JP2003041027A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

Info

Publication number
JP2003041027A
JP2003041027A JP2001233336A JP2001233336A JP2003041027A JP 2003041027 A JP2003041027 A JP 2003041027A JP 2001233336 A JP2001233336 A JP 2001233336A JP 2001233336 A JP2001233336 A JP 2001233336A JP 2003041027 A JP2003041027 A JP 2003041027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
particles
biaxially oriented
oriented polyester
polyester film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001233336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4031217B2 (ja
Inventor
Shinji Muro
伸次 室
Ieyasu Kobayashi
家康 小林
Hirobumi Murooka
博文 室岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin DuPont Films Japan Ltd filed Critical Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority to JP2001233336A priority Critical patent/JP4031217B2/ja
Publication of JP2003041027A publication Critical patent/JP2003041027A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4031217B2 publication Critical patent/JP4031217B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻き取り性に優れ、かつ磁気記録媒体とした
ときに、トラックずれが小さく、電磁変換特性、ドロッ
プアウトに優れた磁気記録媒体、特にリニア方式のデジ
タル記録型磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な
二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 フィルム中に含まれる滑剤粒子に起因し
てフィルム表面に形成された、突起の高さが0.2μm
以上で、突起の裾部分の径が10μm以上の粗大突起の
数が100cm2当たり10〜300個であり、フィル
ム表面の中心面平均粗さWRaが4〜12nmであり、
さらにフィルムの長手方向のヤング率が6.5〜12G
Pa、横方向のヤング率が5〜8GPaであることを特
徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向ポリエステ
ルフィルムに関し、更に詳しくは巻取り性に優れ、かつ
磁気記録媒体としたときに、トラックずれが少なく、ド
ロップアウト、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体、特
にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベースフ
ィルムとして有用な二軸配向ポリエステルフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】リニア方式のデジタル信号記録型磁気記
録媒体においては、大容量化のため線記録密度の向上が
図られてきたが、近年、トラック密度のより一層の向上
が進められており、この為、縦、横方向の寸法安定性に
優れトラックずれの少ない、かつまた優れた電磁変換特
性とドロップアウトを奏する平滑な表面を有したベース
フィルムが要望されている。しかし、ベースフィルムの
表面を平坦化すると、滑り性およびエアスクイズ性が不
足し、例えばロール状に巻き上げる場合にシワが入った
り、巻き上げるときの張力、接圧、速度の適正範囲が狭
くなり、巻き上げることが非常に難しくなる。このよう
に、トラックずれをなくし、かつドロップアウト、電磁
変換特性の向上と巻取り性の改良という相反する特性を
両立させることが求められる。巻取り性向上の手段とし
ては、従来から、フィルム内部に不活性粒子を滑剤とし
て含有させる手段が広く知られている。しかし、従来の
方法において、滑剤による表面突起が少なすぎると、巻
取り性が改良されず、一方大きな突起を形成したり、突
起の数を多くし過ぎると、ベース表面が粗くなって磁性
層面も粗くなり、ドロップアウトが悪化したり、電磁変
換特性が悪化するという問題が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、巻取り性に
優れ、かつ磁気記録媒体としたときに、ドロップアウ
ト、電磁変換特性に優れ、さらにはトラックずれの少な
い磁気記録媒体、特にリニア方式のデジタル記録型磁気
記録媒体のベースフィルムとして有用な二軸配向ポリエ
ステルフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、フィル
ム中に含まれる滑剤粒子に起因してフィルム表面に形成
された、突起の高さが0.2μm以上で、突起の裾部分
の径が10μm以上の粗大突起の数が100cm2当た
り10〜300個であり、フィルム表面の中心面平均粗
さWRaが4〜12nmであり、さらにフィルムの長手
方向のヤング率が6.5〜12GPa、横のヤング率が
5〜8GPaであることを特徴とする二軸配向ポリエス
テルフィルムによって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においてフィルムを構成す
るポリエステルはポリエチレン―2,6―ナフタレート
が好ましい。このポリエチレン―2,6―ナフタレート
は、2,6―ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分と
するが、小量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよ
く、またエチレングリコールを主たるグリコール成分と
するが、小量の他のグリコール成分を共重合していても
よいポリマーである。2,6―ナフタレンジカルボン酸
以外のジカルボン酸成分としては、例えば2,7―ナフ
タレンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホン
ジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸、1,3―アダマンタンジカルボ
ン酸などの脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。
またエチレングリコール以外のグリコール成分として
は、例えば1,3―プロパンジオール、1,4―ブタン
ジオール、1,6ーヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、p―
キシリレングリコールなどを挙げることができる。
【0006】前記ポリエステルは、ポリマー中に安定
剤、着色剤等の添加剤を配合したものでもよい。
【0007】前記ポリエステルは、通常、公知の重合
法、例えば溶融重合法によって製造される。この際、触
媒等の添加剤は必要に応じて任意に使用することができ
る。また、ポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェ
ノールを溶媒として用い、25℃で測定した値:dl/
g)は、0.45〜0.90(dl/g)の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0008】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、フィルム中に含まれる滑剤粒子に起因してフィ
ルム表面に形成された、突起の高さが0.2μm以上、
好ましくは0.2〜2.0μmで、突起の裾部分の径が
10μm以上、好ましくは10〜30μmの粗大突起の
数が、フィルム表面100cm2当たり、10個以上3
00個以下、好ましくは10個以上200個以下、更に
好ましくは10個以上150個以下である特性を有す
る。この粗大突起の数は、磁気記録媒体のドロップアウ
トの観点から、できる限り少なくすることが好ましいが
10個より少ないと、フィルムの表面が平坦になり過ぎ
て、磁気記録媒体としたときに走行耐久性が悪化し、好
ましくない。一方、粗大突起の数が300個を超える
と、ドロップアウトが悪化し、好ましくない。
【0009】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、さらに、フィルム表面の中心面平均粗さWRa
が4nm以上12nm以下、好ましくは5nm以上9n
m以下、更に好ましくは6nm以上8nm以下である特
性を有する。このWRaが4nm未満であると、ポリエ
ステルフィルムの表面が極めて平坦になり、フィルム製
造工程でシワが発生するなど巻取り性が不良となり、生
産性が悪化する。一方、このWRaが12nmを超える
と、フィルムの表面が粗くなり、磁気記録媒体としたと
きに出力が低下したり、ノイズが増大するため、好まし
くない。
【0010】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは滑剤粒子を含有するが、該滑剤粒子は平均粒径の
異なる滑剤粒子I、滑剤粒子IIを含む少なくとも2種の
粒子からなることが好ましい。フィルムに含有される滑
剤粒子Iの平均粒径は0.2〜1.0μm、さらには0.
3〜0.8μmであることが好ましく、この含有量は
0.005〜0.3重量%、さらには0.01〜0.2
重量%であることが好ましい。滑剤粒子Iの平均粒径お
よび含有量がそれぞれ上記範囲より小さいと、フイルム
間でのエアスクイズ性が悪化し、巻取り性が悪化するの
で好ましくない。一方、平均粒径および含有量がそれぞ
れ上記範囲より大きいと、粗大突起を形成しやすく、磁
気記録媒体としたときに該粗大突起によるドロップアウ
トが増加し、好ましくない。また、滑剤粒子IIの平均粒
径は0.05〜0.3μm、さらには0.05〜0.2
μmであることが好ましく、この含有量は0.05〜
1.0重量%、さらには0.1〜0.6重量%であるこ
とが好ましい。滑剤粒子IIの平均粒径および含有量がそ
れぞれ上記範囲より小さいと、フィルムの滑り性が悪く
なり、巻取りが困難となるので好ましくない。一方、平
均粒径および含有量がそれぞれ上記範囲より大きいと、
表面が粗くなり、電磁変換特性が悪化するので好ましく
ない。
【0011】前記滑剤粒子Iと滑剤粒子IIとを併用する
場合、滑剤粒子Iと滑剤粒子IIの平均粒径の差は0.2
μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.
3μm以上である。この差が0.2μmより小さいと、
巻取り性と電磁変換特性の両方とも満足するものを得る
のは難しい。
【0012】本発明においては、前記滑剤粒子Iとし
て、その中に含まれる、平均粒径からかけ離れた粗大粒
子の量を少なくしたものを用いるのが、粗大突起による
ドロップアウトを減少するので好ましい。かかる粗大粒
子を少なくした滑剤粒子を調製する手段としては、滑剤
粒子、例えば耐熱性有機高分子からなる微粒子を溶媒
(例えば、水、グリコール等)に分散させたスラリー
を、平均孔径が0.5μmまたはこれより小さいフィル
ターを用いてろ過する方法が好ましく用いられる。ま
た、かかる滑剤粒子として、その製造工程内で粗大粒子
を除く処理をしたものを入手するのが考えられるが、通
常かかる粒子を入手するのは極めて難しい。
【0013】前記滑剤粒子Iとしては耐熱性有機高分子
からなる微粒子が好ましい。この耐熱性有機高分子から
なる微粒子は、窒素ガス雰囲気下での5%加熱減量温度
が310℃以上、さらには330℃以上、特に350℃
以上のものが好ましい。かかる粒子の例としては、架橋
シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリ
スチレン粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン(登録
商標)粒子、ポリイミド粒子等を挙げることができる。
なかでも架橋シリコーン樹脂粒子が好ましい。
【0014】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、さらに、その長手方向(MD)のヤング率が
6.5GPa以上12GPa以下、好ましくは7.0G
Pa以上10GPa以下、更に好ましくは7.5GPa
以上9.2GPa以下である特性を有する。このMDの
ヤング率が12GPaを超えると、フィルム製造工程で
破れやすくなり、生産性が悪化する。一方、このMDの
ヤング率が6.5GPa未満だと、磁気記録媒体とした
ときに耐久性が不足し、好ましくない。また、幅方向
(TD)のヤング率が5GPa以上8.0GPa以下、
好ましくは5.5GPa以上7.5GPa以下、更に好
ましくは6.0GPa以上7.3GPa以下である特性
を有する。このTDのヤング率が8GPaを超えると、
フィルム製造工程で破れやすくなり、生産性が悪化す
る。一方、このTDのヤング率が5GPa未満だと、磁
気記録媒体としたときに寸法安定性が悪くなり、トラッ
クずれとなって、好ましくない。
【0015】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積
されている方法に準じて製造することができる。例え
ば、先ず未延伸フィルムを製造し、次いで該フィルムを
二軸延伸させることで製造することができる。この未延
伸フィルムは、従来から蓄積されたフィルムの製造法で
製造することができる。例えば、溶融したポリエステル
を融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でダ
イから押し出し、急冷固化して未延伸フィルムを得、続
いて該未延伸フィルムを一軸方向(縦方向または横方
向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但
し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で4.5〜
6倍、好ましくは5〜5.5倍の倍率で延伸し、次いで
上記延伸方向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温
度で4〜5.5倍、好ましくは4.5〜5.5倍の倍率
で延伸するのが好ましい。このようにして、全延伸倍率
は、面積延伸倍率として18〜33倍が好ましく、22
〜31倍がさらに好ましい。さらに、二軸延伸フィルム
は(Tg+70)℃〜(Tm−10)℃の温度で熱固定
することが好ましく、例えば180〜250℃で熱固定
するのが好ましい。熱固定時間は1〜60秒が好まし
い。
【0016】このようにして得られる二軸配向ポリエス
テルフィルムは、その厚さに特に制限はないが、厚みが
2〜10μm、好ましくは3〜8μmであることが望ま
れる。この厚みが2μm未満だと、フィルムが伸びて好
ましくない。一方、10μmより厚いと、高容量化が難
しくなる。
【0017】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、上記した特性を有することから、磁気記録媒
体、特にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体の支
持体として有用である。
【0018】本発明において、前記磁気記録媒体として
は、以下のものが例示される。二軸配向ポリエステルフ
ィルムの上に、鉄または鉄を主成分とする針状微細磁性
粉を塩化ビニール、塩化ビニール−酢酸ビニール共重合
体等のバインダーに均一分散した磁性塗料を、乾燥膜厚
みが0.2〜2.0μm、好ましくは0.2〜1.0μ
m、更に好ましくは0.2〜0.5μmとなるように塗
布し、さらに上記磁性層塗布面の反対側表面に公知の方
法でバックコート層を設けることにより、特にドロップ
アウトの少ない、短波長領域での電磁変換特性に優れ
た、塗布型磁気記録媒体とすることができる。また、必
要に応じて、磁性層を塗布する側のポリエステルフィル
ムの上に、該磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒
子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダ
ー中に分散、塗設することもできる。この塗布型磁気記
録媒体は、データストリーマー用DLT、LTO等のリ
ニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体として有用であ
る。
【0019】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、本発明における種々の物性値及び特性は以下
の如く測定したものであり、かつ定義される。 (1)粗大突起の個数 微分干渉装置を装備した光学顕微鏡(例えばNikon
製オプチフォト)を用いて、観察倍率800倍、測定面
積40mm×20mm(800mm2)の条件にて、突
起の裾部分の径が10μm以上の突起を抽出し、その突
起についてレーザー顕微鏡(例えばキーエンス製VK−
8500)を用いて、観察倍率600倍にてプロファイ
ルを測定し、突起高さ0.2μm以上の突起を再度抽出
し、粗大突起として個数を読み取り、単位面積(100
cm2)あたりの粗大突起数に換算する。
【0020】(2)表面粗さ(WRa) 非接触式三次元表面粗さ計(WYKO製:NT−200
0)を用いて測定倍率25倍、測定面積246.6μm
×187.5μm(0.0462mm2)の条件にて、
測定数(n)10以上でフィルム表面の粗さ測定を行な
い、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトにより、次式
で示す計算処理をして、中心面平均粗さWRaを求め
る。なお、次式でZjkは、測定方向(246.6μm)
とそれに直行する方向(187.5μm)を、それぞれ
m分割とn分割したときの各方向のj番目とk番目の位
置における2次元粗さ上の高さである。
【0021】
【数1】
【0022】(3)粒子の平均粒径 島津製作所製CP−50型セントリフュグル パーティ
クル サイズ アナライザー(Centrifugal
Particle Size Analyzer)を用い
て測定する。得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒
径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパー
セントに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒
径とする(「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、19
75年、頁242〜247参照)。
【0023】(4)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し、粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0024】(5)ヤング率 フィルムを試料幅10mm、長さ150mmに切り、チャッ
ク間100mmにして引張速度10mm/分、チャート速度
500mm/分にインストロンタイプの万能引張試験装置
にて引張る。得られる荷重―伸び曲線の立上り部の接線
よりヤング率を計算する。
【0025】(6)ドロップアウト 脱着式メディア評価装置(メディアスコープ社製:MS
4500)を使用して磁気テープのドロップアウトを測
定する。計測は全長を4トラック行い、再生信号の減衰
が50%以上、長さが4ビット以上のドロップアウトの
個数を求め、1トラックあたりの個数に換算して、下記
判定等級で表した。使用するドライブはDLTタイプの
ものである。 [判定等級] ◎:0〜10個/トラック ○:11〜100個/トラック ×:101個/トラック以上
【0026】(7)電磁変換特性 脱着式メディア評価装置(メディアスコープ社製:MS
4500)を使用して磁気テープのS/Nを測定し、表
1に示す実施例1の値を基準とした相対値を求め、下記
判定等級で表す。使用するドライブはDLTタイプのも
のである。 [判定等級] ◎:+3dB以上 ○:−3dB以上〜+3dB未満 ×:−3dB未満
【0027】(8)トラックずれ 磁気テープをあらかじめ常温常湿(20℃×60%R
H)下で正確な幅を測定し、次に同環境下で磁気テープ
長手方向に3オンス(85グラム)の荷重をかけて、こ
のときの幅寸法を読み取る。無荷重下の長さ(L0)
と、荷重下の長さ(Lw)から、次式でトラックずれ量
を求め、下記判定基準で判定する。
【0028】
【数2】 [判定等級] ◎:0.08%未満 ○:0.08%以上〜0.12%未満 ×:0.12%以上
【0029】(9) 巻き取り性 速度200m/分でフィルムを巻き、巻き上がったフィ
ルムロールを見て、巻き取り性を評価する。 [判定等級] ◎:シワ等が全然ない ○:シワ等が少し見られるが、実用的には問題のないレ
ベル ×:シワ等が多数発生
【0030】[実施例1]スラリーろ過(ろ材の平均孔
径:0.5μm)で粗大粒子を少なくした平均粒径0.
5μmの架橋シリコーン粒子を0.02重量%、平均粒
径0.1μmの球状シリカ粒子を0.3重量%添加・含
有させた固有粘度0.62dl/g(オルソクロロフェノ
ールを溶媒として用い、25℃で測定した値)のポリエ
チレン―2,6―ナフタレートを170℃で6時間乾燥
した後300℃で溶融押出し、60℃に保持したキャス
ティングドラム上で急冷固化せしめて未延伸フィルムを
得た。なお、溶融押出しする前に、溶融したポリマーを
目開き10のフィルターでろ過した。
【0031】この未延伸フィルムを速度差をもった2つ
のロール間で125℃の温度で縦方向に5.1倍延伸
し、さらにテンターによって横方向に4.8倍延伸し、
その後215℃で10秒間熱処理をした。さらに110
℃に加熱されたオーブンにより浮遊熱処理を実施し、こ
れにより0.3%弛緩処理した。このようにして厚み6
μmの二軸配向ポリエステルフィルムを巻取った。
【0032】一方、下記に示す組成物をボールミルに入
れ、16時間混練、分散した後、イソシアネート化合物
(バイエル社製のデスモジュールL)5重量部を加え、
さらに1時間高速剪断分散して磁性塗料を調製した。
【0033】 磁性塗料の組成 針状Fe粒子(Fe:Co:Y:AI=100:10:3:11) 100重量部 塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体(エスレック7A:積水化学製)15重量部 熱可塑性ポリウレタン樹脂(N2305:日本ポリウレタン工業製)5重量部 カーボンブラック(#50:旭カーボン製) 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部 この磁性塗料を上述の二軸配向ポリエチレン―2,6―
ナフタレートフィルムの片面に、塗布厚1.8μmとな
るように塗布し、ついで2500ガウスの直流磁場中で
配向処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、スーパーカ
レンダー処理(線圧200kg/cm、温度80度)を行な
い、巻き取った。さらに下記組成のバックコート層塗料
を厚さ0.7μmに塗布し、乾燥させ、さらに1/2イ
ンチ幅に裁断し、磁気テープを得た。
【0034】 バックコート層塗料の組成 カーボンブラック(キャボット社製のBP−800) 100重量部 熱可塑性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業製のN2305) 60重量部 イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)18重量部 シリコーンオイル 0.5重量部 メチルエチルケトン 250重量部 トルエン 50重量部 得られたフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
【0035】この表から明らかなように、優れたドロッ
プアウト、トラックずれ特性、電磁変換特性、および巻
き取り性を示している。
【0036】[実施例2]スラリーろ過で粗大粒子を少
なくした平均粒径0.6μmの架橋シリコーン粒子を
0.01重量%、平均粒径0.1μmの球状シリカ粒子
を0.3重量%使用した以外は、実施例1と同様にして
未延伸フィルムを得、該未延伸フィルムを速度差をもっ
た2つのロール間で125℃の温度で縦方向に5.1倍
延伸し、さらにテンターによって横方向に4.4倍延伸
し、その後215℃で10秒間熱処理をした。さらに、
110℃に加熱されたオーブンにより浮遊熱処理を実施
し、これにより0.3%弛緩処理した。
【0037】このようにして厚み6μmの二軸配向ポリ
エチレン―2,6―ナフタレートフィルムを得た。
【0038】以下、実施例1と同様にして磁気テープを
得た。この結果を表1に示す。実施例1と同様に良好な
結果が得られた。
【0039】[実施例3]実施例1における球状シリカ
粒子の代わりに、平均粒径0.1μmのθ型結晶のアル
ミナ粒子を0.4重量%添加した以外は実施例1と同様
にしてフィルムおよび磁気テープを得た。この結果を表
1に示す。実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0040】[比較例1]実施例1における架橋シリコ
ーン粒子を使用しない以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムおよび磁気テープを得た。このフィルムの中心面平
均粗さWRaは3nmであった。
【0041】このフィルムの結果を表1に示す。ベース
フィルムの表面が平坦すぎるため、巻き取り性が悪かっ
た。
【0042】[比較例2]実施例1における架橋シリコ
ーン粒子の代わりに、平均粒径0.6μmの炭酸カルシ
ウム粒子を0.02重量%添加した以外は実施例1と同
様にしてフィルム及び磁気テープを得た。このフィルム
表面に形成された突起の高さが0.2μm〜2.0μm
でかつ突起の裾部分の径が10μm〜30μmの粗大突
起は、100cm2あたり360個であった。
【0043】このフィルムの結果を表1に示す。ベース
フィルム表面の粗大突起が多く、実施例1に比べドロッ
プアウトが悪かった。
【0044】[比較例3]2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルの代わりにジメチルテレフタレートを同モ
ル量使用した以外は実施例3と同様の方法でポリエチレ
ンテレフタレートを得た。
【0045】このようにして得られたポリエチレンテレ
フタレートを170℃で3時間乾燥した後300℃で溶
融押出し、20℃に保持したキャスティングドラム上で
急冷固化せしめて未延伸フィルムを得た。
【0046】この未延伸フィルムを速度差をもった2つ
のロール間で100℃の温度で縦方向に3.6倍延伸
し、さらにテンターによって横方向に3.9倍延伸し、
その後205℃で5秒間熱処理をし、厚み6μmの二軸
配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻取った。
以下、実施例3と同様にして磁気テープを得た。このフ
ィルムの長手方向のヤング率は5.2GPa、横方向の
ヤング率は5.5GPaであった。
【0047】このフィルムの結果を表1に示す。該磁気
テープの縦方向のヤング率が低いため、寸法安定性が悪
く、トラックずれが大きかった。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、巻き取り性に優れ、か
つ磁気記録媒体としたときに、トラックずれが小さく、
電磁変換特性、ドロップアウトに優れた磁気記録媒体、
特にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベース
フィルムとして有用な二軸配向ポリエステルフィルムを
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00) B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 小林 家康 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 (72)発明者 室岡 博文 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 4F071 AA01 AA43 AA45 AA67 AB26 AE11 AH14 BB06 BB08 BC01 BC02 BC08 BC14 BC16 4F210 AA24 AB07 AF16 AG01 AH38 QC05 QC06 4J002 CF001 CF081 CP032 DJ016 FD176 GS01 5D006 CB01 CB05 CB07 FA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム中に含まれる滑剤粒子に起因し
    てフィルム表面に形成された、突起の高さが0.2μm
    以上で、突起の裾部分の径が10μm以上の粗大突起の
    数が100cm2当たり10〜300個であり、フィル
    ム表面の中心面平均粗さWRaが4〜12nmであり、
    さらにフィルムの長手方向のヤング率が6.5〜12G
    Pa、横方向のヤング率が5〜8GPaであることを特
    徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 滑剤粒子が平均粒径の異なる滑剤粒子
    I、滑剤粒子IIを含む微粒子からなり、該滑剤粒子Iの平
    均粒径が0.2〜1.0μmで、含有量が0.005〜
    0.3重量%であり、かつ該滑剤粒子IIの平均粒径が
    0.05〜0.3μmで、含有量が0.05〜1.0重
    量%である、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 滑剤粒子Iが耐熱性有機高分子からなる
    微粒子である、請求項2に記載の二軸配向ポリエステル
    フィルム。
  4. 【請求項4】 塗布型磁気記録媒体用である、請求項1
    に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 リニア記録方式のデジタル記録型磁気記
    録媒体用である請求項1または4に記載の二軸配向ポリ
    エステルフィルム。
JP2001233336A 2001-08-01 2001-08-01 二軸配向ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP4031217B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001233336A JP4031217B2 (ja) 2001-08-01 2001-08-01 二軸配向ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001233336A JP4031217B2 (ja) 2001-08-01 2001-08-01 二軸配向ポリエステルフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003041027A true JP2003041027A (ja) 2003-02-13
JP4031217B2 JP4031217B2 (ja) 2008-01-09

Family

ID=19065119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001233336A Expired - Fee Related JP4031217B2 (ja) 2001-08-01 2001-08-01 二軸配向ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4031217B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005071576A (ja) * 2003-08-06 2005-03-17 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2009272039A (ja) * 2003-08-06 2009-11-19 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11813671B2 (en) * 2020-01-27 2023-11-14 Rolls-Royce Corporation Microtextured nozzle for directed energy deposition with greater than 100 features per square millimeter

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005071576A (ja) * 2003-08-06 2005-03-17 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2009272039A (ja) * 2003-08-06 2009-11-19 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4031217B2 (ja) 2008-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6485810B1 (en) Biaxially oriented polyester film and flexible disk
JP6701666B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JPH1134262A (ja) 積層二軸配向ポリエステルフィルム
US20050147795A1 (en) Biaxially oriented polyster film and flexible disk
US5362571A (en) Magnetic tape for use in cassette for digital audio tape recorder and biaxially oriented polyester base film therefor
JP4031217B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP6049337B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP6087529B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ
JP3215304B2 (ja) 積層フイルム
JP2971294B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP3215299B2 (ja) 積層フイルム
JP2018150463A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP3945839B2 (ja) 積層二軸配向ポリエステルフイルム
JPH06262678A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2001162750A (ja) 易接着性二軸配向ポリエステルフィルム
JP2001253958A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2006305870A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2005330310A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP3027267B2 (ja) 磁気記録媒体用二軸配向積層ポリエステルフイルム
JP3440182B2 (ja) 積層フイルム
JP2738636B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2728589B2 (ja) ポリエステルフイルム
JP2738637B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JPH07157639A (ja) ポリエステルフィルム
JPH07166034A (ja) ポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070416

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070712

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071018

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees