JP3142571B2 - 写真フィルム用ベースフィルム - Google Patents

写真フィルム用ベースフィルム

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JP3142571B2 JP06518809A JP51880994A JP3142571B2 JP 3142571 B2 JP3142571 B2 JP 3142571B2 JP 06518809 A JP06518809 A JP 06518809A JP 51880994 A JP51880994 A JP 51880994A JP 3142571 B2 JP3142571 B2 JP 3142571B2
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    • Y10T428/31786Of polyester [e.g., alkyd, etc.]

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は写真フィルム用ベースフィルムに関する。さ
らに詳しくは、抗カーリング性、透明性および滑り性等
を備えた、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキ
シレートを素材とする写真フィルム用ベースフィルムに
関する。
背景技術 二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキ
シレートフィルムは、その優れた機械的性質、熱的性
質、電気的性質等を有し、種々の用途での使用が検討さ
れている。そして、磁気記録媒体、電気絶縁の分野では
実用に供されている。
フィルム用途の一つに写真感光材料が挙げられるが、
この分野ではX線用フィルム、製版用フィルム、カット
フィルム等の如きシート状で用いるものと、ロールフィ
ルムとして用いるものとに大別できる。ロールフィルム
の代表的なものに、35mm幅またはそれ以下の幅でパトロ
ーネ内に収め、一般のカメラに装填して撮影に用いるカ
ラーまたは黒白ネガフィルムがある。
そして、シート状フィルムのベースとしてはポリエチ
レンテレフタレートからなる二軸延伸ポリエステルフィ
ルムが主として用いられ、またロールフィルムのベース
としてはトリアセチルセルロース(以下、TACと略称す
ることがある)に代表にされるセルロース系ポリマーか
らなるフィルムが用いられている。
TACフィルムの特徴は光学的に異方性がなく、透明性
が高く、現像処理後のカール解消性に優れている点にあ
るが、特に優れたカール解消性は他素材フィルムにみら
れない特徴と言われている。しかしながら、このTACフ
ィルムは、その製造工程で有機溶剤を使用するため、溶
剤回収を完全に行ない、環境を汚染することがないよう
に注意しなければならない。特に、最近は環境破壊の問
題が関心を集めており、環境汚染の恐れがある有機溶剤
を使用することは、なるべく避けようとする傾向が強く
なってきている。
一方、このような有機溶剤を使用せずに、溶融押出法
により製膜を行うことのできるフィルムとして、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムがあり、写真感光材料の
基材フィルムとして、一部で使用されるようになってき
ている。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートフィルム
は、カール(巻き癖)を生じ、かつこれを取り除くのが
難しいという問題がある。即ち、写真感光材料の基材フ
ィルムは、一旦、ロール状に巻き取った形で貯蔵され、
そこからフィルムを取り出して、適当な大きさに切断
し、X線用フィルム、製版用フィルム、カットフィルム
などの平坦なシート状フィルムとして使用される。ま
た、ロールフィルムの場合は、ロール状にパトローネ中
に収納されたネガフィルムを、撮影現像定着後、一定の
長さに切断して、フィルムアルバムに入れてシート状で
保存することになる。ところが、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムの場合は、ロール状に巻き取ったときの
カールが残存し、切断してシート状にした後でもカール
してしまうという問題がある。
生じたカールの解消を容易にしてカール性を改善しよ
うとする提案やカールしないようにカール性を減少させ
てカール性を改善しようとする提案が従来次のとおりな
されている。
特開昭50−16783号公報には、それぞれの固有粘度が
0.35〜1.0の範囲にあり且つ両者の固有粘度差が0.02〜
0.5の範囲にある2種のポリエステル層からなる二軸延
伸積層ポリエステルフィルムが開示されている。
この積層ポリエステルフィルムは表裏各層の収縮応力
の違いによりカールを生じさせ、このカールと逆方向に
フィルムを巻取ることによりカールを解消しようとする
ものである。
特開昭50−81325号公報には、縦横のヤング率の比が
0.9〜1.1の範囲にあり、180℃における飽和収縮率又は
飽和膨張率が0.9%以下であり、200℃以下での飽和収縮
率又は飽和膨張率の縦横の差が0.4%以下でありそして
曇り度が4.5%以下である二軸延伸ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレートフィルムを基材とする写
真フィルムが開示されている。
特開昭50−95374号公報には、二軸延伸し、熱固定し
次いで40℃〜130℃の温度範囲で加熱エージングするこ
とを特徴とするポリエステルフィルムの製造法が開示さ
れている。その実施例には、縦方向に4.3倍および横方
向に3.5倍で二軸延伸、200℃で熱固定し次いで40〜130
℃の範囲の温度で24時間エージングした厚み12μmのポ
リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィ
ルムが開示されている。
特開昭50−109715号公報には、極限粘度(35℃、o−
クロロフェノール中)が少くとも0.40でありそして全構
成単位の少くとも90モル%がエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートであるポリエステルから成り、曇
り度が5%を越えずしかも二軸配向、熱固定されたフィ
ルムを、少くともその基材としてなる写真用フィルムが
開示されている。
米国特許第4,141,735号明細書には、厚さ約5〜50ミ
リであり且つ20゜K/分の加熱速度、DSCで測定したTgが
約60℃より高い熱可塑性ポリマーから形成された自立性
フィルムを熱処理して、フィルムを実質的に変形や収縮
させずに、フィルムのコア・セットカール性を減少させ
る方法が開示されている。この方法は30℃〜上記ポリマ
ーのTgの温度および100%以下の相対湿度で、フィルム
のコア・セットカール性が少くとも15%減少するまで、
約0.1〜約1,500時間の間維持することにより実施され
る。このコア・セットカール性の減少は、熱処理された
フィルムが外径3″のコア上で、49℃、50%RH、24時間
のコア・セットを経た際のANSIカール単位の数変化を、
上記の如き熱処理に付されなかった相当するフィルムが
同様のコア・セットを経た際のANSIカール単位の数変化
と比較して測定される。
同明細書の実施例10、第7表には、Tgが198℃のポリ
(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)フ
ィルムの熱処理温度とコア・セットカール性における正
味のANSIカール値が示されており、処理温度60℃、71
℃、100℃、120℃、149℃および180℃で、正味のANSIカ
ール値がそれぞれ18、16、13、16、20および25であった
ことが示されている。
特公昭56−53745号公報には、それぞれの固有粘度が
0.35〜1.0の範囲にあり且つ両者の固有粘度差が0.02〜
1.0の範囲にある2種のポリエステル層からなりそして
延伸・熱固定してカールした積層ポリエステルフィルム
をベースフィルムとし、このベースフィルムの固有粘度
の低い層側に感光層を塗布し、この感光層の収縮によ
り、ベースフィルムのカールを相殺した写真フィルムが
開示されている。
特開平1−244446号公報には、ヘーズが3%以下で且
つ含水率が0.5重量%以上であるポリエステルベースフ
ィルムと少くとも一層の感光性層を有する写真感光材料
が開示されている。この感光材料の特徴はベースフィル
ムが0.5重量%以上の含水率を有することにあり、この
含水率を得るために金属スルホネートを有する芳香族ジ
カルボン酸成分を共重合している。
発明の開示 本発明の目的は、写真フィルム用ベースフィルムを提
供することにある。
本発明の他の目的は、抗カーリング性、すなわち巻き
ぐせカールの生成に抵抗する性能、透明性および滑り性
に優れた写真フィルム用ベースフィルムを提供すること
にある。
本発明のさらに他の目的は、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレートを素材とする写真用ベース
フィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、抗カーリング性と共に、
カール解消性すなわち一旦生成した巻きぐせカールの解
消が容易に進行する性能にも優れた写真用ベースフィル
ムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐層剥離(デラミ)性お
よび耐傷性に優れた写真用ベースフィルムを提供するこ
とにある。
本発明のさらに他の目的は、平坦性に優れそして厚み
斑の小さい写真用ベースフィルムを提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的は、裁断時や穿孔時に切粉発
生の小さな写真用ベースフィルムを提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的は、上記の如き諸性能を備え
た本発明の写真用ベースフィルムがブロッキングのない
状態で巻かれ、従ってフィルムの引出しが容易なロール
フィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、不活性微粒子を含有する
極めて薄い表層を有し、そして上記の如き諸性能を備え
た写真フィルム用ベースフィルムを提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から
明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第
1に、 (a)厚み方向の屈折率(nz)が少くとも1.498であ
り、 (b)ヘーズ値が2.0%以下であり、 (c)0.05Hzにおける引張粘弾性による80℃のtanδ値
が0.09以下である一方向を有し、 (d)70℃における抗カーリング率が45%以上であり、 (e)厚みが40〜120μmの範囲にあり、 そして (f)平均粒径0.05〜1.5μmの不活性微粒子を0.001〜
0.2重量%で含有するポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレートを実質的な素材としてなる ことを特徴とする写真フィルム用ベースフィルムによっ
て達成される。
図面の簡単な説明 第1図はフィルム巻ロールに発生したコブ状突起を模
式的に示すための、フィルム巻ロールの斜視図である。
第2図はフィルム表面についた傷の状態を模式的に示
す部分拡大斜視図である。(a)、(b)および(c)
は異なる傷の状態を示している。
発明を実施するための最良の形態 本発明の写真フィルム用ベースフィルムは、上記の如
く、(a)〜(f)の構成要件によって特定される。
先ず、その素材は、要件(f)に特定されているとお
り、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
トから実質的になる。ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートとしては、エチレン−2,6−ナフタ
レンジカルボキシレートを全繰返し単位とするホモポリ
マーあるいは全繰返し単位の少くとも97モル%がエチレ
ン−2,6−ナフタレンシカルボキシレートであるコポリ
マーが好ましく用いられる。
コポリマーを構成する第3成分としては、分子内に2
つのエステル形成性官能基を有する化合物の例として、
例えばシュウ酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルエーテルジカルボン酸等の如きジカルボン酸:p
−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等の如
きオキシカルボン酸:あるいはプロピレングリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール等の如き二価アルコール類等を挙
げることができる。
また、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレング
リコールなどの一官能性化合物によって末端の水酸基お
よび/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖し
たものであってもよく、あるいは例えば極く少量のグリ
セリン、ペンタエリスリトール等の如き三官能以上のエ
ステル形成性化合物で実質的に線状のポリマーが得られ
る範囲内で変性されたものでもよい。
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
としてはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
トを実質的に全繰返し単位としてなるホモポリマーが好
ましい。
かかるポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レートは、添加剤、例えば安定剤、紫外線吸収剤、着色
剤、難燃剤等を含有することができる。
本発明の写真フィルム用ベースフィルムは、フィルム
に滑り性付与するために不活性微粒子を少割合含有す
る。
かかる不活性微粒子は、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レンジカルボキシレート素材中に含有せしめられる。そ
の例としては、シリカ球状粒子、炭酸カルシウム、アル
ミナ、ゼオライトの如き無機粒子あるいはシリコン樹脂
粒子、架橋ポリスチレン粒子の如き有機粒子を挙げるこ
とができる。不活性微粒子が無機粒子の場合には合成無
機粒子が好ましく、またその結晶形態は如何なるもので
あってもよい。
このうち、シリカ球状粒子は好ましい不活性微粒子の
1つである。このシリカ球状粒子は個々の粒子形状が真
球に近いものであって、粒径比(最大径/最小径)が好
ましくは1.0〜1.2、より好ましくは1.0〜1.1、さらに好
ましくは1.0〜1.05の範囲内にあるものである。なお、
このシリカ球状粒子は単分散状態で存在するものであっ
て、例えば凝集粒子を形成している一次粒子の球状粒子
を意味するものではない。この球状比が大きくなると、
粒子の囲りにボイドが発生しやすく、また発生したボイ
ドが相対的に大きくなってヘーズを増大させるので好ま
しくない。
また、シリコン樹脂粒子および架橋ポリスチレン粒子
も好ましい他の不活性粒子である。
シリコン樹脂粒子としては、構造単位の80重量%以上
がCH3・SiO3/2で表わされる構造単位からなるオルガノ
ポリシロキサン粒子が好ましい。この構造単位CH3・SiO
3/2は下記式 で表現されるものである。また上記シリコン樹脂粒子は
その構造単位の80重量%以上が(CH3・SiO3/2)nで表
わされる三次元結合構造のオルガノポリシロキサンとし
て表現することもできる。ここで、上記nは重合度を表
わし、100以上が好ましい。他の成分としては2官能性
のオルガノポリシロキサン又は別の3官能性のオルガノ
シロキサン誘導体等があげられる。
上記シリコン樹脂粒子は、潤滑性に優れ、無機不活性
微粒子よりも比重が小さく、かつ他の有機系微粒子より
も耐熱性が優れているという特徴を有し、更に有機系の
溶剤に不溶であり、かつ非溶融性であるという特徴を有
する。更に、シリコン樹脂粒子はポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレートに対し優れた親和性を示
す。上記シリコン樹脂粒子は、更に、体積形状係数が0.
20〜π/6であることが好ましい。この特性を有すると、
二軸延伸フィルムの滑り性がより一層優れたものとな
り、そしてシリコン樹脂粒子のポリスチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレートに対する良好な親和性に起
因して、フィルムの透明性が大幅に改善される。
また、架橋ポリスチレン粒子としては、形状が球状で
ありそして粒度分布が狭いものが好ましい。形状につい
ては最大径対最小径の比で定義される粒径比が1.0〜1.2
の範囲、さらには1.0〜1.15の範囲、特に1.0〜1.12の範
囲にあることが好ましい。
架橋ポリスチレン粒子は、その製法によって制約を受
けるはなく、例えば球状架橋ポリスチレン粒子は、スチ
レンモノマー、メチルスチレンモノマー、α−メチルス
チレンモノマー、ジクロルスチレンモノマー等のスチレ
ン誘導体モノマーの他に、ブタジエンの共役ジエンモノ
マー、アクリロニトリルのような不飽和ニトリルモノマ
ー、メチルメタアクリレートのようなメタアクリル酸エ
ステル等のモノマー、不飽和カルボン酸のような官能性
モノマー、ヒドロキシエチルメタクリレートのようなヒ
ドロキシルを有するモノマー、グリシジルメタクリレー
トのようなエポキシド基を有するモノマー、不飽和スル
ホン酸等から選ばれる1種もしくは2種以上のモノマー
と、重合体粒子を三次元構造にするための架橋剤とし
て、多官能ビニル化合物、例えばジビニルベンゼン、エ
チレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ジアリルフタレート等とを、
水溶性高分子が保護コロイドとして溶存した水性媒体中
で乳化重合させて重合体粒子のエマルジョンを調整し、
このエマルジョンから重合体粒子を回収して乾燥し、か
かる後これをジェットミルにて解除し、次いで分級する
ことによって得ることができる。
上記の如き不活性微粒子の平均粒径は0.05〜1.5μm
の範囲にある。特に、不活性微粒子が無機粒子の場合に
は、平均粒径が0.1〜0.8μmの範囲にあるのがより好ま
しく、0.2〜0.5μmにあるのが特に好ましい。不活性微
粒子がシリコン樹脂粒子の場合には、平均粒径が0.1〜
1.5μmの範囲にあるのが好ましく、0.2〜1.3μmの範
囲にあるのが特に好ましい。また、不活性微粒子が架橋
ポリスチレン粒子の場合には、平均粒径が0.1〜1μm
の範囲にあるのがより好ましい。
不活性微粒子の平均粒径が0.05μmより小さいと、フ
ィルムの滑り性、耐削れ性あるいは巻取り性などの向上
効果が小さく、他方平均粒径が1.5μmより大きいとフ
ィルムの透明性が低下して好ましくない。
また不活性微粒子の粒度分布については下記式で示さ
れる相対標準偏差が0.5以下、さらには0.3以下、特に0.
12以下であることが好ましい。
相対標準偏差が0.5以下の不活性微粒子を用いると、
該粒子が球状で且つ粒度分布が極めて急峻であることか
ら、フィルム表面突起の高さが極めて均一となる。更に
フィルム表面に形成される個々の突起は、突起形状が非
常にシャープであり、フィルムの滑り性が極めて良好と
なる。
不活性微粒子の含有量は0.001〜0.2重量%である。不
活性微粒子が無機粒子の場合、0.001〜0.1重量%、さら
には0.002〜0.007重量%、特に0.003〜0.005重量%であ
ることが好ましい。
また、不活性微粒子がシリコン樹脂粒子の場合、0.00
1〜0.1重量%さらには0.002〜0.02重量%、特に0.003〜
0.01重量%であるのが好ましい。さらに、不活性微粒子
が架橋ポリスチレン粒子の場合、好ましくは0.002〜0.1
重量%、特に好ましくは0.003〜0.05重量%である。こ
の不活性微粒子の添加量が0.001重量%未満では、フィ
ルムの滑り性が不十分となりがちであり、一方0.2重量
%を超えるとフィルムヘーズが増加し、透明性が不十分
となり、好ましくない。
不活性微粒子の添加時期は、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレートを成膜する迄の段階であれ
ば特に制限はなく、例えば重合段階でもよく、また成膜
前の段階でもよい。
本発明の写真フィルム用ベースフィルムの厚み方向の
屈折率nzは少くとも1.498である(要件(a))。この
屈折率(nz)が1.498未満であると、フィルムがデラミ
を越し易くまた引掻による傷がギザギザ(凹凸)を有す
る傷となり易く、デラミ部分やこの傷跡が白く目立つよ
うになるため不適当である。
ここで、フィルムの厚み方向の屈折率(nz)は、アッ
ベの屈折計により、25℃におけるNa−D線に対して求め
た値であり、フィルムの表裏両方について測定し、その
平均をとった値である。
屈折率(nz)を高くするには、フィルムの延伸倍率を
低くし、熱固定温度を高くすればよい。しかしながら、
延伸倍率を下げすぎたり、熱固定温度を上げすぎると、
フィルムの厚み斑が大きくなり、フィルム表面に皺(フ
ルート)が発生するようになる。
屈折率(nz)は1.510以下が好ましい。
また、本発明の写真フィルム用ベースフィルムのヘー
ズ値は2.0%以下である(要件(b))。ヘーズ値は好
ましくは1.5%以下、特に好ましくは1.0%以下である。
このヘーズが高すぎると、フィルムの透明性が低下し、
好ましくない。
本発明の写真フィルム用ベースフィルムは、さらに、
0.05Hzにおける引張粘弾性による80℃のtnaδが0.09以
下である一方向を有する(要件(c))。tanδの好ま
しい値は0.085未満であり、より好ましくは0.08以下で
あり、さらに好ましくは0.06〜0.07である。
tanδが0.09を超えると、フィルムは巻きぐせが付き
易く写真フィルム用ベースフィルムとしては性能不足と
なる。
本発明の写真フィルム用ベースフィルムは、抗カーリ
ング性を有することを最大の特徴の1つとしているが、
それを直接表わす指標として70℃における抗カーリング
率が45%以上である必要がある(要件(d))。好まし
い抗カーリング率は50%以上である。日常生活におけ
る、写真フィルムが通常曝されることがあり得る最高温
度は70℃程度である。70℃においてこのように高い抗カ
ーリング率を示すフィルムは未だ知られていない。
従来、写真フィルムの巻きぐせの評価は、巻きぐせカ
ールが通常の写真フィルムの現像あるいは乾燥工程を経
て、その程度解消されるかにかかっていた。
しかしながら、本発明の写真フィルム用ベースフィル
ムは、巻きぐせカールができにくい性質すなわち抗カー
リング性に優れており、またそれでいて一旦生成した巻
きぐせカールが容易に解消されるというカール解消性に
も優れている。
本発明のベースフィルムは、70℃よりも21℃低い49℃
においても、優れた抗カーリング性を示す。すなわち、
外径3インチのコア上で、49℃、50%RH、24時間コアセ
ット(熱処理)した場合、正味のANSIカール値が好まし
くは10以下である。
本発明の写真フィルム用ベースフィルムは厚みが40〜
120μmの範囲にある(要件(e))。厚みは好ましく
は50〜100μmである。
本発明のベースフィルムは、通常の方法で得た未延伸
フィルムを、二軸延伸し熱固定し、次いでアニーリング
処理することにより有利に製造することができる。二軸
延伸処理は縦、横の逐次二軸延伸または同時二軸延伸の
いずれでもよい。また縦、横の二軸延伸後、さらに縦、
横方向のいずれかまたは両方向に再延伸してもかまわな
い。延伸条件は従来から知られている条件を採用するこ
とができ、例えば倍率は2.0〜5.0倍が適当である。かく
して、通常の条件で製膜した二軸延伸フィルムは、長手
方向の0.05Hzでの引張粘弾性による80℃でのtanδ値が
約0.10程度である。このtanδ値を0.09以下まで低下さ
せる必要がある。tanδ値を低下させる手段としては、
フィルムがロール状態で熱履歴を受ける温度より高くか
つ150℃以下、さらには該熱履歴を受ける温度より10℃
高くかつ130℃以下の温度でアニーリング処理する方法
がより効果的で好ましい。フィルムがロール状態で熱履
歴を受ける温度以下の温度でアニーリング処理しても巻
きぐせを防止するのが不十分であり、他方150℃より高
い温度でアニーリング処理すると、フィルム表面へのオ
リゴマーの析出およびフィルム面へのコア転写等が起き
易く、フィルムの使用に不都合が生じるので好ましくな
い。
二軸延伸フィルムのアニーリング処理方法としては、
二軸延伸され、熱固定されたフィルムを一旦巻き取るこ
となく加熱ロールに接触させながら加熱する方法、加熱
空気で搬送させながら非接触で加熱する方法、一旦巻取
ったフィルムを巻出しながら上記と同じ方法で加熱する
方法、またはフィルムをロール状態のままで加熱オーブ
ン中で熱処理する方法等が挙げられる。
また、二軸延伸の熱固定において、二軸延伸後の熱固
定ゾーンを多段に分割し、熱固定温度を徐々に低下さ
せ、急激な温度変化を与えないようにすると、厚み斑の
増大、皺の発生を招来することなく、厚み方向の屈折率
(nz)を1.498以上に高くすることが容易となる。更
に、最高温度の熱固定ゾーンで、ステンターレールの幅
を狭めることにより、フィルムに幅方向の収縮を与える
と、この効果がいっそう顕著となる。
例えば、二軸延伸後の熱固定ゾーンを3ゾーン以上、
好ましくは4ゾーン以上に分割し、この熱固定ゾーンの
最終ゾーンの温度を140℃以下、好ましくは120℃以下に
設定することが望ましい。
最高熱固定温度のゾーンから最終ゾーンに至る間は、
徐々に温度を低下させ、急激な温度変化を与えないよう
にすることが好ましい。この場合の各ゾーン間の温度勾
配は70℃以下、好ましくは60℃以下とする。
本発明のベースフィルムは、写真フィルム用ベースフ
ィルムとして、さらに、下記の好ましい性質を備えるこ
とができる。
本発明のベースフィルムのフィルム/フィルム間のハ
リツキ度は好ましくは3級以下であり、より好ましくは
2.5級以下、特に好ましくは2級以下である。このハリ
ツキ度の等級が大きい程フィルムは滑り難く、一方等級
が小さい程フィルム同士が滑る傾向を示す。このハリツ
キ度が3級より大きいとフィルム同士が滑りが悪く、フ
ィルム同士のブロッキングの発生、フィルム走行時の搬
送ロール等によるスクラッチの発生、ロール巻き上げ時
にロールにコブ状の突起が生じ易くなるなど、写真フィ
ルム用として使用する上で好ましくない。
本発明のベースフィルムのフラットネスは好ましくは
250cm/m幅以下である。フィルムのフラットネスが250cm
/m幅を超えると、感光乳剤の均一塗布が困難になり不適
当である。フラットネスは、特に200cm/m幅以下である
ことが好ましい。
本発明のベースフィルムとしては、その熱分析を行っ
たとき120〜160℃の温度範囲内、好ましくは130〜150℃
の温度範囲内に吸熱ピークが観察されることが好まし
い。またその吸熱ピークの大きさが表している吸熱エネ
ルギーは、好ましくは0.3mJ/mg以上、より好ましくは0.
5mJ/mg以上である。吸熱ピークが上記温度範囲にありそ
して上記エネルギーを有するとき、本発明のベースフィ
ルムは十分に優れた抗カーリング性を示す。
本発明のベースフィルムは、一方向において、150
℃、30分の乾熱処理により、好ましくは3%以下、より
好ましくは2%以下、特に好ましくは1.5%以下の範囲
の熱収縮率を示す。本発明のベースフィルムは、好まし
くは5μm以下、より好ましくは4μm以下の厚み斑を
許容する。厚み斑が5μmを超えると、感光乳剤をフィ
ルム表面に均一の塗布することが困難となり、写真フィ
ルムの品質を低下させることもある。
厚み斑を小さくするには、延伸倍率を高くし、熱固定
温度、縦延伸温度、横延伸温度を低くするのが有効であ
る。
さらに、本発明のベースフィルムは直交する2方向の
ヤング率が750kg/mm2以下であるのが好ましく、700kg/m
m2以下であるのがより好ましい。このヤング率が750kg/
mm2を超えるとフィルムの裁断時やパーフォレーション
穿孔時に切粉が多く発生し易くなる。縦方向および横方
向のヤング率の下限は共に400kg/mm2、さらには450kg/m
m2であることが好ましい。
両方向のヤング率の差は特に限定されないが、150kg/
mm2以下であることが好ましい。
本発明のベースフィルムは、上記のとおり、抗カーリ
ング性、透明性および滑り性を基本的に有しているが、
本発明者の研究によればそのカーリング性および透明性
を損わずに、滑り性のみをさらに改善したベースフィル
ムが提供できることが明らかにされた。
すなわち、本発明によれば、第2に、平均粒径が0.01
〜1.5μmの不活性微粒子を0.003重量%未満で含有して
いてもよいポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキ
シレートからなる第1層および平均粒径0.01〜1.5μm
の不活性微粒子を0.003〜0.5重量%で含有するポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなり且
つ厚みが10μm以下の第2層との積層体からなる、写真
フィルム用ベースフィルムが提供される。
この写真フィルム用ベースフィルム(以下、本発明の
第2のベースフィルムという)は、本発明の前記ベース
フィルムと同様に、前記要件(a)、(b)、(c)、
(d)および(e)は全て充足する。
本発明の第2のベースフィルムは、上記のとおり、不
活性微粒子の含有量の異なる第1層と第2層との積層フ
ィルムからなる。不活性微粒子の含有量が多く、厚みが
非常に薄い第2層は第1層の片側のみにあるいは第1層
の両側に積層される。
第1層は平均粒径0.01〜1.5μmの不活性微粒子を含
有していてもよく、含有する場合にはしかしながら0.00
3重量%未満であり、好ましくは0.001重量%以下であ
る。
平均粒径0.01〜1.5μmの不活性微粒子に関して、こ
こに特に記載しない部分についての記述は、最初に記述
した本発明のベースフィルムについての不活性微粒子に
関する記述がそのまま適用されると理解されるべきであ
る。
第1層の不活性微粒子の含有量は0.003重量%未満で
ある。本発明の第2のベースフィルムの厚みは50〜120
μmであり(要件(e))また第2層の厚みは上記のと
おり高々10μmであるから、第1層の厚みは第2層の厚
みに比べて非常に大きいことがわかる。すなわち、不活
性微粒子を含有しないか、含有しても非常に少ない第1
層の厚みを大きくすることによって、ベースフィルム全
体の厚みに占める第1層の厚みを大きくして、ベースフ
ィルムの透明性を有利に確保しようとするものである。
第2層は平均粒径0.01〜1.5μmの不活性微粒子を0.0
03〜0.5重量%で含有する。
第2層の不活性微粒子についても第1層の不活性微粒
子と同様に理解されるべきである。
第2層中の不活性微粒子の含有量は好ましくは0.005
〜0.3重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%である。
不活性微粒子の含有量が0.003重量%未満であると、フ
ィルムの滑り性が悪化し、フィルム同士のブロッキング
が発生し易く、一方0.5重量%を超えると、フィルムの
耐傷性、透明性が不良となり、好ましくない。
第2層の厚さt2(μm)と該B層中に含有する不活性
微粒子の平均粒径d2(μm)の比(t2/d2)は好ましく
は0.1〜10、より好ましくは0.2〜5、さらに好ましくは
0.3〜3の範囲にある。この比(t2/d2)が0.1より小さ
いと、フィルム走行時フィルム表層部の不活性微粒子が
フィルム表面から脱落し易く、またフィルムの滑り性も
悪く、逆に10より大きいと、耐傷性が不良となり、好ま
しくない。
第2層は本発明の第2のベースフィルムに滑り性を付
与することを重要な機能とする。
第2層の厚み(第2層が第1層の両側に2層あるとき
には第2層のそれぞれの厚み)は、10μm以下、好まし
くは5μm以下である。厚みの下限は0.1μmとするの
が好ましい。
本発明の第2のベースフィルムのための二軸配向積層
フィルムは、第1層および第2層のそれぞれを構成する
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートあ
るいはそれを含む組成物を別々に溶融してダイより共押
出し、固化前に積層融着させて未延伸フィルムとし、そ
の後、二軸延伸、熱固定する方法あるいは各ポリマー又
は組成物を別々に溶融、押出してフィルム化し、未延伸
状態または延伸後、両者を積層融着させる方法などによ
り製造することができる。次いで、得られた二軸配向積
層フィルムを前述したアニーリング処理と同様にしてア
ニーリング処理することにより、本発明の第2のベース
フィルムを得ることができる。
なお、本発明の第2のベースフィルムについて記載の
ない部分が先に記載した本発明のベースフィルムについ
ての相当する記載がそのまま適用されると理解されるべ
きである。
本発明によれば、本発明のベースフィルム(第2のベ
ースフィルムを含む。以下同じ)がブロッキングのない
状態で巻かれて維持されている写真フィルム用ベースフ
ィルムの巻ロールが同様に提供される。
すなわち、本発明の写真フィルム用ベースフィルムの
巻ロールは、ロールフィルムが本発明のベースフィルム
であり、そしてロールフィルム層間に7〜20体積%の空
気層が存在する空間が存在することを特徴とする。
本発明の巻ロールは、フィルム層間に7〜20体積%、
好ましくは8〜19体積%、更に好ましくは10〜18体積%
の空気層が介在するように巻き取られている。この空気
層が7体積%未満であると、巻ロールはアニーリング処
理による巻締りの為、ブロッキングや前述の微小すりキ
ズが発生し、好ましくない。一方、空気層が20体積%を
超えると、これらの問題が発生しない代わりにロールの
巻姿そのものが不安定になり、ロール巻取時のロール端
面ずれや、ロール搬送時のロール変形等が起こり、好ま
しくない。
巻ロールに於て、フィルム層間の空気量を前述の範囲
に調整する方法としては、フィルムをロール状に巻き取
る時ロールの両エッジ付近に狭幅のフィルムを巻込ませ
ながら巻取る方法や、あらかじめロールエッジ付近のフ
ィルムに長手方向に凹凸をつける(例えばエンボス加工
等)方法等があげられるが、その方法について限定する
ものではない。
本発明のベースフィルムの表面には、感光乳剤層をは
じめとして、各種の薄層を形成せしめ、写真フィルムと
することができる。これら薄層の形成には公知の手段を
用いることができる。
実施例 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例におけるtanδ、厚み方向の屈
折率(nz)、抗カーリング率および折り目デラミ白化率
等は、次のようにして測定した。
(1)厚み方向の屈折率(nz) アッベ屈折計(株式会社アタゴ製)を用い、25℃にて
Na−D線を用いてフィルム厚み方向の屈折率を求める。
フィルムサンプルの表、裏両面について測定し、その平
均値を屈折率(nz)とする。
(2)ヘーズ JIS K−6714の手法に従い、市販のヘーズメーター
で測定したフィルム1枚当りの全ヘーズ値。
(3)tanδ セイコー電子工業(株)製熱応力歪測定装置TMA/SS12
0Cを用い、下記条件にて測定する。
荷重モード:sin波(荷重変化周波数0.05Hz) 断面積当りの荷重中央値:120g/mm2 断面積当り荷重振幅:90g/mm2 昇温速度:5℃/分 サンプル巾:4mm サンプル長:(チャック間):10mm 測定方向:縦方向 (4)抗カーリング率 120mm×35mmの大きさのサンプルフィルムを、直径10m
mの巻芯に巻き付け巻き戻らないように仮固定し、70
℃、30%RHにて72時間加熱した後、巻芯から解放し、40
℃の蒸留水に15分間浸漬する。次いで50gの荷重をか
け、サンプルを垂直に吊し、カールが残っている状態の
「サンプル長さ」(mm)を測定し、最初のサンプルの長
さ120mmに対する割合(%)をもって、抗カーリング率
とする。
この場合、「サンプル長さ」は、サンプルが大きくカ
ールして、円〜半円状の場合はその直径とし、サンプル
のカールが小さく、その形が半円に満たない場合は弦の
長さとする。
このカーリング率が高いほど、カールが付与されにく
いことを示す。
(5)正味のANSIカール値 カールの評価はANSI/ASC PH1.29〜1971の試験方法A
(21℃、50%RH)に従って行った。カールの付与はフィ
ルを外径3インチのコアに巻き付け、49℃、50%RHで24
時間処理して行った。カール付与時のフィルムは4イン
チ×6インチの大きさである。
正味のANSIカール値=コア巻付カール付与後のANSIカ
ール値−コア巻付前のANSIカール値 (6)ハリツキ度 平面な台上にゴム板を敷き、その上にフィルム間にゴ
ミ、汚れ等を含まない2枚のフィルムを重ねて置く。外
径70mm、重さ10kgの円柱状の重りを真上から静かにフィ
ルム上に載せ、10分後に静かに重りを取り除く。30秒放
置後、円柱跡の円形内の接触模様を写真撮影し、ハリツ
キ部分の面積の割合を測定し、表1より0〜5級で格付
する。
(7)フラットネス フィルムロールから、長さ2mのフィルムサンプルを採
取し、ロールに巻かれていたときにロールの表面側であ
った側を上にして、水平で平坦な台の上に広げる。10分
間放置後、フィルムサンプルの全表面を観察し、該表面
に残存する皺(フルート)の長さ(cm)を計測し、その
合計をフィルムの幅(m)で除してフラットネスを算出
する。
(8)吸熱ピーク温度 TK(℃) フィルム10mgをセイコー電子工業(株)製熱分析シス
テムSSC580DS(DSC)にセットし、N2気流中で20℃/min
の昇温速度で加熱し、該フィルムの吸熱挙動を1次微
分、2次微分で解析し、ピークを示す温度を決定し、こ
れを吸熱ピーク温度とする。
(9)吸熱エネルギー ΔHK(mJ/mg) (8)と同様に、フィルム10mgをセイコー電子工業
(株)製熱分析システムSSC580、SDC20にセットし、N2
気流中で20℃/minの昇温速度で加熱し、フィルムの吸熱
エネルギーに対応するDSCチャート上の吸熱側面積から
求める。
この面積は、昇温することによりベースラインから吸
熱側にずれ、さらに昇温を続けて吸熱ピークを経た後、
ベースライン位置まで戻るまでの吸熱側の面積であり、
吸熱開始温度位置から終了温度位置までを直線で結び、
面積(A)を求める。同じDSCの測定条件でIn(インジ
ウム)を測定し、この面積(B)を28.5mJ/mgとして、
次の式より求める。
(A/B)×28.5=ΔHK(mJ/mg) (10)熱収縮率 150℃の熱風中に30分間保持し、この前後の寸法変化
を下式により求める。
(11)フィルムの厚み斑 アンリツ株式会社製電子マイクロメーターK−312A型
を用い、針圧30g、走行速度25mm/秒で、フィルムの縦方
向及び横方向、それぞれ2mの長さにわたって測定し、±
4μmの感度による連続厚みチャートを得る。このチャ
ートから、2mにわたる厚みの最大値と最小値を求め、そ
の差R(μm)をもって厚み斑とする。
(12)ヤング率 フィルムを試料巾10mm、長さ15cmに切り、チャック間
100mmにして引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分で
インストロンタイプの万能引張試験装置にて引張る。得
られた荷重−伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を
計算する。
(13)巻き姿 幅500mm、長さ500mのフィルムをロールに巻き上げ
る。この巻き上げロールの外観を肉眼で詳細に検査し、
図1に模式的に示すようなコブ状の突起で長径1mm以上
のものの個数を数え、表2より1〜5級に格付する。な
お、4、5級は不合格である。
(14)折り目デラミ白化率 80mm×80mmの大きさにフィルムサンプルを切り出し、
手で軽く2つに折りながら、平坦な一対の金属板ではさ
んだ後、プレス機により所定の圧力P1(kg/cm2G)で20
秒間プレスする。プレス後、2つ折りのフィルムを手で
元の状態に戻し、前記金属板にはさんで、圧力P1(kg/c
m2G)で20秒間プレスする。その後、サンプルフィルム
を取り出し、折り目に現れた白化部分の長さ(mm)を測
定して合計する。
それぞれ新しいフィルムサンプルを使用し、プレス圧
力P1=1,2,3,4,5,6(kg/cm2G)について上記測定を繰り
返す。
各プレス圧力における白化部分の長さ(mm)の合計の
平均値が、折り目の全長(80mm)に占める割合をもっ
て、折り目デラミ白化率とし、この値をフィルムの層剥
離(デラミ)の起り易さを示す指標として使用する。
(15)切粉発生状態 穿孔機によりパーフォレーションを穿孔したフィルム
のパーフォレーション部を、直径10cmの金属ロールに粘
着面を外側にして取り付けた粘着テープ(ニットー保護
フィルムSPV−363、日東電工(株)社製)に接触させ
て、10m/分の速度で100m走行させ、粘着テープに付着し
た切粉の量を目視で観察し、次のように等級つけする。
◎:切粉の付着は全く認められない。
○:切粉の付着はほとんど認められない。
△:若干の切粉付着が認められる。
×:多量の切粉付着が認められる。
(16)アニール処理後のブロッキング 巾500mm、長さ500mのフィルムをロール状に巻き上
げ、該ロールを110℃にて24時間アニーリング処理を実
施する。アニール後のロール表面を略400m切き開き、巻
芯部のブロッキングの有無を目視にて観察する。判定は
以下の基準にて行う。
○:ブロッキングの発生が全くなく、ロール表面がフ
ラットであるもの Δ:米粒状のブロッキングが3〜5カ所以下あるが、
他方はフラットである。
×:米粒状のブロッキングが6カ所以上ある、又は10
mm2以上のブロッキングが1カ所以上あるもの (17)耐傷性 ヘイドン−14型スクラッチ試験機(新東科学株式会社
製)を用い、引掻針として先端半径50μmのダイヤモン
ト針を使用して、針荷重200g、走行速度2mm/秒でフィル
ム表面をフィルム長手方向に約100mmほど引っ掻く。
引掻傷の部分を100倍の透過顕微鏡で観察し、その状
態により下記表3のようにランク付けする。
ランクA及びBは実用上許容することができる。
(18)空気層の割合 一定長巻取ったロールフィルムのロール径Dを実測
し、一方、フィルム厚みと長さとから計算して(空気層
は介在していない)ロール径Doを求め、この計算値と実
測値とを用いて次式から求める。
(19)粒子の平均粒径 島津製作所CP−50型セントリフュグル パーティクル
サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size
Analyzer)を用いて測定する。得られる延伸沈降曲線を
基に算出した各粒径の粒子とその存在量との累積曲線か
ら、50マスパーセント(mass parcent)に相当する粒径
を読み取り、この値を上記平均粒径とする(「粒度測定
技術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜247参
照)。
(20)体積形状係数(f) 走査型電子顕微鏡により滑剤粒体の写真を5000倍で10
視野撮影し、画像解析処理装置ルーゼックス500(日本
レギュレーター製)を用いて最大径の平均値を各視野毎
に算出し、更に10視野の平均値を求め、Dとする。
上記(19)項で求めた粒子の平均粒径dを用いて粒子
の体積をV=(π/6)d3によって算出し、形状係数fを
次式により算出する。
f=V/D3 式中Vは粒子の体積(μm3)、Dは粒子の最大径(μ
m)を表わす。
(21)粒径比 フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロ
トームにて約600オングストロームの厚みの超薄切片
(フィルムの流れ方向に平行に切断する)を作成する。
この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製:H−800
型)にてフィルム中の滑剤の断面形状を観察し、粒子の
最大径と最小径の比で表わす。
(22)粒子の平均粒径、粒径比等 電顕試料台上に粉体を個々の粒子ができるだけ重らな
いように散在せしめ、金スパッター装置によりこの表面
に金薄膜蒸着層を厚み200〜300オングストローケで形成
せしめ、走査型電子顕微鏡にて10,000〜30,000倍で観察
し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500に
て、少なくとも100個の粒子の最大径(Dli)、最小径
(Dsi)及び面積円相当(Di)を求める。そして、これ
らの次式で表わされる数平均値をもって、粒子の最大径
(Dl)、最小径(Ds)、平均粒径(Da)を表わす。さら
にこれらから粒径比を求める。
また、フィルム中の粒子については次のようにして求
める。
試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定
し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC−110
0型イオンエッチング装置)を用いてフィルム表面に下
記条件にてイオンエッチング処理を施す。条件は、ベル
ジャー内に試料を設置し、約10-3Torrの真空状態まで真
空度を上げ、電圧0.25KV、電流12.5mAにて約10分間イオ
ンエッチングを実施する。更に同装置にて、フィルム表
面に金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡にて10,000
〜30,000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルー
ゼックス500にて少なくとも100個の粒子の最大径(Dl
i)、(最小径(Dsi)及び面積円相当径(Di)を求め
る。以下、上記と同様に行なう。
実施例1〜4および比較例1〜3 表4に示す不活性微粒子を含有する、固体粘度0.60の
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを
ダイスリットより溶融押出し、キャスティングドラム上
で冷却固化させて未延伸フィルムを作成した。次いで、
該未延伸フィルムを130℃の温度で縦方向に3.0倍延伸
し、引続いてフィルムの幅方向の両端をステンタークリ
ップにより把持しつつ135℃の温度で横方向に3.3倍延伸
し、更に緊張状態で230℃で熱固定し、引続いて把持を
解除して緊張状態で急冷ロールに接触させて急冷し、二
軸配向フィルムをロールに巻取った。
得られた二軸配向フィルムから幅500mm、長さ500mの
フィルムをサンプリングし、これを直径165mmの巻芯に
巻取ってサンプルロールとし、この状態で表4に示す条
件でアニール処理を行なった。
アニール処理した二軸配向フィルムの物性は表4に示
すとおりであった。
実施例1〜4の二軸配向フィルムは所定のtanδ値に
なるようにアニール処理したものであり、写真フィルム
材料として要求されている特性を満たしている。
一方、比較例1はアニール処理を実施していない例で
あり、十分なカール回復性が得られない。また、比較例
2はアニール処理温度が高すぎる為、所望のtanδ値が
得られず、その結果十分なカール回復性が得られなかっ
た例である。
比較例3は滑剤添加量が多過ぎて十分透明性が得られ
ない例を示す。
実施例5、6および比較例4、5 実施例1〜4において、表5に示す微粒子を含有す
る、固有粘度0.60のポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレートを用いる他は、実施例1〜4と全く同
様にしてアニーリング処理した二軸延伸フィルムを得
た。
得られたアニーリング処理した二軸配向フィルムの性
質を表5に示す。
実施例7〜10および比較例6〜9 実施例1〜4において、表6に示す不活性微粒子を含
有する、固有粘度0.60のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートを用いる他は、実施例1〜4と全
く同様にして、アニーリング処理した二軸配向フィルム
を得た。
得られたアニーリング処理した二軸配向フィルムの性
質を表6に示す。
実施例11〜14および比較例10〜12 実施例1〜4を繰返し実施した。すなわち、表7に示
す不活性微粒子を含有する固有粘度0.60のポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用い、実施例
1〜4と全く同様にして、アニーリング処理した二軸配
向フィルムを得た。
得られたアニーリング処理した二軸配向フィルムの性
質を表7に示す。
実施例11〜14および比較例10は、それぞれ実施例1〜
4および比較例1をよく再現していることがわかる。ま
たこれらの実施例のアニーリング処理されたフィルム
は、望ましい値のTk(℃)およびΔHk(mj/mg)を有す
ることがわかる。
実施例15〜18及び比較例13 粒径比が1.07、平均粒径が0.3μmの球状シリカ微粒
子を、表8に示す含有量となるように添加したポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(固有粘度
0.60)を、常法により溶融押出して、未延伸フィルムを
作成した。
この未延伸フィルムを、表8に示す条件で二軸延伸、
熱固定し、厚みが75μmの二軸配向フィルムを得た。な
お、熱固定は、熱固定ゾーンをX1、X2、X3の3ゾーンに
分け、それに続いてクーリングゾーン(cz)を設けた装
置を用いて行い、最高熱固定温度となるゾーン(X1)で
は、ステンターレールの幅を狭めることにより、フィル
ムの幅方向に収縮を与えることができるようにした。
得られた各二軸配向フィルムについて、厚み方向の屈
折率(nz)、耐傷性等を測定した。その結果は、表9に
示す通りであった。
実施例19及び比較例14 平均粒径0.3μmの球状シリカ(長径/短径=1.07)
を0.008重量%含有する固有粘度0.60のポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートをダイスリットよ
り溶融押出し、キャスティングドラム上で冷却固化させ
て未延伸フィルムを作成した。次いで、該未延伸フィル
ムを130℃の温度で縦方向に3.0倍延伸し、引続いてフィ
ルムの幅方向の両端をステンタークリップにより把持し
つつ135℃の温度で横方向に3.3倍延伸し、更に緊張状態
で230℃で熱固定し、引続いて把持を解除して緊張状態
で急冷ロールに接触させて急冷し、厚さ75μmの二軸配
向フィルムをロールに巻き取り、親ロールを得た。
得られた親ロールから幅500mm、長さ500mのフィルム
ロールを直径165mmの巻芯に巻き取る際、該フィルムロ
ール(幅500mm)の両エッジ部に厚さ10μm、幅10mmの
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフ
ィルムを巻込みながら巻き取った。このフィルムロール
を表10に示す条件でアニーリング処理した。
アニーリングした二軸配向フィルムの物性及び写真感
光材料用としての評価は表10の通りであった。
実施例19の二軸配向フィルムは適切な空気層の割合で
ロールに巻かれ、所定のヘーズ値および所定のtanδ値
等をもっており、その結果写真感光材料として要求され
ている特定を満たしている。
実施例20〜24および比較例15〜17 平均粒径0.3μm、粒径比(最大径/最小径)1.05の
球状シリカを表11に示す量で含有する固有粘度0.60のポ
リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートをそ
れぞれ層(A)および層(B)となるように、常法によ
り溶融した後、互いに隣接したダイから共押出しして、
層(A)の両面に層(B)を積層、融着させて急冷固化
し、未延伸積層フィルムを作成した。
次いで、該未延伸フィルムを130℃の温度で縦方向に
3.0倍延伸し、引続いてフィルムの幅方向の両端をステ
ンタークリップにより把持しつつ135℃の温度で横方向
に3.3倍延伸し、更に緊張状態で230℃で熱固定し、引続
いて把持を解除して緊張状態で急冷ロールに接触させて
急冷し、二軸配向積層フィルムを得た。
その後、表11に示す条件でアニーリング処理して、全
体の厚みが75μmのフィルムを得た。なお、層(A)お
よび層(B)の厚みは、それぞれ表11に示すように変更
した。
また、アニーリング処理は、二軸配向積層フィルムを
巻き取ったフィルム親ロールから、幅500mm、長さ500mm
のフィルムを取り出してロール状に巻き取り、加熱オー
ブン中で加熱することにより実施した。得られたアニー
リング処理したフィルムの性質を表11に併記した。
実施例25〜27及び比較例18〜20 表12に示す平均粒径で、粒径比(最大径/最小径)1.
05の球状シリカを表12に示す量含有する固有粘度0.60の
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを
それぞれA層及びB層となるように、常法により溶融し
た後、互いに隣接したダイから共押出して、A層の両面
にB層を積層、融着させて急冷固化し、未延伸複合フィ
ルムを作成した。その際、それぞれの押出機の吐出量を
調節し、A層、B層の厚さを調節した。
次いで、該未延伸フィルムを130℃の温度で縦方向に
3.0倍延伸し、引き続いてフィルムの幅方向の両端をス
テンタークリップで把持しつつ135℃の温度で、表12に
示す倍率で横方向に延伸し、更に緊張状態で表12に示す
温度で熱固定し、引続いて把持を解除して緊張状態で急
冷ロールに接触させて急冷し、全体の厚みが75μmの二
軸配向複合フィルムを得た。次いで、アニーリング処理
を実施例20〜24のA条件に従って実施した。なお、A
層、B層の厚みは、それぞれ表12に示すように変更し
た。
得られたフィルムのヘーズ、厚み方向の屈折率(n
z)、耐傷性等を測定した。その結果は表12に示す通り
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−30520 (32)優先日 平成5年2月19日(1993.2.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−39806 (32)優先日 平成5年3月1日(1993.3.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−39807 (32)優先日 平成5年3月1日(1993.3.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−39808 (32)優先日 平成5年3月1日(1993.3.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−39809 (32)優先日 平成5年3月1日(1993.3.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−46482 (32)優先日 平成5年3月8日(1993.3.8) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−71753 (32)優先日 平成5年3月30日(1993.3.30) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−76906 (32)優先日 平成5年4月2日(1993.4.2) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−76907 (32)優先日 平成5年4月2日(1993.4.2) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−80677 (32)優先日 平成5年4月7日(1993.4.7) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 鈴木 賢司 神奈川県横浜市緑区長津田7―6―18 (72)発明者 斉藤 一義 神奈川県相模原市横山台2―34―20 (56)参考文献 特開 平6−202279(JP,A)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)厚み方向の屈折率(nz)が少なくと
    も1.498であり、 (b)ヘーズ値が2.0%以下であり、 (c)0.05Hzにおける引張粘弾性による80℃のtanδ値
    が0.09以下である一方向を有し、 (d)70℃における抗カーリング率が45%以上であり、 (e)厚みが40〜120μmの範囲にあり、 そして (f)平均粒径0.05〜1.5μmの不活性微粒子を0.001〜
    0.1重量%で含有するポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
    カルボキシレートを実質的な素材としてなる、 ことを特徴とする写真フィルム用ベースフィルム。
  2. 【請求項2】厚み方向の屈折率(nz)が1.510以下であ
    る請求項1に記載のベースフィルム。
  3. 【請求項3】ヘーズ値が1.5%以下である請求項1に記
    載のベースフィルム。
  4. 【請求項4】0.05Hzにおける引張粘弾性による80℃のta
    nδ値が0.085未満である請求項1に記載のベースフィル
    ム。
  5. 【請求項5】0.05Hzにおける引張粘弾性による80℃のta
    nδ値が0.08以下である請求項1に記載のベースフィル
    ム。
  6. 【請求項6】70℃における抗カーリング率が50%以上で
    ある請求項1に記載のベースフィルム。
  7. 【請求項7】外径3インチのコア上で49℃、50%RHで24
    時間コアセットした熱処理フィルムについての正味のAN
    SIカール値が10以下である請求項1に記載のベースフィ
    ルム。
  8. 【請求項8】ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
    キシレートがエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
    レート単位を少なくとも97モル%含有する請求項1に記
    載のベースフィルム。
  9. 【請求項9】ベースフィルム間のハリツキ度が3級以下
    である請求項1記載のベースフィルム。
  10. 【請求項10】フラットネスが259cm/m幅以下である請
    求項1に記載のベースフィルム。
  11. 【請求項11】120〜160℃の温度範囲内に吸熱ピークを
    有しかつその吸熱エネルギーが0.3mJoule/mg以上である
    請求項1に記載のベースフィルム。
  12. 【請求項12】150℃、30分の乾熱処理による熱収縮率
    が3%以下の一方向を有する請求項1に記載のベースフ
    ィルム。
  13. 【請求項13】厚み斑が5μm以下である一方向を有す
    る請求項1に記載のベースフィルム。
  14. 【請求項14】ヤング率が750kg/mm2以下である直交す
    る2方向を有する請求項1に記載のベースフィルム。
  15. 【請求項15】ロールフィルム層間に7〜20体積%の空
    気層が存在する空間が存在しそしてロールフィルムが請
    求項1のベースフィルムである、写真フィルム用ベース
    フィルムの巻ロール。
  16. 【請求項16】第1層および第2層の積層フィルムから
    なる写真フィルム用ベースフィルムであって、 上記第1層は、平均粒径0.01〜1.5μの不活性微粒子を
    0.003重量%未満で含有していてもよいポリエチレン−
    2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなり、上記第
    2層は、平均粒径0.01〜1.5μmの不活性微粒子を0.003
    〜0.5重量%で含有するポリエチレン−2,6−ナフタレン
    ジカルボキシレートからなりかつ厚みが10μm以下であ
    り、そして 上記ベースフィルムは、 (a)厚み方向の屈折率(nz)が少なくとも1.498であ
    り、 (b)ヘーズ値が2.0%以下であり、 (c)0.05Hzにおける引張粘弾性による80℃のtanδ値
    が0.09以下である一方向を有し、 (d)70℃における抗カーリング率が45%以上であり、
    かつ (e)厚みが40〜120μmの範囲にある、 ことを特徴とする写真フィルム用ベースフィルム。
  17. 【請求項17】第2層の厚さt2(μm)対第2層が含有
    する不活性微粒子の粒子径d2(μm)の比が0.1〜10の
    範囲にある請求項16に記載のベースフィルム。
  18. 【請求項18】第2層の厚みが5μm以下である請求項
    16に記載のベースフィルム。
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