JP2001341260A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2001341260A
JP2001341260A JP2000165543A JP2000165543A JP2001341260A JP 2001341260 A JP2001341260 A JP 2001341260A JP 2000165543 A JP2000165543 A JP 2000165543A JP 2000165543 A JP2000165543 A JP 2000165543A JP 2001341260 A JP2001341260 A JP 2001341260A
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film
polyester film
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layer
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Eiji Doi
英二 土居
Akira Otonashi
皓 音無
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布適性、高速巻き取り性、高速削れ性に優れ
た磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムを提供
する。 【解決手段】少なくとも2層からなる二軸配向ポリエス
テルフィルムの少なくとも一方の層(A)において高さ
0.4μm以上の突起密度が10〜200個/mm2
高さ0.2μm以上の突起密度が300〜1000個/
mm2、高さ0.01〜0.10μmの突起密度が12
000〜30000個/mm2で、幅方向の厚みムラが
100nm/m以下であることを特徴とする二軸配向ポ
リエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向ポリエステ
ルフィルムに関し、とくに磁気記録媒体用二軸配向ポリ
エステルフィルムに好適で、更に詳しくは高速巻き取り
特性、塗布適性、高速削れ性に優れた磁気記録媒体用二
軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体用ベースフィルム
は、高密度記録化、高品質化の要求が高まり、これに伴
いベースとなるポリエステルフイルムには表面平滑性の
要求がますます求められている。
【0003】しかしながら、フイルム表面が平滑になる
と、フイルムの摩擦係数が高くなるため、走行不良を起
したり、スクラッチが入りやすいという問題がある。ま
た、フイルム表面が平滑になると、フイルム製造時にフ
イルムをロール状に巻取る工程でのフイルムの巻姿が悪
化するという問題があり、さらに生産性向上にともなう
高速巻取化、広巾化により、ますます良好な巻姿のフイ
ルムロールが得られにくくなるという問題点もある。従
って、ベースとなるポリエステルフイルムには、平滑性
と同時に良好なフイルム巻姿を得るために、滑り性に優
れることが要求される。
【0004】このため、従来フイルムの易滑性を向上さ
せるためフィルム内に各種不活性粒子などを少量添加す
ることで表面突起を形成し、走行性を向上させる方法が
とられてきた。(例えば特開平5−84820号公報)
しかし、不活性粒子の少量添加では表面の平滑性は保た
れるものの、高速巻き取り特性について満足するレベル
には至らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、磁気記録システ
ムのコンパクト化、記録方式のデジタル化が進むにつ
れ、磁性層の高密度化と併せベースフィルムの薄層化が
要求されている。このためベースフィルムの厚みむら起
因による磁性層塗布工程ので皺や塗布ムラが発生するな
どの問題が顕在化してきており、幅方向の厚みむらを抑
制することが必要である。さらに、テープの走行系はま
すます厳しくなっており、磁気テープには固定ピンなど
との耐削れ性が求められている。そこで、表面の平滑性
を損なわず、高速巻き取り性、耐削れ性に優れ、さらに
塗布特性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを開発
すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は少なくとも2層
からなる二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも一
方の層(A)において高さ0.4μm以上の突起密度が
10〜200個/mm 2、高さ0.2μm以上の突起密
度が300〜1000個/mm2、高さ0.01〜0.
10μmの突起密度が12000〜30000個/mm
2で、幅方向の厚みムラが100nm/m以下であるこ
とを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに関する
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルとし
ては特に限定されないが、エチレンテレフタレート、エ
チレンα、β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4‘−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフ
タレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を
主要構成成分とする場合に好ましく、中でもエチレンテ
レフタレートを主要構成成分とするポリエステルの場合
が特に好ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、
2種以上のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポ
リマを用いても良い。さらに、本発明の目的を阻害しな
い範囲で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸
化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添
加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
【0008】本発明の二軸配向積層ポリエステルフイル
ムは、少なくとも2層以上の積層構造である必要があ
る。2層以上であれば、3層でも4層でも構わないが3
層構造の場合最外層の突起形成を容易に制御でき本発明
の効果がより一層良好となり好ましい。
【0009】フィルムの全厚みは4〜15μmが好まし
く、さらに好ましくは5〜12μmであるが、磁気記録
媒体として使用される用途において、記憶装置の仕様に
したがって設定される。
【0010】前記積層ポリエステルフイルムにおいて、
一方の層(A)の厚みは好ましくは0.3〜1.5μ
m、より好ましくは0.4〜1.3μm、さらに好まし
くは0.4〜1.2μmである。この厚みが1.5μm
より大きいと添加粒子の突起形成効果が減少し、他方
0.3μm未満であると粒子が脱落しやすい傾向とな
る。本発明のポリエステルフィルムはこれを構成する各
層の少なくとも一層が二軸に配向していることが必要で
ある。3層以上の積層構造においてはすべての層が二軸
に配向していると好ましい。
【0011】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの
表面特性として高さ0.4μm以上の突起密度が10〜
200個/mm2であり、好ましくは10〜100個/
mm2である。200個/mm2を越えると粒子が脱落し
やすくなり、高速削れ性が悪くなる。10個未満である
と易滑性が損なわれ、高速巻き取り性が損なわれる。ま
た、高さ0.2μm以上の突起密度が300〜1000
個/mm2であり、好ましくは400〜800個/mm2
である。1000個/mm2を越えると表面の平滑性が
損なわれ電磁変換特性が悪くなる。300個未満である
と易滑性が損なわれ、高速巻き取り性が損なわれる。
【0012】さらに、高さ0.01〜0.10μmの突
起密度が12000〜30000個/mm2であり、好
ましくは12000〜20000個/mm2である。突
起密度が12000個/mm2未満では易滑性が損なわ
れ、高速巻き取り特性が不良となる。30000個/m
2を越えると粒子が脱落しやすくなり、高速削れ性が
悪くなる。
【0013】本発明の表面特性は不活性粒子を添加し、
さらに延伸倍率など製造条件を選択することにより達成
できる。とくに本発明において層(A)に平均粒径が
0.1〜1.5μmの不活性粒子を0.05〜0.6重
量%含有することが好ましい。さらに好ましくは平均粒
径が0.1〜1.2μmの粒子を0.1〜0.5重量%
含有することが好ましい。添加する粒子は粒子の粒径分
布をコントロールすることでも達成可能であるが、好ま
しくは粒径分布が均一な粒子を2種類、さらに好ましく
は3種類混合することが望ましい。さらに好ましい粒子
の組み合わせとしてく用いられる不活性粒子は、粒子A
として平均粒径が1.0〜1.5μm、好ましくは1.
0〜1.2μmの炭酸カルシウム粒子、単分散シリカ粒
子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、球状シリ
カなどから選ばれる粒子を0.03〜0.07重量%、
好ましくは0.04〜0.06重量%含有し、粒子Bと
して平均粒径が0.70〜0.90μm、好ましくは
0.75〜0.85μmの炭酸カルシウム粒子、単分散
シリカ粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、
球状シリカなどから選ばれる粒子を0.10〜0.30
重量%、好ましくは0.15〜0.25%含有し、さら
に、粒子Cとしては平均粒径が0.2〜0.5μm、好
ましくは0.25〜0.40μmの球状シリカ、架橋ポ
リスチレン、シリコーンなどの有機粒子または炭酸カル
シウム粒子などから選ばれる粒子を0.05〜0.2重
量%、好ましくは0.05〜0.15重量%添加するこ
とが好ましい。
【0014】ここで用いる粒子は粒径分布が均一な粒子
が好ましく、とくに単分散の水ガラス法またはアルコキ
シド法から合成される球形シリカ、有機粒子がとくに好
ましい。これらの粒子に比べ炭酸カルシウム粒子は粒度
分布が広いが、ポリエステル添加前に遠心沈降処理など
の分級処理を行うことで十分に適用することができる。
【0015】さらに、上記突起形成粒子とは別に、平均
一次粒径が0.005〜0.05μmのアルミナ粒子を
0.01〜0.3重量%、好ましくは0.05〜0.2
重量%含有することがフィルムの耐久性とくに耐削れ性
を向上するために好ましい。アルミナ粒子は平均一次粒
径が0.005〜0.05μm、好ましくは0.007
〜0.03μmの粒子が3〜500個、好ましくは5〜
200個、さらに好ましくは5〜100個からなる凝集
粒子であり、α型、γ型、δ型、θ型結晶系あるいはこ
れら混合結晶型からなるものが適用できる。凝集度はア
ルミナ粒子を分散処理し、必要に応じ、遠心沈降処理、
濾過などの操作により、粗大粒子を除去することにより
達成できる。凝集度が500個を越えると不要な粗大突
起を形成し、表面突起数の変動をきたし、さらに凝集度
が3未満では耐削れ性の改良効果が乏しくなる。
【0016】凝集アルミナ粒子の含有量が0.01%未
満であると、層内粒子密度が低くなりすぎるため、期待
した地肌補強効果が得られない傾向にある。含有量が
0.3%を越えると、粒子量が多くなりすぎ、層が逆に
脆くなる傾向にある。
【0017】本発明の二軸配向ポリエステルフィルム
は、幅方向の厚みムラが100nm/m以下であること
が必要である。磁気テープとくに記録方式がデジタル化
されるのに伴い記録密度の高くなっており、磁気記録層
の薄層化などと併せ、ベースフィルムについても薄層化
が要求されている。このため従来の厚みムラでは不十分
であり、磁性層塗布工程においての加工特性とくにシワ
の発生防止、塗布厚さむらの減少などのためには、幅方
向の厚さむらを抑制することが必要である。好ましくは
幅方向の厚みムラが50nm/m以下、さらに好ましく
は30nm/m以下が塗布特性に優れ好ましい。厚さむ
らは幅方向に不規則に変化するのが一般的であるが、と
くに製品フィルムロールの中央部が端部に比べ厚みが大
きい傾向の場合にとくに好ましく、このようなフィルム
の場合にとくに好適に使用できる。
【0018】本発明に供する粒子含有ポリエステルは公
知の方法で準備できる。例えばテレフタル酸あるいはテ
レフタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル
化あるいはエステル交換反応の後、アンチモンなどの触
媒の存在化で重縮合反応することでポリエステルを得る
ことができる。重縮合反応前に粒子含有エチレングリコ
ールスラリーを添加することで粒子含有ポリエステルペ
レットを得ることができる。粒子含有スラリーは添加前
に分級処理、濾過処理などを行い、粗大粒子を除去し、
粒径分布を均一化することも好ましく採用できる。さら
に、粒子を含有しないポリエステルペレットに、たとえ
ば二軸混練機などを用い、粒子あるいは粒子の水スラリ
ーを直接分散混練する方法でも粒子含有ポリエステルペ
レットを得ることができる。このような方法で、各種粒
子を1〜5重量%含有するポリエステルペレットおよび
粒子を含有しないポリエステルペレットを準備し、これ
らのペレットを所定の割合で適時混合し、フィルム製造
用の原料に供する方法が好適に採用できる。
【0019】次にこのように準備したポリエステルペレ
ットを用いて3層積層構造をもったポリエステルフイル
ムとする。上記の方法にて得られたポリエステルのペレ
ットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融
積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状
に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて
未延伸フイルムを作る。すなわち、2台の押出機、3層
のマニホールドまたは合流ブロック(例えば角型合流部
を有する合流ブロック)を用いて積層し、口金から3層
のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して
未延伸フイルムを作る。この場合、ポリマ流路にスタテ
ィックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効であ
る。
【0020】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、その1段目を50〜1
30℃とし、2段目以降はそれより高くすることが有効
である。長手方向延伸速度は5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率は、3.0
〜6.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、
1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の
範囲が好適である。次にこの延伸フイルムを熱処理す
る。この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に1
80〜200℃、時間は0.2〜20秒の範囲が好適で
ある。
【0021】さらに、ポリマーをシート状に押し出しす
工程において、押し出し機の口金間隔を制御することが
重要である。とくに高精度のフィルム厚み計を設置し、
フィルム厚みを常時測定し、厚み測定値を口金間隔の制
御にフィードバックする方法、さらに延伸温度、延伸倍
率などを幅、長さ方向に均一化するなどの方法を採用す
ることがフィルム厚みムラを制御する上で有効である。
このようにして製造したフィルムは幅方向に所定の幅に
スリットし、複数の製品ロールを得る。塗布工程の仕様
により異なるが、0.5〜1.5m前後の幅に切断し1
0000〜30000m巻きとするのが一般的である。
【0022】本発明の特性値の測定方法並びに効果の評
価方法は次のとおりである。
【0023】(1)粒子の平均粒径 フイルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザで処理する。SEMの倍率はおよ
そ2000〜10000倍、また、1回の測定での視野
は1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観察
箇所をかえて粒子数5000個以上で粒径とその体積分
率から、次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi・Nvi ここで、diは粒径、Nviはその体積分率である。粒
子がプラズマ低温灰化処理法で大幅にダメージを受ける
場合には、以下の方法を用いても良い。フイルム断面を
透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、3000〜100
000倍で観察する。TEMの切片厚さは約1000オ
ングストロームとし、場所をかえて500視野以上測定
し、上記式から体積平均径dを求める。種類あるいは粒
径の異なる粒子が数種類含有している場合は、それぞれ
の粒子について仕分けて測定を行い、粒子種類別の平均
粒径を求める。
【0024】アルミナ粒子の場合は、同様にフイルムか
らポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露
出させる。析出した粒子について、元素分析装置を付属
する走査型電子顕微鏡(SEM−XMA)で観察し、ア
ルミナ粒子について、一次粒子径、および一次粒子が何
個凝集(凝集度)しているかを、20個以上のアルミナ
粒子について測定し、平均値を求める。
【0025】(2)突起密度 小坂研究所の三次元微細形状測定器(型式ET−30H
K)及び三次元表面粗さ解析システム(型式MARME
C−3D)を用いて突起密度を測定した。条件は下記の
通りであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
【0026】 ・触針の先端半径 :0.5μm ・触針の荷重 :4mg ・縦倍率 :50000倍 ・横倍率 :200倍 ・カットオフ :0.25mm ・送りピッチ :5μm ・測定長 :500μm ・測定面積 :0.197mm2 ・測定速度 :100μm/秒。
【0027】(3)フィルム積層厚み 表面からエッチングしながらXPS(X線光電子光
法)、IR(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微
鏡などで、その粒子濃度のデプスプロファイルを測定す
る。片面に積層したフイルムにおける表層では、表面と
いう界面のために粒子濃度は低く、表面から遠ざかるに
つれて粒子濃度は高くなる。本発明の片面に積層したフ
イルムの場合は、深さ[I]で一旦極大値となった粒子
濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに極
大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](ここで、
II>I)を積層厚さとした。さらに、無機粒子などが
含有されている場合には、二次イオン質量分析装置(S
IMS)を用いて、フイルム中の粒子のうち最も高濃度
の粒子の起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度
比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、ポリエステルA層の
表面からの深さ(厚さ)方向の分析を行う。そして上記
同様の手法から積層厚さを得る。
【0028】(4)幅方向厚みムラ 微少厚み計で測定することも可能であるが、一般的に精
度が不十分であり、測定を繰り返し平均化処理が必要で
ある。好ましくは、所定の幅にスリットしたフィルムロ
ールで測定する方法を採用できる。所定量巻き上げたフ
ィルムロールについて、幅方向の巻き径を測定する。巻
き径の測定方法はレーザー光を利用した形状測定器、接
触式の微少変位計を幅方向に走査する方法などが採用で
き、さらにフィルムロールの周囲長を測定する方法も採
用できる。このようにして測定したロール径を幅方向に
記録し、巻かれているフィルム巻き数で除することによ
り、1枚のフィルム当たり、幅1m当たりの厚み変動値
を得る。厚み値の最大値と最小値の差を厚みムラとす
る。フィルム巻き数はロールへの所定巻き上げ長さと巻
き上げ前の空のロール径から容易に算出することができ
る。さらに記録した幅方向の厚み変動曲線から幅方向の
厚み変動パターンを得た。パターンは両端部に比べ中央
部が厚めの場合を凸型、逆に両端部の方が厚め場合を凹
型、どちらか一方が厚めの場合を∠と判定した。
【0029】(5)電磁変換特性(画質) フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。
【0030】 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 : 100重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 : 10重量部 ・ポリウレタンエラストマ : 10重量部 ・ポリイソシアネート : 5重量部 ・レシチン : 1重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・メチルイソプチルケトン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 ・カーボンブラック : 2重量部 ・ラウリン酸 : 1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生
器により100%クロマ信号を記録し、その再生信号か
らカラービデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定し画
質を判定した。判定基準は下記の通りであり、ランク4
以上であれば、実用上問題のないレベルである。
【0031】
【0032】(6)高速削れ性 フイルムを1/2インチ幅のテープ状にスリットしたも
のに角度90°で片刃を押しあて、0.5mm押し込ん
で200m走行させる(速度:200m/分、張力:1
00g)。片刃に削りとられた粉の付着高さを顕微鏡で
読み取り、削れ性を判定した。判定基準は下記の通りで
ある。
【0033】判定ランク ○:粉の付着高さが100μm以下 △:粉の付着高さが100〜180μm ×:粉の付着高さが180μm以上。
【0034】(7)スリット巻取り性 スリット工程においてフィルム巻き取り時の巻き姿を判
定した。判定基準は下記の通りである。
【0035】判定ランク ○:フィルムの巻き取り速度が300m/分でもしわ、
巻きずれは発生しない △:フィルムの巻き取り速度が300m/分ではしわ、
巻きずれが発生するが、250m/分に減速するとし
わ、巻きずれは発生しない ×:フィルムの巻き取り速度を250m/分に減速して
もしわ、巻きずれが発生する。
【0036】(8)塗布適性 上記電磁変換特性評価のための磁性層塗布工程におい
て、しわ、塗布ムラについて判定した。判定基準は下記
の通りである。
【0037】判定ランク ○:塗布ムラが少なく、しわも発生しない △:塗布ムラが若干観察され、走行時しわは部分的に見
られるが問題ないレベル ×:塗布ムラが大きく、走行時しわが長手方向にみら
れ、巻き取り後ロール表面にしわが発生
【0038】
【実施例】実施例1〜5,比較例1〜5 種類・平均粒径の異なる各種不活性外部粒子を含有する
ポリエチレンテレフタレートペレットを調製した。これ
らを適時混合し、基礎部用(B)および積層部用(A)
の原料を調整し、170℃で3時間乾燥した後、2台の
押し出し機に供給して280℃で溶融押出しして高精度
濾過した後、3層用の合流ブロックで最外層に原料Aポ
リマーがくるように積層し、3層積層(A/B/A)と
し、両側積層部(A)の厚さは極力同一になるようにコ
ントロールした。
【0039】その後、スリットダイを介し冷却ロール上
にキャストして未延伸シートを得た。この未延伸フイル
ムを120〜125℃で長手方向に3.2〜3.5倍で
延伸した。この一軸延伸フイルムをテンタを用いて温度
95〜100℃で幅方向に3〜4倍延伸した後、さらに
長手方向に130〜135℃で1.5〜1.6倍延伸し
た後、定長下で215℃にて3秒間熱処理し、フイルム
全厚み10μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。このフィルムの巻き上げ直前のフィルム厚さを厚さ
計でフィルム横方向にスキャンしつつオンライン測定
し、測定した厚み値を押し出し機の口金間隔にフィード
バックし、口金間隔を調整した。さらに、上記範囲内で
温度、延伸倍率を微調整し、厚みムラ量Y、パターンを
修正した。
【0040】得られたフィルムをスリットし、1m巾×
20000mの製品ロールを得た。このようにして、突
起数、粒子種、積層厚み、厚みムラの異なる製品フィル
ムロールを得て、特性を評価した。
【0041】本発明の要件を満たす実施例1〜5のフィ
ルムはいずれも電磁変換特性、スリット巻き取り性、塗
布適性、高速削れ性に優れ磁気テープ特性において高度
に満足するレベルである。
【0042】これに対し、比較例1〜5のフィルムは、
本発明の要件を満たさない特性であり、電磁変換特性、
スリット巻き取り性、塗布適性、高速削れ性のいずれか
の特性に劣り、満足できるものではない。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上説明した本発明のフィルムは電磁変
換特性、スリット巻き取り性、塗布適性、高速削れ性に
優れ磁気テープ特性において高度に満足するレベルに達
するものであり、デジタルビデオテープのベースフィル
ムとして有用であり、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA19A AK41A AK41B AK42 BA02 BA03 BA16 BA25 CA30A DE01A EH20 EJ38A EJ38B GB41 JG06 JK14A YY00A 4F210 AA24 AB11B AB16B AG03 AH38 QA02 QA03 QC05 QG01 QG15 QG18 5D006 CB01 CB06 CB07 CB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2層からなる二軸配向ポリエス
    テルフィルムの少なくとも一方の層(A)において高さ
    0.4μm以上の突起密度が10〜200個/mm2
    高さ0.2μm以上の突起密度が300〜1000個/
    mm2、高さ0.01〜0.10μmの突起密度が12
    000〜30000個/mm2で、幅方向の厚みムラが
    100nm/m以下であることを特徴とする二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  2. 【請求項2】層(A)の積層の厚みが0.3〜1.5μ
    mであり、かつ該層には平均粒径が0.1〜1.5μm
    の不活性粒子を0.05〜0.6重量%含有することを
    特徴とする請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィル
    ム。
  3. 【請求項3】層(A)に添加する粒子が少なくとも平均
    粒径の異なる2種以上の粒子であることを特徴とする請
    求項1及び2記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】層(A)に、さらに平均一次粒径が0.0
    05〜0.05μmのアルミナ粒子を0.01〜0.3
    重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】業務用磁気記録媒体のベースフィルムとし
    て用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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JP2011522912A (ja) * 2008-05-14 2011-08-04 ダウ・コーニング・コーポレイション 摩擦を低減させる方法

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