JPH0739183A - インバータの周波数制御方法及びその装置 - Google Patents

インバータの周波数制御方法及びその装置

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JPH0739183A
JPH0739183A JP5178832A JP17883293A JPH0739183A JP H0739183 A JPH0739183 A JP H0739183A JP 5178832 A JP5178832 A JP 5178832A JP 17883293 A JP17883293 A JP 17883293A JP H0739183 A JPH0739183 A JP H0739183A
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洋 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電動機の過電流・過電圧保護を周波数制御によ
り行い、トリップに強いインバータを得る。 【構成】制限値と検出値の差、その変化を入力としてフ
ァジィ制御部の出力から加減速率を作成する。加速時は
電流を制限値の近傍とする加速率を自動作成する制御部
と、設定された加速率を調整する通常加速部を設ける。
減速時は電流と電圧を制限値の近傍とする減速率を自動
作成する制御部と、設定された減速率を調整する通常減
速部を設ける。定常時は電流が制限値の近傍となるよう
加減速率を自動決定する制御部を設ける。また自動と通
常の2つの制御部を使用者により選択可能とする。 【効果】電流や電圧変化を考慮した保護でトリップに強
い。また加減速率を設定なしで加減速運転することがで
き、加減速率の調整が不要である。また使用者により自
由に自動と通常の加減速運転ができ、各種用途に対応可
能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動機を可変速制御する
インバータに係り、特に加減速時において過電流や過電
圧を抑制するインバータの制御方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電
圧に変換するインバータにより電動機を可変速運転する
場合、加減速運転時では負荷の大きさや負荷の慣性に対
して、設定した加減速時間が短すぎると、インバータに
過大な電流が流れたり、また特に減速時では負荷側の慣
性エネルギーが直流電圧側に回生されて電圧が上昇し、
過電圧になることがある。これを避けるため、従来より
インバータが適用される駆動装置毎に、実運転前にまず
加速時間や減速時間を調整することが行われる。また一
方、周波数が一定の定常運転時では、緩やかにしろ急激
にしろ負荷の大きさが増大して過負荷となると過電流が
発生する。
【0003】加減速時間の設定ミスや負荷変化で生じる
過電流や過電圧からインバータを保護するのに、電流や
電圧が第1の制限値を超えたらインバータを停止する方
法が1つある。これに加えてインバータを停止しないで
運転を継続させる方法として、次に述べるような方法が
従来より行われている。
【0004】すなわち、加速運転時では電流が前記の第
1電流制限値より下位の第2の電流制限値を超えている
間、周波数の上昇を停止させる。また減速運転時では電
流がある第2の電流制限値を超えている間もしくは電圧
が前記の第1の電圧制限値より下位の第2の電圧制限値
を超えている間、周波数の減少を停止させる。更に定常
運転時での過負荷保護として電流が第1より下位の第2
の電流制限値を超えている間、あらかじめ実運転前に調
整されて設定された減速率で周波数を低下させる。この
種の運転継続のための保護方式を行っている制御装置の
製品例として、既に汎用インバータがある。
【0005】一方、他の保護方式として特開平3−26548
0 号に記載のものがある。これは、急な加減速によるモ
ータの破壊防止を目的としたもので、加速中または減速
中と判断されたときのモータ電流が所定のモータ電流許
容値となるように指令加速度を修正するもので、その修
正の方法としてモータ電流値とモータ許容電流値の差ま
たは比を用いる点が示されている。
【0006】更に、他の保護方式として特開昭57−1356
99号記載のものがある。これは、交流電動機駆動用のイ
ンバータの制御装置として、負荷電流が所定値以上のと
き電動機の力行運転では加速度を下げ、回生運転では減
速度を下げることが示されている。
【0007】また、特開昭61−207179号及び特開昭61−
207180号には、交流−直流変換器によってインバータの
入力直流電圧を制御するパルス振幅変調方式インバータ
の制御方法として、直流電圧と電圧指令値を比較して減
速時間を制御したり、過電流を検出して減速時間制御す
ることが示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例では、イン
バータを停止させないための、加減速運転時における最
適な加減速時間(または加減速率)や、定常運転での過
負荷保護中の減速率の設定のための調整に多大な時間を
要し、面倒という問題がある。また、運転を継続するた
めの過電流や過電圧保護の方法自体も、第2の電流制限
値や第2の電圧制限値を、それぞれ電流や電圧が超えて
から行う方法であるため、電流や電圧の変化が急激な場
合は、電流やら電圧が第1の制限値まで達してインバー
タが停止してしまう問題があった。
【0009】本発明の第1の目的は、面倒な加減速時間
の調整設定作業を不要にして、電流や電圧が第1の制限
値を超えてインバータを停止させることなく、加減速運
転が可能な加減速率を自動作成する方法もしくは装置を
提供することである。
【0010】本発明の第2の目的は、加減速時間を設定
する場合でも調整ミスのために生じる急激な電流や電圧
の変化が発生しても、インバータを停止させないため
に、その時点にて設定されている加減速率を自動的に修
正する方法もしくは装置の提供である。
【0011】本発明の第3の目的は、過負荷保護として
負荷の急激な増大があっても、面倒な減速率の設定を不
要にして、かつインバータを停止することなく、自動的
に減速率を決定して減速保護する方法もしくは装置の提
供である。
【0012】更に本発明の第4の目的は、上記第1の目
的に沿う加減速率の自動作成運転と上記第2の目的に沿
う加減速時間の設定による加減速運転とのいずれか一方
を任意に選択できる装置、もしくは上記第3の目的に沿
った減速率の自動作成による過負荷保護と従来の減速率
を設定する過負荷保護のいずれか一方の過負荷保護を任
意に選択可能な装置の提供である。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) 上記複数の目的
を達成するために、本発明では電流もしくは電圧に関す
る制限値と検出値との差及び、その差の変化量の2つの
量を入力として加減速率作成量もしくは設定加減速率に
対する修正量を出力とするファジィ制御部を設けて、イ
ンバータの周波数制御をすることを基本としている。
【0014】(2) 第1の目的は、加速運転時では電
流制限値と電流検出値の差及びその変化量を入力とした
ファジィ制御部の出力で、電流が電流制限値の近傍とな
るように加速率を作成することにより、また減速運転時
には電流制限値と電流検出値の差及びその変化量を入力
とした第1のファジィ制御部の出力と、電圧制限値と電
圧検出値の差及びその変化量を入力とした第2のファジ
ィ制御部の出力との組合せで、電圧が電圧制限値以下で
かつ電流が電流制限値の近傍となるように減速率を作成
することにより達成される。
【0015】(3) 第2の目的は、設定された加速率
にて加速中に電流が電流制限値の近くにまで上昇しよう
とすると、電流制限値と電流検出値の差とその変化量を
入力としたファジィ制御部の出力によって設定加減速率
に対する修正を行い、電流が電流制限値の近傍以下とな
るようにすることにより、また一方設定された減速率で
減速中に電圧が電圧制限値を超えようとしたら、電圧制
限値と電圧検出値との差及びその変化量を入力としたフ
ァジィ制御部の出力と電圧が電圧制限値の近傍以下とな
るように設定減速率の修正を行うとともに、電流が電流
制限値の近くにまで上昇しようとすると、電流制限値と
電流検出値の差とその変化量を入力としたファジィ制御
部の出力によって設定減速率に対する修正を行うことに
よって達成される。
【0016】(4) 第3の目的は、定常運転状態で電
流が増大して電流制限値を超えようとすると、電流制限
値と電流との差及びその変化量を入力としたファジィ制
御部の出力によって、電流が電流制限値の近傍となるよ
うに加減速率を作成して減速もしくは加速を行うことに
より達成される。
【0017】(5) 更に第4の目的は、上記第1の目
的達成のための加減速手段と上記第2の目的達成のため
の加減速手段、及び加減速モード設定手段を設け、使用
者の加減速モード設定手段への入力設定モードに応じ
て、上記2つの加減速手段を選びだす加減速法選択手段
を設けることにより達成できる。同様に上記第3の目的
達成のための過負荷保護手段と従来の減速率を設定する
過負荷保護手段、及び過負荷保護モード設定手段を設
け、使用者の過負荷保護モード設定手段への入力設定モ
ードに応じて、上記2つの過負荷保護手段のいずれか一
方を選びだす過負荷保護法選択手段を設けることにより
達成できる。
【0018】
【作用】本発明におけるファジィ制御部は、電流もしく
は電圧の制限値までの距離とそこまでの近づき速度に応
じて、電流もしくは電圧がそれらの制限値近傍もしくは
制限値近傍以下になるようにと周波数の増加量や減少量
を決定していく。この結果、電流なり電圧の微分量の情
報も含めて周波数を決定することから、予測的に周波数
の制御が可能となり、インバータ停止の第1の制限値に
達する前に第2の制限値近傍もしくはそれ以下に電流や
電圧を保つことができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る 《1.装置の全体ハード構成》 (1) 図2は本発明の一実施例のインバータ装置の全
体構成である。3相交流の電源1を受けてコンバータ2
と平滑コンデンサCにより直流電圧が作成され、その直
流電圧を受けて3相のPWM制御型のインバータ4よ
り、可変電圧可変周波数の3相交流電圧が作成され誘導
モータ5が駆動される。また減速運転時に発生する回生
エネルギにより直流電圧が過大な電圧となるのを防ぐた
め、そのエネルギを消費させるブレーキ3が設けてあ
る。
【0020】(2) 制御部9は、本インバータ装置の
制御の基本部であり、主にマイクロコンピュータやDS
Pなどのソフトウェアによって実現される。その制御部
9の周辺には電圧検出部7,モータ電流検出部8,ドラ
イブ回路6そしてオペレータ10が接続される。
【0021】ここに、電圧検出部7はインバータ4の入
力である直流電圧を検出して制御部9内の電圧演算部9
6に伝え、この電圧演算部96により直流電圧に比例し
た電圧検出値EDが得られる。
【0022】また、誘導モータ5の巻線に流れるモータ
電流情報は、モータ電流検出部8を介して制御部9内の
電流演算部96に伝えられ、この電流演算部96にてモ
ータ電流の大きさに比例した電流検出値IMが作成され
る。
【0023】更にオペレータ10は、このインバータ装
置への入出力装置であり、各種パラメータやモードの設
定やインバータ装置内の情報の表示が行われる。このオ
ペレータ10への操作データは制御部9内のインタフェ
ース部91を介してパラメータ・モード設定部に伝えら
れる。
【0024】一方、ドライブ回路6は制御部9内のPW
M信号発生部95からの信号に従って、インバータ4を
構成するスイッチイング素子を駆動する。
【0025】(3) 制御部9内の加減速制御部93
は、本発明の基本をなす部分であり、前記の電圧検出値
EDや電流検出値IM、及びパラメータ・モード設定部
92からの各種の設定データやモードデータを入力とし
て、指令周波数f1を出力する。この指令周波数f1を
受けて、電圧・周波数制御部94にて実際のインバータ
4の出力電圧が所望の電圧と周波数となるようにPWM
制御のための時間データが作成されて、前述のPWM信
号発生部95にて、PWM信号が形成される。
【0026】また保護処理部98にて電流検出値IMや
電圧検出値EDが、第1の制限値を超えたらインバータ
4の運転を停止したり、電圧検出値が第3の制限値を超
えたらブレーキ3を動作させる処理を実行する。
【0027】《2.加減速制御部の内容》 <2.1 加減速制御部の構成> (1) 次に本発明の基本となる加減速制御部93の制
御構成について、図1を用いて説明する。図1ではソフ
トウェアでの実現内容をハードウェアのイメージで表現
している。
【0028】この加減速制御部93は、大きく分けて加
速制御部931,減速制御部932,定常制御部933
の3つの制御部からなる。この3種の制御部の実行を切
り替えるのがスイッチSW3と、このスイッチ位置を決
定する加減速判断部934であり、パラメータ・モード
設定部92からの設定周波数frと、加減速制御部93
の出力となる指令周波数f1との大小関係、及び後述の
過負荷判断部935の過負荷判断結果から決定する。
【0029】(2) 加速制御部931には、ファジィ
保護付き通常加速部931aとファジィ自動加速部93
1bがある。また減速制御部932には、ファジィ保護
付き通常減速部932aとファジィ自動減速部932b
がある。更に定常制御部933には正常定速運転部93
31と過負荷運転部9332があり、この2つの運転モ
ード9331と9332はスイッチSW4で切り替えら
れる。このスイッチSW4の動作を決定するのが電流制
限値と電流検出値IMを入力とした過負荷判断部935
である。上記の過負荷運転部9332には減速率設定過
負荷制御部9332aとファジィ自動過負荷制御部9332
bがある。
【0030】(3) 以上の2つからなる3種の組合
せ、すなわち931aと931b,931aと932
b、及び9332aと9332bは、前2つがスイッチ
SW1により、また後者がSW2の動作により切り替え
られる構成としている。そして、この2つのスイッチS
W1とSW2の動作は、オペレータ10への操作者から
のモード入力に従い、インタフェース部91及びパラメ
ータ・モード設定部92を介して決定される。すなわち
操作者により上記の3種の組合せのそれぞれで、2つの
なかのどちらか一方が選択される。
【0031】(4) 図1の中でそれぞれの制御部の入
力として表わされている設定加速率Δfa*,設定減速
率Δfd*,過負荷時設定減速率Δfdo*は、前述の
設定周波数frと同様に、オペレータ10を通しての操
作者の設定に従って、パラメータ・モード設定部92か
ら得られるデータである。また加速時電流制限値Ilim
A,減速時電流制限値IlimD,電圧制限値Vlim も同
様に設定されるものとしている。一方電流検出値IMや
電圧検出値EDは先に述べたように、それぞれ電流演算
部96と電圧演算部97からの入力データである。
【0032】<2.2 加速制御部931の動作概要> (1) 加速制御部931は指令周波数f1より設定周
波数frが大きいとき(過負荷制御実行中はこの限りで
ない)に、SW3により選択されて実行される。そして
電流検出値IMが電流制限値IlimA の近傍以上となら
ないように加速率を決定して加速する。
【0033】ここで、一方のファジィ保護付き通常加速
931aでは設定加速率Δfa*で加速中に、電流検出
値IMが電流制限値IlimA を超えそうなときにその近
傍以下となるように設定加速率Δfa*に修正を加え
る。他方のファジィ自動加速931bでは、電流検出値
IMが電流制限値IlimA の近傍となるように加速率を
自動的に作成する。
【0034】<2.3 減速制御部932の動作概要> (1) 減速制御部932は指令周波数f1より設定周
波数frが小さいときにSW3により選択されて実行さ
れる。そして電流検出値IMが電流制限値の近傍以上と
ならないように、またかつ電圧検出値EDが電圧制限値
Vlim の近傍を超えないように減速率を決定して減速す
る。
【0035】(2) ここで、一方のファジィ保護付き
通常減速932aでは設定減速率Δfd*で減速中に、
電流検出値IMが電流制限値IlimDを超えそうなとき
に、その近傍以下となるように、もしくは電圧検出値E
Dが電圧制限値Vlim を超えそうなときに、その近傍以
下となるように設定減速率Δfd*に修正を加える。他
方のファジィ自動加減速では、電圧検出値EDが電圧制
限値Vlim の近傍以下の場合は電流検出値IMが電流制
限値IlimD の近傍となるように、また電圧検出値ED
が電圧制限値を超えそうな場合は、これを超えないよう
に、もしくは電圧検出値EDが電圧制限値Vlim の近傍
となるように減速率を自動的に作成する。
【0036】<2.4 過負荷運転部9332の動作概
要> (1) 定常制御部933は、設定周波数frと指令周
波数f1が等しいとき、または異なっていても、過負荷
判断部935で過負荷状態と判断されたときにスイッチ
SW3により選定される。更に、この定常制御部933
のなかで、過負荷状態では過負荷運転制御部9332が
スイッチSW4で選択され実行される。
【0037】(2) ここで一方の減速率設定過負荷制
御9332aでは過負荷状態と判断されている間、過負
荷時設定減速率Δfo*で減速する。他方のファジィ自
動過負荷制御9332bでは、電流制限値IMが過負荷
電流制限値IlimO の近傍となるように減速率及び加速
率を自動的に作成して加減速運転する。
【0038】<2.5 加減速制御部の各制御部切り替
え動作>以上述べたように、加減速制御部931は複数
の制御部から構成されており、いくつかの制御部のなか
から、使用者の設定なり、またその時点時点での電流検
出値や電圧検出値によって1つの制御部が選ばれて実行
される。この制御部の実行条件を図3に示した状態遷移
図を用いて説明する。
【0039】図3に示した状態遷移図中の記号は、図1
に示した制御部によって実現される状態を、その制御部
を表す記号の末尾にSを、またモードの場合はMをつけ
て表現している。
【0040】〔定速モードからの遷移〕 (1) 今、定速モード933Mにあるとする。このモ
ードで設定周波数frが指令周波数f1より小さく設定
されれば、正常状態か過負荷状態かにかかわらず、減速
モード932Mに移行する。またこの定速モードの中で
も特に指令周波数f1が設定周波数frに等しい正常状
態9331Sにあるとすると、設定周波数frが指令周
波数f1より大きく設定されれば加速モード931Mに
移行する。また正常状態9331Sにあって電流検出値
IMが過負荷電流制限値IlimO の近傍を超えそうなら
同じ定速モード中の過負荷状態9332Sに移行する。
【0041】(2) 次に過負荷状態9332Sであっ
て、減速率設定過負荷制御部9332aが選択されていて、
それによって実現されている状態9332aS(過負荷
減速状態)にあるとする。ここで電流検出値IMが過負
荷電流制限値IlimO の近傍以下となって、設定周波数
frが指令周波数f1より大なら加速モード931Mに
移行し、2つが等しければ再度正常状態9331Sに戻
る。
【0042】一方、同じく過負荷状態9332Sであっ
てファジィ過負荷制御部9332bが選定されていて、
その状態9332bS(過負荷加減速状態)にあるとす
る。この場合の状態遷移は、過負荷加速状態の条件で、
正常状態9331Sからこの状態への移行時点に記憶し
ていた過負荷制御開始時指令周波数f1o0と、設定周波
数fr、及び指令周波数f1との3種の周波数が関連し
て加速モードへ移行か、正常状態に戻るかを決める。す
なわち、正常状態への復帰条件は、過負荷加速中であっ
て、増加中の指令周波数が過負荷時開始時指令周波数f
1o0と設定周波数のどちらか小さい方の周波数と等しく
なることである。また一方加速モードへの移行条件は、
同じく過負荷加速中において、過負荷制御開始時指令周
波数f1o0より設定周波数frが高くなることである。
【0043】(3) 以上のファジィ過負荷制御状態9
332bSからの遷移の様子を、指令周波数frの時間
変化として図4に示す。同図の(a),(b)及び
(c)の各図において、t=t0の時点で正常状態93
31Sからファジィ過負荷制御状態9332bSに移行
して、過負荷減速状態となり電流検出値IMが過負荷電
流制限値IlimO の近傍となるように指令周波数を徐々
に下げる。そして負荷が低下して電流検出値IMが減少
方向となると、t=t1の時点で過負荷加速の状態に移
り、電流検出値IMが電流制限値IlimO の近傍となる
ように、今度は指令周波数f1を徐々に高めていく。
【0044】ここでt=t2の時点で、過負荷制御開始
時指令周波数f1o0と設定周波数frとの大小関係で
(a)から(c)の3種類に分かれる。すなわち(a)
では、設定周波数frがこの過負荷制御中に変化しない
で過負荷制御開始時指令周波数f1o0と等しいままであ
り、これら等しい2つの周波数に指令周波数も等しくな
ると正常状態9331Sに復帰する。また(b)では、
設定周波数frが過負荷制御開始周波数f1o0より小さ
く下げられて変更となった場合で、この設定周波数fr
に指令周波数f1が等しくなると、正常状態9331S
に復帰する。
【0045】次に(c)の場合では、設定周波数frが
変化して過負荷制御開始時指令周波数f1o0より大きく
なった場合である。この時は、設定周波数frが変更に
なったことを検知した時点で加速モード931Mに移行
する。
【0046】〔加速モードからの遷移〕次に今、加速モ
ード931Mであって、ファジィ保護付き通常加速制御
931aもしくはファジィ自動加速制御931bのいずれ
かにより実現されている加速状態931aSもしくは9
31bSにあるとする。この加速状態では指令周波数f
1が設定周波数frに等しくなると定速モードに移行す
る。また一方、設定周波数frが指令周波数f1より小
さくなると減速モード932Mに移行する。
【0047】〔減速モードからの遷移〕次に、今減速モ
ード932Mであって、ファジィ保護付き通常減速制御
932aもしくはファジィ自動減速制御932bのいずれ
かにより実現されている減速状態932aSもしくは9
32bSにあるとする。この減速状態では指令周波数f
1が設定周波数frに等しくなると定速モードに移行す
る。また一方、設定周波数frが指令周波数f1より大
きくなると加速モード931Mに移行する。
【0048】<2.6 第1と第2の電流制限値及び第
1〜第3までの電圧制限値のレベル関係>ここで、図1
内に示した各種の制限値、すなわち加速時電流制限値I
limA,減速時電流制限値IlimD,過負荷電流制限値I
lim0,電圧制限値Vlim はいずれもインバータを停止
することなく運転を継続するための制限値であり、第2
の制限値としている。そして、これら制限値のほかに、
先に保護処理部98の項で述べたように、それを超えれ
ばインバータ運転を停止するところの第1の電流制限値
や電圧制限値、またそれ以上ではブレーキ3を動作させ
るところの第3の電圧制限値がある。これらの制限値の
値を具体的に示し、それらの大小関係について図4によ
り説明する。
【0049】図5(a)は電流の制限値について示してい
る。インバータの定格電流を100%と表し、本実施例
では第1の電流制限値を200%、第2の電流制限値
を、それより下位にある40%から150%の間で設定
できるものとしている。また、図5(b)は電圧制限値
について示している。本実施例では400Vを第1の電
圧制限値とし、350Vを第3の電圧制限値とし、また
第2の電圧制限値を前2つの制限値の間の値として38
0Vを選んでいる。
【0050】《4.ファジィ制御を用いた5種の制御部
全体の共通事項についての説明》本発明では、ファジィ
付き通常加速制御部931a,ファジィ自動加速制御部
931b,ファジィ保護付き通常減速932a,ファジィ
自動減速制御部932b及びファジィ自動過負荷制御部
9332bの5つのそれぞれにファジィ制御を適用して
いる。次に、これらの制御部の中で用いているファジィ
制御部FZYBについての共通事項を図6から図9を用
いて説明する。
【0051】<4.1 ファジィ制御部の内容> 〔ファジィ制御部の構成とその周辺〕図6はファジィ制
御部FZYBの構成とその入力側を示している。このフ
ァジィ制御部FZYBへの入力は距離FDと速度FSで
あり、またその出力は加減速率など指令周波数f1に係
る量FOである。
【0052】入力の1つである距離FDとは、電圧もし
くは電流の検出値とそれらの制限値との偏差である。ま
た一方の速度FSは、距離FDについて複数のサンプリ
ング時点の値の差分を基本に、速度算出部FSPDにて
後述の方法で算出する。そして、この差分によって検出
値の制限値までの近づき速度を表現する。尚、この差分
とはアナログ回路で実現する連続制御系の場合の時間微
分に相当している。
【0053】ファジィ制御部FZYBの内部の構成は、
入力側に距離プリスケール部FPSDと速度プリスケール部
FPSS,出力側プリスケール部FPSOがあり、その
間に演算基本部FCORがある。2つのプリスケール部
FPSDとFPSSはそれぞれ距離や速度データを規格
化された0から15までの数字に換算して演算基本部F
CORに入力し、また出力ポストスケール部FPSOは
逆に演算出力結果の規格化された数字の0から15まで
の値を周波数に係る量に変換する。
【0054】演算基本部FCORでは、ファジィ演算と
して周知のMIN−MAX−重心演算を実行する演算処
理部FOPRと次の4つのテーブルからなる。すなわち
距離入力メンバシップ関数テーブルFDMT,速度入力
メンバシップ関数テーブルFSMT,ルールテーブルF
RUT,出力メンバシップ関数テーブルFOMTであ
る。
【0055】〔速度の算出法〕速度算出部FSPDで実
行される速度FSは、次の数1に基づいて算出する。
【0056】
【数1】 FSn={(FDn)−(FDn−2)+(FDn−1)−(FDn−3)} /(4Ts) 上式の意味を図7を用いて説明する。同図は時間に対す
る距離の変化を示している。同図に実線で示した実変化
曲線上には、上式で用いる距離データFDn,FDn−
1,FDn−2、及びFDn−3を○印で表している。
すなわち、サンプリング時間をTsとしてnTsから
(n−3)Tsまでの4つのサンプリング時点における距
離が、それぞれFDnからFDn−3までに対応する。
そして、同図中に破線で示した2つの直線のように、今
回サンプリング時点の距離FDnと前々回距離FDn−
2とを結ぶ2点平均変化直線,同様に前回FDn−1と
前々々回FDn−3とを結ぶ2点平均変化直線の、2つ
の直線の傾きの平均値が今回の速度FSnとして、上式
から算出する。
【0057】〔テーブルの内容〕次に図8に示した例を
用いて、4つのテーブルの内容について説明する。
【0058】図8の中央部にルールテーブル、その上部
にPL,PS,ZE,NS,NLの記号で示した5つの
速度入力メンバシップ関数、左側に同じく5つの距離入
力メンバシップ関数、また下部に同じく5つの出力メン
バシップ関数を描いてある。そして距離入力,速度入
力,出力の3組のメンバシップ関数は、それぞれ対応す
るテーブル名でテーブル化されFDMT,FSMT,F
OMTとなるものとしている。ここで、ファジィ自動加
速部931bとファジィ自動減速部932b内部のファ
ジィ演算部の距離については、NLLを加えた6つの関
数としている。
【0059】〔ルール表現とメンバシップ関数〕図8に
示したルールテーブルでは、No.0からNo.24までの
25個の各ます目に、加減速制御部93で実行される5
種のファジィ演算ごとに異なった出力メンバシップ関数
5種(PL,PS,ZE,NS,NL)のいずれか1つ
が定義される。なお、ファジィ自動加速部931bとフ
ァジィ自動減速部932b内部のファジィ演算部のルー
ルは30個である。詳しくは、後述の各制御部にて説明
する。
【0060】一方メンバシップ関数は、0から3までの
4レベルとして表現する。
【0061】<4.2 ファジィ制御部の実行条件>図
9は5種のファジィ制御部の実行条件を、それぞれが所
属する制御部ごとに示している。
【0062】(1) ファジィ自動加速部,ファジィ自
動減速部は、及びファジィ自動過負荷制御部は、これら
の制御部が実行中は常にそれの構成要素であるファジィ
制御部FZYBも実行される。
【0063】(2) 残りのファジィ保護付き通常加速
部とファジィ保護付き通常減速部内の2つのファジィ制
御部FZYBでは、終了条件は所属制御部の終了と同一
である。しかし一方、これらの開始条件は距離が0以下
または0以下となりそうか、すなわち既に検出値が制限
値以上の時、またはkサンプリング後の検出値が制限値
以上となると予想される場合に、実行が開始される。
【0064】(3)このkサンプリング後の予測距離F
Dn+kは次の数2により算出する。
【0065】
【数2】FDn+k=(FSn)・(kTs)+(FDn) 図10は、図7に4点平均変化直線を書き加えた図であ
る。すなわち、数1から算出するnサンプリング時点で
の速度FSnの傾きで、kサンプリング後まで距離は変
化するとして、kTs後の距離を算出するのが数2であ
る。尚、同図ではk=2として、また検出値が制限値を
超えて予測距離が正となり実行条件が成立した場合を描
いている。
【0066】《5.各制御部の詳細》以下、ファジィ制
御を適用した5つの制御部であるファジィ保護付き通常
加速部931a,ファジィ自動加速部931b,ファジィ
保護付き通常減速部932a,ファジィ自動減速部93
2b、及びファジィ過負荷制御部9332bについてそ
れぞれ説明する。
【0067】<5.1 ファジィ保護付き通常加速> (制御構成)ファジィ付き通常加速部931aは、先に
図6で説明したファジィ制御部FZYB1aを中心にし
て、図11に示したように構成している。そのファジィ
制御部への入力は電流検出値IMと加速時電流制限値I
limA との距離FD1aと、先に図7で説明した方法に
て速度算出部FSPD1aで作成する速度FS1aであ
る。またこれらの値を同じく入力として、先に図9と図
10にて説明した実行条件の判断処理をファジィ実行判
定部931a2にて行う。ただし図11では、このファ
ジィ制御部FZYB1aの実行の表現を、次のようにし
て表している。
【0068】ファジィ制御部FZYB1aが実行されて
いない時は、想定指令周波数f1SUが実際の指令周波数f
1として選択される。このf1SUは、図11の右下方
に示したように、下記の数3に従って、設定加速率Δf
a*を積算器931a7によって積算して求める。そし
て一旦実行条件が成立すれば、ファジィ実行判定部93
1a2の出力に従ってスイッチSW1aが図11の如く
切り替わり、ファジィ制御部FZYB1aを通して作成
されるファジィ指令周波数f1Fが指令周波数f1とし
て選択される。
【0069】尚、以降i回サンプリングでの値を各記号
の末尾に(i)を付けて表す。
【0070】
【数3】積算器931a7出力: f1SU=Δfa*(n)+f1F(n−1) (指令周波数の式)ファジィ制御部FZYB1aの出力
FO1aは、設定加速率Δfa*と想定指令周波数f1
SUを用いて、掛算器931a3,2つの積算器931
a4と931a6、及び加算器931a5とにより、次
の数4から数6に従ってファジィ指令周波数f1Fまで
加工される。
【0071】
【数4】加算器931a5出力(ファジィ加速率): ΔfaF(n)=Δfa*−総和{(Δfa*)×FO1a
(i)}
【0072】
【数5】積算器931a6出力: f1FP=ΔfaF(n)+f1F(n−1)
【0073】
【数6】最小値選択器931a8出力(ファジィ指令周
波数): f1F(n)=min(f1SU(n),f1FP(n))=f1
(n) すなわち、ファジィ制御部出力FO1aは設定加速率Δ
fa*と掛け合わされて、サンプリングの都度前回の値
と加え合わされ、それを設定加速率から差し引くことに
よりファジィ加速率ΔfaFが作成される(数4)。次
にこのファジィ加速率を前回の指令周波数に積算して一
旦、前置ファジィ指令周波数f1FPを作成する(数
5)が、もしそのサンプリング時点で、前置ファジィ指
令周波数f1FPが仮想指令周波数f1SUより大きけ
れば仮想指令周波数を指令周波数f1とする(数6)。
【0074】(ルール)次にファジィ制御部FZYB1
a内部で使用される具体的ルールを図12に示す。同図
では、例えばルールNo.20では「距離がPLかつ速度
がPLの時は、出力はPL」を表している。この意味は
「電流検出値が制限値を大きく超えて、また電流が大き
く増加の場合は、加速率を大きく減少(下方向の広幅の
矢印の内容)」を意味する。
【0075】すなわち、このルールNo.20ではその周
辺の他のルールNo.15,16、及び21とも関連し
て、ファジィ出力FO1aは正で絶対値が大きい目の値
が選ばれることになる。この結果、数3の加算器931
a5の出力であるファジィ加速率ΔfaFは減少して加
速率は下がることになる。
【0076】(動作説明)次に図13を用いて電流検出
値と指令周波数の変化について説明する。図13におい
て、加速時電流制限値IlimAを中心とした(IlimA−
δ)と(IlimA+δ)の間が、距離に関するファジィ制
御の範囲として、ファジィ制御部内の距離プリスケール
部FPSSで0から15までの16段階に分けられると
している。
【0077】指令周波数f1Lで運転中に時刻toにて
加速モードに移行したとする。加速当初は設定加速率で
指令周波数は上昇し、これに伴い電流検出値も急激に増
加する。時刻t1にて電流の予測計算によってファジィ
制御部が実行されたとする。これによりファジィ加速率
が選定されて加速率ΔfaFは減少し指令周波数の上昇
は緩やかになる。その度合いは電流検出値IMの増加度
合いと電流制限値IlimA までの距離度合いに従う。
【0078】時刻t2以降t4までは、それまでに電流
が減少しだしたことにより、加速率は増加しだす。ただ
し時刻t3からt4までは演算したファジィ指令周波数
が想定指令周波数を超えようとして想定指令周波数が指
令周波数として選定されているとしている。
【0079】時刻t5にて指令周波数f1が設定周波数
fr=f1Hと一致して加速モードは終了する。
【0080】<5.2 ファジィ自動加速> (制御構成)ファジィ自動加速部931aは、図14に
示したように構成している。基本部となるファジィ制御
部FZYB1bへの入力は電流検出値IMと加速時電流
制限値IlimA との距離FD1bと、速度算出部FSP
D1bで作成する速度FS1bである。そして、このファ
ジィ自動加速部では常にファジィ制御部が実行され、そ
の出力FO1aを積算器931b4で積算してファジィ
加速率ΔfaFを作成し、更にそれを積算器931b6
で積算して指令周波数f1を得る。nサンプリング時点
のΔfaF及びf1は数7で与えられる。
【0081】(指令周波数の式)
【0082】
【数7】積算器931b4出力: ΔfaF(n)=FO1b(n)+ΔfaF(n−1) 積算器931b6出力(指令周波数): f1(n)=ΔfaF(n)+f1(n−1) (ルール)次にファジィ制御部FZYB1b内部で使用
される具体的ルールを図15に示す。先に述べたように
ファジィ自動加速部では距離に関して6種のメンバシッ
プ関数があり、これに伴い30のルールがある。例えば
ルールNo.25では「距離がPLかつ速度がPLの時
は、出力はNL」を表している。この意味は「電流検出
値が制限値を大きく超えて、また電流が大きく増加の場
合は、加速率を大きく減少」を意味する。
【0083】すなわち、このルールNo.25ではその周
辺の他のルールNo.20,21、及び26とも関連し
て、ファジィ出力FO1bは負で絶対値が大きい目の値
が選ばれることになる。この結果、積算器931b4の
出力であるファジィ加速率ΔfaFは減少して加速率は
下がることになる。
【0084】(動作説明)次に図16を用いて電流検出
値IMと指令周波数f1の変化について説明する。図1
3中において、上位レベル(IlimA+δ)以下はファジ
ィ制御部内の距離プリスケール部FPSSで0から15
までの16段階に分けられる、距離に関するファジィ制
御の範囲として表している。
【0085】指令周波数f1Lで運転中に時刻toにて
加速モードへの移行とともにファジィ制御部が実行され
たとする。最初は主にルールNo.1,2,6,7に従っ
て緩やかに加速させ、急激な電流上昇を防ぐ。そして電
流検出値IMが電流制限値IlimA の近傍になれば、ル
ールに基づいて、その近傍に留まるようにファジィ加速
率ΔfaFが自動決定される。
【0086】時刻t2にて指令周波数f1が設定周波数
f*=f1Hと一致して加速モードは終了する。
【0087】(ファジィ保護付き通常加速への展開)図
11にて説明したファジィ保護付き通常加速部931a
の構成ではファジィ加速率ΔfaFを作成するのに設定
加速率Δfa*を用いた。しかし、これに限ることな
く、図14で示したファジィ自動加速部931aの構成
を変形してもよい。すなわち、図14の構成に加えて、
ファジィ制御部の実行条件を先にファジィ保護付き通常
加速で述べたものに合わせ、また指令周波数をファジィ
側から作成される指令周波数(ファジィ指令周波数)と
想定指令周波数と比較して小さいものとすればよい。
【0088】<5.3 ファジィ保護付き通常減速:選
択法>減速時の周波数制御では、電流と電圧の2つの保
護が必要である。このため減速時では2つのファジィ制
御部があり、これらの組合せで周波数を決定する。本実
施例では、その組合せ方として、選択法と直列法の2種
について前者はファジィ保護付き通常減速に適用した例
を、また直列法は、後述のファジィ自動減速に適用した
場合を例として説明する。逆の組合せ、すなわちファジ
ィ保護付き通常加速で直列法を、またファジィ自動減速
で選択法の適用も可能である。
【0089】(制御構成)上述の選択法を適用したファ
ジィ保護付き通常減速部の構成図を図17に示す。この
選択法では、電流側ファジィ制御部の出力と電圧側ファ
ジィ制御部出力のどちらか一方を、安全側に減速率が変
更されるように選択して用いる。
【0090】一方の電流側ファジィ制御部FZYB2a
Iへの入力は電流検出値IMと減速時電流制限値Ilim
D との距離FD2aI、及びこれより速度算出部FSPD2
aI で作成する速度FS2aIである。他方の電圧側フ
ァジィ制御部FZYB2aVへの入力は電圧検出値ED
と電圧制限値Vlim との距離FD2aV、及びこれより
速度算出部FSPD2aVで作成する速度FS2aVで
ある。そして、これらのファジィ制御部の出力FO2a
IとFO2aVはともに選択部932a7への入力とな
り、その出力がFO2aである。
【0091】ここで、ファジィ制御部の実行は先に図9
にて述べた通りであるが、ここでは電圧側もしくは電流
側どちらかの実行条件が整えば両方のファジィを実行さ
せるものとしている。ただし図17には実行判定部につ
いては省略している。
【0092】2つのファジィ制御部FZYB2aIとF
ZYB2aVが実行されていない時は、想定指令周波数
f1SUが実際の指令周波数f1として選択される。こ
のf1SUは、図17の右下方に示したように、下記の
数8に従って、設定減速率Δfd*を積算器932a7
によって負で積算して求める。そして一旦実行条件が成
立すれば、スイッチSW2aが図17の如く切り替わ
り、選択部932a7の出力FO2aより作成される指
令周波数f1Fが指令周波数f1として選択される。
【0093】
【数8】積算器932a7出力: f1SU=−Δfa*(n)+f1F(n−1) (指令周波数の式)選択部932a7の出力FO2a
は、設定減速率Δfd*と想定指令周波数f1SUを用
いて、掛算器932a3,2つの積算器932a4と9
32a6、及び加算器932a5とにより、次の数9か
ら数11に従って指令周波数f1Fまで加工される。
【0094】
【数9】加算器932a5出力(ファジィ減速率): ΔfdF(n)=Δfd*−総和{(Δfd*)×FO2a
(i)}
【0095】
【数10】積算器932a6出力(前置ファジィ指令周
波数): f1FP=−ΔfdF(n)+f1F(n−1)
【0096】
【数11】最大値選択器932a8出力(ファジィ指令
周波数): f1F(n)=max(f1SU(n),f1FP(n))=f1
(n) すなわち、選択部の出力FO2aは設定減速率Δfd*
と掛け合わされて、サンプリングの都度前回の値と加え
合わされ、それを設定加速率から差し引くことによりフ
ァジィ減速率ΔfdFが作成される(数9)。次にこの
ファジィ加速率を前回の指令周波数に負で積算して一
旦、前置ファジィ指令周波数f1FPを作成する(数1
0)が、もしそのサンプリング時点で、前置ファジィ指
令周波数f1FPが仮想指令周波数f1SUより小さけ
れば、仮想指令周波数を指令周波数f1とする(数1
1)。
【0097】(選択の方法)数9をみるようにFO2a
が大きいほど(符号も含めて)減速率は小さくなる。し
たがって、選択部932a7では電圧側ファジィ制御部
FZYB2aIの出力FO2aIと電圧側ファジィ制御
部FZYB2aVの出力FO2aVの大きい方を選ぶ。
【0098】(ルール)次に電流側ファジィ制御部FZ
YB2aI内部で使用される具体的ルールを図18に示
す。同図では、例えばルールNo.20では「距離がPL
かつ速度がPLの時は、出力はPL」を表している。こ
の意味は「電流検出値が制限値を大きく超えて、また電
流が大きく増加の場合は、減速率を大きく減少」を意味
する。
【0099】一方、電圧側ファジィ制御部FZYB2a
V内部で使用される具体的ルールを図19に示す。同図
では、例えばルールNo.20では「距離がPLかつ速度
がPLの時は、出力はPL」を表している。この意味は
「電圧検出値が制限値を大きく超えて、また電圧が大き
く増加の場合は、減速率を大きく減少」を意味する。
【0100】(動作説明)次に図20を用いて電圧検出
値,電流検出値及び指令周波数の変化について説明す
る。図20において、減速時電流制限値IlimDを中心
とした(IlimD−δ)と(IlimD+δ)の間が、距離に
関する電流側ファジィ制御の範囲として、ファジィ制御
部内の距離プリスケール部FPSSで0から15までの
16段階に分けられるとしている。ただし、(IlimD
−δ)以下は0に、(IlimD+δ)以上は15に含ま
せる。同様に電圧制限値Vlimを中心とした(Vlim−
ε)と(Vlim+ε)の間が、距離に関する電圧側ファ
ジィ制御の範囲として、ファジィ制御部内の距離プリス
ケール部FPSSで0から15までの16段階に分けら
れるとしている。ただし、(Vlim−ε)以下は0に、
(Vlim+ε)以上は15に含ませる。更に、ここでは
図2に示したブレーキ3は動作しないものとして説明す
る。指令周波数f1=f1Hで運転中に時刻toにて減
速モードに移行したとする。減速当初は設定減速率で指
令周波数は下降し、これに伴い、先ず電圧検出値が急激
に増加する。そして時刻t1にて電圧の予測計算によっ
てファジィ制御部の実行が開始されたとする。これによ
り電圧側から作成されたファジィ減速率が選定されて減
速率ΔfdFは減少し指令周波数下降は緩やかになり、
ほとんど下降が停止するまでにいたる。その結果、時刻
t2から電圧は減少して(力行運転)時刻t3より再度
減速率は増加して、再び電圧は上昇する(回生運転)。
すなわち減速率の調整応じて、回生運転による電圧増加
と力行運転による電圧減少が繰り返されながらモータは
減速していく。
【0101】その後、指令周波数の下降に伴い機械系の
慣性エネルギが少なくなると、減速率を大きくしても、
もはや回生運転による電圧の上昇はなくなり(慣性エネ
ルギは機械損失やインバータ損失として消費される)、
電流側から加減速率の調整が行われるようになる。図2
0では、時刻t4からt5にかけてその現象が発生して
いるとしている。そして、時刻t6にて指令周波数f1
が設定周波数fr=f1Lと一致して減速モードが終了
するまで、電流検出値の大きさに従い減速が行われる。
なお、図20では表現していないが、指令周波数f1が
大きく減少するとしても、最大値選択部932a8の動
作により想定指令周波数f1SUより下になることはな
く、それ以上に保たれる。
【0102】<5.4 ファジィ自動減速:直列法>先
に述べたように、ここでは電圧側ファジィ制御部と電流
側ファジィ制御部が直列の構成となる直列法を例に、フ
ァジィ自動減速部932aについて説明する。
【0103】(制御構成)ファジィ自動加速部932a
は、図21に示したように構成している。電圧側ファジ
ィ制御部FZYB2bVへの入力は電圧検出値EDと電
圧制限値Vlim との距離FD2bV、及びこれより速度
算出部FSPD2bVで作成する速度FS2bVであ
る。そして、その出力FO2bVは掛算器932b3で
自乗され、積算器932b4で積算され指令電流制限値
Ilim*となる。ただし、Ilim*はリミッター部932
b9にて減速時電流制限値IlimD 以下に制限される。
このIlim*と電流検出値IMとの距離FD2bI、及
びこれより速度算出部FSPD2bIで作成する速度F
S2bIが電流側ファジィ制御部FZYB2bIの入力と
なる。この電流側ファジィ制御部FZYB2bIの出力
FO2bIは積算器932b6で積算されファジィ減速
率ΔfdFとなり、更にそれを積算器932b7にて負
で積算して指令周波数f1を得る。
【0104】nサンプリング時点のIlim* ,ΔfdF
及びf1は次の数12で与えられる。
【0105】(指令周波数の式)
【0106】
【数12】 積算器932b4出力(指令電流制限値Ilim*): Ilim*(n)=FO2bV(n)×FO2bV(n)+Ilim*(n−1) 積算器932b6出力(ファジィ減速率ΔfdF): ΔfdF(n)=FO2bI(n)+ΔfdF(n−1) 積算器932b7出力(指令周波数f1): f1(n)=−ΔfdF(n)+f1(n−1) ここで、電圧側ファジィ出力値FO2bVを自乗してい
るのは、この出力値が16段階と出力範囲が狭いため、
これを拡張するためである。この自乗する方式は、この
ファジィ自動加速部のみならず他のファジィ制御部にも
適用できる。
【0107】(ルール)次に電圧側ファジィ制御部FZ
YB2bV内部で使用される具体的ルールを図22に示
す。同図では、例えばルールNo.20では「距離がPL
かつ速度がPLの時は、出力はPL」を表している。こ
の意味は「電圧検出値が制限値を大きく超えて、また電
圧が大きく増加の場合は、指令電流制限値Ilim* 大き
く減少」を意味する。先に図19で示したファジィ付き
通常減速部での電圧側ルールに比べると、図19のもの
では選択方式で電圧を一定にする機能は必要ないため、
電圧上昇を抑制する側を下降する側より強めにしてい
る。一方図22では、電流指令を上げ下げして調整可能
なようにルールNo.12を中心に、ほぼ点対称の形をと
る。
【0108】一方、電流側ファジィ制御部FZYB2b
I内部で使用されるルールを図23に示す。先の自動加
速制御部と同様、距離に関して6種のメンバシップ関数
があり、これに伴い30のルールがある。例えばルール
No.25では「距離がPLかつ速度がPLの時は、出力
はPL」を表している。この意味は「電流検出値が制限
値を大きく超えて、また電流が大きく増加の場合は、減
速率を大きく減少」を意味する。そしてルール全体で
は、変化する指令電流制限値Ilim* に電流検出値IM
が一致するようにルールを決定している。
【0109】(動作説明)次に図24を用いて電圧検出
値ED,指令電流制限値Ilim* ,電流検出値IM及び
指令周波数f1の変化について説明する。図24におい
て、電圧制限値Vlim を中心とした(Vlim−ε)と(Vl
im+ε)の間が、距離に関する電圧側ファジィ制御の範
囲として、ファジィ制御部内の距離プリスケール部FP
SSで0から15までの16段階に分けられるとしてい
る。また指令電流制限値Ilim*を中心とした(Ilim*
−δ)と(Ilim*+δ)の間が、距離に関する電流側
ファジィ制御の範囲として、ファジィ制御部内の距離プ
リスケール部FPSSで0から15までの16段階に分
けられるとしている。ただし、(IlimD−δ)以下は0
に、(IlimD+δ)以上は15に含ませる。同様に、
(Vlim−ε)以下は0に、(Vlim+ε)以上は15に
含ませる。更に、ここでも図2に示したブレーキ3は動
作しないものとして説明する。
【0110】指令周波数f1=f1Hで運転中に時刻t
oにて減速モードに移行したとする。この時、指令電流
制限値Ilim* はその時点の電流検出値IMとして初期
化する。そして減速開始当初は、電圧検出値EDが制限
値より下回っているため、指令電流制限値Ilim* が増
加し、これに伴い電流検出値も増加し、その結果電圧検
出値も増加する。そして、電圧の増加とともにこれが制
限値を超えようとすると、また超えてからも距離と速度
に応じて指令電流制限値Ilim* が調整され、これに追
従するように電流検出値も変化する。このように、電圧
と上昇(回生運転)と下降(力行運転)動作を繰り返し
ながら指令周波数は次第に減少して、減速が行われる。
【0111】その後、指令周波数の下降に伴い機械系の
慣性エネルギが少なくなると、減速率を大きくしても、
もはや回生運転による電圧の上昇はなくなるため、指令
電流制限値Ilim* は上昇を続けて、これに伴い電流も
増加するように減速率が高められる。そして、時刻t6
にて指令周波数f1が設定周波数fr=f1Lと一致し
て減速モードが終了する。なお、図24では表現してい
ないが、指令電流制限値Ilim* が増加してもリミッタ
ー部932b9の働きで最大で減速時電流制限値Ilim
D までである。
【0112】(ファジィ保護付き通常減速への展開)図
17にて説明したファジィ保護付き通常減速部932a
の構成ではファジィ減速率ΔfdFを作成するのに設定
減速率Δfd*を用いた。しかし、これに限ることな
く、図21で示したファジィ自動減速部932aの構成
を変形してもよい。すなわち、図17の構成に加えて、
ファジィ制御部の実行条件を先にファジィ保護付き通常
減速で述べたものに合わせ、また指令周波数をファジィ
側から作成される指令周波数(ファジィ指令周波数)と
想定指令周波数と比較して大きいものとすればよい。
【0113】<5.5 ファジィ自動過負荷制御> (制御構成)ファジィ自動過負荷制御部9332bは、
図25に示したように構成している。基本部となるファ
ジィ制御部FZYB32bへの入力は電流検出値IMと
過負荷時電流制限値Ilim0 との距離FD32bと、速
度算出部FSPD32bで作成する速度FS32bであ
る。また、その出力FO32bを積算器9332b4で
積算してファジィ加減速率ΔfadFを作成し、更にそ
れを積算器9332b6で積算して指令周波数f1を得
る。nサンプリング時点のΔfadF及びf1は数13
で与えられる。
【0114】(指令周波数の式)
【0115】
【数13】 積算器9332b4出力(ファジィ加減速率ΔfadF): ΔfadF(n)=FO32b(n)+ΔfadF(n−1) 積算器931b6出力(指令周波数): f1(n)=ΔfadF(n)+f1(n−1) このファジィ自動過負荷制御部の実行は、先に図1にて
説明したように、過負荷判断部935にて行われる。そ
して実行開始時の指令周波数f1をf1o0として開始
時指令周波数記憶部9332b8にて記憶する。またこ
のファジィ自動過負荷制御部の終了は、先に図4
(a),図4(b)及び図4(c)を用いて説明した通り
であり、この終了判定のために、前記のf1o0,指令
周波数f1,設定周波数frを入力として、終了判定処
理部9332b9がある。
【0116】(ルール)次にファジィ制御部FZYB3
2b内部で使用される具体的ルールを図25に示す。例
えばルールNo.20では「距離がPLかつ速度がPLの
時は、出力はNL」を表している。この意味は「電流検
出値が制限値を大きく超えて、また電流が大きく増加の
場合は、加減速率を大きく減少」を意味する。すなわ
ち、このルールNo.20ではその周辺の他のルールNo.
15,16、及び21とも関連して、ファジィ出力FO
32bは負で絶対値が大きい目の値が選ばれることにな
る。この結果、積算器9332b4の出力であるファジ
ィ加減速率ΔfadFは減少する。これを繰り返すこと
により、加減速率は負方向に大きくなり減速は速くな
る。
【0117】一方、ルールNo.4では「距離がNLかつ
速度がNLの時は、出力はPL」を表している。この意
味は「電流検出値が制限値以下で十分小さく、また電流
が大きく減少の場合は、加減速率を大きく増加」を意味
する。すなわち、このルールNo.4ではその周辺の他の
ルールNo.3,8、及び9とも関連して、ファジィ出力
FO32bは正で絶対値が大きい目の値が選ばれること
になる。この結果、積算器9332b4の出力であるフ
ァジィ加減速率ΔfadFは増加する。これが繰り返さ
れると、加減速率は正方向に大きくなり加速が速くな
る。
【0118】すなわち、ファジィ自動過負荷制御部で
は、電流検出値が過負荷時電流制限値の近傍となるよう
に、すなわち電流が増加すれば減速を、また電流が減少
してくれば加速を行うことになる。
【0119】
【発明の効果】(1) 本発明では電流もしくは電圧に
関する制限値と検出値との差及び、その差の変化量(制
限値が一定の場合は電流,電圧の変化量でもよい)の2
つの量を入力として加減速率作成量もしくは設定加減速
率に対する修正量を出力とするファジィ演算部を設け
て、インバータの周波数制御をすることを基本としてい
る。このファジィ演算部は、電流もしくは電圧の制限値
までの距離とそこまで近づき速度に応じて、電流もしく
は電圧がそれらの制限値近傍もしくは制限値近傍以下に
なるように周波数の増加量や減少量を決定していく。こ
の結果、電流なり電圧の微分量の情報も含めて周波数を
決定することから、予測的に周波数の制御が可能とな
り、インバータ停止の第1の制限値に達する前にそれよ
り下位の第2の制限値近傍もしくはそれ以下に電流や電
圧を保つことができ、従来よりトリップに強い運転が可
能である。
【0120】(2) 加速運転時では電流制限値と電流
検出値の差及びその変化量(電流制限値が一定の場合は
電流検出値でもよい)を入力としたファジィ演算部の出
力で、電流が電流制限値の近傍となるように加速率を自
動作成することにより、また減速運転時には電流制限値
と電流検出値の差及びその変化量を入力とした第1のフ
ァジィ演算部の出力と、電圧制限値と電圧検出値の差及
びその変化量(電圧制限値が一定の場合は電圧検出値で
もよい)を入力とした第2のファジィ演算部の出力との
組合せで、電圧が電圧制限値以下でかつ電流が電流制限
値の近傍となるように減速率を自動作成することによ
り、これまで必要であった加速率や減速率の設定が不要
となり、インバータ運転に先だって加速率や減速率の調
整の煩わしさから開放される。すなわち、機械系の慣性
や負荷に応じて、トリップしないように自動的に加減速
率を作成でき、完全ノントリップ運転が可能となる。
【0121】(3) 設定された加速率にて加速中に電
流が電流制限値の近くにまで上昇しようとすると、電流
制限値と電流検出値の差とその変化量(電流制限値が一
定の場合は電流検出値でもよい)を入力としたファジィ
演算部の出力によって設定加減速率に対する修正を行
い、電流が電流制限値の近傍以下となるようにすること
により、また一方設定された減速率で減速中に電圧が電
圧制限値を超えようとしたら、電圧制限値と電圧検出値
との差及びその変化量(電圧制限値が一定の場合は電圧
検出値でもよい)を入力としたファジィ演算部の出力と
電圧が電圧制限値の近傍以下となるように設定減速率の
修正を行うとともに、電流が電流制限値の近くにまで上
昇しようとすると、電流制限値と電流検出値の差とその
変化量(電流制限値が一定の場合は電流検出値でもよ
い)を入力としたファジィ演算部の出力によって設定減
速率に対する修正を行うことにより、設定された加速率
または減速率が間違って設定されたとしても、トリップ
することは無く、加速または減速を継続できる。更に、
加減速中の周波数に対するリミッター部を設けたことに
より、設定された加減速率での周波数の上昇または下降
を超えて実際の上昇や下降がないため、設定加減速率に
見合った加減速時間より速い加減速はない。この結果、
むやみに加減速が速くなり機械系の破壊を招くこともな
い。
【0122】(4) 定常運転状態で負荷増大により電
流が増加して電流制限値を超えようとすると、電流制限
値と電流との差及びその変化量(電流制限値が一定の場
合は電流検出値でもよい)を入力としたファジィ演算部
の出力によって、電流が電流制限値の近傍となるように
加減速率を作成して減速もしくは加速を行うことによ
り、増大した負荷の大きさに応じて最適な減速率で減速
が行われ、また負荷増大がなくなれば、その大きさに応
じた加速率でもとの周波数に向かって加速が自動的に行
われる。したがって、過負荷保護でこれまで必要であっ
た過負荷時の減速率を調整し設定する必要がなくなる。
【0123】(5) 上記(1)の自動加減速と上記
(2)の加減速率を設定する通常加減速、及び加減速モ
ード設定手段を設け、使用者の加減速モード設定手段へ
の入力設定モードに応じて、上記2つの加減速手段を選
びだす加減速法選択手段を設けたことにより、用途に応
じた加減速法が設定できる。すなわち、加減速時間が問
題にならない用途では自動加速または自動減速を選び、
また加減速時間を管理したい用途には通常の加速または
減速を選択すればよい。この場合あらかじめ自動加速ま
たは自動減速を選んで運転して加速率や減速率を求めて
おけば、その値以下に加減速率を設定して通常加速や減
速を行えば、加減速率の調整も簡単になる。また一方、
上記(3)の過負荷保護手段、従来の減速率を設定する
過負荷保護手段、及び過負荷保護モード選択手段を設
け、使用者の過負荷保護モード選択手段への入力設定モ
ードに応じて、上記2つの過負荷保護手段のいずれか一
方を選びだす過負荷保護法選択手段を設けるたことによ
り、用途毎に任意な方法の運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の加速度制御部の全体構成図であ
る。
【図2】本発明実施例のインバータ装置全体ハード構成
図である。
【図3】本発明実施例の運転モード説明のための状態遷
移図である。
【図4】本発明実施例の要部の運転モード説明のための
動作説明図である。
【図5】本発明実施例の電流保護レベルの説明図であ
る。
【図6】本発明実施例のファジィ制御部の構成図であ
る。
【図7】本発明実施例の電流または電圧の速度算出法の
説明図である。
【図8】本発明実施例のファジィ制御部で使用するメン
バシップ関数とルール表現のための説明図である。
【図9】本発明の各種ファジィ制御部の実行条件説明図
である。
【図10】本発明実施例の電流または電圧の距離予測法
の説明図である。
【図11】本発明実施例のファジィ保護付き通常加速部
の制御構成図である。
【図12】本発明実施例のファジィ保護通常加速部で使
用されるルールテーブル説明図である。
【図13】本発明実施例のファジィ保護通常加速部の動
作説明図である。
【図14】本発明実施例のファジィ自動加速部の制御構
成図である。
【図15】本発明実施例のファジィ自動加速部で使用さ
れるルールテーブル説明図である。
【図16】本発明実施例のファジィ自動加速部の動作説
明図である。
【図17】本発明実施例のファジィ保護付き通常減速部
の制御構成図である。
【図18】本発明実施例のファジィ保護付き通常減速部
で使用される電流側ルールテーブル説明図である。
【図19】本発明実施例のファジィ保護付き通常減速部
で使用される電圧側ルールテーブル説明図である。
【図20】本発明実施例のファジィ保護付き通常減速部
の動作説明図である。
【図21】本発明実施例のファジィ自動減速部の制御構
成図である。
【図22】本発明実施例のファジィ自動減速部で使用さ
れる電圧側ルールテーブルである。
【図23】本発明実施例のファジィ自動減速部で使用さ
れる電流側ルールテーブルである。
【図24】本発明実施例のファジィ自動減速部の動作説
明図である。
【図25】本発明実施例のファジィ自動過負荷制御部の
制御構成図である。
【図26】本発明実施例のファジィ自動過負荷制御部で
使用されるルールテーブル説明図である。
【符号の説明】
1…電源、2…コンバータ、3…ブレーキ、4…インバ
ータ、5…誘導モータ、6…ドライブ回路、7…電圧検
出部、8…モータ電流検出部、9…制御部、10…オペ
レータ、C…平滑コンデンサ、91…インタフェース
部、92…パラメータ・モード設定部、92O…各種の
設定データやモードデータ、93…加速制御部、94…
電圧・周波数制御部、95…PWM信号発生部、96…
電流演算部、97…電圧演算部、98…保護処理部、I
M…電流検出値、ED…電圧検出値、f1…指令周波
数、931…加速制御部、931a…ファジィ保護付き
通常加速、931b…ファジィ自動加速、932…減速
制御部、932a…ファジィ保護付き通常減速、932
b…ファジィ自動減速、933…定常制御部、9331…正
常定速運転部、9332…過負荷運転部、9332a…
減速率設定過負荷制御部、9332b…ファジィ自動過
負荷制御部、934…加減速判断部、935…過負荷判
断部、Δfa*…設定加速率、Δfd*…設定減速率、
fr…設定周波数、f1…指令周波数、IlimA…加速
時電流制限値、IlimD…減速時電流制限値、Vlim…電
圧制限値、IlimO…過負荷電流制限値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 誠司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧
    として出力し電動機を加減速駆動制御するインバータの
    周波数制御方法において、前記電動機に流れる電動機電
    流とその電流制限値との差及びこの差もしくは電動機電
    流の変化量の少なくとも2つを用いてファジィ推論によ
    り、前記電動機の加減速時の電動機電流がその電流制限
    値を含む所定の範囲内に入るように、前記インバータか
    ら出力する周波数の加減速率を求め、該加減速率に基づ
    いてインバータの出力周波数を制御することを特徴とす
    るインバータの周波数制御方法。
  2. 【請求項2】直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧
    として出力し電動機を駆動制御するインバータであっ
    て、特に設定した加減速率を下に電動機を加減速制御す
    るインバータの周波数制御方法において、前記電動機に
    流れる電動機電流がその電流制限値を超えた場合には、
    前記電動機に流れる電動機電流とその電流制限値との差
    及びこの差もしくは電動機電流の変化量の少なくとも2
    つを用いてファジィ推論により、前記電動機の加減速時
    の電動機電流がその電流制限値を含む所定の範囲内に入
    るように、前記インバータから出力する周波数の加減速
    率を求め、該加減速率に基づいてインバータの出力周波
    数を制御することを特徴とするインバータの周波数制御
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1もしくは2において、前記インバ
    ータの直流電圧の電圧値とその基準値との差及びこの差
    もしくは直流電圧の変化量の少なくとも2つを用いてフ
    ァジィ推論により、前記直流電圧がその基準値を含む所
    定の範囲内に入るように、前記インバータから出力する
    周波数の減速率を求め、この減速率と前記請求項1もし
    くは2で求めた周波数の減速率の内から小さい方を選択
    し、この減速率に基づいてインバータの出力周波数を制
    御することを特徴とするインバータの周波数制御方法。
  4. 【請求項4】直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧
    として出力し電動機を加減速駆動制御するインバータの
    周波数制御方法において、前記インバータの直流電圧の
    電圧値とその基準値との差及びこの差もしくは直流電圧
    の変化量の少なくとも2つを用いてファジィ推論によ
    り、前記直流電圧がその基準値を含む所定の範囲内に入
    るように、前記電動機に流れる電流の電流制限値を求
    め、さらに前記電動機に流れる電動機電流と前記電流制
    限値との差及びこの差もしくは電動機電流の変化量の少
    なくとも2つを用いてファジィ推論により、前記電動機
    の減速時の電動機電流がその電流制限値を含む所定の範
    囲内に入るように、前記インバータから出力する周波数
    の減速率を求め、該加減速率に基づいてインバータの出
    力周波数を制御することを特徴とするインバータの周波
    数制御方法。
  5. 【請求項5】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の交
    流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力周
    波数を決定する制御回路を備えた電動機の駆動装置にお
    いて、インバータ入力直流電圧とこの電圧に対する電圧
    制限値との差及びこの差もしくはインバータ入力直流電
    圧の変化量の2つを入力として、指令電流制限値を作成
    するための第1のファジィ制御部、前記電動機に流れる
    電動機電流と、前記指令電流制限値との差及びこの差の
    変化量の2つを入力として、出力周波数の減速率に関す
    る量を出力する第2のファジィ制御部を備え、第1のフ
    ァジィ制御部ではインバータ入力直流電圧が電圧制限値
    の近傍となるように前記指令電流制限値を作成し、第2
    のファジィ制御部では電動機電流が前記指令電流制限値
    の近傍となるように出力周波数の減速率に関する量を決
    定して電動機を減速することを特徴とするインバータの
    周波数制御装置。
  6. 【請求項6】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の交
    流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力周
    波数を決定する制御回路を備えた電動機の駆動装置にお
    いて、インバータ入力直流電圧とこの電圧に対する電圧
    制限値との差及びこの差もしくはインバータ入力直流電
    圧の変化量の2つを入力として、出力周波数の減速率に
    関する第1の量を出力する第1のファジィ制御部、前記
    電動機に流れる電動機電流と、この電流に対する電流制
    限値との差及びこの差もしくは電動機電流の変化量の2
    つを入力として、出力周波数の減速率に関する第2の量
    を出力する第2のファジィ制御部,出力周波数の減速率
    に関する前記第1と前記第2の量の大小を比較して1つ
    を選択する選択手段を備え、第1のファジィ制御部では
    インバータ入力直流電圧が電圧制限値の近傍以下となる
    ように出力周波数の減速率に関する第1の量を決定し、
    第2のファジィ制御部では電動機電流が電流制限値の近
    傍となるように出力周波数の減速率に関する第2の量を
    決定し、選択手段では減速率が小さくなる側の減速率に
    関する量を選択して、この選択された減速率に関する量
    によって減速率を決定しながら出力周波数を減少させて
    電動機を減速することを特徴とするインバータの周波数
    制御装置。
  7. 【請求項7】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の交
    流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力周
    波数を決定する制御回路,出力周波数の加速率を設定す
    るパラメータ設定部を備えた誘導電動機の駆動装置にお
    いて、前記電動機に流れる電動機電流と、電流制限値と
    の差及びこの差もしくは電動機電流の変化量の2つを入
    力として、出力周波数の加速率に関する量を出力するフ
    ァジィ制御部,前記パラメータ設定部から入力された設
    定加速率を積算して第1の指令周波数を作成する積算器
    を備え、前記第1の指令周波数より出力周波数を決定し
    て電動機を加速中に電動機電流が電流制限値の近傍以上
    か、いずれ近傍になると予測された時は、前記ファジィ
    制御部により、電動機電流が電流制限値の近傍となるよ
    うに前記出力周波数の加速率に関する量よりファジィ側
    加速率を決定し、このファジィ側加速率を積算して第2
    の指令周波数を作成し、この第2の指令周波数と前記第
    1の指令周波数とを比較して、小さい側の指令周波数を
    出力周波数として選択して電動機を加速することを特徴
    とするインバータの周波数制御装置。
  8. 【請求項8】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の交
    流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力周
    波数を決定する制御回路,出力周波数の減速率を設定す
    るパラメータ設定部を備えた電動機の駆動装置におい
    て、インバータ入力直流電圧とこの電圧に対する電圧制
    限値との差及びこの差もしくはインバータ入力直流電圧
    の変化量の2つを入力として、上限があらかじめ最大電
    流制限値に限定されている指令電流制限値を作成するた
    めの第1のファジィ制御部、前記電動機に流れる電動機
    電流と、前記指令電流制限値との差及びこの差の変化量
    の2つを入力として、出力周波数の減速率に関する量を
    出力する第2のファジィ制御部、前記パラメータ設定部
    から入力された設定加速率を積算して第1の指令周波数
    を作成する積算器を備え、前記第1の指令周波数より出
    力周波数を決定して電動機を減速中に、電動機電流が前
    記最大電流制限値の近傍以上か、いずれ近傍になると予
    測された時、あるいはインバータ入力直流電圧が前記電
    圧制限値の近傍以上か、近傍になると予測された時は、
    前記第1のファジィ制御部によってインバータ入力直流
    電圧が電圧制限値の近傍となるように前記指令電流制限
    値を作成し、前記第2のファジィ制御部によって電動機
    電流が前記指令電流制限値の近傍となるように出力周波
    数の減速率に関する量より第2の指令周波数を決定し、
    この第2の指令周波数と前記第1の指令周波数とを比較
    して、大きい側の指令周波数を出力周波数として選択し
    て電動機を減速することを特徴とするインバータの周波
    数制御装置。
  9. 【請求項9】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の交
    流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力周
    波数を決定する制御回路,出力周波数の減速率を設定す
    るパラメータ設定部を備えた電動機の駆動装置におい
    て、インバータ入力直流電圧とこの電圧に対する電圧制
    限値との差及びこの差もしくはインバータ入力直流電圧
    の変化量の2つを入力として、出力周波数の減速率に関
    する第1の量を出力する第1のファジィ制御部、前記電
    動機に流れる電動機電流と、この電流に対する電流制限
    値との差及びこの差もしくは電動機電流の変化量の2つ
    を入力として、出力周波数の減速率に関する第2の量を
    出力する第2のファジィ制御部,出力周波数の減速率に
    関する前記第1と前記第2の量の大小を比較して1つを
    選択する選択手段、前記パラメータ設定部から入力され
    た設定減速率を積算して第1の指令周波数を作成する積
    算器を備え、前記第1の指令周波数より出力周波数を決
    定して電動機を減速中に、電動機電流が前記電流制限値
    の近傍以上か、いずれ近傍になると予測された時、ある
    いはインバータ入力直流電圧が前記電圧制限値の近傍以
    上か、近傍になると予測された時は、第1のファジィ制
    御部ではインバータ入力直流電圧が電圧制限値の近傍以
    下となるように出力周波数の減速率に関する第1の量を
    決定し、第2のファジィ制御部では電動機電流が電流制
    限値の近傍となるように出力周波数の減少率に関する第
    2の量を決定し、前記選択手段では減速率が小さくなる
    側の減速率に関する量を選択して、この選択された減速
    率に関する量によってファジィ側加速率を決定し、この
    ファジィ側減速率を積算して第2の指令周波数を作成
    し、この第2の指令周波数と前記第1の指令周波数とを
    比較して、大きい側の指令周波数を出力周波数として選
    択して電動機を減速することを特徴とするインバータの
    周波数制御装置。
  10. 【請求項10】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の
    交流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力
    周波数を決定する制御回路を備えた電動機の駆動装置に
    おいて、前記電動機に流れる電動機電流と電流制限値と
    の差及びこの差もしくは電動機電流の変化量の2つを入
    力として、出力周波数の加減速率に関する量を出力する
    ファジィ制御部,インバータの出力周波数に対する設定
    周波数を入力する周波数設定手段を備え、設定周波数と
    出力周波数が一致している定速状態において、電動機電
    流が前記電流制限値の近傍以上か、いずれ近傍になると
    予測された時、電動機電流が前記電流制限値の近傍とな
    るように前記出力周波数の加減速率に関する量を選定し
    て、これに基づいて出力周波数を作成し電動機を加減速
    運転することを特徴とするインバータの周波数制御方
    法。
  11. 【請求項11】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の
    交流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力
    周波数を決定する制御回路,出力周波数の加速率を設定
    するパラメータ設定部を備えた誘導電動機の駆動装置に
    おいて、前記電動機に流れる電動機電流と電流制限値と
    の差及びこの差もしくは電動機電流の変化量の2つを入
    力として、出力周波数の加速率に関する第1の量を出力
    する第1のファジィ制御部と、前記出力周波数の加速率
    に関する第1の量より第1の指令周波数を作成する第1
    の積算器を有する第1の加速制御部、 前記電動機に流れる電動機電流と電流制限値との差及び
    この差もしくは電動機電流の変化量の2つを入力とし
    て、出力周波数の加速率に関する第2の量を出力する第
    2のファジィ制御部と、前記出力周波数の加速率に関す
    る第2の量より第2の指令周波数を作成する第2の積算
    器と、前記パラメータ設定部から入力された設定加速率
    を積算して第3の指令周波数を作成する積算器と、前記
    第2の指令周波数と前記第3の指令周波数のうち小さい
    周波数を出力周波数として選択する選択器を有する第2
    の加速制御部、 前記第1の加速制御部と前記第2の加速制御部のいずれ
    か一方を選択する加速制御部選択手段を備え、前記加速
    制御部選択手段で選定された加速制御部により出力周波
    数を決定して電動機を加速することを特徴とするインバ
    ータの周波数制御装置。
  12. 【請求項12】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の
    交流電圧を出力するインバータ、このインバータの出力
    周波数を決定する制御回路,出力周波数の減速率を設定
    するパラメータ設定部を備えた誘導電動機の駆動装置に
    おいて、インバータ入力直流電圧とこの電圧に対する電
    圧制限値との差及びこの差もしくはインバータ入力直流
    電圧の変化量の2つを入力として、第1の電流制限値を
    作成する第1のファジィ制御部と、前記電動機に流れる
    電動機電流と前記第1の電流制限値との差及びこの差の
    変化量の2つを入力として、出力周波数の減速率に関す
    る第1の量を出力する第2のファジィ制御部を有し、前
    記出力周波数の減速率に関する第1の量を第1の積算器
    で積算して第1の指令周波数を作成する第1の減速制御
    部、 インバータ入力直流電圧とこの電圧に対する電圧制限値
    との差及びこの差もしくはインバータ入力直流電圧の変
    化量の2つを入力として、第2の電流制限値を作成する
    第3のファジィ制御部と前記電動機に流れる電動機電流
    と前記第2の電流制限値との差及びこの差の2つを入力
    として、出力周波数の減速率に関する第2の量を出力す
    る第4のファジィ制御部と、前記出力周波数の減速率に
    関する第2の量を積算して第2の指令周波数を積算する
    第2の積算器と、前記パラメータ設定部から入力された
    設定減速率を積算して第3の指令周波数を作成する第3
    の積算器と、前記第2の指令周波数と前記第3の指令周
    波数のうち小さい周波数を出力周波数として選択する選
    択器を有する第2の減速制御部、 前記第1の減速制御部と前記第2の減速制御部のいずれ
    か一方を選択する減速制御部選択手段を備え、前記減速
    制御部選択手段で選定された減速制御部により出力周波
    数を決定して電動機を減速することを特徴とするインバ
    ータの周波数制御装置。
  13. 【請求項13】請求項10において、前記出力周波数の
    加減速率に関する量より出力周波数を作成して電動機を
    加速中に、前記周波数設定手段より設定された設定周波
    数が前記定速運転中の出力周波数より大きくなった時、
    もしくは加速運転中の出力周波数が前記定速運転中の出
    力周波数と等しくなった時、前記出力周波数に関する量
    より出力周波数の作成を中止することを特徴とするイン
    バータの周波数制御方法。
  14. 【請求項14】電動機を駆動する可変電圧可変周波数の
    交流電圧を出力するインバータ,電動機の減速時に前記
    インバータの入力直流電圧が過電圧となるのを防止する
    ブレーキ,前記インバータの出力周波数を決定する制御
    回路を備えた電動機の駆動装置において、インバータ入
    力直流電圧が第1の電圧制限値を超えたらインバータの
    運転を停止する保護回路,インバータの入力直流電圧が
    第2の電圧制限値を超えたら前記ブレーキを動作させる
    ブレーキ制御部,インバータ入力直流電圧と第3の電圧
    制限値との差及びこの差もしくはインバータ入力直流電
    圧の変化量の2つを入力としたファジィ制御部を備え、
    このファジィ制御部の出力によって前記インバータの出
    力周波数を制御して減速すると共に、前記第3の電圧制
    限値は前記第1の電圧制限値より小さく、また前記第2
    の電圧制限値より大きく設定したことを特徴とするイン
    バータの周波数制御装置。
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