JPH07319096A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07319096A
JPH07319096A JP11132094A JP11132094A JPH07319096A JP H07319096 A JPH07319096 A JP H07319096A JP 11132094 A JP11132094 A JP 11132094A JP 11132094 A JP11132094 A JP 11132094A JP H07319096 A JPH07319096 A JP H07319096A
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emulsion
silver
solution
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JP11132094A
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Toshiyuki Marui
俊幸 丸井
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高画質を保持しながら耐圧性が改良
され、さらに高温、高湿下でのカブリ上昇や感度低下等
の保存性が改良されたハロゲン化銀写真感光材料の提
供。 【構成】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハ
ロゲン化銀乳剤層中に平均沃化銀含有量が3モル%未満
で互いに平行な双晶面を2枚以上有するアスペクト比2
未満のハロゲン化銀粒子を少なくとも1種含有し、かつ
写真構成層の少なくとも1層中に紫外線吸収剤を少なく
とも1種含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料により達成。尚、上記ハロゲン化銀粒子はセレン
化合物の存在下で化学熟成されていることが好ましい態
様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、詳しくは耐圧性ならびに保存性が改良され
たハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真乳剤技術の発達に伴い、ハロ
ゲン化銀写真感光材料の高感度化、高画質化が強く望ま
れている。また感光材料の消費量の増大に伴って、短時
間での迅速処理化が強く望まれている。
【0003】このような高感度化、高画質化及び迅速処
理化の要請に応えるものとして、最近では平板状ハロゲ
ン化銀粒子からなる乳剤が挙げられている。該粒子は比
表面積が大きいため感度、カバリングパワー(被覆率)
の向上などを伴って、例えばX線用感光材料におけるク
ロスオーバー光を軽減できる利点があり、高感度で高鮮
鋭性を得られる特徴を有している。
【0004】しかしながら、一般にアスペクト比(直径
/厚み比)の大きな平板状粒子では、その形状のために
外圧に対して弱い欠点を有し、例えば感光材料の取り扱
い時に生ずる折り曲げや、搬送時において機械的応力が
加えられた場合、筋状に黒化したり、カブリを発生した
り、減感したりするなど重大な故障を招く欠点がある。
特に医療用X線フィルムの場合、かかる現象は診断上大
きい障害となる。
【0005】従って、従来より写真感光材料の外圧に対
する感応性を防止する手段として、大別して2つの方法
が提案されている。一つは乳剤膜に外的圧力が加わった
ときハロゲン化銀粒子に伝わる力を物理的に緩和する方
法であり、他の一つはハロゲン化銀結晶自体の対圧感度
を低減させる方法である。
【0006】前者の方法としては、例えば乳剤層のバイ
ンダー成分であるゼラチン、親水性ポリマー、ラテック
スなどの使用、或いはゼラチンの可塑剤、またはハロゲ
ン化銀粒子に吸着性の化合物を用いるなどの技術が開示
されており、いずれも結晶表面を被覆する方法が提案さ
れている。しかしこれらの技術では現像速度や乾燥を遅
くし時代の要請に逆行することになり好ましくない。後
者のハロゲン化銀結晶からのアプローチとしては、例え
ば平板状粒子の内側に高い沃化銀層を設け耐圧性を改善
する特開昭59-99433号、或いは平板状粒子の中心領域の
沃化物含有量を外(周辺)領域より高くすることによっ
て耐圧性を改良する特開昭61-14636号などが開示されて
いる。
【0007】しかしながら沃化物によるこれらの方法
は、耐圧性において若干の改良は認められるが、感度低
下を招いたり、現像処理において処理枚数の増加や処理
温度の変化により階調が大きく変動したりするという問
題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、高感度、高画質を保持しながら
耐圧性が改良され、さらに高温、高湿下でのカブリ上昇
や感度低下等の保存性が改良されたハロゲン化銀写真感
光材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、支
持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する
ハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳
剤層中に平均沃化銀含有量が3モル%未満で互いに平行
な双晶面を2枚以上有するアスペクト比2未満のハロゲ
ン化銀粒子を少なくとも1種含有し、かつ写真構成層の
少なくとも1層中に紫外線吸収剤を少なくとも1種含有
することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料により
達成される。
【0010】尚、上記ハロゲン化銀粒子はセレン化合物
の存在下で化学熟成されていることが好ましい態様であ
る。
【0011】以下、本発明について具体的に説明する。
【0012】本発明のハロゲン化銀粒子は、互いに平行
な双晶面を2枚以上有し、好ましくは偶数枚、より好ま
しくは2枚の双晶面を有する双晶粒子である。双晶粒子
とは、一つ以上の双晶面を有するハロゲン化銀粒子を意
味するが、双晶の形態の分類はクラインとモイザーによ
る報文「Photographisch Korrespondenz」 99巻99頁、10
0巻57頁に詳しく述べられている。
【0013】本発明の乳剤に含まれる互いに平行な双晶
面を2枚以上有する双晶粒子数は、大粒子から数えたと
き個数にして50%以上、好ましくは60%以上であり、よ
り好ましくは70%以上である。本発明に係る双晶は(11
1)面からなるもの、(100)面からなるもの、或いは両
者よりなるものでもよい。本発明に係るハロゲン化銀粒
子の形状は、立方体、8面体、14面体のような規則的な
結晶形を有するものでも球状、板状、ジャガ芋状のよう
な不規則な結晶形のものでもよく、それらの混合型又は
複合型であってもよい。本発明に係るハロゲン化銀粒子
は、粒子直径/厚さの比(アスペクト比と言う)の平均
値(平均アスペクト比と言う)が2未満であり、好まし
くは1.6未満である。これはアスペクト比が大きくなる
と耐久性が劣化するためである。
【0014】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いられる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリ
サーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12
月)・22〜23頁の1・乳剤製造法“Emulsion Preparati
on and Types”乳剤に記載の方法、或いは同(RD)No.1
8716(1979年11月)・648頁に記載の方法を参考に調製
することができる。また、本発明のハロゲン化銀写真感
光材料に用いられる乳剤は、例えばT.H.James著“The T
heory of the Photographic Process”第4版Macmillan
社刊(1977年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Dauffin著
「写真乳剤化学」“Photographic Emulsion Chemistr
y” Focal Press 社刊(1966年)、P.Glafkides著「写
真の物理と化学」“Chimie et Physique Photographiq
ue”PaulMontel 社刊(1967年)、V.L.Zelikman 他著
「写真乳剤の製造と塗布」“Makingand Coating Photog
raphic Emulsion”Focal Press 社刊(1964年)などに
記載の方法により調製される。即ち、酸性法、アンモニ
ア法、中性法などの溶液条件にて順混合法、逆混合法、
ダブルジェット法、コントロールド・ダブルジェット法
などの混合条件、コンバージョン法、コア/シェル法な
どの粒子調製条件及びこれらの組合わせ法を用いて製造
することができる。
【0015】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子
内部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。ここでいう
単分散乳剤とは、ハロゲン化銀粒子の顕微鏡写真等から
平均粒子直径を測定したとき、粒子数又は重量で少なく
とも95%の粒子が平均粒子径の±30%以内、好ましくは
±20%以内にあるハロゲン化銀粒子である。ここでいう
単分散性とは、特開昭60-162244号で定義されたもの
で、粒径に関する変動係数が0.20以下のものである。
【0016】ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が
異なったハロゲン化銀組成からなってもよい。即ちコア
と、そのコアとはハロゲン化銀組成の異なる少なくとも
1層以上のシェルからなるコア/シェル構造を有するも
のである。高沃素部の沃化銀含量は5〜40モル%で、特
に好ましくは5〜30モル%である。かかる単分散乳剤の
製造法は公知であり、例えば J.Phot.Sci.12.242〜251
(1963)、特開昭48-36890号、同52-16364号、同55-142
329号、同58-49938号、英国特許1,413,748号、米国特許
3,574,628号、同3,655,394号などに詳しく記載されてい
る。上記の単分散乳剤を得るための方法として、例えば
種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオン及びハラ
イドイオンを供給し成長させる方法が特に好ましい。な
お、コア/シェル型乳剤の製法は公知で、例えば英国特
許1,027,146号、米国特許3,505,068号、同4,444,877号
或いは特開昭60-143331号などに記載の方法を参考にす
ることができる。
【0017】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、塩化
銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀
等ハロゲン組成は任意であるが、高感度という点から沃
臭化銀が好ましく、平均沃化銀含有率は3.0モル%未満
であって特に好ましくは2.5モル%未満であり、かつ最
表面の平均沃化銀含有量が10.0モル%未満のハロゲン化
銀粒子である。
【0018】個々の乳剤粒子の沃化銀含有率は、例えば
X線マイクロアナライザーを用いて一個一個のハロゲン
化銀粒子の組成を分析することにより測定出来る。個々
の粒子の沃化銀含有率の変動係数としては、少なくとも
100個の乳剤粒子の沃化銀含有率を測定した際の沃化銀
含有率の標準偏差を平均沃化銀含有率で除した値に100
を乗じて得られた値である。
【0019】なお、日本写真学会誌53巻第2号125〜128
頁(1990年)には分析電子顕微鏡によるハロゲン化銀一個
一個の内部構造につき、沃化銀含有量を測定した結果が
報告されている。またJournal of Imaging Science vo
l.31 No.1 15〜26頁(1987年)には平板状粒子のハロ
ゲン組成に関して粒子内微細構造を低温発光法(Low-te
mperatur eluminescence microscopy)を利用して観察
することが報告されている。さらにJournal of Imaging
Science vol.32 No.4 160〜177頁(1988年)には粒子
内の沃化銀分布を有した沃化銀に塩化銀を沈殿させると
沃化銀が塩化銀の沈積場所を決定(サイトダイレクト)
することが報告されている。さらに、日本写真学会誌53
巻第3号(1990年)の213頁以降には透過型電子顕微鏡
を用いて低温で粒子を直接観察することで粒子中のハロ
ゲン組成の不均一性が観察できることが報告されてい
る。このように、ハロゲン化銀粒子一個一個のハロゲン
化銀組成の微細構造を観察できる。
【0020】本発明に係るハロゲン化銀乳剤の総沃化銀
量の50%以上は、微粒子沃化銀の供給によるものであ
り、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%
以上である。微粒子沃化銀の粒子サイズは、沃素イオン
の供給速度を支配するため、好ましい粒径はホストとな
るハロゲン化銀粒子の粒径やハロゲン化銀組成によって
変わるが、平均球換算直径が0.1μmのものが好ましい。
【0021】また、微粒子沃化銀が本発明に係るホスト
粒子に固溶体となって再結晶化させるためには、微粒子
沃化銀の粒径はホスト粒子の球換算直径よりも小さいこ
とが好ましい。沃化銀に関しては、一般には立方晶系の
γ-AgIと六方晶のβ-AgIが知られているが、本発明に用
いた場合の微粒子沃化銀としては、いずれの結晶構造で
あってもよく、またこれらの混合物であってもよい。
【0022】本発明で用いる微粒子沃化銀は、単分散性
が良好であることが好ましく、ダブルジェット法により
温度、pH、pAgを制御しながら調製することが好まし
い。
【0023】本発明に係る、互いに平行な双晶面を2枚
以上有する双晶粒子の製造法としては、pBrが3.0以下
に保たれたゼラチン水溶液に硝酸銀水溶液を添加する
か、又は硝酸銀水溶液とハロゲン化物水溶液を同時に添
加して双晶種粒子を発生させ、次にダブルジェット法に
より成長させることによって得ることができる。ハロゲ
ン化銀粒子の大きさは、粒子形成時の温度、銀塩及びハ
ロゲン化物水溶液の添加速度によってコントロールでき
る。
【0024】本発明に係るハロゲン化銀乳剤の平均沃化
銀含有率、及び平均塩化銀含有率は、添加するハロゲン
化物水溶液の組成、即ち臭化物と沃化物、及び塩化物の
比を変えることによりコントロールすることができ、ま
た乳剤製造時に必要に応じてアンモニア、チオエーテ
ル、チオ尿素等のハロゲン化銀溶剤を用いることができ
る。
【0025】乳剤は可溶性塩類を除去する(脱塩処理工
程)ためにヌーデル水洗法、フロキュレーション沈降法
などの水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法として
は、例えば特公昭35-16086号記載のスルホ基を含む芳香
族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開平
2-7037号記載の凝集高分子剤、例示G−3、G−8など
を用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0026】本発明で用いられるセレン増感剤として
は、従来公知の特許に開示されているセレン化合物を用
いることができる。即ち、通常、不安定型セレン化合物
及び/又は非不安定型セレン化合物を添加して、高温、
好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌することによ
り用いられる。不安定型セレン化合物としては特公昭44
-15748号、特公昭43-13489号などに記載の化合物を用い
ることが好ましい。具体的な不安定セレン増感剤として
は、イソセレノシアネート類(例えばアリルイソセレノ
シアネートの如き脂肪族イソセレノシアネート類)、セ
レノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノ
カルボン酸類(例えば、2-セレノプロピオン酸、2-セレ
ノ酪酸)、セレノエステル類、ジアシルセレニド類、
(例えばビス(3-クロロ-2,6-ジメトキシベンゾイル)セ
レニド)、セレノホスフェート類、ホスフィンセレニド
類、コロイド状金属セレンなどが挙げられる。更に、非
不安定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレ
ノシアン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類
の四級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニ
ド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2-セ
レナゾリジンジオン、2-セレノオキサゾリジンチオンお
よびこれらの誘導体等が挙げられる。これらのセレン化
合物のうち、好ましくは以下の一般式(I)および(I
I)が挙げられる。
【0027】
【化1】
【0028】式中、Z1およびZ2はそれぞれ同じでも異
なっていてもよく、アルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、t-ブチル基、アダマンチル基、t-オクチル
基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル
基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基)、アリール基(例えば、フェニル基、ペンタフルオ
ロフェニル基、4-クロロフェニル基、3-ニトロフェニル
基、4-オクチルスルファモイルフェニル基、α-ナフチ
ル基)、複素環基(例えば、ピリジル基、チエニル基、
フリル基、イミダゾリル基)、−NR1(R2)、−OR3または
−SR4を表す。R1、R2、R3およびR4はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、
アリール基または複素環基を表す。アルキル基、アラル
キル基、アリール基または複素環基としてはZ1と同様
な例が挙げられる。ただし、R1およびR2は水素原子ま
たはアシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、
ベンゾイル基、ヘプタフルオロブタノイル基、ジフルオ
ロアセチル基、4-ニトロベンゾイル基、α-ナフトイル
基、4-トリフルオロメチルベンゾイル基)であってもよ
い。一般式(I)中、好ましくはZ1はアルキル基、ア
リール基または−NR1(R2)を表し、Z2は−NR5(R6) を表
す。R1、R2、R5およびR6はそれぞれ同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、ま
たはアシル基を表す。一般式(I)中、より好ましくは
N,N-ジアルキルセレノ尿素、N,N,N′-トリアルキル-N′
-アシルセレノ尿素、テトラアルキルセレノ尿素、N,N-
ジアルキル-アリールセレノアミド、N-アルキル-N-アリ
ール-アリールセレノアミドを表す。
【0029】
【化2】
【0030】式中、Z3、Z4およびZ5はそれぞれ同じ
でも異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、複素環
基、−OR7、−NR8(R9)、−SR10、−SeR11、X、水素原
子を表す。R7、R10およびR11は脂肪族基、芳香族
基、複素環基、水素原子またはカチオンを表し、R8
よびR9は脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原
子を表し、Xはハロゲン原子を表す。一般式(II)にお
いて、Z3、Z4、Z5、R7、R8、R9、R10およびR11
で表される脂肪族基は直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、t-ブチル基、n-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル
基、n-ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、アリール基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基、
プロパルギル基、3-ペンチニル基、ベンジル基、フェネ
チル基)を表す。一般式(II)において、Z3、Z4、Z
5、R7、R8、R9、R10およびR11で表される芳香族基
は単環または縮環のアリール基(例えば、フェニル基、
ペンタフルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、3-ス
ルホフェニル基、α-ナフチル基、4-メチルフェニル
基)を表す。一般式(II)においてZ3、Z4、Z5
7、R8、R9、R10およびR11で表される複素環基は
窒素原子、酸素原子または硫黄原子のうち少なくとも一
つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環基
(例えば、ピリジル基、チエニル基、フリル基、チアゾ
リル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基)を表
す。一般式(II)において、R7、R10およびR11で表
されるカチオンはアルカリ金属原子またはアンモニウム
を表し、Xで表されるハロゲン原子は、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を表す。一般式
(II)中、好ましくはZ3、Z4またはZ5は脂肪族基、
芳香族基または−OR7を表し、R7は脂肪族基または芳香
族基を表す。一般式(II)中、より好ましくはトリアル
キルホスフィンセレニド、トリアリールホスフィンセレ
ニド、トリアルキルセレノホスフェートまたはトリアリ
ールセレノホスフェートを表す。以下に一般式(I)お
よび(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】これらのセレン増感剤は水またはメタノー
ル、エタノールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解し、化学増感時に添加される。好ましくは化学増感
開始前に添加される。使用されるセレン増感剤は1種に
限られず上記セレン増感剤の2種以上を併用して用いる
ことができる。不安定セレン化合物と非不安定セレン化
合物を併用してもよい。本発明に使用されるセレン増感
剤の添加量は、用いるセレン増感剤の活性度、ハロゲン
化銀の種類や大きさ、熟成の温度および時間などにより
異なるが、好ましくは、ハロゲン化銀1モル当たり1×
10-8モル以上である。より好ましくは1×10-7モル以上
1×10-5モル以下である。セレン増感剤を用いた場合の
化学熟成の温度は好ましくは45℃以上である。より好ま
しくは50℃以上、80℃以下である。pAgおよびpHは任意
である。例えばpHは4から9までの広い範囲で本発明
の効果は得られる。セレン増感は、ハロゲン化銀溶剤の
存在下で行うことにより、より効果的である。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、化学増
感において硫黄増感及び/又は金増感を併用することに
よりさらに高感度、低カブリを達成することができる。
硫黄増感は、通常硫黄増感剤を添加して高温、好ましく
は40℃以上で乳剤を一定時間撹拌することにより行われ
る。
【0038】また、金増感は、通常、金増感剤を添加し
て高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌する
ことにより行われる。上記の硫黄増感には硫黄増感剤と
して公知のものを用いることができる。例えばチオ硫酸
塩、チオ尿素類、アリルイソシアネート、シスチン、p-
トルエンチオスルホン酸塩、ローダニンなどが挙げられ
る。硫黄増感剤の添加量は乳剤の感度を効果的に増大さ
せるのに十分な量でよい。この量はpH、温度、ハロゲ
ン化銀粒子の大きさなどの条件の下で相当の範囲にわた
って変化するが、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-7
ル以上、5×10-4モル以下である。
【0039】上記の金増感の金増感剤としては、金の酸
化数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常
用いられている金化合物を用いることができる。代表的
な例としては塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、
オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシ
アネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオ
ーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、
ピリジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。金増感
剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としては
ハロゲン化銀1モル当たり1×10-7モル以上5×10-4
ル以下が好ましい。化学熟成に際しては、ハロゲン化銀
溶剤及びセレン増感剤、またはセレン増感剤と併用する
ことができる硫黄増感剤及び/又は金増感剤等の添加の
時期(好ましくは)または化学熟成進行中に上記化合物
を同時に、或いは添加時期を異にして添加することがで
きる。また添加に際しては、上記の化合物を水または水
と混合し得る有機溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、アセトン等の単液或いは混合液に溶解せしめて添加
させればよい。
【0040】本発明のハロゲン化銀乳剤は、分光増感す
ることができる。本発明に用いられる分光増感色素とし
ては通常のメチン色素が用いられるが、これらにはシア
ニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合
メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシ
アニン色素、スチリル色素及びヘミオキソノール色素等
が包含される。例えば特願平3-95310号に記載されてい
るようなオキサカルボシアニン、ベンゾイミダゾロカル
ボシアニン、ベンゾイミダゾロオキサカルボシアニンな
どが挙げられる。また、特願平5-121484号に記載されて
いる青色光域に増感効果を有する色素も好ましく用いら
れる。これらの増感色素はそれぞれ単一、もしくは組み
合わせて用いることができる。分光増感色素は、メタノ
ールのような有機溶媒に溶解した溶液として添加するこ
とが好ましい。
【0041】分光増感色素の添加量は、色素の種類や乳
剤条件によって一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当
たり10〜900mgが好ましく、60〜400mgが特に好ましい。
分光増色素は、化学熟成工程の終了前に添加するのが好
ましく、化学熟成工程の終了前に数回に分けて添加して
もよい。さらに好ましくはハロゲン化銀粒子の成長工程
終了後から、化学熟成工程の終了前であり、特に化学熟
成開始前が好ましい。
【0042】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)、
同No.18716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つのリ
サーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類
と記載箇所を以下に掲載した。
【0043】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 VIII 可塑剤 27 VII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 VII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IV 支持体 28 IVII 1009 IVII 本発明のハロゲン化銀写真感光材料には写真構成層の少
なくとも1層中に紫外線吸収剤を少なくとも1種含有す
るが、用いられる紫外線吸収剤は単独でもよく、また2
種類以上を混合して用いてもよい。
【0044】以下に、この化合物の代表的な基本骨格と
化合物例を示す。
【0045】
【化8】
【0046】ただし、EWGは電子吸引性置換基(例え
ば、シアノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基、
カルボニル基等)を表す。
【0047】化合物例
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】本発明で用いられる紫外線吸収剤は、水溶
性のものや油溶性のもの、あるいはラテックス状のもの
など全てを含むが、これらをレーザー用ハロゲン化銀写
真感光材料の構成層中に適用する方法は、水あるいはメ
タノール、エタノール、アセトン、ジメチルアセトン、
ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢
酸メチル、酢酸エチルなどの有機溶剤又は水と前記有機
溶媒との混合溶媒に溶解したのち乳剤中に添加する。場
合によっては下記の分散用界面活性剤を併用してもよ
い。
【0056】また、紫外線吸収剤が油溶性の場合は、前
記の低沸点有機溶剤と水溶性で高沸点の有機溶剤(例え
ばブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルフォスフェート、トリヘキシルフォスフェート、ト
リオクチルフォスフェート、トリシクロヘキシルフォス
フェート、トリフェニルフォスフェート、ジオクチルフ
ェニルフォスフェート、オレイン酸ヘキシル、グルタル
酸ジヘキシル、クエン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、
ブタンジオールジベンゾエート、N,N-ジエチルラウリル
アミド、ベヘン酸、オクタデシルアルコール、塩素化ポ
リエチレンなど、さらに分散用界面活性剤(アニオン
性、ノニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤で、例
えばスルホン酸系、硫酸エステル系、カルボン酸系、硫
酸エステル系、カルボン酸系、リンゴ酸系、硼酸系ポリ
アルキレンオキサイド系、ポリグルセリン系、カルボキ
シベタイン系、スルホベタイン系、アンモニウム系、ピ
リジウム系など)を用いて可溶化、あるいは乳化分散し
て乳剤中に添加すればよい。
【0057】本発明の中では紫外線吸収剤の添加方法と
しては、水と前記有機溶媒との混合溶媒に溶解したのち
に乳剤中に添加する方法が好ましい。本発明に用いられ
る前記紫外線吸収剤の使用量は、ハロゲン化銀1モル当
たり0.05〜1gでよく、好ましくは0.1〜0.5gである。
【0058】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、支
持体上に少なくとも1層の上記感光性層を有し、必要に
より下塗り層、アンチハレーション層、中間層、保護層
を有してもよい。
【0059】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いることのできる支持体としては、例えば前述のRD-1
7643の28及びRD-308119の1009頁に記載されているもの
が挙げられる。適当な支持体としてはポリエチレンテレ
フタレートフィルムなどで、これら支持体の表面には塗
布層の接着をよくするために下塗り層を設けたり、コロ
ナ放電、紫外線照射などを施してもよい。
【0060】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。但し
当然のことではあるが本発明は以下述べる実施例により
限定されるものではない。
【0061】実施例1 〈種乳剤Aの調製〉以下に示す溶液を用い、臭化銀から
成る種乳剤Aを調製した。
【0062】 A 過酸化水素処理したオセインゼラチン
40g 臭化カリウム 75.1g HO(CH2CH2O)m-(CH(CH3)CH2O)17-(CH2CH2O)n-H (m+n≒5.7)の 10%メタノール溶液 10ml 水を加えて 400ml B1 硝酸銀 600g 水を加えて 803ml C1 過酸化水素処理したオセインゼラチン 16.1g 臭化カリウム 420 g 水を加えて 803 ml D1 アンモニア水(28%) 235 ml 特開昭62-160128号に開示されている装置を用い、混合
用撹拌ペラの下部への供給ノズルが、溶液B1用、溶液
1用、各々6本となる様に設置した。
【0063】温度40℃、回転数430rpmで高速撹拌された
溶液A1に、溶液B1と溶液C1とをコントロールド・ダ
ブルジェット法にて流速62.8ml/minで添加した。な
お、添加開始後4分46秒から徐々に流速を上げ、最終の
流速は105ml/minとなる様に行った。総添加時間は10分
45秒であった。臭化カリウム溶液(3.5N)で、添加中の
pBrを1.3に保持した。
【0064】添加終了後、105分間で混合液の温度を20
℃に直線的に下げ、撹拌回転数を460rpmにして、溶液D
1を20秒間で添加して、5分間のオストワルド熟成を行
った。熟成時の臭素イオン濃度は0.025モル/l、アン
モニア濃度は0.63モル/l、pHは11.7であった。
【0065】その後、直ちにpHが5.6になるまで酢酸を
加えて中和して熟成を止め、過剰な塩類を除去するた
め、デモールN(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マ
グネシウム水溶液を用いて脱塩水洗を行い種乳剤Aを得
た。種乳剤Aを電子顕微鏡により観察したところ、平均
粒径0.24μm、粒径の変動係数17%の球型粒子であるこ
とが分かった。
【0066】(微粒子沃化銀乳剤の調製)0.008モルの
沃化カリウムを含む5.2重量%のゼラチン溶液5000ml、
1.06モルの硝酸銀と沃化カリウムを含む水溶液をそれぞ
れ1500mlを一定流量で35分かけて添加した。この間、温
度は40℃に保持した。得られた沃化銀微粒子の平均粒径
は0.043μmでβ-AgIとγ-AgIの混合物であった。
【0067】引き続き種乳剤Aを用いて本発明に係る主
として平板双晶よりなる乳剤を調製した。
【0068】<乳剤EM−1の調製> A2 オセインゼラチン 42.8g HO-〔CH2CH2O〕m-〔CH(CH3)-CH2O〕17-〔CH2CH2O〕n-OH (m+n≒5.7) MW1700 (10%メタノール溶液) 9.0ml 28重量%アンモニア水溶液 370ml 56重量%酢酸水溶液 530ml 純水で 3700mlにする B2 オセインゼラチン 24.0g 臭化カリウム 2430g 純水で 4800ml C2 硝酸銀 3530g 28%アンモニア水溶液 2880ml 硝酸アンモニウム 668g 純水で 5940ml D2 微粒子沃化銀乳剤 0.298モル相当 E2 種乳剤A 0.83モル相当 F2 3.5N臭化カリウム水溶液 pAg制御用 G2 56重量%酢酸水溶液 pH制御用 液温75℃で激しく撹拌した溶液A2に、種乳剤Aを入れ
よく分散させ溶液B2と溶液C2及び溶液D2を197分でコ
ントロールド・ダブルジェット法にて添加した。
【0069】なお、D2はB2の8%添加時で添加を終了
した。
【0070】ここでB2、C2及びD2液の添加速度は、
臨界成長速度に見合ったように時間に対して関数様に変
化させ、成長している種結晶以外の小粒子の発生及びオ
ストワルド熟成により多分散化しないように適切な添加
速度で添加した。
【0071】溶液D2、即ち微粒子沃化銀の供給は、B2
液、即ちアンモニア性硝酸銀水溶液との速度比(モル
比)を0.33として粒径(添加時間)に対して変化させる
ことによって多重構造を有するコア/シェル型ハロゲン
化銀乳剤を作成した。
【0072】またF2液、G2液を用いることにより、粒
子成長中のpAgを8.00、pHを7.0に終始保持した。添加
終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に調整し、過剰な塩
類を除去するため、花王アトラス〔社〕製のデモールN
(ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩のアルデヒド縮合
物)と硫酸マグネシウムの水溶液を用いて脱塩してか
ら、ゼラチンを加え40℃にてpAg=8.5、pH=5.85の条
件で再分散し、乳剤EM−1を得た。走査型電子顕微鏡
にて観察したところ平行な双晶面を2枚有する1辺が0.
97μmの立方体型粒子であった。
【0073】<乳剤EM−2の調製>乳剤EM−1の調
製法においてC2液を添加開始後、108分(添加総銀量の
80%終了)から4.37Nの臭化カリウム水溶液1800mlを一
定流量で8分かけて添加した。この臭化カリウム水溶液
の添加以外はEM−1と全く同様の方法でEm−2を調
製した。得られた乳剤を走査型電子顕微鏡にて約200サ
ンプル観察したところ、平均粒径0.98μmで立方体の頂
点が丸みを帯びていた。またEM−1と同様に互いに平
行な2枚の双晶面が観察された。
【0074】<種乳剤Bの調製> A3 オセインゼラチン 24.2g 蒸留水 9657ml HO-(CH2CH2O)n-[CH(CH3)CH2O]17-(CH2CH2O)mH (n+m=5.7 平均分子量1700) 10%メタノール水溶液 6.78ml KBr 10.8g 10%硝酸 114ml B3 2.5N硝酸銀水溶液 2825ml C3 KBr 824g KI 23.5g 蒸留水で 2825mlにする D3 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 35℃で特公昭58-58288号、同58-58289号に記載されてい
る混合撹拌機を用いて、溶液A3に溶液B3及び溶液C3
の各々464.3mlを同時混合法により2分を要して添加し
核形成を行った。
【0075】溶液B3及び溶液C3の添加を停止した後、
60分の時間を要して溶液A3の温度を60℃に上昇させ、
再び溶液B3と溶液C3を同時混合法により各々55.4ml/
minの流量で42分間添加した。この35℃から60℃への昇
温及び溶液B3、C3による再同時混合の間の銀電位(飽
和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で
測定)を溶液D3を用いてそれぞれ+5mV及び+12mVに
なるよう制御した。
【0076】添加終了後3%KOHにてpHを6.0に合わ
せ、直ちに脱塩、水洗を行い種乳剤Bとした。この種乳
剤Bは、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最
大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平
板の平均厚さ0.05μm、平均直径(円直径換算)は0.55
μmであることが電子顕微鏡観察により判明した。
【0077】<乳剤EM−3の調製> A4 オセインゼラチン 40.5g HO-(CH2CH2O)n-[CH(CH3)CH2O]17-(CH2CH2O)m-H (n+m=5.7 平均分子量約1700) 10%メタノール水溶液 9.0ml 蒸留水で 3700mlとする B4 オセインゼラチン 30.0g KBr 2500g 蒸留水で 6000mlとする C4 硝酸銀 3500g 蒸留水で 5900mlとする D4 微粒子沃化銀乳剤 0.282モル相当 E4 種乳剤B 1.18モル相当 F4 3.5N KBr水溶液 下記銀電位制御量 液温75℃で激しく撹拌した溶液A4に、種乳剤Bを入れ
よく分散させ溶液B4と溶液C4及び溶液D4を182分でコ
ントロールド・ダブルジェット法にて添加した。なお、
4はB4の2%添加時で添加を終了した。
【0078】ここでB4、C4及びD4液の添加速度は、
臨界成長速度に見合ったように時間に対して関数様に変
化させ、成長している種結晶以外の小粒子の発生及びオ
ストワルド熟成により多分散化しないように適切な添加
速度で添加した。
【0079】溶液D4、即ち微粒子沃化銀の供給は、B4
液、即ちアンモニア性硝酸銀水溶液との速度比(モル
比)を2.2として粒径(添加時間)に対して変化させる
ことによって多重構造を有するコア/シェル型ハロゲン
化銀乳剤を作成した。
【0080】また、E4液を用いることにより、粒子成
長中のpAgを6.2に終始保持した。添加終了後、直ちに酢
酸によりpHを6.0に調整し、過剰な塩類を除去するた
め、EM−1と同様の方法で脱塩してから、ゼラチンを
加え40℃にてpAg=8.5、pH=5.85の条件で再分散し、
乳剤EM−3aを得た。走査型電子顕微鏡にて観察した
ところ平行な双晶面を2枚有する1辺が0.95μmの立方
体型粒子であった。
【0081】また、粒子成長中のpAgとpHを変化させた
以外はEM−3aと全く同様の方法で乳剤EM−3bを
得た。
【0082】電子顕微鏡により観察、測定したところ、
平行な双晶面を2枚有する平均粒子直径(円換算直径)
1.33μm、平均粒子厚さ0.48μm、平均アスペクト比2.8
の平板粒子であった。
【0083】<乳剤EM−4の調製>EM−3の調製法
において、C3液の添加開始後、171分(添加総銀量の80
%終了)から4.37Nの臭化カリウム水溶液1800mlを一定
流量で8分かけて添加した。この間、pAgは6.2から10.0
まで上昇した。
【0084】この臭化カリウム水溶液の添加以外は、E
M−3と全く同様の方法でEM−4を得た。走査型電子
顕微鏡にて約200サンプル観察したところ、平均粒径0.9
6μmで立方体の頂点が丸みを帯びていた。またEM−3
と同様に互いに平行な2枚の双晶面が観察された。
【0085】<乳剤EM−5の調製>以下の4種類の溶
液を用いて単分散平板状乳剤EM−5を調製した。
【0086】 A5 ゼラチン 29.4g HO(CH2CH2O)m-(CH(CH3)CH2O)17-(CH2CH2)n-H (m+n≒5.7) 10%エタノール水溶液 2.5ml 種乳剤B 0.17モル相当 蒸留水で4800mlとする。
【0087】 B5 硝酸銀 1404.2g 蒸留水で2360mlとする。
【0088】 C5 臭化カリウム 982.8g 蒸留水で2360mlとする。
【0089】 D5 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 60℃において特公昭58-58288号、同58-58289号明細書に
示される混合撹拌機を用いて溶液A5に溶液B5及び溶液
5の全量を同時混合法により21.26ml/minの流速で111
分の時間を要し添加成長を行った。
【0090】この間の銀電位を溶液D5を用いて+25mV
になるように制御した。B5及びC5添加終了後、上記の
沃化銀微粒子乳剤を0.20モル添加し10分間60℃にて撹拌
した。
【0091】終了後、過剰な塩類を除去するためデモー
ルN(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム
水溶液を用いて脱塩を行い、オセインゼラチン92.2gを
含むゼラチン水溶液を加え2500mlとして撹拌再分散し
た。
【0092】EM−5を電子顕微鏡により観察、測定し
形成を分析したところ、平均粒子直径(円直径換算)2.
08μm、平均粒子厚さ0.26μm、平均アスペクト比8.0、
分布の広さが26%であった。
【0093】<種乳剤Cの調製>以下に示す溶液を用い
て正常晶種乳剤Cを調製した。
【0094】 A6 水 11.5l 臭化カリウム 2.05g オセインゼラチン 100g B6 水 2.6l 臭化カリウム 65g 沃化カリウム 1.8g オセインゼラチン 55g 0.2N硫酸 38.5cc C6 水 3.0l 臭化カリウム 950g 沃化カリウム 27g オセインゼラチン 75g D6 水 2.7l 硝酸銀 95g E6 水 3.2l 硝酸銀 1410g 反応釜にA6液を入れて60℃に保温し、他の液は23℃で
添加した。この際、B6液及びD6液をコントロールド・
ダブルジェット法により、30分間かけて添加し、その
後、C6液及びE6液をコントロールド・ダブルジェット
法により105分間かけて加えた。撹拌は、500rpmで行っ
た。流速は、粒子の成長に伴い、ハロゲン化銀粒子の総
表面積に比例して増加せしめ、添加液の流入の際に新し
い成長核が発生せず、かつ、いわゆるオストワルド熟成
をおこし粒径分布の広がらない流速で添加した。銀イオ
ン液及びハライドイオン液の添加時において、pAgは臭
化カリウム液を用いて8.3±0.05に調整し、pHは硫酸を
用いて2.0±0.1に調整した。添加終了後pHを6.0に合わ
せてから前記と同様な方法及び脱塩処理を行った。
【0095】得られた乳剤は、粒径が0.30μm、{111}
面が5%で他は{100}面からなる角がやや欠けた沃化
銀含量が2モル%の14面体単分散粒子であった。この乳
剤を種乳剤Cとした。
【0096】<乳剤EM−6の調製>はじめに以下の溶
液を調製した。全ての量はハロゲン化銀1モル当たりの
量を示す。
【0097】 A7 ゼラチン 10g 濃アンモニア水 28ml 氷酢酸 3ml 水で 600ml B7 臭化カリウム 1.7g 沃化カリウム 1.0g ゼラチン 0.27g 水で 37.0ml C7 臭化カリウム 90g ゼラチン 2.0g 水で 240ml D7(0.75N) AgNO3 3.3g NH4OH 2.3ml 水で 37ml E7 AgNO3 130g NH4OH 100ml 水で 240ml F7 臭化カリウム 94g 水で 165ml G7 AgNO3 9.9g NH4OH 7.0ml 水で 110ml A7液を40℃に保温し撹拌機で800rpmで撹拌を行った。
J液のpHは酢酸を用いて9.90に調整し、これに種乳剤
Cをハロゲン化銀1モル当たり0.03モル相当採取して分
散懸濁させた。その後、G7液を7分間かけて等速で添
加しpAgを7.3にした。更に、B7液、D7液を同時に20分
間かけて添加した。この時のpAgは7.30一定とした。更
に、10分間かけて臭化カリウム溶液及び酢酸を用いてp
H=8.83、pAg=9.0に調整した後、C7液、E7液を同時
に30分間かけて添加した。この時、添加開始時と添加終
了時の流入速度比は1:10であり、時間とともに流速を
上昇せしめた。又、流入量に比例してpHを8.83から8.0
0まで低下せしめた。
【0098】更に酢酸を加えてpHを6.0に調整した。次
に前記と同様な脱塩方法で過剰な塩を除去し乳剤EM−
6を得た。この粒子は平均粒径0.98μm、粒径の変動係
数16%の丸みを帯びた14面体型単分散沃臭化銀乳剤であ
った。
【0099】(乳剤の化学増感)得られた乳剤EM−1
〜EM−6を53℃にて撹拌保持しながら化学増感剤とし
て適量のチオシアン酸アンモニウム塩、塩化金酸、チオ
硫酸ナトリウムとセレン化合物を表1記載の通り添加し
た。その後撹拌停滞させ4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3
a,7-テトラザインデン及び1-フェニル-5-メルカプトテ
トラゾールを加えて安定化し、それぞれ最適に化学増感
した。
【0100】さらにEM−7としてEM−4の化学増感
剤添加後に、上記した沃化銀微粒子乳剤を1.2×10-2
ル相当添加した乳剤を調製した。
【0101】(塗布試料の作成)得られた化学増感を施
した乳剤EM−1〜EM−7を後記した添加剤を加えて
乳剤層塗布液とした。また同時に後記の保護層塗布液も
調製した。尚、塗布量は片面当たり銀量が2.7g/m2
ゼラチン付き量は3.0g/m2となるように2台のスライ
ドホッパー型コーターを用い毎分100mのスピードで支持
体上に両面同時塗布を行い、2分20秒で乾燥し、それぞ
れ塗布試料No.1〜No.22を得た。支持体としてはグリシ
ジルメタクリレート50wt%、メチルアクリレート10wt
%、ブチルメタクリレート40wt%の3種モノマーからな
る共重合体の濃度が10wt%になるように希釈して得た共
重合体水性分散液を下引き液とした175μmのX線フィル
ム用の濃度0.15に青色着色したポリエチレンテレフタレ
ートフィルムベースを用いた。また、紫外線吸収剤は表
1の通り添加した。
【0102】乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。
添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0103】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 70mg t-ブチル-カテコール 82mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 2.0g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg
【0104】
【化16】
【0105】 C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg ジエチレングリコール 7g デキストラン(平均分子量6万) 600mg ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量3.6万) 2.5g 次に保護層用塗布液として下記を調製した。添加剤は塗
布液1l当たりの量で示す。
【0106】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ソジウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製)(コロイドシリカ) 30g (CH2=CHSO2CH2)2O(硬膜剤) 7mg グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 2.0ml
【0107】
【化17】
【0108】センシトメトリー(写真性能の評価) 得られた試料を25℃、相対湿度50%で1日放置後(条件
1)、X線写真用増感紙NR-160(コニカ〔株〕製)で挟
み、ペネトロメーターB型(コニカメディカル[株]
製)を介してX線照射した。次いでローラ搬送型自動現
像機SRX−503を用い、現像液及び定着液はSR−D
F(いづれもコニカ〔株〕製)で45秒処理した。上記の
ようにして現像した各試料について、感度とカブリを評
価した。感度は条件1の試料No.1がカブリ+1.0の濃度
を与えるのに要した曝射エネルギー量の逆数を100とし
た相対値で示した。また40℃相対湿度80%の条件で3日
間放置した試料(条件2)についても同様に露光、現像
し感度とカブリを求めた。
【0109】得られた結果を表1に示す。但し表中のΔ
S、ΔFogは条件1と条件2の感度差とカブリ差を表し
ている。
【0110】(圧力耐性の評価)作成した試料を130mm
×35mmに裁断し、23℃、42%RHの条件下で1時間調湿し
たのち、曲率半径4mmに曲げ、未露光のまま現像した。
この時の折り曲げによって生じた黒化部分の濃度とカブ
リ濃度との差をΔDとして、圧力カブリの目安とした。
すなわちこの値が小さい程、圧力黒化耐性がよいことに
なる。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】表1、表2の結果から本発明の試料は高感
度でありながら圧力黒化耐性に優れ、しかも、高温高湿
下での保存性、圧力黒化耐性も良好であることがわか
る。
【0114】
【発明の効果】本発明により、高感度、高画質を保持し
ながら耐圧性が改良され、さらに高温、高湿下でのカブ
リ上昇や感度低下等の保存性が改良されたハロゲン化銀
写真感光材料を提供することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層中に平均沃化銀含有量が3モル%
    未満で互いに平行な双晶面を2枚以上有するアスペクト
    比2未満のハロゲン化銀粒子を少なくとも1種含有し、
    かつ写真構成層の少なくとも1層中に紫外線吸収剤を少
    なくとも1種含有することを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀粒子がセレン化合物の存在
    下で化学熟成されていることを特徴とする請求項1記載
    のハロゲン化銀写真感光材料。
JP11132094A 1994-05-25 1994-05-25 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH07319096A (ja)

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