾燥(3Torr)した。このペレットを押
出機に供給し、290℃で溶融押出し、静電印加キャスト
法を用いて表面温度30℃のキャスティング・ドラムに巻
き付けて冷却固化し厚さ約180μmの未延伸フィルムを
作った。このときのドラフト比は22であった。
この未延伸フィルムを90℃にて長手方向に3.4倍延伸し
た。この延伸は2組のロール周速差で行なわれ、延伸速
度は10000%/分であった。この一軸フィルムをステン
ターを用いて延伸速度3000%/分で100℃で幅方向に3.6
倍延伸し、幅方向に1.05倍微延伸させつつ、210℃にて
5秒間熱処理し、厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフ
ィルムを得た。これらのフィルムの性能は第1表に示し
た通り、粒子A、Bの材質が本発明で規定するものであ
り、平均粒径、含有量が本発明範囲であるので、耐スク
ラッチ性、耐削れ性ともに優れたフィルムが得られた。
比較例1〜10 粒子A、Bの平均粒径が本発明の範囲から外れるもの、
含有量が本発明の範囲から外れるもの、および、粒子の
材質に関し本発明で規定したもの以外を組合わせたもの
について、それぞれ前記実施例と同一の製造方法にて厚
さ15μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。これ
らのフィルムの性能は第2表に示した通り、粒子A、B
の材質、平均粒径、含有量のいずれが本発明の範囲から
外れても、耐スクラッチ性、耐削れ性を両立させること
のできるフィルムは得られなかった。なお、実施例、比
較例ともにポリエステルはポリエチレンテレフタレート
であった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、特定の材質から
選ばれ、特定の範囲の平均粒径、含有量を有する二種の
粒子A、Bを含有する二軸配向ポリエステルフィルムと
したので、最近の苛酷な使用条件にも耐え得る、優れた
耐スクラッチ性、耐削れ性(耐摩耗性)を備えたフィル
ムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種の粒子A、Bを含有し、粒子Aは、ル
    チル型二酸化チタン粒子からなり、平均粒径が10〜400n
    m、含有量が0.2〜2重量%であり、粒子Bは、アルミナ
    又は有機高分子粒子からなり、平均粒径が400〜1500n
    m、含有量が0.01〜0.2重量%であることを特徴とする二
    軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】表面固有抵抗が1×1015Ω・cmよりも小さ
    い請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】表面突起の高さ分布の標準偏差が250nmよ
    りも小さい請求項1又は2記載の二軸配向ポリエステル
    フィルム。
  4. 【請求項4】粒子Aの結晶化促進係数が8℃よりも小さ
    い請求項1、2および3のいずれかに記載の二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
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