JPH11292359A - 巻取りウェブの運搬装置 - Google Patents

巻取りウェブの運搬装置

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JPH11292359A
JPH11292359A JP10103147A JP10314798A JPH11292359A JP H11292359 A JPH11292359 A JP H11292359A JP 10103147 A JP10103147 A JP 10103147A JP 10314798 A JP10314798 A JP 10314798A JP H11292359 A JPH11292359 A JP H11292359A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻取りウェブの巻取りウェブ受けへの受入
れ、巻取りウェブのパレット中央部からの持ち上げ、パ
レット中央部への搭載を簡単に行うことのできる巻き取
りウェブの運搬装置を提供する。 【解決手段】 巻取りウェブの周面に対向される巻取り
ウェブ受けが運搬台車上に設置されている巻き取りウェ
ブの運搬装置であって、パレット側に向かう運搬台車の
前端側は、パレット側に向かう方向及びパレット側から
離れる方向(前後方向)に伸縮自在に構成されていると
共に、パレット側に向かう前端側に移動手段を有する支
持部材の後端側が、前記運搬台車のパレット側に向かう
前端側上面に固定されていることを特徴とする巻取りウ
ェブの運搬装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成樹脂フィル
ム、紙、フィルムラミネート紙などのシートを巻取軸に
巻き取った巻取りウェブを運搬する巻取りウェブの運搬
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パレット上に搭載されている巻取
りウェブを巻き戻し機や、他の位置にあるパレット上に
移動する場合には、巻取りウェブの運搬装置が使用され
ており、本願発明者は、運搬台車上に巻取りウェブの周
面に対向される巻取りウェブ受けが昇降可能かつ旋回可
能に設置され、更に、当該巻取りウェブ受けが水平状態
と垂直状態との間で傾動自在とされている巻取りウェブ
の運搬装置を提案している(特開平7−157155
号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記本願発明者が提案
した巻取りウェブの運搬装置によって、重量のかさむ巻
取りウェブを容易かつ安全に取り扱うことができるとい
う大きな効果が発揮されたが、この従来の装置において
は、巻取りウェブの巻取り、ウェブ受けへの受入れ、巻
取りウェブのパレット中央からの持ち上げ、パレットの
中央部(端縁から離れた内側)への搭載等々の場面にお
いて、以下に述べるように、更に改善すべき点があっ
た。
【0004】第一に、前記従来の巻取りウェブの運搬装
置によって、パレットの中央に(パレットの端縁から離
れてパレット中央側に)配置されている巻取りウェブを
運搬する場合には、巻取りウェブの運搬装置を構成する
運搬台車のパレット側の前端側(前車輪)が伸縮不能で
あることに起因して、すなわち巻取りウェブ受けの位置
をパレットの中央側まで移動させることが困難であるこ
とに起因して、以下のような問題点があった。パレット
の中央に配置されている巻取りウェブを持ち上げたり、
パレットの中央に巻取りウェブを搭載するためには、図
10に示すように、パレット16の横幅よりも広い幅を
有する運搬台車を備えた巻取りウェブの運搬装置42を
用意し、前記横幅の広い台車によってパレットを跨ぐよ
うにして、巻取りウェブの運搬装置の巻取りウェブ受け
の位置をパレットの中央側まで移動させる必要があっ
た。この場合には、パレットの横幅に対応して運搬台車
の横幅を広くする必要があるので、使用しにくいという
問題点があった。
【0005】前記のように運搬台車の横幅を広くしない
場合には、巻取りウェブの運搬装置(を構成する運搬台
車)が近付く側のパレット側壁に運搬台車の前車輪が挿
通可能な開口を有する特殊なパレットを準備し、運搬台
車の前車輪が当該開口に入っていくことによって、巻取
りウェブの運搬装置の巻取りウェブ受けの位置をパレッ
トの中央側まで移動させ、パレットの中央に配置されて
いる巻取りウェブを持ち上げたり、パレットの中央に巻
取りウェブを搭載する方法が採用されていた。しかし、
プラスチックパレットが普及することによって、このよ
うな特殊なパレットが提供されなくなってきたので、こ
の方法を採用することも困難になってきた。
【0006】一方、巻取りウェブの運搬装置ではない
が、フォークリフトにおいて、運搬台車の前車輪は前後
に伸縮しないが、パレット等から荷物を取り出す爪が前
後に伸縮する構成が採用されている。フォークリフトに
おいては運搬台車ではなく自動車等によって荷物等を取
り出す爪が支持されているため問題とならないが、巻取
りウェブの運搬装置のように運搬台車の上に巻取りウェ
ブ受けが設置されているにすぎない構成の場合には、前
記フォークリフトに採用されているような構成を採用す
ることは困難である。すなわち、巻取りウェブの運搬装
置において、運搬台車の前車輪は前後伸縮しないが、巻
取りウェブを受ける爪が前後方向に伸縮できる構成を採
用して、パレットの中央に配置されている巻取りウェブ
を持ち上げたり、パレットの中央に巻取りウェブを搭載
するためには、運搬台車の前車輪を短くし、前記爪をパ
レットの中央側まで(長く延ばして)巻取りウェブを持
ち上げ、あるいは載置する必要がある。この場合、しば
しば500kg等の重量にもなる巻取りウェブを持ち上
げ、支持するためには、図10中、符号43で示される
ような運搬台車後ろ側の位置に重りを取り付けてバラン
スを取る必要があり、取扱いが困難であるという問題点
がある。
【0007】第二に、巻取りウェブを巻取りウェブ受け
に受け入れるために、受け爪を、パレット上に垂直状態
に配置されている巻取りウェブの下端面と、パレット上
面との間に挿入する際に困難が生じるという問題点があ
った。すなわち、従来の巻取りウェブの運搬装置におい
ては、重量がかさむ巻取りウェブを人力で傾け、これに
よって巻取りウェブの下端面とパレット上面との間にス
ペースを設け、この間に受け爪を挿入していたので、危
険が伴うという問題点があり、また、図9(a)に示す
ように、受け爪は、ウェブ受けの側面側からウェブ受け
前面(巻取りウェブの周面に対向する面)側に回動され
ることによって、巻取りウェブの下端面とパレット上面
との間に挿入されるので、この際に、受け爪が、運搬す
ることを目的としている巻取りウェブ41bの両隣に位
置する巻取りウェブ41a、41cの下端に衝突するの
を防止するべく、両隣に位置する巻取りウェブ41a、
41cをも人力によって傾けなければならないという問
題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、巻取りウェブ
の周面に対向される巻取りウェブ受けが、運搬台車上に
設置されている巻取りウェブの運搬装置において、運搬
台車のパレット側に向かう前端側を、パレット側に向か
う方向及びパレット側から離れる方向に伸縮自在に構成
することによって、また前記巻取りウェブ受けをその下
端側を支点として前方側(巻取りウェブ側)へ傾動自在
とすることによって、更には、巻取りウェブ受けの巻取
りウェブ受け爪を巻取りウェブ受けの側面側に位置する
一端部を支点として、前記巻取りウェブ受けの中央側に
位置する他端部を、巻取りウェブ受けの前方に回動させ
て突出させる構成を採用することによって前記問題点を
解決したものである。
【0009】すなわち、本願が提案する発明は、巻取り
ウェブの周面に対向される巻取りウェブ受けが、運搬台
車上に設置されている巻取りウェブの運搬装置であっ
て、運搬台車の巻取りウェブ側に向かう前端側が、前後
方向に伸縮自在に構成されていることを特徴とする巻取
りウェブの運搬装置である。これによって、運搬台車を
パレットに近付ける際に、運搬台車のパレット側に向か
う前端側を縮めることができ、パレットより横幅の大き
い運搬台車を用いることなしに、また運搬台車の前車輪
挿入用の開口を有する特殊なパレットを用いることなし
に、巻取りウェブ受けの位置をパレットの中央側まで移
動させることができる。
【0010】前記において、更に、パレット側に向かう
前端側に移動手段を有する支持部材の後端側が、前記運
搬台車の前端側上面に固定されている構成を採用すれ
ば、運搬台車のパレット側に向かう前端側を縮めて運搬
台車をパレットに近付けた際に(この際、運搬台車の前
後方向長さは短くなっている)、前記支持部材の前端側
に備えられている移動手段はパレットの上面に当接しつ
つパレット上面上を移動するので、重量のかさむ巻取り
ウェブを支持(運搬)し続ける、また持ち上げる場合で
あっても、前記当接している支持部材の前端側を支点と
して重量が支えられるのでバランスが保たれ、運搬台車
のパレット側に向かう前端側を縮めている(運搬台車の
前後方向長さを短くしている)にもかかわらず、運搬台
車の後端側にバランスを取るための重りを搭載する等の
対策を講じる必要がない。
【0011】さらに、前記支持部材のパレット側に向か
う前端側に、前端側に車輪が回動自在に取り付けられて
いる補助支持部材の後端側を回動自在に取り付ける構成
を採用すれば、前記補助支持部材を、前記支持部材のパ
レット側に向かう前端側との間における取り付け部を支
点として、前記支持部材がパレットの上面に当接しつつ
パレット上面上を移動している状態(当該補助支持部材
もパレット上面上を移動する)と、(運搬台車がパレッ
トから離れて、前記支持部材のパレット側に向かう前端
側もパレットから離れて、)前記前端側に回動自在に取
り付けられている車輪が運搬台車の車輪と同じく床ある
いは地面に当接している状態との間で、回転移動させる
ことができる。これによって、運搬台車のパレット側に
向かう前端側を縮めたままにしておいても、運搬台車が
パレットから離れた時(前記支持部材のパレット側に向
かう前端側もパレットから離れた時)に、前記支持部材
のパレット側に向かう前端側、すなわち、運搬台車のパ
レット側に向かう前端側は、前記補助支持部材によって
床あるいは地面の上に支持されているので、全体のバラ
ンスを保つことができる。
【0012】また、本願が提案する他の発明は、運搬台
車上に巻取りウェブの周面に対向される巻取りウェブ受
けが設置されている巻取りウェブの運搬装置であって、
該巻取りウェブ受けは該巻取りウェブ受け下端側を支点
として、前方側(巻取りウェブ側)へ傾動自在に構成さ
れていることを特徴とする巻取りウェブの運搬装置であ
る。このように構成することによって、垂直状態に配置
されている巻取りウェブの周面に、巻取りウェブ受けを
対向させた後、巻取りウェブ受けをその下端側を支点と
して前方側(巻取りウェブ側)へ傾け、これによって巻
取りウェブの前記巻取りウェブ受け側の下端面とパレッ
ト上面との間にスペースを設けることができるので、人
力によって、このような巻取りウェブの傾動を行わせる
場合の労力の負担を軽減し、危険性を少なくさせること
ができる。
【0013】この場合、更に、巻取りウェブ受けの巻取
りウェブ受け爪は、前記巻取りウェブ受けの側面側に位
置する一端部を支点として、前記巻取りウェブ受けの中
央側に位置する他端部を、巻取りウェブ受けの巻取りウ
ェブ周面に対向する面側に回動させて突出させるように
構成すれば、容易に巻取りウェブ受け爪を、前記巻取り
ウェブの下端面とパレット上面との間のスペースに挿脱
することができる。
【0014】以下、添付図面を用いて本発明の好ましい
実施例を説明する。
【0015】
【実施例1】図1は、この発明の巻取りウェブ運搬装置
1の第一の実施例を表す側面図である。巻取りウェブ1
7の周面に対向される巻取りウェブ受け3が、流体圧シ
リンダー4a、4b、リンク杆5a、5b、腕片6によ
って構成されるリンク機構を介して運搬台車2の上に、
昇降可能かつ旋回可能であって、更に、水平状態と垂直
状態との間で傾動自在に、設置されている。
【0016】巻取りウェブ受け3は巻取りウェブ17の
周面に対向する側に受け部材18を備えていると共に、
巻取りウェブ受け3の一端側に(図1では、下端側に)
ウェブ受け爪15a、15bを備えている。巻取りウェ
ブ受け3で巻取りウェブ17を水平方向に保持した際
に、ハンドル24を操作して、巻取りウェブ受け3の長
さを調節し、当該保持している巻取りウェブ17の一方
の端面にウェブ受け爪15a、15bを当接させ、ま
た、回転レバー25を操作することによって、ウェブ受
け爪15a、15bを巻取りウェブ受け3の側面方向に
突出している状態と、巻取りウェブ受け3の前面(運搬
すべき巻取りウェブ17に向かう方向)方向に突出して
いる状態(図3)との間で回動させ、垂直方向になって
いる運搬すべき巻取りウェブ17の下端面の支持、解除
(パレット等の上面に下ろす等)の操作を行うものであ
る。
【0017】運搬台車2の前車輪7は、公知の流体圧シ
リンダー(例えば油圧シリンダー)23によって運搬台
車2の支持腕8a内に挿脱可能となっている前車輪支持
杆8bによって支持されている(図1、図4)。すなわ
ち、流体圧シリンダー23のロッドを伸縮させることに
よって、前車輪支持杆8bは支持腕8a内に挿脱され、
運搬台車2の巻取りウェブ17(パレット16)側に向
かう前端側(前車輪7)が、巻取りウェブ17(パレッ
ト16)側に向かう方向及び巻取りウェブ17(パレッ
ト16)側から離れる方向に伸縮自在に構成されてい
る。
【0018】支持腕8aの前端側上面には支持部材9の
後端側が固定されている。支持部材9の前端側には、移
動手段10が取り付けられている。移動手段10は、パ
レット16の表面上を移動することができるように、支
持部材9の前端側に回動自在に取り付けられている車輪
11a、11bを無端ベルト12で連結した構成となっ
ている(図5)。更に、支持部材9の前端側には、先端
側に車輪14が回動自在に取り付けられている補助支持
部材13の後端側が回動自在に取り付けられている。
【0019】前記のように構成されている巻取りウェブ
の運搬装置1を用いて、巻取りウェブ17をパレット1
6の中央側に運搬する場合について図1、図2(a)
(b)(c)、図3を用いて説明する。
【0020】巻取りウェブ17をウェブ受け爪15a、
15bで下から支えると共に、巻取りウェブ受け3の受
部材18で垂直位置を保ちながら、運搬台車2の前車輪
7がパレット16の側壁に当接する位置にまで運搬して
くる(図1)。本発明においては、前車輪7は運搬台車
2の支持腕8a内に挿脱可能に構成されている前車輪支
持杆8bによって支持されているので、図1、図2
(a)、図3(a)図示の位置から、矢示19のよう
に、運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置1)をパレット
16の方向に移動(前進)させると、前車輪7、支持杆
8bは矢示20のように支持腕8a内に押し込められる
(図2(a))。同時に、補助支持部材13はその後端
側を支点として矢示21のように支持部材9と並行な位
置にまで回転し、車輪14、移動手段10をパレット1
6の上面に当接させつつ、支持部材9、補助支持部材1
3はパレット16上面上を矢示19方向に移動する(図
2(b)、図3(b))。これによって、支持部材9の
前端側と同等の位置にあるウェブ受け3はウェブ受け爪
15a、15bと共に巻取りウェブ17を保持しつつ、
運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置1)と同じく矢示1
9方向に移動(パレット16の中央側へ前進)するの
で、巻取りウェブ17は矢示22のようにパレット16
の中央側へ運搬される。ついで、ウェブ受け爪15a、
15bを、巻取りウェブ17を下から支えている位置
(図2(a)、(b))から、ウェブ受け3の側面側に
回動させ、巻取りウェブ17をパレット16の端縁から
離れた中央部側に下ろす(図2(c))。
【0021】前記のようにして運搬することによって、
図1において支持腕8a、支持杆8bによって構成され
ていた運搬台車2の前後方向長さは、図2(c)のよう
に支持腕8aの前後方向長さのみによって構成されるよ
うになり、しかも、巻取りウェブ17の位置は、図2
(a)の位置から図2(b)の位置へと前進するわけで
あるが、本発明においては、前述したように、支持腕8
aの前端側上面にその後端側が固定されている支持部材
9の前端側に位置する移動手段10がパレット16の上
面に当接しつつパレット16上を移動するので図2
(b)、これによって、巻取りウェブ17の重量を支
え、運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置1)全体のバラ
ンスを保つことができる。
【0022】次に図5を用いて、支持部材9、補助支持
部材13の動作、役割を詳述する。補助支持部材13の
後端側は、支持部材9の先端側に回動自在に取り付けら
れているので、図1、図2(a)図示の状態から、運搬
台車2(巻取りウェブ運搬装置1)が矢示19の方向に
前進すると、パレット16の側壁上端縁に押され、その
後端側を支点として矢示21方向に回動し、図2(b)
図示のように支持部材9と並行な状態になる。一方、こ
の補助支持部材13の後端側には、後端側が支持部材9
に固定されている弾性部材(例えば、バネ)28の先端
が取り付けられているので、運搬台車2(巻取りウェブ
運搬装置1)が矢示19と反対方向に後進し、パレット
16から離れ始めると、当該弾性部材(例えば、バネ)
28の引っ張り力によって、その後端側を支点として矢
示26方向に回動し、図2(a)図示の状態に戻って、
その車輪14を、前車輪7と同じ高さにて、床(あるい
は地面)に当接させる。
【0023】通常、運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置
1)が矢示19と反対方向に後進し、図2(c)図示の
状態から図2(a)図示の状態に戻った時には、前車輪
支持杆8bは、支持腕8a内から抜き出されて矢示27
(図5)のように図1、図2(a)の状態に復帰する
が、この際に、図6図示のように、前車輪支持杆8bを
支持腕8a内に止めておくこともできる。このようにし
て運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置1)が、更に、矢
示19と反対方向に後進して、支持部材9先端の移動手
段10がパレット16上面から離れた時であっても、図
6図示のように、運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置
1)の最も先端側にあたる支持部材9の前端側は、前端
側の車輪14を前車輪7と同じ高さにて床(あるいは地
面)に当接させている補助支持部材13によって支えら
れているので、運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置1)
はバランスを保つことができる。したがって、常に前車
輪支持杆8bを支持腕8a内に挿入しておき、図6図示
の状態にしておく方が、運搬する巻取りウェブの重量が
比較的軽い場合には、効果的である。
【0024】すなわち、運搬する巻取りウェブの重量が
比較的軽い場合には、運搬台車2の前後方向長さを最初
から支持腕8a程度の短い長さに固定しておき、当該支
持腕8aの前端上面にこの実施例で説明している補助支
持部材13付の支持部材9を取り付ける構成とすること
もできる。
【0025】支持部材9の前端側に取り付けられている
移動手段10は、前述したように、支持部材9の前端側
に回動自在に取り付けられている前後方向の車輪11
a、11bを無端ベルト12で連結したものである(図
5)。このように二つの車輪を用い、これを無端ベルト
で連結する構成としたのは、パレット16の上面に凹凸
が存在するため、移動できなくなることを防止するため
である。
【0026】なおこの移動手段10は、運搬台車2(巻
取りウェブ運搬装置1)がパレット16方向に前進して
図2(a)(b)図示の状態になった時に、ウェブ受け
爪15a、15bで支えている巻取りウェブ17の重量
によって運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置1)のバラ
ンスが崩れることのないように、支持支点としての役割
を果たすと共に、運搬台車2(巻取りウェブ運搬装置
1)の前後方向移動に応じてスムーズにパレット16上
を移動できればよいので、1個の車輪あるいは2個の車
輪のみで構成する、あるいは、パレット16上を滑動で
きる平滑面に構成するなど、種々の構成によって移動手
段10を構成することができる。ただし、前記の役割を
果たすため、少なくとも支持部材9の高さは、その底面
が床(あるいは地面)からパレット16の上面までの高
さに対応する位置になるように構成する必要がある。
【0027】なお、この実施例においては、前車輪支持
杆8bを支持腕8a内に挿脱自在にするために流体圧シ
リンダー23を用いたが、本発明は、このような構成に
限定されるものではない。運搬台車2のパレット16側
に向かう前端側(前車輪7)が、パレット16側に向か
う方向及びパレット16側から離れる方向(すなわち、
前後方向)に伸縮自在とすることができるならば、流体
圧シリンダーなどのシリンダー機構に限らず、バネなど
の弾性部材や、ラックとピニオンを組み合わせての機械
的な構成など、種々の構成を採用することができる。
【0028】また、この実施例においては、巻取りウェ
ブ受け3が、運搬台車2上に、昇降可能かつ旋回可能で
あって、更に、水平状態と垂直状態との間で傾動自在
に、設置されている構成を説明したが、本発明はこのよ
うな構成に限定されるものではない。運搬台車上に巻取
りウェブ受け(ロール受け)が設置されている、巻取り
ウェブ等のロール物、原反を運搬するための運搬装置で
あって、運搬台車のパレット側に向かう前端側(前車
輪)が、パレット側に向かう方向及びパレット側から離
れる方向(すなわち、前後方向)に伸縮自在に構成され
ている運搬装置は、すべて本願発明の技術的思想の範囲
に含まれる。
【0029】
【実施例2】次に図7、8、9を用いて、本発明の他の
好ましい実施例を説明する。図7に図示した巻取りウェ
ブの運搬装置28は、前記実施例1で説明した巻取りウ
ェブの運搬装置1において、巻取りウェブ17の巻取り
ウェブ受け3側の下端面とパレット16上面との間にウ
ェブ受け爪38a、38bを容易に挿脱することができ
るようにしたものである。
【0030】すなわち、この実施例においては、受け部
材18がその下端側において軸34を介して巻取りウェ
ブ受け3に回動自在に取り付けられており、更に、巻取
りウェブ受け3と受け部材18との間には流体圧シリン
ダー(例えば、油圧シリンダー)29が備えられ、流体
圧シリンダー29の先端側はピン30、リンク杆32、
ピン33を介して受け部材18の上端側と連結されてい
る。
【0031】図7(a)図示のように巻取りウェブの運
搬装置28における巻取りウェブ受け3の受け部材18
をパレット16上の巻取りウェブ17の周面に当接させ
た後、流体圧シリンダー29を作動させてそのロッドを
矢示36方向へ上昇させれば、受け部材18は、軸34
を中心(支点)として矢示37方向へ回動する(傾
く)。これによって、巻取りウェブ17もその右側の下
端を支点(中心)として矢示37方向へ回動する(傾
く)ので、巻取りウェブ17のウェブ受け3側の下端面
とパレット16上面との間に空間35が形成される。そ
こで、この空間35内へのウェブ受け爪38a、38b
の挿脱を簡単に行うことができる(パレット16上に搭
載されていた巻取りウェブ17を持ち上げて他の場所へ
運搬していく場合には、ウェブ受け爪38a、38bを
挿入し、他の場所から運搬してきた巻取りウェブ17を
パレット16上に下ろす場合には、ウェブ受け爪38
a、38bを抜き取る。)。
【0032】なお、本発明においては、ウェブ受け爪3
8a、38bは、図8に示すように配置されている。従
来の巻取りウェブの運搬装置におけるウェブ受け爪15
a、15bは、図9に示すように、回転レバー25を操
作することによって、ウェブ受け3の側面方向に突出し
ている状態と、巻取りウェブ受け3の前面(運搬すべき
巻取りウェブ41bに向かう方向)方向に突出している
状態との間で回動されていた。しかしこれでは、矢示4
0、40のように回転された際に、ウェブ受け爪15
a、15bが、運搬対象たる巻取りウェブ41bの両隣
に位置しているウェブ41a、41bの下端側に衝突し
てしまうことがあり、これを防止するために、運搬対象
たる巻取りウェブ41bの両隣に位置しているウェブ4
1a、41bをも、人力によって傾けねばならないとい
う不都合があった。
【0033】しかし、図8(a)に示したように、本発
明においては、ウェブ受け爪38a、38bが、巻取り
ウェブ受け3の下側で、巻取りウェブ受け3の側面側に
位置する端部を中心として、回転レバー25により、回
動自在とされている。この結果、図7(b)図示のよう
にして巻取りウェブ17を傾けた後、ウェブ受け爪38
a、38bを矢示39、39のように回転させて(図8
(a))、巻取りウェブ17のウェブ受け3側の下端面
とパレット16上面との間に形成された空間35内に、
挿入することができる。これによって、運搬対象たる巻
取りウェブの両隣に位置しているウェブをも、傾けねば
ならないという不都合を防止し、労力の削減、効率化を
図ることができる。
【0034】この実施例の巻取りウェブの運搬装置28
の前記で説明した構成以外の構成、作用・効果は、実施
例1で説明した巻取りウェブの運搬装置1の構成、作用
・効果と同一であるので、説明を省略する。
【0035】なお、この実施例で説明した受け部材18
を傾動させる構成、ウェブ受け爪38a、38bの構成
は、実施例1で説明した本発明の巻取りウェブの運搬装
置1以外の、従来の巻取りウェブの運搬装置にも採用す
ることが可能であり、その場合にも、前述したのと同様
の作用・効果を発揮することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、巻取りウェブの運搬装
置(運搬台車)をパレットに近付ける際に、運搬台車の
パレット側に向かう前端側を縮めることができ、またこ
の縮めている時に、運搬台車の最前端側となる支持部材
の前端側移動手段をパレット上面に当接させて移動さ
せ、重量を支持する役割を果たさせるので、パレットよ
り横幅の大きい運搬台車を用いることなしに、また運搬
台車の前車輪挿入用の開口を有する特殊なパレットを用
いることなしに、巻取りウェブの運搬装置(運搬台車)
のバランスを保ちながら、巻取りウェブ受けの位置をパ
レットの(側壁端縁から中央側に入り込んだ)中央側ま
で移動させることができ、これによって、容易に、パレ
ット中央側に巻取りウェブを運搬したり、パレット中央
側に配置されている巻取りウェブを持ち上げて他の場所
に運搬することができる。
【0037】また、補助支持部材13を採用することに
よって、運搬する巻取りウェブの重量が比較的軽い場合
には、前車輪支持杆8bを支持腕8a内に挿入した状
態、あるいは運搬台車2の前後方向長さを支持腕8aの
長さのみに固定されている状態においても、当該補助支
持部材13の働きによって巻取りウェブ運搬装置1(運
搬台車2)のバランスを保つことができる。
【0038】更に、パレット16上に置かれている巻取
りウェブ17を持ち上げたり、巻取りウェブ17をパレ
ット16上に下ろす際に、人力によらないで、巻取りウ
ェブを傾けて、巻取りウェブの巻取りウェブ受け側の下
端面とパレット上面との間にスペースを設けることがで
きるので、危険を少なくし、労力を削減できると共に、
巻取りウェブ下面とパレット16上面との間へのウェブ
受け爪の挿脱を効率よく、簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の好ましい実施例の側面図。
【図2】 (a)は、運搬台車の前端がパレット側面に
当接した状態を説明する一部を省略した側面図、(b)
は、運搬台車が(a)の状態から更にパレット方向に前
進した状態を説明する一部を省略した側面図、(c)
は、巻取りウェブをパレット上に下ろした状態を説明す
る一部を省略した側面図。
【図3】 運搬台車の前端とパレットとの位置関係を説
明する一部を省略した平面図であって、(a)は運搬台
車の前端がパレット側面に当接した状態を表す一部を省
略した平面図、(b)は、運搬台車が(a)の状態から
更にパレット方向に前進した状態を表す一部を省略した
平面図。
【図4】 運搬台車の前端の動きを説明する一部を省略
した側面図。
【図5】 補助支持部材の動きを説明する一部を省略し
た側面図。
【図6】 運搬台車の前端を縮めたまま、運搬台車の前
端がパレット側面から離れた状態を説明する一部を省略
した側面図。
【図7】 この発明の他の好ましい実施例を説明する図
であって、(a)は、巻取りウェブ受け面が巻取りウェ
ブ周面に当接した状態を説明する一部を省略した側面
図、(b)は、巻取りウェブ受け面を傾けた状態を説明
する一部を省略した側面図。
【図8】 この発明の他の好ましい実施例のウェブ受け
爪の動きを説明する図であって、(a)は、受け爪が巻
取りウェブ受けの下側に配置されている状態を表す一部
を省略した平面図、(b)は、受け爪が巻取りウェブ受
け面から突出している状態を表す一部を省略した平面
図。
【図9】 従来のウェブ受け爪の動きを説明する図であ
って、(a)は、受け爪が巻取りウェブ受け側面に突出
している状態を表す一部を省略した平面図、(b)は、
受け爪が巻取りウェブ受け面から突出している状態を表
す一部を省略した平面図。
【図10】 従来の巻き取りウェブの運搬装置を説明す
る斜視図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻取りウェブの周面に対向される巻取り
    ウェブ受けが運搬台車上に設置されている巻取りウェブ
    の運搬装置であって、運搬台車の前端側が前後方向に伸
    縮自在に構成されていることを特徴とする巻取りウェブ
    の運搬装置。
  2. 【請求項2】 巻取りウェブの周面に対向される巻取り
    ウェブ受けが運搬台車上に設置されている巻き取りウェ
    ブの運搬装置であって、運搬台車の前端側は、前後方向
    に伸縮自在に構成されていると共に、前端側に移動手段
    を有する支持部材の後端側が、前記運搬台車の前端側上
    面に固定されていることを特徴とする巻取りウェブの運
    搬装置。
  3. 【請求項3】 支持部材の前端側には前端側に車輪が回
    動自在に取り付けられている補助支持部材の後端側が回
    動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項2
    記載の巻取りウェブの運搬装置。
  4. 【請求項4】 運搬台車上に巻取りウェブの周面に対向
    される巻取りウェブ受けが設置されている巻取りウェブ
    の運搬装置であって、該巻取りウェブ受けは該巻取りウ
    ェブ受け下端側を支点として、前方へ傾動自在に構成さ
    れていることを特徴とする巻取りウェブの運搬装置。
  5. 【請求項5】 巻取りウェブ受けの巻取りウェブ受け爪
    は、前記巻取りウェブ受けの側面側に位置する一端部を
    支点として、前記巻取りウェブ受けの中央側に位置する
    他端部を、巻取りウェブ受けの前方側に回動させて突出
    させるように構成されていることを特徴とする請求項4
    記載の巻取りウェブの運搬装置。
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