JP2005330310A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 巻き取り性に優れ、かつ磁気記録媒体としたときに、トラックずれが小さく、電磁変換特性、ドロップアウトに優れた磁気記録媒体、特にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な二軸配向ポリエステルフィルムの提供。
【解決手段】 表面の中心面平均粗さWRaが4〜12nm、長手方向および幅方向のヤング率がそれぞれ6.5〜12GPaおよび5〜8GPa、ならびに粒径分布の相対標準偏差が0.2以下である、平均粒径が0.45〜0.65μmの不活性粒子を0.005〜0.05重量%、平均粒径が0.20〜0.40μmの不活性粒子を0.005〜0.05重量%および平均粒径が0.02〜0.15μmの不活性粒子を0.03〜0.29重量%含有する二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は二軸配向ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは巻取り性に優れ、かつ磁気記録媒体としたときに、トラックずれが少なく、ドロップアウト、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体、特にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
リニア方式のデジタル信号記録型磁気記録媒体においては、大容量化のため線記録密度の向上が図られてきたが、近年、トラック密度のより一層の向上が進められており、この為、縦、横方向の寸法安定性に優れトラックずれの少ない、かつまたドロップアウトの少ない優れた電磁変換特性を奏する平滑な表面を有したベースフィルムが要望されている。しかし、ベースフィルムの表面を平坦化すると、滑り性およびエアスクイズ性が不足し、例えばロール状に巻き上げる場合にシワが入ったり、巻き上げるときの張力、接圧、速度の適正範囲が狭くなり、巻き上げることが非常に難しくなる。このように、トラックずれをなくし、かつドロップアウト、電磁変換特性の向上と巻取り性の改良という相反する特性を両立させることが求められる。巻取り性向上の手段としては、従来から、フィルム内部に不活性粒子を滑剤として含有させる手段が広く知られている。しかし、従来の方法において、滑剤による表面突起が少なすぎると、巻取り性が改良されず、一方大きな突起を形成したり、突起の数を多くし過ぎると、ベース表面が粗くなって磁性層面も粗くなり、ドロップアウトが悪化したり、電磁変換特性が悪化するという問題が発生する。
このような問題を解決する手段として、特開平2−214734号公報(特許文献1)では、粒径の異なる2種類の不活性粒子を用いた二軸配向ポリエステルフィルムが提案され、特開2001−233336号公報(特許文献2)では、粗大粒子を取り除いた粒径をことにする2種類の不活性粒子を用いた二軸配向ポリエステルフィルムが提案されている。しかしながら、近年、要求はますます厳しくなってきており、本公報で提案されたような二軸配向ポリエステルフィルムでも対応が厳しくなってきている。
特開平2−214734号公報 特開2001−233336号公報
本発明は、巻取り性に優れ、かつ磁気記録媒体としたときに、ドロップアウト、電磁変換特性に優れ、さらにはトラックずれの少ない磁気記録媒体、特にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
本発明の目的は、フィルム表面の中心面平均粗さWRaが4〜10nm、フィルムの長手方向のヤング率が6.5〜12GPa、フィルムの幅方向のヤング率が5〜8GPaおよび平均粒径の異なる第1不活性粒子、第2不活性粒子および第3不活性粒子を含有する二軸配向ポリエステルフィルムであって、
該第1不活性粒子は、平均粒径が0.45〜0.65μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.005〜0.05重量%であり、
該第2不活性粒子は、平均粒径が0.20〜0.40μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.005〜0.05重量%であり、そして
該第3不活性粒子は、平均粒径が0.02〜0.15μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.03〜0.29重量%である二軸配向ポリエステルフィルムによって達成される。
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和が0.06〜0.30重量%の範囲にあること、第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和に対して、第2および第3不活性粒子の含有量の和が、75〜95重量%の範囲にあること、第1不活性粒子が耐熱性有機高分子粒子であること、第2不活性粒子が耐熱性有機高分子であること、第3不活性粒子がシリカ粒子であること、塗布型磁気記録媒体のベースフィルムに用いられること、特にリニア記録方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベースフィルムに用いられることの少なくともいずれかを具備する二軸配向ポリエステルフィルムも提供される。
本発明によれば、巻き取り性に優れ、かつ磁気記録媒体としたときに、トラックずれが小さく、電磁変換特性、ドロップアウトに優れた磁気記録媒体、特にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベースフィルムとして有用な二軸配向ポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明においてフィルムを構成するポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン―2,6―ナフタレートが好ましく例示でき、特にポリエチレン―2,6―ナフタレートが好ましい。また、ポリイミドなどを添加して力学的特性を向上させたポリエチレンテレフタレートも好ましい。
本発明におけるポリエチレン―2,6―ナフタレートについて、さらに詳述する。本発明におけるポリエチレン―2,6―ナフタレートは、2,6―ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とするが、小量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またエチレングリコールを主たるグリコール成分とするが、小量の他のグリコール成分を共重合していてもよいポリマーである。2,6―ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば2,7―ナフタレンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,3―アダマンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。またエチレングリコール以外のグリコール成分としては、例えば1,3―プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,6ーヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、p―キシリレングリコールなどを挙げることができる。
前記ポリエステルは、ポリマー中に安定剤、着色剤等の添加剤を配合したものでもよい。
前記ポリエステルは、通常、公知の重合法、例えば溶融重合法によって製造される。この際、触媒等の添加剤は必要に応じて任意に使用することができる。また、ポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定した値:dl/g)は、0.45〜0.90(dl/g)の範囲にあることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム表面の中心面平均粗さWRaが4nm以上10nm以下、好ましくは5nm以上9nm以下、更に好ましくは6nm以上8nm以下である。該WRaが下限未満であると、ポリエステルフィルムの表面が極めて平坦になり、フィルム製造工程でシワが発生するなど巻取り性が不良となり、生産性が悪化する。一方、該WRaが上限を超えると、フィルムの表面が粗くなり、磁気記録媒体としたときに出力が低下したり、ノイズが増大する。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは粒径を異にする第1、第2および第3不活性粒子を含有する。ここでいう粒径を異にするとは、フィルム中に含有される不活性粒子の粒径分布を見たとき、異なる3つのピークが表れることを意味する。
まず、第1不活性粒子は、平均粒径が0.45〜0.65μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.005〜0.05重量%である。不活性粒子Iの平均粒径および含有量がそれぞれ上記範囲より小さいと、フィルム間でのエアスクイズ性が悪化し、巻取り性が悪化する。一方、平均粒径、粒径分布の相対標準偏差および含有量がそれぞれ上記範囲より大きいと、粗大突起を形成しやすく、磁気記録媒体としたときに該粗大突起によるドロップアウトが増加する。好ましい第1不活性粒子の平均粒径は、0.47〜0.62μm、粒さらに、0.48〜0.58μmである。また、好ましい第1不活性粒子の粒径分布の相対標準偏差は、0.18以下、さらに0.15以下である。さらにまた、好ましい第1不活性粒子の含有量は、0.010〜0.04重量%、さらに0.015〜0.025重量%である。該第1不活性粒子としては、耐熱性有機高分子からなる微粒子が好ましい。この耐熱性有機高分子からなる微粒子は、窒素ガス雰囲気下での5%加熱減量温度が310℃以上、さらには330℃以上、特に350℃以上のものが好ましい。かかる粒子の例としては、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン(登録商標)粒子、ポリイミド粒子等を挙げることができる。なかでも架橋シリコーン樹脂粒子が好ましい。
つぎに、第2不活性粒子は、平均粒径が0.20〜0.40μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.005〜0.05重量%である。第2不活性粒子の平均粒径および含有量がそれぞれ上記範囲より小さいと、フィルムの滑り性が悪くなったり、フイルム間でのエアスクイズ性が悪化したりして、巻取りが困難となる。一方、第2不活性粒子の平均粒径、粒径分布の相対標準偏差および含有量がそれぞれ上記範囲より大きいと、表面が粗くなり、電磁変換特性が悪化する。好ましい第2不活性粒子の平均粒径は、0.22〜0.38μm、さらに、0.25〜0.35μmである。また、好ましい第2不活性粒子の粒径分布の相対標準偏差は、0.18以下、さらに0.15以下である。さらにまた、好ましい第2不活性粒子の含有量は、0.007〜0.04重量%、さらに0.009〜0.035重量%である。該第2不活性粒子としては、耐熱性有機高分子からなる微粒子が好ましい。この耐熱性有機高分子からなる微粒子は、窒素ガス雰囲気下での5%加熱減量温度が310℃以上、さらには330℃以上、特に350℃以上のものが好ましい。かかる粒子の例としては、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン(登録商標)粒子、ポリイミド粒子等を挙げることができる。なかでも架橋シリコーン樹脂粒子が好ましい。
最後に、第3不活性粒子は、平均粒径が0.02〜0.15μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.03〜0.29重量%である。第3不活性粒子の平均粒径および含有量がそれぞれ上記範囲より小さいと、フィルムの滑り性が悪くなり、巻取りが困難となる。一方、平均粒径、相対標準偏差および含有量がそれぞれ上記範囲より大きいと、表面が粗くなり、電磁変換特性が悪化するので好ましくない。好ましい第3不活性粒子の平均粒径は、0.04〜0.14μm、さらに、0.06〜0.13μmである。また、好ましい第1不活性粒子の粒径分布の相対標準偏差は、0.18以下、さらに0.15以下である。さらにまた、好ましい第1不活性粒子の含有量は、0.04〜0.27重量%、さらに0.005〜0.025重量%である。該第3不活性粒子としては、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下のものであれば特に制限はされないが、耐熱性有機高分子からなる微粒子およびシリカ粒子が好ましく、アルミナなどの凝集粒子は、通常粒径分布の相対標準偏差が0.2を超えることから該当しない。この耐熱性有機高分子からなる微粒子は、窒素ガス雰囲気下での5%加熱減量温度が310℃以上、さらには330℃以上、特に350℃以上のものが好ましい。かかる粒子の例としては、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン(登録商標)粒子、ポリイミド粒子等を挙げることができる。なかでも架橋シリコーン樹脂粒子が好ましい。また、シリカ粒子としては、粒径分布の相対標準偏差を0.2以下にしやすい、球状シリカ粒子が好ましい。
上記第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和は、0.06〜0.30重量%の範囲、さらに、0.08〜0.27重量%の範囲、特に0.10〜0.25重量%の範囲にあることが好ましい。第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和が下限より小さいと、フィルムの滑り性が悪くなり、巻取りが困難となりやすい。一方、第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和が上限より大きいと、表面が粗くなり、電磁変換特性が悪化することがある。
また、第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和に対して、第2および第3不活性粒子の含有量の和は、75〜95重量%の範囲、さらに78〜94重量%、特に80〜92重量%の範囲にあることが好ましい。第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和に対して、第2および第3不活性粒子の含有量の和が、上限を超えると、フイルム間でのエアスクイズ性が悪化したりして、巻取りが困難となることがあり、一方、下限よりも少ないと、表面に存在する大きな突起の割合が増え、電磁変換特性が悪化したり、走行中に脱落したりすることがある。
第1不活性粒子と第2不活性粒子の平均粒径の差は0.1μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.15μm以上である。この差が下限より小さいと、巻取り性と電磁変換特性の両方とも満足するものを得るのが難しくなる。また、第2不活性粒子と第3不活性粒子の平均粒径の差は、0.1μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.15μm以上である。この差が下限より小さいと、やはり巻取り性と電磁変換特性の両方とも満足するものを得るのが難しくなる。
本発明においては、前記第1、第2および第3不活性粒子は、それぞれ平均粒径からかけ離れた粗大粒子の量を少なくしたものを用いるのが、粗大突起によるドロップアウトを減少するので好ましい。かかる粗大粒子を少なくした滑剤粒子を調製する手段としては、滑剤粒子、例えば耐熱性有機高分子からなる微粒子または球状シリカ粒子を溶媒(例えば、水、グリコール等)に分散させたスラリーを、平均孔径が0.5μmまたはこれより小さいフィルターを用いてろ過する方法が好ましく用いられる。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは、さらに、その長手方向(以下、“MD”、縦方向または“製膜方向”と称することがある。)のヤング率が6.5GPa以上12GPa以下、好ましくは7.0GPa以上10GPa以下、更に好ましくは7.5GPa以上9.2GPa以下である特性を有する。このMDのヤング率が12GPaを超えると、フィルム製造工程で破れやすくなり、生産性が悪化する。一方、このMDのヤング率が6.5GPa未満だと、磁気記録媒体としたときに耐久性が不足する。また、幅方向(以下、“TD”または“横方向”と称することがある。)のヤング率が5GPa以上8.0GPa以下、好ましくは5.5GPa以上7.5GPa以下、更に好ましくは6.0GPa以上7.3GPa以下である特性を有する。このTDのヤング率が8GPaを超えると、フィルム製造工程で破れやすくなり、生産性が悪化する。一方、このTDのヤング率が5GPa未満だと、磁気記録媒体としたときに寸法安定性が悪くなり、トラックずれとなって、好ましくない。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム中に含まれる滑剤粒子に起因してフィルム表面に形成された、突起の高さが0.2μm以上、好ましくは0.2〜2.0μmで、突起の裾部分の径が10μm以上、好ましくは10〜30μmの粗大突起の数が、フィルム表面100cm当たり、10個以上300個以下であることが好ましく、さらに10個以上200個以下、特に10個以上150個以下であることが好ましい。この粗大突起の数は、磁気記録媒体のドロップアウトの観点から、できる限り少なくすることが好ましいが下限より少ないと、フィルムの表面が平坦になり過ぎて、磁気記録媒体としたときに走行耐久性が悪化し、好ましくない。一方、粗大突起の数が上限を超えると、ドロップアウトが悪化し、好ましくない。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積されている方法に準じて製造することができる。例えば、先ず未延伸フィルムを製造し、次いで該フィルムを二軸延伸させることで製造することができる。この未延伸フィルムは、従来から蓄積されたフィルムの製造法で製造することができる。例えば、溶融したポリエステルを融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でダイから押し出し、急冷固化して未延伸フィルムを得、続いて該未延伸フィルムを一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で4.5〜6倍、好ましくは5〜5.5倍の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で4〜5.5倍、好ましくは4.5〜5.5倍の倍率で延伸するのが好ましい。このようにして、全延伸倍率は、面積延伸倍率として18〜33倍が好ましく、22〜31倍がさらに好ましい。さらに、二軸延伸フィルムは(Tg+70)℃〜(Tm−10)℃の温度で熱固定することが好ましく、例えば180〜250℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間は1〜60秒が好ましい。
このようにして得られる二軸配向ポリエステルフィルムは、その厚さに特に制限はないが、厚みが2〜10μm、好ましくは3〜8μmであることが望まれる。この厚みが2μm未満だと、フィルムが伸びて好ましくない。一方、10μmより厚いと、高容量化が難しくなる。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは、上記した特性を有することから、磁気記録媒体、特にリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体の支持体として有用である。
本発明において、前記磁気記録媒体としては、以下のものが例示される。
二軸配向ポリエステルフィルムの上に、鉄または鉄を主成分とする針状微細磁性粉を塩化ビニール、塩化ビニール−酢酸ビニール共重合体等のバインダーに均一分散した磁性塗料を、乾燥膜厚みが0.2〜2.0μm、好ましくは0.2〜1.0μm、更に好ましくは0.2〜0.5μmとなるように塗布し、さらに上記磁性層塗布面の反対側表面に公知の方法でバックコート層を設けることにより、特にドロップアウトの少ない、短波長領域での電磁変換特性に優れた、塗布型磁気記録媒体とすることができる。また、必要に応じて、磁性層を塗布する側のポリエステルフィルムの上に、該磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散、塗設することもできる。この塗布型磁気記録媒体は、データストリーマー用DLT、LTO等のリニア方式のデジタル記録型磁気記録媒体として有用である。
次に、実施例をあげて本発明を更に説明する。なお、本発明における種々の物性値及び特性は以下の如く測定したものであり、かつ定義される。
(1)表面粗さ(WRa)
非接触式三次元表面粗さ計(WYKO製:NT−2000)を用いて測定倍率25倍、測定面積246.6μm×187.5μm(0.0462mm)の条件にて、測定数(n)10以上でフィルム表面の粗さ測定を行ない、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトにより、次式で示す計算処理をして、中心面平均粗さWRaを求める。なお、次式でZjkは、測定方向(246.6μm)とそれに直行する方向(187.5μm)を、それぞれM分割とN分割したときの各方向のj番目とk番目の位置における2次元粗さ上の高さである。
Figure 2005330310
(2)不活性粒子の平均粒径および相対標準偏差
試料フィルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC−1100型イオンエッチング装置)を用いてフィルム表面に後述の条件にてイオンエッチング処理を施す。条件は、ベルジャー内に試料を設置し、約10−3Torrの真空状態まで真空度を上げ、電圧0.25kV、電流12.5mAにて約10分間イオンエッチングを実施する。更に同装置にて、フィルム表面に金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡にて5,000〜10,000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて少なくとも5000個の粒子について各不活性粒粒子の等価球径を測定し、それから等価球形分布を求める。得られら等価球形分布から、それぞれの不活性粒子のピークごとに平均粒径および相対標準偏差を算出する。
(3)粒子の含有量
ポリエステルは溶解し、粒子は溶解させない溶媒を選択し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。そして、上述の等価球形分布から、それぞれの不活性粒子の含有量を算出する。
(4)ヤング率
フィルムを試料幅10mm、長さ150mmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分にインストロンタイプの万能引張試験装置にて引張る。得られる荷重―伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算する。
(5)電磁変換特性
脱着式メディア評価装置(メディアスコープ社製:MS4500)を使用して磁気テープのS/Nを測定し、表1に示す実施例1の値を基準とした相対値を求め、下記判定等級で表す。使用するドライブはDLTタイプのものである。
[判定等級]
◎:+3dB以上
○:−3dB以上〜+3dB未満
×:−3dB未満
(6)トラックずれ
磁気テープをあらかじめ常温常湿(20℃×60%RH)下で正確な幅(L)を測定し、次に同環境下で磁気テープ長手方向に3オンス(85グラム)の荷重をかけて、このときの幅寸法を読み取る。無荷重下の長さ(L)と、荷重下の長さ(L)から、次式でトラックずれ量を求め、以下の基準で判定する。
Figure 2005330310
◎:0.08%未満
○:0.08%以上〜0.12%未満
×:0.12%以上
(7) 巻き取り性
速度150m/分でフィルムを10000m巻き、巻き上がったフィルムロールを見て、以下の基準で巻き取り性を評価する。
◎:シワ等が全然ない
○:シワ等が少し見られるが、実用的には問題のないレベル
×:シワ等が多数発生
[実施例1]
第1不活性粒子として、スラリーろ過(ろ材の平均孔径:0.5μm)で粗大粒子を少なくした平均粒径0.5μmの架橋シリコーン粒子を0.02重量%、第2不活性粒子として、スラリーろ過(ろ材の平均孔径:0.3μm)で粗大粒子を少なくした平均粒径0.3mの架橋シリコーン粒子を0.10重量%、第3不活性粒子として、スラリーろ過(ろ材の平均孔径:0.15μm)で粗大粒子を少なくした平均粒径0.1μmの球状シリカ粒子を0.22重量%添加・含有させた固有粘度0.62dl/g(オルソクロロフェノールを溶媒として用い、25℃で測定した値)のポリエチレン―2,6―ナフタレートを170℃で6時間乾燥した後300℃で溶融押出し、60℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて未延伸フィルムを得た。なお、溶融押出しする前に、溶融したポリマーを目開き10μmのフィルターでろ過した。
この未延伸フィルムを速度差をもった2つのロール間で125℃の温度で縦方向に5.1倍延伸し、さらにテンターによって横方向に4.8倍延伸し、その後215℃で10秒間熱処理をした。さらに110℃に加熱されたオーブンにより浮遊熱処理を実施し、これにより0.3%弛緩処理した。
このようにして厚み6μmの二軸配向ポリエステルフィルムを巻取った。
一方、下記に示す組成物をボールミルに入れ、16時間混練、分散した後、イソシアネート化合物(バイエル社製のデスモジュールL)5重量部を加え、さらに1時間高速剪断分散して磁性塗料を調製した。
磁性塗料の組成
針状Fe粒子(Fe:Co:Y:AI=100:10:3:11)
100重量部
塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体(エスレック7A:積水化学製)15重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂(N2305:日本ポリウレタン工業製)5重量部
カーボンブラック(#50:旭カーボン製) 5重量部
レシチン 2重量部
脂肪酸エステル 1重量部
トルエン 50重量部
メチルエチルケトン 50重量部
シクロヘキサノン 50重量部
この磁性塗料を上述の二軸配向ポリエチレン―2,6―ナフタレートフィルムの片面に、塗布厚1.8μmとなるように塗布し、ついで2500ガウスの直流磁場中で配向処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、スーパーカレンダー処理(線圧200kg/cm、温度80度)を行ない、巻き取った。さらに下記組成のバックコート層塗料を厚さ0.7μmに塗布し、乾燥させ、さらに1/2インチ幅に裁断し、磁気テープを得た。
バックコート層塗料の組成
カーボンブラック(キャボット社製のBP−800) 100重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業製のN2305) 60重量部
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネートL) 18重量部
シリコーンオイル 0.5重量部
メチルエチルケトン 250重量部
トルエン 50重量部
得られたフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
[実施例2〜4および比較例1および2]
第1、第2および第3不活性粒子の含有量を表1に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたフィルム及び磁気テープの特性を表1に示す。
Figure 2005330310

Claims (8)

  1. フィルム表面の中心面平均粗さWRaが4〜10nm、フィルムの長手方向のヤング率が6.5〜12GPa、フィルムの幅方向のヤング率が5〜8GPaおよび平均粒径の異なる第1不活性粒子、第2不活性粒子および第3不活性粒子を含有する二軸配向ポリエステルフィルムであって、
    該第1不活性粒子は、平均粒径が0.45〜0.65μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.005〜0.05重量%であり、
    該第2不活性粒子は、平均粒径が0.20〜0.40μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.005〜0.05重量%であり、そして
    該第3不活性粒子は、平均粒径が0.02〜0.15μm、粒径分布の相対標準偏差が0.2以下および含有量が0.03〜0.29重量%である
    ことを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和が0.06〜0.30重量%の範囲にある請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 第1、第2および第3不活性粒子の含有量の和に対して、第2および第3不活性粒子の含有量の和が、75〜95重量%の範囲にある請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 第1不活性粒子が耐熱性有機高分子粒子である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 第2不活性粒子が耐熱性有機高分子である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 第3不活性粒子がシリカ粒子である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 塗布型磁気記録媒体のベースフィルムに用いられる請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. リニア記録方式のデジタル記録型磁気記録媒体のベースフィルムに用いられる請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012119040A (ja) * 2010-12-02 2012-06-21 Teijin Dupont Films Japan Ltd 二軸配向積層フィルムおよびそれを用いたデータストレージ

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