JPS61225330A - 超高強度複合材料製造用炭素繊維およびその製造法 - Google Patents

超高強度複合材料製造用炭素繊維およびその製造法

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JPS61225330A
JPS61225330A JP6387485A JP6387485A JPS61225330A JP S61225330 A JPS61225330 A JP S61225330A JP 6387485 A JP6387485 A JP 6387485A JP 6387485 A JP6387485 A JP 6387485A JP S61225330 A JPS61225330 A JP S61225330A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、従来公知の炭素繊維を補強繊維とする複合材
料に比較して超高強度の物性を有する複合材料を与える
新規な繊維構造を有する炭素繊維に係り、さらに詳しく
は、樹脂含浸ストランド強度で少なくとも600Kg/
mm2という超高強度を示す複合材料製造用炭素繊維に
関する。
〈従来の技術〉 従来、炭素繊維は、その優れた機械的性質、特に、比強
度および比弾性率を利用した複合材料の補強用繊維とし
て工業的に広く生産され、使用されているが、これらの
複合材料の用途、特に航空、宇宙用途においては、炭素
繊維の高強度化に対する要望がますます高くなっている
このような高強度化に対する要望に応じて、これまでい
くつかの提案が為されているが、これらの提案になる炭
素繊維は、必ずしも上記要望を充分に満足するほどの機
械的強度を示すものではないし、特に炭素繊維そのもの
の機械的強度が改良されても、その機械的強度が複合材
料の機械的強度に寄与されない、すなわち強度利用率が
低い傾向を示すという問題があり、加えてその製造法に
おいて、手段が複雑であったり、製造条件のコントロー
ルが難しいなど、工業的製法としても問題があった。
さらに、炭素繊維を強化繊維とする複合材料においては
、複合材料化する場合の炭素繊維束(マルチフィラメン
ト)の取扱い性や樹脂含浸ストランド強度の向上等が望
まれるが、従来公知の炭素繊維束は、その取扱い性が悪
く、たとえば該繊維束の巻き取りやプレプリグ化におけ
る糸切れ、毛羽などが発生し易く、その機械的強度も樹
脂含浸ストランド強度で最大的570Kg/mm2 、
平均単繊維強度で最大約520Kg/mm2程度に過ぎ
なかった。
そして、この機械的強度が改良された炭素繊維も、その
強度がマトリックス樹脂の種類によって相違する、すな
わち樹脂依存性が大きいという傾向があり、折角機械的
強度が向上してもその機械的強度がマトリックス樹脂に
よって大きく相違し、複合材料に充分に反映されないと
いう欠点があった。
通常、炭素繊維は、マトリックス樹脂に対する接着性を
改良し、複合材料の層間剪断強度(ILSS)を向上さ
せるために、該炭素繊維にはその繊維の表面に官能基を
発生せしめる電解処理が施されている(たとえば、特公
昭55−20033号公報参照)が、この処理は、炭素
繊維の接着性の改良が目的であって繊維そのものまたは
複合材料の引張強度の向上を期待し得るものではなかっ
た。
他方、炭素繊維そのものの強度を改良するために、炭素
繊維を高濃度の硫酸、硝酸、燐酸などの無機酸中に長時
間浸漬して該繊維表面をエツチングし、次いで高温の不
活性雰囲気中で加熱処理して前記無機酸処理によって発
生した繊維表面の官能基を除去する方法が提案されてお
り(たとえば、特開昭54−5.9497@公報、特公
昭52−35796@公報)、特開昭54−59497
号公報によれば、このようなエツチング処理によって、
炭素繊維の製造工程で形成された該繊維表面の傷が除去
され、それによって炭素繊維の機械的強度が向上すると
されている。
しかしながら、本発明者らの検討したところによれば、
炭素繊維のように耐薬品性の極めて良好な繊維に、その
表面がエツチングされるような厳しい処理を施すと、繊
維の表層領域、すなわち表層部のみならず、場合によっ
ては繊維の内部構造まで損傷され、必ずしも該炭素繊維
の機械的強度が向上するものではないことおよび機械的
強度が向上しても、樹脂含浸ストランド強度は向上する
ことがなく、複合材料の引張強度向上に寄与しないこと
を見出した。特に無機酸によるエツチング処理に供され
る炭素繊維の機械的強度が大きくなるにつれて、この処
理による炭素繊維の強度の向上は小さく、大幅な樹脂含
浸ストランド強度の改良は期待できず、しかも、このよ
うな炭素繊維から得られる複合材料の機械的強度はその
樹脂依存性が大きくなることが判明した。
〈発明の解決しようとする問題点〉 本発明の目的は、前記公知の電解処理や無機酸によるエ
ツチング処理によって形成されるw4維構造とは相違す
る新規な繊維構造を有しており、この繊維構造に基因し
て卓越した補強効果を呈する複合材料製造用炭素繊維を
提供するにあり、他の目的は、複合材料の引張強度の向
上に大きく寄与するのみならず、樹脂依存性の極めて少
ない前記欠点並びに問題点のない超高強度の複合材料を
与える炭素繊維を提供するにあり、ざらに他の目的は、
このような極めて優れた実用性能を有する炭素繊維の製
造法、特に炭素繊維の製造工程で形成された構造的欠陥
を選択的に除去し、炭素繊維の複合材料補強用繊維とし
ての有効、かつ有用な前記繊維構造および強化特性を与
える処理方法を提供するにある。
以下、本発明の目的を達成するための具体的手段につい
て詳述する。
く問題点を解決するための手段〉 上記本発明の目的は、繊維中心部と対比して結晶の完全
性が実質的に同一レベルにある表層部を有し、かつ該表
層部は前記繊維中心部に対比して結晶の完全性が小であ
る超H最外層を有する超高強度複合材料製造用炭素繊維
、好ましくは該炭素繊維の熱分解性有機物量が約0.0
5〜0.5重量%の範囲内であり、X線電子分光法(E
SCA)によって検出される炭素繊維表面の官能基量(
01s/C1s>比が0.1〜0.4の範囲内であり、
平均単繊維強度が少なくとも480KO/mm2である
超高強度複合材料製造用炭素繊維によって達成すること
ができる。
本発明になる炭素繊維は、該繊維の中心部と対比して結
晶の完全性が実質的に同一レベルにある表層部を有し、
かつ該表層部は前記繊維中心部に対比して結晶の完全性
が小である超薄最外層を有するという点に特徴があり、
このような繊維構造を有することによってはじめて、そ
の機械的強度を複合材料の強度として大きく発現させる
ことができるのである。このような繊維構造は、炭素繊
維構造の製造工程で炭素繊維に形成された物理的歪みが
緩和され、かつ炭素繊維表面の構造的欠陥が修復されて
いることを示し、このことが該炭素繊維の有する機械的
強度を複合材料の機械的強度に反映させる上で有利な役
割を果していると考えられる。
ざらに、本発明になる炭素繊維は、熱分解性有機物含有
量が0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.
4重量%、ざらに好ましくは0゜1s〜0.30重量%
の範囲内およびX線電子分光法(ESCA)によって検
出される炭素繊維表面の官能基m (01s/C1s>
比が0.1〜0゜4、好ましくは0.1s〜0.3、ざ
らに好ましくは0.20−0.25の範囲内であり、か
つ平均単繊維強度が少なくとも480Kg/mm2)好
ましくは500Kq/mm2以上、さらに好ましくは5
30KO/mm2以上という要件を満足することが好ま
しく、これらの要件を満足することによって、該炭素繊
維の機械的強度が複合材料の強度向上に大きく反映され
るばかりでなく、複合材料を構成するマトリックス樹脂
の種類によって複合材料の強度が相違しない、すなわち
樹脂依存性がないという特徴が増大する。
ここで、結晶の完全性とは、炭素繊維を構成する結晶の
寸法および炭素網面配列の秩序性によって決定される特
性であり、結晶の寸法がより太きく、かつ炭素網面配列
の秩序性がより大きい場合に、結晶の完全性がより大き
いといわれている。
まず、本発明において、上記“繊維の中心部と対比して
結晶の完全性が実質的に同一レベルにある表層部を有し
、かつ該表層部は前記繊維中心部に対比して結晶の完全
性が小である超薄最外層を有する′”炭素繊維は、後述
するように、本発明になる特定の炭素11AMの製造法
によってはじめて、形成される新規な構造的特徴であり
、従来公知の前述した電解処理または濃厚無機酸による
エツチング処理−不活性化処理によっては得られないの
である。
すなわち、通常の電解処理の場合は、実質上炭素繊維の
表面にI LSSを向上せしめるための官能基が形成さ
れるだけであり、本発明になる炭素繊維のように、前記
“繊維の中心部と対比して結晶の完全性が実質的に同一
レベルにある表層部および該表層部が前記繊維中心部に
対比して結晶の完全性が小である超薄最外層″という繊
維構造は形成されることはなく、したがって炭素!l維
そのものおよび複合材料の引張強度が改良されることは
ないのである。他方、電解処理において、厳しい処理条
件、たとえば非常に大きい電気量を使用するなど繊維の
超薄最外層部の結晶の完全性が繊維中心部に比較して小
さくなるような処理条件をとると、得られせる炭素i!
維のX線電子分光法によって検出される繊維表面の官能
基量が多くなり、複合材料とした場合の炭素繊維の強度
利用率の低下が大きく、かつ樹脂依存性も増大して本発
明のような卓越した効果は得られないのである。
また、濃厚無機酸によるエツチング処理後、不活性化処
理することによって得られる炭素繊維は、繊維表面のエ
ツチングと同時に繊維の表層部はもちろん、内層部深く
まで結晶の完全性が損われ易り(l!維中央部の結晶の
完全性に対比して結晶完全性の小さい表層部領域が大き
く(厚く)なる)、不活性化処理によってこの繊維内層
部深域を不活性化することが困難になる(結晶の不完全
な全領域における官能基の除去が不十分になる)から、
得られる該炭素繊維の熱分解性有機物含有量も本発明の
炭素繊維に比較して多いのである。
他方、濃厚無機酸によるエツチング処理−不活性化処理
において、繊維の内層部深くまで結晶の完全性が失われ
ないような処理条件をとることは可能であるかも知れな
いが、エツチング処理の目的である炭素繊維表面の傷を
有効に除去することができない。また、エツチングによ
って繊維内層部深くまで結晶が完全性が損われた領域全
体の官能基を不活性化させるためには、厳しい不活性化
処理条件を適用する必要があり、不活性化処理そのもの
によって炭素繊維そのものの機械的強度が低下し、平均
単繊維強度が480KO/mm2以上という超高強度炭
素繊維は得られず、むしろ複合材料の補強繊維としての
機能は失われてしまう。
したがって、炭素繊維の中心部に対比して同一レベルの
結晶の完全性を保有する該表層部が存在し、しかも炭素
繊維の中心部に対比して結晶の完全性が小さく、脱官能
基の容易な該表層部の極薄最外層が存在するという本発
明になる炭素繊維の構造的特徴は、上記濃厚無機酸によ
るエツチング処理−不活性化処理によっては得ることが
できないから、本発明の炭素繊維の複合材料に対する強
度利用率の顕著な向上並びに樹脂依存性を小さくする効
果は得られないのである。
ここで、繊維の中心部、表層部および該表層部の超薄最
外層の結晶の完全性は、それぞれ透過型電子線回折(T
EM)によって測定され、具体的には後述するように、
繊維中心部の結晶の完全性を基準として繊維表層部およ
び該表層部の超薄最外層の結晶の完全性の程度を対比し
た場合に、該表層部は繊維中心部と対比して実質的に同
一レベルの結晶の完全性を示し、該表層部の超薄最外層
は繊維の中心部に対比して小さい結晶の完全性を示すこ
とをいう。後述する測定法から、該表層部は炭素繊維の
表面から平均約1.5ミクロン領域の層であり、該超薄
最外層は繊維の表面から平均約0.2ミクロン、より好
ましくは0.1ミクロン以下の領域の層をいう。
また、繊維中心部と対比して実質的に同一レベルの結晶
の完全性とは、繊維中心部における結晶の完全性に対す
る該表層部の結晶の完全性の比率がほぼ同一もしくは大
であることを意味し1、数値で表示すれば、約0.98
以上、好ましくは1゜0以上であることをいう。
さらに、本発明になる炭素繊維の熱分解性有機物含有量
は、炭素I!雑の表面および内部に存在する化学的官能
基の聞、特に主として前記の超薄最外層の化学的官能基
の量を示す1尺度であり、この間が前記0.05〜0.
5重量%、好ましくは0.1〜0.4、さらに好ましく
は0.1s〜0゜30%の範囲内であることが必要でお
り、この量が0.05%よりも少なくなると、炭素繊維
と樹脂との接着性が低下し過ぎるために好ましくないし
、他方、0.5%よりも多くなると、不活性化が不充分
になり、樹脂含浸ストランド強度が低下すると共に、そ
の樹脂依存性が増大するので好ましくない。
そして、このような超薄最外層を有する本発明の炭素繊
維は、°X線電子分光法によって検出される官能基量(
01s/C1s>比が0.1〜O04、好ましくは0.
1s〜0.4、さらに好ましくは0.20−0.25の
範囲であることが好ましい。すなわち、不活性化された
炭素繊維の表層部の官能基量が上記範囲外の場合は、樹
脂含浸ストランド強度の高い炭素繊維が得られないので
ある。
ここで、本発明の炭素繊維は、平均単繊維強度が少なく
とも480Kg/mm2)好ましくは500Kg/mm
2以上、特に好ましくは530Kg/mm2以上という
高強度物性を有しているが、後述するように、この平均
単繊維強度が少なくとも480KG/mm2という繊維
物性は、上記本発明の炭素繊維表層部に超薄最外層とい
う構造的特徴を形成させると同時に賦与される特性であ
る点に大きな特徴があり、平均単繊維強度が少なくとも
480Kg/mm2という強度物性を有することが、本
発明の複合材料の補強または強化繊維用炭素繊維として
の有用性を高めているのである。
以下、本発明になる炭素繊維の製造法について、具体的
、かつ詳細に説明する。
本発明の炭素繊維は、I LSSの向上のために炭素繊
維表面に官能基を形成させる公知の電解処理並びに炭素
繊維の製造工程で形成された表面の傷などを除去するた
めに、濃厚無機酸でエツチング処理し、このエツチング
処理によって形成された繊維表面の官能基を除去し、マ
トリックス樹脂に対する接着性を適正化するために不活
性雰囲気中で加熱処理する方法のいずれの方法とも相違
し、炭素繊維を硝酸イオンを必須成分として含有する高
温の電解質水溶液中で電解処理する、すなわち、電気・
化学的に酸化することによって炭素繊維の結晶の完全性
をできる限り損うことなく、繊維の極く限られた最表面
、すなわち超薄最外層のみを選択的に非晶化、すなわち
炭素繊維の中心部に対比して結晶の完全性が小さく、脱
官能基の容易な層を形成せしめ、次いで不活性化雰囲気
中で加熱処理して、該酸化によって該超薄最外層領域に
形成された官能基を実質的に不活性化、すなわち脱官能
基する、より具体的には、前記熱分解性有様物の量が0
.05〜0.5重量%およびX線電子分光法によって検
出される(01 s/C1s)比が約0.1〜0.4の
範囲内になるように不活性化処理して、繊維の超薄最外
層に形成された官能基を実質的に除去する方法が適用さ
れる。
ここで、上記本発明の処理に供される炭素繊維は、その
機械的強度が大きければ大きいものほどこの処理によっ
て得られる炭素繊維の機械的強度も大きくなるから有利
であるが、前記処理復の平均単繊維強度が少なくとも4
80K(J/mm2)好ましくは500KCJ/mm2
以上、さらに好ましくは530KO/mm2以上の強度
を有する炭素繊維を得るためには、原料炭素繊維として
、たとえば、その平均単繊維強度が少なくとも400Q
/mm2)好ましくは450Kg/mm2以上であるこ
とが望ましい。この原料炭素繊維の機械的強度が低いと
、処理によって炭素繊維に前記超薄最外層が形成された
としても、平均単繊維強度480Kg/mm2以上とい
う強度を有する繊維を得ることは困難になるから、処理
に供給する原料炭素w4mの強度はできる限り高強度の
ものを使用するのが好ましい。
この平均単繊維強度が400KO/mm2以上の炭素繊
維の製造方法としては、特に限定されるものではないが
、たとえば繊維製造用の前駆体繊維(プレカーサ)とし
て、緻密性の高い、具体的には後述するヨード吸着量(
ΔL)で表示して5〜40、好ましくは10〜30のア
クリロニトリル(以下、ANと略す)を主成分とする重
合体からなるアクリル系繊維、特に紡糸原液を一旦空気
や不活性雰囲気中に吐出した後、吐出糸条を凝固浴に導
いて凝固せしめる、いわゆる乾・湿式紡糸法を適用し、
得られた繊維を水洗、延伸し、シリコン系油剤で処理し
た俊、乾燥することによって得られる表面が平滑で緻密
性に富む繊維を使用するのがよい。
そして、該プレカーサの焼成、すなわち酸化(耐炎化)
、炭化条件としては、繊維表面の傷、内部ボイドなどの
溝造的欠陥、不純物などの付着物および構造歪などの少
ない炭素繊維が得られる条件を設定するのがよい。
すなわち、炭素繊維は、合成繊維のような製造プロセス
に比較すると、極めて苛酷な製造プロセスを経由してお
り、特に高温度で処理する場合に急激な温度の上昇に晒
されると、繊維に溝造的欠陥が生じ易くなるから、この
ような欠陥の生じないような炭化条件、たとえば、30
0〜700℃ならびに1000〜1200℃の温度領域
にあける昇温速度を約1000’C/分以下、好ましく
は500℃/分以下として炭化するのがよいが、これら
に限定されるものではない。
かくして得られる炭素繊維は、硝酸イオンを必須成分と
して含有する電解質水溶液中で電気化学的に酸化処理さ
れるが、酸化が炭素繊維のできる限り繊維の極く薄い表
層部に止まり、内層部に及ぶのを防止するために、硝酸
イオンの濃度が0゜1〜16規定、好ましくは1〜11
規定、電解液温度が40〜120°C1好ましくは50
〜100℃、電解処理時の電気量が繊維1g当り50〜
600クーロン、好ましくは100〜500クーロン、
処理時間が0.05〜10分、好ましくは0゜1〜3分
間の条件下で処理される。
上記電解質濃度、温度、処理時間および電気量が上記範
囲よりも低い場合は、該電気化学的酸化処理によって炭
素繊維表層部の欠陥、構造歪を有効に減少、緩和するこ
とができないし、また、これらの条件が上記範囲の上限
を越えると、炭素繊維の内層部まで酸化が進行し、繊維
の中心部に対比して結晶の完全性の低い、酸化によって
官能基が形、成された層(すなわち、本発明の超薄最外
層に対応する層)が厚くなり、この層の官能基を不活性
化、すなわち脱官能基すること困難になるので好ましく
ない。
このような酸化処理を施された炭素繊維は、水洗、乾燥
された後、たとえば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの
不活性気体雰囲気、または水素もしくは水素化合物およ
び金属蒸気などの還元性雰囲気中で高温下、たとえば6
00〜1000’C1好ましくは650〜850℃の温
度範囲で0.1〜10分間、好ましくは0.2〜2分間
加熱処理され、前記電気化学的酸化処理によって繊維の
超薄最外層に形成された官能基を不活性化することによ
って、該炭素繊維の熱分解性有機物の含有量を0.05
〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.4、さらに好
ましくは0.1s〜0.30%の範囲内およびX線電子
分光法によって検出される(01 s/C1s)比が約
0.1〜0.4、好ましくは0.1s〜0.3、ざらに
好ましくは0゜20〜0.25の範囲内とするのがよい
この不活性化処理の加熱温度および加熱時間が上記範囲
外になると、熱分解性有機物の含有量およびX線電子分
光法によって検出される(01s/C1s)比が上記範
囲外になり易く、該超薄最外層の不活性化が不充分とな
り、該超薄最外層の官能基が実質的に脱官能基化されな
くなって、樹脂依存性の小さい繊維が得られなくなった
り、あるいはこの不活性化処理によって炭素繊維の機械
的強度が低下するので好ましくない。
かくして得られる本発明の炭素繊維の表層部は、透過型
電子線回折法(TEM)によって測定される繊維の中心
部の結晶の完全性と対比した場合に、実質的に同一レベ
ルの結晶の完全性、具体的には、繊維中心部に対する繊
維表層部の結晶の完全性の比が約0.98以上、好まし
くは1.0以上の範囲の結晶の完全性を示し、同じく本
発明の炭素繊維の表層部の超薄最外層は、該繊維中心部
の結晶の完全性と対比して小である結晶の完全性、具体
的には、1.0より小、好ましくは0.98より小、ざ
らに好ましくは0.96より小の範囲内の結晶の完全性
を示す。
かつ得られた炭素繊維の熱分解性有機物量は0゜05〜
0.5重量%、好ましくは0.1〜0.4%、ざらに好
ましくは0.1s〜0.30%の範囲内であり、X線光
電子分光法(ESCA)によって測定される炭素繊維最
外層の官能基量は0゜10〜0.40.好ましくは0.
1s〜0.30さらに好ましくは0.20−0.25の
範囲内の繊維である。
ここで、透過型電子線回折(TEM> 、熱分解性有機
物量およびX線光電子分光法(ESCA)は次の測定法
にしたがって測定される値である。
透過型電子線回折法(TEM> 炭素繊維をその繊維軸方向に引揃えて常温硬化型のエポ
キシ樹脂に包埋し、硬化する。硬化した炭素繊維包埋ブ
ロックを包埋された炭素繊維の少なくとも2〜3本が露
出するようにトリミングした後、ダイヤモンドナイフを
装備したミクロトームを用いて、厚さ1s0〜200オ
ングストローム(A>の超薄切片を作成する。この超薄
切片を金を蒸着したマイクログリド上に載置して、高分
解能電子顕微鏡を用いて電子線回折を行う。この場合に
、炭素繊維の内外構造差を検出するために、制限視野電
子線回折法を用いて、特定部分からの電子線回折像を調
べる。
測定条件としては、日立(株)製の電子顕微鏡H−80
0型(透過型)を用い、加速電圧200に■、直径0.
2ミクロンの制限視野絞りで、超薄切片のエツジ(ed
ge)からコア(core)までの電子線回折写真を撮
影する。
超薄最外層は、繊維表面から約0.1ミクロン深さの部
分、正確には、直径0.2ミクロンの制限視野絞りの半
分が繊維最外層部にかかり、他の半分は繊維からはずれ
ている状態で躍彰する。また、表層部は繊維表面から約
1.5ミクロン以内の部分の電子線回折写真を用い、繊
維中心部は、はぼ繊維の中心近傍の電子線回折写真を用
いて、それら電子線回折像の(002>についてそれぞ
れ赤道線方向の回折強度の走査プロフィルを作成し、こ
れらの走査プロフィルにつき、半価巾を求める。半価巾
の逆数が結晶の完全性の尺度になるから、繊維の中心部
に対する超薄最外層および表層部の半価巾の逆数の比を
それぞれ求めた。
なお、走査プロフィルから半価巾の測定に用いられる前
記電子線回折写真を用いて得られる電子線回折像の(0
02)における赤道線方向の回折強度の走査プロフィル
の測定チャートの例を第1図および第2図に示した。
図において、走査プロフィルのノイズは、ノイズの振幅
の中間点をとって平滑なプロフィルとし、図に示すよう
に、ベースラインを引いて平滑化された回折ピークとベ
ースラインとから常法にしたがって半価巾を求めた。特
に、第1図のように、ピークの高さの半分の位置がピー
クの谷より低い場合には、回折ピークのラインを外延し
て半価巾を求めた。
熱分解性有機物量 約20mgの炭素繊維(サンプル)を溶剤で洗浄し、繊
維表面に付着するサイジングなどを除去し、柳本製作所
製のC)−INコーダー・MT−3型装置を用いて、次
の条件で測定した。
CHNコーダーの試料燃焼炉を950’C1酸化炉を8
50℃、還元炉を550℃にそれぞれ昇温し、ヘリウム
を180m1/分の速度で流し、上記洗浄した炭素繊維
を精密に秤量した後、前記試料燃焼炉に入れる。
吸引ポンプを用いて該試料燃焼炉中の分解ガスの一部を
約5分間、酸化炉および還元炉を経由して吸引した後、
CHNコーダーの熱伝導度型検出器によってCO2量と
して定量し、検量によって熱分解性有機物量を試料に対
するC(W↑%)として求める。 この測定法の特徴は
、通常のC1H,N元素分析装置において、酸素ガスを
流ざないで、ヘリウムガスのみの雰囲気下で炭素繊維を
加熱することにより、炭素繊維中のCo、CO2゜CH
4などの熱分解性有機物量を定量できることである。
X線光電子分光法(ESCA) 具体的な装置として、国際電機(株)!aのモデルES
−200を用いた。
炭素繊維(サンプル)を溶剤で洗浄し、サイジングなど
の表面付着物を除去した後、該炭素繊維をカットし、銅
製の試料支持台上に拡げて並べた後、X線源としてAI
Kα1,2を用い、試料チ    “サンバー中を1*
 10E (−8> To r rk:保つ。
そして運動エネルギーが955eVの01Sピ一ク面積
および1202eVのC1Sピーク面積の    ′比
から表面酸素原子/表面炭素原子(01s/C1s>の
比を求める。
平均単繊維強度の測定法 J l5−R−7601に規定されている単繊維試験法
に準じて測定し、測定回数100回の値の平均値をもっ
て示した。
樹脂含浸ストランド強度測定法 J l5−R−7601に規定されている樹脂含浸スト
ランド試験法に準じて測定した。この場合に次の2種類
の樹脂処方AおよびB並びに硬化条件を用いて試験し、
樹脂依存性も併せて評価した。
樹脂処方A: ・“チッソノックス”221  100部・3−フッ化
硼素モノエチルアミン (BF3MEA)        3部・アセトン・ 
          4部硬化条件:130’C130
分。
樹脂処方B: ・“エピコート”828      35部・N、N、
N”、N−−テトラグリシジルアミノ・ジノエニルメタ
ン(“ELM”434)35部 ・“エピクロン”1s2     30部・4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン(DDS>       
   32部・BF3MEA          0.
5部硬化条件:樹脂濃度が55%のメチルエチルケトン
溶液を使用して含浸し、硬化条件としては、60℃の真
空乾燥機中で約12時間脱溶媒した後、180℃で約2
時間加熱した。
各10回のストランドの試験値の平均値をもって示した
ΔLの測定法 乾燥したプレカーサ(試料)を長さ約60mにカットし
1.ハンドカードで開繊した後、精秤して0.50の試
料を2つ作成し、その一つを200m1の共栓付き三角
フラスコに入れる。該フラスコにヨード溶液(12:5
0.76g、2.4−ジクロロフェノール10g、酢酸
90C]およびヨウ化カリウム100を秤量し、11の
メスフラスコに移して水で溶解して定容とする>100
m1を添加して、60+0.5℃で50分間浸通しなが
ら吸着処理する。
ヨードを吸着した試料を流水中で30分間水洗した後、
延伸脱水する。脱水した試料をざらに約2時間風乾した
後、再度ハンドカードで開繊する。
上記のヨード吸着前後の試料につき、繊維方向を揃えて
から、同時に色差計でL値を測定し、ヨード吸着前後の
試料のL値をそれぞそれLlおよびL2とし、吸着前後
のL値の差 (Ll −12) を△Lとする。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
実施例1 アクリロニトリル(AN>99.5モル%、イタコン酸
0.5モル%からなる固有粘度[ηコが1゜80のAN
共重合体のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液にア
ンモニアを吹込み、該共重合体のカルボキシル末端基水
素をアンモニュウム基で置換してポリマを変性し、この
変性、ポリマの濃度が20重量%であるDMSO溶液を
作成した。
この溶液を目開き5μの焼結金属フィルターをr材とし
てr過した後、孔径0.1smm、孔数1s00ホール
の紡糸口金を通して一旦空気中に吐出し、約3mmの空
間を走行させた後、約30℃、30%のDMSO水溶液
中に導入して吐出繊維糸条を凝固ぜしめた。得られた凝
固繊維糸条を水洗し、温水中で4倍に延伸して水膨潤繊
維糸条を得た。この水膨□繊維糸条をポリエチレングリ
コール(PEG)変性ポリジメチルシロキサン(PEG
変性ff1s0重量%)の0.8%水溶液とアミノ変性
ポリジメチルシロキサン(アミノ変性量1重量%)85
部とノニオン系界面活性剤1s部からなる0、8%水分
散液の混合油剤浴中に浸漬した後、表面温度130’C
の加熱ロール上で乾燥、緻密化した。乾燥、緻密化した
繊維糸条を加熱スチーム中で3倍に延伸し、単糸繊度が
0.8デニール(d)、トータルデニール1200 (
D)のアクリル系繊維糸条を得た。
得られた繊維糸条のΔLは25であった。
このトータルデニールが1200Dのアクリル系繊維糸
条を3本合糸し、リング状ノズルを用いて、圧力0.7
Kg/Cm2のエアー開繊処理を施し、240〜260
℃の空気中で延伸倍率1゜05の下に加熱し水分率が4
.5%の酸化繊維糸条を作成した。
次いで、この酸化繊維糸条を最高温度が1400′Cの
窒素雰囲気中で300〜700℃の温度域における昇温
速度を約250’C/分、1000〜1200℃の温度
域における昇温速度を約り00℃/分に設定して炭素化
し、炭素繊維糸条を得た。
得られた炭素IIi維糸条の平均単繊維強度は450K
g/mm2)樹脂含浸ストランド強度(樹脂処方A)は
560Kg/mm2であツタ。マタ、この炭素繊維糸条
単繊維の縦断面の超薄切片を作成し、制限視野電子線回
折法によって繊維中心部、繊維表面から約0.1μの深
さの領域(超薄最外層領域)および繊維表面から約0.
4ミクロンの領域(表面層領域)のそれぞれ結晶の完全
性を測定し、繊維中心部の結晶の完全性に対する繊維表
面から0.1ミクロンおよび0.4ミクロンの深さの領
域の結晶の完全性の比率を求めた結果、それぞれ1.0
5および1.03であり、約0.1ミクロンの深さの領
域(超薄最外層)の結晶の完全性は繊維中心部のそれよ
りも大きい結晶性を示し、かつ約0.4ミクロンの深さ
の領域(表面層)の結晶の完全性は繊維中心部のそれと
実質的に同じ結晶性を示した。
かくして得られた原料炭素繊維糸条を温度80℃、!a
度5規定の硝酸水溶液を満した処理浴槽中に、セラミッ
クス製ガイドを介して導入し、糸速CL 3m/分で連
続的に走行させ、かつ処理浴槽の直前に設置した金属製
ガイドローラによって該炭素繊維糸条に陽電圧を印加し
、処理浴槽中に設置した陰極板との間にO,’12Aの
電流を通した。
ここで炭素繊維糸条の処理浴槽における浸漬長は約0.
2mS処理時間は約40秒、炭素繊維1q当りの電気量
は1s0クーロンであった。
このような電気化学的酸化処理の施された炭素繊維糸条
を水洗し、約200℃の加熱空気中で乾燥した後、70
0℃の窒素雰囲気中で約1分間加熱して、前記処理によ
って形成された繊維中の官能基を脱官能基した。得られ
た炭素繊維糸条の平均単繊維強度および樹脂処方Aおよ
びBの樹脂含浸ストランド強度を測定した結果、それぞ
れ550KCJ/mm2.680K(7/mm2および
670Kg/mm2であった。
かくして得られた炭素繊維糸条の超薄切片を作成し、前
述した方法と同様にして、繊維中心部、繊維表面からそ
れぞれ約0.1ミクロンおよび約0.4ミクロンの深さ
の領域における結晶の完全性を測定し、繊維中心部の結
晶の完全性に対する表面から約0.1ミクロンおよび約
0.4ミクロンの領域の結晶の完全性の比を求めたとこ
ろ、それぞれ0.92および1.03であり、表面から
約0.1ミクロンの深さの領域(超薄最外層)は低い結
晶の完全性を示し、表面から約0.4ミクロンの深さの
領域(表面層)は繊維中心部と実質的に同じ結晶性を示
した。
実施例2〜12)比較例1〜8 実施例1において、実施例1と同じ原料炭素繊維糸条お
よび同一の処理方法を使用し、硝酸水溶液中での電気化
学的酸化処理条件および脱官能基処理条件をそれぞれ第
1表に示す通り変更して、第1表に示す10数種類の炭
素繊維糸条を作成した。
これらの炭素繊維糸条の力学的性質および繊維構造を測
定した結果を第1表に示した。
実施例13 AN99.5モル%とイタコン酸0.5モル%とからな
るAN共重合体く極限粘度[η]1.80)をアンモニ
アで変性し、この変性ポリマの濃度が20重量%のDM
SO溶液を作成した。この溶液を充分に濾過し、60’
Cの温度に調整した紡糸原液を孔径0.05mm、ホー
ル数4500の紡糸口金を通して、濃度25%、温度6
0℃のDMSO水溶液中に凝固引取り速度5m/分で吐
出した。凝固繊維糸条を水洗後、熱水中で4倍に延伸し
た後、シリコーン系油剤を付与した後、130〜160
°Cに加熱されたローラ表面に接触させて乾燥・緻密化
し、さらに加圧スチーム中で3倍に延伸して単繊維繊度
が0.8デニール(d)、トータルデニールが3600
 (D)および△Lが42のアクリル系繊維糸条を作成
した。
このアクリル系繊維糸条を実施例1と同様にして、酸化
および炭化して炭素繊維糸条に転換し、平均単繊維強度
が470KO/mm2 、繊維の中心部の結晶の完全性
に対する表面から0.1ミクロン(超薄最外層)および
0.4ミクロン(表面層)の深さの領域の結晶の完全性
の比がそれぞれ1.07および1.05ミクロンの炭素
繊維糸条を得た。
かくして得られた炭素繊維糸条を炭素、llft1q当
り電気量を400ク一ロン/gに変更した以外は実施例
1と同様の条件下に電気化学的に酸化処理し、水洗、乾
燥後、実施例1と同様に脱官能基化処理した。
1qられた処理炭素繊維糸条の力学的性質および繊維構
造を測定した結果、第2表に示す通りであった。
比較例9 凝固浴濃度を50%、凝固時の引取り速度を18m/分
に変更した以外は、実施例13と同様にして、ΔLが5
2のアクリル系繊維糸条を作成した。
得られたアクリル系繊維糸条を実施例1と同様の条件下
に酸化および炭化して炭素繊維糸条を作成した。この炭
素繊維糸条の平均単繊維強度は380Kg/mm2)繊
維中心部に対する繊維表面から約0.1ミクロンの深さ
の領域(超薄最外層)および約0.4ミクロンの深さの
領域(表層部)の結晶の完全性の比は、それぞれ1.0
5および1.03であった。
この炭素繊維糸条を実施例13と同様にして、電気化学
的に酸化処理した後、脱官能基処理し、その力学的性質
および繊維構造を測定した。その結果を第2表に示した
比較例10 実施例1および比較例9において得られた炭素繊維糸条
を使用し、それぞれ約20mをパイレックスガラスフレ
ームに巻き、68%の濃硝酸に浸漬し、120’Cで4
5分間処理した後、約60分間水洗し、120’Cのオ
ープン中で約30分間乾燥した。 得られた処理炭素繊
維糸条を窒素雰囲気下700″Cの電気炉中で約1分間
加熱して脱官能基処理した。
第3表に、この炭素繊維糸条の力学的性質および繊維構
造の測定結果を実施例1によって得られた本発明になる
炭素繊維糸条のそれらと比較して示した。
第3表から、この濃硝酸処理−説官能基処理した炭素繊
維は、実施例1によって得られた本発明の炭素繊維に比
較すると、平均単繊維強度に劣るほか、熱分解性有機物
量が多く、樹脂処方AおよびBの樹脂含浸ストランド強
度に示されるように樹脂依存性の大きいものであった。
第2表 第3表 および括弧内は0.4μのft4滅における結晶性比を
示す。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ電子線回折法による結
晶の完全性の測定に使用される炭素mNの超薄切片の電
子線顕微鏡写真における電子線回折像の赤道線方向にお
ける回折強度の走査プロフィルの一例を示すチャートで
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)繊維中心部と対比して結晶の完全性が実質的に同
    一レベルにある表層部を有し、かつ該表層部は前記繊維
    中心部に対比して結晶の完全性が小である超薄最外層を
    有することを特徴とする超高強度複合材料製造用炭素繊
    維。
  2. (2)特許請求の範囲第1項において、炭素繊維の熱分
    解性有機物量が約0.05〜0.5重量%の範囲内およ
    びX線電子分光法(ESCA)によって検出される炭素
    繊維表面の官能基量(O1s/C1s)比が0.1〜0
    .4の範囲内である超高強度複合材料製造用炭素繊維。
  3. (3)特許請求の範囲第1〜2項において、平均単繊維
    強度が少なくとも480Kg/mm^2であり、樹脂含
    浸ストランド強度が少なくとも600Kg/mm^2で
    ある超高強度複合材料製造用炭素繊維。
  4. (4)特許請求の範囲第1〜3項において、該超薄最外
    層の厚さが平均約0.2ミクロン以下である超高強度複
    合材料製造用炭素繊維。
  5. (5)平均単繊維強度が少なくとも400Kg/mm^
    2のアクリル系炭素繊維を少なくとも40℃の温度に保
    たれた硝酸イオンを必須成分とする電解質水溶液中で該
    炭素繊維を陽極として繊維1g当り約50〜600クー
    ロンの電気量で電気化学的に酸化処理した後、水洗、乾
    燥し、次いで600〜1000℃の不活性または還元性
    雰囲気中で加熱し、該炭素繊維の表層部を不活性化する
    ことを特徴とする超高強度複合材料製造用炭素繊維の製
    造法。
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