JP7303999B2 - 積層ポリステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ - Google Patents
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フィルムの全層厚みt(μm)に対するA層の厚みtA(μm)の比(tA/t)が0.38以上0.50以下であり、
非接触式三次元表面粗さ計を用いて測定倍率25倍で測定したときの表面粗さ(Ra)が、A層は5nm未満であり、B層は5~10nmの範囲にあり、
A層とA層、B層とB層およびA層とB層をそれぞれ接触させてシャトルテスターで走行したときのフィルムが動き出してから10000msから30470msの範囲のスペクトルの高速フーリエ変換によって得られるピーク値を、それぞれPAA、PBBおよびPABとしたとき、PBB-PAAが30Hz以上で、かつPABが200Hz以上である積層ポリエステルフィルムが提供される。
得られたポリエステルの固有粘度は、前述のとおり、o-クロロフェノール、35℃で測定し、o-クロロフェノールでは均一に溶解するのが困難な場合は、p-クロロフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて35℃で測定して求めた。
(2-1)無機物粒子の平均粒子径
フィルム表面層のポリエステルをプラズマ低温灰化処理法(例えばヤマト科学製、PR-503型)で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリエステルは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)にて1万倍程度の倍率で粒子を観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(例えば、ケンブリッジインストルメント製、QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて少なくとも5,000個の粒子の面積円相当径(Di)を求める。この結果から粒子の粒径分布曲線を作成し、数平均を平均粒子径とした。なお、粒子種の同定はSEM-XMA、ICPによる金属元素の定量分析などを使用して行うことができる。また、添加する粒子の平均粒子径も、同様な測定を行って算出した。
各フィルム層を100g程度削り取ってサンプリングし、ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択して、サンプルを溶解した後、粒子をポリエステルから遠心分離した。水もしくは適当な有機溶媒に0.1質量%となるように粒子を分散させた分散液をガラス基板上にドロップキャストした。溶媒を蒸発させて、基板上の粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて1万倍程度の倍率で粒子を観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(例えば、ケンブリッジインストルメント製、QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて少なくとも5,000個の粒子の面積円相当径(Di)を求める。この結果から粒子の粒径分布曲線を作成し、数平均を平均粒子径とした。なお、粒子種の同定はSEM-XMA、ICPによる金属元素の定量分析などを使用して行うことができる。
(3-1)各層中の粒子の総含有量
積層ポリエステルフィルムからポリエステルA層、ポリエステルB層を各々100g程度削り採ってサンプリングし、ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択して、サンプルを溶解した後、粒子をポリエステルから遠心分離し、サンプル重量に対する粒子の比率(質量%)をもって各層中の粒子総含有量とする。
(3-2)各層中の無機粒子の総含有量
積層ポリエステルフィルム中に無機粒子が存在する場合は、ポリエステルA層、ポリエステルB層を各々削り採って100g程度サンプリングし、これを白金ルツボ中にて1,000℃程度の炉の中で3時間以上燃焼させ、次いでルツボ中の燃焼物をテレフタル酸(粉体)と混合し50グラムの錠型のプレートを作成する。このプレートを、波長分散型蛍光X線を用いて各元素のカウント値をあらかじめ作成してある元素毎の検量線より換算し各層中の無機粒子の総含有量を決定する。蛍光X線を測定する際のX線管はCr管が好ましくRh管で測定してもよい。X線出力は4KWと設定し分光結晶は測定する元素毎に変更する。材質の異なる無機粒子が複数種類存在する場合は、この測定により各材質の無機粒子の含有量を決定する。
(3-3)各層中の各種粒子の含有量(無機粒子が存在しない場合)
層中に無機粒子が存在しない場合は、前記(2)により求めたピークを構成する各粒子の個数割合と平均粒子径と粒子の密度から各ピーク領域に存在する粒子の重量割合を算出し、これと前記(3-1)で求めた各層中の粒子の総含有量とから、各ピーク領域に存在する粒子の含有量(質量%)を求める。
なお、代表的な微粒子の密度は下記のとおりである。
架橋シリコーン樹脂の密度 : 1.35g/cm3
架橋ポリスチレン樹脂の密度: 1.05g/cm3
架橋アクリル樹脂の密度 : 1.20g/cm3
なお、樹脂の密度は(3-1)の方法でポリエステルから遠心分離した粒子をさらに分別し、例えば、ピクノメーターにより「微粒子ハンドブック:朝倉書店、1991年版、150頁」に記載の方法で測定することができる。
(3-4)各層中の各種粒子の含有量(無機粒子が存在する場合)
層中に無機粒子が存在する場合は、前記(3-1)で求めた各層中の粒子の総含有量と前記(3-2)で求めた各層中の無機粒子の総含有量とから層中の有機粒子と無機粒子の含有量をそれぞれ算出し、有機粒子の含有量は上記(3-3)の方法で、無機粒子の含有量は上記(3-2)の方法で、それぞれ含有量(質量%)を求める。
(4-1)フィルムの厚み
ゴミが入らないようにフィルムを10枚重ね、打点式電子マイクロメータにて厚みを測定し、1枚当たりのフィルム厚みを計算する。
(4-2)各ポリエステル層の厚み
2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ3,000nm迄の範囲のフィルム中の粒子の内もっとも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ3,000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。そして一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、これを表層厚さとする。そして、先ほどのフィルムの厚みと表層厚みとから、各層の厚みを算出する。
条件は次のとおりである。
(a)測定装置:2次イオン質量分析装置(SIMS)
(b)測定条件
1次イオン種 :O2 +
1次イオン加速電圧:12KV
1次イオン電流:200nA
ラスター領域 :400μm□
分析領域 :ゲート30%
測定真空度 :0.8Pa(6.0×10-3Torr)
E-GUN :0.5KV-3.0A
なお、表層から深さ3000nm迄の範囲にもっとも多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプロファイルを測定し、表層厚さを求めてもよい。
フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして、引張速度10m/min、チャート速度500mm/minの条件でインストロンタイプの万能引張試験装置にて引っ張る。得られる荷重-伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算する。
非接触式三次元表面粗さ計(ZYGO社製:New View7300)を用いて測定倍率25倍、測定面積283μm×213μm(=0.0603mm2)の条件にて測定し、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetro Proにより中心面平均粗さ(Ra)を求め、これを表面粗さ(Ra)とした。なお、測定は測定箇所を変えて10回行い、それらの平均値を中心面平均粗さ(Ra)とした。また積層ポリエステルフィルムの平坦な側(A層側)の表面の表面粗さをRaA、粗い側(B層側)の表面の粗さをRaBとした。
積層ポリエステルフィルムサンプルを2.54cm×50cmと1.27cm×35cmのテープ状にそれぞれスリットした。幅1.27cmのサンプルの磁性層を形成しない面と幅2.54cmのサンプルの磁性層を形成する面が接するように幅2.54cmのサンプルをフィルム走行試験機(HOYO ELECTRONICS CORP. FRICTION TESTER SFT-1200S)のガイドローラーに抱き角が90度となるようにセットした。幅1.27cmのサンプルに荷重200gをかけた状態で5分間静置させたのちに、幅1.27cmのサンプル側を走行させた。張力をデータロガーで10msごとに取り込み、静摩擦係数をフィルムが動き始める時の張力、動摩擦をフィルムが動き始めてから20000msから50000msの範囲の張力の平均値を測定した。下記のオイラーのベルト理論から静摩擦係数および動摩擦係数をそれぞれ3回平均の値から求めた。
μ=2/π×ln(T2/T1)
T1:荷重=200gを掛けた状態での張力
T2:静摩擦もしくは動摩擦の張力
抱き角:90度
走行距離:10cm
走行速度:1mm/sec
ガイドローラーの径:1.3cm
上記(7)で得られた動摩擦領域の張力のFFT解析を行った。フィルムが奏功し始めてから10000msから30470msまでの範囲を10msの間隔でデータを取り込み、得られた2048個のデータをFFT解析し、複素数の絶対値を振幅とする。その得られた波形の内、極端に振幅の大きくなる1~9Hzのデータを取り除いた波形をコサインロールパスフィルター(ロールオフ係=0.5)にて振動数0.03Hz以上の波を除去する。その波形の100Hz~600Hzの間で最大の振幅を示す周波数の値をピーク値とした。
フィルム表面層のポリエステルをプラズマ低温灰化処理法(例えばヤマト科学製、PR-503型)で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリエステルは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)にて1万倍程度の倍率で粒子を観察する。フィルム表面上の突起は、延伸により粒子の周辺にボイドが発生する。ボイドの中に1つの粒子がある場合は凝集ではない。ボイドの中に5つ以上の粒子がある場合に凝集による突起とし、粒子5個以上の凝集突起とする。そして、100個のボイドを確認し、それに要した測定面積から9cm2あたりに存在する粒子5個以上の凝集突起数を算出した。
各実施例及び比較例で得られた幅1000mm、長さ1000mの積層ポリエステルフィルムの粗面層(A層)側表面に、下記組成のバックコート層塗料をダイコータ(加工時の張力:20MPa、温度:120℃、速度:200m/分)で、塗布し、乾燥させた後、フィルムの平坦層(B層)側表面に下記組成の非磁性塗料、磁性塗料をダイコータで同時に膜厚を変えて塗布し、磁気配向させて乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ-装置(スチ-ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ-処理した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テ-プを12.65mmにスリットし、カセットに組み込み磁気記録テープとした。なお、乾燥後のバックコート層、非磁性層および磁性層の厚みは、それぞれ0.5μm、1.2μmおよび0.1μmとなるように塗布量を調整した。
<非磁性塗料の組成>
・二酸化チタン微粒子 :100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
<磁性塗料の組成>
・鉄(長軸:0.037μm、針状比:3.5、2350エルステッド):100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
<バックコート層塗料の組成:>
カーボンブラック :100重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂 :60重量部
イソシアネート化合物 :18重量部
(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)
シリコーンオイル :0.5重量部
メチルエチルケトン :250重量部
トルエン :50重量部
電磁変換特性測定には、ヘッドを固定した1/2インチリニアシステムを用いた。記録は、電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.1μm)を用い、再生はMRヘッド(8μm)を用いた。ヘッド/テープの相対速度は10m/秒とし、記録波長0.2μmの信号を記録し、再生信号をスペクトラムアナライザーで周波数分析し、キャリア信号(波長0.2μm)の出力Cと、スペクトル全域の積分ノイズNの比をC/N比とし、上記(10)の方法で作成した比較例5を0dBとした相対値を求め、以下の基準で、評価した。
◎ : +1dB以上
○ : 0dB以上、+1dB未満
△ : -1dB以上、0dB未満
× : -1dB未満
上記(10)で作製したテープ原反を12.65mm(1/2インチ)幅にスリットし、それをLTO用のケースに組み込み、磁気記録テープの長さが850mのデータストレージカートリッジを作成した。このデータストレージを、IBM社製LTO5ドライブを用いて23℃50%RHの環境で記録し(記録波長0.55μm)、次に、カートリッジを50℃、80%RH環境下に7日間保存した。カートリッジを1日常温に保存した後、全長の再生を行い、再生時の信号のエラーレートを測定した。エラーレートはドライブから出力されるエラー情報(エラービット数)から次式にて算出する。次の基準でエラーレートを評価する。
エラーレート=(エラービット数)/(書き込みビット数)
◎:エラーレートが1.0×10-6未満
○:エラーレートが1.0×10-6以上、1.0×10-5未満
△:エラーレートが1.0×10-5以上、1.0×10-4未満
×:エラーレートが1.0×10-4以上
上記(12)でエラーレートを測定したデータストレージカートリッジを、IBM社製LTO5ドライブに装填してデータ信号を14GB記録し、それを再生した。平均信号振幅に対して50%以下の振幅(P-P値)の信号をミッシングパルスとし、4個以上連続したミッシングパルスをドロップアウトとして検出した。なお、ドロップアウトは850m長1巻を評価し、1m当たりの個数に換算して、下記の基準で判定する。
◎:ドロップアウト 3個/m未満
○:ドロップアウト 3個/m以上、9個/m未満
×:ドロップアウト 9個/m以上
幅300mmのフィルムを、巻き取り速度80m/minで、張力一定条件で巻き取り、長さ6,000mのロールとした。このロールを温度25℃、湿度55%の条件で72時間保管後の外観を目視により観察し、以下の基準で判断し、Cを巻き取り性不良とした。
◎:しわ、または端面ずれが全く認められない
〇:しわが2箇所以下、かつ端面ずれが全く認められない
△:しわが2箇所以下、かつ端面ずれが1mm未満のもの
×:しわが3箇所以上、または1mm以上の端面ずれが認められるもの。
平坦層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子A)を0.08質量%含有した固有粘度が0.62のポリエステルA層用ポリエチレン―2,6―ナフタレートペレット(ガラス転移温度:121℃、融点:265℃)と粗面層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子B1)を0.12質量%と平均粒子径0.30μmの真球状シリカ粒子(粒子B2)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルB層用ポリエチレン―2,6―ナフタレートペレット(ガラス転移温度:121℃、融点:265℃)を用意した。そして、それぞれペレットを170℃で6時間乾燥した後、2台の押出機ホッパーにそれぞれ供給し、溶融温度300℃で、A層:B層=40:60の厚み比率でダイから冷却ドラム上にシート状に共押出し、積層未延伸ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
含有させる、粒子A、粒子B1、粒子B2、粒子B3、各層の厚みを表1に示すように変更した他は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
平坦層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子A)を0.08質量%含有した固有粘度が0.62のポリエステルA層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)と粗面層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子B1)を0.12質量%と平均粒子径0.30μmの真球状シリカ(粒子B2)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルB層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)を用意した。そして、それぞれペレットを170℃で3時間乾燥した後、2台の押出機ホッパーにそれぞれ供給し、溶融温度280℃で、A層:B層=40:60の厚み比率でダイから冷却ドラム上にシート状に共押出し、積層未延伸ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
含有させる、粒子A、粒子B1、粒子B2、粒子B3、各層の厚みを表2に示すように変更した他は、実施例12と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
平坦層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子A)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルA層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)とポリエーテルイミドペレット(商標名:ULTEM1010)とを質量比97:3でブレンドした樹脂組成物、粗面層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子B1)を0.12質量%と平均粒子径0.30μmの真球状シリカ粒子(粒子B2)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルB層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)とポリエーテルイミドペレット(商標名:ULTEM1010)とを重量比97:3でブレンドした樹脂組成物を、それぞれペレットの状態で170℃で3時間乾燥した後、2台の押出機ホッパーにそれぞれ供給し、溶融温度280℃で、A層:B層=40:60の厚み比率でダイから冷却ドラム上にシート状に共押出し、積層未延伸ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
含有させる、粒子A、粒子B1、粒子B2、粒子B3、各層の厚み、ポリエーテルイミドの量を表2に示すように変更した他は、実施例16と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
Claims (7)
- 塗布型磁気記録テープに用いるベースフィルムであって、少なくとも磁性層を形成する側の表面を形成するA層と磁性層を形成しない側の表面を形成するB層の2層からなる積層ポリエステルフィルムであって、
A層は平均粒子径0.04~0.2μmの粒子を0.001~0.20質量%含有し、B層は少なくとも2種類以上の粒子を含有し、その平均粒子径0.04~0.2μmの粒子を0.03~0.9質量%、平均粒子径0.25~0.45μmの粒子を0.05~0.5質量%含有し、
フィルムの全層厚みt(μm)に対するA層の厚みtA(μm)の比(tA/t)が0.38以上0.50以下であり、
非接触式三次元表面粗さ計を用いて測定倍率25倍で測定したときの表面粗さ(Ra)が、A層は5nm未満であり、B層は5~10nmの範囲にあり、
A層とA層、B層とB層およびA層とB層をそれぞれ接触させてシャトルテスターで走行したときのフィルムが動き出してから10000msから30470msの範囲のスペクトルの高速フーリエ変換によって得られるピーク値を、それぞれPAA、PBBおよびPABとしたとき、PBB-PAAが30Hz以上で、かつPABが200Hz以上であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。 - ポリエステルが、エチレンテレフタレートまたはエチレン-2,6ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
- ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種を、ポリエステル組成物の質量を基準として、0.5~25重量%の範囲で含有する請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
- A層の表面の粗さ曲線のスキューネスRskが2.0から9.5の範囲にある請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
- A層の粒子5個以上の凝集突起が3個/9cm2以下であり、B層の粒子5個以上の凝集突起が10個/9cm2以下である請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
- 磁性層を形成する側の表面と磁性層を形成しない側の表面とが接するように貼り合せた際の静摩擦係数が0.25~0.50であり、動摩擦係数が0.20~0.45の範囲にある請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1~6のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムと、その磁性層を形成する側の表面に塗布形成された磁性層とからなる塗布型磁気記録テープ。
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