JPH06279599A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH06279599A
JPH06279599A JP27304293A JP27304293A JPH06279599A JP H06279599 A JPH06279599 A JP H06279599A JP 27304293 A JP27304293 A JP 27304293A JP 27304293 A JP27304293 A JP 27304293A JP H06279599 A JPH06279599 A JP H06279599A
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particles
film
alumina
biaxially oriented
average particle
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Koichi Abe
晃一 阿部
Satoshi Nishino
聡 西野
Hidehito Minamizawa
秀仁 南沢
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2種の粒子A、Bを含有し、粒子Aは、α−
アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、ジルコニア、
窒化チタンおよび有機高分子の中から選ばれた一種の粒
子からなり、平均粒径が5〜400nm、含有量が0.
1〜2重量%であり、粒子Bは、シリカ、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、ルチル型チタンおよび有機高分子の中か
ら選ばれた一種の粒子からなり、平均粒径が400〜1
500nm、含有量が0.4重量%を超え10重量%以
下である二軸配向ポリエステルフィルム。 【効果】 最近の苛酷な使用条件にも耐え得る、優れた
耐スクラッチ性のフィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向ポリエステル
フィルムに関し、とくに磁気テープ用ベースフィルム、
包装用、各種産業資材用フィルムとして好適な、耐スク
ラッチ性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】先に本出願人により、包装用、コンデン
サ用あるいは磁気テープ用ベースフィルムとして、平均
粒径0.05〜2.0μm、モ−ス硬度7以上の粒子を
含有させた二軸配向ポリエステルフィルムが提案されて
いる(特開昭63−230741号公報)。このフィル
ムにおいては、硬い粒子を含有させることにより、フィ
ルム表面の耐摩耗性を向上しつつ、該粒子の粒径を比較
的大きなものとすることにより、フィルム加工時や製品
としたときの良好な滑り性、走行性を確保するようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ポリエステ
ルフィルム、とくに磁気テ−プ用ベースフィルムや高い
機械的特性が要求される包装用フィルムとして使用され
る二軸配向ポリエステルフィルムには、さらに優れた耐
スクラッチ性が要求されてきており、上記特開昭63−
230741号公報提案のフィルムでは、未だ十分とは
いえなくなってきた。
【0004】たとえば、各種工程等の速度増大に伴い、
工程中にある各種高速ロールと接触してもフィルム表面
に傷が付かないだけの高い耐スクラッチ性が要求されつ
つあるが、上記提案フィルムの如く単に比較的粒径の大
きな一種類の硬い粒子を含有させるだけでは、該粒子に
よりフィルム表面上に突起状に突出する部分については
硬度が高められ耐摩耗性は向上されるものの、フィルム
の地肌(上記突出部以外の表面部)自身については補強
されないため、この地肌部分にかき傷が入るおそれがあ
る。
【0005】また、地肌部分が補強されない結果、フィ
ルム表面部にある、耐摩耗性向上のための粒子の保持力
が十分とはいえず、接触するロール等から受ける外力に
よって粒子部がフィルム粉として削られるおそれがあ
り、該削れが生じると、それがロール表面等に付着し該
付着物によってさらにフィルム表面が傷付けられるとと
もに、脱落フィルム粉が異物となって、各種加工工程の
外乱となったり、製品自身の性能を低下させたりするお
それがある。
【0006】本発明は、上記のような問題点に着目し、
二軸配向ポリエステルフィルムの表面の耐スクラッチ性
をさらに向上することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向ポリエステルフィルムは、2種の粒子A、Bを
含有し、粒子Aは、α−アルミナ、γ−アルミナ、δ−
アルミナ、ジルコニア、窒化チタンおよび有機高分子の
中から選ばれた一種の粒子からなり、平均粒径が5〜4
00nm、含有量が0.1〜2重量%であり、粒子B
は、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ルチル型チタ
ンおよび有機高分子の中から選ばれた一種の粒子からな
り、平均粒径が400〜1500nm、含有量が0.4
重量%を超え10重量%以下であるものから成る。
【0008】本発明におけるポリエステルは、エチレン
テレフタレート、エチレンα・β−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4、4´−ジカルボキシレート、エ
チレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくと
も一種の構造単位を主要構成成分とする。ただし、本発
明を阻害しない範囲内、好ましくは15モル%以内であ
れば他成分が共重合されていてもよい。また、エチレン
テレフタレートを主要構成成分とするポリエステルの場
合に耐スクラッチ性がより良好となるので特に望まし
い。
【0009】本発明のフィルムには、二種の粒子A、B
が含有される。粒子Aは、比較的平均粒径の小さな粒子
であり、主としてフィルムの地肌部分を補強するが、こ
の地肌補強効果を高めるために、硬度の高い粒子あるい
はフィルムとの親和性が良好な粒子が選択される。硬度
の高い粒子としては、α−アルミナ、γ−アルミナ、δ
−アルミナ、ジルコニア、窒化チタンからなる粒子が好
ましく、親和性の良好な粒子としては、有機高分子粒
子、たとえば架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、4
フッ化エチレン粒子等が挙げられる。
【0010】本発明における有機高分子粒子は、加熱減
量曲線における10%重量減量時温度が360℃、好ま
しくは380℃、さらに好ましくは400℃以上である
場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好と
なるので特に望ましい。
【0011】また、粒子Aは、平均粒径d1 が5〜40
0nmの比較的小さな粒子である。平均粒径がこの範囲
よりも小さいと、フィルム地肌部の補強効果が薄れ、耐
スクラッチ性が不良となるので好ましくない。また、平
均粒径が上記範囲よりも大きいと、粒子の分布が粗くな
りすぎ、フィルム地肌補強効果が薄れ、粒子Bあるいは
粒子Bにより形成されたフィルム表面突起を保持する強
度が低下し、粒子Bあるいはそれによるフィルム表面突
起が削られやすくなり、耐スクラッチ性が悪化する。ま
た、粒子Aによるフィルム表面突起自身についても削ら
れる機会が増大するので好ましくない。上記平均粒径d
1 のより好ましい範囲は、10〜200nmである。
【0012】本発明における有機高分子粒子は、加熱減
量曲線における10%重量減量時温度が360℃、好ま
しくは、380℃、さらに好ましくは400℃以上であ
る場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好
となるので特に望ましい。
【0013】また粒子Aの含有量は0.1〜2.0重量
%の範囲に調製される。この範囲よりも少ないと、粒子
A含有によるフィルム地肌補強効果が薄れ、望ましい耐
スクラッチ性が得られない。この範囲よりも多いと、含
有物が多くなりすぎるので構造的に脆くなるおそれがあ
り、フィルム自身が削り取られやすくなったり、含有粒
子が脱落しやすくなったり耐スクラッチ性が悪化するの
で好ましくない。より好ましい含有量は、0.3〜1.
0重量%である。
【0014】粒子Bは、粒子Aよりも平均粒径の大きな
粒子であり、粒子Bによって形成されたフィルム表面突
起によりフィルム表面の粗さを増し、表面の摩擦係数を
下げることにより、耐スクラッチ性を向上しつつ、加工
時等にロール等の他の面に接触する際の抵抗を減らし、
フィルム表面が削りとられにくいようにすることを狙っ
たものである。これらを達成可能な粒子Bの材質とし
て、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、ルチル型チタ
ンおよび有機高分子が挙げられ、有機高分子粒子につい
ては前述の粒子Aと同様の材質を採り得る。
【0015】また、粒子Bは、平均粒径d2 が400〜
1500nmの比較的大きな粒子であり、粒子Aの平均
粒径d1 よりも大きく設定される。この粒子Bは、比較
的大きな粒子であるため、該粒子によって形成されるフ
ィルム表面突起の高さを、粒子Aによるものよりは高く
でき、その部分の表面粗さを粗くできる。粗くなると、
摩擦係数を低減できるので、結果的にフィルム表面の耐
スクラッチ性が良くなるが、平均粒径d2 が上記範囲よ
りも小さいと、フィルム表面を粗くする効果が小さくな
り、その分耐スクラッチ性が悪くなるので、好ましくな
い。逆に上記範囲よりも大きいと、粒子B自身あるいは
粒子Bにより形成された表面突起部分が削りとられやす
くなり、耐スクラッチ性が悪化するので、好ましくな
い。
【0016】粒子Bの含有量は0.4重量%を超え10
重量%以下の範囲に調製される。この範囲よりも少ない
と、粒子B含有による摩擦係数低減効果が少なく、望ま
しい耐スクラッチ性が得られない。逆に上記範囲よりも
多いと、粒子Aにより補強されたフィルム地肌部分の受
けもつ、粒子Bあるいは粒子Bによるフィルム表面突起
部分が極端に多くなりすぎ、削りとられやすくなり、耐
スクラッチ性が悪化し、好ましくない。より好ましい含
有量は、0.5〜6重量%である。
【0017】本発明のフィルムにおいては、表面突起の
高さ分布の標準偏差σが250nmより小さいことが望
ましい。高さの高い表面突起は、平均粒径の大きな粒子
Bによって形成されるが、高い突起が多いとそれだけ削
りとられやすくなり、耐スクラッチ性が悪化する。σの
測定法については後述するが、現実の測定においては突
起が粒子A、Bのいずれによって形成されたものかは判
定しにくいので、ある表面部分について全ての突起につ
いて測定された分布の標準偏差で規定することが有効で
あり、σ<250nmとすることによって望ましい耐ス
クラッチ性が得られる。
【0018】本発明のフィルムにおいては、粒子Aの冷
結晶化温度とガラス転移点との差が8℃、好ましくは5
℃よりも小さいことが望ましい。この差の測定法につい
ては後述するが、この差が小さいと粒子のフィルムに対
する親和性を向上することが可能である。含有量の多い
粒子Aについて親和性を上げておくことにより、耐スク
ラッチ性が一層向上される。
【0019】本発明は上記組成物を主成分とするが、本
発明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブレンド
しても良いし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外
線吸収剤などの無機または有機添加剤が通常添加される
程度添加されていてもよい。
【0020】本発明フィルムは上記組成物を二軸配向せ
しめたフィルムである。未延伸フィルム、一軸配向フィ
ルムでは、耐スクラッチ性が不良となり、粒子あるいは
粒子により形成されたフィルム表面突起が脱落しやすく
なるので好ましくない。
【0021】また、その二軸配向の程度を表わす面配向
指数は特に限定されないが、0.935〜0.975、
特に0.940〜0.970の範囲である場合に耐スク
ラッチ性がより一層良好となるので望ましい。また、本
発明フィルムの密度指数は、0.02〜0.05の範囲
である場合に耐スクラッチ性がより一層良好となるので
特に望ましい。
【0022】また、本発明フィルムは、幅方向の表面平
均粗さRaが0.005〜0.030μm、特に0.0
07〜0.025μmの範囲にある場合に耐スクラッチ
性がより一層良好となるので特に望ましい。
【0023】本発明におけるフィルムの摩擦係数μkが
0.20〜0.35の範囲にある場合に、耐スクラッチ
性がより一層良好となるので特に望ましい。
【0024】また本発明フィルムの表面固有抵抗が1×
1015Ω・cmよりも小さい場合に耐スクラッチ性が一
層良好となるので特に望ましい。この値以上になると、
仮にフィルム粉が削りとられた場合、該フィルム粉が静
電気等により塊状になりやすくなり、塊状になったフィ
ルム粉がフィルム面を傷付けやすくなるので、好ましく
ない。
【0025】次に本発明フィルムの製造方法について説
明する。まず、所定のポリエステルに粒子A、Bを含有
せしめる方法としては、重合前、重合中、重合後のいず
れに添加してもよいが、ポリエステルのジオール成分で
あるエチレングリコールに、スラリーの形で混合、分散
せしめて添加する方法が有効である。また、粒子の含有
量を調節する方法としては、高濃度のマスターペレット
を製膜時に稀釈する方法が有効である。粒子A、Bを用
いて、高濃度、好ましくは1〜5重量%のマスターペレ
ットの溶融粘度、共重合成分を調整して、ガラス転移点
Tgと冷結晶化温度Tccとの差(Tcc−Tg)を、
65〜110℃、とくに75〜100℃にしておくこと
が、きわめて有効である。
【0026】また、粒子A、Bは、エチレングリコール
に分散させたスラリーを重合反応前、または重合反応中
に添加するのが本発明範囲の平均粒径を得るのに有効で
ある。
【0027】なお、本発明においては、粒子A、Bをそ
れぞれ別に含有する高濃度マスターのポリエステルを製
造してもよいが、重合時あるいはマスターペレット製造
時に予め所定の混合比で粒子A、Bを高濃度で入れてお
き、作成されたマスターペレットをフィルム製造段階で
他のチップ、ペレットにより稀釈して所定の濃度にする
方法が最も好ましい。
【0028】かくして、所定量の粒子A、Bを含有する
ポリエステルペレットを十分乾燥させた後、公知の溶融
押出機に供給し、270℃〜330℃でスリット状のダ
イからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷
却固化せしめて未延伸フィルムを作る。この未延伸フィ
ルムを作る場合、キャスト時のドラフト比(口金のスリ
ット幅/未延伸フィルムの厚み)は、16倍以上の高い
値であることが好ましい。高ドラフトキャストを行なう
と粒子が表層部へ集中するという特異な現象が起こり、
粒子A、Bにそれぞれねらった機能を発揮させやすくな
るため、このような高ドラフトキャストを行なうことが
本発明において特に有効である。
【0029】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し二軸
配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法、ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。逐次二軸延
伸法の場合は長手方向、幅方向の順に延伸するのが一般
的であるが、この順を逆にして延伸してもよい。二軸延
伸の条件は延伸方法、ポリマの種類などによって必ずし
も一定ではないが、通常長手方向、幅方向ともに80〜
160℃、好ましくは90〜150℃の範囲で、延伸倍
率はそれぞれ3.0〜5.0倍、好ましくは3.2〜
4.5倍の範囲が、また延伸速度は1000〜70,0
00%/分の範囲が好適である。
【0030】次にこの延伸フィルムを熱処理する。熱処
理条件は定長下、および幅方向に1〜15%、好ましく
は2〜10%の弛緩下で、また、幅方向に1.01〜
1.2倍、好ましくは1.05〜1.15倍微延伸下
で、150〜230℃、好ましくは170〜220℃の
範囲で0.5〜60秒間が好適である。
【0031】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。 (1)粒子の含有量(重量%) ポリエステル1gをプラズマ装置で灰化させ、原子吸光
分析装置(たとえば島津製作所製AA−680型)を用
いてポリエステル中の各元素の量を定量し、その元素か
らなる粒子の量を粒子の分子量から換算して、重量%と
して求める。尚、粒子の化学組成はX線回折などの方法
で知ることができる。また、必要に応じて、螢光X線分
析法や、熱分解ガスクロマトグラフィー、赤外線吸収、
ラマン散乱などを用いて定量することもできる。
【0032】(2)粒子の平均粒径(nm) 粒子を含有したフィルムを、フィルム平面に垂直に厚さ
1000Åの超薄切片とし、透過型電子顕微鏡(例えば
日本電子製JEM−1200EXなど)を用いて粒子を
観察し、100視野について平均した値を平均粒径とし
た。但し、ここで、平均粒径とは一次粒子の平均粒径で
あり、粒子が凝集状態にある場合でも個々の一次粒子の
実効径から求めたものをいう。
【0033】(3)表面突起の高さ分布の標準偏差 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、
エリオニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、
エリオニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面
の高さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画
像処理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)
製]に送り、画像処理装置上にフィルム表面突起画像を
再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値
化して得られた個々の突起の面積から円相当径を求めこ
れをその突起の平均径とする。また、この2値化された
個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高さと
し、これを個々の突起について求める。この測定を場所
をかえて500回繰返し、測定された突起についてその
高さ分布を正規分布(高さ0の点を中心とする正規分
布)とみなして最小2乗法で近似して高さ分布の標準偏
差を求めた。また走査型電子顕微鏡の倍率は、1000
〜8000倍の間を選択する。
【0034】(4)面配向指数 ナトリウムD線(波長589nm)を光源としてアッベ
屈折率計を用いて、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折
率(Aとする)および溶融プレス後10℃の水中へ急冷
して作った無配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向
の屈折率(Bとする)を測定し、A/Bをもって面配向
指数とした。マウント液にはヨウ化メチレンを用い、2
5℃、65%RHにて測定した。
【0035】(5)ガラス転移点Tg、冷結晶化温度T
cc パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II
型を用いて測定した。DSCの条件は次の通りである。
すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、30
0℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中で冷却す
る。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点
Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとし
た。ここで、TccとTgの差(Tcc−Tg)をΔT
cgと定義する。
【0036】(6)密度指数 n−ヘプタン/四塩化炭素からなる密度勾配管を用いて
測定したフィルムの密度をρ1 (g/cm3 )とし、こ
のフィルムを溶融プレス後、10℃の水中へ急冷して作
った無配向(アモルファス)フィルムの密度ρ2 との差
(ρ1 −ρ2 )をもって密度指数とした。
【0037】(7)摩擦係数μk テープ走行性試験機TBT−300型(株式会社横浜シ
ステム研究所製)を使用し、20℃、60%RH雰囲気
で走行させ、初期のμk(摩擦係数)を下記の式より求
めた。 μk=0.733log(T1 /T0 ) ここで、T0 は入側張力、T1 は出側張力である。ガイ
ド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面
粗度0.2S)、巻き付け角は180°、走行速度は
3.3cm/秒である。
【0038】(8)表面固有抵抗 超絶縁計(川口電機製作所株式会社製)VE−40型を
使用して測定した。
【0039】(9)耐スクラッチ性 テープ走行試験機TBT300D/H型(株式会社横浜
システム研究所製)を使用し、フィルムを幅1/2イン
チのテープ状にスリットし、張力30g、走行速度25
0m/分で、ビデオカセットのテープガイドピン(表面
粗さがRtで2500nm程度の表面を持ったステンレ
ス製ガイドピン)上を巻付角60°で60m走行させ、
その時につく傷の量を次の基準にしたがい目視で判定し
た。 まったく傷のないもの : 5点 浅い傷のあるもの : 3点 深い傷のあるもの : 1点 また、5点と3点の中間を4点、3点と1点の中間を2
点とした。この時、3点以上を耐スクラッチ性良好、3
点未満を耐スクラッチ性不良とした。この時の判定で3
点未満のフィルムは、フィルムの加工時や製品としたと
きの走行時にフィルム表面が摩耗して深い傷が発生する
ため、製品の品質が著しく悪くなる。
【0040】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1〜3 粒子Aとして、平均粒径d1 がそれぞれ異なるが本発明
範囲内である、α−アルミナ、δ−アルミナ、ジルコニ
アを選び、粒子Bとして、平均粒径d2 がそれぞれ異な
るが本発明範囲内である、シリカ、炭酸カルシウム、有
機高分子粒子を選び、それぞれ、エチレングリコール中
に均一に分散させ、195℃で2時間熱処理したのち、
テレフタル酸ジメチルとエステル交換反応後重縮合し、
各粒子を本発明で規定した範囲よりは相当高い濃度で含
有するポリエステルを作成し、それをマスターペレット
にした。
【0041】各マスターペレットと、粒子を含有してい
ないポリエステルペレットとを、粒子Aおよび粒子Bが
本発明の含有率の範囲となるように混合し、混合したペ
レットを180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)し
た。このペレットを押出機に供給し、290℃で溶融押
出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキ
ャスティング・ドラムに巻き付けて冷却固化し厚さ約1
80μmの未延伸フィルムを作った。このときのドラフ
ト比は22であった。
【0042】この未延伸フィルムを90℃にて長手方向
に3.4倍延伸した。この延伸は2組のロール周速差で
行なわれ、延伸速度は10000%/分であった。この
一軸フィルムをステンターを用いて延伸速度3000%
/分で100℃で幅方向に3.6倍延伸し、幅方向に
1.05倍微延伸させつつ、210℃にて5秒間熱処理
し、厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。これらのフィルムの性能は表1に示した通り、粒子
A、Bの材質が本発明で規定するものであり、平均粒
径、含有量が本発明範囲であるので、耐スクラッチ性に
優れたフィルムが得られた。
【0043】比較例1〜4 平均粒径が本発明の範囲から外れるもの、含有量が本発
明の範囲から外れるもの、および、粒子の材質に関し本
発明で規定したもの以外を組合わせたものについて、そ
れぞれ前記実施例と同一の製造方法にて厚さ15μmの
二軸配向ポリエステルフィルムを得た。これらのフィル
ムの性能は表1に示した通り、粒子A、Bの材質、平均
粒径、含有量のいずれが本発明の範囲から外れても、目
標とする耐スクラッチ性を満足させることのできるフィ
ルムは得られなかった。なお、実施例、比較例ともにポ
リエステルはポリエチレンテレフタレートであった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特定の材質から選ばれ、特定の範囲の平均粒径、含有量
を有する二種の粒子A、Bを含有する二軸配向ポリエス
テルフィルムとしたので、最近の苛酷な使用条件にも耐
え得る、優れた耐スクラッチ性のフィルムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00 4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種の粒子A、Bを含有し、粒子Aは、
    α−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、ジルコニ
    ア、窒化チタンおよび有機高分子の中から選ばれた一種
    の粒子からなり、平均粒径が5〜400nm、含有量が
    0.1〜2重量%であり、粒子Bは、シリカ、炭酸カル
    シウム、アルミナ、ルチル型チタンおよび有機高分子の
    中から選ばれた一種の粒子からなり、平均粒径が400
    〜1500nm、含有量が0.4重量%を超え10重量
    %以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 表面固有抵抗が1×1015Ω・cmより
    も小さい請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 表面突起の高さ分布の標準偏差が250
    nmよりも小さい請求項1又は2記載の二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  4. 【請求項4】 粒子Aの冷結晶化温度とガラス転移点と
    の差が8℃よりも小さい請求項1、2および3のいずれ
    かに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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