JPH1069027A - 135型写真フィルム用支持体 - Google Patents

135型写真フィルム用支持体

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JPH1069027A
JPH1069027A JP8245594A JP24559496A JPH1069027A JP H1069027 A JPH1069027 A JP H1069027A JP 8245594 A JP8245594 A JP 8245594A JP 24559496 A JP24559496 A JP 24559496A JP H1069027 A JPH1069027 A JP H1069027A
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JP
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film
polyester
layer
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ethylene
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Application number
JP8245594A
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English (en)
Inventor
Fumiyuki Suzuki
文行 鈴木
Takahito Miyoshi
孝仁 三好
Yukio Shirokura
幸夫 白倉
Takanori Sato
隆則 佐藤
Hiroko Sugihara
広子 杉原
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/795Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers the base being of macromolecular substances
    • G03C1/7954Polyesters

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤を使用することなく製造することができ
る135型(写真)フィルム用支持体を提供すること。 【解決手段】 60〜85モル%のエチレン−2,6−
ナフタレート単位および15〜40モル%のエチレンテ
レフタレート単位からなる繰り返し単位を有するポリエ
ステルであって、そのエステル結合状態が下記の一般
式: −0.65≦[NDA]+log[NET]≦0.28 (但し、[NDA]:2,6−ナフタレート単位数とテ
レフタレート単位数の合計に対する2,6−ナフタレー
ト単位数の割合、[NET]:、ポリエステルを構成す
るエチレン単位の総数に対する、2,6−ナフタレート
単位とテレフタレート単位の両方と結合しているエチレ
ン単位数の割合)を満足するポリエステルからなる11
2〜128μmの範囲の膜厚を有する135型写真フィ
ルム用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般のカメラ用の
ハロゲン化銀写真フィルムとして広く使用されている1
35型フィルムに使用することができる写真フィルム支
持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料(写真
フィルム)の代表的な例としては、X線撮影用フィル
ム、製版用フィルム及びカットフィルムの如くシート状
の形態のもの、そしてロール状の形態のものがある。ロ
ールフィルムの代表的なものとしては、35mm幅又はそ
れ以下の幅でパトローネ内に収められた、一般のカメラ
に装填して撮影に用いられるカラーフィルム又は黒白ネ
ガフィルムが挙げることができる。特に、35mm幅の写
真フィルムは、通常135型フィルムとして一般のカメ
ラ用のネガフィルムあるいはポジフィルムに広く使用さ
れている。
【0003】135型フィルムの支持体には、従来から
セルローストリアセテート(TAC)フィルムが用いら
れている。TACフィルムの写真用支持体としての特徴
は、光学的に異方性が無く透明度が高いこと、更には現
像処理後のカール解消性についても優れた性質を有して
いることである。TACフィルムは、セルローストリア
セテートを塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、得られ
た溶液を金属ベルト等の支持体に流延、乾燥することに
より得られる。このセルローストリアセテートの溶解に
使用される有機溶剤、特に塩化メチレン等の塩素系の溶
剤は、人体に毒性を示し易く、作業環境や大気を汚染し
易いとの問題がある。
【0004】一方、溶剤を使用しないでフィルム形成が
可能な材料として、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)
等のポリエステルが知られている。PETフィルムは、
通常PETを溶融押し出しした後、二軸延伸することに
より得られる。このようなPETフィルムは、従来から
X線フィルム、リスフィルムの支持体として使用されて
いる。しかしながら、このPETフィルムを135型フ
ィルムの支持体に、即ちロール状態で使用した場合、巻
きぐせカールを起こし易いため、例えば現像後写真印画
紙に画像を形成させる焼き付け工程等で、スリ傷の発
生、焦点ボケ、搬送時のジャミング等の問題が生じる。
【0005】ポリエチレン−2,6−ナフタレート(P
EN)は強度のある硬いフィルムを与えることが知られ
ている。このPENフィルムは、新しいカメラシステム
であるアドバンスドフォトシステム(APS)や一体型
カメラの写真フィルムに使用できる薄い支持体の形成材
料として検討されている(EP0606070A1、特
開平7−72584号)。しかしながら、このPENフ
ィルムは硬いため、従来の135型フィルムの支持体と
して用いた場合、カメラへのフィルムの自動ローディン
グや自動巻き上げの際にトラブルが発生することが多
い。このためPENフィルムは135型フィルムに利用
する方向では検討が進んでいない。一方、従来の135
型フィルムの支持体として使用されているTACフィル
ムは、前述のようにフィルム形成時に溶剤を使用するこ
とに起因する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】135型フィルム用の
支持体とするためには、フィルムにある程度の厚さが必
要であり、PENフィルムをこの目的に使用した場合は
上記問題が発生する。本発明者はPENフィルムを13
5型フィルム用の支持体として使用できるようにするた
め、種々検討を行った。その結果、ポリエステルを形成
する二塩基酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸と共にテレフタル酸を導入し、且つポリエステルを
構成するエステル結合の状態を特定の構成にする(たと
えば、ポリエステルフィルムを延伸する際に特定の熱処
理を施す)ことにより、PENの硬さを緩和することが
でき、135型フィルム用の支持体として使用できるこ
とが明らかとなった。なお、前記公報(EP06060
70A1、特開平7−72584号)には、PEN以外
にPENの共重合体、及びPENと他のポリエステルと
のブレンド物ついても記載されているが、これらの材料
の135型フィルム用への利用については一切記載され
ていない。
【0007】本発明の目的は、溶剤を使用することなく
製造することができる135型(写真)フィルム用支持
体を提供することにある。また本発明の目的は、エチレ
ン−2,6−ナフタレート単位を主繰り返し単位とする
ポリエステルからなる135型(写真)フィルム用支持
体を提供することにある。さらに、本発明の目的は、巻
癖カールが付きにくく、取扱い性に優れた135型(写
真)フィルム用支持体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、60〜85モ
ル%のエチレン−2,6−ナフタレート単位および15
〜40モル%のエチレンテレフタレート単位からなる繰
り返し単位を有するポリエステルであって、そのエステ
ル結合状態が下記の一般式(1): −0.65≦[NDA]+log[NET]≦0.28 ・・・(1) (但し、[NDA]は、ポリエステルを構成する2,6
−ナフタレート単位数とテレフタレート単位数の合計に
対する2,6−ナフタレート単位数の割合を表わし、そ
して[NET]は、ポリエステルを構成するエチレン単
位の総数に対する、一方の側で2,6−ナフタレート単
位と結合し、他方の側でテレフタレート単位と結合して
いるエチレン単位の数の割合を表わす)を満足ポリエス
テルからなり、そして112〜128μmの範囲の膜厚
を有するポリエステルフィルムであることを特徴とする
135型写真フィルム用支持体にある。
【0009】本発明の支持体にハロゲン化銀乳剤層(乳
剤層)を形成することにより得られる135型写真フィ
ルムは、JIS K 7519−1982の「135型フィ
ルム・パトローネ」に規定されたフィルムである。13
5型写真フィルムは、上記規定された寸法を有すると共
に、上記規定されたパトローネに充填等が容易に行なう
ことができ、かつ前述したように135型写真フィルム
用に設計されたカメラでトラブルなく使用することがで
き、更に撮影したフィルムの現像、定着等の処理操作に
おいても支障のないことが要求される。
【0010】本発明の135型写真フィルム用支持体の
好ましい態様は下記の通りである。 1)ポリエステルフィルムが、二軸延伸フィルムであ
る。 2)ポリエステルフィルムが、さらに平均粒径が0.1
〜1μmの範囲の不活性微粒子(好ましくはシリカ)を
5〜100ppmの範囲で含んでいる。 3)ポリエステルフィルムが、40以下(好ましくは5
〜40;単位m-1)のコアセットカール値を有する。 4)2)の不活性微粒子の粒子径分布が0.01〜5μ
mの範囲にあり、1μm以上の粒子の面積基準分率の割
合が20%以下である。 5)ポリエステルフィルムが、25〜50gの範囲のル
ープスティフネスを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の135型写真フィルム用
支持体であるポリエステルフィルムは、その繰返し構造
単位が(全繰り返し単位の)60〜85モル%(好まし
くは60〜80モル%)がエチレン−2,6−ナフタレ
ート単位で、15〜40モル%がエチレンテレフタレー
ト単位から構成されているものである。このポリエステ
ルフィルムは、上記二個の単位を有する共重合体から、
あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレート(PE
N)とポリエチレンテレフタレート(PET)の混合物
から、これらの熱処理等を行なうことにより得ることが
できる。さらに本発明のポリエステルフィルムは、11
2〜128μmの範囲の膜厚を有し、そして該ポリエス
テルのエステル結合状態が下記の一般式(1): −0.65≦[NDA]+log[NET]≦0.28 ・・・(1) (但し、[NDA]は、ポリエステルを構成する2,6
−ナフタレート単位数とテレフタレート単位数の合計に
対する2,6−ナフタレート単位数の割合(モル比)を
表わし、そして[NET]は、ポリエステルを構成する
エチレン単位の総数に対する、一方の側で2,6−ナフ
タレート単位と結合し、他方の側でテレフタレート単位
と結合しているエチレン単位の数の割合(モル比)を表
わす)を満足するポリエステルフィルムである。上記式
で表わされるポリエステルのエステル結合状態は、通
常、エチレン−2,6−ナフタレート単位とエチレンテ
レフタレート単位からなる共重合体、あるいはポリエチ
レン−2,6−ナフタレート(PEN)とポリエチレン
テレフタレート(PET)の混合物を、たとえばポリエ
ステルフィルムを製膜時に特定の熱処理を施すことによ
り、得ることができる。従って、本発明のポリエステル
フィルムは、PEN、PET及び共重合体の混合物とい
うことができる。
【0012】上記膜厚の範囲は、135型写真フィルム
用のパトローネに充填等が容易に行なうことができ、か
つ前述したように135型写真フィルム用に設計された
カメラでトラブルなく使用することができるように設定
されている。上記一般式(1)は、エチレン−2,6−
ナフタレート単位とエチレンテレフタレート単位と上記
比率で有するポリエステルであって、上記[NET]で
示される単位が、すなわち、−Ph−COO−CH2
2 −OCO−Nah−(但し、Phは1,4−フェニ
レン、Nahは2、6−ナフチレンを表わす)の形で結
合しているエチレン単位が、ある程度の量で存在してい
ることを示している。例えば、PENとPETを、上記
組成となるようにブレンドして得られるポリエステルで
あっても、上記[NET]で示される単位が、少なくと
も3モル%程度は必要であることを示している。このよ
うな構成にすることにより、巻癖カールが付きにくく、
取扱い性に優れた135型(写真)フィルム用支持体を
得ることができる。一般に、このようなポリエステルフ
ィルムは二軸延伸することにより、更に特性を向上させ
ることができる。
【0013】本発明のポリエステルフィルムの作製に使
用することができるポリエステルとしては、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート/テレフタレート(エチレン
−2,6−ナフタレート単位とエチレンテレフタレート
単位を有する共重合体)、PEN及びPETを挙げるこ
とができる。例えば、PENは、ナフタレン−2,6−
ジカルボン酸またはその誘導体(無水物、低級アルキル
エステル等のエステル形成可能な誘導体)およびエチレ
ングリコールまたはその誘導体(アルキレンオキサイド
等のエステル形成可能な誘導体)、更に所望により他の
二価のアルコールとを触媒の存在下で適当な反応条件の
下に反応(重合)させることによって合成される。ま
た、PETは、例えば、テレフタル酸又はその誘導体、
およびエチレングリコールまたはその誘導体(アルキレ
ンオキサイド等のエステル形成可能な誘導体)、更に所
望により他の二価のアルコールとを触媒の存在下で適当
な反応条件の下に反応(重合)させることによって合成
される。また、上記共重合体は、例えば、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸またはその誘導体(無水物、低級
アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)、テ
レフタル酸又はその誘導体、およびエチレングリコール
またはその誘導体(アルキレンオキサイド等のエステル
形成可能な誘導体)、更に所望により他の二価のアルコ
ールとを触媒の存在下で適当な反応条件の下に反応(重
合)させることによって合成される。また、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートの重合完結前に、テレフタル
酸またはその誘導体を添加し、共重合としたものでもよ
い。
【0014】上記以外の二塩基酸で、本発明で使用する
ことができるベンゼンジカルボン酸またはその誘導体と
しては、イソフタル酸、フタル酸、およびナトリウムイ
ソフタル酸スルホネート(ナトリウムスルホイソフタル
酸)及びこれらの低級アルキルエステル(無水物、低級
アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)を挙
げることができる。また、上記ベンゼンジカルボン酸以
外の他のジカルボン酸又はその誘導体として、2,7−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその低級アル
キルエステル(無水物、低級アルキルエステル等のエス
テル形成可能な誘導体);シクロプロパンジカルボン
酸、シクロブタンジカルボン酸及びヘキサヒドロテレフ
タル酸などの脂環式ジカルボン酸及びその誘導体(無水
物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導
体);及びアジピン酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸及びダイマー酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステルな
どのエステル形成可能な誘導体)を挙げることができ
る。これらの二塩基酸は、全二塩基酸の10モル%以下
の量で使用することができる。
【0015】本発明で使用することができるエチレング
リコール以外の他の二価のアルコールとしては、プロピ
レングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、p−キシレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールA、p,p’−ジヒドロキシフェニルスル
フォン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、ポリアルキレン(例、エチレン、プロピ
レン)グリコール、及びp−フェニレンビス(ジメチロ
ールシクロヘキサン)などを挙げることができる。これ
らは二価のアルコールの10モル%以下の量で使用して
も良い。
【0016】上記ポリエステルは、例えば安息香酸、ベ
ンゾイル安息香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシ
ポリアルキレングリコールなどの1官能性化合物によっ
て末端の水酸基および/またはカルボキシル基を封鎖し
たものであってもよく、あるいは、例えば極く少量のグ
リセリン、ペンタエリスリトールの如き3官能、4官能
エステル形成化合物で実質的に線状の共重合体が得られ
る範囲内で変性されたものでもよい。
【0017】上記のポリエステルの製造において、エス
テル化反応、エステル交換反応、重縮合にはそれぞれ公
知の触媒を使用することができる。更に公知の熱安定
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑材、紫外線吸収剤、蛍
光増白剤、顔料、染料、遮光剤、フィラー類等を添加し
ても良い。エステル化反応は特に触媒を添加しなくても
進行するが、下記の触媒を用いることにより効率よく反
応を進めることができる。たとえば、エステル交換反応
の触媒としては、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸マ
グネシウム、酢酸カルシウム、酢酸カドミウム、酢酸亜
鉛、酢酸鉛、酸化マグネシウム及び酸化鉛等が一般に使
用される。これらは単独で使用しても混合して使用して
も良い。また、重縮反応触媒には、三酸化アンチモン、
五酸化アンチモン、三弗化アンチモン、硫化アンチモ
ン、アンチモントリブチレート、アンチモンエチレング
リコラート、アンチモン酸カリウム、酢酸アンチモン、
三塩化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、三酸化ゲルマ
ニウム、酢酸マンガン、酢酸亜鉛、酢酸鉛、安息香酸ア
ルカリ金属塩、チタンアルコキシド(例、チタンブトキ
サイド)、及びチタン酸のアルカリ金属塩等が一般に使
用される。これらは単独で使用しても混合して使用して
も良い。
【0018】熱安定剤として、燐酸、亜燐酸もしくはこ
れらのエステル化合物を添加しても良い。例えば、燐酸
トリメチル、燐酸トリエチル、燐酸トリフェニル、亜燐
酸トリフェニル、亜燐酸トリメチル、亜燐酸トリエチ
ル、亜燐酸トリフェニル及び燐酸または亜燐酸のモノあ
るいはジエステル等を挙げることができる。また、酸化
防止剤として、公知のヒンダードフェノール類を添加し
ても良い。例えば、イルガノックス1010、同スミラ
イザーBHT、同スミライザーGA−80等の商品名で
市販されているものを使用することができる。また、こ
れらの一次酸化防止剤に二次酸化防止剤を組み合わせる
ことも可能である。二次酸化防止剤としては、例えばス
ミライザーTPL−R、同スミライザーTPM、同スミ
ライザーTP−D等の商品名で市販されているものを使
用することができる。
【0019】上記のポリエステル(共重合体)は、例え
ば、2,6−ナフタレンジカルボン酸や2,6−ナフタ
レンジカルボン酸ジメチル等のジカルボン酸又はその誘
導体とエチレングリコール等の二価アルコールをエステ
ル交換反応あるいはエステル化反応(エステル反応槽)
させることによりオリゴマーを得、次いで真空下で重縮
合反応(重縮合反応槽)を行って合成することができ
る。即ち、エステル交換反応は、多塩基酸と多価アルコ
ールを、1〜2kg/cm2の加圧下あるいは大気圧下で、1
80〜280℃(好ましくは230〜270℃)で0.
5〜8時間(好ましくは2〜4時間)反応させ、アルコ
ールの留出を終了させることにより行なう。エステル化
反応は、同様に水の流出を終了させることにより行な
う。次いで、槽内の圧力を50〜1mmHgの真空にすると
共に、240〜290℃に昇温し、必要により1mmHg以
下の高真空にして、合計1〜3時間加熱してポリエステ
ルを得る。
【0020】本発明のポリエステルフィルムは、表面の
滑り性付与剤として、不活性微粒子を300ppm以下
(好ましくは5〜100ppm)の量で含むことが好ま
しい。不活性微粒子としては、タルク、シリカ、酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウムなどのポリエステルに不溶
な無機化合物や、架橋されたアクリル樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂等の架橋高分子などの有機化合物を挙げるこ
とができる。これらの中でシリカが好ましく、特に破砕
型シリカが好ましい。不活性微粒子の粒子径分布は、
0.01〜5μmの範囲が好ましく、特に0.01〜3
μmの範囲が好ましい。粒子径が5μmを超える粗大粒
子は、フィルム表面の平滑性を低下させたり、またフィ
ルム形成時にボイドを発生させてヘイズを高くする傾向
にある。また、0.01μm未満の粒子では滑り性向上
の効果がほとんどない。本発明では、特に平均粒径が
0.1〜1μmの範囲の不活性微粒子を5〜100pp
mの範囲で含んでいることが好ましい。
【0021】さらに不活性微粒子(好ましくは破砕型シ
リカ粒子)の1.0μmを超える粒子の面積基準分率が
全粒子の20%以下であることが好ましい。上記面積基
準分率が全粒子の20%以下であるとは、面積基準で表
わした累積分布曲線で1μm篩以上の粒子が20%以下
であることを意味する。平均粒子径が1μm以上の粒子
は、ボイドを発生し易いため、上記のように1μm以上
の粒子の面積基準分率が全粒子の20%以下である不活
性微粒子粒子を使用することが好ましい。また破砕型シ
リカ粒子の細孔容積は、0.1mL/g以下であること
が好ましく、特に0.01〜0.05mL/gの範囲に
あることが好ましい。その比表面積は、10〜30m2
/gの範囲にあることが好ましい。
【0022】破砕型シリカ粒子は、合成シリカの破砕物
でも、天然石英等の天然シリカの粉砕物でも良いが、天
然石英の粉砕物が好ましい。すなわち、天然石英を破
砕、粉砕することにより一般に得られる。さらに、破砕
型シリカ粒子は、天然石英の粉砕物で、角取り処理がな
されていないものが好ましい。角取り処理をすると鋭角
の突起が減少する。上記粉砕された石英を、分級により
上記特定の粒子のものを選別して得る。上記破砕型シリ
カ粒子は、天然石英の中でも高純度石英を原料として得
られたものが好ましい。従って、得られるシリカの二酸
化珪素の純度も高純度のものが好ましく、99.5%
(重量)以上が好ましく、そして特に99.8%(重
量)以上が好ましい。
【0023】本発明では、ポリエステルフィルム中に、
ポリエステル重合工程で、金属化合物とリン化合物とを
反応させ、リン酸金属塩として析出させた粒子(いわゆ
る内部粒子)を含んでいても良い。
【0024】本発明のポリエステルフィルムは、二軸方
向に配向されたポリエステルフィルム(二軸延伸ポリエ
ステルフィルム)であることが好ましい。本発明のポリ
エステルフィルムは、たとえば、次のようにして得るこ
とができる。フィルム形成に使用されるポリエステル材
料は、前述したようにポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート(PEN)及びポリエチレンテレフタレート(PE
T)あるいはエチレン−2,6−ナフタレート/テレフ
タレート共重合体が使用される。PENとPETの併用
が材料の入手し易いことから有利である。
【0025】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、例えば、下記のようにして製造することができる。
図1を参照しながら説明する。本発明の二軸延伸ポリエ
ステルフィルムは、上記ポリエステル(及び好ましくは
上記微粒子)をあらかじめ乾燥させ(一般に80〜18
0℃で、12〜36時間行なわれ、特にポリエステルの
ガラス転移温度以下の場合は減圧雰囲気下での乾燥が好
ましい)、これをホッパー1から押出機2に投入する。
押出機内は、300〜330℃(好ましくは305〜3
25℃)に加熱されており、押出機内でポリエステルは
溶融混合される。この溶融混合は、一般に3分以上(好
ましくは3〜20分)行なわれる。ポリエステルとして
PETとPENの混合物を使用した場合、押出機内(溶
融混練部分)の温度を300〜330℃、滞留時間を5
〜20分(特に5〜7分)にすることが好ましい。ま
た、さらに溶融ポリマーは目開き1〜100μmのフィ
ルターを通過させることが好ましい。溶融ポリエステル
(一般に300〜330℃に加熱されている)は、Tダ
イ3からキャスティングドラム4上に、シート状に溶融
押し出しされ、30〜110℃で冷却固化され、無定型
シートを得る。次いで、遅駆動ロール5と速駆動ロール
7の間の加熱ロール6により、100〜160℃(好ま
しくは100〜140℃)の温度にて縦方向(長尺方
向)に一般に2〜5倍(好ましくは2.5〜4倍)に延
伸され、次いで冷却ロール8で冷却された後、熱風10
を送りながら110〜160℃(好ましくは110〜1
50℃)の温度にて横延伸機9により、横方向(幅方
向)に2〜5倍(好ましくは2.8〜4.5倍)に延伸
した後、165〜290℃(好ましくは220〜270
℃)で熱処理され、冷却塔11で冷却され、二軸延伸ポ
リエステルフィルムを得ることができる。さらに、ポリ
エステルフィルムは巻取機12で巻き取られる。得られ
たフィルムに、上記ポリエステルのガラス転移温度以下
の温度でアニール処理を施してもよい。
【0026】上記フィルムの製造方法(特に、高温下の
溶融混合)により得られる本発明の135型写真フィル
ム用支持体であるポリエステルフィルムは、その繰返し
構造単位が(全繰り返し単位の)60〜85モル%(好
ましくは60〜80モル%)がエチレン−2,6−ナフ
タレート単位で、15〜40モル%がエチレンテレフタ
レート単位から構成され、上記一般式(1)を満足する
特定のポリエステル結合の状態を有し、さらに特定膜厚
を有するもので、これにより適度なカール値と剛性(ス
ティフネス)を得ることができる。すなわち、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート(PEN)は、巻き癖が付
きにくく低いコアセットカール値を示すが、135型写
真フィルム用支持体に好適な膜厚にするとフィルムの剛
性(スティフネス)が大きい(即ちループスティフネス
が大きい)。このため、このようなフィルムを支持体と
して用いた写真フィルムをカメラに装填した場合、カメ
ラへのフィルムの自動ローディングや自動巻き上げの際
にトラブルが発生することが多い。さらにはそのフィル
ムの高い剛性のため、例えば現像時の現像ムラ、あるい
は現像後写真印画紙に画像を形成させる焼き付け工程等
で、スリ傷の発生、搬送時のジャミング等の問題が発生
する場合もある。
【0027】本発明は、膜厚が112〜128μmの範
囲において、上記問題を回避するため、PENフィルム
に柔軟性を付与するため検討を行い、(例えばループス
ティフネス(剛度)が25〜50g、そしてコアセット
カール値が40以下などの特性を付与するため)、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート単位とエチレンテレフ
タレート単位を有し、上記条件を満足させたポリエステ
ルフィルムを用いることにより可能となったものであ
る。そしてこのようなフィルムは、上記フィルムの製造
方法で示した特定の条件(例、乾燥条件、溶融条件、延
伸条件等)で製造することにより得ることができる。
【0028】従って、本発明の135型写真フィルム用
支持体は、ループスティフネスが25〜50gの範囲に
あり、そしてコアセットカール値が40以下にあること
が好ましい。ループスティフネスは、上記のようにフィ
ルムの剛性を示すもので、さらに30〜50gの範囲が
好ましい(測定法は後述する)。またコアセットカール
値は、上記のように巻き癖の付き易さの程度を示すもの
で、さらにANSIカール値で特に5〜40の範囲にあ
ることが好ましい。上記ポリエステルフィルムは、カー
ル特性(巻いた状態で放置後のカールの程度)が大幅に
改善されており、巻癖カールが付きにい。従って現像処
理時のフィルムが折れるようなことも、カメラ内に装填
後フィルム巻取時等にフィルムの穿孔部分から引き裂か
られるようなこともない。
【0029】本発明では、上記二軸延伸フィルムは、二
軸延伸後、乳剤塗布前までに50℃以上ガラス転移温度
以下の範囲の温度で熱処理を行なっても良い。熱処理を
行なうのに要する時間は、0.1〜1500時間が一般
的である。この効果は熱処理温度が高いほど早く進む。
しかし熱処理温度がガラス転移温度を超えるとフィルム
内の分子がむしろ乱雑に動き逆に自由体積が増大し、分
子が流動し易い、即ち巻きぐせの付き易いフィルムとな
る。従ってこの熱処理はガラス転移温度以下で行うこと
が必要である。
【0030】上記ポリエステルフィルムを用いて135
型写真フィルムを作成する場合、ポリエステルフィルム
が疎水性の表面を有するため、支持体上にゼラチンを主
とした保護コロイドからなる写真層(例えば感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層、中間層、フィルター層等)を強固に接
着させる事は非常に困難である。この様な難点を克服す
るために試みられた従来技術としては、(1)薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理をしたのち、直接写真乳剤を塗布する方法、
あるいは接着力を得たのち下塗層を設け、この上に写真
乳剤層を塗布する方法を設ける方法と、(2)これらの
表面処理なしで、下塗層を設けこの上に写真乳剤層を塗
布する方法との二法がある。
【0031】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった支持体表面に多少共、極性基を形成させる
事、表面の架橋密度を増加させることなどによるものと
思われ、その結果として下塗液中に含有される成分の極
性基との親和力が増加すること、ないし接着表面の堅牢
度が増加すること等が考えられる。また、下塗層の構成
としても種々の工夫が行なわれており、第1層として支
持体によく接着する層(以下、下塗第1層と略す)を設
け、その上に第2層として写真層とよく接着する親水性
の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重
層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層
を一層のみ塗布する単層法とがある。
【0032】下塗層の構成としても種々の工夫が行なわ
れており、第1層として支持体によく接着する層(以
下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層として
写真層とよく接着する親水性の樹脂層(以下、下塗第2
層と略す)を塗布する所謂重層法と、疎水性基と親水性
基との両方を含有する樹脂層を一層のみ塗布する単層法
とがある。(2)の下塗法は、重層法における下塗第1
層で、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエ
ン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共
重合体を始めとして、種々のポリマーを使用することが
できる。下塗第2層では主としてゼラチンが使用され
る。
【0033】単層法においては、多くの支持体を膨潤さ
せ、親水性下塗ポリマーと界面混合させることによって
良好な接着性を達成している場合が多い。本発明に使用
する親水性下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマー、セ
ルロースエステル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエ
ステルなどが例示される。水溶性ポリマーとしては、ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸
ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアク
リル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、
セルロースエステルとしてはカルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテック
スポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニ
リデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合
体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体
などである。この中でも最も好ましいのはゼラチンであ
る。
【0034】バック層のバインダーとしては、疎水性ポ
リマーでもよく、下塗層に用いる如き親水性ポリマーで
あってもよい。バック層には、帯電防止剤、易滑剤、マ
ット剤、界面活性剤、染料等を含有することができる。
帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO、TiO
2 、SnO2 、Al2 3 、In2 3 、SiO2 、M
gO、BaO、MoO3 2 5 の中から選ばれた少く
とも1種の結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸
化物の微粒子である。
【0035】次に、135型写真フィルムの写真層(ハ
ロゲン化銀乳剤層)について記載する。ハロゲン化銀乳
剤層としては黒白用カラー用何れでもよい。ここではカ
ラーハロゲン化銀写真感光材料について説明する。本発
明の感光材料は、支持体上に青感色性層、緑感色性層、
赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が設
けられていればよく、ハロゲン化銀乳剤層および非感光
性層の層数および層順に特に制限はない。典型的な例と
しては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感
光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性
層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料で
あり、該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何
れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光
性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性
層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて
上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異な
る感光性層が挟まれたような設置順をも取り得る。上
記、ハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層に
は各層の中間層等の非感光性層を設けてもよい。該中間
層には、カプラー、DIR化合物等が含まれていてもよ
く、通常用いられるように混色防止剤を含んでいてもよ
い。
【0036】ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状
のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結
晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよ
い。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン以下の微
粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。また、アスペクト比が約5以上であるような平板状
粒子も本発明に使用できる。結晶構造は一様なもので
も、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるもので
もよく、層状構造をなしていてもよい。また、エピタキ
シャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合さ
れていてもよく、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハ
ロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また
種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。ハロゲン
化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感
を行ったものを使用する。本発明の効率は、金化合物と
含イオウ化合物で増感した乳剤を使用したときに特に顕
著に認められる。このような工程で使用される添加剤は
リサーチ・ディスクロージャーNo. 17643および
同No. 18716に記載されている。
【0037】写真層には、種々のカラーカプラーを使用
することができ、その具体例は前出のリサーチ・ディス
クロージャー(RD)No. 17643、VII −C〜G
に記載された特許に記載されている。
【0038】本発明の感光材料は乳剤層を有する側の全
親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であり、
かつ、膜膨潤速度T1/2 が30秒以下が好ましい。膜厚
は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜
厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技術分野におい
て公知の手法に従って測定することができる。例えばエ
ー・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフ
ィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Ph
otogr.Sci.Eng.)、19巻、2号、12
4〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を
使用することにより測定でき、T1/2 は発色現像液で3
0℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の
90%を飽和膜厚とし、このT1/2 の膜厚に到達するま
での時間と定義する。
【0039】135型フィルムを装填するためのパトロ
ーネのスプールの直径は、通常10〜14mmで、特に
11〜13mmある。
【0040】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」とは重量部を意味する。
【0041】[合成例1] (ポリエチレン−2,6−ナフタレートの製造)エステ
ル交換反応槽に2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ル100部とエチレングリコール58部、酢酸マンガン
四水和物0.029部および三酸化アンチモン0.02
8部を投入した後、攪拌しながら内容物を200℃まで
加熱した。次いで、反応によって副生するメタノールを
精留塔から除去しつつ系内温度を上昇させて235℃に
した。メタノールの副生が終了したことを確認した後、
反応生成物を重縮合槽に移し、トリメチルリン酸0.0
30部を添加した。内容物を285℃まで加熱しながら
徐々に槽内を減圧にし、最終的に0.3Torrの真空
度まで減圧した。この状態で約2時間重縮合反応を行
い、極限粘度0.60のシリカ粒子含有ポリエチレン−
2,6−ナフタレートを得た。
【0042】[合成例2] (ポリエチレンテレフタレートの製造)合成例1で、
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部の代
わりにテレフタル酸ジメチル80部を用いて以外は、合
成例1と同様にしてシリカ粒子含有ポリエチレンテレフ
タレートを得た。得られたポリエステルの極限粘度は
0.58であった。
【0043】[合成例3] (ポリエチレン2,6−ナフタレート/テレフタレート
(共重合ポリエステル)の製造)合成例1で、2,6−
ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部の代わりに
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル80部および
テレフタル酸ジメチル20部を用いて以外は、合成例1
と同様にしてポリエチレン2,6−ナフタレート/テレ
フタレート(共重合ポリエステル)を得た。得られたポ
リエステルの極限粘度は0.65であった。
【0044】[実施例1]図1を参照しながら説明す
る。合成例1で得られたPENペレットと合成例2で得
られたPETペレットを、エチレン2,6−ナフタレー
ト単位とエチレンテレフタレート単位がそれぞれ76モ
ル%、24モル%となるように混合し、160℃で減圧
下19時間乾燥した。乾燥したペレット混合物を、ホッ
パー1から10μmメッシュのフィルターを備えた押出
機2に投入した。加熱された押出機内でポリエステルを
4分間(滞留時間)溶融混合し、310℃に加熱された
溶融ポリエステルを、Tダイ3から表面温度50℃のキ
ャスティングドラム4上に、シート状に溶融押し出しし
て、無定型シートを得た。次いで、無定型シートを、遅
駆動ロール5と速駆動ロール7の間の加熱ロール6によ
り、110℃の温度にて縦方向(長尺方向)に3.2倍
に延伸し、次いで冷却ロール8で冷却した後、熱風10
を送りながら120℃の温度にて横延伸機9により、横
方向(幅方向)に3.6倍に延伸した後、235℃で2
秒間熱処理し、冷却塔11で冷却して、二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。
【0045】[実施例2〜3]実施例1において、PE
NとPETの混合比、押出温度及び押出機の滞留時間を
表1に示したように変更して行なった以外は、実施例1
と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0046】[実施例4]実施例1において、PENと
PETの混合物の代わりに合成例3で得られた共重合ポ
リエステルを用い、押出温度及び押出機の滞留時間を表
1に示したように変更して行なった以外は、実施例1と
同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0047】[実施例5]実施例3において、PENと
PETの混合物に50ppmの破砕シリカ(平均粒径:
0.5μm)を加えた以外は、実施例1と同様にして二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0048】[比較例1〜3]実施例1において、PE
NとPETの混合比、押出温度及び押出機の滞留時間を
表1に示したように行なった以外は、実施例1と同様に
して二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0049】上記で得られたポリエステルフィルムを下
記の測定法に従って測定し、評価した。 (1)極限粘度 ポリエステルフィルムをフェノールと1,1,2,2−
テトラクロロエタンの混合液(フェノール/テトラクロ
ロエタン=3/2;重量比)に溶解させ、ウベローデ粘
度計を用いて25℃にて測定した。 (2)エステル結合の結合状態の割合 ポリエステルフィルムを、重水素化ヘキサフルオロイソ
プロパノール/重水素化クロロホルム(1/1;容量
比)の混合溶媒に1g/0.8Lの濃度となるように溶
解させ、核磁気共鳴分光スペクトル(300MHz)に
てプロトンの一次元スペクトルを測定した。クロロホル
ムのシグナルを7.26ppmに合わせた時、エチレン
グリコールに帰属するピークは約4.7ppm、4.7
5ppm、4.8ppmに現れる。各ピークは、それぞ
れエチレングリコールのエチレンの末端にテレフタル酸
残基のみを有するもの([TET]と表わす)、末端に
ナフタレン酸残基とテレフタル酸残基を有するもの
([NET]と表わす)及び末端にナフタレン酸残基の
みを有するもの([NEN]と表わす)であり、これら
の各ピークの面積から[NET]の割合(モル比)を算
出した。 (3)コアセットカール値 得られたポリエステルフィルムを、(Tg−5)℃の温
度の雰囲気に24時間放置し、これを35mm×120
mmの帯状に切断し、直径11.5mmの塩化ビニル製
の管に100g重の張力で巻きつけ、80℃の雰囲気に
2時間放置した。さらに室温にて一晩放置した後、管か
らフィルムを取りはずし、35℃の水中に3分間浸漬
し、さらに50℃の恒温槽中に1分間放置した後得られ
たフィルムのカールの直径を測定した。カール値(巻き
癖)は、1/R[m-1](Rはカールの直径)で表示し
た。上記Tgは、ポリエステルのガラス転移温度を意味
する。 (4)剛度(ループスティフネス) 得られたポリエステルフィルムを(Tg−5)℃の温度
の雰囲気に24時間放置し、これを10mm×180m
mの帯状に切断し、フィルム中央付近の長さ100mm
の部分でループを作り、このループを外側から10mm
押し込んだ時にかかる荷重を測定した。この測定は、
「ループスティフネステスター」((株)東洋精機製作
所製)を用いて行なった。上記Tgは、ポリエステルの
ガラス転移温度を意味する。
【0050】上記で得られた結果を表1に示す。
【0051】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── NA 押出 滞留 [NET] 一般式 極限 剛度 カー Tg 量 温度 時間 (1) 粘度 ル値 (モル比) (℃) (分) (モル比) (g) (m-1)(℃) ──────────────────────────────────── 実施例1 0.76 310 4 0.048 -0.559 0.53 46 21 108 実施例2 0.65 310 4 0.120 -0.271 0.55 40 30 100 実施例3 0.76 310 6 0.143 -0.080 0.48 44 17 104 実施例4 0.76 310 4 0.319 0.264 0.62 42 12 102 実施例5 0.76 310 6 0.143 -0.080 0.48 44 17 104 ──────────────────────────────────── 比較例1 0.76 295 4 0.031 -0.749 0.56 54 10 111 比較例2 0.60 295 4 0.053 -0.676 0.57 45 45 97 比較例3 0.76 310 2 0.032 -0.735 0.59 52 9 110 ────────────────────────────────────
【0052】後述の評価(5)〜(7)については、得
られたポリエステルフィルムに下記のように下塗層及び
乳剤層を設けたのち、得られた写真フィルムについて行
なった。得られたポリエステルフィルムに下記の表3に
示すようなTgより5℃低い温度にて24時間熱処理を
施した。その両面にコロナ放電処理、グロー放電処理又
は火炎処理を施し、そして、その片面に、下記の組成よ
り成る第一下塗層及び第二下塗層をこの順で下記のよう
に形成した。次にフィルムの反対側の面に帯電防止層及
び表面層をこの順で下記のように形成した。次いで、第
二下塗層上に感光層(高感度写真乳剤層)を下記のよう
に形成して、写真フィルム(感材)を作製した。
【0053】上記表面処理した支持体に下記の下塗層形
成用布液Aを10ml/m2塗布して6分間乾燥した。 [下塗液] ゼラチン 1.0重量部 サリチル酸 0.3重量部 ホルムアルデヒド 0.05重量部 p-C9H19C6H4O(CH2CH2O)10H 0.1重量部 蒸留水 2.2重量部 メタノール 96.35重量部
【0054】下塗層形成後、上記支持体の下塗層を設け
た側とは反対側の面に下記組成のバック層を塗設した。
3−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アンチモ
ン複合物分散液)の調製:塩化第二スズ水和物230重
量部と三塩化アンチモン23重量部をエタノール300
0重量部に溶解し均一溶液を得た。この溶液に1Nの水
酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になるまで
滴下し、コロイド状酸化第二スズと酸化アンチモンの共
沈澱を得た。得られた共沈澱を50℃に24時間放置
し、赤褐色のコロイド状沈澱を得た。
【0055】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分
離によって水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオ
ンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈澱2
00重量部を水1500重量部に再分散し、600℃に
加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径0.1
μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子粉末を
得た。この微粒子粉末の比抵抗は25Ω・cmであった。
上記微粒子粉末40重量部と水60重量部の混合液をpH
7.0に調製し、撹拌機で粗分散の後、横型サンドミル
(商品名ダイノミル;WILLYA.BACHOFEN
AG社製)で滞留時間が30分になるまで分散して調製
した。
【0056】3−2)バック層の調製:下記処方〔A〕
を乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、115℃
で60秒間乾燥した。この上に更に下記の被覆層用塗布
液(B)を乾燥膜厚が1μmになるように塗布し、11
5℃で3分間乾燥した。 [処方A] 上記導電性微粒子分散液 10重量部 ゼラチン 1重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレンキニルフェニルエーテル 0.01重量部 [被覆層用塗布液(B)] セルローストリアセテート 1重量部 アセトン 70重量部 メタノール 15重量部 ジクロルメチレン 10重量部 p−クロルフェノール 4重量部 シリカ粒子(平均粒径0.2μm) 0.01重量部 ポリシロキサン 0.005重量部 C15H31COOC40H81/C50H101O(CH2CH2O)16H=(8/2 重量比) 0.01重量部 分散物(平均粒径20nm)
【0057】感光層の塗設 上記方法で得た支持体上に下記に示すような組成の各層
を重層塗布し、多層カラー感光材料を作成した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素
【0058】各成分に対応する数字は、g/m2 単位で
表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算
の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層の
ハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0059】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.20
【0060】第2層(中間層) 乳剤G 銀 0.065 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン0.18 ExC−2 0.020 UV−1 0.060 UV−2 0.080 UV−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0061】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−7 0.0050 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0062】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.70 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.025 ExC−7 0.0010 ExC−8 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.010 ゼラチン 0.75
【0063】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.12 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−8 0.025 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0064】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 1.10
【0065】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.35 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0066】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExM−2 0.13 ExM−3 0.030 ExY−1 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0067】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.030 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.44
【0068】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.030 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0069】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.18 ExS−7 8.6×10-4 ExY−1 0.020 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0070】第12層(中感度青感乳剤層) 乳剤D 銀 0.40 ExS−7 7.4×10-4 ExC−7 7.0×10-3 ExY−2 0.050 ExY−3 0.10 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0071】第13層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.86
【0072】第14層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0073】第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0074】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17の化合物及び、鉄塩、鉛塩、金塩、
白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
各層に使用した乳剤の組成を表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】表2において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2−191938号公報の実
施例に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用い
て粒子調製時に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3−237450号公報の実
施例に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシア
ン酸ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増
感が施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
公報の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用してい
る。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3-237450号公報に記載されているような転位線
が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。
【0077】次に、各層に使用した化合物の化学式等を
示す。
【0078】
【化1】
【0079】
【化2】
【0080】
【化3】
【0081】
【化4】
【0082】
【化5】
【0083】
【化6】
【0084】
【化7】
【0085】
【化8】
【0086】
【化9】
【0087】
【化10】
【0088】
【化11】
【0089】
【化12】
【0090】
【化13】
【0091】
【化14】
【0092】
【化15】
【0093】
【化16】
【0094】
【化17】
【0095】
【化18】
【0096】得られた写真フィルム(感材)を、JIS
K K7519-1982 を満足する寸法に切断し、巻き
芯(11.5mm)に巻いて35mmのロールフィルム
を作製し、このフィルムをJIS K K7519-198
2 を満足する寸法を有するパトローネ内に装填した。こ
の写真フィルムが装填されたパトローネを用いて下記の
試験を行なった。
【0097】(5)現像斑 得られらた写真フィルムが装填されたパトローネを用い
て、その装填されている写真フィルムを、自動現像機で
現像処理を行なった。現像処理後に見られる現像ムラに
起因する現像斑の有無を観察した。 AA:現像斑無し BB:現像斑有り (6)カメラに装填後のハンドリング 得られらた写真フィルムが装填されたパトローネをカメ
ラに装填し、自動ローディング及び自動巻き上げを実施
した。これらの作業の際に、ジャミング(詰まり)の発
生の有無を観察した。 AA:ジャミングの発生無し BB:ジャミングの発生有り (7)ピンボケの発生 得られらた写真フィルムが装填されたパトローネをカメ
ラに装填し、実際に撮影を行ない、現像後、ネガフィル
ムを観察してピンボケの有無を調査した。 AA:ピンボケの発生無し BB:ピンボケの発生有り
【0098】上記で得られた結果を表3に示す。
【0099】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── NA [NET] フィルム 現像斑 ハンドリング ピンボケ 熱処理 量 厚さ (ジャミング) ℃/ (モル比) (モル比) (μm) 時間 ──────────────────────────────────── 実施例1 0.76 0.048 120 AA AA AA 103/24 実施例2 0.65 0.120 120 AA AA AA 95/24 実施例3 0.76 0.143 120 AA AA AA 99/24 実施例4 0.76 0.319 120 AA AA AA 97/24 実施例5 0.76 0.143 120 AA AA AA 99/24 ──────────────────────────────────── 比較例1 0.76 0.031 120 AA BB AA 106/24 比較例2 0.60 0.053 120 BB AA AA 92/24 比較例3 0.76 0.032 120 AA BB AA 105/24 ────────────────────────────────────
【0100】上記表1及び表3より明らかなように、本
発明の特定の組成、特定のエステル結合の状態及び膜厚
を有するポリエステルフィルムを支持体として用いた1
35型写真フィルムは、135型パトローネに装填して
135型写真フィルムとして使用した場合、カメラ装填
後のハンドリングにまったく問題が無く、現像後の斑の
発生や写真画像のピンボケの発生も無い。本発明とはポ
リエステルの組成、エステル結合の状態が異なる比較例
1〜3のフィルムを用いた場合は、比較例1及び3のポ
リエステルでは硬過ぎるためカメラ装填後のハンドリン
グに問題があり、フィルムを柔らかくした比較例2のフ
ィルムでは、カール特性が低下しているので、現像斑が
発生する。
【0101】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムを支持体
として用いた135型写真フィルムは、135型パトロ
ーネに装填して135型写真フィルムとして使用した場
合、カメラ装填後のハンドリングにまったく問題が無
く、現像後の斑の発生や写真画像のピンボケの発生も無
い。また、本発明の135型(写真)フィルム用支持体
は、TACフィルムのように溶剤を用いてフィルム成形
を行なわないので、大気汚染、作業環境の汚染を懸念す
ることなく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステルフィルムを製造する製造
装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ホッパー 2 押出機 3 Tダイ 4 キャスティングドラム 5 遅駆動ロール 6 加熱ロール 7 速駆動ロール 8 冷却ロール 9 横延伸機 10 熱風 11 冷却塔 12 巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 C08L 67/02 G03C 1/95 G03C 1/95 3/02 3/02 Z // B29L 7:00 (72)発明者 佐藤 隆則 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 杉原 広子 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60〜85モル%のエチレン−2,6−
    ナフタレート単位および15〜40モル%のエチレンテ
    レフタレート単位からなる繰り返し単位を有するポリエ
    ステルであって、そのエステル結合状態が下記の一般式
    (1): −0.65≦[NDA]+log[NET]≦0.28 ・・・(1) (但し、[NDA]は、ポリエステルを構成する2,6
    −ナフタレート単位数とテレフタレート単位数の合計に
    対する2,6−ナフタレート単位数の割合を表わし、そ
    して[NET]は、ポリエステルを構成するエチレン単
    位の総数に対する、一方の側で2,6−ナフタレート単
    位と結合し、他方の側でテレフタレート単位と結合して
    いるエチレン単位の数の割合を表わす)を満足するポリ
    エステルからなる112〜128μmの範囲の膜厚を有
    するポリエステルフィルムであることを特徴とする13
    5型写真フィルム用支持体。
  2. 【請求項2】 該ポリエステルフィルムが、二軸延伸フ
    ィルムである請求項1に記載の135型写真フィルム用
    支持体。
  3. 【請求項3】 該ポリエステルフィルムが、0.45〜
    0.65の範囲の極限粘度を有する請求項1に記載の1
    35型写真フィルム用支持体。
  4. 【請求項4】 該ポリエステルフィルムが、さらに平均
    粒径が0.1〜1μmの範囲の不活性微粒子を5〜10
    0ppmの範囲で含んでいる請求項1に記載の135型
    写真フィルム用支持体。
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