JPH0748902Y2 - エレベータ式自動車格納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、エレベータ式自動車格
納装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、エレベータ式自動車格納装置は、
図３に示されるように、建屋１内中央部の上下方向に延
びる空間２に、昇降台車３を図示していないワイヤロー
プやチェーン等の駆動により昇降自在に配設すると共
に、前記空間２の幅方向両側部に夫々、上下複数段の格
納棚４を配設し、自動車５をのせるパレット６を前記昇
降台車３と格納棚４との間で受渡し可能な移載装置７’
を、前記昇降台車３に設置して構成されており、前記移
載装置７’としては、一般に、水平方向に伸縮可能で且
つ前記昇降台車３の幅方向両側方へ張り出し得るフォー
ク８を、ジャッキ９により昇降可能となるよう前記昇降
台車３上に搭載したものが用いられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしなら、前述の如
く移載装置７’としてフォーク８を用いた場合、自動車
５の入出庫におけるパレット６の受渡し時には、フォー
ク８を水平方向に伸長させて格納棚４上に載置されてい
るパレット６の下に差し入れ、該パレット６を格納棚４
から所要量浮き上らせる必要かあるため、前記格納棚４
の上下方向の間隔をある程度高く設定しなければなら
ず、その分格納棚４の段数が少なくなり、自動車５の収
容台数が制限されるという欠点を有していた。

【０００４】本考案は、斯かる実情に鑑み、移載装置に
よるパレットの受渡し時にパレットを昇降させる必要が
なく、格納棚の上下間隔を最小限に抑え、自動車の収容
台数の増加を図り得るエレベータ式自動車格納装置を提
供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、昇降台車が配
設された上下方向に延びる空間の幅方向両側部に夫々、
上下複数段の格納棚を配設し、自動車をのせるパレット
を前記昇降台車と格納棚との間で受渡し可能な移載装置
を、前記昇降台車に設置してなるエレベータ式自動車格
納装置において、前記移載装置を、前記昇降台車の幅方
向中心を中心として水平旋回自在で且つ水平旋回時に先
端部が前記格納棚側へ所要量張り出すアームと、該アー
ム先端部に突設した係合部材と、前記アームを水平旋回
させる駆動装置とから構成すると共に、前記パレット
に、該パレットの長手方向に延び且つ前記アーム先端部
の係合部材と係合離脱可能なガイド部材を取り付け、前
記各格納棚に夫々、パレットを支持し且つ幅方向にスラ
イドさせ得る複数のガイドローラを配設し、且つ、前記
昇降台車の長手方向両端部に立設したパレット用の支持
台上に夫々、前記パレットを支持し且つ幅方向にスライ
ドさせ得る複数のガイドローラを配設したことを特徴と
するものである。

【０００６】

【作用】従って、自動車の出庫時或いは入庫時、昇降台
車を所要の格納棚のレベルに合わせて所要高さ位置に停
止させた状態で、駆動装置によりアームを水平旋回させ
係合部材をパレットのガイド部材に係合させると、アー
ムの水平旋回に伴う係合部材のガイド部材に沿う移動に
より、パレットを格納棚上からガイドローラに沿って昇
降台車上に引き寄せたり、或いはパレットを昇降台車上
からガイドローラに沿って格納棚上に押し出したりする
ことができ、パレットの受渡しが行える。

【０００７】

【実施例】以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明
する。

【０００８】図１及び図２は本考案の一実施例であっ
て、図３と同一の符号を付した部分は同一物を表わして
おり、昇降台車３の幅方向中心を中心として水平旋回自
在で且つ水平旋回時に先端部が前記格納棚４側へ所要量
張り出すアーム１０を、前記昇降台車３上に配設し、該
アーム先端部上面に、垂直な軸１１を中心に回転自在な
ローラ（係合部材）１２を設け、前記アーム１０を水平
旋回させる減速機及びモータ等からなる駆動装置１３を
前記昇降台車３上に設置して移載装置７を構成すると共
に、各パレット６下面における空間２側の縁部に、各パ
レット６の長手方向中心部から長手方向端部へ延びる断
面コの字状のガイド部材１４を、前記アーム１０の旋回
によりローラ１２と係合離脱可能となるよう取り付け
る。

【０００９】前記各格納棚４には夫々、パレット６を支
持し且つ幅方向にスライドさせ得る複数のガイドローラ
１５を配設してあり、又、前記昇降台車３の長手方向両
端部に立設したパレット６用の支持台１６上にも夫々、
前記パレット６を支持し且つ幅方向にスライドさせ得る
複数のガイドローラ１７を配設してある。

【００１０】図中、１８は前記駆動装置１３に対し回転
方向及び回転角度等の指令信号を与えるための制御装置
である。

【００１１】次に、上記実施例の作動を説明する。

【００１２】例えば、１、２図中左側に格納されている
自動車５を出庫する場合には、アーム１０を図２中Ａ位
置に待機させた状態で、昇降台車３を上下方向に移動さ
せその支持台１６上面が所定の格納棚４上面と略一致す
る位置で停止させる。

【００１３】この後、前記アームＡ位置にあるアーム１
０を制御装置１８からの指令信号１９に基づき図２中時
計方向に水平旋回させると、該アーム１０先端が幅方向
に最も張り出すＢ位置においてローラ１２がガイド部材
１４に係合し、前記アーム１０の水平旋回に伴いローラ
１２がガイド部材１４に沿って転動し、前記パレット６
が格納棚４上からガイドローラ１５に沿って昇降台車３
の支持台１６上に引き寄せられる。

【００１４】前記アーム１０がＣ位置までくると、前記
制御装置１８からの指令信号１９によりアーム１０は停
止し、パレット６が図２中仮想線で示す如く前記支持台
１６上に載置される。

【００１５】前記パレット６が支持台１６上に載置され
たら、昇降台車３を入出庫口（図示せず）のレベルまで
下降させ、パレット６上の自動車５を出庫する。

【００１６】一方、自動車５を入庫する場合には、前述
の出庫の場合とは逆に、前記入出庫口から自動車５を昇
降台車３上のパレット６上にのせた後、該パレット６を
格納する格納棚４のレベルまで昇降台車３を上昇させて
停止させ、図２中Ｃ位置に保持されているアーム１０を
制御装置１８からの指令信号により反時計方向に水平旋
回させる。

【００１７】前記アーム１０を図２中反時計方向に水平
旋回させると、支持台１６上に載置されているパレット
６がガイドローラ１７に沿って前記格納棚４側へ押し出
され、前記アーム１０がＢ位置を通過する時点で、前記
パレット６が前記格納棚４上に完全に載置されると共
に、前記アーム１０先端のローラ１２がガイド部材１４
から離脱し、アーム１０が更に旋回してＡ位置で停止す
る。

【００１８】尚、上述の作動は図１、２中左側の格納棚
４に対する入出庫の場合であるが、右側の格納棚４に対
する入出庫の場合に関しても、アーム１０の旋回方向及
び停止位置が左右反対になるのみでその他については全
く同様となる。

【００１９】こうして、移動装置７により、パレット６
を格納棚４から浮き上らせることなく格納棚４と昇降台
車３との間で受け渡すことができ、格納棚４の上下間隔
を最小限に抑え、自動車５の収容台数を増加させること
ができる。

【００２０】尚、本考案のエレベータ式自動車格納装置
は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本考
案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。

【００２１】

【考案の効果】以上説明したように本考案のエレベータ
式自動車格納装置によれば、移載装置によるパレットの
受渡し時にパレットを昇降させる必要がなく、格納棚の
上下間隔を最小限に抑え、自動車の収容台数増加を図る
ことができるという優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の側断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ断面図である。

【図３】従来例の側断面図である。

【符号の説明】

２ 空間 ３ 昇降台車 ４ 格納棚 ５ 自動車 ６ パレット ７ 移載装置 １０ アーム １１ 軸 １２ ローラ（係合部材） １３ 駆動装置 １４ ガイド部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降台車が配設された上下方向に延びる
   空間の幅方向両側部に夫々、上下複数段の格納棚を配設
   し、自動車をのせるパレットを前記昇降台車と格納棚と
   の間で受渡し可能な移載装置を、前記昇降台車に設置し
   てなるエレベータ式自動車格納装置において、前記移載
   装置を、前記昇降台車の幅方向中心を中心として水平旋
   回自在で且つ水平旋回時に先端部が前記格納棚側へ所要
   量張り出すアームと、該アーム先端部に突設した係合部
   材と、前記アームを水平旋回させる駆動装置とから構成
   すると共に、前記パレットに、該パレットの長手方向に
   延び且つ前記アーム先端部の係合部材と係合離脱可能な
   ガイド部材を取り付け、前記各格納棚に夫々、パレット
   を支持し且つ幅方向にスライドさせ得る複数のガイドロ
   ーラを配設し、且つ、前記昇降台車の長手方向両端部に
   立設したパレット用の支持台上に夫々、前記パレットを
   支持し且つ幅方向にスライドさせ得る複数のガイドロー
   ラを配設したことを特徴とするエレベータ式自動車格納
   装置。