JPH0733734B2 - エレベータ式駐車装置における台車受け渡し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は，エレベータが上昇及び下降する昇降路の両側
に沿って多段階的に形成されている各駐車区画に横行台
車を収容し，前記エレベータと各駐車区画との間で自動
車の入出庫を行うようにした型式のエレベータ式駐車装
置における台車受け渡し装置に係るものである。

（従来の技術） 前記種類の台車受け渡し装置としては，例えば特開昭64
−14476号公報に記載されているように，ホークを用い
て物品乃至自動車の入出庫を行っているものがあり，ま
た，特公昭57−59388号公報に記載されているように，
リンクチェーンベルト等の無端帯を用いて自動車の入出
庫を行っているものがある。

（発明が解決しようとする課題） 前述したようなホーク使用による台車受け渡し装置は，
ホークの出し入れ及び昇降の組合せによる動作によって
台車の受け渡しを行うものであるが，ホークの昇降時に
台車を上昇または下降しなければならないことから各駐
車区画の高さを高くしなればならず，従って，駐車装置
構造物の全高が高くなって，コスト高になるという欠点
がある。

また，チェーン使用による台車受け渡し装置は，構造乃
至機構が複雑になると共に，載せ替え動作が不安定にな
るという欠点がある。

そこで，本発明の目的は，エレベータに台車移動用のク
ランク機構を装備することによって装置構造物の全高を
低くしてコストダウンを図り且つ構造簡単にして載せ替
え動作を安定化せしめるようにしたエレベータ式駐車装
置における台車受け渡し装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） このため，本発明によれば駆動源と駆動軸を介して連結
されている旋回アームの自由端側の上面に掛合部材が取
付けてある台車移動用クランク機構をエレベータに設置
し，各駐車区画に収容されている横行台車の裏面に案内
摺動板を設け，前記旋回アームの回転により掛合部材が
案内摺動板に嵌合して，台車の載せ替えが前記エレベー
タから各駐車区画へ，またはこの逆へと行われるように
したものである。

（実施例） 第１図及び第２図において,1は多層階で複数列に配置さ
れている自動車２の駐車区画３（図示では地下３階）か
ら成る車庫,4はエレベータ５の昇降路,6は各駐車区画に
収容された横行台車,7は左右の各駐車区画３に敷設され
た固定レールをそれぞれ示すものであって，エレベータ
５は昇降路４を矢印方向に上昇乃至下降し，横行台車６
は矢印方向に往復移動するものであり，該横行台車の往
復移動は，第３図及び第４図に示すように，前記エレベ
ータに装備されているクランク機構８によってもたらさ
れる。

台車移動用クランク機構８は，駆動モータ９及び減速機
10とこれに直結の駆動軸11と該駆動軸に取付けてある旋
回アーム12とアーム自由端に装着した掛合部材13例えば
ローラとから成り，該掛合部材は横行台車６の裏面長手
方向に個々的に形成してあるアングル状の案内摺動板14
に嵌合する。

（作 用） 自動車２を載置しているか，または載置していないエレ
ベータ５が下降乃至上昇して所定の駐車区画３の入出庫
レベルに達すると，エレベータ運転を停止し，第３図及
び第４図に示すように，駆動モータ９を作動せしめるこ
とによってクランク機構８の旋回アーム12を正転（また
は逆転）せしめれば，アーム先端の掛合部材13が横行台
車６の裏面に取付けてある案内摺動板14に嵌合し，この
場合，前記旋回アームの回転停止を適正な位置に設定す
ることによって前記台車の載せ替えを行うことができる
ものであり，前記台車移動はサインカーブの速度変化で
行われるので，載せ替えが円滑にできる。

なお，横行台車６は，第５図に示すように，固定レール
７の外方端部上に車輪15のストッパ16を設けることによ
って停止位置を確保するようになっている。

（発明の効果） 以上述べたところから，本発明によれば，エレベータに
台車移動用クランク機構を設置し，該クランク機構の旋
回アームの自由端に取付けてある掛合部材例えばローラ
を横行台車の裏面に設けてある案内摺動板に嵌合するよ
うにしてあるので，前記旋回アームの回転により前記エ
レベータから駐車区画へ，またはこの逆へと前記横行台
車の載せ替えが駐車装置の全高を高くすることなく行わ
れるためにトータルコストを安価にすることができる。

また，クランク機構の旋回アームを回転させ，適当な停
止位置を設定することによって台車の載せ替えをするよ
うにしたので，極めて安定した受け渡し装置ということ
ができ，加えて，台車移動はサインカーブの速度変化で
あるので，円滑な載せ替えが可能になると共に，構造が
簡単なことから製造コストも安価となる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明に係る台車受け渡し装置を設
置したエレベータ式駐車装置の正面図及び側面図，第３
図は本発明装置の不作動時の平面図，第４図は前同様の
作動時の正面図，第５図は駐車区画の正面図である。 なお，図示された主要部と符号との対応関係は次のとお
りである。 ３……駐車区画,4……昇降路,5……エレベータ,6……横
行台車,7……固定レール,8……クランク機構,9……駆動
モータ,11……駆動軸,12……旋回アーム,13……掛合部
材,14……案内摺動板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータが上昇及び下降する昇降路の両
   側に沿って多段階的に形成されている各駐車区画に横行
   台車を収容し、前記エレベータと前記各駐車区画との間
   で、自動車の受け渡しを行うようにした型式の駐車装置
   において、 駆動モータとその駆動モータにより、正逆回転可能な旋
   回アームの駆動軸がエレベータの中心位置に配置され、 前記旋回アームの自由端側の上面には係合部材が取付け
   られていて、 各駐車区画の横行台車の裏面に設けられた案内摺動板と
   前記係合部材が嵌合しながら、前記旋回アームが回転駆
   動することによって、前記エレベータと前記各駐車区画
   との間で、前記横行台車の受け渡しが行われることを特
   徴とするエレベータ式駐車装置における台車受け渡し装
   置。