JPH11124744A - 炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法

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JPH11124744A
JPH11124744A JP28722997A JP28722997A JPH11124744A JP H11124744 A JPH11124744 A JP H11124744A JP 28722997 A JP28722997 A JP 28722997A JP 28722997 A JP28722997 A JP 28722997A JP H11124744 A JPH11124744 A JP H11124744A
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carbon fiber
fiber
precursor fiber
precursor
silicon
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JP28722997A
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Katsumi Yamazaki
勝巳 山▲ざき▼
Masaru Tanaka
勝 田中
Yoji Matsuhisa
要治 松久
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Abstract

(57)【要約】 【課題】前駆体繊維表層部への油剤の浸入を抑制し、引
張強度の高い炭素繊維を製造できる炭素繊維前駆体繊維
および炭素繊維の製造方法を提供する。 【解決手段】下記(1)式で定義されるケイ素の単糸内
濃度比R1が1〜10であることを特徴とする炭素繊維
前駆体繊維。 R1=Si100 /Si800 …(1) ただし、Si100 :SIMSで測定した深さ100nm
でのケイ素カウント数 Si800 :SIMSで測定した深さ800nmでのケイ
素カウント数

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引張強度の優れた
炭素繊維を得るための炭素繊維製造前駆体繊維および炭
素繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は他の繊維に比べて優れた比強
度および比弾性率を有するため、その優れた機械的特性
を利用して樹脂との複合材料用の補強繊維として工業的
に広く利用されている。近年、炭素繊維複合材料の優位
性はますます高まり、特にスポーツ、航空宇宙用途にお
いてはこの炭素繊維複合材料に対する高性能化、特に高
強度化要求が強い。
【0003】このような高強度炭素繊維を製造するため
には、破断の開始点となるような欠陥の生成を抑制する
ことが必要である。特に、炭素繊維の破断は大部分表層
から開始しており、表層部の欠陥の寄与が大きい。表層
部の欠陥としては単糸間接着に起因する表面欠陥および
表層部のミクロボイドの影響が大きい。
【0004】単糸間接着に対しては製糸の工程油剤の耐
熱性を上げることが焼成での単糸間接着を抑制するため
に有効であり、具体的には耐熱性の高いシリコーン系油
剤を製糸工程油剤に適用する技術が提案されている。た
とえば特公昭60−18334号公報、特公昭53−1
0175号公報、特開昭60−99011号公報、およ
び特開昭58−214517号公報にシリコーン油剤の
適用が提案されており、さらにそのシリコーン油剤の耐
熱性を改善する技術(特公平4−33862号公報、特
公昭58−5287号、特開昭60−146076号公
報)、特にエポキシ変性シリコーン油剤の適用(たとえ
ば特公平4−29766号公報、特公昭60−1833
4号公報)、アミノ変性シリコーンとエポキシ変性シリ
コーンとの組み合わせ適用(特公平4−33892号公
報、特公平5−83642号公報)、およびアミノ変性
シリコーン、エポキシ変性シリコーンおよびアルキレン
オキサイド変性シリコーンとの組み合わせ適用(特公平
3−40152号公報)などが提案されている。
【0005】さらに、油剤の均一付与で単糸間接着を防
止するため2段階に分けて油剤を付着させる方法(例え
ば特公昭62−24526号公報、特公平1−1692
9号公報)が提案されている。しかし、これらの方法を
用いて単糸間接着を抑制しても表層部のミクロボイドに
よる破壊のために炭素繊維の強度が十分向上しないとい
う問題があった。
【0006】本発明者らは鋭意検討の結果、表層部のミ
クロボイドは水膨潤糸条へ付与した製糸工程油剤が繊維
表層部に浸入して緻密化を阻害することに起因すること
を見出したが、従来の技術では工程油剤の浸入を十分に
抑制することは困難であった。たとえば、製糸技術によ
る前駆体繊維のミクロボイド減少技術として、凝固浴条
件を最適化することにより未延伸糸を緻密にする技術
(特開昭59−82420号公報)、浴延伸温度をでき
るだけ高くすることにより延伸糸を緻密にする技術(た
とえば特公平6−15722号公報)などが開示されて
いる。しかしこのような技術による表層部への油剤浸入
抑制効果は不十分であり、炭素繊維の高強度化効果はま
だ不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術では抑制できなかった、前駆体繊維表層部への
油剤の浸入を抑制し、引張強度の高い炭素繊維を製造で
きる炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】まず、本発明の炭素繊維
前駆体繊維は上記課題を達成するために次の構成を有す
る。すなわち、下記(1)式で定義されるケイ素の単糸
内濃度比R1が1〜10であることを特徴とする炭素繊
維前駆体繊維。
【0009】 R1=Si100 /Si800 …(1) ただし、Si100 :SIMSで測定した深さ100nm
でのケイ素カウント数 Si800 :SIMSで測定した深さ800nmでのケイ
素カウント数 また、上記課題を達成するために本発明の炭素繊維前駆
体繊維の製造方法は次の構成を有する。すなわち、95
モル%以上のアクリロニトリルと5モル%以下の耐炎化
促進成分からなるポリマーを、湿式あるいは乾湿式紡糸
した後、70℃以上の温水中で延伸して膨潤度100%
以下とし、該糸条に1回目の油剤付与としてシリコーン
系化合物からなる油剤をケイ素の含有量が0.01〜
0.1wt%になるように付与し、次いで乾燥緻密化
し、しかる後該糸条に2回目の油剤付与としてシリコー
ン系化合物からなる油剤をケイ素の含有量が0.02〜
5wt%になるように付与することを特徴とする炭素繊
維前駆体繊維の製造方法である。
【0010】さらに、上記課題を達成するために本発明
の炭素繊維の製造方法は次の構成のいずれかを有する。
すなわち、上記炭素繊維前駆体繊維を焼成することを特
徴とする炭素繊維の製造方法、または、上記製造方法に
より得られた炭素繊維前駆体繊維を焼成することを特徴
とする炭素繊維の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明の炭素繊維前駆体繊維は、製糸工程
油剤が表層部に実質的に浸入していない、もしくは浸入
量が極めて少ない炭素繊維前駆体繊維であり、具体的に
は下記(1)式で定義されるケイ素の単糸内濃度比R1
が1〜10であることを特徴とする炭素繊維前駆体繊維
である。
【0013】 R1=Si100 /Si800 …(1) ただし、Si100 :SIMSで測定した深さ100nm
でのケイ素カウント数 Si800 :SIMSで測定した深さ800nmでのケイ
素カウント数 本発明の前駆体繊維はケイ素の単糸内濃度比R1が1〜
10である。シリコーン系化合物の油剤の浸入は、繊維
表面から内部へ浸入するので、ケイ素は繊維表面に多く
存在し、内層ほど濃度が薄くなる分布を示すが、従来の
炭素繊維前駆体繊維はこの単糸内濃度比R1が10を超
えており、100nm以上の深さまで深く浸入してお
り、800nm以上の深さでも濃度が減少している。そ
れに対して、本発明の炭素繊維前駆体繊維は、100n
mまでの深さで濃度が低下し、100nmから800n
mの深さでは濃度勾配が1〜10と小さく、800nm
以上の深さではほぼ一定となる分布を示す。R1は小さ
いほどより浅い深さで濃度が低下し、それ以上の深さに
は浸入していないことを示すので小さいほど好ましい。
具体的には1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、
1〜2がさらに好ましい。1未満になることは内層の方
がケイ素の濃度が高いことになるため現実的には1が下
限である。
【0014】またケイ素の単糸内濃度比R1は次の方法
によりSIMSを用いて測定されたものである。
【0015】すなわち前駆体繊維を束で引き揃え、真空
中繊維側面より一次イオンを照射し、照射によって生成
する二次イオンを次のような測定条件で求め、横軸を繊
維表面からの深さ、縦軸をカウント数として深さ方向の
濃度分布図を得た。この濃度分布図から深さ200nm
および800nmでのケイ素カウント数を求め、その比
をR1としたものである。
【0016】 装置:ドイツATOMIKA社製 A−DIDA3000 一次イオン種 :O2+ 一次イオンエネルギー:12keV 一次イオン電流 :100nA ラスター領域 :250×250μm ゲート率 :30% 分析領域 :75×75μm 検出二次イオン :正イオン 電子スプレー条件 :0.6kV−3.0A(F7.5) 測定時真空度 :1×10−8Torr H−Q−H :#14 水膨潤糸条に付与したシリコーン系油剤が繊維内に浸入
して緻密化を阻害された部分は、前駆体繊維の表層ボイ
ドとして残存して焼成後の炭素繊維の欠陥となる。この
前駆体繊維のボイドの程度は、ヨウ素吸着による明度差
ΔLで現され、ΔLが大きいほど緻密化を阻害されたボ
イドが多いことを示している。従って、前駆体繊維のヨ
ウ素吸着による明度差ΔLが小さいことが好ましく、具
体的には5〜35であることが好ましい。5〜20がさ
らに好ましい。ΔLの下限値は表面の微細な凹凸に保持
されたヨウ素が残ることがあり、実質的に5である。
【0017】なお、本発明において、ヨウ素吸着による
明度差ΔLは次のように測定した。乾燥した前駆体繊維
を長さ約6cmにカットし、精評して0.5gの試料を
2つ作成し、その一つを200mlの共栓付き三角フラ
スコに入れる。該フラスコにヨード溶液(I2:50.7
6g,2,4−ジクロロフェノール10g,酢酸90g
およびヨウ化カリウム100gを評量し、1lのメスフ
ラスコに移して水で溶解して定容とする)100mlを
添加して、60±0.5℃で50分間振とうしながら吸
着処理する。
【0018】ヨウ素吸着した試料を流水中で30分間水
洗した後、遠心脱水する。脱水した試料をさらに約2時
間風乾した後、再度ハンドカードで開繊する。上記のヨ
ウ素吸着前後の試料につき、繊維方向を揃えてから、同
時に色差計でL値を測定し、ヨウ素吸着前後の試料のL
値をそれぞれL1およびL2とし、吸着前後のL値の差
(L1−L2)をΔLとする。
【0019】さらに高強度の炭素繊維を製造するために
は、ホウ素を含んだ炭素繊維前駆体繊維が好ましい。具
体的には、下記(2)式で定義されるホウ素の単糸内濃
度比R2が50〜1000であることが好ましい。
【0020】 R2=B50/B800 …(2) ただし、B50 :SIMSで測定した深さ50nmでの
ホウ素カウント数 B800 :SIMSで測定した深さ800nmでのホウ素
カウント数 ホウ素化合物は、ケイ素化合物と同様に極めて耐熱性が
高く、繊維表面に存在すると単糸間接着防止効果がある
が、単独では離型性に乏しいため、高耐熱性の効果を発
揮できない。一方、水溶性のホウ素化合物は繊維内部に
浸入しても緻密化を阻害しないので、離型性の優れた少
量のシリコーン系油剤と混合して付与することによっ
て、初めて優れた単糸間接着防止効果を有効に発揮し、
かつΔLの小さな(ボイドが少ない)前駆体繊維を得る
ことができる。
【0021】また、ホウ素は耐炎化工程において耐炎化
を遅延させる効果を持つため、表層部に多く含有させる
ことによって表層部の耐炎化を遅らせ、内層部との耐炎
化度の差異を小さくすることができる。その結果とし
て、炭素繊維の弾性率分布が小さくなり、引張時の表層
部への応力集中が低減するため、引張強度を一層向上す
ることが可能になる。
【0022】ホウ素はケイ素よりやや深くまで浸入する
ことが炭素繊維の強度向上にとって有効であるので、R
2は50〜1000がより好ましい。R2が50未満で
は均一耐炎化の効果が小さく、また1000を超えると
表層部の耐炎化が遅延過多となり、かえって耐炎化の不
均一化が助長される。
【0023】なお、前駆体繊維のホウ素含有量およびホ
ウ素の単糸内濃度分布はケイ素の時ど同様にして測定し
た。
【0024】前駆体繊維のホウ素の含有量は好ましくは
0.01〜0.5wt%、より好ましくは0.02〜
0.1wt%である。0.01wt%未満では上記の単
糸間接着防止効果および耐炎化遅延効果が発揮されにく
くなり、好ましくない。また0.5wt%を超えると耐
炎化が遅くなりすぎたり、繊維表面に硬い皮膜を形成
し、かえって毛羽を発生して品位が低下することがある
ため好ましくない。
【0025】本発明の炭素繊維前駆体繊維の単繊維繊度
としては、強度向上の観点から、引き続く耐炎化工程お
いて焼成ムラを起こさないよう細い方が好ましく、好ま
しくは1.5d以下、より好ましくは1.0d以下であ
り、下限については生産性等から0.3dである。
【0026】なお、前駆体繊維の強伸度特性としては、
強度0.06〜0.2N/d、伸度8〜15%が好まし
く、強度0.07〜0.2N/d、伸度10〜15%が
より好ましい。
【0027】また前駆体繊維の繊維軸方向の結晶配向度
π400 が80〜95%の範囲であることが好ましく、9
0〜95%であることがより好ましい。
【0028】ここで繊維軸方向の結晶配向度π400 は次
の方法により求めた。
【0029】試料約20mg/4cmを1mm幅の金型
にコロジオンで固めて測定に供する。X線源としてNi
フィルターで単色化したCuのKα線(波長:1.54
18A)を使用し、出力35kV、15mAで測定し、
2θ=17゜付近に観察された面指数(400)のピー
クを円周方向にスキャンして得られたピークの半値幅H
(゜)より π400 (%)=(180−H)×100/180 の式から求めた。なお、ゴニオメーターのスリット直径
としては2mm、計数管としてはシンチレーションカウ
ンターを用いた。スキャン速度は4゜/分、タイムコン
スタント1秒、チャートスピードは1cm/分である。
【0030】次に本発明の炭素繊維前駆体繊維の製造方
法について説明する。
【0031】本発明の炭素繊維前駆体繊維の製造方法
は、95モル%以上のアクリロニトリルと5モル%以下
の耐炎化促進成分からなるポリマーを、湿式あるいは乾
湿式紡糸した後、70℃以上の温水中で延伸して膨潤度
を100%以下とし、次いで該糸条に1回目の油剤付与
としてシリコーン系化合物からなる油剤をケイ素の含有
量が0.01〜0.1wt%になるように付与した後乾
燥緻密化し、しかる後該糸条に2回目の油剤付与として
シリコーン系化合物からなる油剤をケイ素の含有量が
0.02〜5wt%になるように付与することを特徴と
する炭素繊維前駆体繊維の製造方法である。
【0032】また、シリコーン系化合物とともに水溶性
のホウ素化合物を付与することを特徴とする炭素繊維前
駆体繊維の製造方法であり、またさらに、水溶性のホウ
素化合物を1回目のシリコーン系化合物付与時のみ付与
することを特徴とする炭素繊維前駆体繊維の製造方法で
ある。
【0033】本発明の炭素繊維前駆体のポリマー組成は
アクリロニトリルが95モル%である。95モル%未満
では前駆体繊維の耐熱性が低下して、単糸間接着が増加
すると共に炭化収率が低下する。従って、アクリロニト
リル以外の耐炎化促進成分等の共重合量は5モル%以下
にするものである。
【0034】上記ポリマーの紡糸原液を湿式あるいは乾
湿式紡糸した後、温水で延伸して水膨潤糸条の膨潤度を
100%以下に調整する。膨潤度が100%を超えると
次いで付与される油剤が繊維内部に多量に浸入して前駆
体繊維にボイドが残存する量が増加する。したがって、
浴延伸の最高温度は70℃以上として高い熱履歴により
膨潤糸条の緻密化を促進させるものである。
【0035】ここでいう膨潤度とはつぎの方法で測定す
るものである。十分に水洗された膨潤糸条を3000r
pmの延伸脱水機で10分間脱水後、重量を精秤してW
1とする。ついでオーブンにて絶乾後精秤してW2とし
て次の式から算出する。
【0036】 膨潤度={(W1−W2)/W2}×100(%) 膨潤度を100%以下に調整した膨潤糸に1回目の油剤
としてシリコーン系化合物からなる油剤をケイ素として
0.01〜0.1wt%含有するように付与する。ケイ
素として0.01wt%未満では単糸間接着を防止する
効果が不足し、0.1wt%を超えると繊維内部への油
剤の浸入が増加する。
【0037】この1回目のシリコーン系油剤付与と同時
に水溶性のホウ素化合物を付与するとホウ素化合物の耐
熱性が活かされ、シリコーン系油剤の付与量が軽減され
てボイドの残存がさらに減少するとともに、ホウ素化合
物が繊維内に浸入することによって単糸内のホウ素濃度
比が50〜1000となって、耐炎化時の構造が均一に
なり、炭素繊維の強度が飛躍的に向上する。
【0038】1回目の油剤付与後にいったん乾燥緻密化
処理を施し、ボイドを消滅させて油剤が繊維内に浸入で
きない状態にしてから、必要に応じて2回目の油剤とし
てシリコーン系化合物からなる油剤を付与して、ケイ素
含有量が0.02〜5wt%の前駆体繊維とする。前駆
体繊維のケイ素含有量がが0.02wt%未満では単糸
間接着防止効果が不十分であり、5wt%を超えてもそ
れ以上の効果は期待できない。
【0039】ここでケイ素の含有量は次の方法で測定し
たものである。
【0040】試料をテフロン製密閉容器にとり、硫酸次
いで硝酸で加熱酸分解した後、定容として、ICP発光
分析装置として、セイコー電子工業製シーケンシャル型
ICP SPS1200−VRを用いて測定したもので
ある。
【0041】さらに詳細に本発明の炭素繊維前駆体繊維
の製造方法について説明する。
【0042】アクリロニトリルと共重合する耐炎化促進
成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
等の不飽和カルボン酸およびそれらのアルカリ金属塩、
アンモニウム塩およびアルキルエステル類、アクリルア
ミド、メタクリルアミドおよびそれらの誘導体、および
それらの塩類またはアルキルエステル類等をあげること
ができる。不飽和カルボン酸のアルキルエステルの具体
例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸セカンダリーブチル等を
挙げることができる。アクリロニトリル系炭素繊維前駆
体繊維としての特長を維持するためには共重合量はでき
るだけ少ないことが好ましく、アクリロニトリルが95
モル%以上が好ましく、アクリロニトリル以外の共重合
成分としては0.1〜3モル%であることが好ましく、
0.2〜2.5モル%であることがより好ましい。
【0043】重合方法としては、懸濁重合、溶液重合、
乳化重合など従来公知の方法を採用することができる。
重合度としては、極限粘度([η])で好ましくは1.
0以上、より好ましくは1.25以上、さらに好ましく
は1.5以上である。なお、[η]を単純に高くしてい
くと紡糸原液の粘度が高くなり、安定した紡糸が難しく
なるので、必然的に紡糸原液のポリマー濃度を下げるこ
とになる。ポリマー濃度を下げると、凝固時に形成され
る構造が極めてボイドの多いものとなり、油剤が繊維内
部に多量に浸入するため、[η]は5.0以下にするの
が好ましい。
【0044】ポリマーの溶媒としては、有機、無機の公
知の溶媒を使用することができ、具体的には、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、硝酸、ロダンソーダ水溶液および塩化亜鉛水溶
液などを溶媒とするポリマー溶液を紡糸原液とすること
ができる。
【0045】紡糸原液のポリマー濃度は、凝固構造のボ
イド量と関係が深いが、ポリマーの[η]との関係か
ら、紡糸原液の粘度が45℃で200〜2000ポイ
ズ、より好ましくは400〜1000ポイズがになるよ
うに調整するのが安定した紡糸状態を保持する上で好ま
しい。
【0046】紡糸原液は公知の方法によって前駆体繊維
とすることができる。紡糸は、直接凝固浴中へ紡出する
湿式紡糸法や、一旦空気中へ紡出した後に浴中凝固させ
る乾湿式紡糸法適用できるが、ボイドの少ない緻密な前
駆体繊維を効率良く得るためには乾湿式紡糸が好まし
い。
【0047】凝固浴としては紡糸原液の溶媒の水溶液が
溶媒回収の点から好ましく適用され、凝固浴の温度は3
0℃以下に低温化することにより浴延伸後の膨潤度を1
00%以下にする上で好ましい。
【0048】得られた紡出糸を直接温水浴中延伸しても
よいし、水洗して溶媒を除去した後に温水浴中延伸して
もよい。浴中延伸の条件は、30〜100℃の浴中で2
〜6倍に延伸するが、浴延伸の最高温度を70℃以上に
し、浴延伸後の膨潤度を100%以下にすることが油剤
の浸入を抑制する上で重要である。浴延伸温度は80〜
100℃が好ましく、90〜100℃がより好ましい。
浴延伸後の膨潤度は80%以下がより好ましく、60%
以下がさらに好ましい。膨潤度の到達下限は通常40%
である。
【0049】得られた水膨潤浴延伸糸に1回目の油剤と
してシリコーン化合物からなる油剤を付与する。
【0050】シリコーン化合物からなる油剤としては、
アミノ変性、エポキシ変性、アルキレンオキサイド変性
で変性されたシリコーンが好ましく、1分子中に複数の
変性基を有しても良いし、あるいはそれぞれの変性基を
有したシリコーンの混合物でも良い。アルキレンオキサ
イド変性シリコーンは親水性があり、アミノ変性、エポ
キシ変性シリコーンなどの繊維への付着状態を改善する
効果がある。アミノ変性あるいはエポキシ変性シリコー
ンの25℃のオイル粘度は高い方が耐熱性、離型性に優
れ、少量で単糸間接着防止効果を発揮し、かつ繊維内部
に浸入しにくいため、1000cst以上が好ましく、
3000cst以上がより好ましく、5000cst以
上がさらに好ましい。
【0051】付与に際しては、水分散したエマルジョン
の形で付与することがより均一付与できるので好まし
い。このシリコーン系油剤とともに水溶性のホウ素化合
物を付与することが好ましい。水溶性のホウ素化合物と
してはホウ酸が安全性、コストの面から特に好ましく適
用される。
【0052】付与方法についても、工程油剤浴中の駆
動、非駆動ローラー、あるいは固定、非固定のガイドバ
ーへ糸条を掛けて糸条に付与する方法、上方へ吹き出し
た工程油剤液中に糸条を走行させて付与する方法、走行
している糸条に上方より油剤液を落下させる方法、油剤
液を噴霧した空間に糸条を走行させる方法等種々考えら
れ、適宜選択することができる。
【0053】1回目の油剤を付与した後、加熱ローラー
あるいは熱風中など公知の方法で乾燥緻密化処理を施
す。乾燥緻密化時の単糸間接着をより少ない油剤で防止
するためには、乾燥緻密化温度は低いほど好ましいが、
低すぎると油剤が浸入していなくともボイドが消滅しな
いことがあり、また緻密化に長時間を要するので好まし
くない。実質的な乾燥緻密化温度は110〜190℃の
温度が好ましい。
【0054】乾燥緻密化処理後の繊維に2回目の油剤と
してシリコーン系化合物からなる油剤を付与する。この
シリコーン系油剤は1回目と同じものでも良いし、異な
っても何ら問題はない。
【0055】本発明の油剤の浸入を抑制した炭素繊維前
駆体繊維を得るためには、浴延伸糸に乾燥緻密化での単
糸間接着抑制に必要最低限の油剤を付与して一旦乾燥緻
密化し、しかる後に焼成工程での単糸間接着抑制に必要
な油剤を付与することが重要である。すなわち、少量の
油剤を付与した状態で乾燥緻密化することにより、高濃
度の油剤を付与しても、表層部への油剤浸入量を大幅に
低減することができる。油剤付与の濃度としては、ケイ
素の含有量が繊維重量当たり1回目の付与で0.01〜
0.1重量%、2回目の付与で0.02〜5重量%付与
するものである。
【0056】2回目の油剤を付与した後、さらに150
℃以上の温度で熱処理してシリコーン系油剤のガム化を
促進させるとシリコーンの耐熱性が向上するので好まし
い。さらに必要に応じて、加圧スチーム中などで延伸し
て本発明の炭素繊維前駆体繊維を得ることができる。本
発明の前駆体繊維の単繊維繊度として好ましくは1.5
d以下、より好ましくは1.0d以下であり、下限につ
いては生産性等から0.3dで、強伸度特性としては、
好ましくは強度0.06〜0.2N/d、伸度8〜15
%、より好ましくは強度0.07〜0.2N/d、伸度
10〜15%で、好ましくは繊維軸方向の結晶配向度π
400 が80〜95%、より好ましくは90〜95%の範
囲である。
【0057】かかる前駆体繊維を焼成することにより、
高性能な炭素繊維とすることができる。耐炎化条件とし
ては、従来公知の方法を採用することができ、酸化性雰
囲気中200〜300℃の範囲で、緊張、あるいは延伸
条件下が好ましく使用され、密度が好ましくは1.25
g/cm3 以上、より好ましくは1.30g/cm3
上に達するまで加熱処理される。この密度は、1.60
g/cm3 以下にとどめるのが一般的であり、これ以上
にすると、物性が低下することがある。
【0058】耐炎化を完了した糸条は、従来公知の方法
で不活性雰囲気中炭化処理をおこなう。炭化温度として
は、得られる炭素繊維の物性から1000℃以上が好ま
しく、さらに必要に応じて2000℃以上の温度で黒鉛
化することができる。また、350〜500℃および1
000〜1200℃における昇温速度は好ましくは50
0℃/分以下であり、より好ましくは300℃/分以
下、さらに好ましくは150℃/分以下である。これに
より、ボイドなど内部欠陥の少ない緻密な炭素繊維を得
ることができる。なお、この昇温速度が10℃/分以下
では生産性が低くなりすぎる。また、350〜500℃
あるいは2300℃以上において好ましくは1%以上、
より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上
の延伸をおこなうことが緻密性向上の上で重要である。
なお、40%をこえる延伸は毛羽が発生しやすくなるた
め好ましくない。
【0059】そして、このようにして得られた炭素繊維
は、酸またはアルカリ水溶液からなる電解槽中で電解酸
化処理を施したり、気相または液相での酸化処理を施す
ことにより、複合材料における炭素繊維とマトリックス
樹脂との親和性や接着性を向上させることが好ましい。
【0060】特に、短時間で酸化処理でき、酸化程度の
コントロールが容易であることから電解酸化が好まし
い。電解処理の電解液としては酸性、アルカリ性いずれ
も採用できる。酸性電解質としては、具体的には硫酸、
硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸、酢酸、
酪酸、シュウ酸、アクリル酸、マレイン酸などの有機
酸、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム等の塩が
挙げられる。好ましくは強酸性を示す硫酸、硝酸がよ
い。アルカリ性電解液としては、具体的には水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの水酸化
物、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム
などの無機塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム
等の有機塩類、さらにこれらのカリウム塩、バリウム塩
あるいは他の金属塩、およびアンモニウム塩、水酸化テ
トラエチルアンモニウムまたはヒドラジン等の有機化合
物が挙げられるが、好ましくは樹脂の硬化障害をおこす
アルカリ金属を含まない炭酸アンモニウム、炭酸水素ア
ンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム類など
が好ましい。
【0061】電気量は被処理炭素繊維の炭化度に合わせ
て最適化することが好ましい。表層の結晶性の低下を適
度な範囲とする観点からは、通電処理の総電気量は5〜
1000クーロン/g、さらには10〜500クーロン
/gの範囲とするのが好ましい。
【0062】電解処理または洗浄処理をおこなった後、
水洗および乾燥することが好ましい。この場合、乾燥温
度が高すぎると炭素繊維の再表面に存在する官能基が熱
分解によって消失しやすいため、できる限り低い温度で
乾燥することが望ましく、具体的には乾燥温度が250
℃以下、より好ましくは210℃以下で乾燥することが
好ましい。
【0063】さらに、必要に応じて従来公知の技術によ
りサイジング付与などをおこなうことができる。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0065】なお、本発明における引張強度、弾性率は
樹脂含浸ストランド法により求めた。
【0066】[引張強度、弾性率]“ベークライト”E
RL−4221(登録商標、ユニオン・カーバイド
(株)製)/三フッ化ホウ素モノエチルアミン(BF3
・MEA)/アセトン=100/3/4部を炭素繊維に
含浸し、得られた樹脂含浸ストランドを130℃で30
分間加熱して硬化させ、JIS−R−7601に規定す
る樹脂含浸ストランド試験法に従って測定した。
【0067】(実施例1)ジメチルスルホキシドを溶媒
とする溶液重合法により、アクリロニトリル99重量%
とメタクリル酸1重量%とからなる[η]が1.80、
重合体濃度20%の紡糸原液を得た。これを3000フ
ィラメント用の口金を通じて一旦空気中に吐出して約3
mmの空間部分を走行させた後、7℃のジメチルスルホ
キシド30%水溶液中で凝固させ、凝固糸条を水洗後、
浴延伸最高温度75℃で4倍まで延伸し、1回目として
0.2%濃度のアミノ変性シリコーン浴で油剤を付与
し、120℃で乾燥緻密化を行った。次いで2回目とし
て2.0%濃度のアミノ変性シリコーン浴で油剤を付与
した後に180℃で乾燥した。さらに、加圧スチーム中
で2.5倍まで延伸して単糸繊度0.7d、総繊度21
00Dの前駆体繊維を得た。1回目および2回目のアミ
ノ変性シリコーンは25℃におけるオイル粘度が500
0cstでアミノ当量1800のものを使用した得られ
た前駆体繊維を240〜280℃の空気中で延伸比1.
00で加熱して密度1.35g/cm3 の耐炎化糸を得
た。ついで、窒素雰囲気中350〜500℃の温度領域
での昇温速度を200℃/分とし、3%の延伸をおこな
った後、さらに1500℃まで焼成した。
【0068】続いて濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として、8クーロン/gで電解処理、水洗し、1
50℃の加熱空気中で乾燥した。主な前駆体繊維処理条
件と前駆体繊維特性および得られた炭素繊維の物性を表
1に併せて示す。
【0069】(実施例2)1回目のアミノ変性シリコー
ン濃度を0.5%、乾燥緻密化温度を150℃とし、2
回目のアミノ変性シリコーン濃度を1.5%、乾燥温度
を150℃とした以外は実施例1と同様にして、前駆体
繊維および炭素繊維を得た。主な前駆体繊維処理条件と
前駆体繊維特性、および得られた炭素繊維の物性を表1
に併せて示す。
【0070】(実施例3)浴延伸の最高温度を90℃と
した以外は実施例2と同様にして前駆体繊維および炭素
繊維を得た。主な前駆体繊維処理条件と前駆体繊維特性
および得られた炭素繊維の物性を表1に併せて示す。
【0071】(比較例1)浴延伸の最高温度を55℃と
し、1回目のアミノ変性シリコーン濃度を3.0%、乾
燥緻密化温度を150℃として、2回目の処理をしなか
った以外は実施例1と同様にして前駆体繊維および炭素
繊維を得た。主な前駆体繊維処理条件と前駆体繊維特性
および得られた炭素繊維の物性を表1に併せて示す。
【0072】(比較例2)浴延伸の最高温度を65℃と
した以外は比較例1と同様にして前駆体繊維および炭素
繊維を得た。主な前駆体繊維処理条件と前駆体繊維特性
および得られた炭素繊維の物性を表1に併せて示す。
【0073】(比較例3)浴延伸の最高温度を75℃と
した以外は比較例1と同様にして前駆体繊維および炭素
繊維を得た。主な前駆体繊維処理条件と前駆体繊維特性
および得られた炭素繊維の物性を表1に併せて示す。
【0074】(実施例4)1回目の油剤を0.5%のア
ミノ変性シリコーンと0.7%のホウ酸の混合油剤とし
た以外は実施例2と同様にして前駆体繊維および炭素繊
維を得た。主な前駆体繊維処理条件と前駆体繊維特性お
よび得られた炭素繊維の物性を表1に併せて示す。
【0075】(実施例5)浴延伸の最高温度を90℃と
した以外は実施例4と同様にして前駆体繊維および炭素
繊維を得た。主な前駆体繊維処理条件と前駆体繊維特性
および得られた炭素繊維の物性を表1に併せて示す。
【0076】(実施例6)1回目の油剤を0.2%のア
ミノ変性シリコーンと0.7%のホウ酸とし、2回目の
油剤を1.0%のアミノ変性シリコーンとした以外は実
施例5と同様にして前駆体繊維および炭素繊維を得た。
主な前駆体繊維処理条件と前駆体繊維特性および得られ
た炭素繊維の物性を表1に併せて示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明の炭素繊維前駆体繊維は、ボイド
の残存が極めて抑制され、かつ単糸間接着防止および均
一耐炎化効果を有するため炭素繊維の強度を飛躍的に向
上させることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)式で定義されるケイ素の単糸内
    濃度比R1が1〜10であることを特徴とする炭素繊維
    前駆体繊維。 R1=Si100 /Si800 …(1) ただし、Si100 :SIMSで測定した深さ100nm
    でのケイ素カウント数 Si800 :SIMSで測定した深さ800nmでのケイ
    素カウント数
  2. 【請求項2】ヨウ素吸着による明度差ΔLが5〜35で
    あることを特徴とする請求項1記載の炭素繊維前駆体繊
    維。
  3. 【請求項3】下記(2)式で定義されるホウ素の単糸内
    濃度比R2が50〜1000であることを特徴とする請
    求項1記載の炭素繊維前駆体繊維。 R2=B50/B800 …(2) ただし、B50 :SIMSで測定した深さ50nmでの
    ホウ素カウント数 B800 :SIMSで測定した深さ800nmでのホウ素
    カウント数
  4. 【請求項4】95モル%以上のアクリロニトリルと5モ
    ル%以下の耐炎化促進成分からなるポリマーを、湿式あ
    るいは乾湿式紡糸した後、70℃以上の温水中で延伸し
    て膨潤度100%以下とし、該糸条に1回目の油剤付与
    としてシリコーン系化合物からなる油剤をケイ素の含有
    量が0.01〜0.1wt%になるように付与し、次い
    で乾燥緻密化し、しかる後該糸条に2回目の油剤付与と
    してシリコーン系化合物からなる油剤をケイ素の含有量
    が0.02〜5wt%になるように付与することを特徴
    とする炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】シリコーン系化合物とともに水溶性のホウ
    素化合物を付与することを特徴とする請求項4記載の炭
    素繊維前駆体繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】水溶性のホウ素化合物を1回目のシリコー
    ン系化合物付与時のみ付与することを特徴とする請求項
    5記載の炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし3のいずれかに記載の炭素
    繊維前駆体繊維を焼成することを特徴とする炭素繊維の
    製造方法。
  8. 【請求項8】請求項4ないし6のいずれかに記載の方法
    により得られた炭素繊維前駆体繊維を焼成することを特
    徴とする炭素繊維の製造方法。
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