JPH075729B2 - ブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体およびその製造方法

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JPH075729B2
JPH075729B2 JP10529090A JP10529090A JPH075729B2 JP H075729 B2 JPH075729 B2 JP H075729B2 JP 10529090 A JP10529090 A JP 10529090A JP 10529090 A JP10529090 A JP 10529090A JP H075729 B2 JPH075729 B2 JP H075729B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なブロック共重合体及びその製造方法に
関し、より詳しくは架橋可能なポリアミド−ポリブタジ
エン−アクリロニトリルブロック共重合体及びその製造
方法に関する。
〔従来の技術〕
ポリブタジエンは柔軟な分子構造を有し、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体によって代表されるポリブタ
ジエン系のブロック共重合体は優れた熱可塑性弾性体と
なることが知られている。しかしながら、このブロック
共重合体のポリスチレン連鎖は軟化温度が低く、ブロッ
ク共重合体を比較的高温で使用する場合等には、満足な
性能を示さないという問題があった。この問題点を解決
するために、スチレンに代わってポリアミドを使用した
ポリアミド−ポリブタジエン系ブロック共重合体が提案
されている(特開昭60-49026号公報及び特公昭62-3171
号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来提案されている上記ポリアミド−ポ
リブタジエン系ブロック共重合体は、耐熱性の高い熱可
塑性弾性体であるが、溶媒への溶解性や他のポリマーと
の相溶性が十分でないという問題があった。
本発明は、従来の技術における上記のような問題点を解
決する目的でなされたものである。
本発明者等は、先にポリアミド−ポリブタジエン−アク
リロニトリルブロック共重合体を提案した(特開平2-24
5032号公報)。このブロック共重合体は耐熱性の高い熱
可塑性弾性体であって、使用前は十分な溶剤溶解性をも
ち、取扱い性が良いが、使用後に高い耐溶剤性を示すと
いう要求に対しては不十分であるという問題があること
が判明した。そこで、さらに研究を進めた結果、本発明
を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、耐熱性が良好であり、溶
媒への溶解性や他のポリマーとの相溶性が優れて取扱い
性が良好であると共に、耐熱性、接着性、耐溶剤性をも
ち、かつ弾性体を与える新規なブロック共重合体及びそ
の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の第1のものは、ポリアミド−ポリブタジエン−
アクリロニトリルブロック共重合体に関するものであっ
て、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとの重縮合に
より形成される両末端にアミノアリール基を有するポリ
アミドと、両末端にカルボキシル基を有するポリブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体との重縮合体であっ
て、下記一般式(I)で示されるブロック単位(A)
と、下記一般式(II)で示されるブロック単位(B)か
らなり、 (式中、Rは二価の有機基を示し、R′はフェノール性
水酸基を有する二価の芳香族基を示し、Arは下記式
(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 x、y、z、l及びmは、それぞれ平均重合度であっ
て、x=3〜7、y=1〜4、z=5〜15、l+m=2
〜300の整数を示し、m/(m+l)≧0.04である) かつ、ブロック単位(A)及びブロック単位(B)がそ
れぞれ2〜20の範囲で存在することを特徴とする。
本発明の第2のものは、上記ブロック単位(A)及びブ
ロック単位(B)よりなるポリアミド−ポリブタジエン
−アクリロニトリルブロック共重合体の製造方法に関す
るものであって、少なくとも4モル%がフェノール性水
酸基を有する芳香族ジカルボン酸よりなる芳香族ジカル
ボン酸と芳香族ジアミンとを重縮合させ、さらに、合成
された下記一般式(III) (式中、R、R′Arl及びmは、上記したと同意義を有
する。) で示される両末端にアミノアリール基を有するポリアミ
ドを、下記一般式(IV) (式中、x、y及びzは、上記したと同意義を有する。
で示される両末端にカルボキシル基を有するポリブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体と重縮合させることか
らなり、上記各重縮合反応を芳香族亜リン酸エステルと
ピリジン誘導体の存在下で行うことを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアミド−ブタジエン−アクリロニトリル系
ブロック共重合体は、上記ブロック単位(A)及びブロ
ック単位(B)よりなるものであって、まず、少なくと
も4モル%がフェノール性水酸基を有する芳香族ジカル
ボン酸よりなる芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンと
を重縮合して、上記一般式(III)で示される両末端に
アミノアリール基を有するポリアミドを合成し、引き続
いて、得られたポリアミドを上記一般式(IV)で示され
る両末端にカルボキシル基を有するブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体と重縮合させることによって製造す
ることができる。
本発明において、上記一般式(III)で示されるポリア
ミドの合成に使用するフェノール性水酸基を有する芳香
族ジカルボン酸としては、芳香族核にカルボキシル基お
よび水酸基を有する化合物であれば特に限定されるもの
ではないが、例えば、4-ヒドロキシイソフタル酸、5-ヒ
ドロキシイソフタル酸およびそれ等の誘導体が好ましい
ものとして例示することができる。その他、2-ヒドロキ
シイソフタル酸、3-ヒドロキシフタル酸、4-ヒドロキシ
フタル酸、2-ヒドロキシテレフタル酸、4,4′‐メチレ
ンビス‐(3-ヒドロキシ‐2-ナフタレン酸)などをあげ
ることができる。
本発明において、これ等フェノール性水酸基を有する芳
香族ジカルボン酸は単独でも使用できるが、他の芳香族
ジカルボン酸と併用してもよい。なお、他の芳香族ジカ
ルボン酸と併用する場合には、フェノール性水酸基を有
する芳香族ジカルボン酸は、全芳香族ジカルボン酸の少
なくとも4モル%以上であることが必要である。
本発明において、上記フェノール性水酸基を有する芳香
族ジカルボン酸と併用することができる芳香族ジカルボ
ン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、
4,4′‐ビフェニルジカルボン酸、3,3′‐メチレン二安
息香酸、4,4′‐メチレン二安息酸、4,4′‐オキシ二安
息香酸、4,4′‐チオ二安息香酸、3,3′‐カルボニル二
安息香酸、4,4′‐カルボニル二安息香酸、4,4′‐スル
ホニル二安息香酸、1,4′‐ナフタレンジカルボン酸、
1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボ
ン酸等のカルボン酸及びその誘導体をあげることができ
るが、これらに限定されるものではない。
また、本発明において使用することができる芳香族ジア
ミンとしては、例えば、3,4′‐オキシジアニリン、4,
4′‐オキシジアニリン、ビス(4-アミノフェニル)メ
タン、3,3′‐ジアミノベンゾフェノン、4,4′‐ジアミ
ノベンゾフェノン、ビス(4-アミノフェニル)スルフィ
ド、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、及び2,2-ビス
(アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等をあげる
ことができる。
上記芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と上記芳香族
ジアミンとの重縮合は、芳香族ジアミンの過剰量を使用
し、芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下
で行われる。
使用される芳香族亜リン酸エステルとしては、亜リン酸
トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ‐o-
トリル、亜リン酸ジ‐o-トリル、亜リン酸トリ‐m-トリ
ル、亜リン酸ジ‐m-トリル、亜リン酸トリ‐p-トリル、
亜リン酸ジ‐p-トリル、亜リン酸ジ‐o-クロロフェニ
ル、亜リン酸トリ‐p-クロロフェニル、亜リン酸ジ‐p-
クロロフェニル等をあげることができる。
また、ピリジン誘導体としては、ピリジン、2-ピコリ
ン、3-ピコリン、4-ピコリン、2,4-ルチジン、2,6-ルチ
ジン、3,5-ルチジン等をあげることができる。
重縮合反応により製造されるポリアミドは、上記一般式
(III)で示されるように両末端にアミノアリール基を
有し、そして、下記繰り返し単位(C) (式中、R′及びArは、上記したと同意義を有する。) のみよりなるか、または繰り返し単位(C)と、下記繰
り返し単位(D) (式中、R及びArは、上記したと同意義を有する。) とより構成される。上記ポリアミドが、繰り返し単位
(C)と繰り返し単位(D)とより構成される場合、繰
り返し単位(C)と繰り返し単位(D)とは、ランダム
に結合したランダム重縮合体の形態になっていてもよい
し、或いは繰り返し単位(C)及び繰り返し単位(D)
のいずれか一方または両者が、それぞれ30個以下の範囲
で結合したブロックの状態で結合して、ブロック共重合
体の形態になっていてもよい。
これらのポリアミドは、それを使用して生成するブロッ
ク共重合体の引張り強度、引張り弾性率の物性を考慮す
ると、通常、平均重合度m+l=2〜300の範囲が好適
である。
上記重縮合反応によって合成された一般式(III)で示
されるポリアミドは、次いで上記一般式(IV)で示され
る両末端にカルボキシル基を有するポリブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体とブロック共重合反応により重
縮合させる。
この両末端にカルボキシル基を有するポリブタジエン−
アクリロニトリル共重合体において、二重結合の立体化
学構造は、シス構造でもトランス構造でもよい。上記一
般式(IV)で示される両末端にカルボキシル基を有する
ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体は、カルボ
キシル基を両末端に導入する重合法であれば、如何なる
方法によって製造してもよく、通常、アニオン重合また
はラジカル重合によって製造することができる。また、
平均重合度zは、通常生成するブロック共重合体の引張
り強度、引張り弾性率などの物性を考慮すると、5〜15
の範囲が好適である。
上記のブロック共重合反応も、芳香族亜リン酸エステル
とピリジン誘導体の存在下で行われるが、芳香族亜リン
酸エステルとピリジン誘導体としては、上記例示したも
のと同一のものをあげることができる。
ブロック共重合反応に際しては、通常の場合、ピリジン
誘導体を含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用され
る。混合溶媒として使用される有機溶媒としては、両反
応成分や、芳香族亜リン酸エステルと実質的に反応しな
い溶媒であるという制限を受けるが、このほかに、両反
応成分に対する良溶媒であって、しかも反応生成物のブ
ロック共重合体に対する良溶媒であることが望ましい。
このような有機溶媒として代表的なものとしては、N-メ
チル‐2-ピロリドンやN,N-ジメチルアセトアミド等のア
ミド系溶媒があげられる。
本発明において、重合度の大きいブロック共重合体を得
る場合には、塩化リチウム、塩化カルシウムによって代
表される無機塩類を反応系に添加することができる。
本発明においては、上記の重縮合反応およびブロック共
重合反応を、芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体
の存在下で実施する必要がある。芳香族亜リン酸エステ
ルとピリジン誘導体の存在下で上記重縮合反応を実施す
ると、官能基であるフェノール性水酸基を保護すること
なく、またフェノール性水酸基とカルボキシル基やアミ
ノ基との反応を起こすことなく、重縮合反応が進行する
と共に、両末端にカルボキシル基を有するポリブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体と、両末端にアミノアリ
ール基を有するポリアミドとのブロック共重合反応にお
いて、高温を必要とせず、ブタジエン−アクリロニトリ
ル鎖の分解反応など副反応やアミド交換反応を避けるこ
とができる。したがって、構造の規制されたブロック共
重合体を容易に製造することができるという大きな利点
を有している。
本発明の製造方法について更に詳しく説明すると、上記
フェノール性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸を含む
芳香族ジカルボン酸類に対して、過剰量の芳香族ジアミ
ン類とを、上記芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導
体の存在下に、N-メチル‐2-ピロリドンによって代表さ
れる有機溶媒中で、窒素等の不活性雰囲気下で加熱撹拌
することにより容易に行われる。
このようにして得られたポリアミド溶液に、さらにこの
ポリアミド体と両末端にカルボキシル基を有するポリブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体を添加し、加熱し
てブロック共重合反応による重縮合を起こさせることに
より、本発明の上記ブロック共重合体が得られる。
本発明においては、さらに、上記芳香族ジカルボン酸、
芳香族ジアミン、および上記ポリブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体を、N-メチル‐2-ピロリドン等の溶媒
中に混存させた状態で反応させることによっても、本発
明の上記ブロック共重合体を得ることができる。
これら重縮合で使用する芳香族亜リン酸エステルの量
は、通常、カルボキシル基に対して等モル量以上である
が、30モル量以上の使用は経済的にみて得策ではない。
また、ピリジン誘導体の量は、カルボキシル基に対して
等モル量以上であることが必要であるが、実際には、反
応溶媒としての役割を果たす為に大過剰使用するのが好
ましい。また、本発明においては、ピリジン誘導体とN-
メチル‐2-ピロリドンによって代表される有機溶媒から
なる混合溶媒が好ましく使用されるが、混合溶媒の使用
量は、通常、反応成分を5〜30重量%含むようになる量
が好ましい。
本発明において、反応温度は、通常の場合60〜140℃の
範囲が好ましい。また、反応時間は、反応温度により大
きく影響されるが、多くの場合、数分から20時間の間で
ある。そして如何なる場合にも最高の重合度を意味する
最高粘度が得られるまでの反応系を攪拌するのが望まし
い。
反応終了後は、反応混合物をメタノール、ヘキサン等の
非溶媒中に投じて生成したブロック共重合体を分離し、
更に再沈澱法により精製を行って、副生物や無機塩類な
どを除去し、精製されたブロック共重合体を得ることが
できる。
上記のようにして合成されるフェノール性水酸基を有す
るポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロ
ック共重合体におけるポリブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体とポリアミド重縮合体との組成比は、各々の
仕込み量によって決まるが、一般にポリブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体の組成比が増加するに従い、弾
性率、溶媒溶解性が増加し、耐熱性が低下する。本発明
の上記ブロック共重合体において、ブロック単位(A)
とブロック単位(B)とは、それぞれ2〜20の範囲で存
在することが必要である。各ブロック単位の数が20を越
えると、加工性の点で好ましくなくなる。両反応成分の
いずれか一方を過剰に使用して縮重合を行うとブロック
単位の数を小さくすることが可能になる。
本発明の上記ブロック単位(A)及びブロック単位
(B)よりなるブロック共重合体は、含有されるフェノ
ール性水酸基が、イソシアナート、イソチオシアナー
ト、ジケテン、エチレンイミン、エポキシ等の化合物と
容易に反応し、架橋構造を持たせることができるが、特
にエポキシ化合物と架橋反応させるのが好ましい。何故
ならば、比較的温和な条件で架橋反応が進み、耐熱性や
接着性の一層の向上、幅広い化合物の選択性、低コス
ト、容易な取扱性等で有利であるからである。
本発明の上記ブロック共重合体と反応させることができ
るエポキシ化合物は、少なくとも2個以上のエポキシ基
を有する化合物であれば、特に限定されるものではな
く、例えば、臭素化エポキシ化合物、エポキシノボラッ
ク樹脂、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン、多官
能性エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エ
ポキシ化合物、フッ素含有エポキシ化合物、およびエポ
キシ変性樹脂等があげられ、その他、市販されている非
常に多くの化合物が目的に応じて種々選択して使用する
ことができる。更に、必要に応じて、触媒や硬化促進剤
などを併用することができる。
本発明の上記ブロック共重合体は、これらエポキシ化合
物と反応させることによって、その耐溶剤性、接着性お
よび耐熱性が一層向上したものとなる。
〔実施例〕
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発
明は、これ等実施例によって限定されるものではない。
実施例1 イソフタル酸167mg(1 mol)、3,4′‐オキシジアニリ
ン440mg(2.2mol)、5-ヒドロキシイソフタル酸182mg
(1 mol)(全芳香族ジカルボン酸に対して約50モル
%)、塩化リチウム100mg、塩化カルシウム300mg、N-メ
チル‐2-ピロリドン8ml、ピリジン1mlを、50mlの3口丸
底フラスコの中に入れ、攪拌溶解させた後、亜リン酸ト
リフェニル1gを加えて、90℃で2時間反応させ、ポリア
ミド体を生成させた。これに両末端にカルボキシル基を
持つポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体(Hyca
r CTBN、BF Goodrich 社製)810mgを5mlのピリジンに溶
かした溶液を加え、更に3時間反応させた後、室温に冷
却した。その後、この反応液をメタノール500mlに投入
してポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体部の含
有量が50重量%であるフェノール性水酸基を持つポリア
ミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重
合体を析出させた。この析出したブロック共重合体を更
にメタノール洗浄およびメタノール還流によって精製し
た。このようにして得られたブロック共重合体の固有粘
度は1.25dl/g(N,N-ジメチルアセトアミド、30℃)であ
った。このブロック共重合体の赤外線吸収スペクトルを
第1図に示す。ブロック共重合体の構造に対応する波数
において、2243cm-1にC−N結合に対応する吸収が、ま
た1657cm-1に‐NHC(=0)‐のC=0に対応する吸収
が観測される。
実施例2 実施例1で使用した両末端にカルボキシル基をもつポリ
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体を200mgに代え
た以外は、実施例1と全く同じ方法で、ポリブタジエン
−アクリロニトリル共重合体部の含有量が50重量%であ
るフェノール性水酸基を持つポリアミド−ポリブタジエ
ン−アクリロニトリルブロック共重合体を得た。このブ
ロック共重合体の固有粘度は0.65dl/g(N,N-ジメチルア
セトアミド、30℃)であった。このブロック共重合体の
赤外線吸収スペクトルを第2図に示す。ブロック共重合
体の構造に対応する波数において、2240cm-1にC−N結
合に対応する吸収が、また、162cm-1に‐NHC(=0)‐
のC=0に対応する吸収が観測される。
実施例3 実施例1で使用した5-ヒドロキシイソフタル酸を109mg
(0.6mmol)(全芳香族ジカルボン酸に対して約30モル
%)、イソフタル酸を234mg(1.4mmol)に代えた以外
は、実施例1と全く同じ方法で、ポリブタジエン−アク
リロニトリル共重合体部の含有量が50重量%であるフェ
ノール性水酸基を持つポリアミド−ポリブタジエン−ア
クリロニトリルブロック共重合体を得た。このブロック
共重合体の固有粘度は0.60dl/g(N,N-ジメチルアセトア
ミド、30℃)であった。このブロック共重合体の赤外線
吸収スペクトルを第3図に示す。ブロック共重合体の構
造に対応する波数において、2238cm-1にC−N結合に対
応する吸収が、また、1660cm-1に‐NHC(=0)‐のC
=0に対応する吸収が観測される。
実施例4 実施例1で使用した5-ヒドロキシイソフタル酸を36mg
(0.2mmol)(全芳香族ジカルボン酸に対して10モル
%)、イソフタル酸を301mg(1.8mmol)に代えた以外
は、実施例1と全く同じ方法で、ポリブタジエン−アク
リロニトリル共重合体部の含有量が50重量%であるフェ
ノール性水酸基を持つポリアミド−ポリブタジエン−ア
クリロニトリルブロック共重合体を得た。このブロック
共重合体の固有粘度は0.60dl/g(N,N-ジメチルアセトア
ミド、30℃)であった。このブロック共重合体の赤外線
吸収スペクトルを第4図に示す。ブロック共重合体の構
造に対応する波数において、2241cm-1にC−N結合に対
応する吸収が、また1659cm-1に‐NHC(=0)‐のC=
0に対応する吸収が観測される。
実施例5 イソフタル酸0.830g(5 mmol)、5-ヒドロキシイソフタ
ル酸0.910g(5 mmol)、3,3′‐ジアミノベンゾフェノ
ン2.334g(11 mmol)、塩化リチウム1.01g、N-メチル‐
2-ピロリドン20ml、ピリジン1mlを、100mlの3口丸底フ
ラスコ中に入れ、攪拌して溶解させた後、亜リン酸トリ
フェニル8.2gを加えて、100℃で2時間反応させ、末端
アミンアラミドオリゴマーを生成させた。
これに、両末端にカルボキシル基を持つポリプタジエン
−アクリロニトリル共重合体(Hycar CTBN、BF Goodric
h 社製)3.6gをピリジン20mlに添加し、反応器中に加
え、更に4時間反応させた。室温まで冷却した後、得ら
れた反応溶液を1のメタノール中に投入して、ポリア
クリロニトリル−ブタジエン部分を約50重量%含有する
ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロッ
ク共重合体を析出させた。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.64dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体の赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、アミドカルボニル基に基づく吸収が1657cm-1に、ま
た、ケトンカルボニル基に基づく吸収が1710cm-1に認め
られた。
また、このブロック共重合体の動的粘弾性を調べたとこ
ろ、室温〜200℃付近にかけてこの弾性率に、温度依存
性が少ないことが確認された。
実施例6 実施例5における3,3′‐ジアミノベンゾフェノンを、
ビス(3-アミノフェニル)スルフィド2.379g(11mmol)
に代えた以外は、同様に操作を行い、ブロック共重合体
を得た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.68dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体について、同様に赤外線吸収スペクトルを
測定したところ、1651cm-1にアミドカルボニル基に基づ
く吸収が、1423cm-1に‐S-に基づく吸収が認められた。
実施例7 実施例5における3,3′‐ジアミノベンゾフェノンを、
ビス(4-アミノフェニル)スルホン2.371g(11mmol)に
代えた以外は、同様に操作を行い、ブロック共重合体を
得た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.70dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体について、同様に赤外線吸収スペクトルを
測定したところ、2800cm-1付近に末端メチルに基づく吸
収が、1215及び1365cm-1に‐SO2-に基づく吸収が認めら
れた。
実施例8 実施例5における3,3′‐ジアミノベンゾフェノンを、
ビス(4-アミノフェニル)メタン2.218g(11mmol)に代
えた以外は、同様に操作を行い、ブロック共重合体を得
た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.41dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体について、同様に赤外線吸収スペクトルを
測定したところ、2800cm-1付近に末端メチルに基づく吸
収が、1664cm-1にアミドカルボニル基に基づく吸収が認
められた。
実施例9 実施例5における3,3′‐ジアミノベンゾフェノンを、
2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン
3.677g(11mmol)に代えた以外は、同様に操作を行い、
ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.32dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった、このブロ
ック共重合体について、同様に赤外線吸収スペクトルを
測定したところ、1664cm-1付近にアミドカルボニル基に
基づく吸収が、1300cm-1付近に‐C-Fに基づく吸収が認
められた。
応用例 実施例1において得られたフェノール性水酸基を持つポ
リアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック
共重合体2gと、ビスフェノール型エポキシ化合物(エピ
コート828、油化シェル社製)0.6gとをN,N-ジメチルア
セトアミド6mlに溶解させた後、ガラス基板上に塗布、
乾燥し、次いで180℃で3時間加熱して反応させた。こ
の様にして得られたエポキシ変性ポリアミド−ポリブタ
ジエン−アクリロニトリルブロック共重合体の膜は、N,
N-ジメチルアセトアミドに僅か膨潤するのみで不溶性で
あった。またこの膜は接着性が著しく向上していたのが
認められた。
第5図は、上記ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロ
ニトリルブロック共重合体とエポキシ化合物との混合物
をフィルム状にしたものの赤外線吸収スペクトルを示す
グラフ、第6図は、そのフィルムを加熱処理(180℃、
3時間)して反応させた場合の赤外線吸収スペクトルを
示すグラフである。第5図および第6図から明らかなよ
うに、加熱反応前のフェノール性水酸基の吸収である14
00cm-1および3300cm-1付近の吸収が、加熱反応後に相対
的に減少しており、これはフェノール性水酸基とエポキ
シ化合物が反応していることを推測させるものである。
〔発明の効果〕
本発明のフェノール性水酸基を持つポリアミド−ポリブ
タジエン−アクリロニトリルブロック共重合体は、溶媒
溶解性、他のポリマーとの相溶性が良く、取扱い性が優
れている。本発明のフェノール性水酸基を持つポリアミ
ド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重合
体をエポキシ化合物で変性すると、高い耐熱性、接着
性、さらには耐溶剤性を持つ弾性体が得られ、このもの
は利用範囲の広い素材として有用性を有している。
また、本発明の方法は、官能基であるフェノール性水酸
基を保護することなしに、また、この水酸基とカルボキ
シル基やアミノ基との反応を起こすことなしに、またこ
れ等の重縮合に際して高温を必要とせず、ブタジエン鎖
の分解や反応などの副反応やアミド交換反応を避けるこ
とができるばかりでなく、構造の規制されたフェノール
性水酸基を持つポリアミド−ポリブタジエンアクリロニ
トリルブロック共重合体を容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図ないし4図は、それぞれ本発明の実施例1ないし
4のポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブ
ロック共重合体の赤外線吸収スペクトルを示すグラフで
あり、第5図は、実施例1のポリアミド−ポリブタジエ
ン−アクリロニトリルブロック共重合体をエポキシ化合
物と混合した場合の赤外線吸収スペクトルを示すグラ
フ、第6図は、加熱して変性した場合の赤外線吸収スペ
クトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−245032(JP,A) 特開 昭60−49026(JP,A) 特公 昭62−3171(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとの
    重縮合により形成される両末端にアミノアリール基を有
    するポリアミドと、両末端にカルボキシル基を有するポ
    リブタジエン−アクリロニトリル共重合体との重縮合体
    であって、下記一般式(I)で示されるブロック単位
    (A)と、下記一般式(II)で示されるブロック単位
    (B)からなり、 (式中、Rは二価の有機基を示し、R′はフェノール性
    水酸基を有する二価の芳香族基を示し、Arは下記式
    (1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 x、y、z、l及びmは、それぞれ平均重合度であっ
    て、x=3〜7、y=1〜4、z=5〜15、l+m=2
    〜300の整数を示し、m/(m+l)≧0.04である) かつ、ブロック単位(A)及びブロック単位(B)がそ
    れぞれ2〜20の範囲で存在することを特徴とするポリア
    ミド−ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重
    合体。
  2. 【請求項2】少なくとも4モル%がフェノール性水酸基
    を有する芳香族ジカルボン酸よりなる芳香族ジカルボン
    酸と芳香族ジアミンとを重縮合させ、さらに、合成され
    た下記一般式(III) (式中、Rは二価の有機基を示し、R′はフェノール性
    水酸基を有する二価の芳香族基を示し、Arは下記式
    (1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 l及びmは、それぞれ平均重合度であって、l+m=2
    〜300の整数を示し、m/(m+l)≧0.04である) で示される両末端にアミノアリール基を有するポリアミ
    ドを、下記一般式(IV) (式中、x、y及びzは、それぞれ平均重合度で、x=
    3〜7、y=1〜4、z=5〜15の整数を示す) で示される両末端にカルボキシル基を有するポリブタジ
    エン−アクリロニトリル共重合体と重縮合させることか
    らなり、上記各重縮合反応を芳香族亜リン酸エステルと
    ピリジン誘導体の存在下で行うことを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載のポリアミド−ブタジエン−アク
    リロニトリル系ブロック共重合体の製造方法。
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