JPH0745394B2 - 保湿用皮膚化粧料 - Google Patents

保湿用皮膚化粧料

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JPH0745394B2
JPH0745394B2 JP62018042A JP1804287A JPH0745394B2 JP H0745394 B2 JPH0745394 B2 JP H0745394B2 JP 62018042 A JP62018042 A JP 62018042A JP 1804287 A JP1804287 A JP 1804287A JP H0745394 B2 JPH0745394 B2 JP H0745394B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化粧料、更に詳細には、持続性のある高い保湿
効果を有する保湿用皮膚化粧料に関する。
〔従来の技術〕
正常な皮膚の角質層には通常10〜20％の水分が含まれて
おり、弾力性，柔軟性および保護機能が維持されている
が、これが温度，湿度などの外部環境の変化等の原因で
10％以下になるとドライスキンと呼ばれる状態になり、
皮膚は弾力性や保護機能を失つて種々のトラブルの原因
となることが知られている。
よつて、従来より、この様なドライスキンを修復あるい
は予防する目的で、親水性の保湿剤を化粧料に配合する
ことが行なわれている。そして、親水性保湿剤として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、
ブチレングリコール等のポリオール系化合物；グリセリ
ン、ソルビトール、マルチトール、アミノ酸、ピロリド
ンカルボン酸ナトリウム、尿素、乳酸、ヒアルロン酸、
コラーゲン等が使用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの保湿剤は親水性が高いために、
正常な皮膚においては角質層内に浸透されず、皮膚上に
留まつており、その結果保湿効果は弱いと共に、その効
果も一時的なものであるという欠点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者らは、持続性のある高い
保湿効果を有する化粧料を得るべく鋭意研究を行つた結
果、室温で液体状のジグリセリドと特定の保湿成分を併
用して配合すると、各々単独で配合した場合に比較し、
保湿効果及びその持続性が相剰的に増大することを見出
し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、（Ａ）構成脂肪酸の炭素数が８〜
18で、かつ融点が20℃以下である室温で液体状のジグリ
セリド ５〜50重量％、及び （Ｂ）ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール及びヒドロキシプロピルエーテ
ル化グリコリピッドエステルからなる群より選ばれる一
種以上の保湿成分 ２〜90重量％ を含有することを特徴とする保湿用皮膚化粧料を提供す
るものである。
本発明で用いられる（Ａ）成分の室温で液体状のジグリ
セリドとしては構成脂肪酸の炭素数が８〜18で、かつ融
点が20℃以下のものが使用される。これはグリセリン脂
肪酸のエステル化、グリセリンと天然動植物油脂又は硬
化天然動植物油脂とのグリセロリシス、或いは高級脂肪
酸高級アルコールエステルとグリセリンとのグリセロリ
シスなどの一般的な製法で得られる脂肪酸グリセリンエ
ステル（ジエステル含量が60％以上）を分子蒸留、溶媒
抽出などによつて分離，精製することにより得られる。
これらのうち、ジ（２−エチルヘキサン酸）グリセリン
エステル、ジオクタン酸グリセリンエステル、ジオレイ
ン酸グリセリンエステルが特に好ましい。（Ａ）成分の
ジグリセリドは化粧料中に５〜50重量％（以下単に％で
示す）、好ましくは５〜25％配合される。
（Ｂ）成分の保湿成分は（Ａ）成分のジグリセリドと室
温において任意に混合可能なものであることが必要であ
り、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、
ブチレングリコール及びヒドロキシプロピルエーテル化
グリコリピッドエステル（PSL）からなる群より選ばれ
る一種以上のものである。これらの中でも（Ｃ）成分の
親水性保湿成分との溶解特性を考慮すると、ジプロピレ
ングリコール、ブチレングリコールが特に好ましい。ま
た、PSLとしては次の一般式で表わされるものが使用さ
れる。
（式中、R1はCH3又はＨを示し、R1がCH3のときR2はC11
〜C15の飽和又は不飽和の炭化水素基を、R1がＨのとき
はR2はC12〜C16の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、
Ａは を示し、R3はC1〜C20の飽和の炭化水素基又は（Ａ）hH
を示し、a,b,c,d,e,f,g,hはその総和が１〜60の整数を
示す）（Ｂ）成分のポリオール系保湿成分は化粧料中に
２〜90％、好ましくは５〜50％配合される。配合量が２
％未満では、本発明の効果が発揮されず、90％を起えて
使用しても、それ以上の保湿持続効果の増大はみられな
い。また（Ａ）成分と（Ｂ）成分の混合比は任意である
が、（Ａ）／（Ｂ）が1/2付近が好ましい。
また（Ｃ）成分の親水性保湿成分としては、グリセリ
ン、ソルビトール、マルチトール、アミノ酸、ピロリド
ンカルボン酸ナトリウム、尿素及び乳酸からなる群より
選ばれる一種以上のものである。これらの親水性保湿成
分は化粧料中に２〜25％配合される。
本発明の化粧料には、本発明の効果を損わない範囲で、
上記必須成分の他に化粧料成分として一般に使用されて
いる油分、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、キレー
ト剤、pH調製剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等の通常
化粧料に用いられる成分を適宜配合することができる。
本発明化粧料は、油性化粧料、乳化化粧料、水性化粧料
等の任意の剤形とすることができ、荒れ肌、毛髪の手入
れ、等の保湿効果を必要とする皮膚化粧料、毛髪化粧料
として好適であり、特に保湿用皮膚化粧料として好適で
ある。
〔発明の効果〕
本発明の保湿用皮膚化粧料は、高い保湿性と保湿効果の
持続性を有し、しかも経時後、及び洗浄後も優れた保湿
性を保つため皮膚、毛髪の手入れ、特に損傷した皮膚、
毛髪の手入れに高い効果を示すものである。
〔実施例〕
次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例１ 下記表−１に示す組成の混合物を調製し、その保湿持続
効果を測定した。
＜組成＞ ＜試験方法＞ 上記試料を一定量前腕内側部に塗布し、１時間静置した
後湯洗し、温度20℃、湿度50％の恒温恒湿室に入り、15
分後に角質層中の水分含有量をインピーダンスメーター
（IBS社製）で測定した。さらに２時間後に再び湯洗
し、その15分後に同様に水分含有量を測定した。表中に
は平均値（Ｎ＝10）で示した。
＜結果＞ 表−２から明らかなように、本発明品１であるジプロピ
レングリコール／ジグリセリド混合系は、ジグリセリ
ド、ジプロピレングリコール各々単独に配合した化粧料
に比して、保湿効果及びその持続効果に優れており、両
者が相剰的に作用しているのが立証された。更に本発明
品２より（Ｃ）成分の添加も有効であることが判つた。
実施例２ 下記表−３に示す組成のクリームを製造し、その保湿持
続効果を測定した。
＜組成＞ ＜製造法＞ 上記油相１）〜７）を混合し、加熱溶解して70℃に保
つ、一方、上記水相部８）〜11）を徐々に加え乳化機に
て乳化する。乳化物を熱交換機にて終温30℃まで冷却
し、クリーム（本発明品３）を調整した。比較品6,7も
同様にして調整した。
＜試験方法＞ 上記試料を一定量前腕内側部に塗布し、２時間静置した
後湯洗し、温度20℃、湿度40％の恒温恒湿室に入り、15
分後に角質層中の水分含有量をインピーダンスメーター
（IBS社製）で測定した。さらに、初回湯洗後１時間、
２時間および５時間経過時にも同様に湯洗した後、角層
内水分量を測定した。表中には平均値（Ｎ＝４）で示し
た。
＜結果＞ 表−４から明らかなように、本発明品のクリームはポリ
オール系保湿剤ジプロピレングリコール、ジグリセリド
各々を単独に配合した比較品6,7のクリームと比して高
い保湿効果があり、かつその持続性に優れていて、これ
らの成分が乳化系においても相乗的に作用していること
が立証された。
実施例３ 乳 液 上記処方中の、油相成分を混合し、加熱溶解して70℃に
保つ。上記水相成分も同様に70℃で加熱混合し、この水
相部に前述の油相部を加えて乳化機にて乳化する。得ら
れた乳化物を熱交換機にて終温30℃まで冷却して乳液を
調製した。
実施例４ ２層式化粧水 オレイン酸ジグリセリドにポリオキシエチレンソルビタ
ンテトラオレイン酸エステル及びエチルパラベンを加え
て溶解し、エタノールを加えて油相とする。また精製水
に1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール
及び香料を溶解したものを水相とする。水相部に油相部
を室温下に加え、よくかきまぜながらナイロン布などに
よりろ過して製品とした。
実施例3,4で得られた本発明化粧料は、いずれも優れた
保湿持続効果を示した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−4646（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−170707（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−166108（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−121010（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−22515（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−198565（ＪＰ，Ａ) 特公 昭52−6344（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭53−21393（ＪＰ，Ｂ２) 米国特許3957969（ＵＳ，Ａ) 西独国特許出願公開3304897（ＤＥ，Ａ) 西独国特許出願公開2913040（ＤＥ，Ａ) スイス国特許出願公開443565（ＣＨ, Ａ) 「ハンドブック −化粧品 製剤原料− 改訂版」暮目 浩吉編（昭和52年）日光 ケミカルズ株式会社 外１ 発行Ｐ．76− 94

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】（Ａ）構成脂肪酸の炭素数が８〜18で、か
    つ融点が20℃以下である室温で液体状のジグリセリド５
    〜50重量％、及び （Ｂ）ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
    ール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコー
    ル、ブチレングリコール及びヒドロキシプロピルエーテ
    ル化グリコリピッドエステルからなる群より選ばれる一
    種以上の保湿成分 ２〜90重量％ を含有することを特徴とする保湿用皮膚化粧料。
  2. 【請求項２】更に、（Ｃ）グリセリン、ソルビトール、
    マルチトール、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸ナトリ
    ウム、尿素及び乳酸からなる群より選ばれる一種以上の
    親水性保湿成分を含有する特許請求の範囲第１項記載の
    保湿用皮膚化粧料。
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