JP3192600B2 - 機械式立体駐車装置 - Google Patents

機械式立体駐車装置

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JP3192600B2
JP3192600B2 JP02680897A JP2680897A JP3192600B2 JP 3192600 B2 JP3192600 B2 JP 3192600B2 JP 02680897 A JP02680897 A JP 02680897A JP 2680897 A JP2680897 A JP 2680897A JP 3192600 B2 JP3192600 B2 JP 3192600B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1基の搬送台車を
リフトにより自動車の入出庫階と格納階層との間および
各格納階層間を昇降させて、自動車の入出庫を行う機械
式立体駐車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に、従来の機械式立体駐車装置の構
成を示している。図9において、71は駐車場全体とし
て1基だけ配置された搬送台車であり、72は自動車の
格納階層に設定された搬送台車71用の搬送路である。
73はそれぞれ搬送路72の両側に沿って1列に配列さ
れた駐車区画であり、それぞれ自動車載置用のトレー7
4が配置されている。76は自動車の入出庫階に連絡す
るリフトである。
【0003】この種の駐車装置では、搬送台車にトレー
横行用のトレー移載装置が搭載されている。ここでは、
図10に示すように、本願出願人が特公平7−3373
4号公報において開示したトレー移載装置が例示されて
いる。このトレー移載装置80は、搬送台車71におい
て、その幅方向の中心位置に旋回中心を設定されて水平
方向に旋回可能に配置され、先端が駐車区画73側に所
要寸法だけ突出した長さを有する旋回アーム81と、旋
回アーム81の先端に上方に向けて突設された係合部材
82と、旋回アーム81を旋回駆動する旋回駆動装置と
して減速機付きの駆動モータ83とを備え、旋回アーム
81の旋回によりその先端の係合部材82をトレー74
下面の長手方向に沿って取り付けられたアングル状のガ
イド部材75に係合、離脱させて、搬送台車71と各駐
車区画73との間でトレー74を横行するようになって
いる。
【0004】この機械式立体駐車装置においては、自動
車の入出庫に際し、搬送台車71が搬送路72上を指定
の駐車区画73まで走行し、そこでトレー74がトレー
移載装置80により駐車区画73から搬送台車71に受
け渡しされ、搬送台車71が搬送路72上をリフト76
まで走行されて、リフト76により入出庫階まで昇降移
送される。反対に、リフト76によりトレー74を載せ
た搬送台車71が入出庫階から格納階層まで昇降移送さ
れると、搬送台車71が搬送路72上を指定の駐車区画
73まで走行し、そこでトレー74がトレー移載装置8
0によりその駐車区画73に受け渡しされる。
【0005】なお、図11に示すように、出庫車は、地
上1階の自動車の乗込部77から自走により後退し、乗
込部77の前に設置されたターンテーブル78上に載せ
て旋回され、自動車の後部が車庫方向に向けられて、そ
のまま前進で走行可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の駐車装置では、昇降路の上部または下部に設定され
た自動車の乗込部やその外部にターンテーブルを設置し
て、自動車の出庫に際し、ターンテーブル上で自動車を
旋回させることにより、自動車を前進で出庫できるよう
にしているものの、入庫時に比べ、自動車が駐車区画か
ら乗込部まで搬送されてくる時間に加え、自動車の旋回
時間を必要とするため、自動車の乗込部においてその旋
回時間分だけ自動車の出庫に円滑性を欠き、さらに出庫
と入庫とが同時に行われるような場合、入庫車は出庫車
の旋回時間だけ待ち時間が多くなって、入庫の円滑性も
また損なわれているという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、機械式立体駐車装置において、自動車の
乗込部での自動車の円滑な入出庫を実現することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の機械式立体駐車装置においては、自動車の
入出庫階の乗込部にトレー旋回用のスペースを設けると
ともに、搬送台車上に1つの旋回アームでトレーの横行
と旋回とを行い得るトレー横行旋回装置を搭載し、入庫
または出庫に際し選択的に、自動車の乗込部において搬
送台車上でトレーを旋回して、自動車の前部を出庫口に
向けるようにしている。
【0009】これにより、自動車の乗込部での自動車の
円滑な入出庫を実現することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の機械式
立体駐車装置は、自動車の入出庫階の乗込部にトレーが
水平方向に旋回可能なトレー旋回用スペースを設定する
とともに、搬送台車に、トレー横行旋回機構として、ト
レーを支持可能な矩形状の台車枠と、台車枠の中心に旋
回中心が設定され、水平方向に旋回して先端部が駐車区
画側に所定寸法だけ突出した長さを有する旋回アーム
と、台車枠上に設けられ、旋回アームを旋回させる旋回
駆動手段と、台車枠上に昇降可能に、かつ旋回可能に配
置され、トレーを台車枠の上方に持ち上げて旋回するト
レー旋回枠と、旋回アームの先端側に上下両方向に向け
て突出し、駐車区画または台車枠上のトレーに対してト
レー下部に配設されたトレー横行用のガイド部材に係合
可能な上部係合部材、およびトレーを持ち上げるために
トレー旋回枠の所定高さまでの上昇変位によりトレー旋
回枠側に配設された係合部に係合可能な下部係合部材
と、台車枠上に設けられ、トレーを台車枠から持ち上げ
て、旋回アームの上部係合部材とトレー下部のガイド部
材との係合が外れ、且つ旋回アームの下部係合部材とト
レー旋回枠の係合部とが係合しない高さと、さらに旋回
アームの下部係合部材とトレー旋回枠の係合部とが係合
する高さとに、トレー旋回枠を昇降するリフタとを備
え、自動車の入庫時または出庫時に選択的に、自動車の
乗込部において搬送台車上でトレーを旋回させて自動車
の前部を乗込部の出庫口に向けるようにしたものであ
る。
【0011】上記構成から、自動車の乗込部において、
通常自動車の入庫のときに、予め自動車の前後方向を反
転させることにより、自動車の出庫に際して自動車の旋
回動作を省略することができ、これに入庫が続く場合に
は入庫車は出庫車の旋回時間による待ち時間を削減さ
れ、円滑に入庫することができる。2回以上の出庫が続
く場合は、それぞれの出庫車の旋回時間を省くことがで
き、全体として自動車の乗込部での出庫時間の大幅な短
縮を図ることができ、また、2回以上の入庫が続く場合
は、先の入庫車の旋回を省略して入庫の向きのまま格納
し、後の入庫車については旋回してから格納することが
できるなど、自動車の乗込部において自動車の円滑な入
出庫を実現することができる。
【0012】本発明の請求項2に記載の機械式立体駐車
装置は、請求項1の構成において、トレーの予め定めら
れている前後の向きを検出する検出手段と、この検出手
段により検出されたトレー毎の向きを記憶する記憶手段
と、記憶手段に基づいてトレー毎にトレー横行旋回機構
を制御する制御手段とを備え、自動車の乗込部上のトレ
ーに、その前後の向きに拘らず、前進入庫の自動車を載
せるようにしている。
【0013】上記構成から、自動車の乗込部での入庫を
より迅速に行うことができる。
【0014】(実施例)図1乃至図5に本発明の一実施
例の構成を示している。なお、ここで駐車装置は、地下
式の機械式立体駐車装置として例示してある。
【0015】図1において、1はそれぞれ自動車の格納
階層であり、その平面上に搬送台車用の搬送路2が設定
されている。ここで、搬送台車3は駐車場全体として1
基だけ配置され、各搬送路2上を自走により往復走行可
能になっている。4は搬送台車3に搭載したトレー横行
旋回装置である。5は搬送路2の両側に沿って1列に配
列された駐車区画であり、それぞれ一対の横行レール5
01が設置されている。この一対の横行レール501上
に自動車載置用のトレー6が、図4、図5に示すよう
に、その下面に軸支された車輪601を介して配置され
ている。7は自動車の入出庫階の乗込部1Eと各格納階
層1とを連絡する昇降路であり、ここでは搬送路2の一
端部に設定されている。8は昇降路7に設置されたリフ
トである。
【0016】図1において、搬送路2上にはその両側に
沿って、搬送台車3用の一対のレール201が敷設され
ている。このレール201には図示されない搬送台車3
用の給電部が配置されている。
【0017】搬送台車3は、図2、図3に示すように、
全体がトレー6を支持可能な矩形状の台車枠301から
なり、その長手方向両側に幅方向に向けて一対の横行レ
ール302が配設されている。また、台車枠301の幅
方向両側の前後にそれぞれ車輪303が2個ずつ軸支さ
れ、全体として片側4輪ずつ合計8輪の車輪構成になっ
ている。304はその駆動モータであり、搬送台車3に
配設された図示されない集電部と一対のレール201の
給電部との接続により給電されて作動する。
【0018】この搬送台車3において、トレー横行旋回
装置4の構成上、旋回アーム401と、係合部材402
と、旋回アーム401の旋回駆動装置403と、トレー
旋回枠404と、そのガイド部材405およびリフタ4
06とを備える。
【0019】旋回アーム401は、図2、図3に示すよ
うに、その旋回中心軸を台車枠301の中心に設定され
て、水平方向に旋回可能に配置されている。また、その
先端が自動車の駐車区画5側に所定寸法だけ突出した長
さを有している。旋回アーム401先端の係合部材40
2は、上方に向けて突出する上部係合部材402Uと、
下方に向けて突出する下部係合部材402Dとからな
り、図4、図5に示すように、旋回アーム401先端に
挿通固定された支軸402sとその上下部に回転可能に
取り付けられたローラ402rとから構成されている。
旋回駆動装置403においてはACサーボモータを用い
ている。
【0020】トレー旋回枠404は、図2から図5に示
すように、全体が長方形の枠状に構成され、その四隅に
それぞれ上方に向けて突出されたロケットピン404p
と、その長手方向の所定位置に固定され、下部係合部材
402Dに係合可能な係合部404Jとを備える。ここ
で、係合部404Jは下部係合部材402Dのローラ4
02rが挿入可能な穴404hを有し、その固定位置
は、トレー6を駐車区画5から搬送台車3上に完全に載
せ替えるために必要な旋回アーム401の旋回停止位置
(図2中、Sで示す。)において下部係合部材402D
直下の位置に設定されている。なお、トレー6は搬送路
2両側の各駐車区画5から引き出されることから、この
係合部404Jは対称的に2箇所設けてある。また、図
2に示すように、このトレー旋回枠404には、その前
後において旋回軸を中心に180°の対称位置に、それ
ぞれにロック穴404tを有するストッパー部材404
sが設けられ、搬送台車3側に取り付けられて上方に突
出するロックピン305に挿入可能になっている。
【0021】ガイド部材405は、図2から図5に示す
ように、複数のガイド片405Gと、円形のガイドレー
ル405Rとを備える。各ガイド片405Gはベアリン
グを内蔵した断面がほぼ逆凹状の部材であり、トレー旋
回枠404の中心に対して円形に配列されて取り付けら
れている。円形のガイドレール405Rは断面がほぼ凸
状のレール部材であり、リフタ406の後述する上部テ
ーブル406t上に設置されている。両者の連結によ
り、トレー旋回枠404はリフタ406上において旋回
アーム401の旋回中心軸上を回転中心として水平方向
に旋回可能な構造になっている。
【0022】リフタ406は、図4、図5に示すよう
に、パンタグラフ406pおよびその駆動装置(例えば
シリンダあるいは油圧モートル)406cとを備え、パ
ンタグラフ406p上部にテーブル406tを固定され
ている。このテーブル406t上に前述した円形のガイ
ドレール405Rを配設している。駆動装置406cの
作動によりパンタグラフ406pを伸縮駆動し、トレー
旋回枠404を台車枠301上のトレー支持位置に対し
て上昇させて、トレー6を持ち上げ、旋回アーム401
の上部係合部材402Uとトレー6下部のガイド部材6
02との係合が外れ、且つ旋回アーム401の下部係合
部材402Dとトレー旋回枠404の係合部404Jと
が係合しない高さ(L1)と、さらに旋回アーム401
の下部係合部材402Dとトレー旋回枠404の係合部
404Jとが係合する高さ(L2)まで昇降する。な
お、このリフタ406には、トレー旋回枠404を同様
に昇降できる他の機構を用いてもよい。
【0023】また、各トレー6の下面には、図2または
図4に示すように、搬送路2に近接する内側の長辺にア
ングル状のガイド部材602を備え、トレー横行旋回装
置4において旋回アーム401の上部係合部材402U
に係合可能になっている。さらに、各トレー6下面に
は、図4に示すように、トレー旋回枠404の四隅に突
出するロケットピン404pが嵌合可能な受け部603
を有する。これらガイド部材602やロケットピン40
4pもまた、トレー横行旋回装置4の構成部品になって
いる。
【0024】一方、この駐車装置では、図1に示すよう
に、リフト8の昇降路7上方に自動車の乗込部1Eが設
定され、この乗込部1Eに搬送台車3上のトレー6を水
平方向に旋回可能なスペースが確保されて、トレー旋回
用スペース9が設けられている。1Dは乗込部1Eの出
庫口である。
【0025】なお、ここでリフト8は、図8に示すよう
に、搬送台車3の左右両車輪303間隔に相当する幅で
平行に配列された一対のレールフレーム80Rを有し、
全体として略矩形状に組み立てられた昇降枠80からな
り、これが昇降路7の前後両側に立設されたガイドレー
ル81に案内されて昇降する。したがって、搬送台車3
は片側4輪ずつ合計8輪の車輪303によりその昇降枠
80の一対のレールフレーム80R上に乗って昇降さ
れ、各格納階層1において一対のレールフレーム80R
から搬送路2の一対のレール201へ移動可能になって
いる。
【0026】また、この駐車装置には、トレー6の予め
定められている前後の向きを検出するトレー前後検出装
置11と、このトレー前後検出装置11により検出され
たトレー6毎の向きを記憶するトレー前後記憶装置12
と、トレー前後記憶装置12に基づいてトレー6毎にト
レー横行旋回装置4を制御する制御装置13とを備え、
トレー前後検出装置11が自動車の乗込部1Eから自動
車の格納階層1までのトレー6の移送経路上任意の位
置、ここでは自動車の乗込部1Eに配置されている。
【0027】次に上記駐車装置による自動車の入庫につ
いて図6、図7を用いて説明する。なお、入庫に際し、
予めその準備運転により入庫車の格納先となる自動車の
格納階層1の駐車区画5から搬送台車3にトレー6が受
け渡しされ、搬送台車3が搬送路2上をリフト8が待機
中の昇降路7まで走行される。そして、搬送台車3がリ
フト8に乗り、リフト8の上昇により自動車の入出庫
階、乗込部1Eまで上昇されて、図6(a)に示すよう
に、トレー6が自動車の乗込部1Eにおいて待機中にな
っている。ここで、トレー6は搬送台車3上の一対の横
行レール302上に支持され、旋回アーム401先端の
上部係合部材402Uがトレー6下面のガイド部材60
2に係合されて、トレー6がロックされる。この状態に
おいて旋回アーム401の停止位置は、図2中、2点鎖
線で示すとおりである。
【0028】図6(a)において、まず、入庫車が自走
により自動車の乗込部1Eに前進入庫する。これにより
入庫車は乗込部1Eに既に待機中のトレー6上に載せら
れる。続いて、トレー旋回用スペース9として設定され
たこの自動車の乗込部1E上において、搬送台車3に搭
載されたトレー横行旋回装置4が作動を開始する。すな
わち、図7(a−1),(a−2)、(b−1),(b
−2)に示すように、リフタ406の駆動装置(シリン
ダあるいは油圧モートル)406cの作動により、パン
タグラフ406pが上方に向けて伸長していき、その上
部のトレー旋回枠404を上昇する。トレー旋回枠40
4が台車枠301のトレー支持位置に対し上昇して、そ
の四隅の各ロケットピン404pがトレー6下面の各受
け部603に係合するとともに、トレー6がトレー旋回
枠404上に支持されて持ち上げられ、旋回アーム40
1の上部係合部材402Uとトレー6下部のガイド部材
602との係合が外れ、旋回アーム401の下部係合部
材402Dとトレー旋回枠404の係合部404Jとが
係合する高さL2まで上昇される。このトレー6の上昇
により、トレー6下面のガイド部材602から旋回アー
ム401先端の上部係合部材402Uが抜け外れる一
方、下部係合部材402Dが上昇変位したトレー旋回枠
404の係合部404Jの穴404hに挿入され、両者
が係合される。このようにしてトレー6がトレー旋回枠
404上に支持されて台車枠301の上方に持ち上げら
れる。
【0029】次いで、旋回駆動装置(ACサーボモー
タ)403の作動により、図6(b−1)、(b−2)
に示すように、旋回アーム401が旋回し、旋回アーム
401に結合されたトレー旋回枠404がリフタ406
上でガイド部材405の案内により回転していく。すな
わち、トレー旋回枠404上に載せた自動車が旋回さ
れ、図6(b−3)に示すように、旋回アーム401が
180度旋回したところで、旋回駆動装置403の作動
が停止される。これにより、自動車の前後の向きが反転
される。同時に、トレー前後検出装置11によりトレー
6の前後の向きが反転されたことが検出され、このトレ
ー6について現在の向きとしてトレー前後記憶装置12
に記憶される。
【0030】次いで、リフタ406の作動により、パン
タグラフ406pが収縮されて、図7(c−1)に示す
ように、トレー旋回枠404が旋回アーム401の上部
係合部材402Uとトレー6下部のガイド部材602と
の係合が外れ、且つ旋回アーム401の下部係合部材4
02Dとトレー旋回枠404の係合部404Jとが係合
しない高さL1まで下降される。このとき、トレー旋回
枠404は、その前後一方のストッパー部材404sの
ロック穴404tに搬送台車3側のストッパーピン30
5が挿入されて、旋回方向の動きを固定されている。こ
こで、旋回アーム401先端の上下部各係合部材402
U、402Dがトレー6下部のガイド部材602および
搬送台車3上のトレー旋回枠404のいずれにも係合し
ないことから、図7(c−2)に示すように、旋回駆動
装置403の作動により旋回アーム401のみが180
°旋回されて停止される。この状態において旋回アーム
401の停止位置は、図2中、2点鎖線で示すとおりで
ある。続いて、再びリフタ406の作動によりパンタグ
ラフ406pがさらに収縮されて、トレー旋回枠404
がさらに下降され、トレー6が搬送台車3の台車枠30
1上に降ろされる。この下降により、旋回アーム401
先端の上部係合部材402Uが下降変位されたトレー6
のガイド部材602に挿入され、両者が係合する。
【0031】次いで、リフト8の降下により搬送台車3
が入庫車搭載のトレー6を載せて入庫先の格納階層1ま
で下降される。図6(c)に示すように、入庫先の格納
階層1に到達すると、今度は搬送台車3がリフト8の一
対のレールフレーム80Rから搬送路2の一対のレール
201上を走行され、入庫先の駐車区画5の前で停止さ
れる。続いて、旋回駆動装置(ACサーボモータ)40
3の作動により、図2に示すように、2点鎖線で示す旋
回アーム401が矢印P方向に旋回して、トレー6を搬
送台車3から入庫先の駐車区画5へ送り出していく。ト
レー6は、その前後両側の各車輪601が搬送台車3の
一対の横行レール302上から駐車区画5の一対の横行
レール501上へ移動することにより、横行していく。
旋回アーム401の旋回とともに、上部係合部材402
Uのローラ402rがガイド部材602上を終端近くに
達すると、今度はガイド部材602上を戻る方向に移動
していき、旋回アーム401がトレー6を引き続き横行
し、旋回アーム401が駐車区画5の長手方向に対して
直角の向きまで旋回したところでトレー6が駐車区画5
上に完全に移し替えられる。同時に旋回アーム401先
端の上部係合部材402Uがガイド部材602から外れ
て、搬送台車3の長手方向と平行な待機ポジションBま
で旋回したところで停止される。このようにして駐車区
画5に入庫車が入庫したときの向きに対して反対の、自
動車の前後を反転された状態で格納される。
【0032】入庫車が2台、連続する場合は、乗込部1
Eにおいて先の入庫車は旋回を省略されて、入庫した時
の向きのまま格納され、後の入庫車は上記と同様に旋回
され、前後を反転されてから格納される。このとき、先
の入庫車を載せたトレー6は反転されていないから、ト
レー6の前後の向きは正常であり、これがトレー前後検
出装置11により検出され、このトレー6について現在
の向きとしてトレー前後記憶装置12に記憶される。後
の入庫車を載せたトレー6は反転されているから、これ
がトレー前後検出装置11により検出され、このトレー
6について現在の向きとしてトレー前後記憶装置12に
記憶される。なお、先に入庫した自動車は、その出庫に
際してまたは格納中に、自動車の乗込部1Eに戻されて
トレー6の旋回により前後の向きを反転され、自動車の
前部が出庫口1Dに向けられることになる。
【0033】このように、入庫に際して、トレー6の前
後の向きおよび自動車の向きは基本的に反転されるが、
入庫時の自動車の乗込部1Eの状況に応じ、自動車を旋
回させないで格納することが行われ、結果として、各格
納階層1に入庫車がその前後の向きが不規則になって格
納される。これらトレー6および自動車の前後の向きは
トレー前後記憶装置12および制御装置13により管理
される。
【0034】次に上記駐車装置による自動車の出庫につ
いて図6(c)を用いて説明する。図6(c)におい
て、まず、搬送台車3が出庫車を格納中の駐車区画5の
前まで走行し、停止される。続いて、旋回駆動装置(A
Cサーボモータ)403の作動により、図2に示すよう
に、旋回アーム401が搬送台車3の長手方向と平行な
待機ポジションBから矢印D方向へ、駐車区画5に向け
て旋回され、駐車区画5の長手方向に対して直角の位置
まで旋回したところで、旋回アーム401先端の上部係
合部材402Uがトレー6下面のガイド部材602にそ
の一端から挿入される。続く旋回アーム401の旋回動
作により、上部係合部材402Uのローラ402rがガ
イド部材602内を摺動しながらトレー6を搬送台車3
上に引き出す。トレー6は、その前後両側の車輪601
が駐車区画5の一対の横行レール501から搬送台車3
の一対の横行レール302へ移動することにより、横行
していく。旋回アーム401の旋回とともに上部係合部
材402Uのローラ402rがガイド部材602上を終
端近くに達すると、今度はガイド部材602上を戻る方
向に移動を始め、旋回アーム401がトレー6を引き続
き横行し、図2に示すように、所定の角度まで旋回した
ところ、すなわち旋回停止位置Sで停止され、トレー6
が搬送台車3上に完全に載せ替えられる。
【0035】そして、搬送台車3が搬送路2上を、昇降
路7に待機中のリフト8まで走行する。昇降路7におい
て、搬送台車3がリフト8の一対のレールフレーム80
R上に乗り、リフト8の上昇により自動車の乗込部1E
まで上昇され、出庫車を載せたトレー6が乗込部1E上
に戻される。入庫の段階で自動車の向きが入庫のときと
は反対方向に向けられているから、自動車の乗込部1E
に到達したときには既に自動車の前部が出庫口1Dに向
けられている。またここで、トレー6の前後の向きが正
常に戻り、これがトレー前後検出装置11により検出さ
れ、このトレー6について現在の向きとしてトレー前後
記憶装置12に記憶される。このようにして出庫車を自
動車の乗込部1Eから出庫口1Dを通じ自走により前進
出庫する。
【0036】この出庫に引き続き、入庫がある場合、そ
の入庫車は自動車の乗込部1Eに前進入庫し、空になっ
たトレー6上に乗り込む。これ以降は前述した入庫の動
作と同じである。
【0037】この出庫に引き続き、さらに出庫がある場
合は、空になったトレー6を元の駐車区画5に戻してか
ら、その出庫車を前述した出庫の動作により自動車の乗
込部1Eまで搬送し、前進で出庫する。
【0038】なお、入庫のときにトレー6の旋回を省略
し、出庫に際してトレー6を旋回し、自動車の前部を出
庫口1Dに向ける場合は、その旋回の時点でトレー6の
前後の向きが反転されるから、これがトレー前後検出装
置11により検出されて、トレー前後記憶装置12に現
在の向きとして記憶される。これに引き続き入庫がある
ときは、この反転された向きのトレー6上に入庫車が前
進により入庫し、ここでトレー6の旋回により自動車の
前部が出庫口1Dに向けられるとともに、トレー6の前
後の向きが正常に戻される。同様にして、この自動車の
前後の向き、トレー6の前後の向きが制御装置13によ
り管理される。また、入庫がないときには、空のトレー
6が自動車の乗込部1Eで旋回され、その前後の向きが
正常に戻される。
【0039】このように上記実施例によれば、自動車の
乗込部1Eにトレー6が水平方向に旋回可能なトレー旋
回用スペース9を確保するとともに、搬送台車3に、ト
レー横行旋回装置4を搭載して、自動車の入庫時または
出庫時に選択的に、自動車の乗込部1Eにおいて搬送台
車3上でトレー6を旋回させて、自動車の前部を乗込部
1Eの出庫口1Dに向けるようにしているので、自動車
の乗込部1Eにおいて、通常自動車の入庫に際して、予
め自動車の前後方向を反転させておくことにより、自動
車の出庫に際して自動車の旋回動作を省略することがで
き、円滑な出庫を実現することができる。なお、入庫の
段階で自動車を旋回させると、その旋回時間分だけ、従
来に比べて入庫の処理に多くの時間を必要とするが、ユ
ーザー側から見た場合、自動車を乗込部1Eに入れてし
まうとユーザーは自動車から離れてしまうので、入庫処
理の時間が多少増加しても不都合が生じない。また、出
庫に続いて入庫がある場合は、入庫車は出庫車の旋回時
間による待ち時間がないため、迅速かつ円滑に入庫する
ことができる。出庫が2回以上続く場合は、それぞれの
出庫車の旋回時間を省くことができるため、全体として
乗込部1Eにおける出庫時間の大幅な短縮を図ることが
できる。また、入庫が2回以上続く場合は、先の入庫車
の旋回を後に回すことにより、先の入庫車の旋回を省略
して入庫の向きのまま格納し、後の入庫車について旋回
してから格納することにより、自動車の乗込部1Eでの
処理時間を短縮することができる。このように自動車の
乗込部1Eの状況に応じて入出庫形態を弾力的に変化さ
せることができ、入出庫の円滑性を向上することができ
る。
【0040】また、トレー前後検出装置11によりトレ
ー6の前後の向きを検出し、トレー前後記憶装置12に
よりトレー6毎の前後の向きを記憶し、制御装置13に
よりトレー6毎の前後の向きに応じてトレー横行旋回装
置4を制御して、自動車の乗込部1E上のトレー6に、
その前後の向きに拘らず、前進入庫の自動車を載せるよ
うにしているので、自動車の乗込部1Eでの入庫をより
迅速に行うことができ、全体としてさらに処理時間の短
縮を図ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明は上記実施例から明らかなよう
に、自動車の入出庫階の乗込部にトレー旋回用のスペー
スを設けるとともに、搬送台車上に1つの旋回アームで
トレーの横行と旋回とを行い得るトレー横行旋回装置を
搭載して、入庫時または出庫時に選択的に、自動車の乗
込部において搬送台車上でトレーを旋回し、自動車の前
部を出庫口に向けるようにしているので、自動車の乗込
部の使用状況に応じて自動車を効率良く入庫または出庫
させることができ、自動車の円滑な入出庫を実現するこ
とができる。
【0042】また、トレーの予め定められている前後の
向きを検出する検出手段と、この検出手段により検出さ
れたトレー毎の向きを記憶する記憶手段と、記憶手段に
基づいてトレー毎にトレー横行旋回機構を制御する制御
手段とを加え、自動車の乗込部上のトレーに、その前後
の向きに拘らず、前進入庫の自動車を載せるようにする
ことにより、自動車の乗込部での入庫をより迅速に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例における機械式立体駐
車装置の側面断面図 (b)同駐車装置の自動車の格納階層の平面図
【図2】同駐車装置の搬送台車およびトレー横行旋回装
置の拡大平面図
【図3】同駐車装置の搬送台車およびトレー横行旋回装
置においてトレー旋回枠の旋回動作中の拡大平面図
【図4】同駐車装置の搬送台車およびトレー横行旋回装
置の拡大側面図
【図5】同駐車装置の搬送台車およびトレー横行旋回装
置おいてトレー上昇中の拡大側面図
【図6】(a)同駐車装置の自動車の入出庫階、乗込部
に自動車が入庫した状態を示す側面断面図 (b−1)同駐車装置の自動車の乗込部において搬送台
車上の入庫車を旋回している状態を示す側面断面図 (b−2)同駐車装置の自動車の乗込部において搬送台
車上の入庫車を旋回している状態を示す平面図 (b−3)同駐車装置の自動車の乗込部において搬送台
車上の入庫車の旋回を終了した状態を示す平面図 (c)同駐車装置において、自動車の入出庫中、自動車
の格納階層で搬送台車により自動車を搬送する状態を示
す側面断面図
【図7】(a−1)同駐車装置のトレー横行旋回装置に
おいて、トレー旋回枠が定位置にある場合の側面図 (a−2)同駐車装置のトレー横行旋回装置において、
トレー旋回枠が定位置にある場合の平面図 (b−1)同駐車装置のトレー横行旋回装置において、
トレー旋回枠が高さL2まで上昇して旋回中の側面図 (b−2)同駐車装置のトレー横行旋回装置において、
トレー旋回枠が高さL2まで上昇して旋回中の平面図 (c−1)同駐車装置のトレー横行旋回装置において、
トレー旋回枠を高さL1まで下降して旋回アームのみ旋
回中の側面図 (c−2)同駐車装置のトレー横行旋回装置において、
トレー旋回枠を高さL1まで下降して旋回アームのみ旋
回中の平面図
【図8】(a)同駐車装置において昇降路に設置された
リフトおよびリフト上に乗せた搬送台車の平面図 (b)同駐車装置において昇降路に設置されたリフトお
よびリフト上に乗せた搬送台車の側面図
【図9】従来の機械式立体駐車装置の平面図
【図10】同駐車装置の搬送台車に搭載されたトレー移
載装置の平面図
【図11】同駐車装置に備えた自動車の乗込部およびタ
ーンテーブルを示す平面図
【符号の説明】
1 自動車の格納階層 1E 自動車の乗込部(自動車の入出庫階) 1D 出庫口 2 搬送路 201 搬送台車用の一対のレール 3 搬送台車 301 台車枠 302 一対の横行レール 303 車輪 304 駆動モータ 305 ロックピン 4 トレー横行旋回装置 401 旋回アーム 402U 上部係合部材 402D 下部係合部材 402s 支軸 402r ローラ 403 旋回駆動装置(ACサーボモータ) 404 トレー旋回枠 404p ロケットピン 404J 係合部 404h 穴 404s ストッパー部材 404t ロック穴 405 ガイド部材 405G ガイド片 405R ガイドレール 406 リフタ 406t テーブル 406p パンタグラフ 406c 駆動装置(シリンダあるいは油圧モートル) 5 駐車区画 501 一対の横行レール 6 自動車載置用のトレー 601 車輪 602 ガイド部材(横行用ガイド部材) 603 受け部 7 昇降路 8 リフト 80 昇降枠 80R 一対のレールフレーム 9 トレー旋回用スペース 11 トレー前後検出装置 12 トレー前後記憶装置 13 制御装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のレールを敷設され、搬送台車を往
    復走行する搬送路およびこの搬送路に沿って配列され、
    自動車載置用のトレーを配置された複数の駐車区画を有
    する自動車の格納階層と、駐車場全体として1基だけ配
    置された搬送台車と、自動車の格納階層と自動車の入出
    庫階とを連絡する昇降路上に設置されて、搬送台車を昇
    降するリフトとを備え、搬送台車1基を自動車の格納階
    層で走行させて、搬送台車と各駐車区画との間でトレー
    を受け渡しするとともに、この搬送台車をリフトにより
    自動車の各格納階層と入出庫階との間で昇降することに
    より、自動車の入出庫を行う機械式立体駐車装置におい
    て、 自動車の入出庫階の乗込部にトレーが水平方向に旋回可
    能なトレー旋回用スペースを設定するとともに、 搬送台車に、トレー横行旋回機構として、 トレーを支持可能な矩形状の台車枠と、 台車枠の中心に旋回中心が設定され、水平方向に旋回し
    て先端部が駐車区画側に所定寸法だけ突出した長さを有
    する旋回アームと、 台車枠上に設けられ、旋回アームを旋回させる旋回駆動
    手段と、 台車枠上に昇降可能に、かつ旋回可能に配置され、トレ
    ーを台車枠の上方に持ち上げて旋回するトレー旋回枠
    と、 旋回アームの先端側に上下両方向に向けて突出し、駐車
    区画または台車枠上のトレーに対してトレー下部に配設
    されたトレー横行用のガイド部材に係合可能な上部係合
    部材、およびトレーを持ち上げるためにトレー旋回枠の
    所定高さまでの上昇変位によりトレー旋回枠側に配設さ
    れた係合部に係合可能な下部係合部材と、 台車枠上に設けられ、トレーを台車枠から持ち上げて、
    旋回アームの上部係合部材とトレー下部のガイド部材と
    の係合が外れ、且つ旋回アームの下部係合部材とトレー
    旋回枠の係合部とが係合しない高さと、さらに旋回アー
    ムの下部係合部材とトレー旋回枠の係合部とが係合する
    高さとに、トレー旋回枠を昇降するリフタとを備え、 自動車の入庫時または出庫時に選択的に、自動車の乗込
    部において搬送台車上でトレーを旋回させて自動車の前
    部を乗込部の出庫口に向けることを特徴とする機械式立
    体駐車装置。
  2. 【請求項2】 トレーの予め定められている前後の向き
    を検出する検出手段と、この検出手段により検出された
    トレー毎の向きを記憶する記憶手段と、記憶手段に基づ
    いてトレー毎にトレー横行旋回機構を制御する制御手段
    とを備え、自動車の乗込部のトレー上に、その前後の向
    きに拘らず、前進入庫の自動車を載せている請求項1記
    載の機械式立体駐車装置。
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