JP7303999B2 - 積層ポリステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ - Google Patents

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本発明は、データストレージなどの塗布型磁気記録テープのベースフィルムに用いる積層ポリエステルフィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、比較的安価で、優れた機械的特性を有することから磁気記録テープのベースフィルムに用いられてきた。そして、磁気記録テープのベースフィルムに用いる場合、ポリエステルフィルムには粗大な突起や欠点がない平坦な表面を有することが求められる。一方、磁性層をポリエステルフィルムに塗布して形成する塗布型磁気記録テープでは、ベースフィルムの巻取性や走行性が不安定であると、均一な磁性層を効率的に製造することができず、ポリエステルフィルムに滑剤としての粒子を含有させて、表面に突起などを形成することが求められる。この2つの要求は相反するものであり、これらの要求を満たすために、特許文献1~6には、表面欠点を低減するために触媒種を特定のものにすること、フィルム中に含有させる粒子として粗大粒子の少ないものを用いること、およびそのような処理を行った表面欠点の少ないフィルムが提案されている。また特許文献7~8には、空間周波数に着目したベースフィルムのウネリ成分を低減することで原反形状の安定化や磁気記録媒体としての電磁変換特性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムの提案がなされている。
しかしながら、近年の塗布型磁気記録テープ用のベースフィルムには、さらに記録密度を高めるためのフィルム表面の平坦性と、安価に製造するためのフィルムの製膜性や巻取り性といった生産性とをより高度に両立したものが求められ、近年の塗布型磁気記録テープ用のベースフィルムとしては十分に答えることが出来なくなってきた。
特開2004-114492号公報 特開2002-363311号公報 特開2002-363310号公報 特開2002-059520号公報 特開2011-165266号公報 特開2014-189717号公報 特開2001-341265号公報 特開2004-091753号公報
本発明の目的は、フィルムとしての製膜工程において搬送ロールへの貼り付きがなく、フィルムの巻取り工程において、しわの巻き込みといった外観不良および欠点を発生させることなく巻き取ることが可能なフィルムの生産性を有し、塗布型磁気記録テープ、特にデータストレージのベースフィルムに用いたとき、優れた電磁変換特性とエラーレートやドロップアウトが低減可能なフィルム表面の平坦性とを有する、平坦性と生産性とを高度に両立し得る積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープを提供することにある。
フィルムの巻取り工程は生産性の観点から出来るだけ高速で巻き取れることが必要で、そのためには巻取りの接圧を増加させて、フィルム間の空気を効率的に抜く必要がある。そのため、表面に高さの低い突起を緊密に形成して、接圧を高くしてもフィルム同士がくっつかないようにしたり、空気が抜けやすいように比較的高さの高い突起を適度な間隔で設けたりすることが提案されてきた。しかしながら、フィルムの表面の突起をナノメートルレベルで制御しても、巻き取り性に違いがあり、本発明の課題である平坦性と生産性を高度に両立させることは困難であった。
そこで、本発明者ら同様な表面形状であっても巻き取り性に違いがあるフィルムについて鋭意研究した結果、特定の積層フィルムにおいて、少なくとも磁性層を形成するA層と非磁性層であるB層からなる積層ポリエステルフィルムのA層同士、B層同士、A層とB層をそれぞれ接触した状態でシャトルテスターで走行させたときのスペクトルの高速フーリエ変換によって得られるピーク値PAA、PBB、PABに違いが生じることを見出し、特にPBB-PAAが30Hz以上でかつ、PABが200Hz以上であると、しわの巻き込み等の欠点を発生させることなく、平坦性を高度に維持できることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、 塗布型磁気記録テープに用いるベースフィルムであって、少なくとも磁性層を形成する側の表面を形成するA層と磁性層を形成しない側の表面を形成するB層の2層からなる積層ポリエステルフィルムであって、
フィルムの全層厚みt(μm)に対するA層の厚みtA(μm)の比(tA/t)が0.38以上0.50以下であり、
非接触式三次元表面粗さ計を用いて測定倍率25倍で測定したときの表面粗さ(Ra)が、A層は5nm未満であり、B層は5~10nmの範囲にあり、
A層とA層、B層とB層およびA層とB層をそれぞれ接触させてシャトルテスターで走行したときのフィルムが動き出してから10000msから30470msの範囲のスペクトルの高速フーリエ変換によって得られるピーク値を、それぞれPAA、PBBおよびPABとしたとき、PBB-PAAが30Hz以上で、かつPABが200Hz以上である積層ポリエステルフィルムが提供される。
本発明の積層ポリエステルフィルムはフィルムとしての生産性に優れながらも塗布型磁気記録テープ、特にデータストレージのベースフィルムに用いたとき、優れた電磁変換特性とエラーレートやドロップアウトを低減できる優れた平坦性をも有する積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープを提供することができる。
以下、本発明について、詳述する。なお、説明の便宜上、フィルムの製膜方向を、機械軸方向、縦方向、長手方向、MD方向と称することがあり、製膜方向と厚み方向とに直交する方向を、幅方向、横方向、TD方向と称することがある。
本発明におけるポリエステルは、フィルムへの製膜が可能なものであれば、それ自体公知のものを採用できる。例えば、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸成分との重縮合によって得られる芳香族ポリエステルが好ましい。かかる芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、6,6’-(エチレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸などの6,6’-(アルキレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸が挙げられる。また、かかるジオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオールが挙げられる。
これらの中でも、高温での加工時の寸法安定性の点からは、エチレンテレフタレートまたはエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましく、特にエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましい。ここでいう主たるとは、好ましくは60モル%以上、70モル%以上、80モル%以上、さらに90モル%以上を意味する。
また、より環境変化に対する寸法安定性を向上させる観点から、国際公開2008/096612号パンフレットに記載された6,6’-(エチレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分、6,6’-(トリメチレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分および6,6’-(ブチレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分などの6,6’-(アルキレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分を共重合したものも挙げられる。好ましい(アルキレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分の共重合量は、全ジカルボン酸成分のモル数を基準として、5~40モル%の範囲、さらに6~35モル%の範囲、特に7~30モル%の範囲である。なお、6,6’-(アルキレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分を共重合する場合は、エチレンテレフタレートまたはエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート成分と、6,6’-(アルキレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分との合計量が、全酸成分の90モル%以上であることが好ましい。
本発明におけるポリエステルは、6,6’-(アルキレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分を含有しない場合はο-クロロフェノール中、35℃において、6,6’-(アルキレンジオキシ)ジ-2-ナフトエ酸成分を含有する場合はP-クロロフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒中、35℃において、測定したときの固有粘度が0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40~1.0dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.4dl/g未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足したりすることがある。一方、固有粘度が1.0dl/gを超える場合は重合時の生産性が低下する。
本発明におけるポリエステルの融点は、200~300℃であることが好ましく、更に好ましくは210~290℃、特に好ましくは220~280℃である。融点が下限に満たないと二軸配向フィルムの耐熱性が不十分な場合があり、融点が上限を超える場合は溶融混練する際の温度が非常に高温になり、熱劣化などを引き起こしやすくなる。
なお、本発明におけるポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で、それ自体公知の他の共重合成分をさらに共重合、例えば繰り返し単位のモル数に対して10モル%以下、さらに5モル%以下の範囲で共重合していてもよいし、他の熱可塑性樹脂などを、例えば20重量%以下、さらに10重量%以下の範囲でブレンドしても良い。
ところで、本発明の積層ポリエステルフィルムは、上述のポリエステルから製造できるが、巻取り高速で行うことができる範囲で維持しつつ、データストレージにしたときの電磁変換特性を高度に維持させる観点から、磁性層を形成する側の表面を形成するフィルム層Aに添加する粒子の平均粒子径は0.04~0.2μmが好ましく、0.06~0.18μmがより好ましく、0.07~0.17μmがさらに好ましく、0.08~0.16μmが特に好ましい。また、その含有量はフィルム層Aの質量を基準として、0.001~0.20質量%が好ましく、0.003~0.18質量%がより好ましく、0.005~0.16質量%がさらに好ましく、0.007~0.14質量%が特に好ましい。
また、磁性層を形成しない側の表面を形成するB層に添加する粒子は巻取り性向上の観点から少なくとも2種類以上の粒子を含有し、その平均粒子径はそれぞれ0.04~0.2μmが好ましく、0.06~0.18μmと0.07~0.45μmがより好ましく、0.07~0.17μmと0.10~0.42μmがさらに好ましく、0.08~0.16μmと0.13~0.39μmが特に好ましい。またその含有量はフィルム層Bの質量を基準として、それぞれ0.03~0.9質量%と0.05~0.5質量%が好ましく、0.05~0.7質量%と0.07~0.45質量%がより好ましく、0.07~0.6質量%と0.08~0.40質量%がさらに好ましく、0.09~0.5質量%と0.09~0.35質量%が特に好ましい。平均粒子径がこの範囲より小さい場合や含有量がこの範囲よりも少ない場合は、電磁変換特性は良好になるが、高速で巻き取ることが困難となりやすい。また、平均粒子径や含有量がこれらの範囲を超える場合、例えば記憶容量が3TB以上などの高記録密度のデータストレージのベースフィルムに用いると、電磁変換特性が悪化しやすくなる。
良好な電磁変換特性を達成するためにはフィルム層Aの表面粗さ(Ra)は5.0nm以下が好ましく、4.8nm以下がより好ましく、4.6nm以下がさらに好ましく、4.4nm以下が特に好ましい。また、良好な電磁変換特性と高速巻取り性の両立を実現するためにはフィルム層Bの表面粗さ(Ra)は5.0~10.0nmが好ましく、5.2~9.5nmの範囲がより好ましく、5.4~9.0nmの範囲がさらに好ましく、5.6~8.5の範囲が特に好ましい。
含有させる粒子としては、もともと粗大粒子を含まないか含有するとしても極めて少ない粒子が好ましい。そのため、粒径分布曲線がシャープなものにしやすく、一次粒子の状態で存在しやすい粒子が好ましく、シリコーン粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチレン粒子などの有機高分子粒子および球状シリカ粒子、シリカと有機高分子の複合体粒子、からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましく、特にシリコーン粒子、架橋ポリスチレン粒子および球状シリカ粒子、シリカーアクリルの複合体粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましい。もちろん、これらの粒子を含有させる場合は、さらに粗大粒子をなくすため、フィルターでのろ過を行ったり、分散剤で粒子の表面を処理したり、押出機での混練を強化することが好ましい。
これらの粒子は、磁性層を形成する表面と形成しない面で、粒子の種類が同じでも異なっていてもよいが、同じであることが、回収の容易さや転写を抑制するなどの点から好ましい。なお、本発明における平均粒子径が同じとは、粒子の平均粒子径(μm)を算出する際に、小数点三桁目を四捨五入して算出した小数点以下2桁までの値が同じであること、すなわち、平均粒子径が0.01μm以上の大きさで異ならないことを意味する。例えば、磁性層を形成する面と、磁性層を形成しない面に同じ平均粒子径を有する粒子を添加すると、表面に形成する粒子による突起が同様の高さを有するため、磁性層を形成しない表面から形成する表面への転写の抑制が可能であり、フィルムを回収して再利用する場合、どちらの層にも再利用ができたりする。
ところで、特開2015-39801号に記載されているようにサーマルアスピリティを悪化する原因の一つとして5つ以上の粒子により形成される凝集突起が知られている。サーマルアスペリティが悪化しないためには、A層の凝集突起が5個/cm以下であることが好ましく、3個/cm以下であることがより好ましい。同様の考えで、B層の凝集突起も10個/9cm以下であることが好ましい。好ましいA層における粒子5個以上の凝集突起の上限は2個/9cm以下、さらに1個/9cm以下である。また、好ましいB層における粒子5個以上の凝集突起の上限は6個/9cm以下、さらに4個/9cm以下である。
このような凝集突起を抑制する方法としては、特に制限されないが、含有させる粒子の分散性を極めて高くする必要があり、含有させる粒子として分散性の良い粒子を選択すること、粒子を分散させるポリエステルとして粒子が分散しやすいポリエステルを選択すること、粒子の分散性を高めるために粒子を重合時に添加し、さらに再度分散性を高めるための溶融混練を別途行うことなどが挙げられ、これらを組合せて行うことが好ましい。
つぎに、積層ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。まず、本発明におけるポリエステルの製造方法は、例えば芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とアルキレングリコールとをエステル化反応もしくはエステル交換反応させてポリエステルの前駆体を合成する第一反応と、該前駆体を重縮合反応させる第二反応とからなり、それ自体公知の方法を採用できる。
好ましい第一反応の条件については、常圧下で行ってもよいが、0.05MPa~0.5MPaの加圧下で行うことが反応速度をより速めやすいことから好ましい。また、第一反応の温度は、210℃~270℃の範囲で行うことが好ましい。反応圧力を上記範囲内とすることで反応の進行を進みやすくしつつ、ジアルキレングリコールに代表される副生物の発生を抑制できる。このとき、アルキレングリコール成分は、第一反応を行う反応系に存在する酸成分に対し1.1~6モル倍用いることが、反応速度及び樹脂の物性維持の点から好ましい。より好ましくは2~5モル倍、さらに好ましくは3~5モル倍である。
また、第一反応の反応速度をより早くするには、それ自体公知の触媒を用いることが好ましく、たとえばLi,Na,K,Mg,Ca,Mn、Co、Tiなどの金属成分を有する金属化合物が好ましく挙げられ、これらの中でも加圧下で行う場合は、反応の進みやすさの点からMnやTi化合物が好ましい。特にMn化合物は、含有させる不活性粒子の分散性をより向上させやすいことから好ましい。
添加する触媒量は、第一反応中に存在する全酸成分のモル数を基準として、金属元素換算で、10~150ミリモル%の範囲にあることが好ましく、さらに20~100ミリモル%、特に30~70ミリモル%の範囲にあることが反応速度を促進しつつ、触媒起因の粗大不溶性異物の生成を抑制でき、さらに得られる共重合芳香族ポリエステルの耐熱性を高度に維持できることから好ましい。なお、チタン化合物を添加する場合の添加時期は、第一反応のエステル化反応開始時から存在するように添加し、前述のとおり、引き続き重縮合反応触媒として使用することが好ましい。もちろん、重縮合反応速度をコントロールする目的で2回以上に分けて添加してもよい。
つぎに、第一反応で得られた前駆体を重縮合反応させる第二反応について説明する。
本発明では、得られるポリエステルに、高度の熱安定性を付与させる目的で、第二反応における重縮合反応の開始以前に、反応系にリン化合物からなる熱安定剤を添加することが好ましい。具体的なリン化合物としては、化合物中にリン元素を有するものであれば特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、リン酸アンモニウム、トリエチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテートなどを挙げることができ、これらのリン化合物は二種以上を併用してもよい。なお、リン化合物の添加時期は、第一反応が実質的に終了してから第二反応である重縮合反応初期の間に行うことが好ましく、添加は一度に行ってもよいし、2回以上に分割して行ってもよい。
ところで、重縮合反応の温度は270℃~300℃の範囲で行い、重縮合反応中の圧力は50Pa以下の減圧下で行うのが好ましい。重縮合反応中の圧力が上限より高いと重縮合反応に要する時間が長くなり且つ重合度の高い共重合芳香族ポリエステルを得ることが困難になる。重縮合触媒としては、それ自体公知のTi,Al,Sb,Geなどの金属化合物を好適に使用でき、これらの中でもMn-Sbを使用した場合、粒子の分散性を向上できることから好ましい。
また、粒子を含有させる方法については、アルキレングリコールのスラリー状態として、さらにフィルターなどによって粗大粒子を低減し、それを重合工程で添加して粒子含有量が0.02~1.0重量%の粒子含有マスターポリエステルを作成し、該マスターポリエステルを、粒子を含有しないポリエステルで希釈するのが、粒子の凝集による粗大突起を低減する上で好ましい。
このようにして得られるポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、ワックスなどの滑剤、難燃剤、離型剤、核剤、を必要に応じて配合しても良い。なお、良好な電磁変換特性を達成するためには、ポリエステルと非相溶な他の熱可塑性ポリマー、顔料、充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩などは含有させないことが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、例えば、磁性層用のポリエステルポリマーと、反対面を形成する用のポリエステルポリマーとを用意し、これらを溶融状態で積層してダイからシート状に共押出する工程、得られたシート状物を冷却固化することで、積層未延伸ポリエステルフィルムとする工程、そして得られた積層未延伸ポリエステルフィルムを製膜方向と幅方向に延伸することで製造できる。溶融状態で押し出す工程での温度は、未溶融物がなく、過度にポリエステルの熱劣化が進まない温度であれば特に制限されず、例えば、ポリエステルの融点(以下、Tmと称する:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で行うことが好ましい。つぎに、冷却については、得られる積層未延伸ポリエステルフィルムの平坦性を維持しつつ、厚み斑も少なくするために、フィルム製膜方向に沿ってダイの下方に設置された回転する冷却ドラムを用い、それにシート状物を密着させて冷却するのが好ましい。つづいて、延伸については、積層未延伸ポリエステルフィルムを、一軸方向(縦方向または横方向)に(ポリエステルのガラス転移温度(以下、Tgと称する)-10)℃~(Tg+60)℃の温度で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直交する方向にTg~(Tg+60)℃の温度で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸するのが好ましい。この際、前述した地肌指数を所望の範囲内に収めるため、横延伸温度は、(Tg+25)~(Tg+60℃)の範囲で延伸させることが望ましい。更に好ましくは(Tg+30)~(Tg+60℃)、特に好ましくは(Tg+30)~(Tg+55℃)が望ましく、最も望ましくは(Tg+35)~(Tg+55℃)の範囲が望ましい。この際、横延伸温度は、段階的に引き上げることが好ましく、いずれの温度も上記範囲内にあることが好ましい。横延伸温度がTgに対して低すぎたりすると過度な延伸時応力が粒子に集中し、その結果、粒子周辺のボイドが大きくなることで突起が高く且つ、大きなものとなる。一方、上述した温度領域でマイルドに横延伸させた場合、同時に横延伸倍率を通常よりも高くすることで粗面層側を平坦化させることができ、その結果、所望の高さと大きさを有する突起を形成することが可能になる。
さらに必要に応じて縦方向および/または横方向に再度延伸してもよい。このように延伸したときの全延伸倍率は、面積延伸倍率(縦方向の延伸倍率×横方向の延伸倍率)として9倍以上が好ましく、12~35倍がさらに好ましく、15~30倍が特に好ましい。さらにまた、二軸配向フィルムは、(Tm-70)~(Tm-10)℃の温度で熱固定することができ、例えば180~250℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間は0.1~60秒が好ましい。また、前述の延伸は逐次二軸延伸で説明したが、縦方向と横方向に同時に延伸する同時二軸延伸を用いても良い。
また本発明の積層ポリエステルフィルムは熱固定しながら、もしくは熱固定後に幅方向に弛緩しても良い。このように幅方向に弛緩することで、フィルムの幅方向の熱収縮率を適切な範囲に保つことができる。この弛緩自体は縦方向に行うこともできる。一方で、弛緩を実施するとフィルムのヤング率が低下し、所望のヤング率を確保できず、加工時に張力をかけられないこと等から、不具合を生じることもある。そのため、適切な弛緩率はフィルムのポリマー種類や製膜条件に強く依存するが、例えば、ポリエチレン-2,6-ナフタレートフィルムの製膜では、弛緩時の温度を210℃にして、弛緩率1.0%で製膜することが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、高密度磁気記録媒体のベースフィルムとして用いた際に優れた寸法安定性を発現するために、長手方向のヤング率が5GPa以上であることが好ましい。長手方向のヤング率が上述より低いと、フィルムのハンドリングで長手方向に張力がかかった際に伸びやすくなり不具合が起こる。一方上限については、制限はないが、上記ハンドリングの観点から高い方が好ましい。幅方向のヤング率は、ベースフィルムでの温度膨張係数を後述の範囲とさせやすい観点から、4~15GPa、さらに5~14GPa、特に6~13GPa、もっとも好ましくは7~11GPaの範囲であることが好ましい。幅方向のヤング率が下限未満では、磁気記録テープとしたときの温度膨張係数を小さくすることが困難となり、塗布工程での搬送張力に対してフィルムにシワが入りやすくなったりしてしまう、他方上限を超えると、磁気記録テープとしたときの温度膨張係数が過度に小さくなってしまう。そのような観点から、本発明の積層ポリエステルフィルムは製膜方向および幅方向に延伸によって配向させた2軸配向積層ポリエステルフィルムであることが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムの全厚みは、2.0μm以上8.0μm以下が好ましい。好ましい全厚みの下限は2.3μm、さらに2.6μmである。好ましい全厚みの上限は7μm、さらに6μm、特に5.5μmである。厚みが下限より小さい場合は、テープに腰がなくなるため、電磁変換特性が低下したり、塗布工程におけるシワが入りやすくなったりする。厚みが上限を超える場合は、テープ1巻あたりのテープ長さが短くなるため、磁気テープの小型化、高容量化が困難になりやすい。
より安価な積層ポリエステルフィルムを提供するために、製膜中に発生した製品とならないフィルムを回収して回収チップなどとして、それを用いてもよい。回収チップを用いる場合、磁性層を形成しないB層に添加することが好ましい。
ところで、B層の厚み比が大きすぎるとB層側に含有している大粒子がA層側へ突き上げてしまい、電磁変換特性の悪化やミッシングパルスへの原因となることがある。そのため、フィルムの全層厚みt(μm)に対するA層の厚みtA(μm)の比(tA/t)が0.383以上0.497以下の範囲が好ましく、0.386以上0.494以下の範囲がさらに好ましく、0.388以上0.492以下の範囲が特に好ましい。
本発明では、積層ポリエステルフィルムが良好な電子変換特性を有しつつ、高速で巻取ることが出来るかどうかを評価するにはシャトルテスターでフィルム同士を接触させたときのスペクトルの高速フーリエ変換によって得られるピーク値が有用であることが分かった。ここで、A面同士、B面同士、A面とB面を接触させたときに得られるピーク値をそれぞれPAA、PBB、PABと呼ぶ。すなわち、本発明の特徴は、PAA-PBBを30Hz以上とし、PABを200Hz以上とすることで優れた平坦性と生産性とを両立できることを見出したことにある。PAA、PBB、PABの好ましい範囲はPBB-PAAは35Hz以上かつ、PABは230Hz以上が好ましく、PBB-PAAは40Hz以上かつ、PABは260Hz以上がさらに好ましく、PBB-PAAは45Hz以上かつ、PABは290Hz以上が特に好ましい。各ピーク値が下限から外れてしまうと、高速で巻き取った時にしわが入りやすくなってしまう。一方、上限を外れると電磁変換特性の悪化やエラーレート、ドロップアウトの低減が出来なくなってしまう。
また、しわ等の欠点なくフィルムを巻きとるには磁性層を形成する側の表面と磁性層を形成しない側の表面とが接するようにフィルム同士を接触させたときの静摩擦係数および動摩擦係数を、それぞれ0.25~0.50と0.20~0.45の範囲とすることが好ましい。記録容量が3TBを超える高記録密度のデータストレージのベースフィルムの静摩擦係数と動摩擦係数のそれぞれの下限は0.25と0.20であるが、その上限は静摩擦係数の場合は、0.45以下が好ましく、0.42以下がさらに好ましく、0.40以下が特に好ましい。動摩擦係数は0.43以下が好ましく、0.40以下がさらに好ましく、0.38以下が特に好ましい。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムの磁性層を形成する側の層であるA層の表面の粗さ曲線のスキューネスRskが2.0から9.5の範囲であることが好ましい。ここで、Rskとは、JIS B 0601に従い、求められるものである。Rskが0のときは、凹部と凸部が対象な関係のときであり、正の値のときは凹部にひずんだ形状をしており、負の値のときは、凸部にひずんだ形状をしていることを表す。本発明の積層ポリエステルフィルムのA層のRskは2.5~9.0の範囲が好ましく、3.0~8.5の範囲が特に好ましく、3.5~8.0の範囲が特に好ましい。Rskが下限を下回ると、平滑になりすぎてしまい、高速での巻取り性が困難となりやすい。一方、Rskが上限を超えると、突起が急峻すぎて平滑性を損ないやすい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、高密度磁気記録テープ、特にデジタル記録型磁気記録テープのベースフィルムとして好ましく用いられる。そこで、本発明の積層ポリエステルフィルムを用いた磁気記録媒体について、さらに説明する。
本発明の磁気記録媒体は、上述の積層ポリエステルフィルムに磁性層を形成することで製造できる。なお、本発明の積層ポリエステルフィルムの表面には、磁性層などとの接着性を向上させるために、本発明の効果を損なわない範囲で、それ自体公知の易接着機能を有する塗膜層などを形成しても良い。
本発明の磁気記録テープにおける磁性層は、鉄または鉄を主成分とする針状微細磁性粉やバリウムフェライトをポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のバインダ―に均一分散し、その塗液を塗布して形成したものであり、前述のとおり、本発明の積層ポリエステルフィルムを使用することで、寸法安定性と電磁変換特性やエラーレート性能に選りすぐれた磁気記録テープとすることができる。
ところで、前述の通り記録密度を高めていくには磁性体を微細化していくことが必要で、そのため塗液から溶剤などの除去が難しくなり、加工性を維持しようとすると、乾燥などをより高温で行う必要がでてきた。そして、極めて平坦な表面を有するフィルムを高温で加工しようとすると、シワなどの問題があることを新たに見出し、本発明に到達した。
なお、磁性層は、その厚みが1μm以下、さらに0.1~1μmとなるように塗布するのが、特に短波長領域での出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用塗布型磁気記録テープとする観点から好ましい。また、必要に応じて、塗布型磁性層の下地層として、微細な酸化チタン粒子等を含有する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散し、塗設することも好ましい。
また、磁性層の表面には、目的、用途、必要に応じてダイアモンドライクカーボン(DLC)等の保護層、含フッ素カルボン酸系潤滑層を順次設け、さらに他方の表面に、公知のバックコート層を設けてもよい。
このようにして得られる塗布型磁気記録テープは、データ8ミリ、DDSIV、DLT、S-DLT、LTO等のデータ用途の磁気テープとして極めて有用である。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明におけるポリエステル、積層ポリエステルフィルムおよびデータストレージの特性は、下記の方法で測定および評価した。
(1)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度は、前述のとおり、o-クロロフェノール、35℃で測定し、o-クロロフェノールでは均一に溶解するのが困難な場合は、p-クロロフェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて35℃で測定して求めた。
(2)フィルム中の粒子の平均粒子径
(2-1)無機物粒子の平均粒子径
フィルム表面層のポリエステルをプラズマ低温灰化処理法(例えばヤマト科学製、PR-503型)で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリエステルは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)にて1万倍程度の倍率で粒子を観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(例えば、ケンブリッジインストルメント製、QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて少なくとも5,000個の粒子の面積円相当径(Di)を求める。この結果から粒子の粒径分布曲線を作成し、数平均を平均粒子径とした。なお、粒子種の同定はSEM-XMA、ICPによる金属元素の定量分析などを使用して行うことができる。また、添加する粒子の平均粒子径も、同様な測定を行って算出した。
(2-2)有機物粒子の平均粒子径
各フィルム層を100g程度削り取ってサンプリングし、ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択して、サンプルを溶解した後、粒子をポリエステルから遠心分離した。水もしくは適当な有機溶媒に0.1質量%となるように粒子を分散させた分散液をガラス基板上にドロップキャストした。溶媒を蒸発させて、基板上の粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて1万倍程度の倍率で粒子を観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(例えば、ケンブリッジインストルメント製、QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて少なくとも5,000個の粒子の面積円相当径(Di)を求める。この結果から粒子の粒径分布曲線を作成し、数平均を平均粒子径とした。なお、粒子種の同定はSEM-XMA、ICPによる金属元素の定量分析などを使用して行うことができる。
(3)粒子の含有量
(3-1)各層中の粒子の総含有量
積層ポリエステルフィルムからポリエステルA層、ポリエステルB層を各々100g程度削り採ってサンプリングし、ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択して、サンプルを溶解した後、粒子をポリエステルから遠心分離し、サンプル重量に対する粒子の比率(質量%)をもって各層中の粒子総含有量とする。
(3-2)各層中の無機粒子の総含有量
積層ポリエステルフィルム中に無機粒子が存在する場合は、ポリエステルA層、ポリエステルB層を各々削り採って100g程度サンプリングし、これを白金ルツボ中にて1,000℃程度の炉の中で3時間以上燃焼させ、次いでルツボ中の燃焼物をテレフタル酸(粉体)と混合し50グラムの錠型のプレートを作成する。このプレートを、波長分散型蛍光X線を用いて各元素のカウント値をあらかじめ作成してある元素毎の検量線より換算し各層中の無機粒子の総含有量を決定する。蛍光X線を測定する際のX線管はCr管が好ましくRh管で測定してもよい。X線出力は4KWと設定し分光結晶は測定する元素毎に変更する。材質の異なる無機粒子が複数種類存在する場合は、この測定により各材質の無機粒子の含有量を決定する。
(3-3)各層中の各種粒子の含有量(無機粒子が存在しない場合)
層中に無機粒子が存在しない場合は、前記(2)により求めたピークを構成する各粒子の個数割合と平均粒子径と粒子の密度から各ピーク領域に存在する粒子の重量割合を算出し、これと前記(3-1)で求めた各層中の粒子の総含有量とから、各ピーク領域に存在する粒子の含有量(質量%)を求める。
なお、代表的な微粒子の密度は下記のとおりである。
架橋シリコーン樹脂の密度 : 1.35g/cm3
架橋ポリスチレン樹脂の密度: 1.05g/cm3
架橋アクリル樹脂の密度 : 1.20g/cm3
なお、樹脂の密度は(3-1)の方法でポリエステルから遠心分離した粒子をさらに分別し、例えば、ピクノメーターにより「微粒子ハンドブック:朝倉書店、1991年版、150頁」に記載の方法で測定することができる。
(3-4)各層中の各種粒子の含有量(無機粒子が存在する場合)
層中に無機粒子が存在する場合は、前記(3-1)で求めた各層中の粒子の総含有量と前記(3-2)で求めた各層中の無機粒子の総含有量とから層中の有機粒子と無機粒子の含有量をそれぞれ算出し、有機粒子の含有量は上記(3-3)の方法で、無機粒子の含有量は上記(3-2)の方法で、それぞれ含有量(質量%)を求める。
(4)フィルムおよび各ポリエステル層の厚み
(4-1)フィルムの厚み
ゴミが入らないようにフィルムを10枚重ね、打点式電子マイクロメータにて厚みを測定し、1枚当たりのフィルム厚みを計算する。
(4-2)各ポリエステル層の厚み
2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ3,000nm迄の範囲のフィルム中の粒子の内もっとも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃度比(M/C)を粒子濃度とし、表面から深さ3,000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。そして一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、これを表層厚さとする。そして、先ほどのフィルムの厚みと表層厚みとから、各層の厚みを算出する。
条件は次のとおりである。
(a)測定装置:2次イオン質量分析装置(SIMS)
(b)測定条件
1次イオン種 :O
1次イオン加速電圧:12KV
1次イオン電流:200nA
ラスター領域 :400μm□
分析領域 :ゲート30%
測定真空度 :0.8Pa(6.0×10-3Torr)
E-GUN :0.5KV-3.0A
なお、表層から深さ3000nm迄の範囲にもっとも多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプロファイルを測定し、表層厚さを求めてもよい。
(5)ヤング率
フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして、引張速度10m/min、チャート速度500mm/minの条件でインストロンタイプの万能引張試験装置にて引っ張る。得られる荷重-伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算する。
(6)表面粗さ(Ra)
非接触式三次元表面粗さ計(ZYGO社製:New View7300)を用いて測定倍率25倍、測定面積283μm×213μm(=0.0603mm)の条件にて測定し、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetro Proにより中心面平均粗さ(Ra)を求め、これを表面粗さ(Ra)とした。なお、測定は測定箇所を変えて10回行い、それらの平均値を中心面平均粗さ(Ra)とした。また積層ポリエステルフィルムの平坦な側(A層側)の表面の表面粗さをRaA、粗い側(B層側)の表面の粗さをRaBとした。
(7)フィルムの静摩擦係数と動摩擦係数
積層ポリエステルフィルムサンプルを2.54cm×50cmと1.27cm×35cmのテープ状にそれぞれスリットした。幅1.27cmのサンプルの磁性層を形成しない面と幅2.54cmのサンプルの磁性層を形成する面が接するように幅2.54cmのサンプルをフィルム走行試験機(HOYO ELECTRONICS CORP. FRICTION TESTER SFT-1200S)のガイドローラーに抱き角が90度となるようにセットした。幅1.27cmのサンプルに荷重200gをかけた状態で5分間静置させたのちに、幅1.27cmのサンプル側を走行させた。張力をデータロガーで10msごとに取り込み、静摩擦係数をフィルムが動き始める時の張力、動摩擦をフィルムが動き始めてから20000msから50000msの範囲の張力の平均値を測定した。下記のオイラーのベルト理論から静摩擦係数および動摩擦係数をそれぞれ3回平均の値から求めた。
μ=2/π×ln(T2/T1)
T1:荷重=200gを掛けた状態での張力
T2:静摩擦もしくは動摩擦の張力
抱き角:90度
走行距離:10cm
走行速度:1mm/sec
ガイドローラーの径:1.3cm
(8)動摩擦領域のFFT解析
上記(7)で得られた動摩擦領域の張力のFFT解析を行った。フィルムが奏功し始めてから10000msから30470msまでの範囲を10msの間隔でデータを取り込み、得られた2048個のデータをFFT解析し、複素数の絶対値を振幅とする。その得られた波形の内、極端に振幅の大きくなる1~9Hzのデータを取り除いた波形をコサインロールパスフィルター(ロールオフ係=0.5)にて振動数0.03Hz以上の波を除去する。その波形の100Hz~600Hzの間で最大の振幅を示す周波数の値をピーク値とした。
(9)凝集突起数
フィルム表面層のポリエステルをプラズマ低温灰化処理法(例えばヤマト科学製、PR-503型)で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリエステルは灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)にて1万倍程度の倍率で粒子を観察する。フィルム表面上の突起は、延伸により粒子の周辺にボイドが発生する。ボイドの中に1つの粒子がある場合は凝集ではない。ボイドの中に5つ以上の粒子がある場合に凝集による突起とし、粒子5個以上の凝集突起とする。そして、100個のボイドを確認し、それに要した測定面積から9cmあたりに存在する粒子5個以上の凝集突起数を算出した。
(10)磁気テープの作成
各実施例及び比較例で得られた幅1000mm、長さ1000mの積層ポリエステルフィルムの粗面層(A層)側表面に、下記組成のバックコート層塗料をダイコータ(加工時の張力:20MPa、温度:120℃、速度:200m/分)で、塗布し、乾燥させた後、フィルムの平坦層(B層)側表面に下記組成の非磁性塗料、磁性塗料をダイコータで同時に膜厚を変えて塗布し、磁気配向させて乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ-装置(スチ-ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ-処理した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テ-プを12.65mmにスリットし、カセットに組み込み磁気記録テープとした。なお、乾燥後のバックコート層、非磁性層および磁性層の厚みは、それぞれ0.5μm、1.2μmおよび0.1μmとなるように塗布量を調整した。
<非磁性塗料の組成>
・二酸化チタン微粒子 :100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
<磁性塗料の組成>
・鉄(長軸:0.037μm、針状比:3.5、2350エルステッド):100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
<バックコート層塗料の組成:>
カーボンブラック :100重量部
熱可塑性ポリウレタン樹脂 :60重量部
イソシアネート化合物 :18重量部
(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)
シリコーンオイル :0.5重量部
メチルエチルケトン :250重量部
トルエン :50重量部
(11)電磁変換特性
電磁変換特性測定には、ヘッドを固定した1/2インチリニアシステムを用いた。記録は、電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.1μm)を用い、再生はMRヘッド(8μm)を用いた。ヘッド/テープの相対速度は10m/秒とし、記録波長0.2μmの信号を記録し、再生信号をスペクトラムアナライザーで周波数分析し、キャリア信号(波長0.2μm)の出力Cと、スペクトル全域の積分ノイズNの比をC/N比とし、上記(10)の方法で作成した比較例5を0dBとした相対値を求め、以下の基準で、評価した。
◎ : +1dB以上
○ : 0dB以上、+1dB未満
△ : -1dB以上、0dB未満
× : -1dB未満
(12)エラーレート
上記(10)で作製したテープ原反を12.65mm(1/2インチ)幅にスリットし、それをLTO用のケースに組み込み、磁気記録テープの長さが850mのデータストレージカートリッジを作成した。このデータストレージを、IBM社製LTO5ドライブを用いて23℃50%RHの環境で記録し(記録波長0.55μm)、次に、カートリッジを50℃、80%RH環境下に7日間保存した。カートリッジを1日常温に保存した後、全長の再生を行い、再生時の信号のエラーレートを測定した。エラーレートはドライブから出力されるエラー情報(エラービット数)から次式にて算出する。次の基準でエラーレートを評価する。
エラーレート=(エラービット数)/(書き込みビット数)
◎:エラーレートが1.0×10-6未満
○:エラーレートが1.0×10-6以上、1.0×10-5未満
△:エラーレートが1.0×10-5以上、1.0×10-4未満
×:エラーレートが1.0×10-4以上
(13)ドロップアウト(DO)
上記(12)でエラーレートを測定したデータストレージカートリッジを、IBM社製LTO5ドライブに装填してデータ信号を14GB記録し、それを再生した。平均信号振幅に対して50%以下の振幅(P-P値)の信号をミッシングパルスとし、4個以上連続したミッシングパルスをドロップアウトとして検出した。なお、ドロップアウトは850m長1巻を評価し、1m当たりの個数に換算して、下記の基準で判定する。
◎:ドロップアウト 3個/m未満
○:ドロップアウト 3個/m以上、9個/m未満
×:ドロップアウト 9個/m以上
(14)フィルム巻取り性
幅300mmのフィルムを、巻き取り速度80m/minで、張力一定条件で巻き取り、長さ6,000mのロールとした。このロールを温度25℃、湿度55%の条件で72時間保管後の外観を目視により観察し、以下の基準で判断し、Cを巻き取り性不良とした。
◎:しわ、または端面ずれが全く認められない
〇:しわが2箇所以下、かつ端面ずれが全く認められない
△:しわが2箇所以下、かつ端面ずれが1mm未満のもの
×:しわが3箇所以上、または1mm以上の端面ずれが認められるもの。
[実施例1]
平坦層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子A)を0.08質量%含有した固有粘度が0.62のポリエステルA層用ポリエチレン―2,6―ナフタレートペレット(ガラス転移温度:121℃、融点:265℃)と粗面層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子B1)を0.12質量%と平均粒子径0.30μmの真球状シリカ粒子(粒子B2)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルB層用ポリエチレン―2,6―ナフタレートペレット(ガラス転移温度:121℃、融点:265℃)を用意した。そして、それぞれペレットを170℃で6時間乾燥した後、2台の押出機ホッパーにそれぞれ供給し、溶融温度300℃で、A層:B層=40:60の厚み比率でダイから冷却ドラム上にシート状に共押出し、積層未延伸ポリエステルフィルムを得た。
このようにして得られた積層未延伸ポリエステルフィルムを、120℃に予熱し、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱し、延伸倍率5.0倍で縦方向(製膜方向)の延伸を行った。続いて、155℃に加熱されたステンター内に供給し、165℃、170℃に段階的に温度を上げながら、横方向に5.3倍に延伸(第1段)後、更に180℃に加熱されたステンター内に供給して再度横方向に1.2倍に延伸した後、215℃の熱風で4秒間熱固定し、その後、190℃、弛緩率0.27%で幅方向に弛緩をして、厚み4.0μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例2~11、比較例1~6]
含有させる、粒子A、粒子B1、粒子B2、粒子B3、各層の厚みを表1に示すように変更した他は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
Figure 0007303999000001
[実施例12]
平坦層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子A)を0.08質量%含有した固有粘度が0.62のポリエステルA層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)と粗面層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子B1)を0.12質量%と平均粒子径0.30μmの真球状シリカ(粒子B2)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルB層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)を用意した。そして、それぞれペレットを170℃で3時間乾燥した後、2台の押出機ホッパーにそれぞれ供給し、溶融温度280℃で、A層:B層=40:60の厚み比率でダイから冷却ドラム上にシート状に共押出し、積層未延伸ポリエステルフィルムを得た。
このようにして得られた積層未延伸ポリエステルフィルムを、75℃に予熱し、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が90℃になるように加熱し、延伸倍率4.8倍で縦方向(製膜方向)の延伸を行った。続いて、90℃に加熱されたステンター内に供給し、125℃、130℃に段階的に温度を上げながら、横方向に5倍に延伸(第1段)後、更に180℃に加熱されたステンター内に供給して再度横方向に1.2倍に延伸した後、230℃の熱風で4秒間熱固定し、その後、210℃、弛緩率1%で弛緩した後、厚み4.0μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
[実施例13~15]
含有させる、粒子A、粒子B1、粒子B2、粒子B3、各層の厚みを表2に示すように変更した他は、実施例12と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
[実施例16]
平坦層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子A)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルA層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)とポリエーテルイミドペレット(商標名:ULTEM1010)とを質量比97:3でブレンドした樹脂組成物、粗面層側に添加する粒子として、平均粒子径0.10μmの真球状シリカ粒子(粒子B1)を0.12質量%と平均粒子径0.30μmの真球状シリカ粒子(粒子B2)を0.08質量%含有した、固有粘度が0.62のポリエステルB層用ポリエチレン―テレフタレートペレット(ガラス転移温度:76℃、融点:255℃)とポリエーテルイミドペレット(商標名:ULTEM1010)とを重量比97:3でブレンドした樹脂組成物を、それぞれペレットの状態で170℃で3時間乾燥した後、2台の押出機ホッパーにそれぞれ供給し、溶融温度280℃で、A層:B層=40:60の厚み比率でダイから冷却ドラム上にシート状に共押出し、積層未延伸ポリエステルフィルムを得た。
このようにして得られた積層未延伸ポリエステルフィルムを、75℃に予熱し、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が90℃になるように加熱し、延伸倍率4.8倍で縦方向(製膜方向)の延伸を行った。続いて、90℃に加熱されたステンター内に供給し、125℃、130℃に段階的に温度を上げながら、横方向に5倍に延伸(第1段)後、更に180℃に加熱されたステンター内に供給して再度横方向に1.2倍に延伸した後、230℃の熱風で4秒間熱固定し、その後、210℃、弛緩率1%で弛緩した後、厚み4.0μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムのヤング率は縦方向4.9GPa、横方向7.6GPaであった。
得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
[実施例17]
含有させる、粒子A、粒子B1、粒子B2、粒子B3、各層の厚み、ポリエーテルイミドの量を表2に示すように変更した他は、実施例16と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
Figure 0007303999000002
表1および表2中のPETはポリエチレンテレフタレート、PENはポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート、PEIはポリエーテルイミド(SABICイノベーティブプラスチック社製のPEI“Ultem(登録商標)”1010)を意味する。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、塗布型磁気記録テープ、特にデータストレージのベースフィルムに好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 塗布型磁気記録テープに用いるベースフィルムであって、少なくとも磁性層を形成する側の表面を形成するA層と磁性層を形成しない側の表面を形成するB層の2層からなる積層ポリエステルフィルムであって、
    A層は平均粒子径0.04~0.2μmの粒子を0.001~0.20質量%含有し、B層は少なくとも2種類以上の粒子を含有し、その平均粒子径0.04~0.2μmの粒子を0.03~0.9質量%、平均粒子径0.25~0.45μmの粒子を0.05~0.5質量%含有し、
    フィルムの全層厚みt(μm)に対するA層の厚みtA(μm)の比(tA/t)が0.38以上0.50以下であり、
    非接触式三次元表面粗さ計を用いて測定倍率25倍で測定したときの表面粗さ(Ra)が、A層は5nm未満であり、B層は5~10nmの範囲にあり、
    A層とA層、B層とB層およびA層とB層をそれぞれ接触させてシャトルテスターで走行したときのフィルムが動き出してから10000msから30470msの範囲のスペクトルの高速フーリエ変換によって得られるピーク値を、それぞれPAA、PBBおよびPABとしたとき、PBB-PAAが30Hz以上で、かつPABが200Hz以上であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルが、エチレンテレフタレートまたはエチレン-2,6ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種を、ポリエステル組成物の質量を基準として、0.5~25重量%の範囲で含有する請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. A層の表面の粗さ曲線のスキューネスRskが2.0から9.5の範囲にある請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  5. A層の粒子5個以上の凝集突起が3個/9cm以下であり、B層の粒子5個以上の凝集突起が10個/9cm以下である請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  6. 磁性層を形成する側の表面と磁性層を形成しない側の表面とが接するように貼り合せた際の静摩擦係数が0.25~0.50であり、動摩擦係数が0.20~0.45の範囲にある請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルムと、その磁性層を形成する側の表面に塗布形成された磁性層とからなる塗布型磁気記録テープ。
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