JP3236104B2 - 写真感光材料用フイルム - Google Patents

写真感光材料用フイルム

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JP3236104B2
JP3236104B2 JP4360393A JP4360393A JP3236104B2 JP 3236104 B2 JP3236104 B2 JP 3236104B2 JP 4360393 A JP4360393 A JP 4360393A JP 4360393 A JP4360393 A JP 4360393A JP 3236104 B2 JP3236104 B2 JP 3236104B2
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stretching
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弘 岡本
光太郎 加藤
賢司 鈴木
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Teijin Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料用フイル
ムに関し、さらに詳しくは、優れたカール解消性、透明
性及び滑り性を兼備した二軸延伸ポリエチレン―2,6
―ナフタレートフイルムからなる写真感光材料用フイル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】X線用フイルム、製版用フイルム、撮影
用ロールフイルムなどの写真感光材料に用いられる基材
フイルムとしては、従来からトリアセテートフイルムが
広く用いられている。
【0003】このトリアセテートフイルムは、その製造
工程で有機溶剤を使用するため、溶剤回収を完全に行な
い、環境を汚染することがないように注意しなければな
らない。特に、最近は環境破壊の問題が関心をあつめて
おり、環境汚染の恐れがある有機溶剤を使用すること
は、なるべく避けたいとする傾向が強くなってきてい
る。
【0004】一方、このような有機溶剤を使用せずに、
溶融押出法により製膜を行うことのできるフイルムとし
て、ポリエチレンテレフタレートフイルムがあり、写真
感光材料の基材フイルムとして、一部で使用されるよう
になってきている。
【0005】しかしながら、ポリエチレンテレフタレー
トフイルムは、カール(巻き癖)を生じ、かつこれを取
り除くのが難しいという問題がある。即ち、写真感光材
料の基材フイルムは、一旦、ロール状に巻き取った形で
貯蔵され、そこからフイルムを取り出して、適当な大き
さに切断し、X線用フイルム、製版用フイルム、カット
フイルムなどの平坦なシート状フイルムとして使用され
る。また、ロールフイルムの場合は、ロール状にパトロ
ーネ中に収納されたネガフイルムを、撮影、現像、定着
後、一定の長さに切断して、フイルムアルバムに入れて
シート状で保存することになる。ところが、ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムの場合は、ロール状に巻き取
ったときのカールが残存し、切断してシート状にした後
でもカールしてしまうという問題がある。
【0006】このようなカールの問題を解決する方法と
して、ガラス転移温度よりも5〜30℃低い温度で長時
間にわたってフイルムを加熱処理する方法が提案されて
いる(特開昭51―16358号公報)が、処理に時間
がかかるだけでなく、十分満足できる程度にカールを除
去することができない。
【0007】また、ポリエチレン―2,6―ナフタレー
トフイルムを写真感光材料の基材フイルムとして使用す
ることは、例えば特開昭50―81325号公報などで
提案されたが、解決すべき問題が多く残されており、実
用化されるには至っていなかった。
【0008】本発明者等は、ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートフイルムを写真感光材料の基材フイルムとし
て実用化するための検討を重ねている過程で、やはりカ
ールを取り除くのが難しいという問題があることを知っ
た。
【0009】また、近年、より高級な写真・製版用フイ
ルムベースが望まれるようになり、特に透明性及び易滑
性という二律背反の現象をより高度に満足させることが
要求されるようになった。
【0010】従来、ポリエチレン―2,6―ナフタレー
トフイルムをはじめとするポリエステルフイルムの易滑
性を向上させる方法としては、析出法と呼ばれる触媒残
渣による不活性微粒子とか、添加法と呼ばれる重合もし
くは溶融押出時、無機化合物微粒子を配合する方法等に
よりフイルム表面に該微粒子による凹凸を形成させるこ
とにより計られてきた。しかしながら、従来の製膜延伸
条件を取る限り、表面の凹凸を形成し表面粗度を粗くす
ると、表面のヘーズが高くなり、また、微粒子とポリマ
ーの間隙に生じるボイドが増え、内部ヘーズも高くなり
全体として透明性が低下してしまうという問題点があっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題点を解消し、カールの除去が容易であり、しかも
透明性、滑り性に優れた二軸延伸ポリエチレン―2,6
―ナフタレートフイルムからなる写真感光材料用フイル
ムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、二軸延伸ポリエチレ
ン―2,6―ナフタレートフイルムからなり、フイルム
長手方向の、0.05Hzでの引張粘弾性による80℃
におけるtanδ値が0.08以下であり、フイルム面
配向度(ΔP)とフイルム平均屈折率(na)とが次式
(I)
【0014】
【数3】
【0015】を満足し、フイルム表面の微粒子による突
起と該突起を核とした長径が少くとも3μmの窪みとか
らなる凹凸単位の、フイルム表面積1mm2 当りの個数
(A:個/mm2 )が次式(II)
【0016】
【数4】0≦A≦2500 …(II) を満足し、フイルムヘーズが2.0%以下であり、そし
てフイルム/フイルム間のハリツキ度が3級以下である
ことを特徴とする写真感光材料用フイルムである。
【0017】本発明におけるポリエチレン―2,6―ナ
フタレートは、ポリエチレン―2,6―ナフタレートホ
モポリマーのみならず、少割合(例えば10モル%以
下、さらには5モル%以下)の第三成分で変性されたポ
リエチレン―2,6―ナフタレートコポリマーや少割合
(例えば20重量%以下、さらには10重量%以下)の
第三成分を混合したブレンドポリマーも包含する。
【0018】かかるポリエチレン―2,6―ナフタレー
トは基本的には公知であり、また公知の方法で製造する
ことができる。例えばポリエチレン―2,6―ナフタレ
ートは、一般に、2,6―ナフタレンジカルボン酸また
はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールまた
はそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下で縮重
合反応させることによって製造される。コポリマーを製
造する場合には、第三成分を縮重合反応が完了するまで
の段階で添加し、反応させるとよく、またブレンドポリ
マーを製造する場合には成膜前の段階で第三成分のポリ
マーを混合するとよい。
【0019】好適な第三成分としては、二価のエステル
形成性官能基を有する化合物、例えばシュウ酸、アジピ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,7
―ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカル
ボン酸等の如きジカルボン酸またはその低級アルキルエ
ステル;p―オキシ安息香酸、p―オキシエトキシ安息
香酸等の如きオキシカルボン酸またはその低級アルキル
エステル;あるいはプロピレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール等の如き二価
アルコール類等を挙げることができる。
【0020】また、ポリエチレン―2,6―ナフタレー
トは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコ
ールなどの一官能性化合物によって末端の水酸基および
/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したも
のであってもよく、あるいは例えば極く少量のグリセリ
ン、ペンタエリスリトール等の如き三官能以上のエステ
ル形成性化合物で実質的に線状のポリマーが得られる範
囲内で変性されたものでもよい。
【0021】かかるポリエチレン―2,6―ナフタレー
トは、フイルムの滑り性付与のため微粒子例えば微粒子
状のシリカ、タルク、クレー等を含有し、また他の添加
剤、例えば安定剤、着色剤、難燃剤等を含有することも
できる。
【0022】本発明における二軸延伸ポリエチレン―
2,6―ナフタレートフイルムは、長手方向の0.05
Hzでの引張粘弾性による縦方向のtanδ値が80℃
において0.08以下であることが必要である。このt
anδ値が0.08を超えると、十分満足できる程度に
カールを除去することができない。
【0023】通常の方法で製膜した二軸延伸ポリエチレ
ン―2,6―ナフタレートフイルムは、上記tanδ値
が0.10程度であるが、このtanδ値を0.08以
下に低下させるには70〜150℃、好ましくは80〜
130℃でアニーリング処理することが効果的である。
アニーリング処理温度が低すぎると十分にカールを除去
することができず、逆に高すぎるとフイルム表面へのオ
リゴマー析出が増加し、フイルムの使用に不都合が生じ
るだけでなく、フイルム面への転写等が起り易く、好ま
しくない。
【0024】このtanδ値を低下させるための熱処理
方法としては、二軸延伸、熱固定されたポリエチレン―
2,6―ナフタレートフイルム(原反フイルム)を、一
旦巻取ることなく、加熱ロールに接触走行させながら加
熱する方法、加熱空気中で走行させながら非接触加熱す
る方法、原反フイルムをロールに巻取った状態で加熱オ
ーブン中に入れてアニーリング処理する方法などが挙げ
られるが、tanδ値を0.08以下にすることができ
れば、その方法は任意であり、特定の方法に限定される
ものではない。
【0025】これらの方法の中でも、特に好ましい方法
として、原反フイルムをロール状に巻取った状態でオー
ブン中にて室温から徐々に(例えば24時間かけて)所
定温度まで昇温し、その温度で長時間(例えば24時間
以上)保持した後、徐々に(例えば24時間かけて)室
温まで温度を下げる方法などが用いられる。
【0026】本発明における二軸延伸ポリエチレン―
2,6―ナフタレートフイルムは、さらにフイルムの平
均屈折率(na)とフイルムの面配向度(ΔP)とが下
記式(I)
【0027】
【数5】
【0028】を満足する必要がある。
【0029】ここで、平均屈折率(na)は厚み方向の
屈折率nα、主配向方向の屈折率nγ、主配向方向と直
角な方向の屈折率nβとすると、
【0030】
【数6】
【0031】で与えられる。
【0032】一方面配向度ΔPは上記のnα、nβ、n
γを用いて
【0033】
【数7】
【0034】で与えられる。
【0035】前述のアニーリング処理ではフイルム/フ
イルム間のブロッキングや、熱によるフイルムの微小変
形によるフイルム同士のこすれに起因する微小スクラッ
チの発生等好ましくない問題点が懸念され、特に写真用
途の如く高度の透明性が要求され、かつフイルム表面の
平坦なベースフイルムではこの問題の発生が顕著である
が、驚くべきことに、ΔPが上記式(I)を満足するフ
イルムは、上記式(I)を満足しないフイルムに比べ、
滑り性、透明性共に優れ、かつ上記アニーリング処理に
おいてもブロッキングや微小スクラッチが発生しにくい
ことが明らかとなった。
【0036】この理由は、完全には明らかでないが、上
記式(I)を満足するように、二軸延伸処理を行なう
と、ポリエチレン―2,6―ナフタレートに含有させて
いる微粒子(滑剤粒子)の周辺に応力が集中するのを緩
和でき、該微粒子の囲りにボイドが発生するのを少なく
してフイルムヘーズを小さくすること、さらにフイルム
表面についても、高さが比較的低く、シャープな形状の
突起を均一に形成できるため、滑り性の改良と共にブロ
ッキングを起り難くすることによるものと考えられる。
【0037】通常これまでの延伸処方では、微粒子とポ
リエステルとのなじみが悪く、微粒子の囲りにボイドが
形成される。それに対して本発明によれば前記式(I)
を満たすよう延伸処理するので、微粒子周辺の集中応力
が低くボイドが形成されにくくなり、内部ヘーズが減少
し、そのため透明性が改良される。一方、フイルム表面
の突起においては、突起の囲りに生じた該突起を核とし
て窪みが形成される。この窪みを有する突起は細かな延
伸条件により、その数、形状が異なるが、いずれにせよ
この窪みを有する突起の形成により該粒子が急峻になる
ことにより、同一表面ヘーズで見た摩擦係数が低下す
る。該突起は長径が少くとも3μmの窪みとからなる凹
凸単位の、フイルム表面1mm2 当りの個数(A:個/
mm2 )が下記式(II)の範囲であることが好ましい。
【0038】
【数8】0≦A≦2500 …(II) Aが2500個より多い場合には、該粒子周辺の窪みに
よる凹凸が多すぎて透明性を減少させる。それ故、好ま
しくはAは1500個以下、さらに好ましくは800個
以下である。また特に好ましいものはnaとΔPの
(I)式の関係を満足しながら窪みを有する突起を形成
しないものである。
【0039】上記式(I)、(II)を満足するポリエチ
レン―2,6―ナフタレートフイルムの製膜方法をさら
に詳細に説明すると、カオリン、シリカ等の微粒子を必
要により安定剤、着色剤、消泡剤等の添加剤と共に添加
混合せしめたポリエチレン―2,6―ナフタレートチッ
プを常法の手段で乾燥し、押出機を通して押出し、回転
冷却体上で冷却固化して未延伸ポリエチレン―2,6―
ナフタレートシートを形成する。この際、常法の静電印
加冷却法を用いることが好適である。このようにして得
たフイルムは第一軸方向にその複屈折率Δnが0.16
以下となるよう延伸し、次に第二軸方向に一軸延伸フイ
ルムを一旦ガラス転移点以下に冷却するか、または冷却
することなく、例えば100〜160℃の温度に予熱加
熱し、さらにほぼ同程度の温度下において第二軸方向に
2.5〜4.5倍に延伸し二軸延伸フイルムを作成し、
熱固定する。熱固定は通常行なわれる180〜250℃
で1秒〜10分間行なう。
【0040】第一軸方向の延伸を縦方向に行う際、縦延
伸の段数は1段階の延伸も好ましいが、フイルムの厚み
斑等を考慮するときは2段階以上で行なうのも好まし
い。多段階で縦延伸を行なう際は最終段延伸前の複屈折
率Δn1 を0.04〜0.13とすることが好ましい
(以下、前段延伸と称することがある)。
【0041】この前段延伸後のΔn1 が0.04以下も
しくは0.13以上として、最終段延伸後のΔnを本発
明で推奨した0.16以下にしようとすると、厚み斑が
悪化するので好ましくない(以後、後段延伸と称するこ
とがある)。前段延伸は1段でもよいしさらに多段に分
けてもよい。前段延伸を多段にするときは、まずΔnを
0.04以下とし次いで0.04〜0.13とすること
もできるし、また最初から0.04以上とし次いで最終
的に0.04以上0.13以下になるようにすることも
できる。
【0042】さらに平坦易滑性をあげるために縦延伸を
高温、つまりスーパードローもしくはスーパードロー近
傍領域の延伸処方を適用することは好ましい方法であ
る。すなわち前段延伸において100℃以上160℃以
下の温度で縦方向に延伸し、前記のとおりのΔnを0.
04以上0.13以下とすることが好ましい。その際1
段階で行なうこともできるが、2段階以上では最初10
0℃以上160℃以下でスーパードローをし、次いでさ
らに延伸してΔnを0.04以上0.13以下とするこ
ともできる。
【0043】本発明における二軸延伸ポリエチレン―
2,6―ナフタレートフイルムは、さらに、ヘーズが
2.0%以下である必要がある。好ましくは1.5%以
下、さらに好ましくは1.0%以下である。このヘーズ
が高すぎると、フイルムの透明性が低下し、好ましくな
い。
【0044】本発明における二軸延伸ポリエチレン―
2,6―ナフタレートフイルムは、さらに、フイルム/
フイルム間のハリツキ度が3級以下である必要がある。
好ましくは2.5級以下、さらに好ましくは2級以下で
ある。このハリツキ度は後述する方法で測定するが、こ
の等級が大きい程フイルムは滑り難く、一方等級が小さ
い程フイルム同士が滑る傾向を示す。このハリツキ度が
3級より大きいとフイルム同士の滑りが悪く、フイルム
同士のブロッキングの発生、フイルム走行時の搬送ロー
ル等によるスクラッチの発生、ロール巻き上げ時にロー
ルにコブ状の突起が生じることなど、写真感光材料用と
して使用する上で支障が生じる。
【0045】本発明における二軸延伸ポリエチレン―
2,6―ナフタレートフイルムは、写真感光材料として
の使用態様によってその厚みが適宜選択されるが、25
〜250μm、さらには40〜150μmの厚みを有す
ることが好ましい。
【0046】本発明の二軸延伸ポリエチレン―2,6―
ナフタレートフイルムの表面には、感光乳剤層をはじめ
として、各種の薄層を形成せしめ、写真感光材料とする
ことができる。これら薄層の形成には公知の手段を用い
ることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0048】なお、実施例、比較例におけるフイルム特
性は、次のようにして測定した。
【0049】(1)tanδ値 セイコー電子工業(株)製、熱応力歪測定装置TMA/
SS120Cを用い、下記条件にて測定する。 荷重モード :sin波(荷重変化周波数
0.05Hz) 断面積当りの荷重中央値 :120g/mm2 断面積当りの荷重振幅 :90g/mm2 昇温速度 :5℃/分 サンプル幅 :4mm サンプル長(チャック間):10mm 測定方向 :長手方向(縦方向)
【0050】(2)カール除去率 120mm×35mmの大きさのサンプルフイルムを、
直径10mmの巻芯に巻き付け、70℃、30%RHに
て72時間加熱した後、巻芯から解放し、40℃の蒸留
水に15分間浸漬する。次いで50gの荷重をかけ、サ
ンプルを垂直に吊しながら55℃の空気恒温槽で3分間
乾燥する。その後、荷重を取り去り、サンプルを垂直に
吊し、カールが残っている状態の「サンプル長さ」(m
m)を測定し、最初のサンプルの長さ120mmに対す
る割合(%)をもってカール除去率とする。
【0051】この場合、「サンプル長さ」は、サンプル
が大きくカールして、円〜半円状の場合はその直径と
し、サンプルのカールが小さく、その形が半円に満たな
い場合は弦の長さとする。
【0052】このカール除去率が高いほど、カールが除
去され易いことを示す。
【0053】(3)屈折率 アッベの屈折計(株式会社アタゴ製)を用いて25℃で
測定されるNa―D線に対する値を求める。
【0054】(4)複屈折率(Δn) カールツアイス社製偏光顕微鏡によりリターデーション
を測定し、次式により複屈折率(Δn)を求める。
【0055】
【数9】Δn=R/d ただしR:リターデーション d:フイルム厚さ(μm)
【0056】 (5)突起周辺に窪みを有する凹凸単位の個数(A) カールツアイス社製微分干渉顕微鏡でアルミニウムを蒸
着したフイルム表面を750倍で写真撮影し、合計1m
2 のフイルム表面積当りに突起を核とした長径が少な
くとも3μmの窪みからなる凹凸単位がいくつあるか数
える。
【0057】(6)ハリツキ度 平面な台上にゴム板を敷き、その上にフイルム間にゴ
ミ、汚れ等を含まない2枚のフイルムを重ねて置く。直
径70mm、重さ10kgの円筒状の重りを真上から静
かにフイルム上に乗せ、10分後に静かに重りを取り除
く。30秒放置後、円形内の接触模様を写真撮影し、ハ
リツキ部分の面積の割合を測定し、表1より0〜5級で
格付する。
【0058】
【表1】
【0059】(7)ヘーズ JIS K―6714の手法に従い、市販のヘーズメー
ターで測定したフイルム1枚当りの全ヘーズ値。
【0060】(8)巻き姿 幅500mm、長さ500mのフイルムをロールに巻き
上げる。この巻き上げロールの外観を詳細に検査し、図
1に模式的に示すようなコブ状の突起で長径1mm以上
のものの個数を数え、表2より1〜5級に格付する。な
お、4、5級は不合格である。
【0061】
【表2】
【0062】
【実施例1、2】平均粒径1.2μmの無定形シリカ
0.003重量%、および平均粒径0.03μmの無定
形シリカ0.01重量%を滑剤粒子として含有する固有
粘度0.60のポリエチレン―2,6―ナフタレートを
常法によりダイスリットから溶融押出し、キャスティン
グドラム上で冷却固化させて未延伸フイルムを作成し
た。
【0063】この未延伸シートを、まずIRヒーターを
複数個使用し、145℃で3.0倍延伸してΔnを0.
10とし、さらに145℃で1.20倍延伸してΔnを
0.13とした。
【0064】得られた縦延伸フイルムをテンターにて1
55℃で3.6倍に横方向に延伸し、240℃で熱固定
し、さらにフイルムを緊張状態で急冷ロールに接触させ
て急冷し、巻き取ることにより、厚さ75μmの二軸延
伸フイルムの親ロールを得た。
【0065】アニーリング処理は、該親ロールから、幅
500mm、長さ500mのフイルムを取り出し、直径
165mmの巻芯にロール状に巻取り、表3に示す条件
で加熱オーブン中で加熱処理することにより実施した。
【0066】得られたフイルムの特性は表4に示す。
【0067】
【比較例1】実施例1と同じ未延伸シートを用い、延伸
温度125℃で3.6倍に縦延伸し、次いで130℃で
横方向に3.9倍延伸した後、230℃で熱固定を行な
って厚さ75μmの二軸延伸ポリエチレン―2,6―ナ
フタレートフイルムを得、該フイルムについて実施例1
と同様の方法でアニーリング処理を行なった。
【0068】得られたフイルムの特性は表4に示す。
【0069】
【比較例2、3】実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリ
エチレン―2,6―ナフタレートフイルムの親ロールを
得た後、表3に示す如く、実施例1とは異なる条件でア
ニーリング処理を行なった。
【0070】得られたフイルムの特性は表4に示す。
【0071】
【表3】
【0072】表3でアニーリング条件とは、次に示す通
りである。 A条件:100℃まで24時間かけて昇温し、この温度
に24時間保持した後、24時間かけて室温まで降温す
る。 B条件:90℃まで24時間かけて昇温し、この温度に
24時間保持した後、24時間かけて室温まで降温す
る。 C条件:60℃まで12時間かけて昇温し、この温度に
24時間保持した後、12時間かけて室温まで降温す
る。
【0073】
【表4】
【0074】表4から明らかなように、本発明の二軸延
伸ポリエチレン―2,6―ナフタレートフイルムは、t
anδ値が低く、カール除去性に優れており、しかも透
明性、ブロッキング制に優れているため、写真感光材料
用ベースとして有用である(実施例1、2)が、tan
δ値が0.08よりも高い場合(比較例2、3)はカー
ル除去性が劣り、またn、ΔPが所定の関係を満足しな
い場合(比較例1)はアニーリング処理でブロッキング
が起り、写真用として使用に耐えない巻姿となってい
る。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、カール解消性、透明性
および滑り性に優れた二軸延伸ポリエチレン―2,6―
ナフタレートフイルムからなる写真感光材料用フイルム
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルムロールの外観特性を模式的に示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 博史 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (56)参考文献 特開 昭61−106225(JP,A) 特開 平6−202279(JP,A) 特開 平4−234039(JP,A) 特開 平5−119432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/795

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリエチレン―2,6―ナフタ
    レートフイルムからなり、フイルム長手方向の、0.0
    5Hzでの引張粘弾性による80℃におけるtanδ値
    が0.08以下であり、フイルム面配向度(ΔP)とフ
    イルム平均屈折率(na)とが次式(I) 【数1】 を満足し、フイルム表面の微粒子による突起と該突起を
    核とした長径が少くとも3μmの窪みとからなる凹凸単
    位の、フイルム表面積1mm2 当りの個数(A:個/m
    2 )が次式(II) 【数2】0≦A≦2500 …(II) を満足し、フイルムヘーズが2.0%以下であり、そし
    てフイルム/フイルム間のハリツキ度が3級以下である
    ことを特徴とする写真感光材料用フイルム。
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