JPH0748567Y2 - 方向転換機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、各種の物品を所定間隔を置いてコンベアに
より水平搬送する搬送路の途中において、物品を直角方
向等に方向転換するための方向転換機に関するものであ
る。

「従来の技術、考案が解決せんとする問題点」 従来のこの種の方向転換機として、垂直軸回りに所定角
度水平回転する回転体に支受コンベアを設置し、この回
転体の一方の回転終端における支受コンベア上にその前
方の搬送コンベアから物品を移送し、回転体を他方の回
転終端に回転した後、支受コンベアからその前方の搬送
コンベア上に物品を転向移送するようにした方向転換機
も知られているが、支受コンベアの左右高さが僅かでも
違っている場合に、物品の移送方向の向きが変化して正
確に物品を搬送できない欠点があり、この支受コンベア
の左右高さを均一に設定維持することが困難である等の
問題があった。

また、従来旋回台の周面部に上下に平行なリンクをその
基端の回転軸において俯仰自在に取付け、これらの平行
リンクの先端間にフォークを水平前方に突設した基板を
枢着し、このフォークを送りコンベアの終端部の下方に
待機させておいてこの送りコンベア上を物品が搬送され
てきたとき、基端の回転駆動軸の回転によりリンクを仰
向させてフォークを送り込みコンベア上に上昇させ、物
品をフォーク上にすくい上げた状態で旋回台を回転して
送り出しコンベア上に方向転換した後、フォークをリン
クの俯向と共に下降させて物品を送り出しコンベアに移
し替えて搬出するようにした方向転換装置も知られてい
る（特開昭55-161721号）。

しかし、このような方向転換装置においては旋回台にそ
の旋回駆動機構やフォークの昇降機構を備えるため、機
構的に複雑で全体としてコンパクト性に欠けると共に、
一本の回転軸で俯仰する平行リンクでフォークを昇降作
動し、これに物品全体の重量を支えるため、リンク及び
回転支軸にかかる負荷が大きく、重量の大きい物品には
採用しがたいなどの問題がある。

さらに、物品を載せて水平旋回したフォークの下方に待
機している水平の移載コンベアをその水平を維持したま
まフォーク上に上昇させることにより、フォーク上から
物品を移載コンベアに移し替え、この移載コンベアから
さらにこれに近接して設置した搬出コンベアに移送して
物品を搬出するようにした搬出装置も知られているが
（実公昭50-20009号）、搬出コンベアと完全に独立した
移載コンベアを水平状態を保ったまま昇降するため、そ
の安定性を維持するには昇降機構としてコンベアを揺動
させないような堅固でしかも強力な動力装置を持った装
備を要すると共に、移載コンベアと搬出コンベアの近接
部に段差があるため、相互間における物品の移送時にガ
タツキやズレを生ずるなどの問題がある。

「問題点を解決するための手段」 この考案は前記従来の課題を解決するために、先行搬送
コンベア１で搬送された物品を方向転換して後行搬送コ
ンベア２に載せ替える方向転換部に設置される回転体３
には支受アーム６が突設され、この回転体３はその支受
アーム６を先行搬送コンベア１の搬送方向と後行搬送コ
ンベア２の搬送方向との間において方向転換するように
回動範囲が限定され、回転体３と先行搬送コンベア１と
の間には仲介コンベア９が設けられ、この仲介コンベア
９は一方の端部が先行搬送コンベア１の回転輪10の軸心
回りに回動自在に支持され、他方の端部近傍が昇降作動
機構12によって支持されていると共に、回転体３の回転
時には昇降作動機構12によって支受アーム６の回動軌道
域外の下方に傾斜し、かつ先行搬送コンベア１から支受
アーム６に物品を載せるときには上面高さが支持アーム
６の上面高さよりも若干高い位置に予め上昇するように
その作動範囲が設定されており、回転体３と後行搬送コ
ンベア２との間には仲介コンベア９′が設けられ、この
仲介コンベア９′は一方の端部が後行搬送コンベア２の
回転輪10の軸心回りに回動自在に支持され、他方の端部
近傍を昇降作動機構12によって支持されていると共に、
回転体３の回転時には昇降作動機構12によって支受アー
ム６の回動軌道域外の下方に傾斜し、かつ支受アーム６
から後行搬送コンベア２に物品を載せるときには上面高
さが支持アーム６の上面高さよりも若干高い位置に上昇
するようにその作動範囲が設定されていることを特徴と
する方向転換装置を提案するものである。

「作用」 回転体３の一方の回転終端に支受アーム６を回転させる
と、その支受アーム６の下方に斜め下向きに回動して傾
斜している仲介コンベア９が支持アーム６の上面高さよ
りも若干高い位置に上昇して物品を支受アーム６上に移
送し、移送完了後仲介コンベア９は斜め下向きに回動し
て傾斜し、この状態で回転体３を他方の回転終端に回転
した後、その支受アーム６の下方に斜めに下向きに回動
して傾斜している仲介コンベア９′が支持アーム６の上
面高さよりも若干高い位置に回動して上昇し、その上に
方向転換した物品を載せて移送する。

その後物品を転向搬出した仲介コンベア９′は斜め下向
きに回動し、この状態で回転体３と共に支受アーム６を
再び元の回転終端に回転し、同様に新たな物品を方向転
換して移送する。

従って、搬送する物品は回転体３の支受アーム６に載せ
た状態で方向転換され、その受渡しは仲介コンベア9,
9′が行うため、支受アーム６の左右の高さが違ってい
ても物品を位置ズレや向きのズレを生ずることなく正確
に方向転換して搬送することが可能となる。

「実施例」 以下この考案を図面に示す実施例について説明すると、
互いに直角等、所要角度に配置された先行搬送コンベア
１と後行搬送コンベア２の延長交差部には垂直軸回りに
所定角度水平回転する回転体３が設置されている。

回転体３は、基台４上に回転自在に支承した垂直な回転
軸５の上端に取付けられ、その前面には支受アーム６が
水平状に突設されており、回転軸５をモーター７及び動
力伝達機構８を介して正逆回転することにより、支受ア
ーム６を先行搬送コンベア１の設置方向に向けた受入れ
側の回転終端位置から、支受アーム６を後行搬送コンベ
ア２の方向に向けた送り出し側の回転終端位置にかけて
水平回転するように構成されている。

先行搬送コンベア１及び後行搬送コンベア２の回転体３
側に位置する端部には、それぞれ同方向に循環駆動する
仲介コンベア9,9′が連設又は近接して設置されてい
る。

仲介コンベア9,9′はチェーンコンベア又はベルトコン
ベアで、少なくともその先端部が回転体３の支受アーム
６とオーバーラップし、かつ水平状態においてその上面
高さが支受アーム６の上面高さよりも若干高くなるよう
に設置されており、搬送コンベア１又は２側に位置する
後端部のスプロケット等の回転輪10の回転軸11を支点と
して、水平状の位置から斜め下向き状態にかけて回動自
在になっている。

そして、この仲介コンベア9,9′は、流体圧シリンダー
などの昇降作動機構12に連繋されて上下方向に正逆回動
するように構成され、これを斜め下向き状態に回動する
ことにより、回転体３と共に支受アーム６が回転すると
きにこの支受アーム６の回転を妨げないようになってお
り、また水平状態に回動することにより、先行搬送コン
ベア１から搬送されてきた物品Ｋを支受アーム６上に移
送し、あるいは支受アーム６上の物品Ｋを後行搬送コン
ベア２上に移送するようになっている。

昇降作動機構12は、回転体３と共に支受アーム６が回転
するときに仲介コンベア9,9′が斜め下向き状態に回動
し、回転体３の回転後は水平状態に回動するようにその
作動が制御される。

その制御装置として、例えば、支受アーム６が仲介コン
ベア９側に対向するように回転体３が回転してきたと
き、その回転終端に設けたセンサー16に作動突起14が接
触又は近接し、回転体３の回転を停止すると共に下向き
位置の仲介コンベア９を上昇作動させ、これが水平状態
になったときに先行搬送コンベア１から搬送されてきた
物品Ｋが支受アーム６上に移送され、さらに物品Ｋがス
トッパー15に当たったとき、その停止位置に設けたセン
サー13が作動して、仲介コンベア９を下降作動すると共
に回転体３を回転作動し、これによって支受アーム６が
仲介コンベア９′側に対向するように回転体３が回転し
てきたとき、その回転終端に設けたセンサー17に作動突
起14が接触又は近接し、回転体３の回転を停止すると共
に下向き位置の仲介コンベア９′を上昇作動し、これが
水平状態になったときにその上に載せられた物品Ｋを後
行搬送コンベア２に移送し、その後はタイマー作動によ
り仲介コンベア９′を下降作動すると共に回転体３を逆
転作動するような制御機構を用いる。

従ってこの考案の方向転換機を用いる場合には、先行搬
送コンベア１上を次々に搬送される物品Ｋは、先行する
物品Ｋが後行搬送コンベア２上に方向転換して移送さ
れ、支受アーム６が仲介コンベア９側に復帰回転した後
において、後続の物品Ｋが仲介コンベア９上に移送され
るようなタイミングをもって順次間隔を保って搬送す
る。

なお、図示の実施例では支受アーム９を左右一対のフォ
ーク状とし、その内側に仲介コンベア9,9′をオーバー
ラップするように構成したが、仲介コンベア9,9′がチ
ェーンコンベアであれば、支受アーム９の外側にオーバ
ーラップするように構成することも可能である。

「考案の効果」 以上の通りこの考案によれば、搬送する物品は回転体の
支受アームに載せた状態で方向転換され、その受渡しは
仲介コンベアが行うので、支受アームの左右の高さが多
少違っていても物品を位置ズレや向きのズレを生ずるこ
となく正確に方向転換して搬送することができる。

回転体は水平旋回するだけであるため、機構的に単純で
コンパクトに構成でき、重量のある物品の積載も可能と
なる。

また仲介コンベアはその一端を先行又は後行搬送コンベ
アの回転輪の軸心回りに回動自在に支持され、他端部を
昇降作動機構に昇降自在に支持されているため、昇降機
構として油圧シリンダのような軽微でしかも小さな動力
性能を有する機構のもので済み、経済的であると共に、
先行又は後行搬送コンベアと段差なく一連に連結されて
搬送面のレベルを同一に保つことができるので、相互間
における物品の移送をガタツキやズレを生ずることなく
円滑に行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す側面図、第２図は同平
面図、第３図は同正面図、第４図は従来の方向転換機の
平面図である。 １……先行搬送コンベア、２……後行搬送コンベア、３
……回転体、４……基台、５……回転軸、６……支受ア
ーム、７……モーター、９……動力伝達機構、9,9′…
…仲介コンベア、10……回転輪、11……回転軸、12……
昇降作動機構、13……センサー、14……作動突起、15…
…ストッパー、16……センサー、17……センサー、Ｋ…
…物品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先行搬送コンベアで搬送された物品を方向
   転換して後行搬送コンベアに載せ替える方向転換部に設
   置される回転体には支受アームが突設され、この回転体
   はその支受アームを前記先行搬送コンベアの搬送方向と
   前記後行搬送コンベアの搬送方向との間において方向転
   換するように回動範囲が設定され、前記回転体と先行搬
   送コンベアとの間には仲介コンベアが設けられ、この仲
   介コンベアは一方の端部が前記先行搬送コンベアの回転
   輪の軸心回りに回動自在に支持され、他方の端部近傍が
   昇降作動機構によって支持されていると共に、前記回転
   体の回転時には前記昇降作動機構によって前記支受アー
   ムの回動軌道域外の下方に傾斜し、かつ前記先行搬送コ
   ンベアから前記支受アームに物品を載せるときには上面
   高さが前記支持アームの上面高さよりも若干高い位置に
   予め上昇するようにその作動範囲が設定されており、前
   記回転体と前記後行搬送コンベアとの間には仲介コンベ
   アが設けられ、この仲介コンベアは一方の端部が前記後
   行搬送コンベアの回転輪の軸心回りに回動自在に支持さ
   れ、他方の端部近傍を昇降作動機構によって支持されて
   いると共に、前記回転体の回転時には前記昇降作動機構
   によって前記支受アームの回動軌道域外の下方に傾斜
   し、かつ前記支受アームから前記後行搬送コンベアに物
   品を載せるときには上面高さが前記支持アームの上面高
   さよりも若干高い位置に上昇するようにその作動範囲が
   設定されていることを特徴とする方向転換装置。