JPH0743966B2 - リツツ線 - Google Patents
リツツ線Info
- Publication number
- JPH0743966B2 JPH0743966B2 JP60255735A JP25573585A JPH0743966B2 JP H0743966 B2 JPH0743966 B2 JP H0743966B2 JP 60255735 A JP60255735 A JP 60255735A JP 25573585 A JP25573585 A JP 25573585A JP H0743966 B2 JPH0743966 B2 JP H0743966B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- litz wire
- sound
- wires
- crystal structure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Insulated Conductors (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、細い絶縁電線を多数撚り合わせて1本と
し、その上に絶縁被覆をしたリッツ線に関する。
し、その上に絶縁被覆をしたリッツ線に関する。
[従来の技術] リッツ線は、高周波領域で用いられる電気機器用コイル
やリード線に採用されている。また、このリッツ線は、
音響機器や画像機器にも使用されている。
やリード線に採用されている。また、このリッツ線は、
音響機器や画像機器にも使用されている。
[発明が解決しようとする問題点] 音響機器や画像機器において、使用されている電線の材
質、構造によって音質や画質が変わることが広く知られ
ている。さらに、リッツ線を電線として採用すれば、音
響や画像に対して良い影響を与えることも知られてい
る。
質、構造によって音質や画質が変わることが広く知られ
ている。さらに、リッツ線を電線として採用すれば、音
響や画像に対して良い影響を与えることも知られてい
る。
この発明は、そのようなリッツ線にさらに改良を加えよ
うとするものである。すなわち、この発明の目的は、音
響機器、画像機器の音響や画像に対してさらに好影響を
与え得るリッツ線を提供することである。
うとするものである。すなわち、この発明の目的は、音
響機器、画像機器の音響や画像に対してさらに好影響を
与え得るリッツ線を提供することである。
[問題点を解決するための手段]および[発明の効果] この発明に従ったリッツ線は、複数本の素線を撚り合わ
せたものであって、各素線は以下の特徴を備えた銅合金
である。
せたものであって、各素線は以下の特徴を備えた銅合金
である。
a)酸素含有量が30ppm以下である。
b)導電率が90%IACS以上である。
c)加工率99.9%以上の冷間伸線加工によって長手方向
に繊維状に延びた結晶組織を有している。
に繊維状に延びた結晶組織を有している。
長手方向に繊維状に延びた結晶組織を有することによ
り、信号電流が流れるときに通過しなければならない結
晶粒界が少なくなる。その結果、画像、音響信号電流が
正確に位相差なく流れるようになり、画像表示機器の画
像が鮮明となり、また音響機器の音響が鮮明で美しい音
となる。
り、信号電流が流れるときに通過しなければならない結
晶粒界が少なくなる。その結果、画像、音響信号電流が
正確に位相差なく流れるようになり、画像表示機器の画
像が鮮明となり、また音響機器の音響が鮮明で美しい音
となる。
上記効果を発揮するための結晶組織を有するためには、
冷間伸線加工の加工率を99.9%以上にすることが必要で
ある。
冷間伸線加工の加工率を99.9%以上にすることが必要で
ある。
導電性は高ければ高いほどよいが、繊維状組織維持のた
めに若干低下することが許容される。但し、90%IACS以
上の導電率が必要である。なぜなら、90%IACS未満の導
電率であれば、音響や画像表示に悪影響を及ぼすからで
ある。
めに若干低下することが許容される。但し、90%IACS以
上の導電率が必要である。なぜなら、90%IACS未満の導
電率であれば、音響や画像表示に悪影響を及ぼすからで
ある。
銅合金中の酸素は、通常CU2Oの形で散在している。その
ため、この酸素含有量が30ppmを越えるようならば、結
晶粒界に空隙を生じるなどして、銅は著しく脆くなり、
音響や画像に対して悪影響を及ぼす。
ため、この酸素含有量が30ppmを越えるようならば、結
晶粒界に空隙を生じるなどして、銅は著しく脆くなり、
音響や画像に対して悪影響を及ぼす。
リッツ線を構成する各素線には、絶縁被覆が施される。
絶縁被覆の方法には種々なものがあるが、その一例とし
て、エナメルを素線の外周に塗付して焼付ける方法があ
る。ただこの焼付という工程を採用するときには、以下
のことに留意する必要がある。すなわち、焼付工程前に
素線が長手方向に繊維状に延びた結晶組織を有している
ようなものであっても、焼付という加熱工程を経ると、
再結晶してしまい、配向した結晶組織を呈し得ない。そ
のため、リッツ線を構成する素線にエナメルを塗布して
焼付けようとする場合には、以下の条件を満たすような
素線を選ぶのがよい。すなわち、その素線は、Ag0.03〜
0.3%、Cr0.01〜0.09%およびZr0.01〜0.1%からなる群
から選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がCuからな
る。
絶縁被覆の方法には種々なものがあるが、その一例とし
て、エナメルを素線の外周に塗付して焼付ける方法があ
る。ただこの焼付という工程を採用するときには、以下
のことに留意する必要がある。すなわち、焼付工程前に
素線が長手方向に繊維状に延びた結晶組織を有している
ようなものであっても、焼付という加熱工程を経ると、
再結晶してしまい、配向した結晶組織を呈し得ない。そ
のため、リッツ線を構成する素線にエナメルを塗布して
焼付けようとする場合には、以下の条件を満たすような
素線を選ぶのがよい。すなわち、その素線は、Ag0.03〜
0.3%、Cr0.01〜0.09%およびZr0.01〜0.1%からなる群
から選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がCuからな
る。
Ag、CrおよびZrからなる群から選ばれた少なくとも1種
を含有することにより、長手方向に繊維状に延びた結晶
組織がエナメル焼付後においても維持されるようにな
る。Agの含有量を0.03〜0.3%としたのは、0.3未満であ
るならば繊維状組織維持の効果が少なくなり、0.3%を
越えるようならば繊維状組織維持の効果がほぼ飽和して
それ以上の改善が期待できないからである。また、過剰
にAgを含有することは、いたずらに高価となるばかりで
はなく、過剰Agが音響や画像に対して悪影響を及ぼすよ
うになる。Cr含有量を0.01〜0.09%としたのは、0.01%
未満であるならば繊維状組織維持の効果が少なく、また
0.09%を越えるようになれば過剰Crが析出物となるおそ
れが生じ、音響や画像に悪影響を及ぼすようになるから
である。さらに、Zr含有量を0.01〜0.1%としたのは、
0.01%未満であるならば繊維状組織維持の効果が少な
く、また0.1%を越えるようならば、過剰Zrが析出物と
なるおそれが生じ、音響や画像に悪影響を及ぼすからで
ある。
を含有することにより、長手方向に繊維状に延びた結晶
組織がエナメル焼付後においても維持されるようにな
る。Agの含有量を0.03〜0.3%としたのは、0.3未満であ
るならば繊維状組織維持の効果が少なくなり、0.3%を
越えるようならば繊維状組織維持の効果がほぼ飽和して
それ以上の改善が期待できないからである。また、過剰
にAgを含有することは、いたずらに高価となるばかりで
はなく、過剰Agが音響や画像に対して悪影響を及ぼすよ
うになる。Cr含有量を0.01〜0.09%としたのは、0.01%
未満であるならば繊維状組織維持の効果が少なく、また
0.09%を越えるようになれば過剰Crが析出物となるおそ
れが生じ、音響や画像に悪影響を及ぼすようになるから
である。さらに、Zr含有量を0.01〜0.1%としたのは、
0.01%未満であるならば繊維状組織維持の効果が少な
く、また0.1%を越えるようならば、過剰Zrが析出物と
なるおそれが生じ、音響や画像に悪影響を及ぼすからで
ある。
以上のように、この発明に従ったリッツ線によれば、音
響や画像が鮮明に再現されるようになる。上記のような
効果を奏するこの発明は、音響機器や画像表示機器の配
線用電線として有利に利用され得る。
響や画像が鮮明に再現されるようになる。上記のような
効果を奏するこの発明は、音響機器や画像表示機器の配
線用電線として有利に利用され得る。
[実施例] 無酸素銅をベースにして、第1表に示す組成の合金鋳塊
(試料番号1〜10)を用意した。合金鋳塊の大きさは約
100□であり、これに熱間圧延(約8φ)と冷間伸線を
施し、0.12φの素線とした。冷間伸線加工の加工率は、
99.978%であった。そして、この線に、エナメルを塗布
して焼付けた。なお、伸線加工後においては各試料1〜
10は、長さ方向に繊維状に延びた結晶組織を有してい
た。
(試料番号1〜10)を用意した。合金鋳塊の大きさは約
100□であり、これに熱間圧延(約8φ)と冷間伸線を
施し、0.12φの素線とした。冷間伸線加工の加工率は、
99.978%であった。そして、この線に、エナメルを塗布
して焼付けた。なお、伸線加工後においては各試料1〜
10は、長さ方向に繊維状に延びた結晶組織を有してい
た。
焼付温度は、300℃以下となるようにした。この焼付工
程後、従来例(試料番号6および7)のものは、結晶組
織が粒状の組織となっていた。
程後、従来例(試料番号6および7)のものは、結晶組
織が粒状の組織となっていた。
本発明例(試料番号1〜5)および比較例(試料番号8
〜10)のものは、焼付工程後においても、繊維状組織を
維持していた。
〜10)のものは、焼付工程後においても、繊維状組織を
維持していた。
上記各試料1〜10をそれぞれ100本撚り合わせて画像表
示機器配線用電線を作製した。本発明例による撚り線を
用いた画像表示機器では、その画像が鮮かで鮮明であっ
た。しかし、従来例および比較例による撚り線を使用し
た画像表示機器では、不鮮明な画像となった。
示機器配線用電線を作製した。本発明例による撚り線を
用いた画像表示機器では、その画像が鮮かで鮮明であっ
た。しかし、従来例および比較例による撚り線を使用し
た画像表示機器では、不鮮明な画像となった。
さらに、上記各素線を撚り合わせて音響機器配線用電線
を作成したところ、本発明例による撚り線を用いた場合
には音色が豊かで澄んでいたが、従来例および比較例の
撚り線を用いた場合には濁った音色であった。
を作成したところ、本発明例による撚り線を用いた場合
には音色が豊かで澄んでいたが、従来例および比較例の
撚り線を用いた場合には濁った音色であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−167904(JP,A) 特開 昭53−70916(JP,A) 特開 昭53−88996(JP,A) 特開 昭60−125357(JP,A) 特開 昭60−125358(JP,A) 特開 昭60−3808(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】複数本の素線を撚り合わせてなるリッツ線
において、 前記素線は、酸素含有量が30ppm以下、導電率が90%IAC
S以上であり、さらに加工率99.9%以上の冷間伸線加工
によって長手方向に繊維状に延びた結晶組織を有してい
る銅合金線である、リッツ線。 - 【請求項2】前記素線は、Ag0.03〜0.3%、Cr0.01〜0.0
9%およびZr0.01〜0.1%からなる群から選ばれた少なく
とも1種を含有し、残部がCuからなる、特許請求の範囲
第1項に記載のリッツ線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60255735A JPH0743966B2 (ja) | 1985-11-13 | 1985-11-13 | リツツ線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60255735A JPH0743966B2 (ja) | 1985-11-13 | 1985-11-13 | リツツ線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62115611A JPS62115611A (ja) | 1987-05-27 |
JPH0743966B2 true JPH0743966B2 (ja) | 1995-05-15 |
Family
ID=17282901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60255735A Expired - Lifetime JPH0743966B2 (ja) | 1985-11-13 | 1985-11-13 | リツツ線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0743966B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010205623A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 巻線用導体 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0547232A (ja) * | 1991-08-12 | 1993-02-26 | Tatsuta Electric Wire & Cable Co Ltd | 耐熱・耐屈曲・耐摩耗性絶縁電線 |
JPH081530Y2 (ja) * | 1991-09-05 | 1996-01-17 | タツタ電線株式会社 | 耐熱・耐屈曲・耐摩耗性塗装ロボット用ケーブル |
JPH081531Y2 (ja) * | 1991-09-09 | 1996-01-17 | タツタ電線株式会社 | 耐熱・耐屈曲・耐摩耗性塗装ロボット用ケーブル |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5952231B2 (ja) * | 1977-01-18 | 1984-12-18 | 住友電気工業株式会社 | ヘツデイング加工性の良好な電子部品リ−ド材の製法 |
-
1985
- 1985-11-13 JP JP60255735A patent/JPH0743966B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010205623A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 巻線用導体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62115611A (ja) | 1987-05-27 |
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