JPH0743128U - キャッチャー付き運搬車の荷物積込構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 チャッカー付き運搬車の荷物積込みを容易に
する。 〔構成〕 チャッカー付き運搬車のチャッカーに、荷物
に当接し、荷物からの押圧力が一定値を越すと後方に退
行するプッシャーを取り付けたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は，荷物を外周から抱き締めて後方に回動するキャッチャーを取り付 けたキャッチャー付き運搬車の荷物積込構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この出願人は，起立した比較的長尺な円筒形の荷物を車体上に上部を後方に傾 けた状態で積み込むために，車体の前部に荷物の外周を抱き締めて後方に回動す るキャッチャーを取り付けた運搬車を先に特願平２−１２８５６２号等として提 案している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような荷物を車体上に良好に積み込むためには，キャッチャーの受板が荷 物の底部に確実に挿入できる必要があるから，荷物を傾けて底面と地上との間に 隙間を作っておかなければならない。一方，作業者は運搬車の操縦をしながらの この作業はできないから，予め荷物を傾けて底部に隙間を作り，これに何か噛ま せ物をしておくようなやり方をしていた。しかし，これでは荷物の傾け作業が人 力に頼ることになって危険である上に非能率的である。 この考案は，このような課題を解決するものであって，荷物の傾け作業，積込 作業すべてを運搬車の操縦で可能にしたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以上を解決するため，この考案は，キャッチャーに，荷物に当接し，荷物から の押圧力が一定値を越すと後方に退行するプッシャーを取り付けたことを特徴と したものである。

【０００５】

【作用】

これにより，プッシャーは運搬車を荷物に接近させると荷物に当接し，これを 傾けて底部に隙間を作ってキャッチャーの受板を荷物底部に挿入するが，キャッ チャーが荷物を抱き締めた後回動するときには荷物からの押圧力が増して後方に 退行し，キャッチャー本来の把持機能，回動機能を阻害しない。

【０００６】

【実施例】

図１および図２はキャッチャー付き運搬車の側面図であるが，運搬車は車体１ ０とその前部に取り付けられるキャッチャー１２からなる。

【０００７】 車体１０はエンジン１４やミッション１６を載架した車台フレーム１８を前輪 ２０および後輪２２で支持したものである。車台フレーム１８の上部には荷台フ レーム２４が前下がりの傾斜状に架設され，その後部がハンドル２６となってい る。

【０００８】 キャッチャー１２は車台フレーム１８との間に介設される油圧シリンダ２８の 伸縮によって前輪軸３０を中心に起立姿勢と荷台フレーム２４上に寝る傾斜姿勢 との範囲で回動する二本の縦フレーム３２を有し，この縦フレーム３２の上下二 個所に円筒形の荷物３４の外周を抱き締めるキャッチアーム３６を有するもので ある。図３〜図４はキャッチアーム３６の状態を示す平面図であるが，キャッチ アーム３６は縦フレーム３２の回りを回動するようになっており，これによって 荷物３４を抱き締める。なお，この回動操作はハンドル２６からの遠隔操作でで きるようになっているが，この詳細はこの考案の要旨とは関係ないので，ここで の詳説は省略する。ただ，キャッチアーム３６は直接荷物３４に作用するのでは なく，その先端にピン３８の回りに回動自在なチャッカー４０が設けられており ，このチャッカー４０によって荷物を締め付ける。この他，縦フレーム３２の上 下端には荷物３４を取り囲む半円形のガード４２が設けられているとともに，下 方のガード４２には荷物３４の底面を支え受ける受板４４が設けられている。

【０００９】 次に，このキャッチャー１２には車体１０が前進すると前方に起立させた荷物 ３４に当接してこれを押すプッシャー４６が設けられている。図６はプッシャー ４６を示す断面図であるが，プッシャー４６はガード４２から後延するブラケッ ト４８で支持する水平な支持軸５０の回りに上方に回動可能な上バー５２と下方 に回動可能な下バー５４からなり，上下バー５２，５４はスプリング５６によっ て常時狭まり方向に引っ張られている（５８は一定以上狭まらないためのストッ パー）。なお，プッシャー４６は荷物３４の重心より高い位置に設けられる。

【００１０】 以上により，荷物３４を地上に起立させておき，キャッチャー１２を起立姿勢 にして車体１０を前進させて荷物３４に近づける（このとき，キャッチアーム３ ６は開いた状態にしておく）。すると，プッシャー４６の上下バー５２，５４が 荷物３４に当接し，荷物３４を押してこれを前方に傾け，底面と地上との間に隙 間を作る。この状態のままで車体１０をさらに前進させると，荷物３４から上下 バー５２，５４に加わる押圧力が増し，スプリング５６の力に勝って上下にやや 開いた状態になる。こうなると，車体１０はさらに前進し，受板４４が荷物３４ の底面と地上との間の隙間に挿入される。と同時に，荷物３４がチャッカー４０ の後部を押す状態になり，チャッカー４０はピン３８の回りを回動して前部と後 部の両方で荷物３４を抱き締め，縦フレーム３２を後方に回動させる。すると， 荷物３４の重量は縦フレーム３２側にかかるから，上下バー５２，５４は完全に 開き，チャッカー４０は荷物３４を抱き締めたままピン３８を中心に回転し，荷 物３４は受板４４上に完全に乗って縦フレーム３２側に押し付けられた積込姿勢 となる。キャッチャー１２が荷物３４を掴んで荷台フレーム２４上に傾斜した傾 斜姿勢になると，この状態で目的地まで走行して運搬する。

【００１１】

【考案の効果】

以上，この考案は前記したものであるから，荷物の傾け，受板上への載置およ び荷台フレームへの積込がすべて車体側からの操作による連続した動作で行われ るので，能率的，省力的である。また，荷物に触る必要がないので，安全でもあ る。さらに，この間，荷物は常に低い位置で取り扱われるので，重心が低く，安 定が良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】キャッチャー付き運搬車の側面図である。

【図２】キャッチャー付き運搬車の側面図である。

【図３】キャッチアームの状態を示す平面図である。

【図４】キャッチアームの状態を示す平面図である。

【図５】キャッチアームの状態を示す平面図である。

【図６】キャッチアームの状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 車体 １２ キャッチャー ３４ 荷物 ４６ プッシャー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷物（３４）を外周から抱き締めて後方
   に回動するキャッチャー（１２）を車体（１０）前部に
   取り付けたキャッチャー付き運搬車において，前記キャ
   ッチャー（１０）に，前記荷物（３４）に当接し，前記
   荷物（３４）からの押圧力が一定値を越すと後方に退行
   するプッシャー（４６）を取り付けてなるキャッチャー
   付き運搬車の荷物積込構造。