JPS62141124A - 超高強度複合材料製造用炭素繊維 - Google Patents

超高強度複合材料製造用炭素繊維

Info

Publication number
JPS62141124A
JPS62141124A JP28327485A JP28327485A JPS62141124A JP S62141124 A JPS62141124 A JP S62141124A JP 28327485 A JP28327485 A JP 28327485A JP 28327485 A JP28327485 A JP 28327485A JP S62141124 A JPS62141124 A JP S62141124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
strength
carbon fiber
carbon
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28327485A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Hiramatsu
徹 平松
Yoji Matsuhisa
松久 要治
Tomimasa Higuchi
樋口 富壮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP28327485A priority Critical patent/JPS62141124A/ja
Publication of JPS62141124A publication Critical patent/JPS62141124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、複合材料の補強繊維として、卓越した補強効
果を示す新規な繊維tfFI造を有する炭素繊維に係り
、さらに詳しくは、樹脂含浸ストランド強度で少なくと
も600Kg/mm2という超高強度を示す複合材料製
造用炭素繊維に関する。
〈従来の技術〉 従来、炭素繊維は、その優れた礪械的性質、特に、比強
度および比弾性率を利用した複合材11の補強用繊維と
して工業的に広く生産され、使用されているが、これら
の複合材料の用途、特に航空、宇宙用途においては、炭
素繊維の高強度化に対する要望がますます高くなってい
る。
このような高強度化に対する要望に応じて、これまで数
多くの提案が為されているが、これらの提案になる炭素
繊維は、必ずしも上記要望を十分に満足するものではな
いし、特に炭素繊維そのものの機械的強度が改良される
でも、その機械的強度が複合材料の機械的強度に寄与さ
れない、すなわち強度利用率が低い傾向があるという問
題があった。加えてその製造法に適用すべき手段が複雑
であったり、製造条件のコントロールが難しいなど、工
業的製造法としても問題があった。
ざらに、プレカーサの改良、酸化および/または炭化条
件の最適化などによって炭素繊維の強度を改良、向上さ
せる試みも知られいるが、高温の加熱雰囲気中で苛酷な
条件の下にプレカーサを酸化し、次いで得られた酸化繊
維をざらに高温の加熱する炭化工程を採用し、かつ単糸
本数が数千本に及ぶlIi維糸条を大量に上記苛酷な条
件下に加熱し、炭素fiM維に転換しなければならない
炭素繊維の工業的な製造方法においては、原料のプレ力
、−サの改良あるいはその酸化、炭化プロセスおよび条
件の最適化には、技術的に限界があり、飛躍的な炭素繊
維の機械的強度の向上を期待することができなかった。
このことは炭素繊維の品質、性能を一定水準に保持して
大量に生産性よく、製造する場合にますます顕著になる
工業的問題であるといえる。
特に、炭素繊維そのものの機械的強度が改良されても、
その機械的強度が複合材料の機械的強度に寄与されない
、すなわち強度利用率が低い傾向を示すという問題があ
った。
ざらに、炭素繊維を補強繊維とする複合材料においては
、複合材料化する場合の炭素繊維束(マルチフィラメン
ト)の取扱い性や樹脂含浸ストランド強度の向上等が望
まれるが、従来の炭素繊維束は、その取扱い性が悪く、
たとえば該炭素繊維束の巻取りやプリプレグ化における
糸切れ、毛羽などが発生し易く、その機械的強度も樹脂
含浸ストランド強度で最大的570KQ/mm2 、平
均単繊維強度で最大約520KQ/mm2程度に過ぎな
かった。
そして、この機械的強度が改良された炭素繊維束もその
強度がマトリックス樹脂の種類によって相違する、すな
わち樹脂依存性が大きいという傾向があり、折角機械的
強度が改良されてもその機械的強度がマトリックス樹脂
の種類によって太きく相違し、複合材料に十分反映され
ないという欠点があった。
通常、炭素繊維は、マトリックス樹脂に対する接着性を
改良し、複合材料の層間剪断強度(ILSS)を向上さ
せるために、該炭素繊維にはその繊維の表面に官能基を
発生せしめる電解処理が施されている(たとえば、特公
昭55−20033号公報参照)が、この処理は、炭素
繊維の接着性の改良が目的であって繊維そのものまたは
複合材料そのものの強度の向上を期待し得るものではな
かった。
他方、炭素繊維そのものの強度を改良するために、炭素
繊維を高濃度の硫酸、硝酸、燐酸などの無機酸中に長時
間浸漬して該繊維表面をエツチングし、次いで高温の不
活性雰囲気中で加熱処理して前記無機酸処理によって発
生した繊維表面の官能基を除去する方法が提案されてお
り(たとえば、特開昭54−59497号公報、特公昭
52−35796@公報〉、特開昭54−59497号
公報によれば、このようなエツチング処理によって、炭
素繊維の製造工程で形成された該繊維表面の傷が除去さ
れ、それによって炭素繊維の機械的強度が改良されると
されている。
しかしながら、本発明者らの検討したところによれば、
炭素繊維のように耐薬品性の極めて良好な繊維に、その
表面がエツチングされるにうな厳しい処理を施すと、繊
維の表層領域、すなわち表層部のみならず、場合によっ
ては繊維の内部構造まで損傷され、必ずしも該炭素繊維
の機械的強度が改良されるものではないことおよび械的
強瓜が改良されても、樹脂含浸ストランド強度は向上す
ることがなく、複合材料の強度向上に寄与しないことを
見出した。特に無i1mによるエツチング処理に供され
る炭素繊維の機械的強度が大きくなるにつれて、この処
理による炭素繊維の強度の改良は小さく、大幅な樹脂含
浸ストランド強度の向上は期待できず、しかも、このよ
うな炭素繊維から1qられる複合材料の機械的強度はそ
の樹脂依存性が大ぎくなることが判明した。
〈発明の解決しようとする問題点〉 本発明の目的は、前記公知の電解処理や無機酸によるエ
ツチング処理によって形成される繊維構造とは相違する
新規な繊維構造を何しており、この繊維構造に起因して
申越した補強繊維としての性能を示す複合材利用として
の炭素繊維を提供するにあり、他の目的は複合材料の引
張強度の向上に大きく寄与するのみならず、樹脂依存性
の極めて少ない前記欠点および問題点のない超高強度複
合材料を与える炭素繊維を提供するにおる。
以下、本発明の目的を達成するための具体的手段につい
て詳述する。
く問題点を解決するための手段〉 上記本発明の目的は、繊維中心部の酸素イオン(160
−)強度に対比して、4.0〜7.5倍の範囲内の酸素
イオン(160−)強度を有する繊維の表層部およびX
線電子分光法(ESCA>によって検出される炭素繊維
表面の官能基量(o1s/C1s)が0.1〜0.4の
範囲内である繊維最表面とを有する炭素繊維によって達
成することができる。
本発明になる炭素繊維は、繊維中心部の酸素イオン(1
60−)強度に対比して、4.0〜7.5倍の範囲内の
酸素イオン(160−)強度を有する繊維の表層部を有
する点に一つの大きな特徴があり、このような繊維構造
のを有することによってはじめて、その機械的強度を複
合材料の強度として大きく発現させることができる。こ
のlli維構造は、炭素繊維の製造工程で形成された繊
維表面の物理的歪みが緩和され、繊維表面の構造的欠陥
が修復されていることを示し、このことが該炭素繊維の
有する機械的強度を複合材料の機械的強度に反映させる
上で大きな役割を果すものと考えられる。
ざらに、本発明の炭素繊維は、その平均単繊維引張強度
が480Kg/mm2以上、好ましくは500Kq/m
m2以上、させらに好ましくは530KO/mm2以上
という要件を満足することが望ましく、この要件を満足
することによって機械的強度の高い複合材お1が得られ
る。
本発明の繊維中心部の酸素イオン(160−)強度に対
比して、4.0〜7.5倍の範囲内の酸素イオン(16
0−)強度を有する繊維の表層部およびX線電子分光法
(ESCA)によって検出される炭素繊維表面の官能基
量(Ot S/C1s>が0.1〜0.4の範囲内であ
る繊維最表面とを有する炭素繊維は、後述するように、
特定の製造手段および条件を採用することによって形成
される構造的特徴であり、前述した公知の電解または濃
厚無機酸によるエツチング処理によっては得られるもの
ではない。
すなわち電解処理の場合は、炭素繊維のILsS向上に
寄与する表面官能基を繊維表面に形成するが、上記本発
明の構造的特徴は形成されることはないし、かつ炭素繊
維そのものおよび複合材料の機械的強度の向上は認めら
れないし、また、この電解処理の条件を厳しくする、た
とえば非常に大きい電気量を使用すると、5iutt最
表面に形成される官能基間が著しく増大し、このような
炭素繊維を複合材料の補強繊維とすると、炭素繊維の強
度利用率かの低下が大きく、かつ樹脂依存性が増大する
などかえって複合材料の機械的強度を損うのである。
また、上記濃厚無機酸によるエツチングは、繊維の表層
部が強く酸化され、本発明に規定する上記の構造は形成
されないし、この無機酸−不活性化処理の条件をコント
ロールし、繊維表層部の酸化を弱くすると、炭素繊維′
@1造工程における歪み緩和や構造的欠陥の修復がはか
れず、同様に炭素繊維そのものまたは複合材お1の機械
的強度の改良を達成することはできない。特に、無機酸
によって酸化された領域仝休の官能基を不活性化ざVる
ために、不活性化の処理条件を厳しくした場合は、この
処理によって炭素繊維自体の機械的強度が低下し、本発
明に規定する炭素繊維の1?Iff造的特徴はなんら形
成されないばかりか、むしろ複合材料の補強繊維として
の性能を失うことさえあり、本発明の目的はなんら達成
されるものではない。
ここで、本発明に規定する酸素イオン(160−)強度
は、二次イオン質量分析法(SIMS)によつて観測さ
れる炭素繊維の表面から中心方向におりる炭素繊維の酸
化度を示す尺度である。
すなわち、−次イオンビームによって炭素繊維の表面か
ら中心部に向ってエツチングしてゆき、このに−次イオ
ンビームよって放出される二次イオンを観測すると第1
図に示す酸素イオン(160−)強度曲線が得られる。
すなわち第1図は、炭素繊維単m維の半径方向におtプ
る上記二次イオンの放出分布曲線である。
本発明の炭素繊維は、この曲線において繊維表層部の最
大値と繊維中心部の平坦領域の二次イオンの強度の比が
4.5〜7.5、好ましくは5゜0〜7.0の範囲内で
あることが必要である。
ここで、繊維表層部とは、繊維表面から繊維中心に向っ
て2μm程度の深さまでの領域をいう。
次に、本発明の炭素繊維は、X線電子分光法(ESCA
)によって検出される官能%lが(O1s/C1s)0
.1〜0.4、好ましくは0゜15〜0.30の範囲内
である最表面を有する点に特徴がある。ここで、該最表
面は、繊維表面から繊維中心に向って約0.01μm以
下の超薄層をいう。すなわちこのX線電子分光法(ES
CA)によって検出される官能基量が(01s/C15
)比が、上記範囲外の場合は、本発明の目的とする樹脂
含浸ストランド強度の大きく奇与する炭素繊維が得られ
ない。
しかしながら、本発明の炭素繊維は、その平均単繊維強
度が少なくとも480KO/mm2以上、好ましくは5
00K(j/mm2以上、さらに好ましくは530Kg
/mm2以上であるのがよく、前記酸素イオン(160
−)強度および(Ot S/CtS)比によって示され
る構造的特徴を有し、かつこのような単繊維強度を有す
ることが、本発明の炭素繊維を複合材料の補強、m維と
しての大きな有用性に密接に関係、奇与するのである。
以下、本発明の炭素繊維の製造法について、その−態様
を具体的に説明する。
まず、このような本発明の炭素繊維は、ILSSの向上
のために炭素繊維の表面に官能基を形成ざぜる公知の電
解処理方法または炭素繊維の製造工程で形成された繊維
表面の傷などを除去することを目的として、濃厚、かつ
高温の無1[でエツチングした後、高温の不活性雰囲気
中で加熱して、このエツヂング処理によって形成された
繊維表面の官能基を除去し、マトリックス樹脂に対する
接着性を適正化するための不活性化雰囲気中で加熱する
方法のいずれの方法とも相違する。
すなわち、本発明の炭素繊維は、炭素繊維を硝酸イオン
を必須成分として含有1“る高温の電解質水溶液中で電
気・化学的に酸化することによって、炭素繊維の極く限
られた表層部に選択的に、しかも最適範囲内に酸化し、
次いで不活性化雰囲気中で前記の酸化処理によって形成
された官能基を実質的に不活性化する(脱官能基化)し
、前記酸素イオン(160−)強度および(01s/C
t s)によって示される構造的特徴および官能基を有
する炭素繊維とすることにより得ることが可能である。
ここで、上記本発明の処理に供される炭素繊維は、その
機械的強度が大きければ大きいものほど本発明の処理に
よって得られる炭素繊維の強度も大きくなるので右利で
あるが、前記処理俊の平均生繊維引張強度が少なくとも
480Kg/mm2以上、好ましくは500KO/mm
2以上、ざらに好ましくは530Kg/mm2以上の強
度を有する炭素繊維を得るためには、原おl炭素繊維と
して、たとえばその平均単繊維強度が少なくとも400
Kc+/mm2 、好ましくは450Kg/mm2以上
であることが望ましい。
このような平均単繊維強度を有する炭素繊維の製造法と
しては、たとえばアクリロニトリル(以下、ANと略す
)を主成分とするポリマの紡糸原液を紡糸口金孔を通し
て一旦空気などの不活性雰囲気中に吐出した後、凝固剤
中に冶いて凝固を完結させる乾・湿式紡糸法などにより
繊維化し常法により延伸繊維糸条とし、かつシリコン系
油剤を付与することによって得られる、ヨード吸着量が
5〜40.好ましくは5〜30の緻密性の高い、表面の
平滑な、融谷、小イド、置物イ」着などの欠陥の少ない
前駆体繊維(プレカーサ)として使用するのがよい。
そして、該プレカーサの酸化、炭化条件としては、その
工程で繊維表面に傷や内部ボイドなどの欠陥の形成や不
純物の付着を防止して、緊張ないし伸長下に焼成するこ
とにより得ることができる。
すなわち炭素繊維のように、極めて苛酷な製造工程、特
に高温の急激な温度の上昇に晒されれる工程を経由する
場合は、その過程で繊維に構造的欠陥が形成され易くな
るから、このような欠陥の生じないような条件ような、
たとえば300〜700℃並びに1000〜1200℃
の2段炭化を採用し、それらの温度領域における昇温速
度をそれぞれ約り000℃/分以下、好ましくはは50
0℃/分以下として炭化するなどの条件を採用すべきで
ある。
かくして得られた原お1炭素繊維は、硝酸イオンを必須
成分とする電解質水溶液中で電気・化学的に処理される
が、酸化ができる限り極く薄い表層部に止まり、内部に
及ぶのを防止するために、硝酸イオンのQ度が0.01
〜16規定、好ましくは1〜11規定、電解液の温度が
40〜120″C好ましくは50〜100℃、電解処理
時の電気量が繊維10当り50〜600クーロン、好ま
しくは100〜500クーロン、処理時間が0.05〜
分好ましくは0.1〜3分間の条件下で処理される。
上記電解質a度、温度、処理時間および電気量が上記範
囲よりも低い場合は、該電気化学的酸化処理によって炭
素繊維表層部の欠陥、構造歪を有効に減少、緩和するこ
とができないし、また、これらの条件が上記範囲の上限
をはずれると、炭素繊維の内層部まで酸化が進行し、繊
維の中心部に対比した場合表層部の酸化の程度が大きく
なり過ぎ、この後官能基を不活性化、ずなわら適度に脱
官能基することが困難になるので好ましくない。
このような酸化処理を施された炭素繊維は、水洗、乾燥
された後、たとえば、窒素、ヘリュウム、アルゴンなど
の不活性気体雰囲気または水素もしくは水素化合物中な
どの還元性雰囲気中で高温下、たとえば600〜100
0℃、好ましくは650〜850’Cの温度範囲で0.
1〜10分間、好ましくは0.2〜2分間加熱処理され
、前記電気化学的酸化処理によって繊維の最表面に形成
された官能基を不活性化し、X線電子分光法(ESCA
)によって検出される(01s/C1s)が約0゜1〜
0.4、好ましくは0.15〜0.3の範囲内にするの
がよい。
この不活性化処理の加熱温度および加熱時間が上記範囲
外になると、上記(01s/C15)が上記範囲外にな
り易く、該最表面の不活性化が不充分となり、該最表面
の官能基が実質的に脱官能基化されなくなって、樹脂依
存性の小ざい繊維が得られなくなったり、おるいはこの
不活性化処理によって炭素繊維の機械的強度が低下する
ので好ましくない。
かくして得られる本発明の炭素繊維の表層部は、二次イ
オン質量分析法(SIMS>によって観測される酸素イ
オン強度(160−)を尺度とした酸化度において、繊
維中心部に対比して、4.0〜7.5倍の最大酸化度を
示し、かつ該炭素繊維の最表面は、X繊維電子分光法(
ESCA)によって検出される官能基量(01s/C1
s)が0゜1〜0.4の範囲の値を示す。
ここで、二次イオン質量分析法(SIMS)、X線光電
子分光法(ESCA) 、平均単繊維強度、樹脂含浸ス
トランド強度、ΔLは次の測定法にしたがって測定され
た値である。
二次イオン″fi量分析法(SIMS):具体的な’A
EIとして、フランスCAMECA社製のモデルIMS
−3Fを使用した。
炭素繊維(丈ンプル〉を有機溶剤で洗浄し、サイジング
剤などの表面付む物を除去した後、該炭素繊維をカット
し、高純度の金属板上に並べた後、−次イオンとして、
Cs  (加速電圧14.5KV、電流2μA)を用い
て単繊維にイオンビームを照射する。試料チャンバー中
の真空は5×10E (−9) To r rk:保つ
単繊維の1.4μmΦの領域からの二次イオンとして質
量/電荷比(m/e)が16の酸素イオン(160−)
と26の炭素と窒素の2原子分子イオン(12C14N
−)の強度の繊維深さ方向の分布を測定する。炭素と窒
素の2原子分子イオン(12C”N−)の強度が繊維深
さ方向に一定になるように、酸素イオン(160−>強
度を規格化して、第1図に示したような酸素イオン(1
60−)強度の繊維深さ方向の分布図を作成する。
X線光電子分光法(ESCA): 具体的な装置として、国際電機(株)製のモデルES−
200を用いた。
炭素繊維(サンプル)を有機溶剤で洗浄し、サイジング
剤などの表面付着物を除去した後、該炭素繊維をカット
し、銅製の試料支持台上に拡げて並べた後、X線源とし
てAIKα1,2を用い、試料チャンバー中を1*10
E (−8>Torrに保つ。そして運動エネルギーが
955eVのO1Sピーク面積および1202eVのC
ISピーク面積の比から表面酸素原子/表面炭素原子(
Ol s/C1s>の比を求める。
平均単繊維強度: J I5−R−7601に規定されている単繊維試験法
に準じて測定した。測定回数100回のの値の平均値を
以って示した。
樹脂含浸ストランド強度: JIS−R7601に規定されている樹脂含浸ストラン
ド試験法に準じて測定した。この場合に次の2種類の樹
脂処方AおよびB並びに硬化条件を用いて試験し、樹脂
依存性も併せて評価した。
樹脂処方 A: ・“BAKELITE” ERL4221100部 ・3−フッ化硼素モノエチルアミン (BF3MEA)        3部・アセトン  
           4部硬化条件:130’C13
0分 樹脂処方 B: パエピコート”828 35部 ・N、N、N−、N−−テトラグリシジルアミノ・ジフ
ェニルメタン(“ELM”434)35部 パエピクロン”152      30部・4,4−−
ジアミノジフェニルスルホン(DDS>       
32部 ・BF3MEA          0.5部硬化条件
:樹脂濃度が55%のメチルエチルケトン溶液を使用し
て含浸し、硬化条件としては、60’Cの真空乾燥機中
で約12時間脱溶媒した後、180’Cで約2時間加熱
した。
各10回のストランド強度の試験値の平均値を以って示
した。
ヨード吸@量(ΔL) : 乾燥したプレカーサ(試おl)を長さ約1cmにカット
し、ハンドカードで開繊した後、精秤して0.50の共
栓付き三角フラスコに入れる。該フラスコにヨード溶液
(I2 :50.76Q、2゜4−ジクロロフェノール
10Q、酢酸90Clおよびヨウ化カリウム1000を
表裏、11のメスフラスコに移して水で溶解して定容と
する>100m1を添加して60±0.5℃で50分間
振揖しながら吸着処理する。
ヨード吸着した試料を流水中で30分間水洗した後、遠
心脱水する。脱水した試料をざらに約2時間加熱した後
、再度ハンドカードで開繊する。
上記のヨード吸着前後の試料につき、繊維方向を揃えて
から、同時に色差計でL値を測定し、ヨード吸む前後の
試料のL値をそれぞれLlおよびL2として測定する。
吸着前後のL値の差(1+  −12> をもってΔLとした。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
実施例1 アクリロニトリル(AN>99.5モル%、イタコン1
10.5モル%からなる固有粘度[η]が1.80のA
N共重合体のジメチルスルホキシド(DMSO>溶液に
アンモニアを吹込み、該共重合体のカルボキシル末端基
の水素をアンモニュウム基で置換してポリマを変性し、
この変性ポリマの濃度が21量%でおるDMSO溶液を
作成した。
この溶液を目開き5μの焼結金属フィルターを濾材とし
て濾過した俊、孔径0.15mm、孔数1500ホール
の紡糸口金を通して一旦空気中に吐出し、約3mmの空
間を走行させた1麦、約25°0130%DMSO水溶
液中に導入して吐出$1i11を糸条を凝固させた。
得られた凝固繊維糸条を水洗し、温水中で4倍に延伸し
て水膨i!I繊維糸条を得た。この水膨潤繊維糸条をポ
リエチレングリコール(PEG)変性ポリジメチルシロ
キサン(PEG変性m 50 ti m%)の0.8%
水溶液とアミノ変性ポリジメチルシロキサン(アミン変
性量1重量%)85部とノニオン系界面活性剤15部か
らなる0、8%水分散液の混合油剤浴中に浸漬した後、
表面温度130℃の加熱ロール上で乾燥、緻密化した。
乾燥、緻密化した繊維糸条を加熱スチーム中で3倍に延
伸し、単糸gi度が0.7デニール(d)、トータルデ
ニール1050(D>のアクリル系lli維糸条を得た
得られた繊維糸条の△Lは20であった。
このトータルデニールが1050Dのアクリル系繊維糸
条を3本合糸し、リング状ノズルを用いて、圧力0.7
Kq/cm2のエアー開城処理を施し、240〜260
℃の空気中で延伸倍率1゜0の下に加熱し水分率が4.
8%の酸化繊維糸条を作成した。
次いで、この酸化繊維糸条を最高温度が1400℃の窒
素雰囲気中で300〜700’Cの温度域における昇温
速度を約250’C/分、1000〜1200℃の温度
域におりる昇温速度を約400’C/分に設定して炭素
化し、炭素V&維糸条を得た。
得られた原料炭素w4維糸条の平均単繊維強度は465
KQ/mm2)樹脂含浸ストランド強度(樹脂処方A)
は580Kq/mm2であった。
また、この原料炭素繊維について、二次イオン質量分析
法により酸化度(160−)の単繊維径方向の分布を求
め、繊維中心部の酸化度に対する繊維表層部の最大酸化
度の比を求めた結果、2.7であった。
ざらにX線電子分光法により、繊維最表面の官能基量(
01s/C15)を測定した結果、0゜09であった。
かくして得られた原料炭素繊維糸条を温度80℃、濃度
5規定の硝酸水溶液を満した処理浴槽中に、セラミック
ス製ガイドを介して導入し、糸速0.3m/分で連続的
に走行させ、かつ処理浴槽の直前に設置した金属製ガイ
ドローうによって該炭素繊維糸条に陽電圧を印加し、処
理浴槽中に設置した陰極板との間に0.11Aの電流を
通した。
ここで炭素繊維糸条の処理浴槽における浸漬長は約0.
2m、処理時間は約40秒、炭素繊維1giりの電気量
は140クーロンであった。
このような電気化学的酸化処理の施された炭素繊維糸条
をアルカリおよび遷移金属の合計含有量がippmの水
洗浴中で水洗し、約200℃の加熱空気中で乾燥した後
、700℃の窒素雰囲気中で約1分間加熱して、前記処
理によって形成された繊維中の官能基を脱官能基した。
得られた炭素繊維糸条の平均単繊維強度および樹脂処方
AおよびBの樹脂会浸ストランド強度を測定した結果、
それぞれ560Kg/mm2.690Kg/mm2およ
び680Kg/mm2であツタ。
かくして得られた炭素繊維糸条の単繊維について、二次
イオン質量分析法(SIMS)により酸化度(160−
)の単繊維径方向の分布を求め、繊維中心部の酸化度に
対する繊維表層部の最大酸化度の比を求めた結果、5.
2であった。
さらにX線電子分光法(ESCA)により、繊維最表面
の官能基量(01s/C1s>を測定した結果、0.2
4であった。
比較例1 実施例1において、得られた原おl炭素繊維糸条を使用
し、それぞれ約20mをパイレックスガラスフレームに
巻き、68%濃厚硝酸に浸漬し、120’Cで30分間
処理した1多、約60分間水洗し、120’Cのオープ
ン中で約30分間乾燥した。得られた処理炭素繊維糸条
を窒素雰囲気下700℃の電気炉中で約1分間加熱して
脱官能基処理した。
得られた炭素繊維糸条の平均単繊維強度は510Kg/
mm2)二次イオン質量分析法(SIMS)により求め
た繊維中心部の酸化度(160−)に対する表層部の最
大酸化度の比は8.2であり、X線電子分光法(ESC
A>により、繊維最表面の官能基ffi (01s/C
1s>を測定した結果、0.29であった。
さらに、樹脂処方AおよびBの樹脂含浸ストランド強度
を測定した結果、それぞれ630Kg/mm2および5
20K(J/mm2であった。
比較例2 実施例1において、原料炭素繊維糸条を室温の濃度0.
5規定の硝酸水溶液を満した処理浴槽中にセラミックス
製ガイドを介して導入し、糸速0゜3m/分で連続的に
走行させ、かつ処理浴槽の直前に設置した金属製ガイド
ローラによって、該炭素giIit糸条に陽極電圧を印
加し、処理浴槽中に設置した陰極板との間に0.07A
の電流を流した。
ここで、炭素繊維糸条の処理浴槽にお(プる浸漬長は約
0.2m、処理時間は約/IQ秒、炭素繊維1g当りの
電気量は90クーロンであった。
上記電解処理を施した炭素繊維糸条について平均生繊維
強度を測定した結果、440Kg/mm2であり、二次
イオン質量分析法(SIMS)により求めた繊維中心部
の酸化度(160−)に対する表層部の最大酸化度の比
は3.6、X線電子分光法(ESCA>により、繊維最
表面の官能1l(01s/C1S)を測定した結果、0
.42であった。
ざらに、樹脂処方AおよびBの樹脂含浸ストランド強度
を測定した結果、それぞれ530KgI/mm2および
440Kg/mm2であった。
実施例2 実施例1と同一のの原おl炭素繊維を用いて電解電気量
を炭素繊維10当り500クーロンに変更した以外は、
実施例1と同様に電気・化学的酸化処理および脱官能基
処理を施した。
得られた炭素繊維糸条の平均単繊維強度は、580Kg
/mm2)二次イオン質(6)分析法(SIMS>によ
り求めた繊維中心部の酸化度(160−)に対する表層
部の最大酸化度の比は7.3、X線“電子分光法(ES
CA)により、8AIi維最表面の官能基量(01s/
C1s>は、0.27であった。
ざらに、樹脂処方AおよびBの樹脂含浸ストランド強度
を測定した結果、それぞれ6401/mm2および61
0Kg/mm2であった。
実施例3 実施例1と同一のの原料炭素繊維を用いて電解電気量を
炭素繊維1g当り90クーロンに変更した以外は、実施
例1と同様に電気・−化学的酸化処理および脱官能基処
理を施した。
得られた炭素繊維糸条の平均単繊維強度は、530KO
/mm2 、二次イオン質量分析法(SIMS)により
求めた繊維中心部の酸化度(160−)に対する表層部
の最大酸化度の比は4.7、X線電子分光法(ESCA
)により、繊維最表面の官能基量(01s/C1s)は
、0.23であった。
ざらに、樹脂処方AおよびBの樹脂含浸ストランド強度
を測定した結果、両者共に630KO/mm2であった
【図面の簡単な説明】
第1図は、二次イオン質量分析法(SIMS)により測
定され炭素繊維の酸素イオン(160−)の規格化され
た強度の単繊維の半径方向に対する分布曲線の1例を示
す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)繊維中心部の酸素イオン(^1^6O^−)強度
    に対比して、4.0〜7.5倍の範囲内の酸素イオン(
    ^1^6O^−)強度を有する繊維の表層部およびX線
    電子分光法(ESCA)によって検出される炭素繊維表
    面の官能基量(O_1s/C_1s)が0.1〜0.4
    の範囲内である繊維最表面とを有する超高強度複合材料
    製造用炭素繊維。 ここで、酸素イオン(^1^6O^−)強度は、二次イ
    オン質量分析法(SIMS)によって観測される炭素繊
    維の表面から内部にかけての酸化度を示す尺度である。
  2. (2)特許請求の範囲第1項において、炭素繊維の平均
    単繊維強度が少なくとも480Kg/mm^2であり、
    樹脂含浸ストランド強度が少なくとも600Kg/mm
    ^2である超高強度複合材料製造用炭素繊維。
JP28327485A 1985-12-17 1985-12-17 超高強度複合材料製造用炭素繊維 Pending JPS62141124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28327485A JPS62141124A (ja) 1985-12-17 1985-12-17 超高強度複合材料製造用炭素繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28327485A JPS62141124A (ja) 1985-12-17 1985-12-17 超高強度複合材料製造用炭素繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS62141124A true JPS62141124A (ja) 1987-06-24

Family

ID=17663333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28327485A Pending JPS62141124A (ja) 1985-12-17 1985-12-17 超高強度複合材料製造用炭素繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62141124A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58214527A (ja) * 1982-06-08 1983-12-13 Toray Ind Inc 高強伸度炭素繊維束
JPS60239521A (ja) * 1984-05-14 1985-11-28 Toray Ind Inc 優れたコンポジツト物性を示すアクリル系炭素繊維束およびその製造法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58214527A (ja) * 1982-06-08 1983-12-13 Toray Ind Inc 高強伸度炭素繊維束
JPS60239521A (ja) * 1984-05-14 1985-11-28 Toray Ind Inc 優れたコンポジツト物性を示すアクリル系炭素繊維束およびその製造法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2441865B1 (en) Acrylonitrile swollen yarn for carbon fiber, precursor fiber bundle, flame-proof fiber bundle, carbon fiber bundle, and production methods thereof
JP4094670B2 (ja) 「炭素繊維、アクリル系繊維、及び、それらの製造方法」
JPH11241230A (ja) 炭素繊維、炭素繊維用前駆体繊維、複合材料および炭素繊 維の製造方法
USRE33537E (en) Ultrahigh strength carbon fibers
JPH04361619A (ja) 炭素繊維及びその製造方法
JP2003073932A (ja) 炭素繊維
JP2000160436A (ja) 炭素繊維、及び炭素繊維用プリカーサーの製造方法
JP4953410B2 (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JP4726102B2 (ja) 炭素繊維及びその製造方法
JPH01306619A (ja) 高強度高弾性率炭素繊維
JPH054463B2 (ja)
JP2003253567A (ja) 炭素繊維用アクリル系前駆体繊維製造用シリコーン油剤および炭素繊維用アクリル系前駆体繊維束
JPS62141124A (ja) 超高強度複合材料製造用炭素繊維
CN113597484B (zh) 碳纤维束及其制造方法
JP5251655B2 (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JPS6385167A (ja) 表面改質炭素繊維とその製造方法
JPH0415288B2 (ja)
JPH11124744A (ja) 炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法
JPS58214527A (ja) 高強伸度炭素繊維束
JPS62149964A (ja) 超高強度炭素繊維の製造方法
JPH0737685B2 (ja) 超高強度コンポジツト物性を示す炭素繊維
JP2004156161A (ja) ポリアクリロニトリル系炭素繊維及びその製造方法
JPH0284527A (ja) 炭素繊維の処理方法
JP3697793B2 (ja) 炭素繊維用プリカーサーおよびその製造方法ならびに炭素繊維の製造方法
JPH0376869A (ja) 炭素繊維の気相表面処理方法