JP2021011546A - 樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無機物微粒子を樹脂中に微分散して混合することができ、そのまま成形物とするか、あるいはマスターバッチとして他の樹脂を加えて成形物とするのに好適な樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法を提供する。さらに、温感効果を有する樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂に、遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有した樹脂組成物であって、前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多く、前記遠赤外線放射物質粒子は微分散している。得られた樹脂組成物はマスターバッチ用樹脂として有用である。近赤外線反射物質粒子はB型シリカゲルが好ましく、遠赤外線放射物質粒子は酸化ジルコニウムが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、特定の無機物粒子を混合した樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法に関する。
従来から、樹脂に無機物粒子を混合させた組成物は様々な方法が提案されている。近年、特に、保温効果や断熱効果の高い衣料、敷物などのプラスチック製品や繊維製品が広く用いられており、それらの機能を発現するために、赤外線(近赤外線や遠赤外線)が利用されている。また前記製品は、屋外の利用だけでなく、屋内利用にも使われるようになっている。例えば、特許文献1には、遠赤外線放射材料として0.1〜10mmの比較的大きな粒径のSiO2,ZrO2などの無機物を使用することが提案されている。特許文献2〜3には、遠赤外線放射材料として3μm以下の粒径のSiO2,ZrO2などの無機物を使用することが提案されている。特許文献4には、遠赤外線放射と近赤外吸収性マスターバッチ用樹脂組成物として、アンチモンドープ酸化スズ粒子を樹脂に混合することが提案されている。
特開平3−225787号公報 特開平6−233830号公報 実開平2−058458号公報 特開2015−227435号公報
しかし、従来の方法は、特許文献1〜特許文献3では、遠赤外線放射材料だけなので使用する用途が制限される、使用環境により多量の遠赤外線放射材料を必要とするなど、制限されることがあった。また、特許文献4では、遠赤外線放射と近赤外吸収性とを有する粒子を混合しており、蓄熱性は高いが断熱性に劣る。さらに、無機物微粒子を樹脂にコンパウンド(混合)する場合、粒子径が小さくなるほど凝集等が起こりやすく、均一に微分散することは困難であった。分散させるには、例えば、特許文献1では元々の粒子径を大きくすることを試みているが、それでは粒子の持つ十分な効果を引き出すことができない。また特許文献4では特殊な分散剤を用いることを試みているが、コストが高くなるか、用途が制限されるなどの問題があった。よって、成形体、フィルム、繊維等に加工することが難しいという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、無機物微粒子を樹脂中に微分散して混合することができ、そのまま成形体とするか、あるいはマスターバッチとして他の樹脂を加えて樹脂成形体とするのに好適な樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法、並びにその樹脂組成物を用いて成形した樹脂成形体を提供する。さらに、温感効果を有する樹脂組成物及び樹脂成形体を提供する。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に、遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有した樹脂組成物であって、前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多く、前記遠赤外線放射物質粒子は微分散していることを特徴とする。
本発明の第1番目の樹脂組成物の製造方法は、
熱可塑性樹脂を準備し、
遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を準備し、
前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多くなるように、熱可塑性樹脂中に混練させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の第2番目の樹脂組成物の製造方法は、
熱可塑性樹脂を準備し、
遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を準備し、
前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多くなるようにして、
樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押し出し部を連続して接続し、
前記混練溶融部に、水分散液とした遠赤外線放射物質粒子と、加熱溶融させた樹脂とを供給し、
次に前記混練分散部に送り、溶融混練と同時に前記減圧ラインから水分を気体の状態で除去し、押し出し部から樹脂組成物を押し出して冷却し、ペレット化する一次混練工程と、
得られたペレットと近赤外線反射物質粒子をドライブレンドし、溶融混練し、押し出し部から樹脂組成物を押し出して冷却し、ペレット化する二次混練工程を含むことを特徴とする。
本発明は、熱可塑性樹脂に、遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有した樹脂組成物であって、前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多く、前記遠赤外線放射物質粒子は微分散していることにより、そのまま成形体とするか、あるいはマスターバッチとして他の樹脂を加えて成形体とするのに好適である。
また、熱可塑性樹脂に、遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有しているため、相乗効果により成形体の温感効果を高めることができる。
さらに、水分散液とした遠赤外線放射物質粒子と、加熱溶融させた樹脂とを供給し、溶融混練と同時に前記減圧ラインから水分を気体の状態で除去し、押し出し部から樹脂組成物を押し出して冷却し、ペレット化する一次混練工程と、得られたペレットと近赤外線反射物質粒子をドライブレンドし、溶融混練し、押し出し部から樹脂組成物を押し出して冷却し、ペレット化する二次混練工程を含むことにより、無機物微粒子を樹脂中に微分散して混合することができる。
図1は本発明の一実施態様で使用する押し出し機の模式的説明図である。 図2は本発明の実施例及び比較例の近赤外線反射特性を測定したグラフである。 図3は本発明の実施例及び比較例の近赤外線反射率を測定したグラフである。 図4Aは本発明の実施例1の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図4Bは、同1000倍の観察写真である。 図5Aは本発明の実施例2の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図5Bは、同1000倍の観察写真である。 図6Aは本発明の実施例3の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図6Bは、同1000倍の観察写真である。 図7Aは比較例1の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図7Bは、同1000倍の観察写真である。
本発明は、熱可塑性樹脂に、遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有した樹脂組成物である。遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有した樹脂組成物は、例えば、成形してフィルム、繊維シート、あるいは発泡体などにすると、人体やペットのシートとして温かく有用である。特にシートにしたとき、太陽光などが照射されると表面温度が高く、有用である。近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多く、遠赤外線放射物質粒子は微分散している。近赤外線反射物質粒子の平均粒子径は、遠赤外線放射物質粒子の平均粒子径より大きいほうが好ましい。
近赤外線反射物質粒子は、CoO,CrO,MnO2,Bi23,MoO3,NiO,V25,BaO,SiO2(シリカゲル等)などの粒子が使用できるが、好ましくはシリカゲルである。A型シリカゲルは細孔容積が小さく(0.46mL/g)、B型シリカゲルは大きい(0.75mL/g)。シリカゲル自体に近赤外線反射性能があるので、近赤外線反射と細孔による空洞による断熱効果に期待ができる。このことからB型シリカゲルが好ましい。シリカゲルのタイプ(A型、B型)はJIS Z 0701によって規定されている。近赤外線反射物質粒子の平均粒子径は1μm以上が好ましく、上限は100μm以下が好ましい。より好ましい平均粒子径は10〜90μmである。粒子径は、篩分け法による400メッシュ通過粒子(目合いの大きさが37μm)、あるいはSEM写真などで確認ができる。篩分け法により求められる粒子径は、400メッシュ通過粒子(目合いの大きさが37μm)である、すなわち37μm以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂100質量部に対し、近赤外線反射物質粒子の配合量は0.1〜100質量部が好ましく、より好ましくは1〜70質量部であり、さらに好ましくは5〜50質量部である。近赤外線反射特性は、例えばレフランプ試験や近赤外線反射率測定により評価できる。
遠赤外線放射物質粒子は、SiO2,Al23,TiO2,FeO2,CuO2,ZnO2,MnO2,MgOなどの粒子が使用できるが、好ましくは酸化ジルコニウムである。酸化ジルコニウムは遠赤外線放射特性が比較的高く、微粒子化でき、水分散液として樹脂に溶融混練できることから好ましい。遠赤外線放射物質粒子の平均粒子径は100nm以下が好ましく、下限は1nmである。より好ましい平均粒子径は1〜90nmである。平均粒子径は、DLS(Dynamic light scattering:動的光散乱法)により測定できる。熱可塑性樹脂100質量部に対し、遠赤外線放射物質粒子の配合量は0.1〜15質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部であり、さらに好ましくは1〜5質量部である。遠赤外線放射特性は、例えばフーリエ変換赤外分光(FT−IR)試験により評価できる。
遠赤外線放射物質粒子は、そのままの状態でも使用できるが、スラリーの状態で添加することが好ましい。スラリーの濃度は1〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%である。スラリーの濃度が上記範囲内にあると、遠赤外線放射物質の粒子、特に平均粒子径は100nm以下の微粒子を、樹脂中に略均一に分散することができる。後述する製造方法で、特には図1に示す押し出し機等を用いるとよい。
近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子100質量部に対して、1〜1000質量部が好ましく、より好ましくは2〜140質量部であり、さらに好ましくは5〜50質量部である。各々の配合量において上記範囲を満たすことで、遠赤外線放射効果を活かしつつ、近赤外線反射効果を最大限に発揮することができる。
また。近赤外線反射物質粒子の平均粒子径は、遠赤外線放射物質粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。近赤外線反射物質粒子の平均粒子径は、遠赤外線放射物質粒子の平均粒子径の10倍以上がより好ましい。各々の平均粒子径において上記範囲を満たすことで、遠赤外線放射効果を活かしつつ、近赤外線反射効果を最大限に発揮することができる。
樹脂組成物はそのまま成形体とするか、あるいはマスターバッチとして他の樹脂を加えて樹脂成形体とすることもできる。樹脂組成物としては、好ましくはペレット化等を行い、マスターバッチ用樹脂組成物とするのがよい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、前記第1番目の方法と第2番目の方法があるが、遠赤外線放射物質粒子と近赤外線反射物質粒子の分散性が良いことから第2番目の方法が好ましい。理由としては、スラリーを添加した際、吸湿性を有する材料などスラリー化(水分散化)が困難な粒子(例えば、近赤外線反射物質粒子としてシリカゲルを用いた場合)を同時に練り込むと、スラリーの水分を含有したり、凝集したり、粒子の分散性が低下するため、一次混練工程でスラリーを溶融混練してペレットにし、二次混練工程で、得られたペレットと近赤外線反射物質粒子をドライブレンドするのがよい。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、それらの共重合体、及び熱可塑性エラストマー等があり、これら樹脂を単独でまたは二種以上組み合わせて用いることができる。この中でもポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、成形加工した樹脂成形体とすることができる。樹脂成形体は前記の押し出し機を使用してそのまま押し出し成形しても良いし、一旦ペレット状にして、圧縮成形、真空成形、射出成形、トランスファ成形、押し出し成形、カレンダ成形等、あるいはこれらの成形法の組み合わせにより成形しても良い。樹脂成形体としては、繊維、フィラメント、不織布、シート、発泡体、フィルム、ブロック体、その他適宜形状に成形すると良い。
以下、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施態様で使用する押し出し機の模式的説明図である。この押し出し機1は、原料供給口2と、樹脂溶融部3と、混練分散部4と、減圧ライン5と、押し出し部6と、取り出し部7で構成されている。まず、樹脂溶融部3の原料供給口2からポリマーと、水に分散させた遠赤外線放射物質粒子を供給する。供給前に両者を混合しておいても良い。次に混練分散部4に送り、混練分散部4では複数枚の混練プレートが回転しており、ここでポリマーと水に分散させた遠赤外線放射物質粒子は均一に溶融混練される。次いで減圧ライン5から水分が水蒸気の状態で除去される。次いで押し出し部6から樹脂組成物が押し出され、冷却して取り出し部7から取り出される。冷却後カットすればペレット状の樹脂組成物となる。これが一次混練工程である。次に、一次混練工程で得られたペレット(場合によってはペレットを所望の大きさに粉砕してパウダー化して)と近赤外線反射物質粒子をドライブレンドし、溶融混練し、押し出し部から樹脂組成物を押し出して冷却し、ペレット化する。これが二次混練工程である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(測定方法)
<近赤外線反射特性試験(1) 温度センサーによるレフランプ試験>
試験は人工気象室内(20℃、65%RH)で行った。試料(発泡体)をタテ15 cm、ヨコ15 cmに切り出して試料台の上に設置した。試料と試料台の間に温度センサー端子(4CH温度データロガー、TM-947SDJ;佐藤商事)を付けて固定した。試料の50cm上方にレフランプ(アイランプPRF500W;岩崎電気)を用意し、照射10分・消灯10分での温度変化を計測した。
<近赤外線反射特性試験(2) サーモカメラによるレフランプ試験>
試料(発泡体)を加熱プレス機で(150℃、10 MPa、1分)でフィルム状にし、5cm×5cmに切り、試料台の上に設置した。試料の50 cm上方にレフランプ(アイランプPRF500W ; 岩崎電気)を用意し、10分間照射した。照射後9分、照射後9分55秒での温度変化をサーモカメラ(FLIR C3 ; FLIR)で撮影した。
<近赤外線反射特性試験(3) 分光光度計による近赤外線反射率測定>
試料の測定は分光光度計(U-4100形分光光度計;日立)に60φ積分球付属装置(紫外可視近赤外域用;日立)を取り付けて行った。試料を4 cm×4 cmに切り、酸化アルミニウムの板と積分球の間に固定した後、1000 nm〜1600 nmの近赤外線を照射して反射率を測定した。
<遠赤外線放射特性試験>
FT-IR法により、測定温度:40℃、試験装置:パーキンエルマー社製 FT-IR SpectrumOne Fronier Tを使用し、遠赤外線分光放射特性を測定した。
(実施例1)
ポリエチレン(LDPE)の約半分から全量を1mm以下に粉砕し、残りのペレットは(直径2mm、高さ2mmの円柱状)のままにする。その樹脂100質量部に対し、酸化ジルコニウムスラリー(製品名SZR−W、堺化学工業社製、酸化ジルコニウム濃度30質量%、粒子径D50:3nm,Dmax:30nm(Measured by Dynamic light scattering,メーカー値))10質量部(乾燥質量で3質量部)をブレンドした。ブレンドした樹脂と酸化ジルコニウムスラリーを押し出し機に投入した。樹脂溶融部、混練分散部で混錬を行い、押し出し部から吐出された樹脂組成物を冷却し、ペレタイザーを通してペレット化した。得られた樹脂組成物を再粉砕し、樹脂組成物100質量部に対し、粉体B型シリカゲル(製品名:トヨタシリカゲルB白400下、豊田化工社製、粉体、篩分け法による400メッシュ通過粒子:37μm以下,メーカー値)10質量部とドライブレンドし、同工程にて酸化ジルコニウムとB型シリカゲルを含有した樹脂組成物ペレットを得た。押し出し機内における加工温度は、150〜160℃とした。
(実施例2)
ポリエチレン(LDPE)の約半分から全量を1mm以下に粉砕し、残りのペレットは(直径2mm、高さ2mmの円柱状)のままにする。その樹脂100質量部に対し、酸化ジルコニウムスラリー(製品名SZR−W、堺化学工業社製、酸化ジルコニウム濃度30質量%、粒子径D50:3nm,Dmax:30nm(Measured by Dynamic light scattering,メーカー値))10質量部(乾燥質量で3質量部)をブレンドした。ブレンドした樹脂と酸化ジルコニウムスラリーを押し出し機に投入した。樹脂溶融部、混練分散部で混錬を行い、押し出し部から吐出された樹脂組成物を冷却し、ペレタイザーを通してペレット化した。得られた樹脂組成物を再粉砕し、樹脂組成物100質量部に対し、粉体B型シリカゲル(製品名:トヨタシリカゲルB白400下、豊田化工社製、粉体、篩分け法による400メッシュ通過粒子:37μm以下,メーカー値)30質量部とドライブレンドし、同工程にて酸化ジルコニウムとB型シリカゲルを含有した樹脂組成物ペレットを得た。押し出し機内における加工温度は、150〜160℃とした。
(実施例3)
実施例1で得られたマスターバッチ樹脂組成物ペレット10質量部と、LDPE樹脂100質量部を用いて、公知の方法でシート発泡成形して樹脂発泡シート(樹脂成形体)を得た。この樹脂発泡シートは厚さ約2mm(定規で目視して測定)、単位面積当たりの質量は80g/m2、みかけ密度は約0.04g/cm3であった。また、シリカゲル含量は0.91質量%、酸化ジルコニウム含量は0.27質量%であった。
図4Aは本発明の実施例1の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図4Bは同1000倍の観察写真である。いずれも無機物の分散状態は良好である。
(実施例4)
実施例1で得られたマスターバッチ樹脂組成物ペレット30質量部と、LDPE樹脂100質量部を用いて、公知の方法でシート発泡成形して樹脂発泡シート(樹脂成形体)を得た。得られた樹脂発泡シートは厚さ約2mm、単位面積当たりの質量は80g/m2、みかけ密度は約0.04g/cm3であった。また、シリカゲル含量は2.3質量%、酸化ジルコニウム含量は0.69質量%であった。
図5Aは本発明の実施例1の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図5Bは同1000倍の観察写真である。いずれも無機物の分散状態は良好である。
(実施例5)
実施例2で得られたマスターバッチ樹脂組成物ペレット20質量部と、LDPE樹脂100質量部を用いて、公知の方法でシート発泡成形して樹脂発泡シート(樹脂成形体)を得た。この樹脂発泡シートは厚さ約2mm、単位面積当たりの質量は110g/m2、みかけ密度は約0.055g/cm3であった。また、シリカゲル含量は5.0質量%、酸化ジルコニウム含量は0.5質量%であった。
図6Aは本発明の実施例1の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図6Bは同1000倍の観察写真である。いずれも無機物の分散状態は良好である。
(実施例6)
実施例1で得られたシート発泡成形体を、加熱プレス機で1分間(160℃、10MPa)プレスしてフィルム(樹脂成形体)を得た。このフィルムの厚みは70μm、単位面積当たりの質量は60g/m2であった。
(実施例7)
実施例2で得られたシート発泡成形体を、加熱プレス機で1分間(160℃、10MPa)プレスしてフィルム(樹脂成形体)を得た。このフィルムの厚みは70μm、単位面積当たりの質量は60g/m2であった。
(実施例8)
実施例3で得られたシート発泡成形体を、加熱プレス機で1分間(160℃、10MPa)プレスしてフィルム(樹脂成形体)を得た。このフィルムの厚みは70μm、単位面積当たりの質量は60g/m2であった。
(比較例1)
マスターバッチ樹脂組成物ペレットは加えず、LDPE樹脂100質量部を用いて、公知の方法でシート発泡成形して樹脂発泡シートを得た。この樹脂発泡シートは厚さ約2mm、単位面積当たりの質量は80g/m2、みかけ密度は約0.04g/cm3であった。
図7Aは比較例1の発泡体樹脂のSEM観察100倍の写真及び図7Bは、同1000倍の観察写真である。
以上の実施例3〜5及び比較例1の近赤外線反射特性(1) 温度センサーによるレフランプ試験で測定した温度を表1と図2にレフランプ照射時のその温度変化グラフを示す。
表1及び図2の結果から、温度の高い順に、比較例1、実施例3、実施例4、実施例5となっており、シリカゲルの濃度に比例して、試料と試料台の間に設置した温度センサーの温度が低くなっていた。この結果からレフランプにより照射された赤外線がシリカゲルにより透過及び/又は吸収されにくくなったものと推定される。
次に、近赤外線反射特性試験(2)のサーモカメラによるレフランプ試験結果を示す。レフランプ照射時の温度変化より、レフランプ照射後9分、照射後9分55秒において、温度の高い順に、実施例5、実施例4、実施例3、比較例1となっており、シリカゲルの濃度に比例して、試料の表面温度が高くなっていた。サーモカメラは、物質表面から放射されている赤外線エネルギーの強度を温度情報として検出・可視化して、温度分布などの画像表示を行う装置であり、この結果からレフランプによる照射された近赤外線がシリカゲルにより反射しているものと推定される。
実施例6〜8及び比較例1の近赤外線の反射率(近赤外線反射特性試験(3) 分光光度計による近赤外線反射率測定)を表2と図3に示す。
表2と図3の結果の結果から、近赤外線反射性が確認できた。よって、近赤外線反射特性試験(1)〜(3)の結果を総合すると、シリカゲルの濃度に比例して近赤外線反射性による断熱性が高く、試料表面の温度上昇と試料裏面の温度上昇抑制が確認できた。次に、遠赤外線分光放射特性を表3に示す。
表3から、酸化ジルコニウムの濃度にほぼ比例して赤外線分光放射率が高くなることが確認できた。
以上の実施例、比較例から、熱可塑性樹脂に遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有させると、相乗効果により樹脂成形体の温感効果を高めることができる。
本発明の樹脂組成物は、マスターバッチ用樹脂組成物として有用である。本発明の樹脂組成物は、繊維、フィラメント、不織布、シート、発泡体、フィルム、ブロック体、その他適宜形状に成形した成形体に用いることができる。得られた樹脂成形体は、衣類、寝具、敷物、カーテン、ブラインド、屋外部材、日よけ用シートなどに用いることができる。
1 押し出し機
2 原料供給口
3 樹脂溶融部
4 混練分散部
5 減圧ライン
6 押し出し部
7 取り出し部

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂に、遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を含有した樹脂組成物であって、
    前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多く、
    前記遠赤外線放射物質粒子は微分散していることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記近赤外線反射物質粒子の平均粒子径は、遠赤外線放射物質粒子の平均粒子径より大きい、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記近赤外線反射物質粒子は、シリカゲルである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記シリカゲルはB型シリカゲルである請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記遠赤外線放射物質粒子は酸化ジルコニウムである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記近赤外線反射物質粒子の平均粒子径は1μm以上であり、前記遠赤外線放射物質粒子の平均粒子径は100nm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、近赤外線反射物質粒子の配合量は0.1〜100質量部であり、遠赤外線放射物質粒子の配合量は0.1〜15質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 前記樹脂組成物はマスターバッチ用樹脂組成物である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を成形加工した樹脂成形体。
  10. 熱可塑性樹脂を準備し、
    遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を準備し、
    前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多くなるように、熱可塑性樹脂中に混練させる工程を含む樹脂組成物の製造方法。
  11. 熱可塑性樹脂を準備し、
    遠赤外線放射物質粒子及び近赤外線反射物質粒子を準備し、
    前記近赤外線反射物質粒子の配合量は、遠赤外線放射物質粒子の配合量より多くなるようにして、
    樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押し出し部を連続して接続し、
    前記混練溶融部に、水分散液とした遠赤外線放射物質粒子と、加熱溶融させた樹脂とを供給し、
    次に前記混練分散部に送り、溶融混練と同時に前記減圧ラインから水分を気体の状態で除去し、押し出し部から樹脂組成物を押し出して冷却し、ペレット化する一次混練工程と、
    得られたペレットと近赤外線反射物質粒子をドライブレンドし、溶融混練し、押し出し部から樹脂組成物を押し出して冷却し、ペレット化する二次混練工程を含むことを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
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