JPS6130973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンベヤベルトの蛇行防止装置に
関するものであり、さらに詳しくは、正逆動式コ
ンベヤベルトの蛇行防止装置に係わるものであ
る。

コンベヤベルトで粉粒物を移送する場合、コン
ベヤベルト上に被移送物が均一に乗らない片乗り
や、負荷の変動、さらにはコンベヤベルトを支え
ているローラの不調などが原因となつて、コンベ
ヤベルトの横振れ即ち蛇行が起ることがある。

この蛇行は、コンベヤベルトからの被移送物の
脱落や、コンベヤベルト自体の損傷の原因とな
り、ひいては移送作業を中断しなければならない
事態に至ることもある。

従来、このようなコンベヤベルトの蛇行を防止
するために、コンベヤベルトを支えているキヤリ
アの一つまたは複数を、キヤリアの中心部を軸と
して回動自在とした調芯キヤリアとし、コンベヤ
ベルトの偏りに応じて上記調芯キヤリアがコンベ
ヤベルトの進行方向に対して微小角度傾き、力学
的なバランス上から横方向に偏つたコンベヤベル
トを元に戻す方式が採用されている。

しかしながら、従来の上記のような方式にあつ
ては、コンベヤベルトが特定の一方向に移動する
場合のみしか該コンベヤベルトの偏りを矯正する
ことができず、移送の目的に応じてコンベヤベル
トを逆方向にも運転しなければならない場合に
は、上記調芯キヤリアはコンベヤベルトの偏りを
元に復元する働きを全く行わないばかりか、逆に
上記偏りを助長するという不都合があつた。

本考案は、上記のような欠点を解消するために
なされたものであつて、目的によつて移動方向の
変るコンベヤベルトであつても、その移動方向に
応じて簡単な切換操作を行うことにより、調芯キ
ヤリアを有効に働かせしめる装置を提供するもの
であり、その要旨は、目的に応じて進行方向を変
えることのできるコンベヤベルトにおいて、該コ
ンベヤベルトの下部に垂直軸の回りに回動自在な
調芯キヤリアを設置して上記コンベヤベルトを支
持し、該調芯キヤリアの両端部にはコンベヤベル
トの進行方向に回動自在になされた左右対称のサ
イドローラ支持アームを軸支すると共に各々の該
サイドローラ支持アーム両端上部にほぼ水平方向
に回動自在にサイドローラを設け、コンベヤベル
トの進行方向に応じて該ベルトの進行方向と反対
側のサイドローラをコンベヤベルトに当接するよ
うにサイドローラ支持アームを切換回動せしめる
ようにしたコンベヤベルトの蛇行防止装置に存す
る。

以下本考案を、図面を基に詳細に説明する。

第１図は本考案装置の一例を示す斜視図であ
り、第２図は側面拡大図である。なお第３図は本
考案の他の実施態様を示す側面拡大図である。

１はコンベヤベルトであり、該コンベヤベルト
１に調芯キヤリア２が設置されている。該調芯キ
ヤリア２は、コンベヤフレーム３に一体的に固設
橋架された調芯キヤリア支持部材４の中央部にお
いて垂直軸６によつてローラ支持部材５を介して
水平に回動自在に軸支されている。該ローラ支持
部材５上には、３分割されたローラ７ａ，７ｂ，
７ｃが回転自在に軸支され、両側の７ａ，７ｂは
外側が上方に位置するように傾斜している。前記
支持部材５の両側端には、コンベヤベルト１の進
行方向と平行であつて、支持部９を中心にして左
右対称であるサイドローラ支持アーム８が、上記
支持部９によつて回動自在に軸支されている。ま
た、該サイドローラ支持アーム８の両端上部８
ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄには、ほぼ水平方向に回転
自在になされたサイドローラ１０ａ，１０ｂ，１
０ｃ，１０ｄが取り付けられており、前記サイド
ローラ支持アーム８の中央部にほぼ直立に固設さ
れた切換レバー１１を左右に操作することによつ
て、コンベヤベルトの進行方向に従つてコンベヤ
ベルト１と当接するサイドローラ１０ａ，１０ｃ
又は１０ｂ，１０ｄを適宜選択するようになされ
ている。即ち、コンベヤベルト１の進行方向が第
１図の白抜き矢印方向（左方向）である場合に
は、サイドローラ１０ｂ，１０ｄが上方に上がつ
てコンベヤベルト１の両側縁と当接した状態にし
なければならないから、予め切換レバー１１をコ
ンベヤベルト１の進行方向側、即ち左側に倒して
サイドローラ１０ｂ，１０ｄを上にあげ、又、コ
ンベヤベルト１の進行方向が上記と逆の斜線入矢
印方向（右方向）である場合には、予め上記操作
と逆の切換レバー１１の操作を行うのである。

また、ローラ支持部材５の両端部上部には、側
面が凹型のセツト棒支持部材１２が固設され、サ
イドローラ支持アーム８の中央上部に回動自在に
軸支されたセツト棒１３の上部が、上記セツト棒
支持部材１２の下面に穿孔された孔に装嵌されて
いると共に、上記セツト棒１３には螺旋発条１４
が装着されているので、該螺旋発条１３の伸張力
によつてサイドローラ支持アーム８を切換レバー
１１の操作によつて動かされた状態を安定して保
持するようになされている。

本考案は以上のようになされているので、例え
ば、コンベヤベルト１が左方向に移動する場合に
は、予め切換レバー１１を左側に倒し、サイドロ
ーラ１０ｂ，１０ｄが上記コンベヤベルト１の両
側縁部と当接するようになす。このようにするこ
とによつて、コンベヤベルト１が例えば進行方向
に向かつて左側に偏ると、このコンベヤベルト１
の側縁が左側のサイドローラ１０ｂに強く当接し
て、調芯キヤリア２が垂直軸６を中心として右方
向に回動し、コンベヤベルト１に対して偏りを元
に戻す働きをするので、コンベヤベルト１はその
偏りを修正し元の状態に復帰する。コンベヤベル
ト１が右側に偏つた場合は、上記とは逆にコンベ
ヤベルトの側縁がサイドローラ１０ｄに強く当接
して調芯キヤリア２を左方向に回動せしめるの
で、やはりコンベヤベルト１の偏りは元に復帰す
る。

次に、コンベヤベルト１が右方向に移動する場
合には、予め切換レバー１１を右側に倒し、サイ
ドローラ１０ａ，１０ｃと当接するようになす。
この時コンベヤベルト１の偏りが元に復帰するメ
カニジムは前記コンベヤベルト１が左方向に移動
する場合と同様である。

なお、第３図はサイドローラ１０ａ，１０ｃ又
はサイドローラ１０ｂ，１０ｄのコンベヤベルト
１への当接を切り換えるのに、例えば油圧シリン
ダー１１等の調芯キヤリア切換機構を用いた例で
あるが、コンベヤフレーム３に上記油圧シリンダ
ー１５を固設すると共に該シリンダー１５のシリ
ンダーロツド１６先端部をサイドローラ支持アー
ム８に穿孔された長孔とピンを介して連接し、シ
リンダーロツド１６の作動によつて上記切り換え
を行うようにしておけば、人力による切り換えを
行わなくてもよいので、作業上都合がよい。この
場合において、コンベヤベルト１を駆動せしめる
装置の正逆駆動スイツチ等からコンベヤベルト１
の進行方向を予め検知するようにし、その検知信
号によつて上記油圧シリンダー１５のシリンダー
ロツド１６を適正に作動せしめるようにしておけ
ば、コンベヤベルト１の進行方向が変更になる都
度調芯キヤリア２の切り換え操作が自動的に行え
るので、極めて好都合である。

本考案は以上のようになされているので、正逆
動式コンベヤベルトにおいて、コンベヤベルトの
進行方向に対応して調芯キヤリアをセツテイング
でき、常に蛇行のない状態でコンベヤベルトを運
転することができる等、操業上、設備保全上さら
には安全上優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一例を示す斜視図であ
り、第２図は側面拡大図である。なお第３図は本
考案の他の実施態様を示す側面拡大図である。 １……コンベヤベルト、２……調芯キヤリア、
３……コンベヤフレーム、４……調芯キヤリア支
持部材、５……ローラ支持部材、６……垂直軸、
７ａ，７ｂ，７ｃ……ローラ、８……サイドロー
ラ支持アーム、８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ……サイ
ドローラ支持アームの両端上部、９……支持部、
１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄ……サイドロー
ラ、１１……切換レバー、１２……セツト棒支持
部材、１３……セツト棒、１４……螺旋発条、１
５……油圧シリンダー、１６……シリンダーロツ
ド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 目的に応じて進行方向を変えることのできるコ
   ンベヤベルトにおいて、該コンベヤベルトの下部
   に垂直軸の回りに回動自在な調芯キヤリアを設置
   して上記コンベヤベルトを支持し、該調芯キヤリ
   アの両端部にはコンベヤベルトの進行方向に回動
   自在になされた左右対称のサイドローラ支持アー
   ムを軸支すると共に各々の該サイドローラ支持ア
   ーム両側上部にほぼ水平方向に回動自在にサイド
   ローラを設け、コンベヤベルトの進行方向に応じ
   て該ベルトの進行方向と反対側のサイドローラを
   コンベヤベルトに当接するようにサイドローラ支
   持アームを切換回動せしめるようにしたコンベヤ
   ベルトの蛇行防止装置。