JPH076131B2 - 超高強度炭素繊維の製造方法 - Google Patents

超高強度炭素繊維の製造方法

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JPH076131B2
JPH076131B2 JP60283137A JP28313785A JPH076131B2 JP H076131 B2 JPH076131 B2 JP H076131B2 JP 60283137 A JP60283137 A JP 60283137A JP 28313785 A JP28313785 A JP 28313785A JP H076131 B2 JPH076131 B2 JP H076131B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は炭素繊維を原料とし、該炭素繊維表面を処理す
ることによって得られる超高強度炭素繊維の製造方法、
特にコンポジットの補強繊維としてコンポジットの機械
的強度、特に引張強度を著しく改良、向上させる超高強
度炭素繊維の高速でかつ生産性よく製造する方法に関す
る。
[従来技術] 炭素繊維のマトリクス樹脂に対する接着性を改良するた
めに炭素繊維を陽極として電解処理する方法は公知であ
る(例えば、特公昭47−26999号公報、特公昭47−40119
号公報、特公昭55−20033号公報など)。また、これら
の電解処理を能率的に行うための改良法として、複数あ
るいは単数の陽極ローラを介して同一陰極槽内に複数回
糸を通る方法(特開昭47−16729号公報、特公昭48−124
44号公報)が提案されている。また単なる電解処理の一
実施態様として同様な方法(特開昭58−24554号公報、
特開昭58−116469号公報、特開昭58−104222)も公知で
ある。しかし、これらのいずれの方法も、炭素繊維その
ものの強度あるいはコンポジットの引張強度を改良、向
上させる技術ではなかった。
一方、炭素繊維あるいは該炭素繊維を補強繊維とするコ
ンポジットの引張強度を改良、向上させる表面処理方法
として、炭素繊維を無機酸濃厚水溶液に浸漬して炭素繊
維の表面を除去、即ちエッチングしたのち、高温の不活
性雰囲気中で加熱して前記酸処理によって発生した繊維
表面の官能基を除去することが知られている(例えば、
特開昭54−59497号公報及び特公昭52−35796号公報)。
これらの処理方法は、高濃度高温度の無機酸水溶液中で
長時間の処理を行うために、炭素繊維の生産性が低下し
て工業的には実施可能性が小さいし、しかもその処理自
体が苛酷であるため、かえって炭素繊維の構造、特に繊
維表面層の結晶構造を損傷することがあり、必ずしも前
記処理によって炭素繊維の強度が改良、向上するもので
はなかった。
他方、本発明者らは、先に高濃度の無機酸水溶液によ
り、炭素繊維の表面を処理した後、不活性雰囲気中で加
熱処理して繊維表面の官能基を除去する処理条件を特定
化し、それによって繊維表面の欠陥を除去すると共に、
表面の薄層を非晶化すると、炭素繊維の強度が向上する
ことを見出し提案した(特開昭58−214527号公報)が、
この方法も炭素繊維自体の強度向上は著しいが、この炭
素繊維を補強繊維とするコンポジットとした場合、特定
の樹脂以外ではその強度が発現し難いばかりか、処理時
間の短縮が意図するほどに達しないという問題があっ
た。
そこで、上記問題を解決すべく、本発明者らは、処理時
間が短く、連続処理が可能で、超高強度の炭素繊維が製
造でき、かつその強度を複合材料に実質的に反映できる
炭素繊維の強度向上手段について検討し、特定の電解液
中で炭素繊維を陽極として電気化学的に酸化処理し、次
いで該炭素繊維表面を不活性化する方法を提案した(特
願昭59−127389号公報、同59−129390号公報)。
しかしながら、上記の提案においても工業的規模で、生
産性よく製造するために電解処理を高速(糸速3m/分以
上)で実施しようとすると、強度向上効果が低下し、所
望する高強度炭素繊維が得難く、特に被処理炭素繊維が
太繊度化するとこの傾向が著しいという問題があった。
しかも高速処理により処理電圧が増大するため、作業の
安全性にも問題があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は上記従来技術の問題点を解消し、超高強
度炭素繊維を高速で生産性良く、しかも安全に製造する
方法を提供するにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の上記目的は、炭素繊維を少なくとも40℃に保た
れた酸及び/またはその塩の電解液中で該炭素繊維を陽
極として、少なくとも2層に独立分割された陰極槽を連
続的に通過させて電解処理するに際して、陰極槽1槽当
りの処理電圧を25V以下、1槽当りの電流密度を炭素繊
維の表面積1m2につき200A以下とし、かつ炭素繊維1g当
りの処理電気量が処理全槽の合計で少なくとも50クーロ
ンとして強電解処理を施した後、次いで炭素繊維表面を
400〜900℃の温度雰囲気に保たれた不活性雰囲気、還元
性雰囲気またはこれらの混合雰囲気中で不活性化処理す
ることによって達成できる。
すなわち本発明の方法は、従来の炭素繊維を複数あるい
は単数の陽極ローラーを介して同一陰極槽内を複数回通
過させる樹脂との接着性向上を目的として電解処理とは
異なり、炭素繊維を少なくとも2槽に独立分解された陰
極槽を連続的に通過させ、次いで不活性化処理を行うこ
とにより高速下で強度を高速に向上させるところに特徴
がある。
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
本発明に使用される炭素繊維としては、特に限定される
ものではなく、各種の炭素繊維を用いることができる
が、好ましくはアクリロニトリル系繊維をプレカーサと
し、この繊維を酸化性雰囲気中で加熱、酸化した後、不
活性雰囲気中でより高温下に加熱して炭化することによ
って得られる炭素繊維もしくは黒鉛繊維である。
本発明に用いる電解液は、硝酸、硫酸、塩酸等の無機
酸、およびギ酸、シュウ酸、酒石酸等の有機酸あるいは
それらのアンモニウム塩、カルシウム塩、アルミニウム
塩等の塩から選ばれた少なくとも一種または二種の酸、
あるいは塩を必須成分とする水溶液を用いることができ
るが、特に好ましくは硝酸あるいは硝酸塩の水溶液が良
い。
上記の酸あるいは塩の水溶液の温度としては、本発明の
目的とする大きな強度向上効果を得るためには、40℃以
上に保つことが必要である。水溶液の温度の上限は特に
限定されるものではなく、水溶液の沸点以下で用いるこ
とができるが、プロセス性、安全性等から40〜100℃の
範囲が好ましい。
また、上記水溶液の濃度は、特に限定されるものではな
く、その温度における溶解度までの範囲で用いることが
できる。例えば電解質として硝酸、硝酸アンモニウムあ
るいはギ酸を用いた場合には、何れの場合も約0.1%以
上の濃度範囲で強度向上効果が得られるが、好ましくは
安全性、装置材料、およびコスト等を考慮して、0.1〜7
0%の範囲とするのがよい。
炭素繊維は、上記の温度、濃度に保たれた酸あるいはそ
の塩の水溶液中に、連続的に高速で導入し、炭素繊維を
陽極として数段階に分けて強電解処理するが、陰極槽数
としては通常2〜15槽、好ましくは4〜12槽程度にする
のがよい。
この際陰極槽数は強度向上を支配する処理条件との関係
において決めるのが良く、特に処理1槽当りの電圧、電
流密度及び処理全槽の電気量の合計との関係において決
める必要がある。過度に陰極槽数を増やしても強度向上
効果は飽和し、かえって電流漏洩や装置のコストアップ
を招き好ましくないし、また陰極槽数が1槽では高速処
理時の強度向上効果が小さく本発明の目的を達し得な
い。
本発明に用いる電解処理槽の例を第1図および第2図に
示した。第2図に示すように、陽極として導電性ローラ
を用いるタイプあるいは第1図に示すように、炭素繊維
と電極とが非接触状態に保たれる陽極を用いるタイプい
ずれの場合でもよいが、特に後者のタイプは陽極ローラ
及びガイドローラに起因した炭素繊維の毛羽発生や強度
低下がなく、かつプロセス性に優れるため好ましい。
非接触タイプの陽極の通電媒体としては、通常処理電解
液を使用するのが好ましいけれども、他の電解液や水銀
等を用いても同様の効果を期待することができる。
また、独立分割された陰極槽に前段から後段に向って電
解液の濃度、温度に勾配を設けて処理を徐々に行った
り、あるいは処理電気量を前段から後段に向け勾配を設
け同様の処理を行ったり、さらには電解液を2種以上に
分けて用いることは、本発明の目的とする炭素繊維の強
度向上効果の点からより有利であるが、操作上の簡便さ
から同一電解質、温度、濃度、電気量を用いてもよい。
そして処理全段の総電気量は、目的とする表面酸化エッ
チングによる炭素繊維表面に存在する欠陥除去効果を得
るためには、炭素繊維1g当り50クーロン以上が必要であ
る。処理全段の総電気量があまり大きすぎるとかえって
強度が低下することもあるので、好ましくは炭素繊維1g
当り50〜100クーロン、より好ましくは炭素繊維1g当り1
00〜800クーロンの範囲内にするのが良い。
また、陰極槽1槽当りの電流密度は、電解液中の炭素繊
維の表面積1m2当り200A以下、好ましくは1.5〜200Aの範
囲内とする。電流密度が200Aを超えると、急激な電解酸
化のため糸条の不均一処理等が起こり強度向上効果が小
さい。
また、各槽の処理電圧(炭素繊維と陰極間の最高電圧)
は、処理電気量、被処理炭素繊維の炭化度、処理速度及
び装置定数に依存するが、処理1槽当り25V以下好まし
くは20V以下とする。1槽当りの電圧が高過ぎるとと炭
素繊維のジュール発熱のため、かえって強度低下が起こ
る。また、作業の安全性(操作時の電気シヨック、スパ
ーク等)の面からも前記電圧以下がであることが必要で
ある。
次に、上記のごとく電解処理された炭素繊維は、引続い
て不活性化処理、速ち、窒素、ヘリュウム、アルゴン等
の不活性気体あるいは水素、硫化水素、ヨウ化水素、ア
ンモニア等の還元性気体中またはこれらと不活性ガスと
の混合気体中で約400〜900℃、好ましくは650〜850℃の
温度によって繊維表面に生じた官能基を除去する必要が
ある。
すなわち、前記電解処理によって形成された繊維表面の
官能基がそのまま残存すると、得られた繊維を補強繊維
とするコンポジットは、その引張強度が低く、実質的に
その実用性能を失うことになる。したがって、本発明に
おいては、電解処理後の炭素繊維に対して前記不活性処
理を施すことが必須であるが、特に、その際の処理温度
としては、従来炭素繊維が分解すると言われている温度
以上、即ち、600℃を越える温度範囲で加熱し、これに
より初めて本発明の目的とする炭素繊維の超高強度化が
達成できるようになる。
ただし、この不活性化処理では、炭素繊維表面の官能基
を、ただ完全に除去すれば良いというものではなく、X
線光電子分光法(ESCA)によって測定される炭素繊維表
面の酸素濃度(O1S/C1S)が0.10〜0.4の範囲になるよう
に処理するのがよい。
[発明の効果] 以上、詳述したように、本発明は炭素繊維の強度特性、
就中該炭素繊維を補強繊維とするコンポジット引張強度
の向上を目的として、炭素繊維を陽極として、該炭素繊
維を少なくとも2層に独立分割された陰極槽を連続的に
通過させる強電解処理を施し、次いでこの強電解処理に
よって形成された炭素繊維表面の官能基を不活性化する
ことを特徴とし、これによって、 a)高速下での処理において、特にコンポジット強度が
著しく向上した高強度炭素繊維が得られること、 b)高速下での強電解処理が比較的低電圧で行えるた
め、操業時の安全性が著しく向上すること、および c)均一処理が可能になり、被処理炭素繊維の太繊度化
に対応し易いこと など、炭素繊維の工業的生産上、極めて顕著な効果を奏
するのである。
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
なお、炭素繊維の物性は次の測定法に従った。
樹脂含浸ストランド強度測定法 JIS−R−7601に規定されている樹脂含浸ストランド試
験法に準じて測定した。この場合に次の2種類の樹脂処
方AおよびB並びに硬化条件を用いて試験し、樹脂依存
性も併せて評価した。
樹脂処方A: ・“チッソノックス"221 100部 ・3−フッ化硼素モノエチルアミン(BF3MEA) 3部 ・アセトン 4部 硬化条件:130℃、30分。
樹脂処方B: ・“エピコート"828 35部 ・N,N,N′,N′−テトラグリシジルアミノ ・ジフェニルメタン(“ELM"434) 35部 ・“エピクロン"152 30部 ・4,4′−ジアミノジフェニルスルホン(DDS) 32部 ・BF3MEA 0.5部 強化条件:樹脂濃度が55%のメチルエチルケトン溶液を
使用して含浸し、硬化条件としては、60℃の真空乾燥機
中で約12時間脱溶媒した後180℃で約2時間加熱した。
各10回のストランドの試験値の平均値をもって示した。
実施例1 アクリロニトリル(AN)99.5モル%、イタコン酸0.5モ
ル%からなる固有粘度〔η〕が1.80のAN共重合体のジメ
チルスルホキシド(DMSO)溶液にアンモニアを吹込み、
該共重合体のカルボキシル末端基水素をアンモニュウム
基で置換してポリマを変性し、この変性ポリマの濃度が
20重量%であるDMSO溶液を作成した。
この溶液を十分に過した後、孔径0.15mm、孔数4500ホ
ールの紡糸口金を通して一旦空気中に吐出し、約3mmの
空間を走行させた後、約30℃30%のDMSO水溶液に導入し
て吐出繊維糸条を凝固せしめた。得られた凝固繊維糸条
を水洗し、温水中で4倍に延伸して水膨潤繊維糸条を得
た。この水膨潤繊維糸条をポリエチレングリコール(PE
G)変性ポリジメチルシロキサン(PEG変性量50重量%)
の0.8%水溶液とアミノ変性ポリジメチルシロキサン
(アミノ変性量1重量%)85部とノニオン系界面活性剤
15部からなる0.8%水分散液の混合油剤浴中に浸漬した
後、表面温度130℃〜160℃の加熱ロール上で乾燥、緻密
化した。乾燥、緻密化した繊維糸状を加熱スチーム中で
3倍に延伸し、単糸繊度が0.7デニール(d)、トータ
ルデニール3150(D)のアクリル系繊維糸状を得た。
このトータルデニールが3150Dのアクリル系繊維糸状
を、リング状ノズルを用いて、圧力0.7kg/cm2のエァー
開繊処理を施し、240〜260℃の空気中で延伸倍率1.05の
下に加熱し水分率が4.5%の酸化繊維糸状を作成した。
次いで、この酸化繊維糸状を最高温度が1400℃の窒素雰
囲気中で300〜700℃の温度域における昇温速度を約250
℃/分、1000〜1200℃の温度域における昇温速度を約40
0℃/分に設定して炭素化し、炭素繊維糸状を得た。
得られた炭素繊維糸状の樹脂含浸ストランド強度(樹脂
処方A)は510kg/mm2であった。
かくして得られた原料炭素繊維を第1図に示した4槽に
独立分割された陰極槽を有する電解槽、即ち、処理分解
液を通じて陽極槽から陽電圧を印加する電解槽に導入
し、温度80℃、濃度30%の硝酸水溶液中を糸速5m/分で
連続的に走行させると共に、炭素繊維に該陽極槽6から
陽電圧を印加し、電解槽中に配した陰極との間に4槽2a
〜2dの合成が炭素繊維1g当りの電気量で200クーロンに
なるように電流を流した。
なお、電解処理槽中の炭素繊維の浸漬長は、約1.0mであ
り、処理時間は12秒であった。
このようにして得られた電解処理後の炭素繊維を、充分
に水洗し、約200℃の加熱空気中で乾燥した後、700℃の
窒素雰囲気中で約0.5分間加熱して不活性化処理を行な
った。
以上の電解処理条件、不活性化処理条件および該処理に
よって得られた炭素繊維物性等について第1表にまとめ
た。
実施例2 実施例1で得られた原料炭素繊維を、実施例1の電解槽
を2組直列に設置した電解槽(陰極性8槽、陽極槽9
槽)を用いて糸速10m/分で処理を行なった。このときの
電解、不活性化条件と得られた炭素繊維の物性を第1表
に示した。
比較例1、参考例1 実施例1で得られた原料炭素繊維を、実施例1の電解槽
1槽のみ(陽極槽2+陰極槽1)を用いて糸速度5m/分
および0.5m/分で処理した。このとき炭素繊維1g当りの
電気量および処理液条件、不活性化条件などはすべて実
施例1と同一条件とした。得られた炭素繊維物性等につ
いて第1表にまとめた。
比較例2、参考例2 実施例1で得られた原料炭素繊維を処理時の電流密度を
低下させるために、陰極における浸漬長を長くした第3
図に示した電解槽(炭素繊維の浸漬長及び陽極と電解液
面との距離は、実施例1と同一)を用いて糸速度5m/分
および0.5m/分で処理した。このとき炭素繊維1g当りの
電気量および処理液条件、不活性化条件などはすべて実
施例1と同一条件とした。得られた炭素繊維物性等につ
いて第1表にまとめた。
比較例3 実施例1で得られた原料炭素繊維を用い実施例1と同一
タイプの電解槽において、陰極槽長を実施例1の1/5に
短くし、処理における電流密度を高くした他は実施例1
と同一の電解、不活性化条件で処理を行なった。得られ
た炭素繊維の物性を第1表に示した。
比較例4 実施例1で得られた原料炭素繊維を実施例1と同一の電
解槽及び条件で処理を行なったが、不活性化処理を行な
わなかった場合の炭素繊維物性を第1表に示した。
実施例3〜5、比較例5〜9 実施例1で得られた原料炭素繊維を、実施例1と同一処
理方法で、電解処理条件および不活性化条件をそれぞれ
第2表に示す通り変更して数水準の炭素繊維を作製し
た。
これらの炭素繊維の物性を第2表に示した。
実施例7 実施例1で得られた原料炭素繊維を第2図で示した電解
槽(炭素繊維の浸漬長及び陽極と電解液面との距離は実
施例1と同一)を用いて糸速度5m/分で処理した。この
とき炭素繊維1g当りの電気量および不活性化条件などは
すべて実施例1と同一条件とした。得られた炭素繊維物
性等について第2表にまとめた。
比較例10 実施例1で得られた原料炭素繊維を複数の陽極ローラを
介して同一陰極槽中を複数回通過させる第4図で示した
電解槽(炭素繊維の浸漬長及び陽極と電解液面との距離
は実施例1と同一)を用いて糸速度5m/分で処理した。
このとき炭素繊維1g当りの電気量および不活性化条件な
どはすべて実施例1と同一条件とした。
得られた炭素繊維物性等について第2表にまとめた。
実施例6 実施例1で得られた原料炭素繊維を実施例1と同一の電
解槽、電解液を用いて糸速5m/分で処理した。このと
き、電解槽の前段(陰極槽2槽、陽極槽2槽)の電解液
温度を60℃、後段(陰極槽2槽、陽極槽3槽)の電解液
温度を80℃とし、処理電気量を全槽の合計で250クーロ
ン/gとした。得られた炭素繊維の物性及び他の処理条件
を第2表に示した。
実施例8〜9、比較例11〜12 実施例1の原糸を4本合糸し、トータルデニール12600
の繊維束を作り、これを実施例1と同一条件で焼成し、
樹脂含浸ストランド(樹脂処理A)強度500kg/mm2の炭
素繊維を得た。
この炭素繊維及び実施例1で得られた炭素繊維を実施例
1及び比較例2の電解槽を用いて処理を行なった。
処理条件及び得られた炭素繊維物性を第3表に示した。
【図面の簡単な説明】
第1および2図は、本発明に使用する電解処理プロセス
の1態様を示す概略図、第3および4図は、従来の電解
処理槽を示す概略図である。 図において、1は処理繊維糸条、2a〜2eは電解槽、3は
陽極端子(白金コーテイングローラ)、4は陰極
(板)、5はガイドローラ(セラミックローラ)、6は
陽極槽を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:40 (56)参考文献 特開 昭60−239521(JP,A) 特開 昭54−59497(JP,A) 特開 昭59−116469(JP,A) 特公 昭58−5288(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維を少なくとも40℃に保たれた酸及
    び/またはその塩の電解液中で該炭素繊維を陽極とし
    て、少なくとも2層に独立分割された陰極槽を連続的に
    通過させて電解処理するに際して、陰極槽1槽当りの処
    理電圧を25V以下、1槽当りの電流密度を炭素繊維の表
    面積1m2につき200A以下とし、かつ炭素繊維1g当りの処
    理電気量が処理全槽の合計で少なくとも50クーロンとし
    て強電解処理を施した後、次いで炭素繊維表面を400〜9
    00℃の温度雰囲気に保たれた不活性雰囲気、還元性雰囲
    気またはこれらの混合雰囲気中で不活性化処理すること
    を特徴とする超高強度炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】酸及び/またはその塩の電解液が硝酸また
    はその塩を必須成分とする水溶液であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の超高強度炭素繊維の製造
    方法。
JP60283137A 1985-12-18 1985-12-18 超高強度炭素繊維の製造方法 Expired - Lifetime JPH076131B2 (ja)

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