JPH076090B2 - 改質ポリエステル繊維 - Google Patents

改質ポリエステル繊維

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JPH076090B2
JPH076090B2 JP63238972A JP23897288A JPH076090B2 JP H076090 B2 JPH076090 B2 JP H076090B2 JP 63238972 A JP63238972 A JP 63238972A JP 23897288 A JP23897288 A JP 23897288A JP H076090 B2 JPH076090 B2 JP H076090B2
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washing
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polyester
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は改質ポリエステル繊維に関し、更に詳細には洗
濯を繰り返しても、また洗濯に加えて熱処理を繰り返し
ても、初期の防汚性が良好なレベルのまま維持される、
改善された防汚耐久性を有する改質ポリエステル繊維に
関する。
〈従来技術〉 従来より、ポリエステル繊維に防汚性を付与する方法が
検討され、多くの方法が提案されている。例えば親水性
高分子化合物を繊維表面に付着させる方法(特公昭53-4
7435号公報)や親水性基を有する重合可能な単量体を繊
維表面で重合させて被膜を形成させる方法(特開昭53-1
30396号公報)等がある。しかしながら、かかる方法で
は苛酷な洗濯処理を繰り返すと効果がなくなることが多
く、また耐久性を高めるために処理剤の付与量を多くす
ると、風合が粗硬になったり、染色堅牢性が悪くなった
りする等の問題を有し、更には特に婦人用のドレスやブ
ラウス等のソフトな風合が要求される薄地織物などに行
なわれるアルカリによる減量処理を施すと、耐久性のあ
る加工効果を発揮し難い等多くの問題を有している。
また、エポキシ化合物を繊維の加工に応用する例も多
い。この方法は、ジグリシジルエーテル基を含む化合物
とアミン化合物とを予め反応させて得られる化合物を用
いる方法(特公昭61-22069号公報)とアミン化合物とジ
グリシジル化合物との混在水溶液中で処理する方法(特
開昭51-147699号公報)の2つに大別される。しかしな
がら、これらの方法によっても防汚性は不充分であり、
且つ洗濯を繰り返したとき、効果が持続し難い。更に、
上記の加工方法の大きな欠点は、熱に対して耐久性がな
いことである。例えばアイロンとかプレス処理の効果を
強くするため、熱処理条件を強くすればするほど、防汚
性の性能がなくなり易い。
他に、最近低温プラズマで繊維表面を処理することによ
り、その表面の親水性を高める方法が提案されている
(特開昭59-47476号公報,特開昭61-97468号公報)。し
かしながら、これらの方法では、特殊なプラズマ発生装
置が必要になる等の設備上の大きな制約があり、しかも
得られる防汚性も充分でない。
一方、本発明者等は、洗濯時における再汚染性を改善し
た防汚性ポリエステル繊維として、一般式R1O(R2O)nH
(式中、R1は活性水素を有さない一価の有機基、R2はア
ルキレン基、nは20〜140の整数である)で表わされる
ポリアルキレングリコールを主鎖末端に共重合した改質
ポリエステルよりなる繊維を提案した(特開昭63-35824
号公報,特開昭63-35825号公報)。この改質繊維は、特
に油汚れに対する洗濯時の再汚染防止性に優れ、この性
能は洗濯を繰り返しても持続する。このため、この改質
繊維は洗濯処理を頻繁に繰り返す用途、例えばリネンサ
プライ又はレンタルと称される業務用に好適である。た
しかに、かかる用途では洗濯時の再汚染防止性に優れる
ことが必須条件であり、この改質繊維はその効果を有効
に発揮する。しかしながら、この改質ポリエステル繊維
といえども、洗濯に引続いてアイロンやプレス等の高温
熱処理が頻繁に行なわれる効率化された苛酷な洗濯条件
下では、その防汚耐久性に問題を生じる場合があること
が判明した。リネンサプライ分野における洗濯システム
は、効率化や合理化の追求により益々苛酷化の傾向にあ
り、上記問題点の解決が望まれていた。
〈発明の目的〉 本発明の目的は、上記した問題を解消して、洗濯を繰り
返しても、更には洗濯に加えて熱処理を繰り返しても、
優れた防汚性を呈するポリエステル繊維を提供すること
にある。本発明者等は、上記した片末端を封鎖したポリ
オキシアルキレングリコールを共重合したポリエステル
よりなる繊維をベースに、その洗濯〜熱処理の繰返しに
対する防汚耐久性を改善すべく鋭意見当を行った。その
結果、驚くべきことに、この繊維に片ヒンダードフェノ
ール系化合物の特定量を含有させることにより、その防
汚耐久性が顕著に改善されることを見出すに至った。更
に、片ヒンダードフェノール系化合物に加えてチオプロ
ピオネート系化合物を特定量比で含有させると、両者が
相乗効果的に作用して、洗濯〜熱処理の繰返しに対する
防汚耐久性が更に飛躍的に向上することを知見した。ま
た、本発明者等は片末端を封鎖したポリオキシアルキレ
ングリコールを主鎖末端に共重合したポリエステル繊維
のみならず、片末端を封鎖したポリオキシアルキレング
リコールを主鎖中にペンダント状に共重合したポリエス
テル繊維についても上記効果が同様に呈せられることを
知った。本発明はこれらの知見に基づいて更に重ねて検
討した結果完成したものである。
〈発明の構成〉 即ち、本発明の一つは、片末端を封鎖したポリオキシア
ルキレングリコールを共重合ポリエステルに対して1.0
〜20重量%共重合したポリエステルに、該ポリオキシア
ルキレングリコールに対して1.0〜30重量%の範囲とな
る量の片ヒンダードフェノール系化合物を含有されたポ
リエステルよりなる防汚耐久性の改質されたポリエステ
ル繊維である。
本発明の別の一つは、片末端を封鎖したポリオキシアル
キレングリコールを共重合ポリエステルに対して1.0〜2
0重量%共重合したポリエステルに、該ポリオキシアル
キレングリコールに対して1.0〜30重量%の範囲となる
量の片ヒンダードフェノール系化合物及び該片ヒンダー
ドフェノール系化合物に対して0.2〜5重量倍の範囲と
なる量のチオプロピオネート系化合物を含有させたポリ
エステルよりなる防汚耐久性の改質されたポリエステル
繊維である。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸
成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、即ち
エチレングリコール,トリメチレングリコール,テトラ
メチレングリコール,ペンタメチレングリコール及びヘ
キサメチレングリコールから選ばれた少なくとも一種の
グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル
を対象とする。かかるポリエステルは、その酸成分であ
るテレフタル酸の一部を他の二官能性カルボン酸で置き
換えてもよい。このような他のカルボン酸としては、例
えばイソフタル酸,5−ナトリウムスルホイソフタル酸,
ナフタリンジカルボン酸,ジフェニルジカルボン酸,ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、β−オキシエトキシ安
息香酸,p−オキシ安息香酸の如き二官能性芳香族カルボ
ン酸,セバシン酸,アジピン酸,蓚酸の如き二官能性脂
肪族カルボン酸,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如
き二官能性脂環族カルボン酸等をあげることができる。
また、ポリエステルのグリコール成分の一部を他のグリ
コール成分で置き換えてもよく、かかるグリコールとし
ては、主成分以外の上記グリコール及び他のジオール化
合物、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール,ネ
オペンチルグリコール,ビスフェノールA,ビスフェノー
ルSの如き脂肪族,脂環族,芳香族のジオール化合物、
両末端が未封鎖のポリオキシアルキレングリコール等が
あげられる。
かかるポリエステルは任意の方法によって製造すること
ができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートについ
て説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを
直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの
如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレング
リコールとをエステル交換反応させるか又はテレフタル
酸とエチレンオキサイドを反応させるかして、テレフタ
ル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生
成させる第1段反応、次いで第1段反応生成物を減圧下
加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2
段の反応とによって容易に製造される。
本発明においては、上記基体ポリエステルに片末端を封
鎖したポリオキシアルキレングリコールが共重合され
る。かかる片末端を封鎖したポリオキシアルキレングリ
コールとしては、例えば下記一般式(I),(II)及び
(III) R1O(R2O)nH …(I) で表わされるポリオキシアルキレングリコール系化合物
をあげることができ、これらは1種単独でも2種以上併
用してもよい。
上記式(I),(II)及び(III)中、R1,R3及びR5は炭
化水素基を示し、アルキル基,シクロアルキル基,アリ
ール基又はアルキルアリール基が好ましい。R2,R4及びR
6はアルキレン基であり、炭素原子数2〜4のアルキレ
ン基が好ましく、具体的にはエチレン基、プロピレン
基,テトラメチレン基が例示される。また2種以上の混
合、例えばエチレン基とプロピレン基とをもった共重合
体であってもよい。n,n′及びn″は重合度を示す正の
整数であり、好ましいのは20〜140の範囲である。20未
満では十分な耐久防汚性が得られ難く、140を越えて大
きくなると共重合が困難となる傾向が見られ、かえって
耐久防汚性が劣るようになる。
かかるポリオキシアルキレングリコール系化合物の好ま
しい具体例としては、上記式(I)で示される化合物と
してポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテ
ル,ポリオキシエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル,ポリオキシエチレングリコールモノオクチルフェニ
ルエーテル,ポリオキシエチレングリコールモノノニル
フェニルエーテル,ポリオキシエチレングリコールモノ
セチルエーテル,ポリオキシプロピレングリコールモノ
フェニルエーテル,ポリオキシプロピレングリコールモ
ノフェニルエーテル,ポリオキシプロピレングリコール
モノノニルフェニルエーテル,ポリオキシプロピレング
リコールモノノニルフェニルエーテル,ポリオキシテト
ラメチレングリコールモノメチルエーテル,ポリオキシ
エチレングリコール/ポリオキシプロピレングリコール
共重合体のモノメチルエーテル等をあげることができ
る。
上記式(II)で示される化合物の好ましい具体例として
はポリオキシエチレングリコールメチル1,2−ジヒドロ
キシプロピルエーテル,ポリオキシエチレングリコール
フェニル1,2−ジヒドロキシプロピルエーテル、ポリオ
キシエチレングリコールイソプロピル1,2−ジヒドロキ
シプロピルエーテル,ポリオキシエチレングリコールn
−ブチル1,2−ジヒドロキシプロピルエーテル,ポリオ
キシエチレングリコールオクチルフェニル1,2−ジヒド
ロキシプロピルエーテル,ポリオキシエチレングリコー
ルノニルフェニル1,2−ジヒドロキシプロピルエーテ
ル,ポリオキシエチレングリコールセチル1,2−ジヒド
ロキシプロピルエーテル,ポリオキシプロピレングリコ
ールメチル1,2−ジヒドロキシプロピルエーテル,ポリ
オキシプロピレングリコールフェニル1,2−ジヒドロキ
シプロピルエーテル,ポリオキシプロピレングリコール
n−ブチル1,2−ジヒドロキシプロピルエーテル,ポリ
オキシプロピレングリコールオクチルフェニル1,2−ジ
ヒドロキシプロピルエーテル,ポリオキシプロピレング
リコールノニルフェニル1,2−ジヒドロキシプロピルエ
ーテル,ポリオキシテトラメチレングリコールメチル1,
2−ジヒドロキシプロピルエーテル,ポリオキシエチレ
ングリコール/ポリオキシプロピレングリコール共重合
体のメチル1,2−ジヒドロキシプロピルエーテル等をあ
げることができる。
更に、上記式(III)で示される化合物の好ましい具体
例としてはポリオキシエチレングリコールメチルグリシ
ジルエーテル,ポリオキシエチレングリコールフェニル
グリシジルエーテル,ポリオキシエチレングリコールイ
ソプロピルグリシジルエーテル,ポリオキシエチレング
リコールn−ブチルグリシジルエーテル,ポリオキシエ
チレングリコールオクチルフェニルグリシジルエーテ
ル,ポリオキシエチレングリコールノニルフェニルグリ
シジルエーテル,ポリオキシエチレングリコールセチル
グリシジルエーテル,ポリオキシプロピレングリコール
メチルグリシジルエーテル,ポリオキシエチレングリコ
ールフェニルグリシジルエーテル,ポリオキシエチレン
グリコールn−ブチルグリシジルエーテル,ポリオキシ
エチレングリコールオクチルフェニルグリシジルエーテ
ル,ポリオキシエチレングリコールノニルフェニルグリ
シジルエーテル,ポリオキシテトラメチレングリコール
メチルグリシジルエーテル,ポリオキシエチレングリコ
ール/ポリオキシプロピレングリコール共重合体のメチ
ルグリシジルエーテル等をあげることができる。
上記の化合物を前記基体ポリエステルに共重合するに
は、前述したポリエステルの合成が完了するまでの任意
の段階、例えば第1段階の反応開始前,反応中,反応終
了後、第2段階の反応中等の任意の段階で添加し、添加
後重縮合反応を完結すればよい。
その使用量は、あまりに少いと最終的に得られる改質ポ
リエステル繊維の防汚性が不充分になり、逆にあまりに
多いと最早防汚性は著しい向上を示さずかえって物性低
下や耐熱性・耐光性の悪化を招来するようになる。従っ
てその使用量は共重合ポリエステルに対して1.0〜20重
量%の範囲が適当であり、なかでも1.0〜8.0重量%の範
囲が好ましい。
本発明の改質ポリエステル繊維を構成するポリエステル
は、上記した片末端封鎖ポリオキシアルキレングリコー
ルが共重合されていると共に必須成分として片ヒンダー
ドフェノール系化合物の特定量を含有する。
片ヒンダードフェノール系化合物は、そのフェノール性
水酸基の隣接位置の一方に立体障害性置換基を有し、他
方に水素原子又は非立体障害性置換基を有するフェノー
ル系化合物であり、なかでもフェノール性水酸基の隣接
位置の一方に立体障害性炭化水素基を有し、他方に水素
原子又は非立体障害性の炭化水素基を有する片フェノー
ル系化合物が好ましい。
ここでいう立体障害性炭化水素基としては、炭化原子数
4〜20の第3アルキル基,炭素原子数4〜20のシクロア
ルキル基,炭素原子数が1〜20のアルキル基を有する1
−アルキルシクロアルキル基,炭素原子数が1〜20のア
ルキル基を有する1−アルキルベンジル基等が好ましい
ものとしてあげることができ、なかでも第3ブチル基で
あるのが特に好ましい。他方、非立体障害性炭化水素基
としては、炭素原子数1〜20の第1又は第2アルキル基
を好ましいものとしてあげることができ、なかでもメチ
ル基であるのが特に好ましい。
上記片ヒンダードフェノール系化合物の好ましい具体例
として下記の如き化合物をあげることができる。
(但し、式中+はt−ブチル基を示す。) 上記片ヒンダードフェノール系化合物は1種単独で使用
しても、また2種以上を併用してもよい。
かかる片ヒンダードフェノール系化合物を共重合ポリエ
ステル繊維に含有させるには、前述したポリエステルの
ポリマー製造を経て、繊維の製造が完了するまでの任意
の段階、例えば第1段の反応開始前,反応中,反応終了
後、第2段の反応中及び紡糸前等の任意の段階で添加
し、しかる後製造を完結すればよい。その使用量が、共
重合成分である前記ポリオキシアルキレングリコールに
対して1.0重量%未満では、片ヒンダードフェノール系
化合物の使用による改質ポリエステル繊維の耐久防汚性
の向上が不充分となり、逆にこの量が30重量%を越える
と、最早耐久防汚性の著しい向上効果が認められず、か
えって最終的に得られる繊維の物性が低下するのみなら
ず、紡糸性や延伸性等の製糸化パーフォーマンスが不良
化するようになる。従って、その使用量は、前記ポリオ
キシアルキレングリコールに対して1.0〜30重量%の範
囲が適当である。
更に、上記の片ヒンダードフェノール系化合物と共にチ
オプロピオネート系化合物を併用すると、耐久防汚性が
相乗効果的に向上するので好ましい。
かかるチオプロピオネート系化合物としては、例えば下
記の如き化合物を好ましくあげることができる。
(R:C12〜C14のアルキル基) 上記のチオプロピオネート系化合物は1種単独で使用し
ても、また2種以上を併用してもよい。
かかるチオプロピオネート系化合物を共重合ポリエステ
ル繊維に含有させるには、前記片ヒンダードフェノール
系化合物と同様に、ポリエステルのポリマー製造を経て
繊維の製造が完了するまでの任意の段階で添加すること
ができ、片ヒンダードフェノール系化合物とは同時に添
加しても又は任意の順序で添加してもよい。
なお、本発明の改質ポリエステル繊維には、更に酸化防
止剤,紫外線吸収剤等を含有させてもよく、こうするこ
とはむしろ好ましいことである。その他、必要に応じて
難燃剤,蛍光増白剤,艶消剤等の添加剤を含有させても
よい。
このようにして得られた改質ポリエステルを繊維にする
には、格別の方法を採用する必要はなく、ポリエステル
繊維の溶融紡糸法が任意に採用される。例えば、500〜2
500m/分の速度で紡糸し、延伸・熱処理する方法、1500
〜5000m/分の速度で紡糸し、延伸と仮撚加工とを同時に
又は続いて行う方法、5000m/分以上の高速で紡糸し、用
途によっては延伸工程を省略する方法等任意の製糸化方
法が採用される。ここで紡出する繊維は中空部を有しな
い中実繊維であっても、中空部を有する中空繊維であっ
てもよい。また紡出する繊維の横断面における外形や中
空部の形状は円形であっても異形であってもよい。更
に、繊維の形態としては長繊維状であっても短繊維状で
あってもよい。
〈発明の効果〉 本発明の改質ポリエステル繊維は、洗濯に引続いてアイ
ロンやプレス等の高温熱処理が頻繁に行われる、効率化
された苛酷な洗濯条件下で、特に際立った耐久防汚性を
呈する点で従来の防汚性ポリエステル繊維にない特徴を
有する。
近年、各種職場で着用される制服あるいはユニフォーム
等と呼ばれる職場衣,工場作業等で着用される作業衣、
医療関連あるいは食品関連等の職場で着用される白衣等
の衣料、病院,ホテル等で使用されるシーツ地,布団カ
バー地等の寝具・寝衣等、更にはレストラン,各種宴会
・集会場等で使用されるテーブルクロス等は、リネン類
といわれ、これらを使用する所にレンタルされる場合が
多く、このウエイトは年々高まりつつある。これらの商
品分野はリネンサプライ分野とも称される。この分野に
おいて商品に要求されることは、商品を使用する側から
すれば、黒ずみや黄ばみが起こらず、清潔であるという
ことであり、一方商品をレンタルする側からすれば、洗
濯,アイロン,プレス等を繰り返しても使用後の商品の
汚れが落とし易く、洗濯中に汚れが再付着せず、洗濯,
アイロン,プレス等を繰り返しても初期の防汚性が維持
されて黒ずみが起こらないことである。
従って、これらのリネンサプライ分野の商品には汚れが
落とし易く、洗濯中に汚れが再付着しない、即ち防汚性
を持ち、且つかかる防汚性が洗濯を繰り返しても、更に
は洗濯後のアイロンやプレス等の熱処理を繰り返して
も、初期の防汚性を保つものが望ましく、本発明の改質
ポリエステル繊維よりなる製品は、防汚性及びその耐洗
濯性と耐熱性とに著しく優れるので極めて好適に使用す
ることができる。
また、周知の如く、ポリエステル繊維は風合改善を目的
としたアルカリ減量加工が施される場合が多いが、本発
明の改質ポリエステル繊維の防汚性及びその耐久性は、
かかるアルカリ減量加工によって何等影響されず、また
アルカリ減量による機械的物性の低下も極めて少いた
め、アルカリ減量による風合改善が可能である。
本発明において、片末端を封鎖したポリオキシアルキレ
ングリコールの特定量を共重合したポリエステル繊維の
防汚耐久性(耐洗濯性と耐熱性)の改善に関して、両ヒ
ンダードフェノール系化合物ではほとんどその効果が認
められないのに対して、片ヒンダードフェノール系化合
物を用いた場合にのみ特異的な向上効果が奏される理由
については未だ定かでなく、片末端を封鎖したポリオキ
シアルキレングリコールと片ヒンダードフェノール系化
合物との何らかの相互作用によって、片末端封鎖ポリオ
キシアルキレングリコールの洗濯〜熱処理の繰り返しに
よる繊維からの脱落が抑止されるためと想像される。
〈実施例〉 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中の部及び
%はそれぞれ重量部及び重量%を示し、得られるポリエ
ステル繊維の防汚性は以下の方法で測定した。
(1)防汚性 (i)汚染処理 下記組成の汚染液300ccをカラーペット染色試験機(日
本染色機械製)のポットに入れ、この中にホルダーには
さんだ10cm×13cmの試料を浸漬させ、50℃で100分攪拌
処理した。
上記処理後軽く水洗した後試料を紙の間にはさんで余
分の汚染液を除いた。この汚染処理,水洗及び余分の汚
染液を除く処理を4回繰り返した。次いで汚染した試料
の半分を家庭洗濯機の弱条件でマルセル石鹸を2g/l含む
40℃の温湯中で10分間洗濯した。しかる後下記方法によ
って汚染性及び除去性を求めた。
(ii)汚染性及び除去性の求め方 マスベスMS-2020(Instrumental Color System Limited
製)を用い、常法によりCIE表示計のE*を求め、汚染性
及び除去性を下記式により計算した。
ΔE*a=E* 1−E* 2 ΔE*b=E* 1−E* 3 上記式中、ΔE*a:汚染性 ΔE*b:除去性 E* 1:汚染処理前の試料のE* E* 2:汚染処理後の試料のE* E* 3:洗濯処理後の試料のE* (2)洗濯〜熱処理 防汚性の洗濯〜熱処理に対する耐久性を調べるための洗
濯処理及び熱処理は下記によった。
(i)洗濯処理 家庭用洗濯機(ナショナルNA-680L)を用い、新酵素ザ
ブ(花王製)2g/l溶液を30l(浴比1:30)入れ、試料を
入れて、40℃で10分間自動渦巻き水流にて洗濯する。そ
の後脱水し、40℃の温水30l(浴比1:30)で5分間湯
洗,脱水し、次いでオーバーフロー水洗を10分間行い、
脱水した。上記洗濯を1回処理とし、これを必要な回数
繰り返した。
(ii)熱処理 熱風乾燥器中で、空気雰囲気において170℃の温度で1
分間処理し、これを熱処理1回とした。
従って、洗濯〜熱処理の繰返しとは、上記の洗濯を1回
行った後に、熱処理を1回行い、これを洗濯〜熱処理1
回とし、この組み合わせ処理を必要回数繰り返すことを
意味する。
実施例1〜4及び比較例1 テレフタル酸ジメチル100部,エチレングリコール60
部,酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.066モル%)及び整色剤として酢酸コバル
ト4水塩0.009部(テレフタル酸ジメチルに対して0.007
モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下
4時間かけて140℃から220℃まで昇温して生成するメタ
ノールを系外に留去しながらエステル交換反応を行っ
た。エステル交換反応終了後、安定剤としてリン酸トリ
メチル0.058部(テレフタル酸ジメチルに対して0.080モ
ル%)及び消泡剤としてジメチルポリシロキサンを0.02
4部加えた。次いで10分後に三酸化アンチモン0.04部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)を添加
し、同時に過剰のエチレングリコールを追い出しながら
240℃まで昇温した後重合缶に移した。次いで下記化学
(但し、nは平均値として約55である) で表わされるポリオキシエチレングリコールモノフェニ
ルエーテルを4.0部添加し、引続いて1時間かけて760mm
Hgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて240℃
から280℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下重合温度28
0℃で更に2時間重合した時点で1,3,5−トリス(4−t
−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン
(アメリカン サイアナミッド社製,サイアノックス17
90)を第1表記載の量を真空下添加し、その後更に30分
間重合した。得られたポリエステルの極限粘度は0.640
〜0.655の範囲であり、軟化点は261.5〜262.0℃の範囲
であった。ポリマーは常法によりチップ化した。
これらのチップを常法により乾燥し、孔径0.3mmの円形
紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して285℃で溶融
紡糸し、次いで得られる延伸糸の伸度が30%になるよう
な延伸倍率で80℃の加熱ローラーと160℃のプレートヒ
ーターを使って延伸・熱処理した75デニール/24フィラ
メントの延伸糸を得た。
得られた延伸糸をメリヤス編地となし、常法により精
練,プリセット(180℃×45秒)して編地Aを得た。ま
た、プリセット後3.5%水酸化ナトリウム水溶液で沸騰
温度にて処理し、減量率20%の編地Bを得た。
次いで編地A及び編地Bを純水にて130℃で60分間熱水
処理(染色処理のモデルテスト)を施した後、常法に従
ってファイナルセット(160℃×45秒)した。
得られた編地A及び編地Bを用いて洗濯〜熱処理0回
(LH0と略称する)及び洗濯〜熱処理25回繰返し(LH25
と略称する)た後の防汚性レベルを評価した。結果を第
1表に示した。
実施例5〜7 実施例2において、片ヒンダードフェノール系化合物と
共にペンタエリスリトール−テトラキス(β−ドデシル
−トプロピオネート)を第1表記載の量併用する以外は
実施例2と同様に行った。結果は第1表の通りであっ
た。
比較例2 実施例3において片ヒンダードフェノール系化合物とし
て使用した1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒド
ロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン
−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(アメリカン サイ
アナミッド社製,サイアノックス1790)に代えて、ペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チ
バ−ガイギー社製,イルガノックス1010)を使用する以
外は実施例3と同様に行った。結果を第1表に示した。
実施例8及び9 実施例2及び実施例7において片ヒンダードフェノール
系化合物として使用した1,3,5−トリス(4−t−ブチ
ル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5
−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(アメ
リカン サイアナミッド社製,サイアノックス1790)に
代えて、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート](チバ−ガイギー社製,イルガノックス24
5)を用いる以外は実施例2及び実施例7と同様に行っ
た。結果は第1表に記載した通りであった。
実施例10,11及び比較例3 実施例2,7及び比較例1において片末端封鎖ポリオキシ
アルキレングリコールとして使用したポリオキシエチレ
ングリコールモノフェニルエーテルに代えて下記化合物 (但し、nは平均値として約50である) を用いる以外は実施例2,7及び比較例3と同様に行っ
た。結果を第1表に示した。
実施例12,13及び比較例4 実施例2,7及び比較例1において片末端封鎖ポリオキシ
アルキレングリコールとして使用したポリオキシエチレ
ングリコールモノフェニルエーテルに代えて下記化合物 (但し、nは平均値として約50である) を用いる以外は実施例2,7及び比較例1と同様に行っ
た。結果は第1表の通りである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−90312(JP,A) 特開 昭63−35824(JP,A) 特開 昭62−231063(JP,A) 特開 昭61−179255(JP,A) 特公 昭51−27462(JP,B2) 特公 昭63−14738(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】片末端を封鎖したポリオキシアルキレング
    リコールを共重合ポリエステルに対して1.0〜20重量%
    共重合したポリエステルに、該ポリオキシアルキレング
    リコールに対して1.0〜30重量%の範囲となる量の片ヒ
    ンダードフェノール系化合物を含有させたポリエステル
    よりなる防汚耐久性の改質されたポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】片末端を封鎖したポリオキシアルキレング
    リコールを共重合ポリエステルに対して1.0〜20重量%
    共重合したポリエステルに、該ポリオキシアルキレング
    リコールに対して1.0〜30重量%の範囲となる量の片ヒ
    ンダードフェノール系化合物及び該片ヒンダードフェノ
    ール系化合物に対して0.2〜5重量倍の範囲となる量の
    チオプロピオネート系化合物を含有させたポリエステル
    よりなる防汚耐久性の改質されたポリエステル繊維。
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